イワキ(6237)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】イワキグループは、イワキ(株式会社イワキ)、子会社14社及び関連会社5社で構成され、化学薬品等の薬液移送に使用されるケミカルポンプ及びポンプ専用コントローラ等の周辺機器の開発、製造、仕入及び販売(輸出入を含む)を主な事業として営んでおり、また、それに附帯する製品の修理及びアフターサービス並びに設置工事を行っております。なお、イワキグループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。ケミカルポンプは、半導体や液晶をはじめ、化学、電子部品、水処理、食品、製紙、医療及び太陽電池、燃料電池、二次電池等の新エネルギー分野を含む幅広い産業分野で、高純度の薬液の移送等、多岐の用途に亘って使用されております。これらの幅広い産業分野で使用されるケミカルポンプにとっては、「取り扱いに危険を伴う化学薬液を安全に移送する」ことが最大の使命であります。そのため外部に化学薬液が漏れ、人体や環境に甚大な影響を及ぼすことがないよう、ポンプ部には腐食しない樹脂材料を使用し、薬液が漏れ出ない構造を多くの製品に採用しております。また、近年の半導体業界における生産性の飛躍的向上に伴う、「使用する化学薬液の高温化対応」及び「ポンプ接液部から不純物が出ないというハイレベルのクリーン度要求」に応えることも新たな大きな使命であります。その他、純粋な液体及び気体にとどまらず、粘性液やスラリー(固形分)混入液といった特殊液の移送にも使用されることから、実際にイワキグループの製品を使用する顧客からは耐久性、利便性、サニタリー性等、それぞれの基準において厳しい水準が求められます。 イワキグループは、これら全てに対して高いレベルで応えるため、様々な側面から最大限の取り組みを行っているとともに、以下のような特徴を有しております。 (1)技術面イワキグループでは、我々メーカーにとって最も重要なテーマのひとつとして開発業務を位置付けしており、国内全従業員数の約21%にあたる人員を技術・開発部門に配置し、製品の安全性、高品質、耐久性を常に追求し続け、独自の安全機構の開発や、最先端のエレクトロニクス技術を導入した高品位な製品を多数開発しております。また、ケミカルポンプという製品のみを顧客に提供しているのではなく、ケミカルポンプを中心にした関連製品を組み合わせて「流体を制御する」という機能を提供しているという認識の下、各種制御用コントローラ等の研究開発にも積極的に取り組んでおります。 (2)生産面イワキグループの製品ラインアップは60製品以上のシリーズがあり、型式は数万点に上ります。多品種少量生産を強みとする一方で、年間約80万台の生産能力があります。なお、それらの製品は、国内においては大型製品が中心の埼玉工場(埼玉県狭山市)と、小型製品の量産工場である三春工場(福島県田村郡三春町)の2拠点で生産しております(2拠点ともにISO9001及びISO14001を認証取得)。また、海外からの短納期要求等にタイムリー対応するため、一部の海外関係会社では、イワキの国内工場から部品を輸入し、現地にてノックダウン生産(※1)を行っております。この他、連結子会社であるIwaki America Incorporatedにおいて、水処理市場に特化した水質コントローラを生産しております。 (3)品質面イワキグループでは「生産における全ての工程が品質管理のプロセスである」という考えの下、主要な生産拠点である国内2拠点(埼玉工場・三春工場)では、ISO9001に基づく品質保証体制を構築し、調達から生産、出荷までの工程を管理しております。特に検査工程においては、部品入荷の段階から厳格な検査を実施しており、複雑な形状の部品を立体的に測定する三次元測定器、含有化学物質規制に対応するためのX線分析装置等、最新の検査装置をいち早く導入し、高品質な製品を出荷するために、様々な生産システム、業務フローの改善を行い、不良ゼロを目指しております。また、併せてISO14001も認証取得しており、環境への影響に配慮した活動を推進しております。 (4)販売面イワキグループの「取り扱いに危険を伴う化学薬液を安全に移送する」という最大の使命を果たすためには、長年に亘って蓄積された販売ノウハウが不可欠であります。また、多種多様な顧客の要求を確実に捉え、その要求に応えるためには、上記販売ノウハウに基づく顧客との緊密なコミュニケーションが必要になるため、国内全従業員数の約24%にあたる人員を販売に関わる部門に配置し、国内は支店及び営業所併せて13拠点と全国各地に及ぶ販売代理店網でカバーし、顧客に密着したきめ細かな情報とサービスの提供を行っております。一方、海外においては15ヶ国に19社の関係会社を設立し、ワールドワイドな販売・サービス網を構築し、顧客を強力にサポートしております。 (5)メンテナンスサービス面イワキグループでは、メンテナンスサービスを単なる修理サービスという捉え方ではなく「メンテナンスサービスを一つの商品」として位置付けております。製品納入後の履歴管理に基づくオーバーホール(※2)提案の他、製品の取り扱いや運転に関するアドバイスから、それらに対する改善提案等、顧客目線に立った幅広いサービスを提供することにより、顧客の生産性向上に貢献しております。 イワキグループにおける各製品の概要・特徴・主な販売市場は以下のとおりであります。 〔マグネットポンプ〕概 要マグネットドライブ(※3)方式によるシールレスポンプ(※4)で、渦巻式・ギヤ(歯車)式等があります。特 徴液漏れのない完全無漏洩構造のポンプです。フッ素樹脂等耐食性に優れた材料を採用しており、強酸・強アルカリ液でも腐食しないポンプです。主な販売市場半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、水処理市場、化学市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等) 〔定量ポンプ〕概 要ダイヤフラム(膜)やピストン(※5)等の往復動により液体の吸込み、吐出し作用を行うポンプです。特 徴各種の薬液を高精度で一定量注入できるポンプです。主な販売市場半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、水処理市場、化学市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等) 〔空気駆動ポンプ〕概 要空気を駆動源にして作動するポンプで、ベローズ(蛇腹)式・チューブフラム(※6)式があります。特 徴半導体製造プロセス等クリーンな環境で使用される全ての接液部に耐薬品性・耐熱性に優れたフッ素樹脂を採用、強腐食性薬液のケミカルアタック(※7)に耐え、パーティクル(※8)発生の少ない送液を行うポンプです。主な販売市場半導体・液晶市場 〔回転容積ポンプ〕概 要一定空間容積にある液を、回転運動にて容積変化させ液体にエネルギーを与えるポンプで、ギヤ(歯車)式・ロータリー式・スクリュー式・ホース式・チューブ式等があります。特 徴主に粘性液やスラリー(固形分)混入液移送用のポンプです。主な販売市場医療機器市場、水処理市場、化学市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等) 〔エアーポンプ〕概 要空気及び各種ガス等の気体を吸引、移送するポンプで、ダイヤフラム(膜)式・ベローズ(蛇腹)式・ピストン式があります。特 徴カーボン・油等の混入がなく、外部との気密が保たれているのでクリーンな送気・吸気ができる装置組込に最適なポンプです。また、ベローズ(蛇腹)式は腐食性ガス及び高温ガスの取扱いが可能です。主な販売市場医療機器市場、水処理市場、その他(食品、製紙等) 〔システム製品〕概 要ポンプ制御用の機器単品他、ポンプを核とした流体制御システムやユニット製品等で、各種ポンプ制御用コントローラ及びセンサ、各種水質計測機器(残留塩素濃度計・濁度計他)、ブレンディングシステム(※9)、次亜無脈動注入ポンプ&システム(※10)、自動塩素滅菌装置、各種薬液注入ユニット等があります。特 徴長年に亘る多様な流体制御のノウハウを蓄積したポンプメーカーの操作性・制御性等使い勝手の良いシステム・ユニット製品です。主な販売市場半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、水処理市場、化学市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等) イワキグループでは、適切な経営分析に基づく経営判断に役立てるため、販売先の業種及び製品用途に基づいて、販売市場を主に「半導体・液晶市場」、「医療機器市場」、「表面処理装置市場」、「水処理市場」、「化学市場」、「新エネルギー市場」及び「その他」に区分しており、各市場における主な使用例は下表のとおりであります。 半導体・液晶市場シリコンウェハー洗浄装置組込、感光性樹脂塗布装置組込、液晶パネル製造プロセス等医療機器市場人工透析装置組込、内視鏡洗浄装置組込、臨床化学分析装置組込等表面処理装置市場各種メッキ装置組込、電子部品製造プロセス、プリント基板(PCB)製造装置組込等水処理市場上下水道、ボイラー、クーリングタワー、プール、温泉等化学市場ソーダ工業、化学繊維、樹脂、高分子化学、製薬、化粧品等新エネルギー市場燃料電池、二次電池製造プロセス、電力貯蔵用蓄電池組込等その他(食品)各種食品機械装置組込、ビール、飲料、乳製品、調味料、製菓等その他(製紙)化学パルプ製造、古紙再生等 用語集用語説明※1 ノックダウン生産イワキで生産された製品の主要部品を輸入して、現地で組立する方式。※2 オーバーホール製品を部品単位まで分解して清掃や調整等を行い、再組立にて新品時の性能に戻す作業。※3 マグネットドライブ永久磁石の吸引力と反発力を利用して、モーターの回転力をポンプ部に伝達する機構。※4 シールレスポンプ危険な化学薬品等を外部に漏らさない構造的特徴を持ったポンプ。※5 ピストン筒状のシリンダー内を往復して、流体を圧送する円柱形状の部品。※6 チューブフラム伸縮動作により、液体を圧送する薄い肉厚の樹脂製チューブ部品。※7 ケミカルアタック腐食性の強い薬液が樹脂内部に浸透し、ポンプの構成部品に亀裂や割れを発生させる現象。※8 パーティクル半導体の製造工程において、製品の特性・品質・歩留まり等に悪い影響を与える微粒子や塵埃。※9 ブレンディングシステム複数の液体を配管内で連続的に混合する装置システム。マヨネーズやチョコレート等の製造工程に用いられる。※10 次亜無脈動注入ポンプ&システム浄水場等で滅菌のための次亜塩素酸ナトリウムを、安定して注入するためのシステム。 [事業系統図]事業系統図は、次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】イワキグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 (1)経営方針イワキグループは、「常に最前線で産業を支え、社会の発展と人々の幸福に寄与する。」という経営理念のもと、世界中のあらゆる場所でケミカルポンプを中心とした流体制御機器をご利用いただくことで、社会に価値を提供し、暮らしの流れを支えてまいりました。変化の激しいこれからの時代においても、さらに多様化するニーズに応え、世界中のあらゆる場所で、人々の暮らしの流れを支え続けていく企業グループを目指しております。そのため、イワキグループは、「これからの暮らしの流れを支える Aid daily life globally, evolving for future needs.」をありたい姿として掲げております。 その実現を目指す中で、多様なステークホルダーの皆さまと信頼関係を築き、共感を得て、応援される企業グループであり続けたいと考えております。 そのためには、事業の成長を追求するだけでなく、持続可能な社会の実現に向け、環境や社会にも配慮した取り組みを進めてまいります。こうした取り組みを通じて、ステークホルダーの皆さまにとって価値ある存在であり、愛される企業グループを目指して、さらなる努力を続けてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題等①イワキグループビジョンNEXT10イワキグループは、経営理念である「常に最前線で産業を支え、社会の発展と人々の幸福に寄与する。」の実現に向け、2035年3月期におけるイワキグループのありたい姿として、長期ビジョン「イワキグループビジョンNEXT10(以下、NEXT10)」を定めております。イワキグループが提供する製品・サービスは、世界中のあらゆる場所で人々の暮らしの流れを支えているものと自負しております。激しい環境変化の中でも、社会に不可欠な役割を担い続ける企業グループとなることを目指し、NEXT10ではありたい姿と基本方針とを併せて定性目標として設定しております。 ・定性目標ありたい姿これからの暮らしの流れを支えるAid daily life globally, evolving for future needs.基本方針事業活動を通じて世界中の IWAKI ファンを増やし、持続可能な世の中づくりに貢献する。 NEXT10における定量目標は以下のとおり設定しております。その達成に向け、バックキャストに基づき設定した6つの取り組みを重要テーマとして掲げ、これらに継続して取り組んでおります。 ・定量目標(2035年3月期)連結売上高1,000億円連結営業利益率15%以上を維持継続 ・重要テーマ1.海外市場における水処理ニーズへの貢献拡大2.水素をはじめとした次世代エネルギー社会づくりへのチャレンジ3.グローバル製品の企画4.グローバル調達の拡大5.DXによる生産性・働きやすさ向上6.ESG経営の推進 ②中期経営計画2027NEXT10では、2035年3月期までの10年間を、ホップ・ステップ・ジャンプの3つの期間に分けて取り組みを行ってまいります。ホップ期である2026年3月期から2028年3月期までの計画「中期経営計画2027」では、着実な成長と、将来の飛躍に向けた基盤固めを実行することとし、その取り組みを進めてまいります。 ・財務目標 2028年3月期 目標2026年3月期 実績連結売上高530億円476億円 国内売上高235億円225億円 海外売上高295億円251億円連結営業利益69億円59億円連結営業利益率13%12.4%ROE12%以上の維持12.2%在庫回転日数150日164.8日 中期経営計画2027の3年間におけるキャッシュアロケーションは以下見込んでおります。キャッシュイン営業キャッシュフロー外部調達約190億円約30億円キャッシュアウト成長・基盤投資株主還元手元資金約80億円約60億円約80億円 日本経済は、米国の関税政策の影響は残るものの、設備投資は持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかな回復基調で推移しております。一方で、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰や供給不安等により、先行きは不透明な状況が続いております。こうした経営環境の中、2027年3月期は前期に引き続き、「持続可能な成長への基盤づくり」と「マテリアリティの実現」を経営方針とし、着実な成長と将来の飛躍に向けた基盤固めを進めてまいります。 グローバル市場への事業拡大を進めていく中、調達環境の変化や、地政学的リスクの高まり、物流制約などにより、サプライチェーンを取り巻く不確実性は一層増しており、製品の安定供給体制の確保が重要な経営課題となっております。部品調達に大きく依存している状況を踏まえ、安定供給に向けた調達先の多様化や在庫戦略の見直し、生産体制の強化等に取り組んでまいります。また、長期ビジョン及び中期経営計画の実現に向けては、事業領域の拡大や働き方の多様化が進む中、事業拡大を担う人材の確保・育成と、その力を十分に発揮できる環境づくりが喫緊の経営課題となっております。これまで培ってきた強みを大切にしながらも、変化が求められる領域については仕組みの高度化を図るとともに、適切な更新を進め、人材への投資とその価値を引き出す仕組みの整備を通じて、人材基盤の強化を図ることが、イワキグループにとって重要な経営課題であると認識しております。 イワキグループでは、経営理念を実現するための基盤としてサステナビリティ基本方針を定め、それを実現するための重要課題としてマテリアリティを設定しております。サステナビリティ基本方針及びマテリアリティの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】以下において、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しており、イワキグループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、イワキはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、イワキ株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載はイワキ株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。なお、以下の記載事項は、特に断りがない限り、本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は本書提出日現在においてイワキグループが判断したものであります。 (1)変動の大きい市場環境に対するリスクイワキが製造・販売するケミカルポンプは、純度の高い薬液を取り扱う半導体や液晶パネル製造プロセスをはじめ、化学、電子部品、水処理、食品、製紙など幅広い産業分野で使用されております。半導体、液晶パネルを使用する液晶テレビ・パソコン等は市況変動が大きいため、イワキグループの業績はこれらの製品の需要動向や生産設備投資動向などに左右される傾向にあります。また、化学製品についても素材の市況変動により生産量、生産設備投資動向が左右される傾向にあるため、これらの市場環境が悪化した場合、受注の悪化、在庫の滞留などにより、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。イワキグループの強化市場については、市場環境・経済環境の変化やイワキグループの状況なども踏まえ総合的に判断したうえで、適宜見直しを図ってまいります。 (2)国内企業の海外移転等により国内需要が減退した場合のリスクイワキグループが展開するケミカルポンプ事業は、幅広い産業分野に支えられておりますが、収益基盤である国内産業分野の経済状況、統廃合、製造拠点の海外移転等により、需要が長期的に停滞、減少した場合、イワキグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。イワキグループでは、「イワキグループビジョンNEXT10及び中期経営計画2027」の定量目標として掲げております「2028年3月期連結売上高530億円(国内235億円、海外295億円)」にもありますように、海外事業の拡大を進めております。海外売上比率の向上により、国内需要減によるリスクを最小化すべく取り組んでまいります。 (3)海外での事業展開によるリスクイワキグループは、北米、欧州、アジア等において、イワキグループ又はその他の販売代理店を通じ当該地域における事業拡大を進めております。今後、日本国内での大幅な市場拡大が見込まれない中、イワキグループがさらなる成長をするためには、業績の基礎となる日本国内市場を確保しつつ海外市場での事業を拡大することが必要と認識しております。具体的には、先進国における技術者駐在による先進需要の開拓や、需要拡大の著しい新興国における営業技術支援強化による販売の増加を進め、製品開発戦略においては日本に限らず世界各国の市場で通用する製品の開発を推進する方針であります。しかしながら、こうした取組みにもかかわらず、海外市場の変化、海外における競合の状況及び新製品開発の時期等によっては、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、米国の関税政策の動向に依り、同国市場においてイワキ製品の価格競争力の低下のリスクがあり、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の代理店政策においては、原則として一か国に一社の販売代理店を置くこととしており、当該国におけるイワキ製品の販売において代理店同士の競争を避け、各国の顧客ニーズを的確に吸い上げ、イワキとの情報共有を図りやすくしております。加えて地域戦略としては、欧州・米国・東南アジア諸国連合の各重点強化地域で現地関係会社と連携して、市場動向、顧客ニーズを的確に把握し、近接地域での在庫重複の回避等有効な販売展開をしております。しかしながら、この地域戦略が上手く稼働しない場合や当該販売代理店の当該国市場における競争力の低下等が生じた場合、直ちに他の販売代理店への変更ができず、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。イワキグループでは、現地動向の早期把握、営業・技術ノウハウの継承等を行うため日本国内よりスタッフ派遣を実施しており、各種課題対応に取組んでおります。 (4)合弁契約にかかるリスクイワキは、欧州、アジア等の地域において、合弁会社による販売を行っております。イワキは、合弁契約その他の事業関連契約等によりイワキグループの利益の確保に努めていますが、合弁相手を支配下においているわけではないため、合弁相手がイワキグループや合弁事業にとって最良の意思決定をするという保証は無く、それらの契約が解消されるなどの事態が生じた場合には、イワキグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)イワキ商号の使用許可によるリスクイワキは、優位な販売戦略確立のため、イワキの関係会社の他、イワキが出資を行う一部の海外の販売代理店に対し、イワキの商号「イワキ」を使用する権利を契約で付与しており、商号の使用においてはイワキの同意を前提としております。今後、当該販売代理店の悪評又は信用不安等が生じた場合や、商号が同一であることからイワキグループ会社であると誤認された場合には、イワキグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)製品の品質にかかるリスクイワキの製品につきましては、品質管理部門において厳格に管理されておりますが、予期し得ない重大な品質問題が発生する可能性を排除することはできないため、製造物責任賠償保険に加入するなど当該問題発生に際しての備えを強化しております。しかしながら、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、イワキグループに対する評価を著しく低下させ、売上高の減少等によりイワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。イワキグループでは、不具合の撲滅を重点テーマに掲げており、当該対応のためプロジェクト体制を敷き製品品質向上に取組んでおります。 (7)原材料の価格変動リスクイワキ製品にはレアアース含む金属及び樹脂を原材料とした部品が多く使用されており、その仕入価格は市場価格の変動の影響を受けることがあります。原材料素材の需給関係等により原材料価格が上昇した場合、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)競合のリスクイワキグループは、ケミカルポンプにおいて60年以上に亘り開発・製造の実績を積上げ確固たる地位を築いており高品質で耐久性に優れた製品を供給することで競合する新興国製の安価な製品との差別化を図っておりますが、今後競合製品の品質向上等によりイワキ製品の優位性が維持できない場合には、イワキグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。イワキグループでは、基礎研究及びコア技術開発の環境が整備された技術センターの活用により、高度な研究開発を推進してまいります。今後「オンリーワン」製品の開発を進め、競合他社との差別化を図っていくべく取組んでおります。 (9)研究開発におけるリスクイワキグループは、市場要求と顧客ニーズを捉えた製品開発を行うことで、幅広い産業分野における販売拡大に努めておりますが、必ずしも想定した成果を得られる保証はなく、タイムリーに新製品を供給できない場合や顧客が要求する水準を満たすことができない場合、イワキグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)為替変動のリスクイワキグループには、外貨建の売上、仕入、資産、負債があり、連結財務諸表作成のために円換算しています。主な通貨は米ドルとユーロであり、これらの通貨の為替変動がイワキグループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。イワキグループ全体では、外貨建売上が外貨建仕入を上回り、また外貨建資産が外貨建負債を上回るため、これらの通貨に対する円高がイワキグループの業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)金利変動のリスクイワキは、運転資金及び設備資金について主に金融機関からの借入れにより資金調達を行っております。今後の金利動向が上昇局面となった場合、支払利息等の金利負担が増加することで金融収支が悪化し、イワキグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)自然災害発生によるリスクイワキグループの主たる生産工場は、埼玉県狭山市及び福島県田村郡三春町にあります。当該地域での自然災害等によりサプライチェーンの寸断や生産設備に被害を受けた場合、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、イワキグループが事業を展開する地域や販売先企業が拠点を置く地域において自然災害等が発生し、当該地域において直接的な被害が出た場合や、市況が悪化し設備投資意欲が減退した場合、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。イワキグループでは、国内においては東西に物流の補完として外部倉庫を利用しており、これは流通の短縮化だけでなく、災害発生時のリスク分散のためでもあります。また、海外ではノックダウン生産拠点の分散化、仕入先との連携強化を図り、生産管理体制の強化等を行うことにより、リスクの最小化に努めております。 (13)システム関連のリスクイワキは、業務を円滑に行うため、ハードウェア・ソフトウェアの障害防止、コンピュータウイルス等による障害防止のために万全を期しておりますが、システム・サーバダウン、コンピュータハッカーの侵入、ウイルス等による破壊的な影響を受ける場合があり得ます。システムに重大なトラブルが発生した場合には、受注・生産活動に支障が起こりイワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。イワキでは、データセンターの活用、稼働状況の監視、適切な運用管理を行う事により、不具合の迅速な発見、対応に努めております。また、社内規程の整備や情報セキュリティ教育を行う事により、社員のITリテラシー向上を図り、情報漏洩やウイルス感染等のリスクを最小限に抑えられるよう取り組んでおります。 (14)法的規制にかかるリスク①安全保障輸出管理にかかるリスクイワキグループは海外15ヶ国に19社の関係会社を設置し積極的に海外展開を推進しておりますが、海外への製品や部品の輸出あるいは技術の提供を行う際には、外国為替及び外国貿易法とその関連法令に定められた安全保障輸出管理に係る規定を遵守して実施することが求められております。これらに違反した場合、懲役、罰金などの刑罰や輸出禁止の行政制裁などが科せられることが定められており、その対象範囲によっては売上・利益に重大な影響を及ぼす可能性があります。イワキグループでは正確で効率的な安全保障輸出管理体制を維持するとともに、コンプライアンス経営の推進により発生防止に努めております。 ②その他の法的規制にかかるリスクイワキグループは、ケミカルポンプ及びその周辺機器の開発、製造、販売(輸出入を含む)を主な事業としており、また、それに附帯する製品の修理及びアフターサービス並びに設置工事を行っております。このような事業を行うに際して、製造物責任法、独占禁止法、環境・リサイクル関連等の法的規制を受けております。また、事業を展開する海外の各国においては、事業・投資の許可などをはじめ、さまざまな規制の適用を受けております。今後、新たな法令等の制定等規制の動向によっては、イワキグループの事業展開が制約され業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)知的財産権にかかるリスクイワキグループは、競合他社と差別化できる技術を蓄積するべく研究開発を推進しており、イワキグループが保有する技術等については特許権の取得により保護を図っております。しかしながら、イワキグループが保有する知的財産権が第三者に不正に侵害された場合には、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、イワキグループでは製造、販売する製品について他社の知的財産権を侵害することのないようリスク管理に取り組んでおりますが、イワキグループが販売している製品や、今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性は完全には否定することはできません。イワキグループが認識していない特許権等が成立することにより、第三者より損害賠償等の訴訟が起こされる可能性もあります。これらの要因により、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。イワキグループでは、競合メーカーをピックアップし、特許取得状況の調査及び監視を行っております。知的財産権に関する懸念が発生した場合には、都度、弁理士に相談を行っており、侵害の可能性がある場合には、弁理士と協働して、早期解決を目指して行動しております。 (16)買収(M&A)等にかかるリスクイワキグループは、事業拡大のための業務提携や必要に応じて国内外におけるケミカルポンプ及びその周辺事業を買収し、シナジー効果を得て更なる事業拡大を図ることが戦略の一つであると考えております。また、販売拡大、企業ブランド維持のために合弁会社の子会社化または合弁会社との合弁解消等の戦略も検討してまいります。なお、買収を行う際には、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデュー・デリジェンスを行うことによって、極力諸リスクを回避するように努めておりますが、案件の性質上時間的な制約等から十分なデュー・デリジェンスが実施できない場合もあり、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性も否定できません。また、事業展開においてはその性質上、シナジー効果によるイワキグループの事業及び経営成績への影響を確実に予測することは困難であり、事業環境の変化等により計画通りに事業が進展せず、イワキグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に一定の期間を要する又は出来ない可能性があります。イワキグループでは、買収のデュー・デリジェンスの際、必要に応じて外部機関を利用し、対象の企業価値判断の精度を上げ、上記リスクの回避に努めております。また、イワキ関連部署との連携を密にし、シミュレーションを実施し、事業シナジー最大化に努めております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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