エブリー(607a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


エブリー(607a)の株価チャート エブリー(607a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 エブリーは、「明るい変化の積み重なる暮らしを、誰にでも。」をパーパスに、ライフスタイルに根ざした、最適かつ有益な情報をひとりひとりに届けることを目指し、レシピ動画メディアの「デリッシュキッチン」を中心とする、複数の動画メディアの運営を行っております。

 

 主力メディアである「デリッシュキッチン」においては、管理栄養士監修の「簡単・おいしい・安全な」動画レシピコンテンツを累計で57,000本以上(注1)公開し、月間利用者数は3,100万超(注2)、SNS総フォロワー数は1,300万超(注3)、アプリ上のレシピ評価は「4.4/5.0」(注4)、など高いユーザー評価を維持する国内最大級のレシピ動画メディアとなっております。

 また、上記オンラインメディアの運営に加えて、小売店舗内にデジタルサイネージを設置する「ストアDX」や小売企業向けの消費者向けアプリの開発・導入支援などリテールメディア領域での取り組みを加速させております。特に、小売店舗内にデジタルサイネージを設置する「ストアDX」の取り組みにおいては、全国のサイネージ設置台数が計11,000台以上(注5)に到達するなどその規模を拡大させております。

 

 エブリーはメディアプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、上記に記載したメディアアセットやそれらを通じたユーザー基盤、小売店舗内でのサイネージアセット等を活用し、主に広告主向けのMarketing Solutionビジネス、ユーザー向けのConsumerビジネスを展開しております。

(注1)「デリッシュキッチン」アプリ上の公開本数。2026年4月末時点。

(注2)「デリッシュキッチン」アプリ、ウェブの月間アクティブユーザー数の合計値。アプリ、ウェブの重複は
    排除せず。2026年4月末時点。

(注3)SNS=Instagram、Facebook、YouTube、X、LINE News、TikTok、Pinterest。これらのフォロワー数合計
    値。2026年4月末時点。

(注4)「デリッシュキッチン」アプリ内でのレシピに対するユーザー評価(5段階)の平均スコア。
    評価件数:1,390,533件。2026年4月末時点。

(注5)2026年4月末時点。

 

(1)各事業の概要

Marketing Solutionビジネス

 

 食品メーカー等の広告主に対し、ブランドや商品の認知拡大から店頭での購買促進に至るまで、一気通貫でのマーケティング支援を展開しております。

 エブリーの最大の特徴は、国内最大級のレシピ動画メディアである「デリッシュキッチン」の運営により獲得する大規模なオンラインデータと、全国11,000台以上のデジタルサイネージや小売・卸企業との連携を通じて取得する実店舗でのオフラインデータ(購買データ等)を統合した盤石なデータプラットフォームを保有している点にあります。これにより、1st party data(注1)に基づいた精度の高い広告プランニングが可能であるとともに、従来のデジタル広告では困難とされていた実店舗での販促効果の可視化を実現しており、費用対効果の高い効果的なソリューションを広告主へ提供することが可能であると考えております。

 現在エブリーが展開している主なソリューションは以下のとおりでございます。

(注1)自社のアプリやウェブサイトを通じて直接収集した顧客やユーザーに関するデータ

 

・タイアップ広告

 レシピ動画メディアの運営によって培ったコンテンツ制作力を活かし、広告主のブランドや商品を絡めた独自コンテンツを制作します。エブリーのアプリ、ウェブ、SNSに加え、外部インフルエンサー等を活用して配信を行い、消費者の「認知」や「興味・関心」の喚起を目指します 。

 広告主からはコンテンツ制作費と広告配信費を受領します。

 

・ディスプレイ広告

 広告主より受領した広告素材をエブリーのアプリやウェブの広告枠に配信します。動画、静止画の両方に対応しており、広告主からは広告表示回数に応じた広告配信費を受領します。

 

・ストアビジョン広告

 全国の小売店舗内に設置された11,000台以上のデジタルサイネージに動画広告を配信します。消費者の実店舗での購買の多くが店頭で意思決定を行う「非計画購買」であると言われているなか(注1)、ストアビジョン広告は「購買に最も近い広告」として強力な販売促進手段であると考えております。

 エブリーは広告主から広告配信費を受領します。

(注1)株式会社マクロミル調べ(2020年2月、アンケート回答数:28,034件)

 

・ユーザーマッチング広告

 エブリーメディアや外部媒体を通じたキャンペーンの実施等により、広告主の提供サービスとの親和性の高いユーザー層へのアプローチを行うとともに、それらを通じて得たユーザーデータ等を広告主に提供することを通じて広告主の効率的な顧客獲得を支援しております。

 エブリーは、実際の送客数などに応じた成功報酬型で広告主から収益を獲得します。

 

・運用型広告

 広告主に対して、GoogleやFacebook、Instagramなどの外部プラットフォームへの広告出稿に関するプランニングや、その後の配信設定や広告効果の測定・分析などのソリューションを提供しております。

 エブリーは広告主からお預かりした広告予算の一部を手数料として受領しております。

 

・アドネットワーク広告

 エブリーのアプリ、ウェブに広告枠を設定し、アドネットワークを通じた広告枠の販売により収益を獲得しております。

 

・retail HUB

 小売企業へのDX支援として提供する複数のサービスを総称して「retail HUB」としております。デジタル化が進む社会において、エブリーの持つテクノロジーを駆使することにより、小売企業が消費者に新たな買い物体験を提供することをサポートするとともに、小売企業の支援によって獲得する実店舗での購買データなどを広告主向けのソリューション提供に活用しております。

 小売企業へ提供しているソリューションは以下となります。

 

 (a)ストアDX

 デリッシュキッチンのレシピ動画や広告素材を放映するための店頭デジタルサイネージの設置を行っております。小売企業はレシピ動画や広告配信を通じて、消費者の購買意欲の向上を図ることが可能であると考えています。

 また、エブリーはストアDXの取り組みを通じて設置したデジタルサイネージアセットを活用し、上記「ストアビジョン広告」で記載の広告主ビジネスを展開しております。

 

 (b)アプリ支援

 小売企業へ消費者向けアプリの導入支援を行っております。小売企業はエブリーが提供するアプリ又はシステムを通じて、消費者へネットスーパー機能やポイント機能、クーポン機能などの提供を行うことで、顧客のリピート促進やロイヤル化を図ることが可能であると考えています。また、アプリ、システムの提供だけでなく、アプリ内に蓄積するデータの分析支援なども行っております。

 エブリーは小売企業からアプリ、システムの開発・保守費用及びコンサルティング費用を受領します。

 

Consumerビジネス

 

 ユーザー向け事業として、デリッシュキッチンアプリの月額課金機能であるプレミアムサービス及びEコマースを運営しております。

 

・プレミアムサービス

 デリッシュキッチンアプリのユーザーに対して、月額480円の有料課金サービスを提供しております。有料課金を行っているプレミアムユーザーはアプリ内でのお気に入り登録数が無制限になる、限定レシピを閲覧できる、などの追加機能をご利用いただけます。

 

・Eコマース

 デリッシュキッチンの運営による「食」に関するノウハウを生かし、栄養バランスの取れた冷凍弁当「ミールズ」を販売しております。ユーザーは冷凍弁当の食数や自宅へのお届けサイクルを選択し、それらに合わせて冷凍弁当をユーザーの自宅へ定期便で宅配しております。

 

その他ビジネス

 

 自社メディアの運営で培ったクリエイティブ制作力やシステム開発の知見を活かし、クライアントの個別要件に基づいた受託業務を行っております。具体的には、他社ECサイトにおけるライブコマース機能のシステム保守・運用や、番組制作、その他クライアントのニーズに応じた動画の制作受託を行っております。これらのサービスは、制作や運用そのものを目的とした独立した受託形式で提供しており、クライアントの要望に応じた役務の提供や成果物の納品を行っております。

 

 エブリーの事業活動に関する概念図

 

 

(2)エブリーソリューションの価値・優位性

 

大規模なユーザー基盤に紐づく「食生活行動ビッグデータ」の保有

 

 エブリーは、動画メディアやデジタルサイネージの運営、小売企業の支援を通じて、オンライン/オフライン両面での膨大な「食」に関わるデータを保有しております。

 主力メディアである「デリッシュキッチン」においては、強固なユーザー基盤を構築しており、各ユーザーの「性別」「家族構成」「就業状況」などの属性情報はもちろん、「レシピの検索傾向」「レシピ視聴履歴」「料理スキル」「商品認知度」など、「食」に関わる様々なデータを保有しております。

 また、デジタルサイネージの運営や小売企業の支援や外部とのアライアンスを通じて、店頭での消費者の購買データやサイネージ視聴データなど多様なオフラインデータを取得することが可能です。

 これにより、エブリーはオンライン/オフライン両面の膨大なデータの分析に基づく生活者解析が可能であり、これらを活用することで、最適な広告プランニングを広告主に提供することが可能であると考えております。

 また、昨今の主要ブラウザにおける3rd party cookie(注1)への規制の強化を背景に、1st party dataの重要性は増しており、1st party dataに基づく適切な広告プランニングが可能なエブリーのソリューションの優位性は今後一層高くなっていくものと考えております。

(注1)ユーザーがアクセスしたサイトとは別のドメインが発行し、ウェブサイト間でユーザーを追跡する仕組み。

    ウェブ上でのターゲティング広告などに活用される

 

(注2)人流データとは、来店時刻・滞在時間・来店頻度等のデータを指す。これらのデータは、店舗内に設置した
    小型の送信機(ビーコン端末)が発信するBluetooth信号を、顧客のスマートフォンにインストールされた
    アプリが受信、サーバーへ送信することで取得される。

 

コンテンツ制作力×高リーチ力の掛け合わせによるトレンド創出

 

 エブリーは、多様なメディアの運営を通じて、「食」に関わる膨大な1st party dataを保有しており、これらを解析することで、世の中の「食」に関わるトレンドを正しく把握、又は予測することが可能であると考えております。また、エブリーは「デリッシュキッチン」のサービス開始以降、2026年4月末時点で累計57,000本以上のレシピ動画を配信するなど、独自の制作ノウハウを有しており、当該ノウハウをデータ分析によるトレンド予測と掛け合わせることにより、トレンドに沿った良質なコンテンツを制作することが可能であると考えております。

 加えて、エブリーではアプリ・ウェブ・SNSなどの自社メディアにおいて多くのユーザーを抱えており、高いリーチ力を有しております。トレンドやユーザーの嗜好に沿った良質なコンテンツをリーチ力の高いエブリーのメディアで配信することにより、メーカー等のクライアントは高い広告効果を得ることができると考えております。

 

デジタルサイネージによるリテールメディアプラットフォームの構築

 

 食品・飲料・酒類においては、その購買の95.5%が店頭でなされており(注1)、店頭において商品の魅力を消費者に示し、購買を促すことは食品・飲料業界にとって重要なテーマとなっており、これらを実現する手段として、店頭デジタルサイネージ等のリテールメディアの重要性は今後更に高まることが予想されます。

 エブリーは全国の小売店舗内に設置されている11,000台以上の店頭デジタルサイネージへの広告配信サービスを提供しており、店舗内における消費者の最終的な意思決定をサポートすることが可能なストアビジョン広告は、「購買に最も近い広告」として、店頭での販売促進を図る強力な手段として多くの広告主に利用されております。

(注1)経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年8月)

 

 

食品卸企業との連携によるリテールメディア戦略

 

 エブリーは大手食品卸企業の伊藤忠食品株式会社(以下「ISC」という。)との業務提携契約に基づき、デジタルサイネージの設置・運営及び、ストアビジョン広告の販売を共同で行っております。ISCは国内食品流通業界の主要プレイヤーとして、小売・流通企業や食品メーカーとの強力なネットワークを有しており、同社との協業を通じて、デジタルサイネージの導入や広告案件の獲得、販促データの獲得を推進しております。また、同じく国内食品流通業界の主要プレイヤーである加藤産業株式会社や旭食品株式会社ともリテールメディア領域での協業を行うなど、食品卸企業との提携強化を図っております。

 エブリーは、食品・飲料メーカー及び小売企業との関係が密接な食品卸企業とのアライアンスの構築により、デジタルサイネージ等のリテールメディアの構築を加速させるとともに、エブリーが保有するデジタル広告に関する知見やレシピコンテンツ等を活用することで、広告主への効果的なソリューションの提供を実現しております。

 なお、ISCと締結している業務提携契約の内容については、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載のとおりであります。

 

 

広告効果の可視化による広告主の課題解決

 

 エブリーのMarketing Solutionビジネスにおいては、オンラインメディアやSNSを通じたデジタル広告ソリューションの提供に加えて、オフラインデータを活用した広告効果の検証を広告主に提供しております。

 デジタル技術の進展に伴い、TV・ラジオなどのマスメディアからスマートフォン・パソコンなどのデジタル媒体へと生活者のメディア接触時間は移行しております。そのような変化のなか、広告主は広告出稿媒体を従来のマスメディアからデジタル媒体へと移行させる必要性に迫られている一方で、デジタル広告には、広告施策が実際の消費者の購買にどの程度寄与したのかを計測することが難しく、費用対効果を可視化できないといった課題がございます。

 エブリーは、タイアップ広告/ディスプレイ広告/ストアビジョン広告など、多様な広告ソリューションを提供するとともに、小売企業、食品卸企業とのリレーションを背景に実店舗での購買データを取得し、広告施策による実際の購買への影響を検証し、検証に基づく施策を広告主へ提供することが可能です。大手SNSや他のメディアでは計測が難しいとされている、実店舗での購買効果の可視化の実現はエブリーソリューションの優位性に繋がっていると考えております。

 

 

[事業系統図]
 

 


有価証券届出書の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてエブリーが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 エブリーは、「明るい変化の積み重なる暮らしを、誰にでも。」をパーパスに、「前向きなきっかけを、ひとりひとりの日常にとどける。」をミッションに掲げ、ライフスタイルに根ざした、最適かつ有益な情報をひとりひとりに届けることを目指し、各種動画メディアの運営を行ってまいります。

 

 特に主力メディアである「デリッシュキッチン」は「おいしい楽しい「食事」と「健康」をすべての人に」をコンセプトに誰でも美味しく簡単に作れるレシピ動画を2026年4月末時点で累計で57,000本以上配信しており、現在では国内最大級のレシピ動画メディアへとその規模を成長させております。

 

 そのようななか、エブリーでは「デリッシュキッチン」を中心とする動画メディアや店頭デジタルサイネージなどのリテールメディアを通じたメーカー向けMarketing Solutionビジネスや有料課金サービスなどのConsumerビジネスを中心に事業を展開させており、今後もその規模を拡大することを目指します。また、中長期での成長戦略として、オンラインとオフラインの垣根を越えて「食」に関わる様々なシーンを一気通貫で分析できる盤石なデータプラットフォームの構築とその強化を掲げております。これらの実現のためには、更なるユーザー基盤の強化を図るとともに、デジタルサイネージなどのリテールメディアプラットフォームの拡大によるオフライン領域での取り組みの深化を図ることが重要と考えております。

 

(2)経営環境

 エブリーはアプリ・Web・SNS等のインターネットを通じたユーザーへのコンテンツの提供、広告主への広告ソリューションの提供を行っております。また、デジタルサイネージなどのリテールメディアを通じた消費者への新たな買い物体験の提供及び広告主への広告ソリューションの提供を行っております。

 エブリーが関わるインターネット広告事業においては、大規模プラットフォーマーの成長が大きく起因して、2025年の国内インターネット広告費が4兆459億円(前年比10.8%増)、インターネット広告媒体費が3兆3,093億円(前年比11.8%増)と過去最高を更新しております(注1)。インターネット広告事業の中でもビデオ動画の広告市場規模は1兆275億円となり、前年比21.8%増と拡大を続けております(注2)。今後もモバイル広告の大幅な伸長に加え、PC デスクトップ向け広告も堅調に推移することが予想されるため、2026年のビデオ動画広告費は1兆1,783億円へと拡大(前年比14.7%増)する見込みです(注2)。

 また、デジタルサイネージなどを含むリテールメディア市場においては、小売企業のDX化とともに進められる当該領域への更なる注力及びテクノロジーの普及により、店舗事業者によるリテールメディア広告の市場規模は2029年には2024年の約4倍にあたる1,939億円に達し、その中でのデジタルサイネージにおける広告の市場規模は2029年には350億円に到達する見込みです(注3)。

(注1)電通「2025年日本の広告費」

(注2)CARTA HOLDINGS /電通/電通デジタル/セプテーニ「2025年日本の広告費 インターネット広告媒体費詳細分析」

(注3)CARTA HOLDINGS「リテールメディア広告市場調査」2026年1月

 

(3)経営戦略等

 持続的な成長による企業価値向上を図るため、以下の事項を実現することを重要な経営戦略と位置付けております。

 

① 新規ユーザーの獲得及びユーザーアクティビティの活性化

 エブリーはライフスタイルに根ざした最適かつ有益な情報をユーザーに提供することをコンセプトに、レシピ動画メディアの「デリッシュキッチン」を始めとする複数の動画メディアの運営を行っております。

 特に主力メディアである「デリッシュキッチン」は、国内最大級のユーザー基盤を有したレシピ動画メディアとなっており、それらはエブリーの事業運営上、重要なアセットとなっております。

 今後も継続してコンテンツラインナップの拡充やカスタマーサポートの強化を通じて、ユーザーの利便性を向上させることで、新規ユーザーの獲得及びユーザーアクティビティの活性化に取り組んでまいります。

 

② オンライン×オフラインの融合による高度なマーケティング機会の提供

 広告主に対し、消費者がブランドや商品を認知し、最終的に店頭で購入するまでのすべてのシーンにおけるマーケティングの支援を提供するとともに、オンライン/オフライン両面の「食生活行動ビッグデータ」を活用した最適な広告プランニングの提供や購買効果の可視化の実現を目指します。

 エブリーは強固なユーザー基盤に支えられたオンラインデータの分析に基づくインターネット上での効果的な広告ソリューションの提供に加え、デジタルサイネージなどのオフラインアセットを活用した実店舗での販促支援や購買データに基づく広告効果の可視化を広告主に提供することが可能です。

 今後は、オンライン/オフライン両面での独自のデータの獲得やデータ分析基盤の構築に注力することにより、消費者・メーカー・小売企業をつなぐ「食」のプラットフォームとしての地位の確立を目指します。

 

③ 広告主への提供価値の高度化による顧客単価の向上

 エブリーは、SNSやレシピ動画メディア、デジタルサイネージなど、多種多様な配信面での広告配信ソリューションの提供が可能であり、これにより消費者がブランドや商品を認知し、最終的に店頭で購入するまでのすべてのシーンにおけるマーケティングを支援することが可能であるとともに、オフラインデータを活用することで、通常のデジタル広告では困難とされる購買データに基づく広告効果の可視化が可能です。

今後も、広告ソリューションにおける提供価値を高めることで、同一顧客に対するソリューションの幅を拡張するとともに継続出稿を獲得し、顧客単価の最大化を実現してまいります。

 

④ リテールメディア領域での取り組みの強化

 社会の変化とともに、消費者の行動や価値観、情報収集手段が多様化するなかにおいて、消費者の購買にもっとも近いポイントでの広告配信やデータ収集が可能なリテールメディアへの注目が近年急速に高まっております。

 特にエブリーはリテールメディアの一種である店頭デジタルサイネージの設置を通じた消費者への新たな買い物体験の提供及び広告主への広告ソリューションの提供を過去から継続的に行っております。現在デジタルサイネージを通じた広告ソリューションであるストアビジョン広告は「購買に最も近い広告」として、店頭での販売促進を図る強力な手段として多くの広告主に利用されております。今後も更なる拡大が予想されるデジタルサイネージ市場において、シェアを拡大するとともに、更なる収益の拡大を狙ってまいります。

 また、現在小売企業向けに提供している消費者向けアプリの開発・導入支援を加速させることにより、リテールメディア領域での取り組みを深化させ、オフラインデータの蓄積によるデータ基盤の強化を図ります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 エブリーは、持続的な企業価値向上を果たすためには、エブリーの主力事業であるMarketing Solutionビジネスの事業拡大が重要であると考えており、当該ビジネスの売上高及びそれらを構成する顧客社数・顧客単価が経営上の重要な指標であると考えております。

 

 加えて、エブリーは新規顧客の獲得はもとより、複数の広告配信ソリューションや購買効果の可視化までを含めた複合的な施策を広告主に提供し続けることによって、顧客単価を向上させることが重要であると考えており、エブリーの成長戦略の進捗を示す指標として顧客社数のうち、顧客単価が1千万円以上の顧客(以下「ロイヤル顧客」という。)の社数を重要な指標として置いております。

 

[Marketing Solutionビジネス - 各種指標]

 

 

第9期事業年度
(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

第10期事業年度
(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

第11期第3四半期
累計期間
(自 2025年7月1日 至 2026年3月31日)
(注1)

売上高
(百万円)

2,268

3,144

3,020

顧客社数
(社)

564

588

577

-うち
ロイヤル顧客(社)

42

62

66

顧客単価
(百万円)

4.0

5.3

5.2

(注1)2026年6月期については、第3四半期累計期間での売上高及びそれらに対応する顧客社数・顧客単価をお示ししております。

 

 エブリーは、今後もオンライン及びオフラインを横断する「食生活行動ビッグデータ」と独自のコンテンツ制作力等を源泉として、広告主の課題解決に直結する効果的なソリューションを提供し続けます。これらを通じて、新規顧客の獲得はもとより、既存顧客からの売上を最大化させ、顧客単価の向上を実現いたします。これにより、Marketing Solutionビジネスの持続的な売上成長、ひいては中長期的な企業価値の最大化に努めてまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 エブリーにおきましては、以下を主な経営課題と認識しております。

 

① コーポレート・ガバナンスの強化

 エブリーは、持続的な成長による企業価値向上の実現のためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると考えております。このため、企業倫理の醸成と法令遵守、経営環境の変化に迅速・適切・効率的に対応できる経営の意思決定体制の構築に取り組んでまいります。

 

② 優秀な人材の確保

 エブリーは、持続的な企業価値向上のためには、優秀な人材の確保が継続して必要であると考えており、今後の事業拡大のために必要なスキルを備えた人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があると認識しております。また将来を担う人材として、毎年継続的に新卒者を採用する方針です。
 
③ 組織体制の強化

 エブリーは、動画メディアの運営やメーカーへの広告ソリューションの提供などを推進するにあたり、優秀な人材の採用・育成に取り組むことが重要であると認識しております。組織設計においては、計数管理に基づいた効率的なオペレーション体制を基盤としながら、少人数単位でのチーム制を採用すると同時にチームごとの自立性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針です。

 

④ システム基盤の強化及び技術革新への対応

 エブリーは、先進的なテクノロジーを基盤とした新規サービスや新たなインターネット端末等の技術革新への対応が、事業展開上の重要な要素であると認識しております。また、サービスをインターネット上で展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上の重要な課題であると認識しております。

 

⑤ 知名度・コーポレートブランド価値の向上

 エブリーの提供する各サービスの利用拡大と継続的な企業価値の向上を実現していくためには、ユーザーから支持されるサービスの提供に加え、各サービスの知名度やエブリーのコーポレートブランド価値の向上も不可欠であると考えております。事業を支える優秀な人材の獲得や他社との提携等をより有利に進めるためにも、今後も費用対効果を見極めながら広告宣伝活動及び広報活動に取り組んでまいります。

 

 

⑥ 財務基盤の強化

 エブリーは、2026年6月期第3四半期累計期間において営業利益・経常利益ともに黒字を計上しているうえ、事業活動を行うにあたって十分な手元流動性を確保している状況のため、現状において財務健全性に係る特筆すべき課題は認識しておりません。しかしながら、業容拡大とともに、人材採用等に係る支出の拡大、売上規模の拡大に伴う運転資金の増加等が発生する可能性があるため、これらに備えた資金調達及び財務基盤の強化に努めてまいります。

 

 

有価証券届出書の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてエブリーが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 エブリーは、「明るい変化の積み重なる暮らしを、誰にでも。」をパーパスに、「前向きなきっかけを、ひとりひとりの日常にとどける。」をミッションに掲げ、ライフスタイルに根ざした、最適かつ有益な情報をひとりひとりに届けることを目指し、各種動画メディアの運営を行ってまいります。

 

 特に主力メディアである「デリッシュキッチン」は「おいしい楽しい「食事」と「健康」をすべての人に」をコンセプトに誰でも美味しく簡単に作れるレシピ動画を2026年4月末時点で累計で57,000本以上配信しており、現在では国内最大級のレシピ動画メディアへとその規模を成長させております。

 

 そのようななか、エブリーでは「デリッシュキッチン」を中心とする動画メディアや店頭デジタルサイネージなどのリテールメディアを通じたメーカー向けMarketing Solutionビジネスや有料課金サービスなどのConsumerビジネスを中心に事業を展開させており、今後もその規模を拡大することを目指します。また、中長期での成長戦略として、オンラインとオフラインの垣根を越えて「食」に関わる様々なシーンを一気通貫で分析できる盤石なデータプラットフォームの構築とその強化を掲げております。これらの実現のためには、更なるユーザー基盤の強化を図るとともに、デジタルサイネージなどのリテールメディアプラットフォームの拡大によるオフライン領域での取り組みの深化を図ることが重要と考えております。

 

(2)経営環境

 エブリーはアプリ・Web・SNS等のインターネットを通じたユーザーへのコンテンツの提供、広告主への広告ソリューションの提供を行っております。また、デジタルサイネージなどのリテールメディアを通じた消費者への新たな買い物体験の提供及び広告主への広告ソリューションの提供を行っております。

 エブリーが関わるインターネット広告事業においては、大規模プラットフォーマーの成長が大きく起因して、2025年の国内インターネット広告費が4兆459億円(前年比10.8%増)、インターネット広告媒体費が3兆3,093億円(前年比11.8%増)と過去最高を更新しております(注1)。インターネット広告事業の中でもビデオ動画の広告市場規模は1兆275億円となり、前年比21.8%増と拡大を続けております(注2)。今後もモバイル広告の大幅な伸長に加え、PC デスクトップ向け広告も堅調に推移することが予想されるため、2026年のビデオ動画広告費は1兆1,783億円へと拡大(前年比14.7%増)する見込みです(注2)。

 また、デジタルサイネージなどを含むリテールメディア市場においては、小売企業のDX化とともに進められる当該領域への更なる注力及びテクノロジーの普及により、店舗事業者によるリテールメディア広告の市場規模は2029年には2024年の約4倍にあたる1,939億円に達し、その中でのデジタルサイネージにおける広告の市場規模は2029年には350億円に到達する見込みです(注3)。

(注1)電通「2025年日本の広告費」

(注2)CARTA HOLDINGS /電通/電通デジタル/セプテーニ「2025年日本の広告費 インターネット広告媒体費詳細分析」

(注3)CARTA HOLDINGS「リテールメディア広告市場調査」2026年1月

 

(3)経営戦略等

 持続的な成長による企業価値向上を図るため、以下の事項を実現することを重要な経営戦略と位置付けております。

 

① 新規ユーザーの獲得及びユーザーアクティビティの活性化

 エブリーはライフスタイルに根ざした最適かつ有益な情報をユーザーに提供することをコンセプトに、レシピ動画メディアの「デリッシュキッチン」を始めとする複数の動画メディアの運営を行っております。

 特に主力メディアである「デリッシュキッチン」は、国内最大級のユーザー基盤を有したレシピ動画メディアとなっており、それらはエブリーの事業運営上、重要なアセットとなっております。

 今後も継続してコンテンツラインナップの拡充やカスタマーサポートの強化を通じて、ユーザーの利便性を向上させることで、新規ユーザーの獲得及びユーザーアクティビティの活性化に取り組んでまいります。

 

② オンライン×オフラインの融合による高度なマーケティング機会の提供

 広告主に対し、消費者がブランドや商品を認知し、最終的に店頭で購入するまでのすべてのシーンにおけるマーケティングの支援を提供するとともに、オンライン/オフライン両面の「食生活行動ビッグデータ」を活用した最適な広告プランニングの提供や購買効果の可視化の実現を目指します。

 エブリーは強固なユーザー基盤に支えられたオンラインデータの分析に基づくインターネット上での効果的な広告ソリューションの提供に加え、デジタルサイネージなどのオフラインアセットを活用した実店舗での販促支援や購買データに基づく広告効果の可視化を広告主に提供することが可能です。

 今後は、オンライン/オフライン両面での独自のデータの獲得やデータ分析基盤の構築に注力することにより、消費者・メーカー・小売企業をつなぐ「食」のプラットフォームとしての地位の確立を目指します。

 

③ 広告主への提供価値の高度化による顧客単価の向上

 エブリーは、SNSやレシピ動画メディア、デジタルサイネージなど、多種多様な配信面での広告配信ソリューションの提供が可能であり、これにより消費者がブランドや商品を認知し、最終的に店頭で購入するまでのすべてのシーンにおけるマーケティングを支援することが可能であるとともに、オフラインデータを活用することで、通常のデジタル広告では困難とされる購買データに基づく広告効果の可視化が可能です。

今後も、広告ソリューションにおける提供価値を高めることで、同一顧客に対するソリューションの幅を拡張するとともに継続出稿を獲得し、顧客単価の最大化を実現してまいります。

 

④ リテールメディア領域での取り組みの強化

 社会の変化とともに、消費者の行動や価値観、情報収集手段が多様化するなかにおいて、消費者の購買にもっとも近いポイントでの広告配信やデータ収集が可能なリテールメディアへの注目が近年急速に高まっております。

 特にエブリーはリテールメディアの一種である店頭デジタルサイネージの設置を通じた消費者への新たな買い物体験の提供及び広告主への広告ソリューションの提供を過去から継続的に行っております。現在デジタルサイネージを通じた広告ソリューションであるストアビジョン広告は「購買に最も近い広告」として、店頭での販売促進を図る強力な手段として多くの広告主に利用されております。今後も更なる拡大が予想されるデジタルサイネージ市場において、シェアを拡大するとともに、更なる収益の拡大を狙ってまいります。

 また、現在小売企業向けに提供している消費者向けアプリの開発・導入支援を加速させることにより、リテールメディア領域での取り組みを深化させ、オフラインデータの蓄積によるデータ基盤の強化を図ります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 エブリーは、持続的な企業価値向上を果たすためには、エブリーの主力事業であるMarketing Solutionビジネスの事業拡大が重要であると考えており、当該ビジネスの売上高及びそれらを構成する顧客社数・顧客単価が経営上の重要な指標であると考えております。

 

 加えて、エブリーは新規顧客の獲得はもとより、複数の広告配信ソリューションや購買効果の可視化までを含めた複合的な施策を広告主に提供し続けることによって、顧客単価を向上させることが重要であると考えており、エブリーの成長戦略の進捗を示す指標として顧客社数のうち、顧客単価が1千万円以上の顧客(以下「ロイヤル顧客」という。)の社数を重要な指標として置いております。

 

[Marketing Solutionビジネス - 各種指標]

 

 

第9期事業年度
(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

第10期事業年度
(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

第11期第3四半期
累計期間
(自 2025年7月1日 至 2026年3月31日)
(注1)

売上高
(百万円)

2,268

3,144

3,020

顧客社数
(社)

564

588

577

-うち
ロイヤル顧客(社)

42

62

66

顧客単価
(百万円)

4.0

5.3

5.2

(注1)2026年6月期については、第3四半期累計期間での売上高及びそれらに対応する顧客社数・顧客単価をお示ししております。

 

 エブリーは、今後もオンライン及びオフラインを横断する「食生活行動ビッグデータ」と独自のコンテンツ制作力等を源泉として、広告主の課題解決に直結する効果的なソリューションを提供し続けます。これらを通じて、新規顧客の獲得はもとより、既存顧客からの売上を最大化させ、顧客単価の向上を実現いたします。これにより、Marketing Solutionビジネスの持続的な売上成長、ひいては中長期的な企業価値の最大化に努めてまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 エブリーにおきましては、以下を主な経営課題と認識しております。

 

① コーポレート・ガバナンスの強化

 エブリーは、持続的な成長による企業価値向上の実現のためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると考えております。このため、企業倫理の醸成と法令遵守、経営環境の変化に迅速・適切・効率的に対応できる経営の意思決定体制の構築に取り組んでまいります。

 

② 優秀な人材の確保

 エブリーは、持続的な企業価値向上のためには、優秀な人材の確保が継続して必要であると考えており、今後の事業拡大のために必要なスキルを備えた人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があると認識しております。また将来を担う人材として、毎年継続的に新卒者を採用する方針です。
 
③ 組織体制の強化

 エブリーは、動画メディアの運営やメーカーへの広告ソリューションの提供などを推進するにあたり、優秀な人材の採用・育成に取り組むことが重要であると認識しております。組織設計においては、計数管理に基づいた効率的なオペレーション体制を基盤としながら、少人数単位でのチーム制を採用すると同時にチームごとの自立性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針です。

 

④ システム基盤の強化及び技術革新への対応

 エブリーは、先進的なテクノロジーを基盤とした新規サービスや新たなインターネット端末等の技術革新への対応が、事業展開上の重要な要素であると認識しております。また、サービスをインターネット上で展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上の重要な課題であると認識しております。

 

⑤ 知名度・コーポレートブランド価値の向上

 エブリーの提供する各サービスの利用拡大と継続的な企業価値の向上を実現していくためには、ユーザーから支持されるサービスの提供に加え、各サービスの知名度やエブリーのコーポレートブランド価値の向上も不可欠であると考えております。事業を支える優秀な人材の獲得や他社との提携等をより有利に進めるためにも、今後も費用対効果を見極めながら広告宣伝活動及び広報活動に取り組んでまいります。

 

 

⑥ 財務基盤の強化

 エブリーは、2026年6月期第3四半期累計期間において営業利益・経常利益ともに黒字を計上しているうえ、事業活動を行うにあたって十分な手元流動性を確保している状況のため、現状において財務健全性に係る特筆すべき課題は認識しておりません。しかしながら、業容拡大とともに、人材採用等に係る支出の拡大、売上規模の拡大に伴う運転資金の増加等が発生する可能性があるため、これらに備えた資金調達及び財務基盤の強化に努めてまいります。

 

 

有価証券届出書の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてエブリーが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 エブリーは、「明るい変化の積み重なる暮らしを、誰にでも。」をパーパスに、「前向きなきっかけを、ひとりひとりの日常にとどける。」をミッションに掲げ、ライフスタイルに根ざした、最適かつ有益な情報をひとりひとりに届けることを目指し、各種動画メディアの運営を行ってまいります。

 

 特に主力メディアである「デリッシュキッチン」は「おいしい楽しい「食事」と「健康」をすべての人に」をコンセプトに誰でも美味しく簡単に作れるレシピ動画を2026年4月末時点で累計で57,000本以上配信しており、現在では国内最大級のレシピ動画メディアへとその規模を成長させております。

 

 そのようななか、エブリーでは「デリッシュキッチン」を中心とする動画メディアや店頭デジタルサイネージなどのリテールメディアを通じたメーカー向けMarketing Solutionビジネスや有料課金サービスなどのConsumerビジネスを中心に事業を展開させており、今後もその規模を拡大することを目指します。また、中長期での成長戦略として、オンラインとオフラインの垣根を越えて「食」に関わる様々なシーンを一気通貫で分析できる盤石なデータプラットフォームの構築とその強化を掲げております。これらの実現のためには、更なるユーザー基盤の強化を図るとともに、デジタルサイネージなどのリテールメディアプラットフォームの拡大によるオフライン領域での取り組みの深化を図ることが重要と考えております。

 

(2)経営環境

 エブリーはアプリ・Web・SNS等のインターネットを通じたユーザーへのコンテンツの提供、広告主への広告ソリューションの提供を行っております。また、デジタルサイネージなどのリテールメディアを通じた消費者への新たな買い物体験の提供及び広告主への広告ソリューションの提供を行っております。

 エブリーが関わるインターネット広告事業においては、大規模プラットフォーマーの成長が大きく起因して、2025年の国内インターネット広告費が4兆459億円(前年比10.8%増)、インターネット広告媒体費が3兆3,093億円(前年比11.8%増)と過去最高を更新しております(注1)。インターネット広告事業の中でもビデオ動画の広告市場規模は1兆275億円となり、前年比21.8%増と拡大を続けております(注2)。今後もモバイル広告の大幅な伸長に加え、PC デスクトップ向け広告も堅調に推移することが予想されるため、2026年のビデオ動画広告費は1兆1,783億円へと拡大(前年比14.7%増)する見込みです(注2)。

 また、デジタルサイネージなどを含むリテールメディア市場においては、小売企業のDX化とともに進められる当該領域への更なる注力及びテクノロジーの普及により、店舗事業者によるリテールメディア広告の市場規模は2029年には2024年の約4倍にあたる1,939億円に達し、その中でのデジタルサイネージにおける広告の市場規模は2029年には350億円に到達する見込みです(注3)。

(注1)電通「2025年日本の広告費」

(注2)CARTA HOLDINGS /電通/電通デジタル/セプテーニ「2025年日本の広告費 インターネット広告媒体費詳細分析」

(注3)CARTA HOLDINGS「リテールメディア広告市場調査」2026年1月

 

(3)経営戦略等

 持続的な成長による企業価値向上を図るため、以下の事項を実現することを重要な経営戦略と位置付けております。

 

① 新規ユーザーの獲得及びユーザーアクティビティの活性化

 エブリーはライフスタイルに根ざした最適かつ有益な情報をユーザーに提供することをコンセプトに、レシピ動画メディアの「デリッシュキッチン」を始めとする複数の動画メディアの運営を行っております。

 特に主力メディアである「デリッシュキッチン」は、国内最大級のユーザー基盤を有したレシピ動画メディアとなっており、それらはエブリーの事業運営上、重要なアセットとなっております。

 今後も継続してコンテンツラインナップの拡充やカスタマーサポートの強化を通じて、ユーザーの利便性を向上させることで、新規ユーザーの獲得及びユーザーアクティビティの活性化に取り組んでまいります。

 

② オンライン×オフラインの融合による高度なマーケティング機会の提供

 広告主に対し、消費者がブランドや商品を認知し、最終的に店頭で購入するまでのすべてのシーンにおけるマーケティングの支援を提供するとともに、オンライン/オフライン両面の「食生活行動ビッグデータ」を活用した最適な広告プランニングの提供や購買効果の可視化の実現を目指します。

 エブリーは強固なユーザー基盤に支えられたオンラインデータの分析に基づくインターネット上での効果的な広告ソリューションの提供に加え、デジタルサイネージなどのオフラインアセットを活用した実店舗での販促支援や購買データに基づく広告効果の可視化を広告主に提供することが可能です。

 今後は、オンライン/オフライン両面での独自のデータの獲得やデータ分析基盤の構築に注力することにより、消費者・メーカー・小売企業をつなぐ「食」のプラットフォームとしての地位の確立を目指します。

 

③ 広告主への提供価値の高度化による顧客単価の向上

 エブリーは、SNSやレシピ動画メディア、デジタルサイネージなど、多種多様な配信面での広告配信ソリューションの提供が可能であり、これにより消費者がブランドや商品を認知し、最終的に店頭で購入するまでのすべてのシーンにおけるマーケティングを支援することが可能であるとともに、オフラインデータを活用することで、通常のデジタル広告では困難とされる購買データに基づく広告効果の可視化が可能です。

今後も、広告ソリューションにおける提供価値を高めることで、同一顧客に対するソリューションの幅を拡張するとともに継続出稿を獲得し、顧客単価の最大化を実現してまいります。

 

④ リテールメディア領域での取り組みの強化

 社会の変化とともに、消費者の行動や価値観、情報収集手段が多様化するなかにおいて、消費者の購買にもっとも近いポイントでの広告配信やデータ収集が可能なリテールメディアへの注目が近年急速に高まっております。

 特にエブリーはリテールメディアの一種である店頭デジタルサイネージの設置を通じた消費者への新たな買い物体験の提供及び広告主への広告ソリューションの提供を過去から継続的に行っております。現在デジタルサイネージを通じた広告ソリューションであるストアビジョン広告は「購買に最も近い広告」として、店頭での販売促進を図る強力な手段として多くの広告主に利用されております。今後も更なる拡大が予想されるデジタルサイネージ市場において、シェアを拡大するとともに、更なる収益の拡大を狙ってまいります。

 また、現在小売企業向けに提供している消費者向けアプリの開発・導入支援を加速させることにより、リテールメディア領域での取り組みを深化させ、オフラインデータの蓄積によるデータ基盤の強化を図ります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 エブリーは、持続的な企業価値向上を果たすためには、エブリーの主力事業であるMarketing Solutionビジネスの事業拡大が重要であると考えており、当該ビジネスの売上高及びそれらを構成する顧客社数・顧客単価が経営上の重要な指標であると考えております。

 

 加えて、エブリーは新規顧客の獲得はもとより、複数の広告配信ソリューションや購買効果の可視化までを含めた複合的な施策を広告主に提供し続けることによって、顧客単価を向上させることが重要であると考えており、エブリーの成長戦略の進捗を示す指標として顧客社数のうち、顧客単価が1千万円以上の顧客(以下「ロイヤル顧客」という。)の社数を重要な指標として置いております。

 

[Marketing Solutionビジネス - 各種指標]

 

 

第9期事業年度
(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

第10期事業年度
(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

第11期第3四半期
累計期間
(自 2025年7月1日 至 2026年3月31日)
(注1)

売上高
(百万円)

2,268

3,144

3,020

顧客社数
(社)

564

588

577

-うち
ロイヤル顧客(社)

42

62

66

顧客単価
(百万円)

4.0

5.3

5.2

(注1)2026年6月期については、第3四半期累計期間での売上高及びそれらに対応する顧客社数・顧客単価をお示ししております。

 

 エブリーは、今後もオンライン及びオフラインを横断する「食生活行動ビッグデータ」と独自のコンテンツ制作力等を源泉として、広告主の課題解決に直結する効果的なソリューションを提供し続けます。これらを通じて、新規顧客の獲得はもとより、既存顧客からの売上を最大化させ、顧客単価の向上を実現いたします。これにより、Marketing Solutionビジネスの持続的な売上成長、ひいては中長期的な企業価値の最大化に努めてまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 エブリーにおきましては、以下を主な経営課題と認識しております。

 

① コーポレート・ガバナンスの強化

 エブリーは、持続的な成長による企業価値向上の実現のためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると考えております。このため、企業倫理の醸成と法令遵守、経営環境の変化に迅速・適切・効率的に対応できる経営の意思決定体制の構築に取り組んでまいります。

 

② 優秀な人材の確保

 エブリーは、持続的な企業価値向上のためには、優秀な人材の確保が継続して必要であると考えており、今後の事業拡大のために必要なスキルを備えた人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があると認識しております。また将来を担う人材として、毎年継続的に新卒者を採用する方針です。
 
③ 組織体制の強化

 エブリーは、動画メディアの運営やメーカーへの広告ソリューションの提供などを推進するにあたり、優秀な人材の採用・育成に取り組むことが重要であると認識しております。組織設計においては、計数管理に基づいた効率的なオペレーション体制を基盤としながら、少人数単位でのチーム制を採用すると同時にチームごとの自立性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針です。

 

④ システム基盤の強化及び技術革新への対応

 エブリーは、先進的なテクノロジーを基盤とした新規サービスや新たなインターネット端末等の技術革新への対応が、事業展開上の重要な要素であると認識しております。また、サービスをインターネット上で展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上の重要な課題であると認識しております。

 

⑤ 知名度・コーポレートブランド価値の向上

 エブリーの提供する各サービスの利用拡大と継続的な企業価値の向上を実現していくためには、ユーザーから支持されるサービスの提供に加え、各サービスの知名度やエブリーのコーポレートブランド価値の向上も不可欠であると考えております。事業を支える優秀な人材の獲得や他社との提携等をより有利に進めるためにも、今後も費用対効果を見極めながら広告宣伝活動及び広報活動に取り組んでまいります。

 

 

⑥ 財務基盤の強化

 エブリーは、2026年6月期第3四半期累計期間において営業利益・経常利益ともに黒字を計上しているうえ、事業活動を行うにあたって十分な手元流動性を確保している状況のため、現状において財務健全性に係る特筆すべき課題は認識しておりません。しかしながら、業容拡大とともに、人材採用等に係る支出の拡大、売上規模の拡大に伴う運転資金の増加等が発生する可能性があるため、これらに備えた資金調達及び財務基盤の強化に努めてまいります。

 

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 エブリーの事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中にはエブリーとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、若しくはエブリーの事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。
 エブリーはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、エブリー株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に判断した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクをすべて網羅したものではなく、さらにこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在においてエブリーが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関わるリスクについて

① インターネット関連市場について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上での動画メディアを通じたサービスを主力としており、インターネット利用の多様化や端末増加といった普及の進展が事業成長の基盤です。しかし、インターネット利用が日常化する一方で、今後の動向は不確実であり、検索アルゴリズムやシステムの変更、新たな規制の導入など、予期せぬ事象などがその普及に大きな変化をもたらした場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 外部要因による業績の変動について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーが事業を展開するインターネット広告市場はインターネットの普及とともに拡大傾向にあり、今後も当該市場は拡大していくものと想定されます。

 一方で、広告市場は一般に景気動向への感応度が高く、急激な経済環境の変化や市況の悪化等により、主要クライアントであるメーカー等が広告宣伝費を抑制するリスクを内包しております。このような事態が生じた場合、エブリーは当初想定した売上・利益を確保できず、予算と実績との間で乖離が生じる可能性があります。

 エブリーでは、各事業毎の予算・実績管理を徹底し、乖離が生じないように努めますが、仮に外部環境の変化により業績予想から大幅な乖離が見込まれる状況が発生した場合は、速やかに業績予想を修正し、適切な開示を行う方針でおります。

 

③ 業績の季節性について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーの主力事業であるMarketing Solutionビジネスにおいては、食品・飲料メーカー等の広告主の出稿意欲が年末及び年度末に高くなる傾向にあることから、第2四半期(10月~12月)及び第3四半期(1月~3月)の売上高や利益が相対的に高くなるといった季節変動が生じる傾向がございます。

 エブリーでは、新規顧客の獲得や既存顧客との関係深化を通じた通年での安定的な受注の獲得に努めておりますが、当該季節性の変動がエブリーの想定を上回る程度で顕在化した場合や、景気悪化等により年末・年度末における広告主の出稿意欲が低下した場合には、特定の四半期における業績の悪化がエブリーの事業年度全体の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、エブリーの四半期ごとの業績を評価するにあたっては、上記のような季節変動の影響を踏まえて判断いただく必要があります。

 

④ 新規参入と競合について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーはインターネット上での動画メディアの運営及びメディアを通じたインターネット広告ソリューションを展開しておりますが、いずれの領域においても既に多数の競合他社が存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。エブリーでは創業以来培った高いコンテンツ制作力や広告主への幅広いソリューションの提供などにより、競争優位性を有していると認識しておりますが、今後、豊富な資金力、強力な販売促進力、広範な顧客ネットワーク、高い認知度や専門性を持つ企業などが市場に参入・拡大する等により、競争が激化した場合には、顧客離れやコスト増大等を招き、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

⑤ 技術革新について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーの事業領域であるインターネット業界は、急速な顧客ニーズ及び市場環境の変化が特徴であり、その潮流に対応するための新技術の導入が相次いで行われております。足許においても、生成AIをはじめとする新技術のビジネスへの活用が急速に進展している状況のなか、エブリーにおいても、最先端技術の動向を常に注視し、事業への応用可能性を探るとともに、独自の技術開発にも取り組んでおります。しかし、今後の技術革新のスピードは予測困難であるうえ、新技術の活用のために必要なスキルを持つ人材の獲得競争は激化しています。これらの変化に対する適切な対応が遅れたり、必要な技術革新や新技術の導入が円滑に進まない場合には、エブリーの業界における競争優位性が低下し、ひいてはエブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

(2)事業内容に関わるリスクについて

① メディア関連事業への依存について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上での動画メディアを通じたデジタル広告ソリューションの提供及びユーザー向け有料課金を主な事業としており、当該領域に経営資源を集中させているうえ、収益の多くを動画メディア経由で獲得しております。

 エブリーでは、中長期での収益力の分散を図るため、今後の新たな収益源となる事業の育成を継続しておりますが、現在の状況下においては、事業環境の変化等により、安定的な動画メディアの運営が困難となった場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② システムトラブルについて(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーは運営するサービスにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、システム強化やセキュリティ強化を実施し、トラブルが発生した場合であっても早期に復旧できるような体制を整えております。

 しかしながら、大規模な自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等の発生や、想定を上回るアクセス集中等により開発業務やシステムに重大な被害が生じた場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 大手プラットフォーマーの動向について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーのメディア関連事業はApple Inc.及びGoogle LLCによる、App StoreやGoogle Playといったプラットフォームを通じたユーザーへのアプリの提供を前提としております。このため、これらの大手プラットフォーマーによる運営状況や方針変更は、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 広告掲載の対象となる商品やサービス及び起用タレント等によるレピュテーションリスク(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上の動画メディアを通じたデジタル広告ソリューションを提供しておりますが、広告掲載の対象となる商品やサービスに重大な欠陥や社会的問題が生じた場合や、タイアップ広告等の配信素材の制作の過程で起用する外部タレントやインフルエンサーにより不適切な行動や情報発信などが行われた場合、広告媒体主としてのエブリーの社会的評判が低下するリスクがあります。

 エブリーでは広告掲載ガイドラインに基づく厳格な広告審査や、モニタリング体制の構築等により当該リスクの低減を図っておりますが、予期せぬ事象によりエブリーのブランド価値が毀損された場合、ユーザーの離反や収益減少を通じて、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(3)法的規制について

① インターネットにおける法的規制等について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーはインターネットを活用して事業を展開しております。そのため、今後インターネットの利用自体やインターネット関連サービス又はインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や既存法令の解釈変更等がなされた場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 個人情報保護について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーが運営する動画メディアサービスはユーザーの個人情報を取得、利用するとともに第三者への提供も行っているため、「個人情報の保護に関する法律」、その他法令に基づき、個人情報保護に関する義務を課されています。エブリーは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報取扱規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、役職員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにエブリーに適用される関連ガイドラインの遵守に努め、個人情報の保護に積極的に取り組んでいます。

 しかしながら、エブリーが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとは言えません。したがって、これらの事態が起こった場合には、適切な対応を行うための相当なコスト負担、損害賠償による損失、社会的信用やブランドイメージの低下によって、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 知的財産権に係る方針等について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーによる第三者の知的財産権侵害については、その発生を防ぐべく調査その他の対応を行っておりますが、その解釈の違い等、第三者の知的財産権侵害の可能性は完全に排除されているとは言えません。第三者の知的財産権を侵害した場合においては、エブリーが損害賠償請求や差止請求等、又はエブリーに対するロイヤリティの支払要求等を受けることにより、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

④ その他法的規制等について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーは上記のほか、不当景品類及び不当表示防止法、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律等、各種法令の適用を受けておりますが、これらエブリーに適用のある各種法令や税制等について、今後変更があった場合や新たな規制が導入された場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(4)事業運営体制について

① 優秀な人材の確保について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーは、持続的な企業価値向上のためには、優秀な人材の確保が継続して必要であると考えており、今後の事業拡大のために必要なスキルを備えた人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があると認識しております。また将来を担う人材として、毎年継続的に新卒者を採用する方針です。

 しかしながら、エブリーが求める優秀な人材の確保や育成が計画どおり進まなかった場合、及び既存の人材が社外流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 特定の人物への依存について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーは代表取締役社長である吉田大成に経営の重要な部分を依存しております。現在エブリーでは、吉田大成に過度に依存しないよう、内部管理体制の整備や幹部人材の育成を行うなど、体制の整備に努めておりますが、何らかの理由により、吉田大成によるエブリー業務の遂行が困難となった場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ ISCとの関係について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

エブリーは2019年7月にISCとデジタルサイネージ事業の領域における協業を目的とし、業務提携契約を締結しております。本書提出日現在、同社はエブリー発行済株式数の11.98%を保有しております。

 

 同社とは業務提携契約に基づき、小売企業へのデジタルサイネージ設置に関する営業、設置後の保守・運用、広告主への広告ソリューション(ストアビジョン広告)の営業などの業務を共同で実施しております。特に、デジタルサイネージを通じた広告配信ソリューションであるストアビジョン広告はエブリーの重要な収益源となっております。また、同社より社外取締役として佐伯泰昌を受け入れております。

 同社との関係は良好であり、今後もデジタルサイネージ領域における提携関係は継続される見通しでありますが、市場環境の変化や同社の方針の変更などにより、現在の提携関係を維持することが困難となる事態が生じた場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① KDDIグループとの取引について(発生可能性:大、影響度:中、発生の可能性のある時期:短期)

 KDDI株式会社及び同社のグループ会社(以下、総称して「KDDIグループ」という。)はエブリーの主要な取引先の一つとなっており、ECサイトにおけるライブコマース機能のシステムの保守・運用や、番組制作、動画制作受託などの取引を実施しており、2025年6月期においては、その他ビジネスの区分で、KDDI株式会社に対して198,457千円、KDDI株式会社の子会社であるauコマース&ライフ株式会社に対して451,353千円の販売実績がございます。また、本書提出日現在、KDDI株式会社はエブリー発行済株式数の14.37%を保有しております。

 KDDIグループとは現在も良好な関係を維持しておりますが、同グループにおける経営方針や投資方針の変更等が発生した場合は、エブリーとの取引方針についても変更される可能性があります。また、現時点において、今後同グループに対する売上が減少する見込みがございます。加えて、上記に記載したauコマース&ライフ株式会社への販売の根拠となる、au PAY マーケット上のライブコマースの共同運営に関する契約につき、同社から2026年9月30日をもって、同契約を終了する旨の通知を受領しており、以降、同社への販売が減少する可能性が高い状況となっております。

 エブリーでは、特定の取引先への依存度を低減するため、新規顧客の開拓や既存事業の拡大を通じた収益基盤の多角化を推進しておりますが、これらの施策が想定通りに進捗せず、取引減少による影響を十分に補完できない場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 係争・訴訟の発生について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:短期)

 エブリーはサービスの提供にあたっては、法的規制やコンテンツの安全性等についても確認を行った上でリスクを低減させることに努めておりますが、エブリーが事業を拡大していく中で、取引先又はユーザー等の間で係争等の紛争が生じ、これにより訴訟等が提起された場合、レピュテーションの悪化や損害賠償責任等を負うことにより、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 自然災害等について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーでは、自然災害、事故等に備え、システムの定期的なバックアップ、稼働状況の監視等により、トラブルの未然防止又は回避に努めておりますが、エブリーの所在地近辺において、大規模な自然災害や事故等が発生した場合、エブリー設備の破壊や電力供給の制限等、事業継続に支障をきたす事象が発生し、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

④ ベンチャーキャピタル等の株式保有割合について(発生可能性:大、影響度:小、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーの発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合及びエンジェル投資家(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の本書提出日時点におけるエブリー株式の保有割合は31.43%であります。今後、エブリー株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有するエブリー株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場におけるエブリー株式の需給バランスが一時的に損なわれ、エブリーの株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ ストック・オプション制度について(発生可能性:大、影響度:小、発生の可能性のある時期:短期)

 エブリーは業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を採用しており、会社法の規定に基づく新株予約権をエブリー取締役及び従業員等に付与しております。これらの新株予約権又は今後付与される新株予約権が行使された場合、株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は1,920,000株であり、発行済株式総数19,632,808株の9.78%に相当します。

 

⑥ 配当政策について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーは株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業基盤の整備状況や事業展開の状況、業績や財政状況を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。

 ただし、いまだ成長段階である現時点においては、事業拡大のための内部留保の充実を図り、収益力強化のための開発投資や優秀な人材の確保など、資金を成長投資に充当することで更なる事業拡大をすることが将来的な株主に対する最大の利益還元につながると考えており、エブリー設立以来、配当を実施しておりません。

 将来的には、財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針でありますが、現時点において配当の実施時期等については未定であります。

 

⑦ 資金使途について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーは今回の公募増資により新たに調達した資金を、事業拡大のための採用活動費及び人件費、広告宣伝費に充当する予定です。

 しかしながら、エブリーが属する業界において急速に事業環境が変化することも考えられ、現時点における資金使途計画以外の使途へ資金を充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性もあります。

 

事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 エブリーの事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中にはエブリーとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、若しくはエブリーの事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。
 エブリーはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、エブリー株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に判断した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクをすべて網羅したものではなく、さらにこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在においてエブリーが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関わるリスクについて

① インターネット関連市場について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上での動画メディアを通じたサービスを主力としており、インターネット利用の多様化や端末増加といった普及の進展が事業成長の基盤です。しかし、インターネット利用が日常化する一方で、今後の動向は不確実であり、検索アルゴリズムやシステムの変更、新たな規制の導入など、予期せぬ事象などがその普及に大きな変化をもたらした場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 外部要因による業績の変動について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーが事業を展開するインターネット広告市場はインターネットの普及とともに拡大傾向にあり、今後も当該市場は拡大していくものと想定されます。

 一方で、広告市場は一般に景気動向への感応度が高く、急激な経済環境の変化や市況の悪化等により、主要クライアントであるメーカー等が広告宣伝費を抑制するリスクを内包しております。このような事態が生じた場合、エブリーは当初想定した売上・利益を確保できず、予算と実績との間で乖離が生じる可能性があります。

 エブリーでは、各事業毎の予算・実績管理を徹底し、乖離が生じないように努めますが、仮に外部環境の変化により業績予想から大幅な乖離が見込まれる状況が発生した場合は、速やかに業績予想を修正し、適切な開示を行う方針でおります。

 

③ 業績の季節性について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーの主力事業であるMarketing Solutionビジネスにおいては、食品・飲料メーカー等の広告主の出稿意欲が年末及び年度末に高くなる傾向にあることから、第2四半期(10月~12月)及び第3四半期(1月~3月)の売上高や利益が相対的に高くなるといった季節変動が生じる傾向がございます。

 エブリーでは、新規顧客の獲得や既存顧客との関係深化を通じた通年での安定的な受注の獲得に努めておりますが、当該季節性の変動がエブリーの想定を上回る程度で顕在化した場合や、景気悪化等により年末・年度末における広告主の出稿意欲が低下した場合には、特定の四半期における業績の悪化がエブリーの事業年度全体の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、エブリーの四半期ごとの業績を評価するにあたっては、上記のような季節変動の影響を踏まえて判断いただく必要があります。

 

④ 新規参入と競合について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーはインターネット上での動画メディアの運営及びメディアを通じたインターネット広告ソリューションを展開しておりますが、いずれの領域においても既に多数の競合他社が存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。エブリーでは創業以来培った高いコンテンツ制作力や広告主への幅広いソリューションの提供などにより、競争優位性を有していると認識しておりますが、今後、豊富な資金力、強力な販売促進力、広範な顧客ネットワーク、高い認知度や専門性を持つ企業などが市場に参入・拡大する等により、競争が激化した場合には、顧客離れやコスト増大等を招き、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

⑤ 技術革新について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーの事業領域であるインターネット業界は、急速な顧客ニーズ及び市場環境の変化が特徴であり、その潮流に対応するための新技術の導入が相次いで行われております。足許においても、生成AIをはじめとする新技術のビジネスへの活用が急速に進展している状況のなか、エブリーにおいても、最先端技術の動向を常に注視し、事業への応用可能性を探るとともに、独自の技術開発にも取り組んでおります。しかし、今後の技術革新のスピードは予測困難であるうえ、新技術の活用のために必要なスキルを持つ人材の獲得競争は激化しています。これらの変化に対する適切な対応が遅れたり、必要な技術革新や新技術の導入が円滑に進まない場合には、エブリーの業界における競争優位性が低下し、ひいてはエブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

(2)事業内容に関わるリスクについて

① メディア関連事業への依存について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上での動画メディアを通じたデジタル広告ソリューションの提供及びユーザー向け有料課金を主な事業としており、当該領域に経営資源を集中させているうえ、収益の多くを動画メディア経由で獲得しております。

 エブリーでは、中長期での収益力の分散を図るため、今後の新たな収益源となる事業の育成を継続しておりますが、現在の状況下においては、事業環境の変化等により、安定的な動画メディアの運営が困難となった場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② システムトラブルについて(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーは運営するサービスにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、システム強化やセキュリティ強化を実施し、トラブルが発生した場合であっても早期に復旧できるような体制を整えております。

 しかしながら、大規模な自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等の発生や、想定を上回るアクセス集中等により開発業務やシステムに重大な被害が生じた場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 大手プラットフォーマーの動向について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーのメディア関連事業はApple Inc.及びGoogle LLCによる、App StoreやGoogle Playといったプラットフォームを通じたユーザーへのアプリの提供を前提としております。このため、これらの大手プラットフォーマーによる運営状況や方針変更は、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 広告掲載の対象となる商品やサービス及び起用タレント等によるレピュテーションリスク(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上の動画メディアを通じたデジタル広告ソリューションを提供しておりますが、広告掲載の対象となる商品やサービスに重大な欠陥や社会的問題が生じた場合や、タイアップ広告等の配信素材の制作の過程で起用する外部タレントやインフルエンサーにより不適切な行動や情報発信などが行われた場合、広告媒体主としてのエブリーの社会的評判が低下するリスクがあります。

 エブリーでは広告掲載ガイドラインに基づく厳格な広告審査や、モニタリング体制の構築等により当該リスクの低減を図っておりますが、予期せぬ事象によりエブリーのブランド価値が毀損された場合、ユーザーの離反や収益減少を通じて、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(3)法的規制について

① インターネットにおける法的規制等について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーはインターネットを活用して事業を展開しております。そのため、今後インターネットの利用自体やインターネット関連サービス又はインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や既存法令の解釈変更等がなされた場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 個人情報保護について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーが運営する動画メディアサービスはユーザーの個人情報を取得、利用するとともに第三者への提供も行っているため、「個人情報の保護に関する法律」、その他法令に基づき、個人情報保護に関する義務を課されています。エブリーは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報取扱規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、役職員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにエブリーに適用される関連ガイドラインの遵守に努め、個人情報の保護に積極的に取り組んでいます。

 しかしながら、エブリーが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとは言えません。したがって、これらの事態が起こった場合には、適切な対応を行うための相当なコスト負担、損害賠償による損失、社会的信用やブランドイメージの低下によって、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 知的財産権に係る方針等について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーによる第三者の知的財産権侵害については、その発生を防ぐべく調査その他の対応を行っておりますが、その解釈の違い等、第三者の知的財産権侵害の可能性は完全に排除されているとは言えません。第三者の知的財産権を侵害した場合においては、エブリーが損害賠償請求や差止請求等、又はエブリーに対するロイヤリティの支払要求等を受けることにより、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

④ その他法的規制等について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーは上記のほか、不当景品類及び不当表示防止法、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律等、各種法令の適用を受けておりますが、これらエブリーに適用のある各種法令や税制等について、今後変更があった場合や新たな規制が導入された場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(4)事業運営体制について

① 優秀な人材の確保について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーは、持続的な企業価値向上のためには、優秀な人材の確保が継続して必要であると考えており、今後の事業拡大のために必要なスキルを備えた人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があると認識しております。また将来を担う人材として、毎年継続的に新卒者を採用する方針です。

 しかしながら、エブリーが求める優秀な人材の確保や育成が計画どおり進まなかった場合、及び既存の人材が社外流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 特定の人物への依存について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーは代表取締役社長である吉田大成に経営の重要な部分を依存しております。現在エブリーでは、吉田大成に過度に依存しないよう、内部管理体制の整備や幹部人材の育成を行うなど、体制の整備に努めておりますが、何らかの理由により、吉田大成によるエブリー業務の遂行が困難となった場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ ISCとの関係について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

エブリーは2019年7月にISCとデジタルサイネージ事業の領域における協業を目的とし、業務提携契約を締結しております。本書提出日現在、同社はエブリー発行済株式数の11.98%を保有しております。

 

 同社とは業務提携契約に基づき、小売企業へのデジタルサイネージ設置に関する営業、設置後の保守・運用、広告主への広告ソリューション(ストアビジョン広告)の営業などの業務を共同で実施しております。特に、デジタルサイネージを通じた広告配信ソリューションであるストアビジョン広告はエブリーの重要な収益源となっております。また、同社より社外取締役として佐伯泰昌を受け入れております。

 同社との関係は良好であり、今後もデジタルサイネージ領域における提携関係は継続される見通しでありますが、市場環境の変化や同社の方針の変更などにより、現在の提携関係を維持することが困難となる事態が生じた場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① KDDIグループとの取引について(発生可能性:大、影響度:中、発生の可能性のある時期:短期)

 KDDI株式会社及び同社のグループ会社(以下、総称して「KDDIグループ」という。)はエブリーの主要な取引先の一つとなっており、ECサイトにおけるライブコマース機能のシステムの保守・運用や、番組制作、動画制作受託などの取引を実施しており、2025年6月期においては、その他ビジネスの区分で、KDDI株式会社に対して198,457千円、KDDI株式会社の子会社であるauコマース&ライフ株式会社に対して451,353千円の販売実績がございます。また、本書提出日現在、KDDI株式会社はエブリー発行済株式数の14.37%を保有しております。

 KDDIグループとは現在も良好な関係を維持しておりますが、同グループにおける経営方針や投資方針の変更等が発生した場合は、エブリーとの取引方針についても変更される可能性があります。また、現時点において、今後同グループに対する売上が減少する見込みがございます。加えて、上記に記載したauコマース&ライフ株式会社への販売の根拠となる、au PAY マーケット上のライブコマースの共同運営に関する契約につき、同社から2026年9月30日をもって、同契約を終了する旨の通知を受領しており、以降、同社への販売が減少する可能性が高い状況となっております。

 エブリーでは、特定の取引先への依存度を低減するため、新規顧客の開拓や既存事業の拡大を通じた収益基盤の多角化を推進しておりますが、これらの施策が想定通りに進捗せず、取引減少による影響を十分に補完できない場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 係争・訴訟の発生について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:短期)

 エブリーはサービスの提供にあたっては、法的規制やコンテンツの安全性等についても確認を行った上でリスクを低減させることに努めておりますが、エブリーが事業を拡大していく中で、取引先又はユーザー等の間で係争等の紛争が生じ、これにより訴訟等が提起された場合、レピュテーションの悪化や損害賠償責任等を負うことにより、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 自然災害等について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーでは、自然災害、事故等に備え、システムの定期的なバックアップ、稼働状況の監視等により、トラブルの未然防止又は回避に努めておりますが、エブリーの所在地近辺において、大規模な自然災害や事故等が発生した場合、エブリー設備の破壊や電力供給の制限等、事業継続に支障をきたす事象が発生し、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

④ ベンチャーキャピタル等の株式保有割合について(発生可能性:大、影響度:小、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーの発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合及びエンジェル投資家(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の本書提出日時点におけるエブリー株式の保有割合は31.43%であります。今後、エブリー株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有するエブリー株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場におけるエブリー株式の需給バランスが一時的に損なわれ、エブリーの株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ ストック・オプション制度について(発生可能性:大、影響度:小、発生の可能性のある時期:短期)

 エブリーは業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を採用しており、会社法の規定に基づく新株予約権をエブリー取締役及び従業員等に付与しております。これらの新株予約権又は今後付与される新株予約権が行使された場合、株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は1,920,000株であり、発行済株式総数19,632,808株の9.78%に相当します。

 

⑥ 配当政策について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーは株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業基盤の整備状況や事業展開の状況、業績や財政状況を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。

 ただし、いまだ成長段階である現時点においては、事業拡大のための内部留保の充実を図り、収益力強化のための開発投資や優秀な人材の確保など、資金を成長投資に充当することで更なる事業拡大をすることが将来的な株主に対する最大の利益還元につながると考えており、エブリー設立以来、配当を実施しておりません。

 将来的には、財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針でありますが、現時点において配当の実施時期等については未定であります。

 

⑦ 資金使途について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーは今回の公募増資により新たに調達した資金を、事業拡大のための採用活動費及び人件費、広告宣伝費に充当する予定です。

 しかしながら、エブリーが属する業界において急速に事業環境が変化することも考えられ、現時点における資金使途計画以外の使途へ資金を充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性もあります。

 

事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 エブリーの事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中にはエブリーとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、若しくはエブリーの事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。
 エブリーはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、エブリー株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に判断した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクをすべて網羅したものではなく、さらにこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在においてエブリーが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関わるリスクについて

① インターネット関連市場について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上での動画メディアを通じたサービスを主力としており、インターネット利用の多様化や端末増加といった普及の進展が事業成長の基盤です。しかし、インターネット利用が日常化する一方で、今後の動向は不確実であり、検索アルゴリズムやシステムの変更、新たな規制の導入など、予期せぬ事象などがその普及に大きな変化をもたらした場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 外部要因による業績の変動について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーが事業を展開するインターネット広告市場はインターネットの普及とともに拡大傾向にあり、今後も当該市場は拡大していくものと想定されます。

 一方で、広告市場は一般に景気動向への感応度が高く、急激な経済環境の変化や市況の悪化等により、主要クライアントであるメーカー等が広告宣伝費を抑制するリスクを内包しております。このような事態が生じた場合、エブリーは当初想定した売上・利益を確保できず、予算と実績との間で乖離が生じる可能性があります。

 エブリーでは、各事業毎の予算・実績管理を徹底し、乖離が生じないように努めますが、仮に外部環境の変化により業績予想から大幅な乖離が見込まれる状況が発生した場合は、速やかに業績予想を修正し、適切な開示を行う方針でおります。

 

③ 業績の季節性について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーの主力事業であるMarketing Solutionビジネスにおいては、食品・飲料メーカー等の広告主の出稿意欲が年末及び年度末に高くなる傾向にあることから、第2四半期(10月~12月)及び第3四半期(1月~3月)の売上高や利益が相対的に高くなるといった季節変動が生じる傾向がございます。

 エブリーでは、新規顧客の獲得や既存顧客との関係深化を通じた通年での安定的な受注の獲得に努めておりますが、当該季節性の変動がエブリーの想定を上回る程度で顕在化した場合や、景気悪化等により年末・年度末における広告主の出稿意欲が低下した場合には、特定の四半期における業績の悪化がエブリーの事業年度全体の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、エブリーの四半期ごとの業績を評価するにあたっては、上記のような季節変動の影響を踏まえて判断いただく必要があります。

 

④ 新規参入と競合について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーはインターネット上での動画メディアの運営及びメディアを通じたインターネット広告ソリューションを展開しておりますが、いずれの領域においても既に多数の競合他社が存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。エブリーでは創業以来培った高いコンテンツ制作力や広告主への幅広いソリューションの提供などにより、競争優位性を有していると認識しておりますが、今後、豊富な資金力、強力な販売促進力、広範な顧客ネットワーク、高い認知度や専門性を持つ企業などが市場に参入・拡大する等により、競争が激化した場合には、顧客離れやコスト増大等を招き、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

⑤ 技術革新について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーの事業領域であるインターネット業界は、急速な顧客ニーズ及び市場環境の変化が特徴であり、その潮流に対応するための新技術の導入が相次いで行われております。足許においても、生成AIをはじめとする新技術のビジネスへの活用が急速に進展している状況のなか、エブリーにおいても、最先端技術の動向を常に注視し、事業への応用可能性を探るとともに、独自の技術開発にも取り組んでおります。しかし、今後の技術革新のスピードは予測困難であるうえ、新技術の活用のために必要なスキルを持つ人材の獲得競争は激化しています。これらの変化に対する適切な対応が遅れたり、必要な技術革新や新技術の導入が円滑に進まない場合には、エブリーの業界における競争優位性が低下し、ひいてはエブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

(2)事業内容に関わるリスクについて

① メディア関連事業への依存について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上での動画メディアを通じたデジタル広告ソリューションの提供及びユーザー向け有料課金を主な事業としており、当該領域に経営資源を集中させているうえ、収益の多くを動画メディア経由で獲得しております。

 エブリーでは、中長期での収益力の分散を図るため、今後の新たな収益源となる事業の育成を継続しておりますが、現在の状況下においては、事業環境の変化等により、安定的な動画メディアの運営が困難となった場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② システムトラブルについて(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーは運営するサービスにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、システム強化やセキュリティ強化を実施し、トラブルが発生した場合であっても早期に復旧できるような体制を整えております。

 しかしながら、大規模な自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等の発生や、想定を上回るアクセス集中等により開発業務やシステムに重大な被害が生じた場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 大手プラットフォーマーの動向について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーのメディア関連事業はApple Inc.及びGoogle LLCによる、App StoreやGoogle Playといったプラットフォームを通じたユーザーへのアプリの提供を前提としております。このため、これらの大手プラットフォーマーによる運営状況や方針変更は、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 広告掲載の対象となる商品やサービス及び起用タレント等によるレピュテーションリスク(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーはインターネット上の動画メディアを通じたデジタル広告ソリューションを提供しておりますが、広告掲載の対象となる商品やサービスに重大な欠陥や社会的問題が生じた場合や、タイアップ広告等の配信素材の制作の過程で起用する外部タレントやインフルエンサーにより不適切な行動や情報発信などが行われた場合、広告媒体主としてのエブリーの社会的評判が低下するリスクがあります。

 エブリーでは広告掲載ガイドラインに基づく厳格な広告審査や、モニタリング体制の構築等により当該リスクの低減を図っておりますが、予期せぬ事象によりエブリーのブランド価値が毀損された場合、ユーザーの離反や収益減少を通じて、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(3)法的規制について

① インターネットにおける法的規制等について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーはインターネットを活用して事業を展開しております。そのため、今後インターネットの利用自体やインターネット関連サービス又はインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や既存法令の解釈変更等がなされた場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 個人情報保護について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーが運営する動画メディアサービスはユーザーの個人情報を取得、利用するとともに第三者への提供も行っているため、「個人情報の保護に関する法律」、その他法令に基づき、個人情報保護に関する義務を課されています。エブリーは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報取扱規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、役職員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにエブリーに適用される関連ガイドラインの遵守に努め、個人情報の保護に積極的に取り組んでいます。

 しかしながら、エブリーが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとは言えません。したがって、これらの事態が起こった場合には、適切な対応を行うための相当なコスト負担、損害賠償による損失、社会的信用やブランドイメージの低下によって、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 知的財産権に係る方針等について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーによる第三者の知的財産権侵害については、その発生を防ぐべく調査その他の対応を行っておりますが、その解釈の違い等、第三者の知的財産権侵害の可能性は完全に排除されているとは言えません。第三者の知的財産権を侵害した場合においては、エブリーが損害賠償請求や差止請求等、又はエブリーに対するロイヤリティの支払要求等を受けることにより、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

④ その他法的規制等について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーは上記のほか、不当景品類及び不当表示防止法、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律等、各種法令の適用を受けておりますが、これらエブリーに適用のある各種法令や税制等について、今後変更があった場合や新たな規制が導入された場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(4)事業運営体制について

① 優秀な人材の確保について(発生可能性:中、影響度:中、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーは、持続的な企業価値向上のためには、優秀な人材の確保が継続して必要であると考えており、今後の事業拡大のために必要なスキルを備えた人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があると認識しております。また将来を担う人材として、毎年継続的に新卒者を採用する方針です。

 しかしながら、エブリーが求める優秀な人材の確保や育成が計画どおり進まなかった場合、及び既存の人材が社外流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 特定の人物への依存について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーは代表取締役社長である吉田大成に経営の重要な部分を依存しております。現在エブリーでは、吉田大成に過度に依存しないよう、内部管理体制の整備や幹部人材の育成を行うなど、体制の整備に努めておりますが、何らかの理由により、吉田大成によるエブリー業務の遂行が困難となった場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ ISCとの関係について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

エブリーは2019年7月にISCとデジタルサイネージ事業の領域における協業を目的とし、業務提携契約を締結しております。本書提出日現在、同社はエブリー発行済株式数の11.98%を保有しております。

 

 同社とは業務提携契約に基づき、小売企業へのデジタルサイネージ設置に関する営業、設置後の保守・運用、広告主への広告ソリューション(ストアビジョン広告)の営業などの業務を共同で実施しております。特に、デジタルサイネージを通じた広告配信ソリューションであるストアビジョン広告はエブリーの重要な収益源となっております。また、同社より社外取締役として佐伯泰昌を受け入れております。

 同社との関係は良好であり、今後もデジタルサイネージ領域における提携関係は継続される見通しでありますが、市場環境の変化や同社の方針の変更などにより、現在の提携関係を維持することが困難となる事態が生じた場合、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① KDDIグループとの取引について(発生可能性:大、影響度:中、発生の可能性のある時期:短期)

 KDDI株式会社及び同社のグループ会社(以下、総称して「KDDIグループ」という。)はエブリーの主要な取引先の一つとなっており、ECサイトにおけるライブコマース機能のシステムの保守・運用や、番組制作、動画制作受託などの取引を実施しており、2025年6月期においては、その他ビジネスの区分で、KDDI株式会社に対して198,457千円、KDDI株式会社の子会社であるauコマース&ライフ株式会社に対して451,353千円の販売実績がございます。また、本書提出日現在、KDDI株式会社はエブリー発行済株式数の14.37%を保有しております。

 KDDIグループとは現在も良好な関係を維持しておりますが、同グループにおける経営方針や投資方針の変更等が発生した場合は、エブリーとの取引方針についても変更される可能性があります。また、現時点において、今後同グループに対する売上が減少する見込みがございます。加えて、上記に記載したauコマース&ライフ株式会社への販売の根拠となる、au PAY マーケット上のライブコマースの共同運営に関する契約につき、同社から2026年9月30日をもって、同契約を終了する旨の通知を受領しており、以降、同社への販売が減少する可能性が高い状況となっております。

 エブリーでは、特定の取引先への依存度を低減するため、新規顧客の開拓や既存事業の拡大を通じた収益基盤の多角化を推進しておりますが、これらの施策が想定通りに進捗せず、取引減少による影響を十分に補完できない場合には、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

② 係争・訴訟の発生について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:短期)

 エブリーはサービスの提供にあたっては、法的規制やコンテンツの安全性等についても確認を行った上でリスクを低減させることに努めておりますが、エブリーが事業を拡大していく中で、取引先又はユーザー等の間で係争等の紛争が生じ、これにより訴訟等が提起された場合、レピュテーションの悪化や損害賠償責任等を負うことにより、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

③ 自然災害等について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーでは、自然災害、事故等に備え、システムの定期的なバックアップ、稼働状況の監視等により、トラブルの未然防止又は回避に努めておりますが、エブリーの所在地近辺において、大規模な自然災害や事故等が発生した場合、エブリー設備の破壊や電力供給の制限等、事業継続に支障をきたす事象が発生し、エブリーの事業展開、業績、財務状況に悪影響が生じる可能性があります。

 

④ ベンチャーキャピタル等の株式保有割合について(発生可能性:大、影響度:小、発生の可能性のある時期:未定)

 エブリーの発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合及びエンジェル投資家(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の本書提出日時点におけるエブリー株式の保有割合は31.43%であります。今後、エブリー株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有するエブリー株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場におけるエブリー株式の需給バランスが一時的に損なわれ、エブリーの株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ ストック・オプション制度について(発生可能性:大、影響度:小、発生の可能性のある時期:短期)

 エブリーは業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を採用しており、会社法の規定に基づく新株予約権をエブリー取締役及び従業員等に付与しております。これらの新株予約権又は今後付与される新株予約権が行使された場合、株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は1,920,000株であり、発行済株式総数19,632,808株の9.78%に相当します。

 

⑥ 配当政策について(発生可能性:小、影響度:中、発生の可能性のある時期:長期)

 エブリーは株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業基盤の整備状況や事業展開の状況、業績や財政状況を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。

 ただし、いまだ成長段階である現時点においては、事業拡大のための内部留保の充実を図り、収益力強化のための開発投資や優秀な人材の確保など、資金を成長投資に充当することで更なる事業拡大をすることが将来的な株主に対する最大の利益還元につながると考えており、エブリー設立以来、配当を実施しておりません。

 将来的には、財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針でありますが、現時点において配当の実施時期等については未定であります。

 

⑦ 資金使途について(発生可能性:小、影響度:大、発生の可能性のある時期:中期)

 エブリーは今回の公募増資により新たに調達した資金を、事業拡大のための採用活動費及び人件費、広告宣伝費に充当する予定です。

 しかしながら、エブリーが属する業界において急速に事業環境が変化することも考えられ、現時点における資金使途計画以外の使途へ資金を充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性もあります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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