JMC(5704)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 製造業におけるJMCという強固なブランドを確立するため、「MADE BY JMC」という企業理念及び「ものづくりに知性を。」というビジョンのもと、3次元CADデータ技術を用いて「樹脂を素材とする3Dプリンター」と「金属を素材とする砂型鋳造」の両成型法を利用、発展させながら、製造業を中心に幅広い業種の「試作品」から「最終製品」までの「ものづくり」をトータルサポートすることを主たる事業としております。 JMCの事業は、3Dプリンター事業、鋳造事業及びCT事業から構成されており、報告セグメントの区分も当該事業によっております。3つの事業を持つことで、3次元CADデータのノウハウを共有するだけでなく、人員のローテーションや設備の共同利用など社内のハード・ソフト資源を有効に活用することが可能になります。 3Dプリンター事業につきましては、製品開発を行っている顧客からの試作の依頼を3Dプリンターで作製し、提供するサービスを行っております。製造だけではなく、3次元CADデータの特殊な処理や装置のメンテナンスも自社で行うことで、メーカーと受託サービス会社が持つノウハウを一貫して有しております。 なお、当該事業は年中無休の稼働体制で顧客のニーズに合わせてサービスを提供しております。 また、3Dプリンターの技術を用いて開発された心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」は、国内外で心臓カテーテル治療に携わる医師やデバイスメーカー向けに、「HEARTROID PROJECT」(国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科、フヨー株式会社及びJMC)を通じて自社製品としてラインアップの増強を進めております。 鋳造事業につきましては、多品種少量生産に適した砂型鋳造法を採用しております。また、多くの鋳造業者が鋳造以外の工程の外注化を図っているのに対し、JMCでは木型、鋳造、熱処理、機械加工、検査まで一貫した製造工程を内製化したことにより、顧客メーカーの要求に応える安定した製品品質と短納期化を実現しております。従来の「伝統の職人技」と言える部分を精緻な3次元CADデータの取り込みなどを通して、砂型鋳造の精度をダイカスト法(注1)と同等レベルまで向上させたことで、試作品のみならず最終製品の受託も手掛けており、最終製品と同素材の試作品を顧客に販売することで、製品に対する需要を把握するテストマーケティングにも利用されております。 さらに、砂型3Dプリンター(注2)を導入し、益々大型化・複雑化する設計に対して、これまで手作業で造型することのできなかった複雑な砂型にも対応可能となり、付加価値の拡大に寄与しております。 また、製造部門では、トヨタ生産方式(注3)を導入し、設備増強と併せて製造工程の効率化を進めております。 品質検査体制ではベーカーヒューズ製の産業用CTを複数機種導入し、自動車や航空宇宙分野で求められる品質水準を確保しております。 このように品質検査体制と短納期、さらにはトヨタ生産方式の導入を強みとして、一部の完成車メーカーからTier1(注4)企業として選定されています。 CT事業につきましては、製品評価やリバースエンジニアリング(注5)等の高度な検査・測定サービスの受託に加え、顧客製品の不具合を検出する「全数検査・選別サービス」を提案しております。また、ベーカーヒューズ製の産業用CT、関連サービス及びヘキサゴンマニュファクチュアリングインテリジェンス株式会社製の産業用CT/ボクセルデータ用ソフトウエアの販売業務を行っております。 [事業系統図] (注)1.ダイカスト法金型鋳造法のひとつで、金型に溶融した金属を圧入することにより、高い寸法精度の鋳造品を短時間で大量に生産する鋳造方式のことです。 2.砂型3DプリンターCADデータから直接鋳造用の砂型を造形する装置で、経済産業省が推進する「次世代型産業用3Dプリンターの造形技術開発・実用化事業」でも開発が進められており、今後の国内製造業における基盤となりうる技術の一つとして期待されております。砂型3Dプリンターの導入は、マシニングセンタでマスターモデルとなる木型を削り出し、職人の手込めによって行われていた従来の作業工程を短縮し、特に数多くの砂型を組み合わせて構成する自動車のシリンダーヘッドやインテークマニホールドの中子製作において、飛躍的な工期短縮を実現します。 3.トヨタ生産方式「ジャストインタイム」と「自働化」の2つの理念でムダを排除し、生産を合理化する生産方式のことで、その実現には「1.カイゼン」、「2.問題の見える化」、「3.なぜなぜ分析」、「4.7つのムダとり」の手法を用います。 4.Tier1(ティア・ワン)メーカーに部品を直接納入する一次サプライヤーのことです。一次請負とも言われています。 5.リバースエンジニアリング物体を産業用CTでスキャンし、データをコンピュータに取り込み、そのデータから物体形状のCADデータを再構築することです。 [事業フロー] (1)3Dプリンター事業 3Dプリンター事業では、製品開発を行っている顧客に対して試作品を3Dプリンターで作製し、提供するサービスを行っております。JMCが保有する3Dプリンターは、光造形方式、粉末焼結(ナイロン造形)方式を中心に、現在業界で採用されている主要な工法を備えております。工法が多岐にわたることに加えて、JMCでは顧客への短納期化を実現するために、自社による見積データの解析・補正サービスや年中無休の稼働体制を敷いております。また、3Dプリンターでの作製後の各種後加工(塗装・染色・ネジ加工・アルミ真空蒸着(注6)・真空注型(注7))も行っております。 同事業においては、医療分野でも3Dプリンターによる製品の作製サービスを行っております。脳外科、口腔外科分野において、患者のCT・MRIデータから頭蓋骨や下顎骨のデータを作成し、3Dプリンターで実体モデルを作製しております。実体モデルは、手術前のシミュレーションや手術方式の説明等に利用されております。また、3Dプリンターと真空注型を組み合わせた独自の技術(特許番号5236103号)を保有しております。これは、臓器の複雑な形状を忠実に再現するため、型を3Dプリンターで作製し、シリコーンゴムなどの軟質材料を注入することで、軟質の臓器モデルを作製するものです。臓器モデルは医療機器の機能評価やカテーテル、内視鏡手術のトレーニングに利用されております。 3Dプリンターのそれぞれの方式の特徴は以下のとおりであります。 a. 光造形方式 工業製品の高速試作に用いられる3Dプリンターであります。液体樹脂にレーザーをあて、硬化させながら層を積み重ねていくことで作製します。他の3Dプリンターに比べて高精度な製品を作製することができる一方、導入コストが高額であり、運用には高度なノウハウが必要なため、ハイクラスなサービスビューロー(注8)や大企業の研究開発部等が導入するプロユースの装置であります。用途の例としては、医療機器の試作品、部品の接続や機能検証用のモデル、可視化用の透明モデル等になります。 b. 粉末焼結(ナイロン造形)方式 ナイロン粉末をCO2レーザーで焼き固め、積み重ねていくことで、モデルを作製する3Dプリンターであり、強度や耐熱性が求められるモデルの作製に用いられます。装置は3Dプリンターの中で高額な部類に属し、また、材料費も高価なため導入に対する障壁が高い方式であります。用途の例としては、自動車の動作確認用部品モデルや内装部品の試作品等になります。 c. FDM(熱溶解積層)方式 熱可塑性樹脂(PLA、ABSなど)を溶かしてノズルから押し出し、一層ずつ積み重ねて立体物を造形する3Dプリンターです。比較的安価で手軽に試作品や治具を作れるため、ホビーから工業用途まで広く普及しています。実製品に近い強度を持つ部品の造形や、機能検証用の造形品に用いられます。 (注)6.アルミ真空蒸着真空内でアルミニウムを加熱して、気化・昇華させ、離れた位置に置かれた基材・基板の表面に付着・堆積させて薄膜を形成する技術のことです。 7.真空注型光造形品や切削加工品をマスターモデルにして、シリコーンゴム等の複製用の型を作製します。その型に樹脂を流し込み固化させた後、型を外して複製品を作製する工法のことです。 8.サービスビューロー商用印刷やデスクトップパブリッシングに関連するサービスを行う業者のことで、出力センターとも呼ばれています。ページレイアウトソフトで作成したデータの出力や、スキャニングなど様々なサービスを行います。 (2)鋳造事業 鋳造は、製品の形状を反転させた型に、鉄・銅・アルミニウム・マグネシウム等の溶かした金属を流し込み、製品を作製する工法になります。この時に用いる型を“鋳型(いがた)”と呼び、素材により金型・砂型・石膏型等、数種類に分けられます。 鋳造工法は、複数の工程から成っており、顧客から受領したCAD(注9)データから型データの作成、木型の作製、砂型の作製、鋳込(注10)、仕上、熱処理、機械加工、検査を経て、製品が完成いたします。これまでの鋳造業界では、その各工程をそれぞれ別会社が営んでおり、工程間のデリバリー時間が発生することや、工程間の情報共有不足による不良品発生が問題となっております。JMCも事業開始時は砂型の作製、鋳込、仕上工程のみ自社で行っており、それ以外の工程を外部委託しておりましたが、顧客からの短納期や品質向上の要求に応えるためには、完全素加一貫(注11)の生産体制を構築する必要があり、1工程ずつ着実に内製化してきました。3Dプリンター事業と同様に、顧客からはコストよりも短納期が重視される傾向があるため、JMCのスピードが付加価値となり、価格競争面で有利に働く要素となっております。 JMCの砂型鋳造は、金型を使用するダイカスト工法に近い品質を実現しております。それは、切削機械で木型を作製し、同業の砂型鋳造業者よりも細かい粒径の鋳物砂(注12)を使用しているからであります。また、組織の密度等鋳造品の物性において、ダイカスト工法よりも砂型鋳造が優れており、表面粗さと寸法精度が担保されれば、品質は砂型鋳造品が優ると考えております。 なお、JMCでは、主にアルミニウム合金及びマグネシウム合金による鋳造を行っております。 (注)9.CAD(Computer Aided Design)コンピュータ支援設計とも訳され、コンピュータを用いて設計をすること、あるいはコンピュータによる設計支援ツール(CADシステム)のことです。 10.鋳込溶かした金属を鋳型に流し入れることです。 11.素加一貫素材(鋳造品)の作製から後加工まで一貫するという意味で、型作製から検査まですべて自社内で完結させることです。 12.鋳物砂鋳造品用の鋳型(砂型)を作製するために用いる砂のことです。耐火性・通気性・伸縮性などが良いものを使います。 (3)CT事業① 検査・測定サービス 産業用CTによる非破壊検査や三次元測定などを提供するサービスです。 JMCでは、ベーカーヒューズ製の産業用CT「phoenix v|tome|x c450」(ミリフォーカスCT)、「phoenix nanotom m」(ナノフォーカスCT)及び「phoenix v|tome|x m」(マイクロフォーカスCT)を導入しております。これらの装置は、自動車、航空宇宙、電力等の幅広い分野において品質検査を行う用途に最適化されており、非破壊検査や三次元測定に活かされます。またJMCで保有する産業用CTで検査・測定が困難なサイズのスキャン対象物は、業務提携先の大型産業用CT装置を用いて測定したデータをJMCで解析し提供しております。産業用CTによるスキャン技術は製品現品の品質検査が求められる分野においては不可欠であり、製造規格やメーカー独自の品質検査レベルをクリアするために有効なものであります。JMCの主なサービスは下記のとおりであります。 a. 鋳造品の内部品質評価 鋳巣欠陥(注13)は、様々な要因によって発生します。産業用CTは素材内部の欠陥を簡単に検出することができるため、より質の高い製品開発をサポートできます。 b. リバースエンジニアリング 産業用CTは品質検査だけではなく、図面のない製品や自然物のデータ化にも活用できます。更にJMCでは3Dプリンター事業の豊富な実績から、3Dプリンター出力用のデータの編集も可能であり、リバースエンジニアリングによるものづくりをサポートすることができます。 c. 素形材の解析 カーボンの素材強度に影響するカーボン繊維の配向の解析サービスを行っております。 d. 放射線照射 産業用CTにて放射線を物体に照射し続けることで、物体がどのように変化、変質していくのかを確認するサービスを行っております。 e. 文化・教育用途での研究用資料提供 産業用CTにてスキャン対象物の内部を透過することで、希少生物の骨格や文化財の内部構造の確認を非破壊で行うことができます。この特性を活かし、教養・教育研究を目的とした3Dデータの提供を行なっております。 ② 産業用CT販売 ベーカーヒューズ製の産業用CT及び関連サービスの販売を行っております。 (注)13.鋳巣欠陥鋳巣欠陥とは、鋳造品の内部に空洞が発生するという不良のことです。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 JMCの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてJMCが判断したものであります。 (1)経営方針 JMCは「MADE BY JMC」を企業理念にしており、ビジョンは「ものづくりに知性を。」です。 企業理念には、製造業におけるJMCという強固なブランドを確立し、私たちが先頭に立って日本の製造業を変えていくという、強い想いが込められています。 そして、ビジョンでは、製造方法や設備によって自らの事業を定義するのではなく、「社会に求められているもの」や「時代にふさわしいサービス」をとことん考え抜き、既存のものづくりの枠組みに縛られない事業展開によって“最強のサプライヤー”を目指す、JMCの姿勢を表現しました。 (行動指針) JMCの使命は、全てのステークホルダーの利益を尊重しつつ、革新的な製品及びサービスを提供し、顧客満足度を最大化できる価値を創造しつづけることです。 我々は社会的責任を持って公正かつ倫理的に事業を行い、公平な雇用をし、職場の安全性を守り、我々の業務に適用される全ての法律を遵守します。 ① 法令等遵守の徹底 法令・社会的規範、社内諸規程・マニュアル等を遵守します。また、適正な会計処理を行い、事実に基づいた経理処理や証票類の記載を行います。 ② 高品質とスピードを両立したサービス提供 関連する法律・ルールを遵守したうえで、お客様の視点を踏まえて、そのニーズを反映した良質なサービスを迅速にご提供します。 ③ お客様の声への適切な対応 ご意見、お問い合わせ、クレーム等いかなる「お客様の声」にも誠実に対応するとともに、今後のサービス提供や業務改善に反映します。 ④ 人権を尊重する職場環境の実現 職場における差別、各種ハラスメント等の人権侵害行為を許容せず、相互の信頼と良識のある職場環境を実現します。 ⑤ 快適な職場環境の整備 社員が能力や個性を存分に発揮するとともに、能力を積極的に向上できる、快適で働きやすい職場環境を整備します。 ⑥ ステークホルダーとの関係 ステークホルダーとの関係は、健全かつ節度を保ち、疑義を招くような接待・贈答を行ったり受けたりしません。 ⑦ インサイダー取引の禁止 インサイダー取引となりうる株式等の売買は行いません。そのために、JMC及び取引先等の内部情報は厳重かつ適切に管理します。 ⑧ 業務の相互牽制と管理 あらゆる業務活動において、社員が相互に牽制を働かせるとともに、管理者は所管の業務活動の遂行状況を適切に管理・把握します。 ⑨ 適切かつ透明な意思決定の確保 業務活動におけるあらゆる意思決定は、法令や社内の諸規程に則り、合理的根拠に基づいて第三者に説明することを前提として実行します。⑩ 適切なリスク管理 あらゆる業務活動において、リスク管理をはかるとともに、各種のリスクを常に適切に管理できる内部管理体制を構築します。 ⑪ 情報の適切な管理 JMC及びお客様の機密情報に加えて、社員のプライバシーに関わる情報についても守秘する義務があることを意識し、常に適切に管理します。 ⑫ 適切かつ公正な情報開示 JMCの経営状況及び企業活動への正確な理解を促進するために、ステークホルダーへの適切かつ公正な情報開示に努めます。 ⑬ 知的資産の適切な保護 あらゆる業務活動において、第三者が保有するすべての知的資産を尊重するとともに、JMCが保有する知的資産を適切に保護し役立てます。 ⑭ 反社会的勢力との関係の拒絶 反社会的な団体や勢力との関与を断固として拒絶し、そうした活動を助長する行為は一切行わず、毅然とした姿勢で臨みます。 (2)経営戦略等 JMCの経営戦略の現状と見通しは以下のとおりです。 (3Dプリンター事業) 試作はものづくりの上流に位置する工程になります。JMCは、ハイエンド樹脂3Dプリンターなど、新しい装置を適宜導入しており、事業拡大に貢献する3Dプリンターを積極的に利用する考えであります。3Dプリンターに対する認知度の向上に加え、AM(Additive Manufacturing)サービスの提供による量産品受注体制の確立も進めるとともに、協業プロジェクト「3D innovation Hub」においては、あらゆる領域での3Dプリンターを用いた製品化ニーズの発掘を推進しており、今後も受注状況は安定的に推移するものと考えております。 心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」においては、国内外の医療現場における心臓疾患・脳疾患のカテーテル治療トレーニングや、関連商材を取り扱う商社によるカテーテル治療のデモンストレーションでの採用など、様々なニーズに応えるべく、今後もラインナップを増やすことに加え、世界各地で開催される学会・展示会において認知向上のための営業活動を強化することで、規格製品の売上増を見込めると考えております。 (鋳造事業) 砂型鋳造については、一部の試作・少量量産において価格競争が発生しておりますが、JMCにおいては「短納期」・「高品質」を強みに顧客との信頼に基づく試作・少量量産の受注に注力しており、今後も同様の方針を採用してまいります。 また、量産用鋳造部品の受注を開始し、試作・少量量産との製造の両立を進め、トヨタ生産方式の導入により、一定の受注増加に対応できる体制を構築しております。 さらに、今後需要の増加が見込まれる大型サイズの鋳造品の試作・開発需要への対応と、一層の内製化推進のため、伊豆木産業用地に建設した工場棟で、生産キャパシティを大幅に向上させております。 このように従来の試作・少量量産品に加え、大型サイズの鋳造品、量産用鋳造部品の受注を増加させることで、高い品質を維持しつつ、非鉄砂型鋳造業界での圧倒的な生産キャパシティを誇る事業へ、さらに成長を加速させてまいります。 (CT事業) 検査・測定サービスでは、物体の内部形状の測定、評価、非接触検査による製品の品質検査及び部品のスキャンサービスを行っております。当該サービスの需要はWEBを活用したセミナーの継続的な実施や、JMCWEBサイトに希少生物をスキャンして掲載(CT生物図鑑)、スキャンデータの活用事例の開示等、コンテンツ拡充、メディアへの出演及びデータ提供を積極的に進めた結果、映像メディア・出版・学術研究分野からのスキャン需要の喚起につながりました。また、製品評価やリバースエンジニアリング等、非接触での内部形状評価及びデータ化をはじめ、スキャン対象物のデジタルデータ取得などの受注も進んでおります。また、顧客の自社製品不具合を選別するための、まとまった数量を短期間でスキャンするニーズや、リチウムイオン電池をはじめとした二次バッテリーの内部を非破壊で確認するニーズも増加しており、今後も需要は堅調に推移するものと考えております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 JMCは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について、数値的な目標を特段定めておりませんが、中長期視点で経営基盤を確立するために、売上高、営業利益、営業利益率を重視した経営管理を行っております。 (4)経営環境 少子高齢化社会の到来による消費購買力の減少、人件費の高騰による製造部門の国外流出、地政学的リスクの増大に伴うサプライチェーンの分断や資源の高騰に加え、熟練技術者の減少等、「ものづくり」を取り巻く環境は依然として厳しい状況となっております。 また、JMCの主力事業である鋳造事業における主要顧客の輸送用機器分野は「100年に1度の変革期」と言われており、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリングサービス、電動化)による効率化や先進国の高齢化と人口減少による販売台数の減少、また、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)に向けた世界各国の環境規制への対応が求められる一方で、新興自動車メーカーの台頭や、既存企業の合従連衡の動きの加速などにより、業界構造が大きく変化する可能性があります。このような経済環境のもと、JMCは、3Dプリンター、鋳造工法及び産業用CTを融合した独自のものづくり技術を駆使して、大量量産を生業とする従来の製造業の枠にとらわれない、サービス業のサービスレベルを持った付加価値の高い生産物やサービスを提供する事業に取り組んでおります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 JMCが、事業推進上重要課題と認識している点は、以下のとおりであります。 (3Dプリンター事業)① 心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」の普及 JMCは、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID」においては、国内外医療機関や関連商材を取扱う商社でTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)やCORONARY(冠動脈治療分野)のトレーニングモデルを中心とした旺盛な需要を背景に積極的な販売推進に取り組んでまいりました。医療現場における新たな手技・症例に対応したトレーニングシステムの開発を続け、さらなる市場拡大に向けた人材確保や、積極的な国内外への営業活動に注力し、製品の普及を図ることで収益拡大に努めてまいります。 また、「全ての患者さんが安全に心臓カテーテル治療を受けられることを目指す」をスローガンに、心臓疾患に留まらず、他領域のカテーテル治療にも対応できるトレーニングシミュレーターのプラットフォーマーを目指し、国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科と協力し、研究開発を継続してまいります。 ② 樹脂3Dプリンターサービスの普及 JMCは、EOS Electro Optical Systems Japan株式会社と協同で樹脂3Dプリンター関連市場の拡大に向けたAMサービスを提供するほか、CMET(シーメット)株式会社、ならびに上海聯泰科技股份有限公司(UnionTech/ユニオンテック)の取扱店である株式会社日本未来技研と連携して、3Dプリント技術の日本国内での普及に取り組んでおります。樹脂によるAMサービスは、日本国内では黎明期であることに加え、3Dプリント技術に対する顧客からの要求、期待は高まりを続けております。顧客への3Dプリント技術の普及には、偏りのない3Dプリント装置や造形の知識が必要であり、過不足のない提案が必要不可欠であります。JMCはEOS製ハイエンド樹脂3Dプリンター導入の他にも、様々な樹脂を用いた積層品の提案を通じて、あらゆる業界・分野に対して積極的な営業活動を行うことで市場の開拓を進め、売上高拡大に努めてまいります。 (鋳造事業)③ 試作品大型化への対応 JMCは主として自動車産業向けの部品を中心とした多品種・小ロットの試作鋳造品の製造を得意領域として、鋳造事業の拡大を進めてまいりましたが、顧客のEV(電気自動車)開発の本格化に伴い、試作部品の軽量・モジュール(機能集約)化が進み、大型の試作鋳造部品需要が増加しております。JMCではこのような顧客ニーズの変化に対応し、更には競合他社が追随できない大型かつ高品質の砂型鋳造品生産を実現するため、生産工場の拡張検討や既存の生産工場における設備の導入・改変も含めた大型化への対応を進めてまいります。また、同時にこれら大型試作鋳造部品と量産鋳造部品の受注拡大に向けた営業活動も強化してまいります。 ④ 量産鋳造部品の効率的な生産体制確立 JMCは主として、顧客の研究・開発部門を中心に、試作から少量量産品の製造を行っておりましたが、アルミニウム、マグネシウムによる薄肉鋳造技術や製品品質が顧客から支持され、量産用鋳造部品の受注生産も行っております。量産品製造では、効率的な製造方法や品質不具合を極限まで減少することで歩留まり改善を進めるなど、製造課題の認識が試作品の場合と異なる部分も多いことから、JMCでは「トヨタ生産方式」のノウハウを導入し、最小限の人員で最大の生産量を実現できるよう、量産品製造の効率化を進めております。また、マグネシウムを中心としたダイカスト工法領域を得意とする株式会社STG(大阪府八尾市)と事業拡張に向けた協議を行い、顧客製品の開発プロセスに寄り添った柔軟な対応、安定的な供給体制の確立に注力してまいります。 ⑤ 事業ポートフォリオの分散化 JMCの主要な顧客は自動車メーカーやその関連企業、また一部の産業用ロボットメーカーが中心で構成されております。これらの顧客は、製品軽量化のため、アルミニウムやマグネシウムを用いた部品の研究・開発を積極的に推進しており、JMCはこれら顧客のニーズに適した鋳造部品の提案を行っております。今後、顧客業種の拡張を進めることで、業種・業界の浮沈に左右されない安定的な業績を維持できるよう進めてまいります。 (CT事業)⑥ 検査・測定サービスの市場開拓及び技術普及 JMCは、産業用CTの全ての領域(ミリ/マイクロ/ナノフォーカス/高エネルギーX線)を顧客ニーズに応じて使い分け、ソフト面、ハード面ともに国内最高水準の検査・測定サービスを提供しております。 さらなる売上高の拡大には、スキャン対応サイズ・バリエーションの拡幅や、JMCの産業用CTによる検査・測定サービス技術を新規分野へ普及させることが必要不可欠であります。JMCでは、産業用CT装置保有先との業務提携や、WEBによるセミナー、展示会への出展をはじめとした営業活動に加え、新たなニーズの発掘のため、社内・外の関係者との情報共有や連携の強化など、市場での認知度を高めることで技術普及を図りつつ、きめの細かいサービス体制の拡充を図ることで売上高拡大に努めてまいります。 (全社)⑦ 人材の確保、育成 変化する事業環境に最適な企業構造を保ちつつ、長期的な成長を担保するために、優秀な人材の確保、育成が急務であります。JMCでは、3Dプリンター事業と鋳造事業及びCT事業、また製造部門と営業部門を横断できるゼネラリスト型の人材と、製造業特有の技術・知識に長けた職人型の人材の両面の育成が課題であり、これらに関し中長期的視野で取り組んでまいります。 ⑧ ブランドの知名度向上 JMCが完成品メーカーの単なる下請けではなく、3Dプリンターと鋳造工法による高品質なものづくりを行うことや、産業用CTによる検査・測定において、対等なパートナーとして主体的に関わっていくためには、製品の品質やサービス等に裏付けられたコーポレートブランドを確立していくことが重要と考えております。そのため、営業活動におけるサービスや採用活動において、費用対効果を見極めながら広報宣伝やIR、PR活動を推進させることを課題と認識し、工場の設計からウェブサイトや各種パンフレットに至るまで一貫したコンセプトで作成し、コーポレート・アイデンティティの構築とそのブランディングに取り組んでまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。JMCは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、JMCの有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在においてJMCが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)事業環境に関するリスク① 市場環境について JMCは、工業製品の新製品開発における試作品、少量量産品及び量産用部品の作製を行っております。各メーカーにはそれぞれの開発サイクルがあり、特に自動車メーカーにおける開発予算の圧縮、開発スケジュールの変更やモデルチェンジサイクルの変化等の影響を受ける可能性があります。このためJMCでは、特定の分野、顧客に偏ることのない事業ポートフォリオの構築を進め、業界や市場の動向に合わせた社内組織再編など事業の選択と集中を行い、影響の緩和に努めております。 ② 試作開発環境について 試作開発はメーカーごとに手法が異なり、試作品での検証を繰り返す手法もあれば、試作品を作製せずCADソフト上のみで検証を行う試作品レスの手法もあります。今後、試作品レスの手法が主流となった場合、試作品作製のニーズが低減する可能性があります。このためJMCでは、受注案件を試作開発のみに限定することなく、量産領域まで拡張する他、競合企業の参入障壁が比較的高く、今後需要が増加すると推測される大型鋳造品の試作対応および提案力を強化し、高品質な製品をスピーディーに顧客に納入することで満足度を高めるための設備・人員を備えております。 ③ 3Dプリンターへの需要拡大について 近年の3Dプリンターに対する需要拡大は、主に消費者向けの低価格3Dプリンターの出現により生まれた現象であります。低価格3Dプリンターで作製できるモデルの品質は限定的であること、また機械の運用よりも作製するモデルの3次元CADデータ作成の難易度が高いことから、この需要の拡大が継続しないことが想定され、JMCにおいても、受注案件の減少に繋がる可能性があります。このためJMCでは、ハイエンド樹脂3Dプリンターの導入により、さらに高品質、高精度及び短納期を追求するとともに、工業分野のみならず、医療、教育及び芸術など幅広い市場、業種に3Dプリンター製品の需要喚起を進めております。 ④ 特定分野への依存について JMCは、自動車をはじめとした輸送用機器分野やFA(ファクトリーオートメーション)分野の景気が悪化した場合、受注量及び受注金額の減少に伴い、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、特定の分野・顧客に偏ることなく、複数顧客との取引に加え、将来需要の増加が見込まれる分野への積極的な設備投資などにより、製造バリエーションの拡張を進めることによりリスク分散を図っております。 ⑤ 試作品の顧客内製化と競合企業について JMCは、3Dプリンター、鋳造工法による試作品及び量産用部品の作製を事業領域としておりますが、特に3Dプリンターの分野では、装置の価格低下や選択肢の拡大に伴って、従来顧客であった企業が試作品製造を社内で行うために装置購入に踏み切る動きがみられる一方で、いまだ多くの企業が3Dプリンター分野への事業展開を進めております。今後、より一層の試作品製造の顧客内製化や競合企業が増加した場合、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、サービス業のサービスレベルで高品質な製品を提供することと、特定分野での同業他社との協業体制構築、さらには出力サービスのみならず装置販売・原材料樹脂販売といった3Dプリンターのトータルサポート企業として競合企業との十分な差別化が図れるよう、事業を推進しております。 ⑥ 顧客の財務状況について JMCは、顧客について信用調査をした上で取引を行っておりますが、事業環境の変化等により、JMCの顧客が支払不能、倒産等に陥った場合、係る顧客から売掛債権を回収できず、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、新規取引時の信用調査に加え、与信限度額の見直しを定期的に行い、債権の回収が滞りなく実施されるよう努めております。 ⑦ 法的規制について JMCの事業においては、「製造物責任法」、「中小受託取引適正化法」及び「知的財産基本法」等の各種法令やガイドライン等による規制を受けております。こうした法令の制定や改正等、JMCの事業に関する事項が規制を受けた場合、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、コンプライアンス教育の徹底のため全役職員を対象としたコンプライアンス研修を定期的に実施し、また、継続的な内部統制の強化を図り、法規制の逸脱を未然に防いでおります。 ⑧ 材料価格及び調達について JMCの鋳造事業では主にアルミニウム・マグネシウムの合金、ケミカルウッド、鋳造砂を、3Dプリンター事業ではエポキシをはじめとした各種樹脂材料を用いて製造を行っておりますが、昨今の材料価格の騰勢が継続、長期化した場合、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、コストアップについては合理的な範囲内で製品価格への転嫁を行うとともに、一部材料については、中長期所要量の内示に基づく材料確保を仕入先に交渉するなど、安定的な材料調達に努めております。 (2)事業の運営体制に関するリスク① 特定経営者への依存について JMCの事業の推進者は、代表取締役社長兼CEOである渡邊大知及び専務取締役兼COOである鈴木浩之であります。両名は、JMCの3Dプリンター事業、鋳造事業及びCT事業において、事業開始からの事業責任者であり、経営方針や戦略の決定をはじめ、営業、製造技術の各方面の事業推進において重要な役割を果たしており、その決定によりJMCの事業が左右される可能性があります。また、両名のいずれか又は両名が離職又は業務執行が困難となるような事態が生じた場合、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、過度に両名に依存しない経営体制を構築すべく、役職者が一堂に会する経営会議制度、組織体制の整備や予算管理の高度化等の経営体制の構築を推進しております。 ② 人材の確保・育成について 日本国内の鋳造業界においては、砂型鋳造業者の減少傾向に加え、従事する技術者の高齢化も進んでおります。JMCでは、高度なものづくりを維持するため、確固とした技術教育制度の構築、業界を問わずJMCの企業風土、経営理念に共感できる基幹人材の採用など、積極的な技術習得、人材育成に努めております。 ③ 多額の設備投資について JMCは、生産能力増強を図るため積極的な設備投資を行っております。しかしながら、経済動向や市場動向を正確に予測することは困難であり、多額の設備投資に対して受注が想定どおりに拡大しなかった場合には、減価償却費負担が収益性を圧迫し、使用設備の除却や減損が生ずるなど、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、市場動向、競合他社動向を最大限考慮しつつ、事業戦略及び設備投資の収益性等を総合的に勘案して、しかるべき合議を経た後に投資判断を下しております。 ④ 機密保持について JMCは、事業の性格上、新製品開発に関する顧客の機密情報を取り扱う機会が多いことから、機密保持を経営上の最重要課題と認識しております。しかしながら、不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏洩するようなこととなった場合、信用失墜に伴う受注の減少や損害賠償による費用の発生等によりJMCの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、ネットワーク、ファイアウォール、サーバー及びパソコン管理並びにアクセス制御等、ハードとソフトの両面から総合的な管理を行うとともに、定期的な社内教育の実施によりJMCの機密保持レベルの向上に努めております。 ⑤ 製品の品質について JMCの製造物に欠陥が生じた場合は、損害賠償による多額の費用発生や社会的信用の低下により、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001、航空宇宙分野における品質規格JISQ9100の認証を取得し、品質管理活動に継続的に取り組んでおります。また、JMCの過失により製造物の欠陥が発生した場合に備え、賠償責任保険に加入しております。 ⑥ 新規事業について JMCは、新規事業の必要性を十分検討した上で、事業開発を行っていきますが、市場環境の影響で顧客の獲得や製品・商品の販売に結びつかなかった場合、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、多様化する顧客ニーズに対して、作製工法、取扱可能な素材を拡充することで、より幅広い分野の顧客を開拓することを目的として、新規事業の創出を検討しております。 ⑦ 工場の環境整備について JMCは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、JMCが現在稼動させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、環境経営方針を制定し行動指針を定め、環境関連法規制の遵守や廃棄物排出量の削減など、工場の環境整備を進めております。 ⑧ 積極的なブランド戦略について JMCは、積極的なPR及び情報発信を行っておりますが、それらの自社メディア上において、意図しない不適切とみなされる表現等により、レピュテーションリスクが発生する可能性があり、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、デザイン、ブランド・マネジメント、コミュニケーション戦略を管掌する役員のもと、工場の設計からウェブサイトや各種パンフレットに至るまで一貫したコンセプトで作成し、コーポレート・アイデンティティの構築とそのブランディングの周知徹底に取り組んでおります。 ⑨ 鋳造工場の安全対策について JMCの鋳造事業においては、高温な溶解炉や切断用機械等、従業員の作業上、危険を伴う設備を数多く保有しており、不慮の事故等が発生した場合、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、安全な作業環境を担保するための設備導入を推進するとともに、従業員の安全を守るための作業上の基準を設けており、法定定期点検はもちろんのこと、日常点検、始業前点検を実施し、安全を最優先に事業を進めております。 (3)知的財産等に関するリスク JMCの知的財産権が第三者に侵害された場合、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、不測の事態、あるいは何らかの不備により第三者の知的財産権等を侵害してしまった場合は、紛争及び訴訟等の対象となる可能性又はJMCの工法について侵害を主張され、防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生する可能性があります。 JMCでは、知的財産権が重要な経営資源の一つであると認識しております。また、知的財産権の保全にも積極的に取り組んでおり、職務発明規程を制定し知的財産権の取得を行っております。なお、JMCが事業活動を行う上での3Dプリンター、鋳造の各工法は現時点において第三者の知的財産権等を侵害するものではないと認識しております。 (4)自然災害、事故災害に関するリスク 近年の気候変動に伴う風水害・土砂災害、さらには日本における大型地震など、想定を超える大規模な災害が発生した場合、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。このためJMCでは、主要工場の操業停止の影響を最小限にするため、生産拠点を国内で分散するとともに、国内全拠点において一定規模の災害を想定して建物、機械装置等の安全性確保、各種防災機器の設置、バックアップ電源の確保等の施策を講じております。 (5)資金調達に係る財務制限条項について JMCは、運転資金の調達を目的としたコミットメントライン契約を含む短期借入及び設備投資を目的とした長期借入を行っており、当該契約の一部には一定の財務制限条項が付されております。当該条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、JMCの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)継続企業の前提に関する重要事象等 JMCは、鋳造事業の収益悪化により当事業年度において固定資産の減損損失を1,319百万円計上した結果、重要な当期純損失1,263百万円を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しております。このような中、JMCは試作品大型化への対応、量産鋳造部品の効率的な生産体制確立、事業ポートフォリオの分散化等の鋳造事業の収益性改善のための具体的な施策を進めております。 また、当事業年度において当期純損失を計上した結果、コミットメントライン契約(当事業年度末の借入残高50百万円)に係る財務制限条項の一部に抵触することとなりましたが、金融機関との協議を通じて期限の利益の喪失に係る権利行使をしないことについての同意を得ております。なお、コミットメントライン契約以外に、手元流動性を確保するための資金調達枠を複数の金融機関と設定しております。 したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 (7)その他のリスク① 配当政策について JMCは、経営成績及び財務状態を勘案しながら、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。 しかしながら、第23期(2014年12月期)より業容拡大のため、資金を設備投資に充当することを優先にしており、当面は無配の予定であります。 現在におきましては、設備投資を抑制しておりますが、業績回復ならびに成長には、機を逃さない設備投資が不可欠であります。なお、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。 ② 固定資産の減損について JMCは、工場建物、生産用の機械装置等の有形固定資産及びソフトウエア等の無形固定資産を保有しておりますが、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し、当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合、減損の認識が必要となり、JMCの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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