STG(5858)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】STGグループ(STG及びSTGの関係会社)は、軽量化金属部品の製造加工事業を行っております。実用金属で最も軽いマグネシウムを中心とした製造加工を得意とし、金型の設計・製造、金属部品の鋳造、機械加工、ショットブラスト、仕上げ、化成処理、塗装、組立までを行う事業を展開しております。アルミニウムダイカストについては、マレーシア子会社2社を中心に、品質を維持しつつ、軽量化とコストダウンを図ることを目的としたグローバル企業に製品を供給しており、2026年3月期においてはアルミニウムダイカスト54%、マグネシウムダイカスト41%の売上比率となっております。STGの主力製品である軽量化金属部品(マグネシウム合金部品やアルミニウム合金部品)については、製品の徹底した軽量化を追求する顧客(製造メーカー等)からの需要が根強く、さらにSTGがこれまで培った「精密成型」技術力をもとに様々な製品(ミラーレスカメラなどの高付加価値カメラ、自動車、ネットワークカメラ、プリンターやプロジェクターなどの精密機器、医療機器、ドローン等)への活用が見られています。 このような背景のなか、STGグループは、2024年12月に中期経営計画「Challenge 100」を公表しました。この中期経営計画では、技術・品質の向上と生産能力拡大を図るため、設備投資やM&A等を積極的に行っていく方針としております。世界のマグネシウム需要が急増期に入っており、STGグループにおいても、軽量化金属部品の受注が順調に推移しておりますことから、上記計画に沿って、業容の拡大に努めてまいります。STGグループは、STG及び連結子会社5社(三輝特殊技研(香港)有限公司、深圳市参輝精密五金有限公司、SANKI EASTERN (THAILAND) COMPANY LIMITED、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.、E-CAST INDUSTRIES SDN. BHD.)により構成されております。なお、STGグループは、金属部品鋳造及び加工事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載をしておりません。 (金属部品鋳造及び加工事業)金属部品鋳造及び加工事業の主力製品は、高付加価値カメラ、自動車、ネットワークカメラ、プロジェクター、プリンター、医療機器等における軽量化金属部品であります。具体的には、マグネシウム合金・アルミニウム合金等による部品を製造しております。 ・製品の特長マグネシウム合金による部品は、実用金属部品としては最軽量であり、より薄く高強度な製品を製造できます。また、マグネシウム合金による部品は、放熱性が良く、かつ電磁シールド性も良い等の特長をもち、持ち運びを目的とする製品や、軽量化により燃費効率向上・環境負荷低減等を図りたい輸送機等のマーケットで需要の拡大が見込まれています。アルミニウム合金による部品は、軽量であり、かつ加工が容易であることから、軽量化とコストダウンを求める製品の需要拡大を見込んでいます。 ・STGグループの強みSTGグループの強みは、マグネシウム合金による部品の生産において、様々なバリエーションの最終製品への部品提供が出来る技術力にあります。また、日本のみでなく、中国・タイ・マレーシアに工場があることから、グローバル化が進むメーカーの生産体制に対応できることも競争力に繋がっております。さらに、アルミニウム合金による部品も生産していることから、お客様が求める様々なニーズに対応出来る体制となっております。 ・STGグループの技術力STGグループでは、長年培った技術力により、製品の性能・機能を維持または向上させつつ、コストダウンをはかること、またVE(バリューエンジニアリング)提案を行うことで顧客ニーズの実現を図っております。この技術力を活かしさらなる成長を遂げたいと考えています。具体的には、以下のような技術力に強みをもつと考えています。① 金型設計力:製品の性能・機能をより発揮出来る設計をおこない、かつ生産工程全般のコストダウンをはかることを目的とした金型を設計しています。② 鋳造技術力:マグネシウムダイカストの鋳造工程においては、液体が固体となる際に起きる体積収縮(凝固収縮)をコントロールする必要等、特有の技術が必要になります。凝固収縮は、一定方向ではなく製品の厚み・形状、又は周囲の形状、製造する際の条件等々の要素が複雑に絡み合い、一定方向の収縮とはなりません。STGでは、長年培った金型及び鋳造技術力で収縮方向をコントロールする等の対応をおこなっています。③ 顧客対応力:エンドユーザーが、「どのような製品を求めていて、どのような使い方をするのか?」を追求することにより、顧客から依頼を受けた形状の部品を単に製造するだけではなく、STG側から製品の性能・機能を維持または向上させつつ、コストダウンをはかることを提案させていただいています。④ 安心安全な生産体制:マグネシウムは、取り扱いが難しく作業中の爆発事故等が多く発生し、大手メーカーがマグネシウム事業から撤退する要因となりましたが、STGグループでは、マグネシウムの取り扱いについてのノウハウを蓄積しております。また、安心安全な生産体制を維持するために、各工場において定期的にチェックをおこなう体制としています。 (製造工程)金属部品鋳造及び加工事業の製造工程は次のとおりであります。 なお、製造工程のうち、金型製造や塗装などの工程の一部は採算性等を踏まえ、製品品質等に十分配慮のうえ、外注を行っています。①金型設計・製造・・・2D・3D CADを用いて鋳造の基となる、金型の設計を行います。なお、金型製造はタイ工場及びマレーシアジョホールバル工場のみで行っており、その他の工場については、外注しております。②鋳造・・・ダイカスト法という成型法を用いて、金型に溶かした金属を射出して製造品を製造します。主な金属はアルミニウムとマグネシウムです。なお、中国工場においては、鋳造工程を外注しております。③機械加工・・・マシニングセンタを使用した高精度の切削加工を行います。④ショットブラスト(注)・・・ショットブラスト機を使用して成型品のバリを落とします。⑤仕上げ・・・ヤスリやエアーツールを使用して手作業で表面仕上げを行います。⑥化成処理・・・金属の腐食を防ぐ防食や塗装の下地加工を行います。なお、タイ工場のみで行っており、その他の工場については、外注しております。⑦塗装・・・製品の塗装を行います。なお、マレーシアジョホールバル工場において一部工程を行っており、その他工場については、外注しております。⑧組立・・・製品の組立を行います。なお、マレーシアジョホールバル工場及びマレーシアペナン工場のみで行っており、その他の工場については、外注しております。⑨最終検査・・・各工程間でも検査を行いますが、三次元測定機を用いた精密な検査など完成品として入庫前に最終検査を行います。 (注)加工する製品の表面に細かい砂や鋼製・鋳鉄製の小球を吹き付け、表面を粗く削る加工方法 [事業系統図]事業系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてSTGグループが判断したものであります。 (1) 経営方針STGグループは、経営理念として「3つの輝き(お客様の輝き・働く仲間の輝き・社会全体の輝き)」を掲げ、お客様・従業員ともに満足し、社会に貢献できる事業運営を行うことで、事業の発展を遂げたいと考えております。期待以上の製品を提供してお客様に喜んでいただくことは当然であり、さらに、社員一人ひとりが能力を発揮できる舞台を提供し、やりがいのある、輝ける場所を作りたいと考えております。また、健全な経営のためのガバナンスを適正に行うことは、企業価値の向上には不可欠です。これらを通じて、事業の発展に注力し、社会へ貢献してまいります。 (2) 経営環境STGグループを取り巻く経営環境は、米国の通商政策をめぐる不確実性や中国経済の低迷に加え、ロシア・ウクライナ戦争の長期化や、中東情勢の緊迫化など地政学的リスクは引き続き経済活動の重しとなり、先行きが不透明な状況が続きました。わが国経済においては、雇用・所得環境の改善の動きが続く中で、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。このような状況の中、STGグループでは、中期経営計画目標の達成に向けて「同業他社にはない独自の技術力を基に成長し、事業の拡大を実現させる」というコンセプトに基づく戦略に取り組みました。また、シナジー効果が見込める現事業の周辺領域企業のM&Aを積極的に推し進めることで成長スピードを加速させるという方針のもと、2025年9月29日、マレーシアのペナン州にあるE-CAST INDUSTRIES SDN. BHD.を子会社化いたしました。STGグループが属する情報通信機器、精密電気機器、自動車部品業界におきましては、多様な技術革新の必要性は変わらず、新製品への開発投資は一部製品において抑制傾向があるものの、依然として継続されております。STGグループは、これらメーカーを顧客として、新規開発の試作品製造や新製品の量産製造を推進しており、STG一括一貫体制による、金型製作、成型、加工にわたる幅広い製造工程と技術力をベースに、採算性の向上に努め、また、重要事業への経営資源の最適配分にも取り組んでおります。 (3) 経営戦略STGグループは、早くからマグネシウムビジネスに参入し、危険で加工が難しいと言われるマグネシウムの取り扱いに強みを有しております。マグネシウムビジネスに関しましては、現状において参入障壁が高いと考えています。参入障壁が高い理由につきましては、マグネシウムは発火しやすいという特徴があり、特に細かい状態だと簡単に燃えることから加工の際には火災や爆発などの事故につながる危険を伴うため、安全確保を行いながらの作業が求められます。また、マグネシウムは腐食しやすいことや、成型加工が難しい素材であることから、複雑な形状の部品を製造するためには高度な技術が必要となります。このため国内での同業他社が少ない状態が続いています。STGグループは、これまで幅広い商品への応用に長年取り組んできたため、加工やコスト低減のノウハウ・アイデアを有しており、競争優位性及び従来の主力素材であったアルミニウムと比較して高い利益率を実現しております。このような状況のなか、STGグループは、2024年12月に中期経営計画「Challenge 100」(2025年度~2027年度)を公表しました。この中期経営計画では、技術・品質の向上と生産能力拡大を図るため、設備投資やM&A等を積極的に行っていく方針としており、主な内容は以下のとおりとなります。 ① コンセプト同業他社にはない独自の技術力をもとに成長し、事業の拡大を実現させます ② ビジョンマグネシウム合金部品を中心とした軽量化ソリューションに加え、製品の軽量化を希求するお客様への精密・高品質な部品供給をすすめ、電動車等の普及や製品の軽量化に伴う市場拡大による成長機会を捉えます ③ ビジョンへの課題生産能力の向上、人員の確保収益力を維持拡大させるための技術の継承課題を解決させるための積極的な資金調達 ④ 成長戦略長期目標としての連結売上高300億円・連結営業利益30億円を確実に達成させるために上記課題に取り組みます。マグネシウム合金部品の生産拡大とともに、シナジー効果が見込める現事業の周辺領域企業のM&Aを積極的に推し進め、長期目標達成への礎を築き、成長スピードを一層高めます ⑤ 計画終了時の数値目標連結売上高120億円・連結営業利益12億円(M&Aによる増加を含む) STGグループでは、マグネシウムの技術要求に対応できるノウハウ・経験と、アルミニウム・マグネシウム両方に対応できる事業領域、さらには日本、中国、タイ、マレーシアに工場を保有しグローバル化が進むメーカーの生産体制に対応できることなどの相乗効果により、競争力を発揮してまいりたいと考えております。 (4) 目標とする経営指標 現時点のSTGグループは未だ成長途上であるとの認識であり、より高い成長性を確保することが最優先課題となっております。このことから「売上高」の増収を重視しつつ、「マグネシウム部品売上高」及び「EBITDA」を重要な指標として位置づけ、営業基盤の拡大による企業価値の拡大を目指しております。 (5) 優先的に対処すべき課題STGグループでは、上記(3)経営戦略①コンセプトに基づく戦略に取り組んでまいります。マグネシウム合金部品を中心とした軽量化ソリューションに加え、製品の軽量化を希求するお客様への精密・高品質な部品供給をすすめ、電動車等の普及や製品の軽量化に伴う市場拡大による成長機会を捉えます。 中期経営計画(計画期間2025年度~2027年度)における取り組むべき課題は以下の通りです。① 生産能力の向上、人員の確保STGグループは、急速に企業規模が拡大しており、今後も成長スピードをあげていくためには生産能力の向上が必須です。また、増加する生産能力を支えるための人員の確保も必要となります。① 積極的な設備投資の継続品質管理を徹底的におこない、マレーシア等における好調な受注環境を業績に結び付けるため、アルミニウム合金部品の生産能力を拡大させてまいります。② 新たな生産拠点の整備地政学的リスクを勘案し、かつASEANでの生産能力向上を一層強化するため、新たな国(フィリピン)への進出も含めて生産拠点の整備を一層推し進めます。③ 周辺事業への事業領域の拡大生産効率を一層高めるために、事業領域を拡大させ一層の内製化をはかります。また、M&Aを成長ドライバーに製造業アジアプラットフォーム型企業を目指します。④ M&Aの活用中期経営計画の期間中のM&Aは、生産能力の向上と人員の確保を図ることを主眼として進めます。PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)を着実に行い、将来の収益源となるように、STGとも協力体制の確立や経営体質の強化に努めます。 ② 収益力を維持拡大させるための技術の継承今後も収益力を維持・拡大させるためには、技術の継承が重要な要素となります。STGの強みである金型設計力と鋳造技術力を更に高めてまいります。① 品質へのこだわりの徹底STGグループは、高品質へのこだわりを徹底し、お客様に信頼される製品を提供することを最優先としています。厳格な品質管理体制を構築し、各工程での検査と改善を徹底することで、安定した品質を維持し続けています。これからも品質向上に向けて妥協せず取り組んでいくことでお客様のニーズに応え、信頼される製品を提供し、更なる収益拡大を目指してまいります。② 様々な製造手法への対応技術力を強みとするSTGグループは、既存の技術やノウハウを活かし、多様なニーズに対応することで、さらなる取引先の拡大を行ってまいりたいと考えております。高い技術力を活かし、より高度なニーズに応える部品を増加させることで、お客様の信頼に応えるとともに、さらなる収益拡大に努めてまいります。 ③ 課題を解決させるための資金戦略今後の成長を加速させるためには、量的に十分な資金調達が必要です。自己資本比率や債務償還年数等を意識しながら、将来にわたって、資金調達余力を十分に維持し続けることが重要であると考えております。このため、多様な資金調達手段を活用し、株主価値を維持しながら成長資金の確保を図りたいと考えております。① 多様な資金調達手段の活用金融機関からの借入金については、調達コストや為替リスクを意識した借入をおこなっております。2026年3月期末における自己資本比率は36.8%と前期比で上昇しており、引き続き自己資本比率30%以上の維持を基本方針としてまいります。また、資本と借入のバランスをとるため、転換型優先株式での資金調達も実施しております。② 株主還元を意識した資本戦略資金調達環境を醸成するためには、普通株式の魅力を向上させることが重要であると考えています。株価を意識した施策を講じ、かつ配当額を着実に向上させてまいります。配当性向の目標を20%程度とするなか、自己株式取得等もこの枠組みの中で検討してまいります。収益力強化を目指すことで、企業価値を高め、配当を増額してまいりたいと考えております。これらにより、STG株式の魅力を高めることを目指します。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてSTGグループが判断したものであります。 (1) 事業環境に関するリスク① 市場環境について(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、各種製品軽量化を主眼においた金属製品鋳造及び加工を行っております。各メーカーにはそれぞれの開発サイクルがあり、特に精密機器メーカーにおける開発予算の圧縮、開発スケジュールの変更やモデルチェンジサイクルの変化等の影響を受ける可能性があります。STGでは、精密機器分野以外の、特に自動車分野のような裾野の広い産業からの受注を高めることで、リスクを低減したいと考えております。 ② 特定分野への依存について(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)STGグループは、精密機器分野の受注が多く、複数の顧客と取引を行うこと、取扱分野を広げることでリスク分散を図っておりますが、感染症等による影響により、当該分野の景気が悪化した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ③ 顧客の財務状況について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、顧客について信用調査をした上で取引を行っておりますが、係る調査が効果的ではない可能性があり、事業環境の変化等により、STGの顧客が支払不能、倒産等に陥った場合、係る顧客から売掛債権を回収できず、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ④ 法的規制について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)STGグループの事業においては、製造物責任法等の各種法令やガイドライン等による規制を受けております。こうした法令の制定や改正等、STGグループの事業に関する事項が規制を受けた場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ⑤ 為替変動について(顕在化の可能性:大、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、関係会社を通じて、グローバルに原材料の調達及び製品の供給を行い、事業を展開しております。STGグループは連結財務諸表を作成するにあたり、在外子会社の財務諸表を円貨に換算する必要があるため、当該子会社の財務諸表の各項目は、換算時の為替レートの変動の影響を受けます。過去の為替レートと比較し、円高となる場合には、円換算額が表面上減少することになります。また、為替レートの変動は、外貨建てで取引されている原材料、製品の販売価格等にも影響を与える可能性があります。このため、STGグループでは、各生産拠点での取引は、できるだけ現地通貨建てとし、為替変動リスクの削減に注力しています。 ⑥ 海外事業展開について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、アジアを中心に海外事業展開をしております。海外においては、政治、経済情勢の変化、関税(貿易協定や環太平洋パートナーシップ(TPP)協定)等の国際取引情勢の変化、予期しえない法規制の変更、自然災害、テロ、戦争、伝染病の流行等による社会的又は経済的な混乱、労働賃金のコストアップ、慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等、それぞれの国や地域固有のリスクが存在します。係るリスクに関して、STGグループでは、政治・経済情勢のモニタリングを継続している他、事業に関連する各国法制度の状況をグローバルで把握し適宜対応を図っていますが、これらのリスクが顕在化した場合には、STGグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑦ 原材料価格について(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)STGグループの製品は、マグネシウム合金及びアルミニウム合金を主原料としております。原材料の市場価格が変動した場合、一般的には取引先との合意により販売価格に転嫁することになっています。しかしながら、販売価格への転嫁は後追いとなるため、市場価格の上昇局面においては、STGグループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業の運営体制に関するリスク① 特定経営者への依存について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGの代表取締役である佐藤輝明は、STGの経営方針や戦略の決定をはじめ、営業、製造技術の各方面の事業推進において重要な役割を果たしており、その決定によりSTGの事業が左右される可能性があります。STGグループでは、過度に特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏のSTGグループでの業務執行が困難になった場合、STGグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 人材の確保・育成について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、事業の拡大に応じて従業員の育成や採用を行っております。また、多くの生産拠点が海外にあるため、海外人材の採用・育成も積極的に行っています。しかしながら、当該施策が適時適切に進行しなかった場合、もしくは業務執行上重要な役割を担う役職者が予期せず退社した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 内部管理体制について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループでは、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合、適切な業務運営が困難となり、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ④ 限定的な取引先に依存している取引について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループの金属部品鋳造及び加工事業における原材料仕入先及び外注加工依頼先に関して、海外企業を含む限定的な取引先に依存している取引があります。取り扱い企業が少ないマグネシウムに関しては、原材料の仕入れを、主として日本マテリアル株式会社及びOMM(THAILAND)CO.,LTD. からの仕入れに限定しており、両社とは、良好な関係を築いております。STGグループは、基本的に品質が安定し、価格が安い原材料を選択しているため、一時的に特定の取引先の仕入依存度が上昇することがあります。外注加工については、適正な品質等を確保できる技術力をもった協力企業に良好な関係のなか依頼を行っております。過度に依存している外注先や、代替ができない外注先はありません。しかしながら、これらの取引先との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、一時的な混乱が生じ、事業の効率的な運営に悪影響が生ずる可能性があります。 ⑤ 機密保持について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、事業の性格上、新製品開発に関する顧客の機密情報を取り扱う機会が多いことから、機密保持を経営上の最重要課題と認識しております。ハードとソフトの両面から総合的な管理を行うとともに、定期的な社内教育の実施によりSTGグループの機密保持レベルの向上に努めております。しかしながら、不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏洩するようなこととなった場合、STGグループの信用失墜に伴う受注の減少や損害賠償による費用の発生等により、STGグループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ⑥ 製品の品質について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、品質管理活動に継続的に取り組んでおります。また、STGグループの過失により製造物の欠陥が発生した場合に備え、賠償責任保険に加入しております。しかしながら、製造物の欠陥が生じた場合は、損害賠償による多額の費用発生や社会的信用の低下により、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。また、難易度の高い製品については、生産過程における製造ロスが発生することがあり、多くの場合、リサイクルを行いますが、大量の製造ロスが発生した場合には、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ⑦ 工場の環境整備について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)STGグループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適 用を受けております。STGグループは、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、工場の環境整備を進めております。しかしながら、自然災害や事故により不測の環境汚染が生じる場合、STGグループが現在稼動させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ⑧ 工場における火災等について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、原材料の保管を厳格に行い、それに起因する火災等の発生を防止する体制を整備しております。これは、過去に同業他社で爆発事故などが多く発生したためです。しかしながら、着火しやすいマグネシウム切粉など、原材料の特性から火災等が万一発生した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ⑨ 工場の安全対策について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループの事業においては、切断用機械等、従業員の作業上、危険を伴う設備を数多く保有しております。従業員の安全を守るための作業上の基準を設けておりますが、不慮の事故等が発生した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 ⑩ 資金調達に関するリスクについて(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループでは、運転資金や設備投資資金の一部を金融機関からの借入により調達しており、有利子負債額(リース債務を除く)は2025年3月末時点で2,798百万円(負債及び純資産合計に対する割合は42.06%)、2026年3月末時点で4,708百万円(同48.85%)となります。今後、新たな設備投資の実行に伴い負債が増加する可能性があり、金利の急激な変動や金融情勢の変化によって資金調達コストが増大し、計画どおり資金調達ができなかった場合には、設備投資や新規事業が制約される等STGグループの経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑪ 新規事業について(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループでは、新規事業の必要性を十分検討した上で、事業開発をおこなってまいりますが、市場環境の影響で顧客の獲得や製品の販売に結びつかなかった場合、STGグループの事業、経営成績及び財務状態に影響が及ぶ可能性があります。このためSTGグループでは、顧客ニーズに対して、製造方法、素材を拡充するなど、より幅広い分野の顧客を開拓することを目的として、新規事業の創出を検討しております。 ⑫ 海外での慣習等に従った事業運営リスクについて(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループの海外子会社における事業活動については、特に労働環境において、社会制度の違いにより、従業員の採用、解雇、退職などに関わる人事問題、また、賃金、残業等に関わる給与問題、不正行為等について、対応が困難な局面が生じる可能性があると考えています。STGグループは、これら労務管理上の諸問題を事前に回避すべく最大限努力する所存ですが、当該事象が顕在化し解決までに長期間を要す場合、又は多額の費用が発生した場合には、STGグループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。なお、本書提出日現在において、労働環境に関する規制当局による指導・是正命令および罰金等の行政処分が科されたことはありません。今後、規制当局の運用に変更が生じ、行政処分等がなされた場合にそなえ、労働環境の改善に努めるとともに、各国間での多元的な生産体制の構築に努めてまいります。 (3)自然災害、事故災害、感染症等に関するリスク(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループでは、主要工場の操業停止の影響を最小限にするため、生産拠点を分散するとともに、全拠点において一定規模の災害を想定して建物、機械装置等の安全性確保、各種防災機器の設置等の施策を講じておりますが、想定を超える大規模な災害や感染症の流行等が発生した場合、STGグループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 (4) その他のリスク① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、STGの業績向上に対する役職員の意欲を高めることを目的として、ストックオプション(新株予約権)を発行しております。提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式総数は68,000株であり、発行済株式総数2,148,000株の3.17%に相当します。今後、これらの新株予約権が行使された場合、STGグループの1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ② A種優先株式の普通株式への転換による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)2025年6月30日に、株式会社日本政策投資銀行を引受先として、A種優先株式を発行しました。当該A種優先株式には2026年6月30日以降普通株式への転換請求権が付与されており、将来において、A種優先株式の普通株式への転換が行われた場合、STGグループの1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ③ 配当政策について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGは、経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。今後も、内部留保を積み上げ、将来的な経営成績及び財政状態を勘案しながら、継続的な株主への剰余金の配当を目指していく方針でありますが、STGの事業が計画通りに進展しない場合や、業績が悪化した場合には配当を行わない、或いは公表している配当の予定額を減ずる可能性があります。 ④ 資金使途について(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)調達資金の使途については、製造設備の拡充及びM&A等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する経営環境により当初の計画に沿って資金を充当したとしても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。また、市場環境の変化により、当初の計画を変更し、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。 ⑤ 固定資産の減損について(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、工場建物、生産用の機械装置等の固定資産及びソフトウェア資産を保有しております。固定資産の貸借対照表計上額につきましては、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。しかしながら、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し、当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合、減損の認識が必要となり、STGの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ M&Aや戦略的事業提携に関するリスク(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)STGグループは、製造拠点を確保するため、M&Aや戦略的事業提携を行うことも、事業戦略上の選択肢の一つと認識しております。M&Aや事業提携の個別案件については、事前に充分な検討や資産査定を行い、各種リスク要因の低減に努める方針ですが、事前に想定されなかった事象が発生した場合、買収後の事業統合(PMI)が計画どおりに進まなかった場合、又はM&Aや事業提携に見合う効果が創出されなかった場合には、のれんの減損損失を計上することになり、STGグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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