全保連(5845)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】全保連は主に、賃貸物件における賃借人の家賃等の支払いを賃貸人に保証する事業を営んでおります。本邦においては、従来、賃貸物件の契約時に、賃借人の親子・親族等が、賃借人の賃貸人に対する家賃等の支払債務について連帯保証人となることが一般的でした。しかしながら、近年の家族関係の希薄化、賃借人の高齢化に加え、2020年4月に施行された改正民法において、個人根保証契約における極度額の定めが必須となる等の事情も相まって、賃借人において上記のような連帯保証人を確保することが困難な状況が生じております。このような社会的課題を解決し、もって賃貸マーケットを円滑に発展させていくお手伝いをすべく、全保連は、賃貸物件の賃借人・賃貸人との間でそれぞれ賃貸借保証委託契約・賃貸借保証契約を締結し、賃借人において家賃等の支払いが滞る場合には、保証委託料をお支払い頂いた賃借人の連帯保証人として、賃借人に代わって、賃貸人に対し、当該家賃等に相当する金員を代位弁済するサービス(以下「家賃債務保証サービス」)を提供しております(なお、代位弁済した家賃等に相当する金員は、後日全保連から賃借人に求償して回収します。)。そして、この家賃債務保証サービスの提供を主たる業務とする家賃債務保証事業においては、賃貸物件の管理や仲介、各種契約の締結等の事務を担う不動産管理会社・不動産仲介会社等(以下「協定会社」)との協力関係の構築が不可欠であることから、全保連ではこれまで、全国の主要都市に配置した本社・営業所等(現在、全国19拠点)を通じて、協定会社に対する積極的な営業活動を展開してまいりました。その過程においては、家賃等の支払いに係る概算払方式の導入や、賃借人向けの見守りサービス(Z-Support Premium)の提供など、さまざまな商品を開発しております。また、三菱UFJフィナンシャル・グループの連結子会社となった後の2026年2月には、家賃のカード払いが可能な新商品「三菱UFJカードプラン」をリリースいたしました。このように、お客様の多様なニーズにお応えし、企業努力を重ねてまいった結果、全保連はこれまでに、累計58,524拠点(注1)にのぼる幅広い協定会社ネットワークを構築し、確固たる事業基盤を築いております。(注)1.協定会社拠点数は2026年3月末時点「事業系統図」
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において全保連が判断したものであります。(1) 経営方針企業理念である「QUALITY FOR THE FUTURE 新たな価値へ、新たな未来へ」を実現すべく、先進性を追求し、変革する未来を乗り越え続けるリーディングカンパニーであり続けます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 全保連を取り巻く環境は日々変化を続けております。家賃債務保証業界が立脚する賃貸不動産市場の現況を見てみますと、国内総人口は顕著な減少傾向にあるものの、単身世帯数(特に高齢者)や外国人労働者世帯数等の増加、さらに平均賃料の上昇等により、その市場規模は緩やかに拡大していくものと考えられております。一方で、家賃債務保証業界においては競争が激化する状況が続いており、このような状況を踏まえますと、賃借人・賃貸人・不動産会社による家賃債務保証事業者の選別が今後更に進むことが想定されます。全保連においては、こうした経営環境で生き残るべく、収益力の向上と財務内容の改善を両立させた健全経営を推進し、更なる企業価値向上を図ってまいります。また、2025年4月4日に成立しました三菱UFJニコス株式会社による公開買付けにより、全保連は株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの一員となりました。それによりブランド力を向上させるとともに、リーディングカンパニーとしてのプレゼンスを確固たるものとすることができると考えております。 (3) 長期経営計画(目指すべき経営指標と戦略) 全保連は三菱UFJニコス株式会社による全保連株式の公開買付け成立に伴い、2025年4月に同社の親会社であり日本最大級の金融機関である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの連結子会社となりました。また、三菱UFJニコス株式会社及び株式会社三菱UFJ銀行と資本業務提携契約を締結し、上場企業としての独立性を維持しつつ企業価値向上を図っていくこととなりました。 こうした背景から、全保連は2026年5月に長期経営計画(2027年3月期-2030年3月期)を上方修正いたしました。 その中で、以下を課題として捉え、対応策を定めております。(長期経営計画概要) 2026年3月期 実績2030年3月期 計画売上高261億円360億円営業利益31億円63億円時価総額255億円669億円(注1)ROE(注2)21.2%27.2%PBR3.2倍4.2倍 (注)1 PERは東証スタンダード市場その他金融業の2026年3月平均値(15.3倍)を使用2 自己資本は、期末時点の値を使用 ① 市場動向家賃債務保証業界が立脚する賃貸住宅市場は着実な成長が見込まれるものの、人口減少等の背景もあり、成長率は必ずしも高いとは言えません。また、国内経済の状況は必ずしも悪くありませんが、個人再生・破産や企業倒産件数が増加傾向にあり、国際的な経済摩擦による混乱と相俟って、全保連の主力顧客である個人の入居者にとっては逆風の環境であると認識しております。このため、家賃滞納の増加に留意する必要があると考えております。こうした環境下、全保連としては無理な売上増加を求めず、MUFGグループの一員であるという圧倒的な信用力を背景に、ダンピング競争とは一線を画して低採算先の取引解消を進めるとともに、AI審査を活用した審査高度化及び回収高度化により、信用コスト低減に努め、持続的な企業価値向上を目指すことを基本方針としております。 ②収益力の向上全保連では上記背景から以下の戦略を定めており、MUFGグループと連携して新商品を開発・投入することで、効率的・効果的に収益力を向上させる方針です。 ・MUFG戦略:2026年2月にリリースした「三菱UFJカードプラン」を主力商品として、賃借人に対するサービスの向上を図るとともに、全保連のみならず、MUFGグループ全体の収益機会創出、企業価値向上を目指してまいります。・地銀戦略:地方銀行が有する強固な営業基盤を活用し、全保連の拠点がない地域での効率的なシェア拡大を目指すとともに、地域が抱える課題の解決に向けて地方銀行と積極的に協働し、相互に利益実感できる関係の具体化を図ってまいります。・高齢者戦略:国内人口が減少する中、数少ない有望な成長市場としての高齢者との取引において賃借人・賃貸人双方に「安心」を提供すべく、保証内容の拡充や死後事務委任契約の活用等を外部との提携により実現してまいります。・事業用戦略:潜在的な巨大市場である事業用家賃債務保証において、MUFGグループからの取引先紹介により、「金利がある時代」における、新たなニーズ喚起を図ってまいります。 ③ 新たな価値創造のためのDX戦略の推進全保連では、お客さまへの新たな価値提供とともに全保連業務の効率化及び生産性向上のためDXを推進しております。社内向けDXとしては、データやデジタルをフル活用し、審査・回収・オペレーション等社内業務の効率化や生産性の向上を目指してまいります。またデータに基づき経営戦略等を判断し行動に移すデータドリブンにも取組んでまいります。顧客向けDXとしては、データやテクノロジーを駆使し、不動産業界のニーズに対応するべく「Z-WEB2.0」や「YUIPASS」などのデジタルサービスを提供し、顧客接点を拡大させ競争力を強化してまいります。最終的には生活において付加価値を提供できる「生活のプラットフォーマー」を目指します。 ④ 信用コストの低減全保連は、前述の経済環境に鑑み、信用コスト低減のための審査・回収の高度化に取組んでおります。審査については、AI審査機能の更なる強化・活用を進めるとともに、MUFGグループと連携して審査モデルの高度化を進めてまいります。回収については、ツール活用による効率化に加え、弁護士活用による効果的な回収を行いつつ過度な取り立て行為を行わない体制を構築し、回収力を強化してまいります。 ⑤ コーポレートカルチャーの確立全保連が社会に信頼され、お客さまに選ばれる存在であり続けるためには、社員一人ひとりへの企業理念・行動規範の徹底が重要であると考えております。そのため、マネジメントメッセージの発信、教育研修等を通じて企業理念・行動規範の浸透を図っております。 ⑥ 人材の確保及び育成今後、全保連が持続的成長を実現するためには、それに貢献できる人材の確保及び育成を図ることが必要不可欠であると考えております。そのため、全保連は継続的に採用活動を行うとともに、公正な人事評価、人材育成体系の充実及び社内環境整備を進めていく方針であります。具体的には、持続的な成長と企業価値の向上を図るため、人材の多様性を確保しつつ、性別、国籍、採用の時期等に関わらず、その能力や目標達成度に応じ、公平公正な人事評価を行っております。すでに全保連では、中途採用者の管理職登用率は高い水準にありますが、今後は、女性管理職の割合を2026年3月末実績値の11%から15%に増加させる目標を設定し、女性社員の活躍を一層推進してまいります。また全保連では、外国人技術者を採用する試みをすでに始めており、この試みを通じて人材登用の多様化をさらに進めてまいります。 ⑦ コーポレート・ガバナンスの充実事業継続上、全保連を取り巻くステークホルダーの皆さまから信頼を獲得することは特に重要であります。そのため、全保連はコーポレート・ガバナンスの充実を企業活動の中核と位置づけております。全保連は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方として、「QUALITY FOR THE FUTURE 新たな価値へ、新たな未来へ」を企業理念とし、豊かな生活の基盤である快適な住まいと安定した暮らしを支える家賃債務保証事業を通じて、社会へ貢献してまいりました。今後も、社会に必要とされ利用者に選ばれる存在であり続けるために、自由で柔軟な発想をもって、新たな価値の提供と未来の創造を実現し、ステークホルダーの皆さまとともに歩んでいくことに挑戦し続けます。この企業理念を実現するために、以下の行動規範を定めています。●誠実・信頼 私たちは、社会規範に則り、真心・責任をもって安心・安全を皆さまにお届けできるよう、誠実に行動します。●品質・価値 私たちは、自由な発想で持続可能な未来標準となる品質、価値の創造を目指し、選ばれ続けるように行動します。●変化・進化 私たちは、常に一歩先の未来を意識し、変化を恐れず、進化を遂げる好機ととらえ、スピーディーに行動します。●挑戦・成長 私たちは、これまでの価値観や習慣にとらわれず、未来に向けて挑戦し続けることで成長を遂げ、業界をリードすべく行動します。●チームワーク 私たちは、社員ひとり一人がお互いを尊重し、より風通しの良い職場を作り、一つのチームとして、さらに高い目標に向かって行動します。 このように、全保連社員が行動規範に則った自由闊達な活動を通じて、新たな価値を未来に向けて提供するという全保連の理念を達成していくためには、様々なステークホルダーの皆さまの立場を尊重し、透明・公正・迅速・果断な意思決定を行うコーポレート・ガバナンスの基本精神を踏まえつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための活動を進めていくことが極めて重要となります。したがって、全保連は、コーポレート・ガバナンスを企業活動の中核と位置づけ、より実効性の高い充実したガバナンス体制を構築し、これを運用していくことを目指してまいります。株主の皆さまにおかれましては、今後とも格別のご支援を賜りますようお願い申しあげます。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が全保連の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当事業年度末現在において全保連が判断したものであります。 (1) 市場動向について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)全保連の営む家賃債務保証事業は、国内賃貸不動産市場の動向による影響を受けております。近年では晩婚化や少子高齢化に伴う単身世帯や高齢者世帯の増加、民法改正に伴う人的保証から家賃債務保証業者による保証への移り変わりが顕著な環境下にあります。これらの動向は、家賃債務保証のニーズを後押しするものであり、全保連の事業にとっては追い風の状況であると認識しております。一方、人口減少や経済状況の悪化等に伴い、賃貸不動産市場が低迷した場合においては、全保連の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (2) 競合について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)家賃債務保証業は、法令に基づく許認可が必要とされておらず、形式的な参入障壁は低いため、家賃債務保証業界においては多くの競合が発生し易い状況にあります。一方、賃貸人及び協定会社とのネットワークや代位弁済発生時の債権回収の実務フロー等は一朝一夕に構築できるものではないため、後発事業者にとっての実質的な参入障壁は高いと考えております。しかしながら、保険会社等の保証実務に親和性のある他業種からの新規参入や、同業他社及びクレジットカード会社等の台頭によってシェアを失うことになれば、全保連の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (3) システムリスクについて(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)全保連は、家賃債務保証契約の管理をはじめとして、多くの業務にシステムを活用しており、今後もシステムに対する投資を積極的に行っていく予定であります。全保連のシステムについては、安定稼働の維持に努めるべく、バックアッププランを含めた緊急時の体制を整えると共に、システム全般に適切なセキュリティ対策を講じております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず、ソフトウェアの不具合や人為的ミスのほか、災害や不正アクセス等の外的要因により、システムの安定稼働の維持が困難となった場合、全保連の事業活動に支障が生じることによって、全保連の財政状態及び経営成績に多大な影響を与える可能性があります。 (4) 信用リスクについて① 代位弁済について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)全保連は、保証委託契約を締結した賃借人の家賃不払い等の債務不履行が発生した際には、賃貸人に対して代位弁済を実施しております。保証委託契約締結前に行う審査においては、自社のAI審査システム等に基づき審査の適正性の確保に努めております。また、代位弁済の実施により全保連が取得した賃借人に対する求償債権については、全保連の定めるルールに従い債権回収を専門に行う部署が回収を担当しております。しかしながら、経済状況や雇用環境が著しく悪化し賃借人の支払能力が低下した場合には、代位弁済額の増加、求償債権回収不能等の事象の発生により、全保連の財政状態及び経営成績に多大な影響を与える可能性があります。② 貸倒引当金及び保証履行損失引当金について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)全保連は、代位弁済実施前の保証債務について保証履行損失引当金を、代位弁済実施後の賃借人に対する求償債権について貸倒引当金を計上しております。これらは、債権を期間に応じて分類し、過去の一定期間における貸倒実績率により算定した損失見込額に対して計上しております。前述の通り、経済状況や雇用環境が著しく悪化し、代位弁済額や求償債権額が増加した場合には、引当金の追加計上等によって全保連の財政状態及び経営成績に多大な影響を与える可能性があります。 (5) 人事・労務リスクについて(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)全保連は、必要な人材の確保と育成に努めてまいる方針でありますが、必要な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や、現在在籍する人材の社外流出等により、全保連の事業拡大が制約を受けた場合、全保連の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。全保連では採用の強化に加え、処遇の改善(給与改定等による平均年収増加率は、2021年度比2025年度までの4年間で35.9%)、公平公正な人事評価、研修制度の充実、育児休業や有給休暇の取得推奨等の働きやすい環境の整備により、必要な人材の確保を図っております。 (6) 情報漏洩について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)全保連は、契約者の個人情報を含む数多くの機密情報を保有しており、万が一、全保連の責めに帰すべき事由による情報漏洩が発生した場合、全保連には、被漏洩者に対する損害賠償債務が発生するほか、全保連の信用に対する重大な懸念が生じ、そのことが全保連の財政状態及び経営成績に多大な影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、全保連では、「プライバシーマーク」を取得し、社内規程やマニュアルの整備、役職員への教育、情報管理システムの構築等の体制を整備し、情報セキュリティの強化に取り組んでおります。また、万が一、情報漏洩が発生した場合には、直ちに関係者に公表し、被害拡大防止等の対策を講じるとともに、徹底した事実調査と原因究明を実施し、再発防止策を策定することにより、信用回復を図ることができるような対応策を整備しております。 (7) 法的規制について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)全保連は2017年10月に国土交通省によって創設された家賃債務保証業者登録制度(注1)への登録を行っております。万が一、全保連が同制度に定める各種の規律に違反した等ことを理由に、同省から、同じく同制度に定める指導や登録取消等の措置を受けた場合には、全保連の事業内容、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、家賃債務保証業については、当該業務それ自体を直接規律する法令(いわゆる業法令)が現状存在しないところではありますが、今後新たな法制度が導入される等することで、当該業務が直接法令上で規律される対象となった場合には、全保連の事業内容、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。(注1)家賃債務保証業を営む者の登録に関し必要な事項を定めることにより、その業務の適正な運営を確保し、家賃債務保証の健全な発達を図ることを通じて、もって賃貸住宅の賃借人その他の者の利益の保護を図ることを目的とする制度。 (8) レピュテーションについて(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)家賃債務保証事業においては、代位弁済した家賃等を賃借人から回収する必要があります。全保連では『債権回収ガイドライン』を定めて、適正な回収業務に努めると共に、そうした業務をモニタリングする仕組みを設けております。しかしながら、全保連の回収業務に対して苦情が発生し、報道やインターネットの掲示板等を通じて風評が拡散されることにより、全保連のレピュテーションに悪影響を及ぼし、収益低下の要因となる等、全保連の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (9) オペレーションリスクについて(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)全保連は、社内規程や業務マニュアルの整備、事務手続におけるチェックの徹底、各業務のシステム化による正確な事務処理体制の整備等、オペレーションリスクの撲滅低減に努めております。しかしながら、いわゆるヒューマンエラー等によりオペレーションに支障が生じる可能性はあり、そのことが、全保連の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (10) 協定会社について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)全保連は、協定会社を通じて、賃借人・賃貸人に全保連の家賃債務保証サービスを提供しており、協定会社との関係性が重要であります。全保連では協定会社との関係性を強化するために、電子申込みや事故対応費用保険等の仕組みを整えて利便性を高めているほか、概算払方式のスキームで家賃滞納時における協定会社側の負担を低減させております。また、継続的な新規開拓と適時のフォローのために、全国の主要都市中心に本社・営業所等(現在全国19拠点)を配置しております。しかしながら、全保連の努力をもってしても協定会社との関係性が維持できない場合や、協定会社が倒産等により業務を停止したことにより申込が減少した場合には、全保連の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (11) 流動性リスクについて(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)全保連は、今後実施することが予想される代位弁済に備えるために、十分な資金の流動性を維持する必要があります。全保連は、保証債務及び求償債権の管理を厳格に行っておりますが、急激な経済状況の悪化等により代位弁済の実施件数の急増等が生じた場合には、全保連の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (12) 自然災害、感染症等について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)全保連は全国的に事業を展開しておりますので、大規模な地震・台風等の自然災害や感染症流行による被害は、発生地域における家賃債務保証需要の縮小を惹起するとともに協定会社の営業体制に影響を及ぼし、全保連の財政状態及び経営成績に多大な影響を与える可能性があります。感染症に対しては、お客様、取引先及び社員の健康と安全を確保しつつ、サービスの維持を図るため、事前対策、感染後の情報の収集、感染拡大防止のための措置を定め、適切な対策を実施しておりますが、全保連の従業員に感染が拡大した場合、健康被害等により業務遂行に支障が生じ、全保連の財政状態及び経営成績に多大な影響を与える可能性があります。 (13) 繰延税金資産について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)全保連は、将来の合理的な期間における課税所得の見積りを行い、将来の回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上しております。全保連においては、主に保証委託料売上の前受金、保証履行損失引当金及び貸倒引当金等が一時差異等を構成しており、これらは今後も発生し続けることが見込まれております。今後、全保連の経営状態の変化で見込んでいた課税所得に達しない場合、税効果計算上の会社分類に影響が出る可能性があるほか、法人税率引き下げ等の税制改正及び会計基準の変更等が生じた場合には、繰延税金資産が減額され、全保連の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (14) 特定の人物への依存について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)全保連代表取締役社長執行役員である茨木英彦は、大手金融機関で培った知見をもとに、全保連の経営方針や事業戦略の決定等において重要な役割を果たしております。全保連は、特定の人物に過度に依存することのないよう、経営幹部役職員の拡充・育成及び権限委譲による体制構築等を通じて、経営組織の強化に取り組んでおりますが、十分な体制が整う以前に、この人物が何らかの理由により全保連の業務に関与することが困難となった場合には、全保連の財政状態及び経営成績に多大な影響を与える可能性があります。 (15) 法務リスクについて(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)全保連は、事業運営に関連して、将来的に訴訟の提起その他の係争事案に発展する可能性のある事象が発生するおそれがあります。全保連としては、必要に応じて複数の外部法律専門家から助言を受けるなど、法令遵守及び紛争の未然防止・早期解決に努めておりますが、係争事案の内容や進展状況、また裁判所の判断等によっては、多額の損害賠償責任の負担や信用低下等が生じる可能性があり、その結果、全保連の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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