オーディオストックは「Happy Creators, Happy Creation ―クリエイターがもっと活躍できる世界に―」というビジョンのもと、素晴らしい創造物を生み出す「クリエイターの持続的な創作活動をサポートする」ことをミッションに掲げております。創作は感動を生み、心を豊かにし、時代の文化を象徴してきました。オーディオストックは素晴らしい創作物を生み出す人々を心から尊敬し、未来を担うクリエイターをもっとハッピーにしたいとの想いから、世の中の全てのクリエイターがもっと活躍できる世界を目指して事業を展開しております。
オーディオストックは、音源の使用権(ライセンス)を取り扱う事業を営んでおります。近年、SNS市場や動画コンテンツ市場などの成長に伴い、音源の需要は増加してきております。その背景として、情報発信の方法が従来のテキストや画像を主体としたものから動画へと移行していることや、放送事業者だけでなく、広く一般事業者も動画を活用するようになってきたこと、個人のSNS等での発信など、動画を活用した情報発信の機会が世界的に増加してきていることがあげられます。そのような中、オーディオストックでは、個人のSNS発信からビジネス利用まで幅広いシーンにおいて、権利関係を気にすることなく、気軽に100万点超の音源を利用いただくことのできる環境を整備しているため、オーディオストックサービスをご利用いただくことで動画制作業務の効率化やクオリティの向上、独自性のあるコンテンツを制作いただくことが可能となっております。
また、音楽業界には才能のある多くのクリエイターがいる一方で、音楽だけで生計を立てられるのはごく一握りのアーティストや作詞・作曲家などに限られているのが現状であります。その原因の一つが、クリエイターの収益機会が限られていることであります。その理由は、クリエイター自身の作品を販売するためのプロモーションや営業活動、専門性の高い著作権管理や契約・価格交渉など、作品を収益化するためには沢山の煩雑な手続きと効果的な販売戦略が必要になるためであります。それら全てをクリエイター自身が対応することは非常に困難であり、また音楽活動に専念する時間も奪われることになります。
オーディオストックは、そのような煩わしい手続きをクリエイターに代わり実施するとともに、音楽活動に専念できる環境と累計20万超(2025年9月現在)いるオーディオストックユーザーへの販売機会を提供することで、より多くのクリエイターが音楽で生計を立てられる「クリエイターファースト」な社会の実現を目指して各種事業を展開しております。
オーディオストックは、クリエイターが制作した音源の著作権を管理し、様々な用途で音源の利用機会を開発し収益化する音源ライツビジネスプラットフォームを展開しております。具体的にはクリエイターからBGM、効果音、ボイス・ナレーションなどの各種音源をお預かりし、それらの著作権を管理した上で、自社の運営するオンラインプラットフォーム上などでライセンス販売を行う課金収入によるサービスを事業基盤として、テレビ・ラジオ等での放送利用による著作権収入(いわゆる印税収入)獲得、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスによる音楽配信から得られる配信収益等、お預かりした楽曲を様々な用途に展開して収益を得る著作権等収入によるサービスへと事業展開しております。なお、オーディオストックは「Audiostock」事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、課金収入サービス及び著作権等収入サービスを展開しております。
オーディオストックの事業系統図は以下のとおりです。
クリエイターからお預かりしたBGM、効果音、ボイス・ナレーションなどの各種音源を、映像制作等に利用できるライセンスとして、自社の運営するオンラインプラットフォーム上で販売するマーケットプレイス型のサービスを展開しております。ユーザーへの音源提供にあたり、オーディオストックはクリエイターとの間で、音源提供に関して非独占的権利を許諾する旨の契約を締結しており(注1)、オンライン上で国内外のクリエイターから音源を収集し、音源を必要とする法人・個人ユーザー向けにライセンス販売(音源使用権の販売)をしております。販売形態は、音源ごとに定められた価格で都度1点から購入できる「単品販売」と、定額料金で音源をダウンロードできる「定額制販売」の2種類のサービスラインアップを整備しております。また、定額制販売においては、ユーザーニーズにあった利用方法を3つのプランから選択することができるほか、2023年7月には主に米国市場に向けた定額制販売サービスを開始しております。
なお、クリエイターからお預かりした音源の販売実績に応じて、クリエイターごとに定められた報酬率(30~50%)に基づき報酬をお支払いしております。
(注) 1.なお、オーディオストックへの非独占的なサービス提供に必要となる権利の許諾のみであり、著作権及び著作隣接権はクリエイターへ留保されます。
サービスラインアップ
(a) 100万点超の音源ラインアップ
オーディオストックでは100万点(注1)を超える音源を取り扱っております。国内クリエイター作品を中心に、海外企業との提携による海外作品も35万点以上(注1)取り扱っているほか、自社でバイオリンやギター、篠笛など楽器の生演奏によるレコーディングを実施したり、近年は新たな収益獲得の場として著名なクリエイターの参加も増えており、成長市場であるSNS市場や動画コンテンツ市場において、ユーザーの多種多様な音源ニーズに応えられるよう100万点超の音源を取り揃えております。現在、オーディオストックでは約4万組(注1)のクリエイターにご登録いただいており、毎月約3,000点(注2)を超えるペースでオーディオストックの審査基準を満たした高品質な新規音源が随時登録されているため、ユーザーは常に新しい音源に出会えることができ、利用シーンにあった音源の選択が可能であることに加え、他者の動画で使用される音源との重複も起こりにくいなど、ユーザーの独自性の高い動画制作に貢献しております。
(注) 1.2025年9月現在の取扱音源数及びクリエイター数
2.2025年9月時点における過去1年間の平均音源登録件数
取扱音源数の推移(累計)
(注) 2019年9月期から2020年9月期にかけて、海外提携企業からの34万点の音源の仕入があったことなどにより音源数は大幅に増加しております。
ユーザーアカウント数の推移(累計)
(b) 充実した機能
探しやすい検索システム
ユーザーは100万点超ある音源数の中から、キーワード検索のほか、音源の再生時間、利用用途、ジャンル、イメージ、メイン楽器、テンポなどを詳細に絞り込むことが可能で、ユーザーの好みやシーンにあった最適な音源を容易に探し出すことのできる検索システムを構築しております。
レコメンド機能
ユーザーの嗜好や行動などをもとに自動で追加の商品提案を行う「レコメンド機能」を導入することで、ユーザーの音源探索体験の向上と潜在ニーズの掘り起こしを促進しております。
そのほかの機能
サンプル視聴機能、音源の展開を視覚的に確認することのできる波形機能を搭載するなど、様々な機能を随時搭載したり、UI/UX(注1、2)を常時改善することで、ユーザーの利便性を高めております。
サンプル視聴と音源の波形
(注) 1.UI(UserInterface)とは、サービスサイトのデザインなどの操作画面・操作方法などを指します。
2.UX(UserExperience)とは、システムやサービスなどの利用を通じてユーザーが得られるユーザー体験を指します。
(c) 権利面を気にせず幅広い用途に利用可能
動画制作者が音源を利用する際には、通常、利用する音源の著作権や利用用途などを都度確認したり、JASRACや(株)NexToneなどの音楽著作権管理事業者やレコード会社への追加手続きを経て音源を利用する必要があります。
オーディオストックでは、登録いただいているクリエイターとの間であらかじめ音源利用に関する取り決めをしているため、ユーザーは煩わしい手続きを一切することなく、安心して音源を利用いただくことができます。オーディオストックで取り扱う音源は、SNSや動画配信プラットフォームなどでの配信から、放送事業や動画・映像制作などのビジネス利用まで、ご利用用途に応じて、動画を制作する全てのユーザーが安心して音源を利用することのできる体制を整備しております。
(注) 一部アダルトや公序良俗に反するものへの利用は本サービスの対象外となります。
様々な利用シーン
テキストや画像から動画が主流となった昨今、個人から法人まで、業種・業界問わず幅広くご利用いただいております。
(d) 定額制プランのユーザー数は安定的に増加基調
定額制プランの契約件数は、プラン開始以来、安定的に増加基調となっております。
また、解約率についても、主に法人を対象とするエンタープライズプランでは0.5%、法人と個人が混在しているスタンダードプランでは2.1%(注)といずれも長期間にわたりご利用いただくユーザーが多い傾向にあります。
(注) 解約率は直近4四半期の月間解約率の平均値(解約率:当月の解約に伴い減少した件数 ÷ 前月の総契約件数)により算出
著作権等収入は、テレビ・ラジオ等での放送利用による著作権及び著作隣接権収入や、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスによる音楽配信収入で構成されております。
放送番組における著作権使用料の分配の流れ
著作権収入は、著作権等管理事業者である(株)NexToneや一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に管理を委託した作品について、テレビ・ラジオ放送などで利用された場合に、著作権等管理事業者を通じて著作権使用料(いわゆる印税収入)を受け取ることのできるサービスであります(注1)。テレビ・ラジオ局など多くの放送事業者は、音源利用に関して著作権等管理事業者と包括契約を締結しており、各放送事業者の年間放送事業収入の一部を音源利用のための包括使用料として著作権等管理事業者へ支払うことで、年間を通して様々な音源を放送利用することができます。オーディオストックで取り扱う音源について、著作権等管理事業者に管理を委託することにより、当該包括使用料を原資として、放送利用された割合に基づき、著作権使用料としてオーディオストックに分配される仕組みとなっております。また、同様の仕組みにより、一般社団法人日本音楽制作者連盟(FMPJ)や一般社団法人日本音楽出版社協会(MPA)、(株)スペースシャワーネットワークを介して、著作隣接権使用料の分配を受けております(注1)。
なお、著作権等管理事業者による著作権管理範囲については、オーディオストックが取り組んでいる放送領域以外にも複数の支分権や利用形態がありますが、現状では放送領域に絞って管理の委託を行っております。また現在、動画配信媒体などで音源利用された際に著作権等収入を獲得できるインタラクティブ配信(注2)領域での収益化について検討しております。
(注) 1.著作権は、楽曲そのもの(メロディー、歌詞、ハーモニーなど)を創作した作詞家や作曲家などの「著作者」が持つ権利であるのに対し、著作隣接権は、楽曲を歌唱したり演奏したりする実演家及びレコード会社、音楽事務所など音源を制作・発売した事業者に対して与えられる権利です。
なお、クリエイターが「Audiostock」に登録した音源のうち、著作権原盤権等譲渡契約を締結した作品が対象となります。著作権原盤権等譲渡契約は、クリエイターから音源の著作権等を譲り受けるための契約です。本契約により譲り受けた音源を、(株)NexToneなどの著作権等管理事業者へ管理委託することで、テレビなどで放送利用された際に著作権等収入として収益化することが可能となり、当該収益の一部をクリエイター報酬としてクリエイターに還元しております。
2.YouTubeやSNS動画など、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンなど、様々な媒体で動画配信等の視聴が可能な各種サービス
(a) 著作権及び著作隣接権の収益獲得に係る取り組み開始の経緯
著作権及び著作隣接権収入は、音源ライセンス販売サービス「Audiostock」(課金収入)で取り扱う音源及び獲得ユーザーを基礎として、当該音源がテレビ・ラジオ等で放送利用されることにより収益を獲得できるビジネスモデルとなっております(注1)。「Audiostock」はプラットフォームとしての役割を果たしており、プラットフォームの活性化(注2)に伴い、音源の利用シーンが拡大することで著作権及び著作隣接権収入という新たな収益獲得の機会を創出するに至っております。なお、(株)NexToneやJASRACなどの著作権等管理事業者へ管理委託している、2025年9月時点における収益化可能な著作権管理楽曲数は3万点超となっております。
(注) 1.著作権等収入については、オーディオストックとクリエイターとの間で著作権原盤権等譲渡契約を締結しておりますが、本契約はクリエイターから音源の著作権等を独占的に譲り受けるための契約です。本契約により譲り受けた音源を、(株)NexToneなどの著作権等管理事業者へ管理委託することで、テレビなどで放送利用された際に著作権等収入として収益化することが可能となり、当該収益の一部をクリエイター報酬としてクリエイターに還元しております。
2.プラットフォームの活性化とは、ユーザーとクリエイター双方の活動が活発になり、オーディオストックプラットフォーム上でのコンテンツの流通量や利用頻度が増加することを意味します。
プラットフォームの活性化による音源の利用シーンの拡大
(b) 動画制作のプロから選ばれる理由
オーディオストックでは多種多様な種類の音源を取り扱っているため、各放送事業者は、ニュースやバラエティ番組、教育番組など、あらゆるジャンルのテレビ・ラジオ番組におけるBGMなどとして全国的にご利用いただいております。
オーディオストックのユーザーには、テレビ等の番組制作者や音響効果担当者などの業界のプロとして活躍されている方も多く、音源の品質やオリジナリティへの拘り、季節性やトレンドを意識した音源ニーズなどがありますが、オーディオストックでは様々なシーンに対応した音源を取り揃えており、また、随時新しい音源が登録されるため、いつでも新しい音源に出会えること、権利面でも安心してご利用いただけることから、プロの映像制作者からも選ばれるサービスとなっております。
音楽配信に係る収入は、2020年3月にサービス提供を開始した、クリエイターが制作したオリジナル楽曲をApple MusicやSpotifyなどの配信サービスを通じて全世界へ配信することで得られる収入で、近年拡大を続ける音楽配信市場において、本サービスを通じて、クリエイターが保有する作品をより多くのリスナーに視聴いただける機会を提供しております。従来、様々なクリエイターが制作するオリジナル楽曲を1枚のアルバムへ収録した、コンピレーションアルバムの形式で音楽配信を行っておりましたが、クリエイター需要の高まりを受け、2021年3月にはクリエイター自身のオリジナルアルバムを配信できるよう機能拡充したことなどにより、多くのクリエイターにご利用いただいております。
本サービスは、ライセンス販売を実施しているクリエイターに限定されず、音楽配信のみを利用したいというクリエイターにもご利用いただけるため、新たなクリエイターの獲得に寄与するほか、Apple MusicやSpotifyなどへの配信楽曲数の増加に伴い、徐々に収益が積み上がっていくストック型の収益モデルとなっております。
音楽出版社などに所属しないクリエイターが自身の作品を収益化するためには、著作権管理や契約・価格交渉など、音源の制作だけでなく、作品の販売に至るまでの煩雑な手続きや、その後の販売戦略・プロモーションなど、膨大な時間と労力を要するため、収益化のハードルはとても高いものとなっておりました。オーディオストックがクリエイターに代わり一連の手続きを代行し、オーディオストックの運営するオンラインプラットフォーム上で販売することで、クリエイターへ音楽創作活動に専念できる環境と収益獲得機会を提供できるクリエイターファーストな体制を構築しております。
2013年10月のサービス開始以降、クリエイターへの累計収益分配額は17億円を突破(注)、2023年には年間の報酬分配額が1,000万円を超えるクリエイターも誕生しております。オンラインで完結する活動ができるため、音楽制作を本業として活動するクリエイターだけでなく、一般企業に勤めながら副業として音楽を制作するクリエイターや、子育て中のクリエイターなど、様々な環境で活動するクリエイターがAudiostockで活躍しています。全国の音楽クリエイターが、地域や所属の有無、働き方による制約を受けずに自身の作品を収益化できるプラットフォームとして、今後もクリエイター支援を進めてまいります。
(注) 2025年9月時点
クリエイター数と音源数の推移(累計)
クリエイター報酬額の推移
クリエイターが制作した音源が様々なシーンで利用されることで、創作意欲の向上につながり、結果としてオーディオストックのプラットフォームは単なる収益獲得の場ではなく、クリエイターの自己実現を追求できる場にもなっております。
また、販売状況に応じて報酬率が上昇する報酬体系の採用や、優秀なクリエイターの表彰制度等を取り入れることにより、オーディオストックに対するクリエイターのコミットメントを高めると同時に良質な音源を継続的に供給可能な体制を構築しております。さらに、報酬はクリエイターの任意のタイミングで引き出すことが可能な設計となっており、作品の制作環境の充実や、普段の楽しみのためにご利用いただくなど、音源品質の向上及びクリエイターの豊かな生活にも貢献しているものと考えております。
その他、オーディオストックではクリエイターとの良好な関係を構築するために、その年に活躍したクリエイターを表彰する祭典「Audiostock CREATORS AWARD」を毎年開催しております。
その年に活躍したクリエイターを表彰する「Audiostock CREATORS AWARD」
オーディオストックの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてオーディオストックが判断したものであります。
オーディオストックは「Happy Creators,Happy Creation-クリエイターがもっと活躍できる世界に-」というビジョンのもと、素晴らしい創造物を生み出す「クリエイターの持続的な創作活動をサポートする」ことをミッションに掲げ、クリエイター収益の最大化と誰もが気軽に創作物を利用できる世の中を実現するべく事業を展開しております。4つのバリュー「be honest, be open」「self design, self control」「think logical, think essential」「move fast, move forward」の精神のもと、クリエイターがもっと輝ける世の中の実現を目指しております。
オーディオストックは、音源のライセンスを軸に多層的なビジネスモデルを展開する音源ライツビジネスプラットフォームとして、クリエイターの制作する音源を活用した収益の多様化を図り、クリエイターが輝ける世界の実現を目指して各種事業を展開しております。オーディオストックビジネスの基礎となる音源ライセンス販売サービス「Audiostock」でストックされた音源を活用し、著作権等収入など、新たなサービス領域へ展開していくことで、音源価値の最大化と市場領域の拡大を目指しております。
ストックミュージック市場の規模は、国内で120億円、グローバルでは2,403億円となっております。関連市場として、年々拡大基調にあるSNS市場や動画コンテンツ市場が挙げられますが、同市場の成長に伴い、ストックミュージック市場は年間平均成長率8%以上で推移しており、2028年にはグローバルで3,147億円の市場規模になる見込みとなっております。
(注) ストックミュージック市場規模:arizton社レポート「STOCK MUSIC MARKET2023-2028」よりオーディオストック算出、1ドル155円換算
著作権等収入のうち、売上の90%超を占める著作権及び著作隣接権収入については、オーディオストックで取り扱う音源がテレビ・ラジオ等放送で利用されることにより収益を獲得することができますが、テレビ・ラジオ等に係る放送領域の国内市場規模は472.4億円(注1)となっており、近年、安定的に推移しております。本サービスは、音源ライセンス販売サービス「Audiostock」でストックされた音源を、著作権等管理事業者へ管理委託することで収益化を図っておりますが、持続的に増加する音源ストックを背景に、今後もオーディオストックの市場シェアは拡大していくものと考えております。
また、今後成長が見込まれる市場として、動画配信等から収益を得られるインタラクティブ配信(注2)領域に注目しております。近年、情報技術の発展により、個人から法人まで誰でも気軽に動画による情報発信が可能となったこと、またその視聴方法も従来のテレビに加え、動画配信やコネクテッドTV(注3)等、動画視聴環境の多様化が進み動画配信市場は年々拡大基調にあります。現在、インタラクティブ配信領域における市場規模は650.1億円(注1)でありますが、動画配信市場の成長に伴い、インタラクティブ配信市場は毎年10%超の成長を続けており、今後もさらに拡大することが見込まれております。
なお、この成長著しいインタラクティブ配信領域において、人気YouTuberとコラボレーションするなど、収益化の可能性について検討を進めております。
(注) 1.(株)NexTone「2025年3月期決算説明資料」、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)「2024年度の事業」、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 実演家著作隣接権センター(CPRA)「2024年度年次報告書」、一般社団法人日本レコード協会「令和6年度決算報告書」よりオーディオストック算出
2.YouTubeやSNS動画など、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンなど、様々な媒体で動画配信等の視聴が可能な各種サービス
3.テレビ端末をインターネット回線に接続することで、地上波や衛星放送等の番組のほか、NetflixやAmazon Prime Video、TVerなどの動画ストリーミングサービスを視聴することのできるテレビ端末
オーディオストックの経営戦略は以下のとおりであります。
オーディオストックの競争力の源泉ともなる良質な音源の継続的な獲得に取り組んでまいります。具体的には、毎月テーマ楽器を決め、登録クリエイターから候補者を募り、スタジオレコーディングによる高音質音源の制作をサポートしたり、著名なクリエイターの参入促進による話題性とクオリティの高い音源の確保、音楽関連事業者などからの音源買取、ユーザーニーズの高い音源の登録が促進されるようなクリエイター報酬制度設計等の各種施策を実施してまいります。また、オーディオストックの強みでもある和楽器などの日本らしさのあるコンテンツの更なる充実により、グローバルでの競争力を高めてまいります。
現在、オーディオストックサービスにおいて活躍している著名クリエイターの一例
音源や映像、動画等のコンテンツを取り扱う、オーディオストックサービスと親和性の高い国内外事業者との販売代理店契約や、SNSや動画配信サービス、動画制作等のプラットフォームビジネスを営む事業者との事業連携により販売強化に取り組んでまいります。
主な事業連携先
(注) 1.2020年5月のオーディオストックリリース「日本最大級のストックミュージックサービス「Audiostock」TikTokへ楽曲提供を開始」より(https://audiostock.co.jp/?p=2101)
2.2024年6月のオーディオストックリリース「コンテンツ制作アプリ「Adobe Express」とストックミュージックサービス「Audiostock」が連携を開始」より(https://audiostock.co.jp/?p=3914)
3.2024年11月のオーディオストックリリース「ソフトとIoTの「ソースネクスト・サイト」でAudiostockのBGM・効果音パッケージを販売開始!」より(https://audiostock.co.jp/?p=4021)
音源ライセンス販売サービス「Audiostock」について、2023年7月に主に北米市場を対象に定額制プランをリリースしております。まだ日も浅いことから業績への寄与度は低いものの、ストックミュージック市場におけるグローバルでの市場規模は2,403億円であり、今後の収益基盤とすべく、海外市場におけるオーディオストック及びサービスの認知度向上に向けた各種施策に取り組んでおります。北米市場を中心に事業展開する同業他社も複数いることから、海外市場においても音源ニーズは旺盛であり、オーディオストックの強みでもあるアニメやオタク、和楽器等の日本的な音楽など、海外で需要の高い日本文化を象徴するような音源を切り口にサービスを打ち出し、海外エリアでの事業基盤を確立してまいります。
著作権及び著作隣接権収入(テレビ・ラジオ等の放送領域)における市場規模は472.4億円で安定的に推移しており、市場におけるオーディオストックサービスのシェアは約1.9%程度と、更なるシェア拡大の余地があると考えております。著作権及び著作隣接権収入は、著作権等管理事業者へ管理委託する著作権管理楽曲数の増加に比例して増加する傾向にあり、また、中長期にわたり継続的に利用されるものも多いため、継続的に音源の管理委託手続きを進めるとともに、手続きの効率化などにより、シェア拡大を加速させることを模索しております。
2025年9月末現在、オーディオストックでは約4万組のクリエイターとのネットワークを有し、毎月3,000点超の音源が音源ライセンス販売サービス「Audiostock」に新規登録されており(注1)、管理委託可能な音源数は随時増加していることから、今後、中長期的に著作権及び著作隣接権収入の更なるシェア拡大が期待されると考えております(注2)。
さらに、オーディオストックで取扱う音源について、テレビ等放送での利用状況をモニタリング可能なツールを活用することで、放送利用されているものの、未だ著作権等管理事業者へ管理委託されておらず、収益化できていない音源を特定することができるため、そのような音源を優先的に管理委託することで、効率的に著作権及び著作隣接権収入の積み上げが可能な体制を整備しております。
(注) 1.2025年9月時点における過去1年間の平均音源登録件数
2.クリエイターが「Audiostock」に登録した音源のうち、著作権原盤権等譲渡契約を締結した作品が対象となります。
著作権管理楽曲数及び著作権等収入
(注)2025年9月期第3四半期及び第4四半期に、著作隣接権収入が増加しております。これは2024年以降、オーディオストックのような商用CDなどを取り扱わない事業者も著作隣接権使用料を受領することが可能となり、2025年9月期までに各著作隣接権管理団体から著作隣接権使用料を受領できる体制が整ったことによるものであります。
これまで、著作権収入はテレビ・ラジオ等の放送事業をメイン市場としてサービス展開をしてまいりました。一方で、近年はYouTubeなどの動画配信媒体を通じて、全世界の誰もが情報発信することが可能になったことで、動画配信市場が急成長する中、テレビ等の既存媒体以外においても、著作権等収入を獲得できる機会が整いつつあります。オーディオストックで取り扱う音源についても、これまでにYouTube動画において4,000万件以上の動画でご利用いただいております(注)。そのような中でオーディオストックは、動画配信媒体などで音源利用された際に著作権等収入を獲得できるインタラクティブ配信領域での収益化について検討しております。現在は、人気Youtuberとのコラボレーションなどの取り組みや、2026年4月には、YouTubeなどの動画配信プラットフォームにおいて、無料で利用可能なBGM・効果音を提供する新サービス「ビートリ」ベータ版をリリースするなど、インタラクティブ配信領域における可能性について検討を進めております。
(注) 2026年3月時点
著作権等収入は、音源ライセンス販売サービス「Audiostock」に登録された音源のストックが基盤となっておりますが、クリエイターは自身が制作した音源がテレビ放送等で広く利用されることで、創作意欲が刺激され、新たな音源の創作につながる効果が期待できます。その結果、「Audiostock」のユーザーの増加と音源登録数や取引量の増加、ひいては著作権等収入サービスの利用機会の増加につながるなど、各サービス間における好循環が生まれやすい仕組みになっており、これらのサービスが有機的につながることで、事業全体の収益拡大に寄与しているものと考えております。
オーディオストックはこれまで、音源ライツビジネスのプラットフォームとして、クリエイターからお預かりした音源を、単品や定額制ライセンス販売にはじまり、その後、著作権等収入への進出のほか、他社企業との提携契約など、音源ライセンスを軸として事業領域を徐々に拡大してまいりました。
その結果、一つのクリエイター作品を複数チャネルで収益化することで、クリエイター収益の最大化を図ることが可能になりました。今後もクリエイターの制作する音源のライセンス販売を軸として、様々なサービスへとビジネスモデルを拡張していくことで、クリエイターの活躍の場を広げていきたいと考えております。
音源ライセンスを軸に多層的にビジネスを展開
オーディオストックは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益及びそれらの成長率を重視しており、中期的な事業拡大と企業価値の向上を図ってまいります。加えて、各サービスの継続的な成長を実現するためオーディオストックビジネスの土台となる音源ライセンス販売サービス「Audiostock」については主要な定額制契約件数(エンタープライズプラン及びスタンダードプラン)を、著作権等収入については著作権管理楽曲数をそれぞれ経営上重要な指標としております。
(注) 定額制契約件数(累計)は、主要な定額制契約件数(エンタープライズプラン及びスタンダードプラン)を記載しております。
オーディオストックが今後事業を拡大し、継続的な成長を行うために、オーディオストックは以下に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、継続的なユーザー開拓及びサービスの開発・改良による顧客満足の向上、利用顧客規模の拡大に応じた内部管理体制強化等の整備を進め、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。
ユーザーにとって使いやすく且つ安定的にサービスを提供していくためには、開発力の強化及びシステムの稼働体制を整備することが重要課題であると認識しております。近年は、クリエイターからの音源登録数が毎月3,000点(注1)を超えるペースとなっており、ユーザー及びクリエイター登録数も増加傾向にあることから、サーバー設備の管理・強化などによる、システムの安定性確保に継続的に取り組んでおります。
また、クリエイター及びユーザー体験の向上のため、過去の取引履歴などのデータ分析や利用者からの意見を収集し、サービス機能の強化やUI/UX(注2,3)の改善に継続的に取り組むとともに、新たな情報技術やサービスに関する情報収集とタイムリーな採用による更なるサービス機能の向上に取り組んでまいります。
(注) 1.2025年9月時点における過去1年間の平均音源登録件数
2.UI(UserInterface)とは、サービスサイトのデザインなどの操作画面・操作方法などを指します。
3.UX(UserExperience)とは、システムやサービスなどの利用を通じてユーザーが得られるユーザー体験を指します。
オーディオストック事業の持続的な成長を実現するためには、オーディオストックのコーポレートビジョンに共感する優秀な人材の採用・育成が不可欠であると認識しております。オーディオストックでは、従業員の生産性を最大化し、人材の定着率を高めるための労働環境の整備、及び勤務地に縛られることなく優秀な人材が採用できるようリモートワークによる勤務体制を整備しております。また、複数の採用媒体の活用や採用広報の強化、採用イベントへの登壇等、多様な採用チャネルを活用し、採用人数の安定的な確保のため、労働時間の管理、社内外の勉強会等によるスキルアップ支援等、やりがいのある働きやすい環境作りに取り組んでおります。
オーディオストックは成長段階にあり、業務運営の効率化やコーポレート・ガバナンスの強化を図るためには、更なる内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。そのため、これまでも内部管理体制の整備を進めてまいりましたが、今後も経営の透明性・健全性を確保するため、実効性ある内部監査の実施による内部管理体制の強化、監査役監査によるコーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。
オーディオストックは現在、安定的に営業キャッシュ・フローを創出しており、事業継続に支障を来すような財務上の課題は認識しておりません。また、資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でおりますが、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達も可能であることから、提出日現在において優先的に対処すべき財務上の課題はないと考えております。今後の事業拡大に備えて、内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等による財務基盤の更なる強化を図ってまいります。
急速な進化、拡大を続けているデジタル音源領域において、オーディオストックが企業価値を向上させ、高い成長を継続させていくためには、事業規模の拡大と収益源の多様化を図っていくことが必要と認識しております。そのため、これまでも音源ライセンスを軸として様々なサービスへとビジネスモデルを拡張してまいりましたが、今後もオーディオストックの強みである音源及びライセンス管理に関するノウハウを活かしたサービス領域の拡大及び新規事業の創出に積極的に取り組んでまいります。
オーディオストックの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてオーディオストックが判断したものであります。
オーディオストックは「Happy Creators,Happy Creation-クリエイターがもっと活躍できる世界に-」というビジョンのもと、素晴らしい創造物を生み出す「クリエイターの持続的な創作活動をサポートする」ことをミッションに掲げ、クリエイター収益の最大化と誰もが気軽に創作物を利用できる世の中を実現するべく事業を展開しております。4つのバリュー「be honest, be open」「self design, self control」「think logical, think essential」「move fast, move forward」の精神のもと、クリエイターがもっと輝ける世の中の実現を目指しております。
オーディオストックは、音源のライセンスを軸に多層的なビジネスモデルを展開する音源ライツビジネスプラットフォームとして、クリエイターの制作する音源を活用した収益の多様化を図り、クリエイターが輝ける世界の実現を目指して各種事業を展開しております。オーディオストックビジネスの基礎となる音源ライセンス販売サービス「Audiostock」でストックされた音源を活用し、著作権等収入など、新たなサービス領域へ展開していくことで、音源価値の最大化と市場領域の拡大を目指しております。
ストックミュージック市場の規模は、国内で120億円、グローバルでは2,403億円となっております。関連市場として、年々拡大基調にあるSNS市場や動画コンテンツ市場が挙げられますが、同市場の成長に伴い、ストックミュージック市場は年間平均成長率8%以上で推移しており、2028年にはグローバルで3,147億円の市場規模になる見込みとなっております。
(注) ストックミュージック市場規模:arizton社レポート「STOCK MUSIC MARKET2023-2028」よりオーディオストック算出、1ドル155円換算
著作権等収入のうち、売上の90%超を占める著作権及び著作隣接権収入については、オーディオストックで取り扱う音源がテレビ・ラジオ等放送で利用されることにより収益を獲得することができますが、テレビ・ラジオ等に係る放送領域の国内市場規模は472.4億円(注1)となっており、近年、安定的に推移しております。本サービスは、音源ライセンス販売サービス「Audiostock」でストックされた音源を、著作権等管理事業者へ管理委託することで収益化を図っておりますが、持続的に増加する音源ストックを背景に、今後もオーディオストックの市場シェアは拡大していくものと考えております。
また、今後成長が見込まれる市場として、動画配信等から収益を得られるインタラクティブ配信(注2)領域に注目しております。近年、情報技術の発展により、個人から法人まで誰でも気軽に動画による情報発信が可能となったこと、またその視聴方法も従来のテレビに加え、動画配信やコネクテッドTV(注3)等、動画視聴環境の多様化が進み動画配信市場は年々拡大基調にあります。現在、インタラクティブ配信領域における市場規模は650.1億円(注1)でありますが、動画配信市場の成長に伴い、インタラクティブ配信市場は毎年10%超の成長を続けており、今後もさらに拡大することが見込まれております。
なお、この成長著しいインタラクティブ配信領域において、人気YouTuberとコラボレーションするなど、収益化の可能性について検討を進めております。
(注) 1.(株)NexTone「2025年3月期決算説明資料」、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)「2024年度の事業」、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 実演家著作隣接権センター(CPRA)「2024年度年次報告書」、一般社団法人日本レコード協会「令和6年度決算報告書」よりオーディオストック算出
2.YouTubeやSNS動画など、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンなど、様々な媒体で動画配信等の視聴が可能な各種サービス
3.テレビ端末をインターネット回線に接続することで、地上波や衛星放送等の番組のほか、NetflixやAmazon Prime Video、TVerなどの動画ストリーミングサービスを視聴することのできるテレビ端末
オーディオストックの経営戦略は以下のとおりであります。
オーディオストックの競争力の源泉ともなる良質な音源の継続的な獲得に取り組んでまいります。具体的には、毎月テーマ楽器を決め、登録クリエイターから候補者を募り、スタジオレコーディングによる高音質音源の制作をサポートしたり、著名なクリエイターの参入促進による話題性とクオリティの高い音源の確保、音楽関連事業者などからの音源買取、ユーザーニーズの高い音源の登録が促進されるようなクリエイター報酬制度設計等の各種施策を実施してまいります。また、オーディオストックの強みでもある和楽器などの日本らしさのあるコンテンツの更なる充実により、グローバルでの競争力を高めてまいります。
現在、オーディオストックサービスにおいて活躍している著名クリエイターの一例
音源や映像、動画等のコンテンツを取り扱う、オーディオストックサービスと親和性の高い国内外事業者との販売代理店契約や、SNSや動画配信サービス、動画制作等のプラットフォームビジネスを営む事業者との事業連携により販売強化に取り組んでまいります。
主な事業連携先
(注) 1.2020年5月のオーディオストックリリース「日本最大級のストックミュージックサービス「Audiostock」TikTokへ楽曲提供を開始」より(https://audiostock.co.jp/?p=2101)
2.2024年6月のオーディオストックリリース「コンテンツ制作アプリ「Adobe Express」とストックミュージックサービス「Audiostock」が連携を開始」より(https://audiostock.co.jp/?p=3914)
3.2024年11月のオーディオストックリリース「ソフトとIoTの「ソースネクスト・サイト」でAudiostockのBGM・効果音パッケージを販売開始!」より(https://audiostock.co.jp/?p=4021)
音源ライセンス販売サービス「Audiostock」について、2023年7月に主に北米市場を対象に定額制プランをリリースしております。まだ日も浅いことから業績への寄与度は低いものの、ストックミュージック市場におけるグローバルでの市場規模は2,403億円であり、今後の収益基盤とすべく、海外市場におけるオーディオストック及びサービスの認知度向上に向けた各種施策に取り組んでおります。北米市場を中心に事業展開する同業他社も複数いることから、海外市場においても音源ニーズは旺盛であり、オーディオストックの強みでもあるアニメやオタク、和楽器等の日本的な音楽など、海外で需要の高い日本文化を象徴するような音源を切り口にサービスを打ち出し、海外エリアでの事業基盤を確立してまいります。
著作権及び著作隣接権収入(テレビ・ラジオ等の放送領域)における市場規模は472.4億円で安定的に推移しており、市場におけるオーディオストックサービスのシェアは約1.9%程度と、更なるシェア拡大の余地があると考えております。著作権及び著作隣接権収入は、著作権等管理事業者へ管理委託する著作権管理楽曲数の増加に比例して増加する傾向にあり、また、中長期にわたり継続的に利用されるものも多いため、継続的に音源の管理委託手続きを進めるとともに、手続きの効率化などにより、シェア拡大を加速させることを模索しております。
2025年9月末現在、オーディオストックでは約4万組のクリエイターとのネットワークを有し、毎月3,000点超の音源が音源ライセンス販売サービス「Audiostock」に新規登録されており(注1)、管理委託可能な音源数は随時増加していることから、今後、中長期的に著作権及び著作隣接権収入の更なるシェア拡大が期待されると考えております(注2)。
さらに、オーディオストックで取扱う音源について、テレビ等放送での利用状況をモニタリング可能なツールを活用することで、放送利用されているものの、未だ著作権等管理事業者へ管理委託されておらず、収益化できていない音源を特定することができるため、そのような音源を優先的に管理委託することで、効率的に著作権及び著作隣接権収入の積み上げが可能な体制を整備しております。
(注) 1.2025年9月時点における過去1年間の平均音源登録件数
2.クリエイターが「Audiostock」に登録した音源のうち、著作権原盤権等譲渡契約を締結した作品が対象となります。
著作権管理楽曲数及び著作権等収入
(注)2025年9月期第3四半期及び第4四半期に、著作隣接権収入が増加しております。これは2024年以降、オーディオストックのような商用CDなどを取り扱わない事業者も著作隣接権使用料を受領することが可能となり、2025年9月期までに各著作隣接権管理団体から著作隣接権使用料を受領できる体制が整ったことによるものであります。
これまで、著作権収入はテレビ・ラジオ等の放送事業をメイン市場としてサービス展開をしてまいりました。一方で、近年はYouTubeなどの動画配信媒体を通じて、全世界の誰もが情報発信することが可能になったことで、動画配信市場が急成長する中、テレビ等の既存媒体以外においても、著作権等収入を獲得できる機会が整いつつあります。オーディオストックで取り扱う音源についても、これまでにYouTube動画において4,000万件以上の動画でご利用いただいております(注)。そのような中でオーディオストックは、動画配信媒体などで音源利用された際に著作権等収入を獲得できるインタラクティブ配信領域での収益化について検討しております。現在は、人気Youtuberとのコラボレーションなどの取り組みや、2026年4月には、YouTubeなどの動画配信プラットフォームにおいて、無料で利用可能なBGM・効果音を提供する新サービス「ビートリ」ベータ版をリリースするなど、インタラクティブ配信領域における可能性について検討を進めております。
(注) 2026年3月時点
著作権等収入は、音源ライセンス販売サービス「Audiostock」に登録された音源のストックが基盤となっておりますが、クリエイターは自身が制作した音源がテレビ放送等で広く利用されることで、創作意欲が刺激され、新たな音源の創作につながる効果が期待できます。その結果、「Audiostock」のユーザーの増加と音源登録数や取引量の増加、ひいては著作権等収入サービスの利用機会の増加につながるなど、各サービス間における好循環が生まれやすい仕組みになっており、これらのサービスが有機的につながることで、事業全体の収益拡大に寄与しているものと考えております。
オーディオストックはこれまで、音源ライツビジネスのプラットフォームとして、クリエイターからお預かりした音源を、単品や定額制ライセンス販売にはじまり、その後、著作権等収入への進出のほか、他社企業との提携契約など、音源ライセンスを軸として事業領域を徐々に拡大してまいりました。
その結果、一つのクリエイター作品を複数チャネルで収益化することで、クリエイター収益の最大化を図ることが可能になりました。今後もクリエイターの制作する音源のライセンス販売を軸として、様々なサービスへとビジネスモデルを拡張していくことで、クリエイターの活躍の場を広げていきたいと考えております。
音源ライセンスを軸に多層的にビジネスを展開
オーディオストックは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益及びそれらの成長率を重視しており、中期的な事業拡大と企業価値の向上を図ってまいります。加えて、各サービスの継続的な成長を実現するためオーディオストックビジネスの土台となる音源ライセンス販売サービス「Audiostock」については主要な定額制契約件数(エンタープライズプラン及びスタンダードプラン)を、著作権等収入については著作権管理楽曲数をそれぞれ経営上重要な指標としております。
(注) 定額制契約件数(累計)は、主要な定額制契約件数(エンタープライズプラン及びスタンダードプラン)を記載しております。
オーディオストックが今後事業を拡大し、継続的な成長を行うために、オーディオストックは以下に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、継続的なユーザー開拓及びサービスの開発・改良による顧客満足の向上、利用顧客規模の拡大に応じた内部管理体制強化等の整備を進め、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。
ユーザーにとって使いやすく且つ安定的にサービスを提供していくためには、開発力の強化及びシステムの稼働体制を整備することが重要課題であると認識しております。近年は、クリエイターからの音源登録数が毎月3,000点(注1)を超えるペースとなっており、ユーザー及びクリエイター登録数も増加傾向にあることから、サーバー設備の管理・強化などによる、システムの安定性確保に継続的に取り組んでおります。
また、クリエイター及びユーザー体験の向上のため、過去の取引履歴などのデータ分析や利用者からの意見を収集し、サービス機能の強化やUI/UX(注2,3)の改善に継続的に取り組むとともに、新たな情報技術やサービスに関する情報収集とタイムリーな採用による更なるサービス機能の向上に取り組んでまいります。
(注) 1.2025年9月時点における過去1年間の平均音源登録件数
2.UI(UserInterface)とは、サービスサイトのデザインなどの操作画面・操作方法などを指します。
3.UX(UserExperience)とは、システムやサービスなどの利用を通じてユーザーが得られるユーザー体験を指します。
オーディオストック事業の持続的な成長を実現するためには、オーディオストックのコーポレートビジョンに共感する優秀な人材の採用・育成が不可欠であると認識しております。オーディオストックでは、従業員の生産性を最大化し、人材の定着率を高めるための労働環境の整備、及び勤務地に縛られることなく優秀な人材が採用できるようリモートワークによる勤務体制を整備しております。また、複数の採用媒体の活用や採用広報の強化、採用イベントへの登壇等、多様な採用チャネルを活用し、採用人数の安定的な確保のため、労働時間の管理、社内外の勉強会等によるスキルアップ支援等、やりがいのある働きやすい環境作りに取り組んでおります。
オーディオストックは成長段階にあり、業務運営の効率化やコーポレート・ガバナンスの強化を図るためには、更なる内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。そのため、これまでも内部管理体制の整備を進めてまいりましたが、今後も経営の透明性・健全性を確保するため、実効性ある内部監査の実施による内部管理体制の強化、監査役監査によるコーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。
オーディオストックは現在、安定的に営業キャッシュ・フローを創出しており、事業継続に支障を来すような財務上の課題は認識しておりません。また、資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でおりますが、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達も可能であることから、提出日現在において優先的に対処すべき財務上の課題はないと考えております。今後の事業拡大に備えて、内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等による財務基盤の更なる強化を図ってまいります。
急速な進化、拡大を続けているデジタル音源領域において、オーディオストックが企業価値を向上させ、高い成長を継続させていくためには、事業規模の拡大と収益源の多様化を図っていくことが必要と認識しております。そのため、これまでも音源ライセンスを軸として様々なサービスへとビジネスモデルを拡張してまいりましたが、今後もオーディオストックの強みである音源及びライセンス管理に関するノウハウを活かしたサービス領域の拡大及び新規事業の創出に積極的に取り組んでまいります。
オーディオストックの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてオーディオストックが判断したものであります。
オーディオストックは「Happy Creators,Happy Creation-クリエイターがもっと活躍できる世界に-」というビジョンのもと、素晴らしい創造物を生み出す「クリエイターの持続的な創作活動をサポートする」ことをミッションに掲げ、クリエイター収益の最大化と誰もが気軽に創作物を利用できる世の中を実現するべく事業を展開しております。4つのバリュー「be honest, be open」「self design, self control」「think logical, think essential」「move fast, move forward」の精神のもと、クリエイターがもっと輝ける世の中の実現を目指しております。
オーディオストックは、音源のライセンスを軸に多層的なビジネスモデルを展開する音源ライツビジネスプラットフォームとして、クリエイターの制作する音源を活用した収益の多様化を図り、クリエイターが輝ける世界の実現を目指して各種事業を展開しております。オーディオストックビジネスの基礎となる音源ライセンス販売サービス「Audiostock」でストックされた音源を活用し、著作権等収入など、新たなサービス領域へ展開していくことで、音源価値の最大化と市場領域の拡大を目指しております。
ストックミュージック市場の規模は、国内で120億円、グローバルでは2,403億円となっております。関連市場として、年々拡大基調にあるSNS市場や動画コンテンツ市場が挙げられますが、同市場の成長に伴い、ストックミュージック市場は年間平均成長率8%以上で推移しており、2028年にはグローバルで3,147億円の市場規模になる見込みとなっております。
(注) ストックミュージック市場規模:arizton社レポート「STOCK MUSIC MARKET2023-2028」よりオーディオストック算出、1ドル155円換算
著作権等収入のうち、売上の90%超を占める著作権及び著作隣接権収入については、オーディオストックで取り扱う音源がテレビ・ラジオ等放送で利用されることにより収益を獲得することができますが、テレビ・ラジオ等に係る放送領域の国内市場規模は472.4億円(注1)となっており、近年、安定的に推移しております。本サービスは、音源ライセンス販売サービス「Audiostock」でストックされた音源を、著作権等管理事業者へ管理委託することで収益化を図っておりますが、持続的に増加する音源ストックを背景に、今後もオーディオストックの市場シェアは拡大していくものと考えております。
また、今後成長が見込まれる市場として、動画配信等から収益を得られるインタラクティブ配信(注2)領域に注目しております。近年、情報技術の発展により、個人から法人まで誰でも気軽に動画による情報発信が可能となったこと、またその視聴方法も従来のテレビに加え、動画配信やコネクテッドTV(注3)等、動画視聴環境の多様化が進み動画配信市場は年々拡大基調にあります。現在、インタラクティブ配信領域における市場規模は650.1億円(注1)でありますが、動画配信市場の成長に伴い、インタラクティブ配信市場は毎年10%超の成長を続けており、今後もさらに拡大することが見込まれております。
なお、この成長著しいインタラクティブ配信領域において、人気YouTuberとコラボレーションするなど、収益化の可能性について検討を進めております。
(注) 1.(株)NexTone「2025年3月期決算説明資料」、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)「2024年度の事業」、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 実演家著作隣接権センター(CPRA)「2024年度年次報告書」、一般社団法人日本レコード協会「令和6年度決算報告書」よりオーディオストック算出
2.YouTubeやSNS動画など、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンなど、様々な媒体で動画配信等の視聴が可能な各種サービス
3.テレビ端末をインターネット回線に接続することで、地上波や衛星放送等の番組のほか、NetflixやAmazon Prime Video、TVerなどの動画ストリーミングサービスを視聴することのできるテレビ端末
オーディオストックの経営戦略は以下のとおりであります。
オーディオストックの競争力の源泉ともなる良質な音源の継続的な獲得に取り組んでまいります。具体的には、毎月テーマ楽器を決め、登録クリエイターから候補者を募り、スタジオレコーディングによる高音質音源の制作をサポートしたり、著名なクリエイターの参入促進による話題性とクオリティの高い音源の確保、音楽関連事業者などからの音源買取、ユーザーニーズの高い音源の登録が促進されるようなクリエイター報酬制度設計等の各種施策を実施してまいります。また、オーディオストックの強みでもある和楽器などの日本らしさのあるコンテンツの更なる充実により、グローバルでの競争力を高めてまいります。
現在、オーディオストックサービスにおいて活躍している著名クリエイターの一例
音源や映像、動画等のコンテンツを取り扱う、オーディオストックサービスと親和性の高い国内外事業者との販売代理店契約や、SNSや動画配信サービス、動画制作等のプラットフォームビジネスを営む事業者との事業連携により販売強化に取り組んでまいります。
主な事業連携先
(注) 1.2020年5月のオーディオストックリリース「日本最大級のストックミュージックサービス「Audiostock」TikTokへ楽曲提供を開始」より(https://audiostock.co.jp/?p=2101)
2.2024年6月のオーディオストックリリース「コンテンツ制作アプリ「Adobe Express」とストックミュージックサービス「Audiostock」が連携を開始」より(https://audiostock.co.jp/?p=3914)
3.2024年11月のオーディオストックリリース「ソフトとIoTの「ソースネクスト・サイト」でAudiostockのBGM・効果音パッケージを販売開始!」より(https://audiostock.co.jp/?p=4021)
音源ライセンス販売サービス「Audiostock」について、2023年7月に主に北米市場を対象に定額制プランをリリースしております。まだ日も浅いことから業績への寄与度は低いものの、ストックミュージック市場におけるグローバルでの市場規模は2,403億円であり、今後の収益基盤とすべく、海外市場におけるオーディオストック及びサービスの認知度向上に向けた各種施策に取り組んでおります。北米市場を中心に事業展開する同業他社も複数いることから、海外市場においても音源ニーズは旺盛であり、オーディオストックの強みでもあるアニメやオタク、和楽器等の日本的な音楽など、海外で需要の高い日本文化を象徴するような音源を切り口にサービスを打ち出し、海外エリアでの事業基盤を確立してまいります。
著作権及び著作隣接権収入(テレビ・ラジオ等の放送領域)における市場規模は472.4億円で安定的に推移しており、市場におけるオーディオストックサービスのシェアは約1.9%程度と、更なるシェア拡大の余地があると考えております。著作権及び著作隣接権収入は、著作権等管理事業者へ管理委託する著作権管理楽曲数の増加に比例して増加する傾向にあり、また、中長期にわたり継続的に利用されるものも多いため、継続的に音源の管理委託手続きを進めるとともに、手続きの効率化などにより、シェア拡大を加速させることを模索しております。
2025年9月末現在、オーディオストックでは約4万組のクリエイターとのネットワークを有し、毎月3,000点超の音源が音源ライセンス販売サービス「Audiostock」に新規登録されており(注1)、管理委託可能な音源数は随時増加していることから、今後、中長期的に著作権及び著作隣接権収入の更なるシェア拡大が期待されると考えております(注2)。
さらに、オーディオストックで取扱う音源について、テレビ等放送での利用状況をモニタリング可能なツールを活用することで、放送利用されているものの、未だ著作権等管理事業者へ管理委託されておらず、収益化できていない音源を特定することができるため、そのような音源を優先的に管理委託することで、効率的に著作権及び著作隣接権収入の積み上げが可能な体制を整備しております。
(注) 1.2025年9月時点における過去1年間の平均音源登録件数
2.クリエイターが「Audiostock」に登録した音源のうち、著作権原盤権等譲渡契約を締結した作品が対象となります。
著作権管理楽曲数及び著作権等収入
(注)2025年9月期第3四半期及び第4四半期に、著作隣接権収入が増加しております。これは2024年以降、オーディオストックのような商用CDなどを取り扱わない事業者も著作隣接権使用料を受領することが可能となり、2025年9月期までに各著作隣接権管理団体から著作隣接権使用料を受領できる体制が整ったことによるものであります。
これまで、著作権収入はテレビ・ラジオ等の放送事業をメイン市場としてサービス展開をしてまいりました。一方で、近年はYouTubeなどの動画配信媒体を通じて、全世界の誰もが情報発信することが可能になったことで、動画配信市場が急成長する中、テレビ等の既存媒体以外においても、著作権等収入を獲得できる機会が整いつつあります。オーディオストックで取り扱う音源についても、これまでにYouTube動画において4,000万件以上の動画でご利用いただいております(注)。そのような中でオーディオストックは、動画配信媒体などで音源利用された際に著作権等収入を獲得できるインタラクティブ配信領域での収益化について検討しております。現在は、人気Youtuberとのコラボレーションなどの取り組みや、2026年4月には、YouTubeなどの動画配信プラットフォームにおいて、無料で利用可能なBGM・効果音を提供する新サービス「ビートリ」ベータ版をリリースするなど、インタラクティブ配信領域における可能性について検討を進めております。
(注) 2026年3月時点
著作権等収入は、音源ライセンス販売サービス「Audiostock」に登録された音源のストックが基盤となっておりますが、クリエイターは自身が制作した音源がテレビ放送等で広く利用されることで、創作意欲が刺激され、新たな音源の創作につながる効果が期待できます。その結果、「Audiostock」のユーザーの増加と音源登録数や取引量の増加、ひいては著作権等収入サービスの利用機会の増加につながるなど、各サービス間における好循環が生まれやすい仕組みになっており、これらのサービスが有機的につながることで、事業全体の収益拡大に寄与しているものと考えております。
オーディオストックはこれまで、音源ライツビジネスのプラットフォームとして、クリエイターからお預かりした音源を、単品や定額制ライセンス販売にはじまり、その後、著作権等収入への進出のほか、他社企業との提携契約など、音源ライセンスを軸として事業領域を徐々に拡大してまいりました。
その結果、一つのクリエイター作品を複数チャネルで収益化することで、クリエイター収益の最大化を図ることが可能になりました。今後もクリエイターの制作する音源のライセンス販売を軸として、様々なサービスへとビジネスモデルを拡張していくことで、クリエイターの活躍の場を広げていきたいと考えております。
音源ライセンスを軸に多層的にビジネスを展開
オーディオストックは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益及びそれらの成長率を重視しており、中期的な事業拡大と企業価値の向上を図ってまいります。加えて、各サービスの継続的な成長を実現するためオーディオストックビジネスの土台となる音源ライセンス販売サービス「Audiostock」については主要な定額制契約件数(エンタープライズプラン及びスタンダードプラン)を、著作権等収入については著作権管理楽曲数をそれぞれ経営上重要な指標としております。
(注) 定額制契約件数(累計)は、主要な定額制契約件数(エンタープライズプラン及びスタンダードプラン)を記載しております。
オーディオストックが今後事業を拡大し、継続的な成長を行うために、オーディオストックは以下に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、継続的なユーザー開拓及びサービスの開発・改良による顧客満足の向上、利用顧客規模の拡大に応じた内部管理体制強化等の整備を進め、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。
ユーザーにとって使いやすく且つ安定的にサービスを提供していくためには、開発力の強化及びシステムの稼働体制を整備することが重要課題であると認識しております。近年は、クリエイターからの音源登録数が毎月3,000点(注1)を超えるペースとなっており、ユーザー及びクリエイター登録数も増加傾向にあることから、サーバー設備の管理・強化などによる、システムの安定性確保に継続的に取り組んでおります。
また、クリエイター及びユーザー体験の向上のため、過去の取引履歴などのデータ分析や利用者からの意見を収集し、サービス機能の強化やUI/UX(注2,3)の改善に継続的に取り組むとともに、新たな情報技術やサービスに関する情報収集とタイムリーな採用による更なるサービス機能の向上に取り組んでまいります。
(注) 1.2025年9月時点における過去1年間の平均音源登録件数
2.UI(UserInterface)とは、サービスサイトのデザインなどの操作画面・操作方法などを指します。
3.UX(UserExperience)とは、システムやサービスなどの利用を通じてユーザーが得られるユーザー体験を指します。
オーディオストック事業の持続的な成長を実現するためには、オーディオストックのコーポレートビジョンに共感する優秀な人材の採用・育成が不可欠であると認識しております。オーディオストックでは、従業員の生産性を最大化し、人材の定着率を高めるための労働環境の整備、及び勤務地に縛られることなく優秀な人材が採用できるようリモートワークによる勤務体制を整備しております。また、複数の採用媒体の活用や採用広報の強化、採用イベントへの登壇等、多様な採用チャネルを活用し、採用人数の安定的な確保のため、労働時間の管理、社内外の勉強会等によるスキルアップ支援等、やりがいのある働きやすい環境作りに取り組んでおります。
オーディオストックは成長段階にあり、業務運営の効率化やコーポレート・ガバナンスの強化を図るためには、更なる内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。そのため、これまでも内部管理体制の整備を進めてまいりましたが、今後も経営の透明性・健全性を確保するため、実効性ある内部監査の実施による内部管理体制の強化、監査役監査によるコーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。
オーディオストックは現在、安定的に営業キャッシュ・フローを創出しており、事業継続に支障を来すような財務上の課題は認識しておりません。また、資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でおりますが、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達も可能であることから、提出日現在において優先的に対処すべき財務上の課題はないと考えております。今後の事業拡大に備えて、内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等による財務基盤の更なる強化を図ってまいります。
急速な進化、拡大を続けているデジタル音源領域において、オーディオストックが企業価値を向上させ、高い成長を継続させていくためには、事業規模の拡大と収益源の多様化を図っていくことが必要と認識しております。そのため、これまでも音源ライセンスを軸として様々なサービスへとビジネスモデルを拡張してまいりましたが、今後もオーディオストックの強みである音源及びライセンス管理に関するノウハウを活かしたサービス領域の拡大及び新規事業の創出に積極的に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオーディオストックが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
オーディオストックが事業を展開するストックミュージック市場は、動画配信市場の成長にあわせて、今後も継続的に拡大することを見込んでおります。これは主に、動画配信市場の成長にあわせて、動画に使用されるBGMや効果音の需要が高まっているためと考えております。また、テクノロジーの発達とスマートフォンなどのモバイル端末の普及により、個人がクリエイターとしてSNS等で発信するなど、法人・個人を問わず幅広いユーザーが高品質かつ多様な種類の音源を求めるようになってきており、今後も市場の拡大余地があると考えております。
一方で、音源の過剰供給による競争激化やユーザーニーズの変化等、ストックミュージック市場においては様々な環境変化が生じる可能性があります。オーディオストックの事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックが事業を展開する著作権等収入に係る市場は、テレビ・ラジオ局などの放送事業収入(注1)を収益基盤として安定的に推移しております。また、事業参入から日も浅いため、同市場におけるオーディオストックのシェアは未だ1.9%に過ぎず、今後更なるシェアの拡大を見込んでおります。
一方で、昨今、インターネットでの動画配信や音楽配信等、コンテンツの多様化が進み、既存メディアの視聴時間の減少等、業界構造は大きく変化しており、今後も様々な環境変化が生じる可能性があります。オーディオストックの事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1 放送事業収入にはYouTubeやTVerなどのインタラクティブ配信に係るものは含まれません。
音源コンテンツには言語の壁がないため、海外大手事業者による日本進出や競合他社による新規参入の可能性があります。
一方で、オーディオストックでは多くの日本人クリエイターに登録いただいており、日本の文化や嗜好など、日本人のニーズにあった音源を多数保有していることや、保有音源数が100万点超(2025年9月時点)となっており、日本国内、とりわけオンライン販売の領域においては一定程度の地位を構築できているものと認識しております。
また、海外の類似サービスによる日本市場への参入や新規参入については、日本人の文化や嗜好にあった音源の提供、日本語でのサポート対応など、日本独自の商慣習への対応が求められることを考慮すると、一定の参入障壁を構築できているものと考えております。
しかしながら、海外大手事業者による本格的な日本進出や、他社の新規参入により競争が激化した場合、オーディオストックの業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックのサービスは、主にオンライン上で取引が実施されるため、インターネット通信環境が整備されていることが不可欠の事業であると考えております。近年、インターネット通信環境は十分に整備され、パソコンやスマートフォンなどのデバイスも広く普及するとともに、今後もスマートデバイスの利用拡大は継続すると見込まれており、オーディオストックサービスを提供するための環境は十分に整備されているものと考えております。
しかしながら、インターネット通信環境の悪化、スマートデバイスの普及の著しい鈍化、不正使用等の弊害の発生など、予期せぬ要因により今後のオーディオストックサービスの拡大を阻害するような状況が生じた場合、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックが事業を展開する音源コンテンツ業界においては、技術革新やユーザー嗜好の変化が速く、市場環境は継続的に変化しております。
オーディオストックとしても、技術進展や顧客ニーズなどに応じたシステムやサービスの拡充等事業戦略の随時見直しの必要があるものと考えており、市場動向を常に注視しておりますが、予期しない技術革新などが起こり、オーディオストックが迅速に対応できなかった場合には、サービスの競争力の低下及び顧客の流出等につながり、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年においては、AI技術を活用した音源生成技術の発展により、テキスト等の入力によって安価かつ大量に音源を生成するサービスが国内外で登場しております。現時点においては、音源生成AIは、著作権侵害リスクや法的責任の所在に関する不確実性が、特に商用利用における一定の制約となっている一方で、オーディオストックは、登録クリエイターの本人確認及び独自の審査体制により権利関係が明確な音源を多数保有していることにより、一定の競争力を確保できていると認識しております。
しかしながら、今後、法制度の整備や社会規範の変化、技術的な権利侵害防止策の進展等により音源生成AIがさらに普及した場合には、ユーザーの離脱や音源需要の減少、価格競争の激化等により市場環境が変化し、オーディオストックの競争力が低下する可能性があります。こうした変化にオーディオストックが十分に対応できなかった場合には、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、インターネット上において音源コンテンツの販売を主力サービスとしているため、オンラインサービスの安定運用のためのシステムの強化、セキュリティ対策に注力しております。
しかしながら、システムの不具合やアクセス集中による一時的に過大な負荷、外部からの不正など、オーディオストックが予期しない事象の発生により、オーディオストックのシステムがダウンした場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックでは、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。音源の品質向上と購入者のニーズにあった音源を提供するクリエイター増加のため、販売状況に応じて報酬率が上昇する報酬体系の採用や表彰制度のほか、クリエイターに向けた各種情報発信などの施策を継続的に実施しております。
しかしながら、オーディオストックが予期しない事象の発生により、優良クリエイターを確保できず、オーディオストックが保有する音源コンテンツのクオリティ水準が低下し、ユーザーニーズに対応できない状況となった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックでは、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。オーディオストックとしては、利用規約やウェブサイト上で注意喚起を行い、クリエイターの本人確認を徹底し、また審査体制を整えるなど、クリエイターによる不正が生じないよう対策を講じております。
しかしながら、クリエイターが第三者の権利を侵害する音源をオーディオストックのサービスに登録し、オーディオストックがこれを認知することができないままオーディオストックのサービス上で公開した場合、意図せず第三者の権利を侵害してしまう可能性があり、訴訟や風評リスク等、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストック売上高に占める主要取引先の割合は以下のとおりです。
著作権等収入における収益の大半を両社を介して獲得している状況であります。両社とは良好かつ安定的な取引関係を維持できており、現時点において、取引関係に支障をきたす事象は生じておりません。今後も継続的な取引が維持できるものと考えておりますが、何らかの理由により同社との取引関係が継続困難となった場合や取引が大幅に減少する場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、今後は同社への依存度を下げるべく、他の既存取引先との取引拡大や新規取引先の開拓によりリスク低減に努める方針であります。
オーディオストックでは、業務に関連して多数の顧客の個人情報を取り扱っております。これらの個人情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社内規程として個人情報保護規程を制定し、個人情報の取扱いに関する社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。また、2025年2月には、セキュリティの一層の強化のためISMS(注)を取得しております。
しかしながら、不正アクセスやその他の予期せぬ方法により、個人情報の外部流出や不正に悪用されるといった事態が発生した場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) ISMS(ISO/IEC27001)とはスイスのジュネーブに本部を置く非政府機関International Organization for Standardizationが制定した情報セキュリティマネジメントシステムに関する規格であります。
オーディオストックは、今後の事業規模の拡大のために、組織体制の強化に取り組む必要があると認識しております。組織体制強化のため、オーディオストックのコーポレートビジョンに共感する優秀な人材の採用や、育成のため採用候補者に向けた広報活動や社内教育体制の充実など各種施策に取り組んでおります。
しかしながら、オーディオストックの求める人材の採用・育成が十分でない場合や予期せぬ人材の流出があった場合には、日常的な業務運営はもとより、事業拡大に向けた各種施策の推進が困難となるなど、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、事業の維持・拡大のためにコンプライアンス体制の充実が不可欠であると考えており、社内規程としてリスク・コンプライアンス規程を制定するとともに、同規程に基づくリスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内教育の徹底と管理体制の構築による役職員のコンプライアンス意識の醸成と維持・向上を図っております。
しかしながら、オーディオストックが予期しないコンプライアンス上の事象が発生した場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックの創業者であり大株主でもある代表取締役社長西尾周一郎は、オーディオストックの強みである事業の創出やノウハウを蓄積しており、事業の推進において重要な役割を担っております。同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、取締役会や経営会議等の重要な会議体等において、役員及び幹部社員への情報共有や権限移譲を進めたり、幹部人材の育成及び強化を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏がオーディオストックの業務執行ができない事態となった場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは小規模な組織であり、現在の人員構成において最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。オーディオストックは、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、2023年7月に音源ライセンス販売サービス「Audiostock」海外版を開始しております。海外展開にあたっては、現地企業又は現地の情勢、動向に相当の知見を有する外部専門家との連携を図り、また必要な場合は専門人材の拡充検討も含め、適切に対応してまいります。現在は主に北米を中心としたサービス展開をしておりますが、中長期的には、その他の地域への展開も模索しており、各国における政情不安の発生、オーディオストック事業に関連する法規制の成立又は改正等が生じた場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
音源ライセンス販売サービス「Audiostock」のユーザーの多くは、YouTubeなどの動画配信プラットフォームを活用し動画配信を行っております。またオーディオストックは、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信プラットフォームを通じて音楽配信サービスを提供しております。各種サービス提供にあたっては、各プラットフォームの動向を注視するとともに、仕様に沿ったサービス提供に努めておりますが、プラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、大幅な仕様変更などがあり、これに対応できない場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、継続的かつ安定した収益の確保を目的として、四半期ごとの業績平準化に努めております。しかしながら、著作権等収入のうち、著作隣接権収入に係る業界団体からの分配サイクルは、4月から9月に集中するため、第3四半期(4月~6月)と第4四半期(7月~9月)に売上高が偏る傾向にあります。
オーディオストックとしては、著作隣接権収入について慎重な計画の策定と、定期的な進捗確認を通じた業績管理を実施しておりますが、計画どおりに進捗しない場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年9月期の四半期毎の売上高及び営業利益は、次のとおりです。
オーディオストックは2025年9月期より著作隣接権収入の本格的な計上を開始した結果、著作権等収入が大きく増加しております。著作隣接権収入は、オーディオストックが著作権等管理事業者から利用実績報告を受けた時点で履行義務が充足されることから、当該履行義務を充足した時点で収益を認識しております。その結果、本格分配の初年度であることから、2025年9月期の著作隣接権収入には、通常の報告対象期間以前の放送使用分も分配の対象となり、これに係る売上高91百万円とこれに伴うクリエイター報酬及び著作権等管理手数料39百万円も2025年9月期の収益、費用として認識していることからも、過年度との比較が困難となっております。
また、オーディオストックの著作権等収入は成長途上であり、放送使用状況の把握や収入予測に活用できる十分な過年度データがまだ蓄積されていないため、将来の収入予測には一定の不確実性があります。オーディオストックは主要なテレビ放送局での利用状況をモニタリングできる外部ツールを活用し、可能な限り放送使用動向を把握して予算の精度向上に努めておりますが、テレビ等放送局の放送事業収入の変動の影響等も受ける著作権等収入の特性上、収入が想定どおりに推移しない場合があります。
そのため、過年度の業績推移のみでは、オーディオストックの今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
地震、風水害等の天災や事故、火災、テロ攻撃、戦争等により、システムの予期せぬ停止、設備の損壊、電力供給の制限などの不測の事態が発生した場合には、事業運営及びサービス提供に支障が生じる可能性があり、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。またオーディオストックは、新型コロナウイルス感染症などのパンデミック等に対応するため、積極的なリモートワークの活用により、経常的に業務運営に支障のない体制を整備してまいりました。しかしながら、感染症のまん延が長期化し、経済活動の停滞によって事業環境が悪化した場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックの事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、オーディオストックの瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によってはオーディオストックの社会的信用が低下することに加え、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年9月末現在において、オーディオストック発行済株式総数4,059,000株のうち、計1,729,000株はベンチャーキャピタルが所有しており、その保有割合は42.6%となっております。一般的に、ベンチャーキャピタルは市場での株式売却によるキャピタルゲインの獲得が株式保有の目的であることから、ベンチャーキャピタルがオーディオストック株式を市場で売却した場合には、オーディオストック株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは株主利益の最大化を経営上の重要な課題の一つとして認識しておりますが、オーディオストックは現在、成長過程にあるため、事業基盤の整備を優先し、事業の継続的な拡大を行うことが株主価値の最大化に資するとの考えにより、その原資となる資金の確保を優先する方針であるため、内部留保の充実を図り、配当を行っておりません。将来的には利益還元の方策の一つとして配当を行う方針ではありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
オーディオストックは、事業拡大のために人材採用や宣伝広告、開発等の積極的な投資を行ってきたため、第18期事業年度末時点において税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりません。今後、繰越欠損金の繰越控除、又は期限切れによる繰越欠損金の解消により、課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が発生し、オーディオストックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、オーディオストックは将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産を計上しております。当該予測は、策定時点の事業計画における主要な仮定に基づいております。そのため、経営環境の変化等によりこれらの仮定に乖離が生じ、将来の課税所得の見積額が減少した場合には、繰延税金資産の取崩し(評価性引当額の計上)が必要となり、オーディオストックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
株式上場時の公募増資による調達資金の使途につきましては、オーディオストック及びサービスの認知度向上と新規ユーザー獲得のための効果的な広告宣伝費、優秀な人材を採用するための人件費等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する外部環境やその他の事由により、当初想定していなかった使途への資金充当の可能性や、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定した投資効果が得られない可能性があります。そのため、当初計画に則った資金投下を基本戦略とするものの、経営環境の変化を常に観察し、当初計画に固執することなく、柔軟な資金投下戦略による資本効率の最大化を目指してまいります。
オーディオストックは、役員及び従業員並びに外部協力者のモチベーション向上及び事業貢献のためストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は398,800株であり、発行済株式総数4,059,000株の9.8%となっております。ストック・オプションの付与にあたっては、付与時期の分散等による権利行使可能期間の分散等を図っておりますが、これらのストック・オプションが行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
オーディオストック代表取締役である西尾周一郎は、オーディオストックの経営基盤を安定化させ、より機動的な経営判断を可能とする体制を構築することを目的として、同氏の資産管理会社である株式会社ウエストテイルズ(以下、「資産管理会社」)を通じて、オーディオストックの既存株主よりオーディオストック株式(252,800株。詳細については、後記「第四部 株式公開情報 第1特別利害関係者等の株式等の移動状況」をご参照ください。)を取得いたしました。
当該株式の取得資金として、資産管理会社は株式会社中国銀行(以下、「金融機関」)との間で当座勘定貸越約定書を締結し、借入を行っております。本借入契約等のコベナンツ条項に基づき、オーディオストック株式の上場に伴うロックアップ期間の終了後速やかに、同氏及び資産管理会社が保有するオーディオストック株式の一部について、借入金の担保として質権が設定される予定であります。また、担保提供株式の時価の60%の水準が借入金額を上回るよう質権設定対象となる株式数が定まることから、株価の変動によっては、追加でオーディオストック株式が担保提供される可能性があります。
当該借入契約等において、資産管理会社又は連帯保証人である西尾周一郎について、下記に定めるいずれかの事由が生じた場合には、法定の順序にかかわらず、また被担保債務の期限が到来したかどうかにかかわらず、その債務の弁済に充当するため、担保対象株式の売却が行われる可能性があります。
・破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立があったとき
・手形交換所又は電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき
・支払の停止があったと認められる事実が発生したとき
・預金その他の金融機関に対する債権について仮差押、保全差押、又は差押の命令、通知が発送されたとき
・担保の目的物について差押又は競売手続の開始があったとき
・金融機関に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき
・上記のほか、提出する財務状況等に重大な虚偽があるなど、金融機関の債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき
同氏は、オーディオストックの筆頭株主として今後も一定の議決権を保有し、株主共同の利益を追求する方針を有しておりますが、東京証券取引所における売却又はその他の方法により担保対象株式の売却がなされた場合、又はその可能性が顕在化した場合には、オーディオストック株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。また、担保対象株式の売却がなされた場合には、株主構成の変化をもたらし、筆頭株主をはじめとする大株主の構成が大きく変わる可能性があります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオーディオストックが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
オーディオストックが事業を展開するストックミュージック市場は、動画配信市場の成長にあわせて、今後も継続的に拡大することを見込んでおります。これは主に、動画配信市場の成長にあわせて、動画に使用されるBGMや効果音の需要が高まっているためと考えております。また、テクノロジーの発達とスマートフォンなどのモバイル端末の普及により、個人がクリエイターとしてSNS等で発信するなど、法人・個人を問わず幅広いユーザーが高品質かつ多様な種類の音源を求めるようになってきており、今後も市場の拡大余地があると考えております。
一方で、音源の過剰供給による競争激化やユーザーニーズの変化等、ストックミュージック市場においては様々な環境変化が生じる可能性があります。オーディオストックの事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックが事業を展開する著作権等収入に係る市場は、テレビ・ラジオ局などの放送事業収入(注1)を収益基盤として安定的に推移しております。また、事業参入から日も浅いため、同市場におけるオーディオストックのシェアは未だ1.9%に過ぎず、今後更なるシェアの拡大を見込んでおります。
一方で、昨今、インターネットでの動画配信や音楽配信等、コンテンツの多様化が進み、既存メディアの視聴時間の減少等、業界構造は大きく変化しており、今後も様々な環境変化が生じる可能性があります。オーディオストックの事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1 放送事業収入にはYouTubeやTVerなどのインタラクティブ配信に係るものは含まれません。
音源コンテンツには言語の壁がないため、海外大手事業者による日本進出や競合他社による新規参入の可能性があります。
一方で、オーディオストックでは多くの日本人クリエイターに登録いただいており、日本の文化や嗜好など、日本人のニーズにあった音源を多数保有していることや、保有音源数が100万点超(2025年9月時点)となっており、日本国内、とりわけオンライン販売の領域においては一定程度の地位を構築できているものと認識しております。
また、海外の類似サービスによる日本市場への参入や新規参入については、日本人の文化や嗜好にあった音源の提供、日本語でのサポート対応など、日本独自の商慣習への対応が求められることを考慮すると、一定の参入障壁を構築できているものと考えております。
しかしながら、海外大手事業者による本格的な日本進出や、他社の新規参入により競争が激化した場合、オーディオストックの業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックのサービスは、主にオンライン上で取引が実施されるため、インターネット通信環境が整備されていることが不可欠の事業であると考えております。近年、インターネット通信環境は十分に整備され、パソコンやスマートフォンなどのデバイスも広く普及するとともに、今後もスマートデバイスの利用拡大は継続すると見込まれており、オーディオストックサービスを提供するための環境は十分に整備されているものと考えております。
しかしながら、インターネット通信環境の悪化、スマートデバイスの普及の著しい鈍化、不正使用等の弊害の発生など、予期せぬ要因により今後のオーディオストックサービスの拡大を阻害するような状況が生じた場合、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックが事業を展開する音源コンテンツ業界においては、技術革新やユーザー嗜好の変化が速く、市場環境は継続的に変化しております。
オーディオストックとしても、技術進展や顧客ニーズなどに応じたシステムやサービスの拡充等事業戦略の随時見直しの必要があるものと考えており、市場動向を常に注視しておりますが、予期しない技術革新などが起こり、オーディオストックが迅速に対応できなかった場合には、サービスの競争力の低下及び顧客の流出等につながり、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年においては、AI技術を活用した音源生成技術の発展により、テキスト等の入力によって安価かつ大量に音源を生成するサービスが国内外で登場しております。現時点においては、音源生成AIは、著作権侵害リスクや法的責任の所在に関する不確実性が、特に商用利用における一定の制約となっている一方で、オーディオストックは、登録クリエイターの本人確認及び独自の審査体制により権利関係が明確な音源を多数保有していることにより、一定の競争力を確保できていると認識しております。
しかしながら、今後、法制度の整備や社会規範の変化、技術的な権利侵害防止策の進展等により音源生成AIがさらに普及した場合には、ユーザーの離脱や音源需要の減少、価格競争の激化等により市場環境が変化し、オーディオストックの競争力が低下する可能性があります。こうした変化にオーディオストックが十分に対応できなかった場合には、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、インターネット上において音源コンテンツの販売を主力サービスとしているため、オンラインサービスの安定運用のためのシステムの強化、セキュリティ対策に注力しております。
しかしながら、システムの不具合やアクセス集中による一時的に過大な負荷、外部からの不正など、オーディオストックが予期しない事象の発生により、オーディオストックのシステムがダウンした場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックでは、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。音源の品質向上と購入者のニーズにあった音源を提供するクリエイター増加のため、販売状況に応じて報酬率が上昇する報酬体系の採用や表彰制度のほか、クリエイターに向けた各種情報発信などの施策を継続的に実施しております。
しかしながら、オーディオストックが予期しない事象の発生により、優良クリエイターを確保できず、オーディオストックが保有する音源コンテンツのクオリティ水準が低下し、ユーザーニーズに対応できない状況となった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックでは、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。オーディオストックとしては、利用規約やウェブサイト上で注意喚起を行い、クリエイターの本人確認を徹底し、また審査体制を整えるなど、クリエイターによる不正が生じないよう対策を講じております。
しかしながら、クリエイターが第三者の権利を侵害する音源をオーディオストックのサービスに登録し、オーディオストックがこれを認知することができないままオーディオストックのサービス上で公開した場合、意図せず第三者の権利を侵害してしまう可能性があり、訴訟や風評リスク等、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストック売上高に占める主要取引先の割合は以下のとおりです。
著作権等収入における収益の大半を両社を介して獲得している状況であります。両社とは良好かつ安定的な取引関係を維持できており、現時点において、取引関係に支障をきたす事象は生じておりません。今後も継続的な取引が維持できるものと考えておりますが、何らかの理由により同社との取引関係が継続困難となった場合や取引が大幅に減少する場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、今後は同社への依存度を下げるべく、他の既存取引先との取引拡大や新規取引先の開拓によりリスク低減に努める方針であります。
オーディオストックでは、業務に関連して多数の顧客の個人情報を取り扱っております。これらの個人情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社内規程として個人情報保護規程を制定し、個人情報の取扱いに関する社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。また、2025年2月には、セキュリティの一層の強化のためISMS(注)を取得しております。
しかしながら、不正アクセスやその他の予期せぬ方法により、個人情報の外部流出や不正に悪用されるといった事態が発生した場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) ISMS(ISO/IEC27001)とはスイスのジュネーブに本部を置く非政府機関International Organization for Standardizationが制定した情報セキュリティマネジメントシステムに関する規格であります。
オーディオストックは、今後の事業規模の拡大のために、組織体制の強化に取り組む必要があると認識しております。組織体制強化のため、オーディオストックのコーポレートビジョンに共感する優秀な人材の採用や、育成のため採用候補者に向けた広報活動や社内教育体制の充実など各種施策に取り組んでおります。
しかしながら、オーディオストックの求める人材の採用・育成が十分でない場合や予期せぬ人材の流出があった場合には、日常的な業務運営はもとより、事業拡大に向けた各種施策の推進が困難となるなど、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、事業の維持・拡大のためにコンプライアンス体制の充実が不可欠であると考えており、社内規程としてリスク・コンプライアンス規程を制定するとともに、同規程に基づくリスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内教育の徹底と管理体制の構築による役職員のコンプライアンス意識の醸成と維持・向上を図っております。
しかしながら、オーディオストックが予期しないコンプライアンス上の事象が発生した場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックの創業者であり大株主でもある代表取締役社長西尾周一郎は、オーディオストックの強みである事業の創出やノウハウを蓄積しており、事業の推進において重要な役割を担っております。同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、取締役会や経営会議等の重要な会議体等において、役員及び幹部社員への情報共有や権限移譲を進めたり、幹部人材の育成及び強化を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏がオーディオストックの業務執行ができない事態となった場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは小規模な組織であり、現在の人員構成において最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。オーディオストックは、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、2023年7月に音源ライセンス販売サービス「Audiostock」海外版を開始しております。海外展開にあたっては、現地企業又は現地の情勢、動向に相当の知見を有する外部専門家との連携を図り、また必要な場合は専門人材の拡充検討も含め、適切に対応してまいります。現在は主に北米を中心としたサービス展開をしておりますが、中長期的には、その他の地域への展開も模索しており、各国における政情不安の発生、オーディオストック事業に関連する法規制の成立又は改正等が生じた場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
音源ライセンス販売サービス「Audiostock」のユーザーの多くは、YouTubeなどの動画配信プラットフォームを活用し動画配信を行っております。またオーディオストックは、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信プラットフォームを通じて音楽配信サービスを提供しております。各種サービス提供にあたっては、各プラットフォームの動向を注視するとともに、仕様に沿ったサービス提供に努めておりますが、プラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、大幅な仕様変更などがあり、これに対応できない場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、継続的かつ安定した収益の確保を目的として、四半期ごとの業績平準化に努めております。しかしながら、著作権等収入のうち、著作隣接権収入に係る業界団体からの分配サイクルは、4月から9月に集中するため、第3四半期(4月~6月)と第4四半期(7月~9月)に売上高が偏る傾向にあります。
オーディオストックとしては、著作隣接権収入について慎重な計画の策定と、定期的な進捗確認を通じた業績管理を実施しておりますが、計画どおりに進捗しない場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年9月期の四半期毎の売上高及び営業利益は、次のとおりです。
オーディオストックは2025年9月期より著作隣接権収入の本格的な計上を開始した結果、著作権等収入が大きく増加しております。著作隣接権収入は、オーディオストックが著作権等管理事業者から利用実績報告を受けた時点で履行義務が充足されることから、当該履行義務を充足した時点で収益を認識しております。その結果、本格分配の初年度であることから、2025年9月期の著作隣接権収入には、通常の報告対象期間以前の放送使用分も分配の対象となり、これに係る売上高91百万円とこれに伴うクリエイター報酬及び著作権等管理手数料39百万円も2025年9月期の収益、費用として認識していることからも、過年度との比較が困難となっております。
また、オーディオストックの著作権等収入は成長途上であり、放送使用状況の把握や収入予測に活用できる十分な過年度データがまだ蓄積されていないため、将来の収入予測には一定の不確実性があります。オーディオストックは主要なテレビ放送局での利用状況をモニタリングできる外部ツールを活用し、可能な限り放送使用動向を把握して予算の精度向上に努めておりますが、テレビ等放送局の放送事業収入の変動の影響等も受ける著作権等収入の特性上、収入が想定どおりに推移しない場合があります。
そのため、過年度の業績推移のみでは、オーディオストックの今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
地震、風水害等の天災や事故、火災、テロ攻撃、戦争等により、システムの予期せぬ停止、設備の損壊、電力供給の制限などの不測の事態が発生した場合には、事業運営及びサービス提供に支障が生じる可能性があり、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。またオーディオストックは、新型コロナウイルス感染症などのパンデミック等に対応するため、積極的なリモートワークの活用により、経常的に業務運営に支障のない体制を整備してまいりました。しかしながら、感染症のまん延が長期化し、経済活動の停滞によって事業環境が悪化した場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックの事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、オーディオストックの瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によってはオーディオストックの社会的信用が低下することに加え、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年9月末現在において、オーディオストック発行済株式総数4,059,000株のうち、計1,729,000株はベンチャーキャピタルが所有しており、その保有割合は42.6%となっております。一般的に、ベンチャーキャピタルは市場での株式売却によるキャピタルゲインの獲得が株式保有の目的であることから、ベンチャーキャピタルがオーディオストック株式を市場で売却した場合には、オーディオストック株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは株主利益の最大化を経営上の重要な課題の一つとして認識しておりますが、オーディオストックは現在、成長過程にあるため、事業基盤の整備を優先し、事業の継続的な拡大を行うことが株主価値の最大化に資するとの考えにより、その原資となる資金の確保を優先する方針であるため、内部留保の充実を図り、配当を行っておりません。将来的には利益還元の方策の一つとして配当を行う方針ではありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
オーディオストックは、事業拡大のために人材採用や宣伝広告、開発等の積極的な投資を行ってきたため、第18期事業年度末時点において税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりません。今後、繰越欠損金の繰越控除、又は期限切れによる繰越欠損金の解消により、課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が発生し、オーディオストックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、オーディオストックは将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産を計上しております。当該予測は、策定時点の事業計画における主要な仮定に基づいております。そのため、経営環境の変化等によりこれらの仮定に乖離が生じ、将来の課税所得の見積額が減少した場合には、繰延税金資産の取崩し(評価性引当額の計上)が必要となり、オーディオストックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
株式上場時の公募増資による調達資金の使途につきましては、オーディオストック及びサービスの認知度向上と新規ユーザー獲得のための効果的な広告宣伝費、優秀な人材を採用するための人件費等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する外部環境やその他の事由により、当初想定していなかった使途への資金充当の可能性や、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定した投資効果が得られない可能性があります。そのため、当初計画に則った資金投下を基本戦略とするものの、経営環境の変化を常に観察し、当初計画に固執することなく、柔軟な資金投下戦略による資本効率の最大化を目指してまいります。
オーディオストックは、役員及び従業員並びに外部協力者のモチベーション向上及び事業貢献のためストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は398,800株であり、発行済株式総数4,059,000株の9.8%となっております。ストック・オプションの付与にあたっては、付与時期の分散等による権利行使可能期間の分散等を図っておりますが、これらのストック・オプションが行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
オーディオストック代表取締役である西尾周一郎は、オーディオストックの経営基盤を安定化させ、より機動的な経営判断を可能とする体制を構築することを目的として、同氏の資産管理会社である株式会社ウエストテイルズ(以下、「資産管理会社」)を通じて、オーディオストックの既存株主よりオーディオストック株式(252,800株。詳細については、後記「第四部 株式公開情報 第1特別利害関係者等の株式等の移動状況」をご参照ください。)を取得いたしました。
当該株式の取得資金として、資産管理会社は株式会社中国銀行(以下、「金融機関」)との間で当座勘定貸越約定書を締結し、借入を行っております。本借入契約等のコベナンツ条項に基づき、オーディオストック株式の上場に伴うロックアップ期間の終了後速やかに、同氏及び資産管理会社が保有するオーディオストック株式の一部について、借入金の担保として質権が設定される予定であります。また、担保提供株式の時価の60%の水準が借入金額を上回るよう質権設定対象となる株式数が定まることから、株価の変動によっては、追加でオーディオストック株式が担保提供される可能性があります。
当該借入契約等において、資産管理会社又は連帯保証人である西尾周一郎について、下記に定めるいずれかの事由が生じた場合には、法定の順序にかかわらず、また被担保債務の期限が到来したかどうかにかかわらず、その債務の弁済に充当するため、担保対象株式の売却が行われる可能性があります。
・破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立があったとき
・手形交換所又は電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき
・支払の停止があったと認められる事実が発生したとき
・預金その他の金融機関に対する債権について仮差押、保全差押、又は差押の命令、通知が発送されたとき
・担保の目的物について差押又は競売手続の開始があったとき
・金融機関に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき
・上記のほか、提出する財務状況等に重大な虚偽があるなど、金融機関の債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき
同氏は、オーディオストックの筆頭株主として今後も一定の議決権を保有し、株主共同の利益を追求する方針を有しておりますが、東京証券取引所における売却又はその他の方法により担保対象株式の売却がなされた場合、又はその可能性が顕在化した場合には、オーディオストック株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。また、担保対象株式の売却がなされた場合には、株主構成の変化をもたらし、筆頭株主をはじめとする大株主の構成が大きく変わる可能性があります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオーディオストックが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
オーディオストックが事業を展開するストックミュージック市場は、動画配信市場の成長にあわせて、今後も継続的に拡大することを見込んでおります。これは主に、動画配信市場の成長にあわせて、動画に使用されるBGMや効果音の需要が高まっているためと考えております。また、テクノロジーの発達とスマートフォンなどのモバイル端末の普及により、個人がクリエイターとしてSNS等で発信するなど、法人・個人を問わず幅広いユーザーが高品質かつ多様な種類の音源を求めるようになってきており、今後も市場の拡大余地があると考えております。
一方で、音源の過剰供給による競争激化やユーザーニーズの変化等、ストックミュージック市場においては様々な環境変化が生じる可能性があります。オーディオストックの事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックが事業を展開する著作権等収入に係る市場は、テレビ・ラジオ局などの放送事業収入(注1)を収益基盤として安定的に推移しております。また、事業参入から日も浅いため、同市場におけるオーディオストックのシェアは未だ1.9%に過ぎず、今後更なるシェアの拡大を見込んでおります。
一方で、昨今、インターネットでの動画配信や音楽配信等、コンテンツの多様化が進み、既存メディアの視聴時間の減少等、業界構造は大きく変化しており、今後も様々な環境変化が生じる可能性があります。オーディオストックの事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1 放送事業収入にはYouTubeやTVerなどのインタラクティブ配信に係るものは含まれません。
音源コンテンツには言語の壁がないため、海外大手事業者による日本進出や競合他社による新規参入の可能性があります。
一方で、オーディオストックでは多くの日本人クリエイターに登録いただいており、日本の文化や嗜好など、日本人のニーズにあった音源を多数保有していることや、保有音源数が100万点超(2025年9月時点)となっており、日本国内、とりわけオンライン販売の領域においては一定程度の地位を構築できているものと認識しております。
また、海外の類似サービスによる日本市場への参入や新規参入については、日本人の文化や嗜好にあった音源の提供、日本語でのサポート対応など、日本独自の商慣習への対応が求められることを考慮すると、一定の参入障壁を構築できているものと考えております。
しかしながら、海外大手事業者による本格的な日本進出や、他社の新規参入により競争が激化した場合、オーディオストックの業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックのサービスは、主にオンライン上で取引が実施されるため、インターネット通信環境が整備されていることが不可欠の事業であると考えております。近年、インターネット通信環境は十分に整備され、パソコンやスマートフォンなどのデバイスも広く普及するとともに、今後もスマートデバイスの利用拡大は継続すると見込まれており、オーディオストックサービスを提供するための環境は十分に整備されているものと考えております。
しかしながら、インターネット通信環境の悪化、スマートデバイスの普及の著しい鈍化、不正使用等の弊害の発生など、予期せぬ要因により今後のオーディオストックサービスの拡大を阻害するような状況が生じた場合、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックが事業を展開する音源コンテンツ業界においては、技術革新やユーザー嗜好の変化が速く、市場環境は継続的に変化しております。
オーディオストックとしても、技術進展や顧客ニーズなどに応じたシステムやサービスの拡充等事業戦略の随時見直しの必要があるものと考えており、市場動向を常に注視しておりますが、予期しない技術革新などが起こり、オーディオストックが迅速に対応できなかった場合には、サービスの競争力の低下及び顧客の流出等につながり、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年においては、AI技術を活用した音源生成技術の発展により、テキスト等の入力によって安価かつ大量に音源を生成するサービスが国内外で登場しております。現時点においては、音源生成AIは、著作権侵害リスクや法的責任の所在に関する不確実性が、特に商用利用における一定の制約となっている一方で、オーディオストックは、登録クリエイターの本人確認及び独自の審査体制により権利関係が明確な音源を多数保有していることにより、一定の競争力を確保できていると認識しております。
しかしながら、今後、法制度の整備や社会規範の変化、技術的な権利侵害防止策の進展等により音源生成AIがさらに普及した場合には、ユーザーの離脱や音源需要の減少、価格競争の激化等により市場環境が変化し、オーディオストックの競争力が低下する可能性があります。こうした変化にオーディオストックが十分に対応できなかった場合には、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、インターネット上において音源コンテンツの販売を主力サービスとしているため、オンラインサービスの安定運用のためのシステムの強化、セキュリティ対策に注力しております。
しかしながら、システムの不具合やアクセス集中による一時的に過大な負荷、外部からの不正など、オーディオストックが予期しない事象の発生により、オーディオストックのシステムがダウンした場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックでは、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。音源の品質向上と購入者のニーズにあった音源を提供するクリエイター増加のため、販売状況に応じて報酬率が上昇する報酬体系の採用や表彰制度のほか、クリエイターに向けた各種情報発信などの施策を継続的に実施しております。
しかしながら、オーディオストックが予期しない事象の発生により、優良クリエイターを確保できず、オーディオストックが保有する音源コンテンツのクオリティ水準が低下し、ユーザーニーズに対応できない状況となった場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックでは、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。オーディオストックとしては、利用規約やウェブサイト上で注意喚起を行い、クリエイターの本人確認を徹底し、また審査体制を整えるなど、クリエイターによる不正が生じないよう対策を講じております。
しかしながら、クリエイターが第三者の権利を侵害する音源をオーディオストックのサービスに登録し、オーディオストックがこれを認知することができないままオーディオストックのサービス上で公開した場合、意図せず第三者の権利を侵害してしまう可能性があり、訴訟や風評リスク等、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストック売上高に占める主要取引先の割合は以下のとおりです。
著作権等収入における収益の大半を両社を介して獲得している状況であります。両社とは良好かつ安定的な取引関係を維持できており、現時点において、取引関係に支障をきたす事象は生じておりません。今後も継続的な取引が維持できるものと考えておりますが、何らかの理由により同社との取引関係が継続困難となった場合や取引が大幅に減少する場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、今後は同社への依存度を下げるべく、他の既存取引先との取引拡大や新規取引先の開拓によりリスク低減に努める方針であります。
オーディオストックでは、業務に関連して多数の顧客の個人情報を取り扱っております。これらの個人情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社内規程として個人情報保護規程を制定し、個人情報の取扱いに関する社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。また、2025年2月には、セキュリティの一層の強化のためISMS(注)を取得しております。
しかしながら、不正アクセスやその他の予期せぬ方法により、個人情報の外部流出や不正に悪用されるといった事態が発生した場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) ISMS(ISO/IEC27001)とはスイスのジュネーブに本部を置く非政府機関International Organization for Standardizationが制定した情報セキュリティマネジメントシステムに関する規格であります。
オーディオストックは、今後の事業規模の拡大のために、組織体制の強化に取り組む必要があると認識しております。組織体制強化のため、オーディオストックのコーポレートビジョンに共感する優秀な人材の採用や、育成のため採用候補者に向けた広報活動や社内教育体制の充実など各種施策に取り組んでおります。
しかしながら、オーディオストックの求める人材の採用・育成が十分でない場合や予期せぬ人材の流出があった場合には、日常的な業務運営はもとより、事業拡大に向けた各種施策の推進が困難となるなど、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、事業の維持・拡大のためにコンプライアンス体制の充実が不可欠であると考えており、社内規程としてリスク・コンプライアンス規程を制定するとともに、同規程に基づくリスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内教育の徹底と管理体制の構築による役職員のコンプライアンス意識の醸成と維持・向上を図っております。
しかしながら、オーディオストックが予期しないコンプライアンス上の事象が発生した場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックの創業者であり大株主でもある代表取締役社長西尾周一郎は、オーディオストックの強みである事業の創出やノウハウを蓄積しており、事業の推進において重要な役割を担っております。同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、取締役会や経営会議等の重要な会議体等において、役員及び幹部社員への情報共有や権限移譲を進めたり、幹部人材の育成及び強化を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏がオーディオストックの業務執行ができない事態となった場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは小規模な組織であり、現在の人員構成において最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。オーディオストックは、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、2023年7月に音源ライセンス販売サービス「Audiostock」海外版を開始しております。海外展開にあたっては、現地企業又は現地の情勢、動向に相当の知見を有する外部専門家との連携を図り、また必要な場合は専門人材の拡充検討も含め、適切に対応してまいります。現在は主に北米を中心としたサービス展開をしておりますが、中長期的には、その他の地域への展開も模索しており、各国における政情不安の発生、オーディオストック事業に関連する法規制の成立又は改正等が生じた場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
音源ライセンス販売サービス「Audiostock」のユーザーの多くは、YouTubeなどの動画配信プラットフォームを活用し動画配信を行っております。またオーディオストックは、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信プラットフォームを通じて音楽配信サービスを提供しております。各種サービス提供にあたっては、各プラットフォームの動向を注視するとともに、仕様に沿ったサービス提供に努めておりますが、プラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、大幅な仕様変更などがあり、これに対応できない場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは、継続的かつ安定した収益の確保を目的として、四半期ごとの業績平準化に努めております。しかしながら、著作権等収入のうち、著作隣接権収入に係る業界団体からの分配サイクルは、4月から9月に集中するため、第3四半期(4月~6月)と第4四半期(7月~9月)に売上高が偏る傾向にあります。
オーディオストックとしては、著作隣接権収入について慎重な計画の策定と、定期的な進捗確認を通じた業績管理を実施しておりますが、計画どおりに進捗しない場合には、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年9月期の四半期毎の売上高及び営業利益は、次のとおりです。
オーディオストックは2025年9月期より著作隣接権収入の本格的な計上を開始した結果、著作権等収入が大きく増加しております。著作隣接権収入は、オーディオストックが著作権等管理事業者から利用実績報告を受けた時点で履行義務が充足されることから、当該履行義務を充足した時点で収益を認識しております。その結果、本格分配の初年度であることから、2025年9月期の著作隣接権収入には、通常の報告対象期間以前の放送使用分も分配の対象となり、これに係る売上高91百万円とこれに伴うクリエイター報酬及び著作権等管理手数料39百万円も2025年9月期の収益、費用として認識していることからも、過年度との比較が困難となっております。
また、オーディオストックの著作権等収入は成長途上であり、放送使用状況の把握や収入予測に活用できる十分な過年度データがまだ蓄積されていないため、将来の収入予測には一定の不確実性があります。オーディオストックは主要なテレビ放送局での利用状況をモニタリングできる外部ツールを活用し、可能な限り放送使用動向を把握して予算の精度向上に努めておりますが、テレビ等放送局の放送事業収入の変動の影響等も受ける著作権等収入の特性上、収入が想定どおりに推移しない場合があります。
そのため、過年度の業績推移のみでは、オーディオストックの今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
地震、風水害等の天災や事故、火災、テロ攻撃、戦争等により、システムの予期せぬ停止、設備の損壊、電力供給の制限などの不測の事態が発生した場合には、事業運営及びサービス提供に支障が生じる可能性があり、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。またオーディオストックは、新型コロナウイルス感染症などのパンデミック等に対応するため、積極的なリモートワークの活用により、経常的に業務運営に支障のない体制を整備してまいりました。しかしながら、感染症のまん延が長期化し、経済活動の停滞によって事業環境が悪化した場合、オーディオストック事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックの事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、オーディオストックの瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によってはオーディオストックの社会的信用が低下することに加え、オーディオストックの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年9月末現在において、オーディオストック発行済株式総数4,059,000株のうち、計1,729,000株はベンチャーキャピタルが所有しており、その保有割合は42.6%となっております。一般的に、ベンチャーキャピタルは市場での株式売却によるキャピタルゲインの獲得が株式保有の目的であることから、ベンチャーキャピタルがオーディオストック株式を市場で売却した場合には、オーディオストック株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
オーディオストックは株主利益の最大化を経営上の重要な課題の一つとして認識しておりますが、オーディオストックは現在、成長過程にあるため、事業基盤の整備を優先し、事業の継続的な拡大を行うことが株主価値の最大化に資するとの考えにより、その原資となる資金の確保を優先する方針であるため、内部留保の充実を図り、配当を行っておりません。将来的には利益還元の方策の一つとして配当を行う方針ではありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
オーディオストックは、事業拡大のために人材採用や宣伝広告、開発等の積極的な投資を行ってきたため、第18期事業年度末時点において税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりません。今後、繰越欠損金の繰越控除、又は期限切れによる繰越欠損金の解消により、課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が発生し、オーディオストックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、オーディオストックは将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産を計上しております。当該予測は、策定時点の事業計画における主要な仮定に基づいております。そのため、経営環境の変化等によりこれらの仮定に乖離が生じ、将来の課税所得の見積額が減少した場合には、繰延税金資産の取崩し(評価性引当額の計上)が必要となり、オーディオストックの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
株式上場時の公募増資による調達資金の使途につきましては、オーディオストック及びサービスの認知度向上と新規ユーザー獲得のための効果的な広告宣伝費、優秀な人材を採用するための人件費等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する外部環境やその他の事由により、当初想定していなかった使途への資金充当の可能性や、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定した投資効果が得られない可能性があります。そのため、当初計画に則った資金投下を基本戦略とするものの、経営環境の変化を常に観察し、当初計画に固執することなく、柔軟な資金投下戦略による資本効率の最大化を目指してまいります。
オーディオストックは、役員及び従業員並びに外部協力者のモチベーション向上及び事業貢献のためストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は398,800株であり、発行済株式総数4,059,000株の9.8%となっております。ストック・オプションの付与にあたっては、付与時期の分散等による権利行使可能期間の分散等を図っておりますが、これらのストック・オプションが行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
オーディオストック代表取締役である西尾周一郎は、オーディオストックの経営基盤を安定化させ、より機動的な経営判断を可能とする体制を構築することを目的として、同氏の資産管理会社である株式会社ウエストテイルズ(以下、「資産管理会社」)を通じて、オーディオストックの既存株主よりオーディオストック株式(252,800株。詳細については、後記「第四部 株式公開情報 第1特別利害関係者等の株式等の移動状況」をご参照ください。)を取得いたしました。
当該株式の取得資金として、資産管理会社は株式会社中国銀行(以下、「金融機関」)との間で当座勘定貸越約定書を締結し、借入を行っております。本借入契約等のコベナンツ条項に基づき、オーディオストック株式の上場に伴うロックアップ期間の終了後速やかに、同氏及び資産管理会社が保有するオーディオストック株式の一部について、借入金の担保として質権が設定される予定であります。また、担保提供株式の時価の60%の水準が借入金額を上回るよう質権設定対象となる株式数が定まることから、株価の変動によっては、追加でオーディオストック株式が担保提供される可能性があります。
当該借入契約等において、資産管理会社又は連帯保証人である西尾周一郎について、下記に定めるいずれかの事由が生じた場合には、法定の順序にかかわらず、また被担保債務の期限が到来したかどうかにかかわらず、その債務の弁済に充当するため、担保対象株式の売却が行われる可能性があります。
・破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立があったとき
・手形交換所又は電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき
・支払の停止があったと認められる事実が発生したとき
・預金その他の金融機関に対する債権について仮差押、保全差押、又は差押の命令、通知が発送されたとき
・担保の目的物について差押又は競売手続の開始があったとき
・金融機関に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき
・上記のほか、提出する財務状況等に重大な虚偽があるなど、金融機関の債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき
同氏は、オーディオストックの筆頭株主として今後も一定の議決権を保有し、株主共同の利益を追求する方針を有しておりますが、東京証券取引所における売却又はその他の方法により担保対象株式の売却がなされた場合、又はその可能性が顕在化した場合には、オーディオストック株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。また、担保対象株式の売却がなされた場合には、株主構成の変化をもたらし、筆頭株主をはじめとする大株主の構成が大きく変わる可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー