STGグループ(STG及びSTGの関係会社)は、軽量化金属部品の製造加工事業を行っております。実用金属で最も軽いマグネシウムを中心とした製造加工を得意とし、金型の設計・製造、金属部品の鋳造、機械加工、ショットブラスト、仕上げ、化成処理、塗装、組立までを行う事業を展開しております。
アルミニウムダイカストについては、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.を中心に、品質を維持しつつ、軽量化とコストダウンを図ることを目的としたグローバル企業に製品を供給しており、2025年3月期においてはアルミニウムダイカスト39%、マグネシウムダイカスト51%の売上比率となっております。
STGの主力製品である軽量化金属部品(マグネシウム合金部品やアルミニウム合金部品)については、製品の徹底した軽量化を追求する顧客(製造メーカー等)からの需要が根強く、さらにSTGがこれまで培った「精密成型」技術力をもとに様々な製品(ミラーレスカメラなどの高付加価値カメラ、自動車、ネットワークカメラ、プリンターやプロジェクターなどの精密機器、医療機器、ドローン等)への活用が見られています。
このような背景のなか、STGグループは、2024年12月に中期経営計画「Challenge 100」を公表しました。この中期経営計画では、技術・品質の向上と生産能力拡大を図るため、設備投資やM&A等を積極的に行っていく方針としております。世界のマグネシウム需要が急増期に入っており、STGグループにおいても、軽量化金属部品の受注が順調に推移しておりますことから、上記計画に沿って、業容の拡大に努めてまいります。
STGグループは、STG及び連結子会社4社(三輝特殊技研(香港)有限公司、深圳市参輝精密五金有限公司、SANKI EASTERN (THAILAND) COMPANY LIMITED、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.)により構成されております。なお、STGグループは、金属部品鋳造及び加工事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載をしておりません。
(金属部品鋳造及び加工事業)
金属部品鋳造及び加工事業の主力製品は、高付加価値カメラ、自動車、監視カメラ、プロジェクター、プリンター、医療機器等における軽量化金属部品であります。具体的には、マグネシウム合金・アルミニウム合金等による部品を製造しております。
・製品の特長
マグネシウム合金による部品は、実用金属部品としては最軽量であり、より薄く高強度な製品を製造できます。
また、マグネウシウム合金による部品は、放熱性が良く、かつ電磁シールド性も良い等の特長をもち、持ち運びを目的とする製品や、軽量化により燃費効率向上・環境負荷低減等を図りたい輸送機等のマーケットで需要の拡大が見込まれています。
アルミニウム合金による部品は、軽量であり、かつ加工が容易であることから、軽量化とコストダウンを求める製品の需要拡大を見込んでいます。
・STGグループの強み
STGグループの強みは、マグネシウム合金による部品の生産において、様々なバリエーションの最終製品への部品提供が出来る技術力にあります。また、日本のみでなく、中国・タイ・マレーシアに工場があることから、グローバル化が進むメーカーの生産体制に対応できることも競争力に繋がっております。さらに、アルミニウム合金による部品も生産していることから、お客様が求める様々なニーズに対応出来る体制となっております。
・STGグループの技術力
STGグループでは、長年培った技術力により、製品の性能・機能を維持または向上させつつ、コストダウンをはかること、またVE(バリューエンジニアリング)提案を行うことで顧客ニーズの実現を図っております。この技術力を活かしさらなる成長を遂げたいと考えています。
具体的には、以下のような技術力に強みをもつと考えています。
① 金型設計力:製品の性能・機能をより発揮出来る設計をおこない、かつ生産工程全般のコストダウンをはかることを目的とした金型を設計しています。
② 鋳造技術力:マグネシウムダイカストの鋳造工程においては、液体が固体となる際に起きる体積収縮(凝固収縮)をコントロールする必要等、特有の技術が必要になります。凝固収縮は、一定方向ではなく製品の厚み・形状、又は周囲の形状、製造する際の条件等々の要素が複雑に絡み合い、一定方向の収縮とはなりません。STGでは、長年培った金型及び鋳造技術力で収縮方向をコントロールする等の対応をおこなっています。
③ 顧客対応力:エンドユーザーが、「どのような製品を求めていて、どのような使い方をするのか?」を追求することにより、顧客から依頼を受けた形状の部品を単に製造するだけではなく、STG側から製品の性能・機能を維持または向上させつつ、コストダウンをはかることを提案させていただいています。
④ 安心安全な生産体制:マグネシウムは、取り扱いが難しく作業中の爆発事故等が多く発生し、大手メーカーがマグネシウム事業から撤退する要因となりましたが、STGグループでは、マグネシウムの取り扱いについてのノウハウを蓄積しております。また、安心安全な生産体制を維持するために、各工場において定期的にチェックをおこなう体制としています。
(製造工程)
金属部品鋳造及び加工事業の製造工程は次のとおりであります。
なお、製造工程のうち、金型製造や塗装などの工程の一部は採算性等を踏まえ、製品品質等に十分配慮のうえ、外注を行っています。
金型製造・塗装・組立は、連結子会社であるSTX PRECISION (JB) SDN.BHD.のマレーシア工場のみで行っております。
(注)加工する製品の表面に細かい砂や鋼製・鋳鉄製の小球を吹き付け、表面を粗く削る加工方法
[事業系統図]
事業系統図は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてSTGグループが判断したものであります。
(1) 経営方針
STGグループは、経営理念として「3つの輝き(お客様の輝き・働く仲間の輝き・社会全体の輝き)」を掲げ、お客様・従業員ともに満足し、社会に貢献できる事業運営を行うことで、事業の発展を遂げたいと考えております。
期待以上の製品を提供してお客様に喜んでいただくことは当然であり、さらに、社員一人ひとりが能力を発揮できる舞台を提供し、やりがいのある、輝ける場所を作りたいと考えております。また、健全な経営のためのガバナンスを適正に行うことは、企業価値の向上には不可欠です。これらを通じて、事業の発展に注力し、社会へ貢献してまいります。
(2) 経営環境
STGグループを取り巻く経営環境は、米欧の高金利・高インフレと中国の景気減速の下で停滞感が強まる展開となりました。ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化、米中摩擦等の地政学的緊張の高まり、中国経済の停滞、エネルギー価格の高止まりやインフレ再燃などがリスク要因となり、世界経済の不透明感は一層高まっています。わが国経済は、経済活動の正常化が進むなか、個人消費は物価上昇の影響を受けつつも、回復基調の動きが見られました。さらに、インバウンド需要の拡大もあり国内景気を押し上げています。一方、長期化する不安定な国際情勢は継続しており、これらによる資源価格の高騰、円安の影響等から依然として先行きは不透明な状況であります。
このような中、STGグループが属する情報通信機器、精密電気機器、自動車部品業界におきましては、多様な技術革新の必要性は変わらず、新製品への開発投資は一部製品において抑制傾向があるものの、依然として継続されております。STGグループは、これらメーカーを顧客として、新規開発の試作品製造や新製品の量産製造を推進しており、STG一括一貫体制による、金型製作、成型、加工にわたる幅広い製造工程と技術力をベースに、採算性の向上に努め、また、重要事業への経営資源の最適配分にも取り組んでおります。
(3) 経営戦略
STGグループは、早くからマグネシウムビジネスに参入し、危険で加工が難しいと言われるマグネシウムの取り扱いに強みを有しております。マグネシウムビジネスに関しましては、現状において参入障壁が高いと考えています。参入障壁が高い理由につきましては、マグネシウムは発火しやすいという特徴があり、特に細かい状態だと簡単に燃えることから加工の際には火災や爆発などの事故につながる危険を伴うため、安全確保を行いながらの作業が求められます。また、マグネシウムは腐食しやすいことや、成型加工が難しい素材であることから、複雑な形状の部品を製造するためには高度な技術が必要となります。このため国内での同業他社が少ない状態が続いています。STGグループは、これまで幅広い商品への応用に長年取り組んできたため、加工やコスト低減のノウハウ・アイデアを有しており、競争優位性及び従来の主力素材であったアルミニウムと比較して高い利益率を実現しております。今後普及が見込まれるHEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、BEV(電気自動車)、FCEV(水素燃料電池車)等、車両の動力に電気を使って走行する車(以下、「電動車等」という。)の拡大の肝となるのが、車体の軽量化及び部品の超精密化であり、マグネシウム合金は軽さや精密化を支える素材として期待されている一方で、取り扱いが難しく高い技術力等が求められます。
さらに、STGグループは、お客様に高精度の軽量化部品を供給することを事業目的としており、アルミニウムダイカストを希望されるお客様のニーズにも応えることが出来るように、アルミニウムダイカスト事業の拡大を目的として、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.(マレーシア)を買収し、事業領域の拡大を図っております。
STGグループでは、マグネシウムの技術要求に対応できるノウハウ・経験と、アルミニウム・マグネシウム両方に対応できる事業領域、さらには日本、中国、タイ、マレーシアに工場を保有しグローバル化が進むメーカーの生産体制に対応できることなどの相乗効果により、競争力を発揮してまいりたいと考えております。
この背景を踏まえ、競合企業が少ないマグネシウム事業を中心に、下記を今後の重点的な経営戦略方針としております。
・世界的に電動車や自動運転技術の普及が見込まれる中、STGグループは戦略ドメインを「マグネシウム合金を中心とした電動車・自動運転関連軽量化ソリューション」に定め、市場の成長機会を捉えます。
・電動車等の普及に伴う売上高の増加及びマグネシウムの売上比率の増加により利益率も大きく改善し、高い利益成長を実現するとともに、M&A等を通じてグループ全体の生産能力向上を図り、今後の大幅な需要の拡大に備えてまいりたいと考えております。
(4) 目標とする経営指標
現時点のSTGグループは未だ成長途上であるとの認識であり、より高い成長性を確保することが最優先課題となっております。このことから「売上高」の増収を重視しつつ、「マグネシウム部品売上高」及び「EBITDA」を重要な指標として位置づけ、営業基盤の拡大による企業価値の拡大を目指しております。
(5) 優先的に対処すべき課題
STGグループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
① 資金調達の多様化
STGの資金調達は、大半が金融機関からの借入となっております。電気自動車等に代表される軽量化の波が大きく、またマグネシウムダイカストへの期待が大きいほど、競合する相手は資金調達能力が高い海外部品メーカーとなります。このため、資金調達の更なる多様化を早急に図ることは今後の成長戦略を描くうえで、喫緊の 課題であります。
② 社会的信用・知名度の向上
STGグループは最終製品を製造するメーカーから見て、2次下請けになることが多々あります。国内でマグネシウムダイカストを扱うメーカーが非常に少数であるため、技術的にマグネシウムダイカストを利用したいメーカーはたくさんあると思われますが、取引先の選定において、知名度が十分でないことから取引開始に至るまでには、時間がかかることがあります。
顧客サイドから見れば、取引業者への信頼性及び社会的信用力は重要な要素であります。
STGグループの継続的な企業価値の向上を実現 していくには、STGグループの知名度の向上、信頼性及び信 用力の向上が重要な課題であると認識しております。
③ 優秀な人材の確保
企業の成長には、人材は必須です。しかしながら、中小企業を取り巻く採用環境は非常に厳しいものがあります。ものづくりをしたいと考えていただける人材に、STGグループを知っていただきたいという想いが強くあります。
④ 経営基盤の充実強化
経営基盤の充実強化には、ヒト・モノ・カネが欠かせません。また、コーポレート・ガバナンスが十分に機能している組織、ステークホルダーに対する充実した情報開示、コンプライアンスを徹底的に意識した経営など、当然にあるべき姿が根付くための体制の充実・持続を図ってまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてSTGグループが判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① 市場環境について
(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、各種製品軽量化を主眼においた金属製品鋳造及び加工を行っております。各メーカーにはそれぞれの開発サイクルがあり、特に精密機器メーカーにおける開発予算の圧縮、開発スケジュールの変更やモデルチェンジサイクルの変化等の影響を受ける可能性があります。STGでは、精密機器分野以外の、特に自動車分野のような裾野の広い産業からの受注を高めることで、リスクを低減したいと考えております。
② 特定分野への依存について
(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
STGグループは、精密機器分野の受注が多く、複数の顧客と取引を行うこと、取扱分野を広げることでリスク分散を図っておりますが、感染症等による影響により、当該分野の景気が悪化した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
③ 顧客の財務状況について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、顧客について信用調査をした上で取引を行っておりますが、係る調査が効果的ではない可能性があり、事業環境の変化等により、STGの顧客が支払不能、倒産等に陥った場合、係る顧客から売掛債権を回収できず、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
④ 法的規制について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
STGグループの事業においては、製造物責任法等の各種法令やガイドライン等による規制を受けております。
こうした法令の制定や改正等、STGグループの事業に関する事項が規制を受けた場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 為替変動について
(顕在化の可能性:大、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、関係会社を通じて、グローバルに原材料の調達及び製品の供給を行い、事業を展開しております。STGグループは連結財務諸表を作成するにあたり、在外子会社の財務諸表を円貨に換算する必要があるため、当該子会社の財務諸表の各項目は、換算時の為替レートの変動の影響を受けます。過去の為替レートと比較し、円高となる場合には、円換算額が表面上減少することになります。
また、為替レートの変動は、外貨建てで取引されている原材料、製品の販売価格等にも影響を与える可能性があります。このため、STGグループでは、各生産拠点での取引は、できるだけ現地通貨建てとし、為替変動リスクの削減に注力しています。
⑥ 海外事業展開について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、アジアを中心に海外事業展開をしております。海外においては、政治、経済情勢の変化、関税(貿易協定や環太平洋パートナーシップ(TPP)協定)等の国際取引情勢の変化、予期しえない法規制の変更、自然災害、テロ、戦争、伝染病の流行等による社会的又は経済的な混乱、労働賃金のコストアップ、慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等、それぞれの国や地域固有のリスクが存在します。係るリスクに関して、STGグループでは、政治・経済情勢のモニタリングを継続している他、事業に関連する各国法制度の状況をグローバルで把握し適宜対応を図っていますが、これらのリスクが顕在化した場合には、STGグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦ 原材料価格について
(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
STGグループの製品は、マグネシウム合金及びアルミニウム合金を主原料としております。原材料の市場価格が変動した場合、一般的には取引先との合意により販売価格に転嫁することになっています。しかしながら、販売価格への転嫁は後追いとなるため、市場価格の上昇局面においては、STGグループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業の運営体制に関するリスク
① 特定経営者への依存について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGの代表取締役である佐藤輝明は、STGの経営方針や戦略の決定をはじめ、営業、製造技術の各方面の事業推進において重要な役割を果たしており、その決定によりSTGの事業が左右される可能性があります。STGグループでは、過度に特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏のSTGグループでの業務執行が困難になった場合、STGグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保・育成について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、事業の拡大に応じて従業員の育成や採用を行っております。また、多くの生産拠点が海外にあるため、海外人材の採用・育成も積極的に行っています。しかしながら、当該施策が適時適切に進行しなかった場合、もしくは業務執行上重要な役割を担う役職者が予期せず退社した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループでは、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合、適切な業務運営が困難となり、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
④ 限定的な取引先に依存している取引について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループの金属部品鋳造及び加工事業における原材料仕入先及び外注加工依頼先に関して、海外企業を含む限定的な取引先に依存している取引があります。取り扱い企業が少ないマグネシウムに関しては、原材料の仕入れを、主として日本マテリアル株式会社及びOMM(THAILAND)CO.,LTD. からの仕入れに限定しており、両社とは、良好な関係を築いております。STGグループは、基本的に品質が安定し、価格が安い原材料を選択しているため、一時的に特定の取引先の仕入依存度が上昇することがあります。
外注加工については、適正な品質等を確保できる技術力をもった協力企業に良好な関係のなか依頼を行っております。過度に依存している外注先や、代替ができない外注先はありません。
しかしながら、これらの取引先との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、一時的な混乱が生じ、事業の効率的な運営に悪影響が生ずる可能性があります。
⑤ 機密保持について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、事業の性格上、新製品開発に関する顧客の機密情報を取り扱う機会が多いことから、機密保持を経営上の最重要課題と認識しております。ハードとソフトの両面から総合的な管理を行うとともに、定期的な社内教育の実施によりSTGグループの機密保持レベルの向上に努めております。しかしながら、不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏洩するようなこととなった場合、STGグループの信用失墜に伴う受注の減少や損害賠償による費用の発生等により、STGグループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑥ 製品の品質について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、品質管理活動に継続的に取り組んでおります。また、STGグループの過失により製造物の欠陥が発生した場合に備え、賠償責任保険に加入しております。しかしながら、製造物の欠陥が生じた場合は、損害賠償による多額の費用発生や社会的信用の低下により、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
また、難易度の高い製品については、生産過程における製造ロスが発生することがあり、多くの場合、リサイクルを行いますが、大量の製造ロスが発生した場合には、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑦ 工場の環境整備について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
STGグループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適 用を受けております。STGグループは、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、工場の環境整備を進めております。しかしながら、自然災害や事故により不測の環境汚染が生じる場合、STGグループが現在稼動させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑧ 工場における火災等について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、原材料の保管を厳格に行い、それに起因する火災等の発生を防止する体制を整備しております。これは、過去に同業他社で爆発事故などが多く発生したためです。しかしながら、着火しやすいマグネシウム切粉など、原材料の特性から火災等が万一発生した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑨ 工場の安全対策について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループの事業においては、切断用機械等、従業員の作業上、危険を伴う設備を数多く保有しております。従業員の安全を守るための作業上の基準を設けておりますが、不慮の事故等が発生した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑩ 資金調達に関するリスクについて
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループでは、運転資金や設備投資資金の一部を金融機関からの借入により調達しており、有利子負債額は2023年3月末時点で2,727百万円(負債及び純資産合計に対する割合は53.72%)、2024年3月末時点で2,874百万円(同48.80%)となります。
今後、新たな設備投資の実行に伴い負債が増加する可能性があり、金利の急激な変動や金融情勢の変化によって資金調達コストが増大し、計画どおり資金調達ができなかった場合には、設備投資や新規事業が制約される等STGグループの経営成績に影響を与える可能性があります。
⑪ 新規事業について
(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループでは、新規事業の必要性を十分検討した上で、事業開発をおこなってまいりますが、市場環境の影響で顧客の獲得や製品の販売に結びつかなかった場合、STGグループの事業、経営成績及び財務状態に影響が及ぶ可能性があります。
このためSTGグループでは、顧客ニーズに対して、製造方法、素材を拡充するなど、より幅広い分野の顧客を開拓することを目的として、新規事業の創出を検討しております。
⑫ 海外での慣習等に従った事業運営リスクについて
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループの海外子会社における事業活動については、特に労働環境において、社会制度の違いにより、従業員の採用、解雇、退職などに関わる人事問題、また、賃金、残業等に関わる給与問題、不正行為等について、対応が困難な局面が生じる可能性があると考えています。STGグループは、これら労務管理上の諸問題を事前に回避すべく最大限努力する所存ですが、当該事象が顕在化し解決までに長期間を要す場合、又は多額の費用が発生した場合には、STGグループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
なお、本書提出日現在において、労働環境に関する規制当局による指導・是正命令および罰金等の行政処分が科されたことはありません。今後、規制当局の運用に変更が生じ、行政処分等がなされた場合にそなえ、労働環境の改善に努めるとともに、各国間での多元的な生産体制の構築に努めてまいります。
(3)自然災害、事故災害、感染症等に関するリスク
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループでは、主要工場の操業停止の影響を最小限にするため、生産拠点を分散するとともに、全拠点において一定規模の災害を想定して建物、機械装置等の安全性確保、各種防災機器の設置等の施策を講じておりますが、想定を超える大規模な災害や感染症の流行等が発生した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(4) その他のリスク
① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、STGの業績向上に対する役職員の意欲を高めることを目的として、ストックオプション(新株予約権)を発行しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式総数は92,000株であり、発行済株式総数1,034,400株の8.89%に相当します。今後、これらの新株予約権が行使された場合、STGグループの1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
② 配当政策について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGは、経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。
今後も、内部留保を積み上げ、将来的な経営成績及び財政状態を勘案しながら、継続的な株主への剰余金の配当を目指していく方針でありますが、STGの事業が計画通りに進展しない場合や、業績が悪化した場合には配当を行わない、或いは公表している配当の予定額を減ずる可能性があります。
③ 資金使途について
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
調達資金の使途については、製造設備の拡充等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する経営環境により当初の計画に沿って資金を充当したとしても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。また、市場環境の変化により、当初の計画を変更し、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
④ 固定資産の減損について
(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、工場建物、生産用の機械装置等の固定資産及びソフトウェア資産を保有しております。固定資産の貸借対照表計上額につきましては、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。しかしながら、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し、当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合、減損の認識が必要となり、STGの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ M&Aや戦略的事業提携に関するリスク
(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
STGグループは、製造拠点を確保するため、M&Aや戦略的事業提携を行うことも、事業戦略上の選択肢の一つと認識しております。
M&Aや事業提携の個別案件については、事前に充分な検討や資産査定を行い、各種リスク要因の低減に努める方針ですが、事前に想定されなかった事象が発生した場合、又はM&Aや事業提携に見合う効果が創出されなかった場合には、今後の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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