イワキグループは、イワキ(株式会社イワキ)、子会社15社及び関連会社5社で構成され、化学薬品等の薬液移送に使用されるケミカルポンプ及びポンプ専用コントローラ等の周辺機器の開発、製造、仕入及び販売(輸出入を含む)を主な事業として営んでおり、また、それに附帯する製品の修理及びアフターサービス並びに設置工事を行っております。
なお、イワキグループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
ケミカルポンプは、半導体や液晶をはじめ、化学、電子部品、水処理、食品、製紙、医療及び太陽電池、燃料電池、二次電池等の新エネルギー分野を含む幅広い産業分野で、高純度の薬液の移送等、多岐の用途に亘って使用されております。
これらの幅広い産業分野で使用されるケミカルポンプにとっては、「取り扱いに危険を伴う化学薬液を安全に移送する」ことが最大の使命であります。そのため外部に化学薬液が漏れ、人体や環境に甚大な影響を及ぼすことがないよう、ポンプ部には腐食しない樹脂材料を使用し、薬液が漏れ出ない構造を多くの製品に採用しております。また、近年の半導体業界における生産性の飛躍的向上に伴う、「使用する化学薬液の高温化対応」及び「ポンプ接液部から不純物が出ないというハイレベルのクリーン度要求」に応えることも新たな大きな使命であります。その他、純粋な液体及び気体にとどまらず、粘性液やスラリー(固形分)混入液といった特殊液の移送にも使用されることから、実際にイワキグループの製品を使用する顧客からは耐久性、利便性、サニタリー性等、それぞれの基準において厳しい水準が求められます。
イワキグループは、これら全てに対して高いレベルで応えるため、様々な側面から最大限の取り組みを行っているとともに、以下のような特徴を有しております。
(1)技術面
イワキグループでは、我々メーカーにとって最も重要なテーマのひとつとして開発業務を位置付けしており、国内全従業員数の約20%にあたる人員を技術・開発部門に配置し、製品の安全性、高品質、耐久性を常に追求し続け、独自の安全機構の開発や、最先端のエレクトロニクス技術を導入した高品位な製品を多数開発しております。また、ケミカルポンプという製品のみを顧客に提供しているのではなく、ケミカルポンプを中心にした関連製品を組み合わせて「流体を制御する」という機能を提供しているという認識の下、各種制御用コントローラ等の研究開発にも積極的に取り組んでおります。
(2)生産面
イワキグループの製品ラインアップは60製品以上のシリーズがあり、型式は数万点に上ります。多品種少量生産を強みとする一方で、年間約80万台の生産能力があります。なお、それらの製品は、国内においては大型製品が中心の埼玉工場(埼玉県狭山市)と、小型製品の量産工場である三春工場(福島県田村郡三春町)の2拠点で生産しております(2拠点ともにISO9001及びISO14001を認証取得)。
また、海外からの短納期要求等にタイムリー対応するため、一部の海外関係会社では、イワキの国内工場から部品を輸入し、現地にてノックダウン生産(※1)を行っております。
この他、連結子会社であるIwaki America Incorporatedにおいて、水処理市場に特化した水質コントローラを生産しております。
(3)品質面
イワキグループでは「生産における全ての工程が品質管理のプロセスである」という考えの下、主要な生産拠点である国内2拠点(埼玉・三春工場)では、ISO9001に基づく品質保証体制を構築し、調達から生産、出荷までの工程を管理しております。特に検査工程においては、部品入荷の段階から厳格な検査を実施しており、複雑な形状の部品を立体的に測定する三次元測定器、含有化学物質規制に対応するためのX線分析装置等、最新の検査装置をいち早く導入し、高品質な製品を出荷するために、様々な生産システム、業務フローの改善を行い、不良ゼロを目指しております。
また、併せてISO14001も認証取得しており、環境への影響に配慮した活動を推進しております。
(4)販売面
イワキグループの「取り扱いに危険を伴う化学薬液を安全に移送する」という最大の使命を果たすためには、長年に亘って蓄積された販売ノウハウが不可欠であります。また、多種多様な顧客の要求を確実に捉え、その要求に応えるためには、上記販売ノウハウに基づく顧客との緊密なコミュニケーションが必要になるため、国内全従業員数の約25%にあたる人員を販売に関わる部門に配置し、国内は支店及び営業所併せて13拠点と全国各地に及ぶ販売代理店網でカバーし、顧客に密着したきめ細かな情報とサービスの提供を行っております。一方、海外においては15ヶ国に20社の関係会社を設立し、ワールドワイドな販売・サービス網を構築し、顧客を強力にサポートしております。
(5)メンテナンスサービス面
イワキグループでは、メンテナンスサービスを単なる修理サービスという捉え方ではなく「メンテナンスサービスを一つの商品」として位置付けております。製品納入後の履歴管理に基づくオーバーホール(※2)提案の他、製品の取り扱いや運転に関するアドバイスから、それらに対する改善提案等、顧客目線に立った幅広いサービスを提供することにより、顧客の生産性向上に貢献しております。
イワキグループにおける各製品の概要・特徴・主な販売市場は以下のとおりであります。
〔マグネットポンプ〕
|
概 要 |
マグネットドライブ(※3)方式によるシールレスポンプ(※4)で、渦巻式・ギヤ(歯車)式等があります。 |
|
特 徴 |
液漏れのない完全無漏洩構造のポンプです。 フッ素樹脂等耐食性に優れた材料を採用しており、強酸・強アルカリ液でも腐食しないポンプです。 |
|
主な販売市場 |
半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、水処理市場、化学市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)。 |
〔定量ポンプ〕
|
概 要 |
ダイヤフラム(膜)やピストン(※5)等の往復動により液体の吸込み、吐出し作用を行うポンプです。 |
|
特 徴 |
各種の薬液を高精度で一定量注入できるポンプです。 |
|
主な販売市場 |
半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、水処理市場、化学市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)。 |
〔空気駆動ポンプ〕
|
概 要 |
空気を駆動源にして作動するポンプで、ベローズ(蛇腹)式・チューブフラム(※6)式があります。 |
|
特 徴 |
半導体製造プロセス等クリーンな環境で使用される全ての接液部に耐薬品性・耐熱性に優れたフッ素樹脂を採用、強腐食性薬液のケミカルアタック(※7)に耐え、パーティクル(※8)発生の少ない送液を行うポンプです。 |
|
主な販売市場 |
半導体・液晶市場。 |
〔回転容積ポンプ〕
|
概 要 |
一定空間容積にある液を、回転運動にて容積変化させ液体にエネルギーを与えるポンプで、ギヤ(歯車)式・ロータリー式・スクリュー式・ホース式・チューブ式等があります。 |
|
特 徴 |
主に粘性液やスラリー(固形分)混入液移送用のポンプです。 |
|
主な販売市場 |
医療機器市場、水処理市場、化学市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)。 |
〔エアーポンプ〕
|
概 要 |
空気及び各種ガス等の気体を吸引、移送するポンプで、ダイヤフラム(膜)式・ベローズ(蛇腹)式・ピストン式があります。 |
|
特 徴 |
カーボン・油等の混入がなく、外部との気密が保たれているのでクリーンな送気・吸気ができる装置組込に最適なポンプです。また、ベローズ(蛇腹)式は腐食性ガス及び高温ガスの取扱いが可能です。 |
|
主な販売市場 |
医療機器市場、水処理市場、その他(食品、製紙等)。 |
〔システム製品〕
|
概 要 |
ポンプ制御用の機器単品他、ポンプを核とした流体制御システムやユニット製品等で、各種ポンプ制御用コントローラ及びセンサ、各種水質計測機器(残留塩素濃度計・濁度計他)、ブレンディングシステム(※9)、次亜無脈動注入ポンプ&システム(※10)、自動塩素滅菌装置、各種薬液注入ユニット等があります。 |
|
特 徴 |
長年に亘る多様な流体制御のノウハウを蓄積したポンプメーカーの操作性・制御性等使い勝手の良いシステム・ユニット製品です。 |
|
主な販売市場 |
半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、水処理市場、化学市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)。 |
イワキグループでは、適切な経営分析に基づく経営判断に役立てるため、販売先の業種及び製品用途に基づいて、販売市場を主に「半導体・液晶市場」、「医療機器市場」、「表面処理装置市場」、「水処理市場」、「化学市場」、「新エネルギー市場」及び「その他」に区分しており、各市場における主な使用例は下表のとおりであります。
|
半導体・液晶市場 |
シリコンウェハー洗浄装置組込、感光性樹脂塗布装置組込、液晶パネル製造プロセス等 |
|
医療機器市場 |
人工透析装置組込、内視鏡洗浄装置組込、臨床化学分析装置組込等 |
|
表面処理装置市場 |
各種メッキ装置組込、電子部品製造プロセス、プリント基板(PCB)製造装置組込等 |
|
水処理市場 |
上下水道、ボイラー、クーリングタワー、プール、温泉等 |
|
化学市場 |
ソーダ工業、化学繊維、樹脂、高分子化学、製薬、化粧品等 |
|
新エネルギー市場 |
燃料電池、二次電池製造プロセス、電力貯蔵用蓄電池組込等 |
|
その他(食品) |
各種食品機械装置組込、ビール、飲料、乳製品、調味料、製菓等 |
|
その他(製紙) |
化学パルプ製造、古紙再生等 |
用語集
|
用語 |
説明 |
|
※1 ノックダウン生産 |
イワキで生産された製品の主要部品を輸入して、現地で組立する方式。 |
|
※2 オーバーホール |
製品を部品単位まで分解して清掃や調整等を行い、再組立にて新品時の性能に戻す作業。 |
|
※3 マグネットドライブ |
永久磁石の吸引力と反発力を利用して、モーターの回転力をポンプ部に伝達する機構。 |
|
※4 シールレスポンプ |
危険な化学薬品等を外部に漏らさない構造的特徴を持ったポンプ。 |
|
※5 ピストン |
筒状のシリンダー内を往復して、流体を圧送する円柱形状の部品。 |
|
※6 チューブフラム |
伸縮動作により、液体を圧送する薄い肉厚の樹脂製チューブ部品。 |
|
※7 ケミカルアタック |
腐食性の強い薬液が樹脂内部に浸透し、ポンプの構成部品に亀裂や割れを発生させる現象。 |
|
※8 パーティクル |
半導体の製造工程において、製品の特性・品質・歩留まり等に悪い影響を与える微粒子や塵埃。 |
|
※9 ブレンディングシステム |
複数の液体を配管内で連続的に混合する装置システム。マヨネーズやチョコレート等の製造工程に用いられる。 |
|
※10 次亜無脈動注入ポンプ&システム |
浄水場等で滅菌のための次亜塩素酸ナトリウムを、安定して注入するためのシステム。 |
[事業系統図]
事業系統図は、次のとおりであります。
イワキグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
(1)開発力の強化
近年の競争が激しい国内外の市場環境に対応するためには、より迅速且つ高度な製品開発が求められております。この課題に対処するため、イワキでは、基礎研究及びコア技術開発の環境が整備された技術センターの活用により、高度な研究開発を推進してまいります。さらに継続して産官学連携共同研究等を推進し「オンリーワン製品」の開発をすすめてまいります。
また、プロダクトアウト製品等の研究開発強化のため、2025年3月期より、従前技術本部内にあった開発部門を分離・独立させ、開発本部を新設いたします。
(2)ソリューションビジネスの再定義
製品開発力の強化とともに刻々と変化する顧客ニーズを的確に捉え、迅速に対応するために、営業とメンテナンスで個々に保有していた顧客情報を統合し、これまでも様々なソリューションを提供してまいりましたが、社内に存在する技術やサービスをまだ完全には活かしきれてはいないものと認識しております。更なる課題解決提案に向け、社内情報を整理するとともに、よりお客様の「かゆいところに手が届く」よう製品・サービスの方向性を明確化し、CS向上に繋げてまいります。これらソリューションビジネスを、より一層強化・推進することにより、競合との差別化を図り、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ってまいります。
(3)海外事業の拡大
更なる海外需要獲得のため、イワキの海外販売網を活用し、顧客ニーズに的確に応えられる体制の強化を図るとともに、海外への製品供給を円滑に行うため海外調達及び生産を推進し、全体的な海外事業の拡大を図ってまいります。更に、イワキグループの持続的発展のためには、グループ全体としてのシナジー創出が求められております。海外子会社の利点を最大限活用し、更なるCS向上に繋げてまいります。
(4)強化市場への優先的な経営資源の投入
事業の継続的な成長のために強化市場への優先的な経営資源の投入は不可欠であると考えております。イワキグループでは、半導体・液晶市場、水処理市場、医療機器市場、新エネルギー市場を強化市場と位置付けており、優先的に経営資源を投入してまいります。強化市場については、市場環境・経済環境の変化やイワキグループの状況なども踏まえ総合的に判断したうえで、適宜見直しを図ってまいります。
(5)サステナビリティの観点を踏まえた次期長期ビジョンの策定
2015年に策定しました「イワキグループ10年ビジョン(以下、10年ビジョン)」は、2025年3月期に最終年度を迎えます。これまで取り組みを進めてきましたCS向上や生産体制の再構築、不具合の撲滅、グループ会社との連携による海外事業の拡大等の結果、10年ビジョン定量目標である、「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」は1年前倒しでの達成となりました。
これまで「常に最前線で産業を支え、社会の発展と人々の幸福に寄与する。」の経営理念のもと、産業界に幅広くケミカルポンプ・流体制御機器を提供し続けることで社会に価値を提供してまいりましたが、変化の激しいこれからの時代においても、社会に価値を提供し続けていく為には、サステナビリティの観点が不可欠となります。10年ビジョン最終年度においては、サステナビリティの観点を踏まえた次期ビジョンの策定・公表に向けた対応を進めてまいります。
「常に最前線で産業を支え、社会の発展と人々の幸福に寄与する。」というイワキの経営理念を実現し、価値ある製品と価値あるサービスを提供する「ソリューションカンパニー」として、世界全市場の顧客から信頼を勝ち取るため、「ありたい姿」「経営姿勢」「行動姿勢」の行動指針を定めて取り組んでおります。
また、イワキグループでは「ポンプという製品をお客様に提供しているのではなく、ポンプという製品を用いて『薬液を移送する』という機能を提供している」という共通認識の下、すべての従業員がお客様との接点であると考え、従業員一人ひとりの能力や意識を高めることに努め、「顧客対応能力の向上」、「企業品質の向上」、「安定的な収益体制の構築」、「コンプライアンス経営の推進」の四つの基本方針を基に、持続的な業績の向上を目指してまいります。
加えて、10年ビジョンの定量目標であります「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」の達成に向け、売上高前年比増加、営業利益率の改善を重要な指標と位置付けております。
当連結会計年度における「売上高」は44,539百万円、前年比6,808百万円増加(前年比18.0%増)、「営業利益率」は、12.3%(前年比6.3ポイント良化)となり、結果、10年ビジョンの定量目標は1年前倒しでの達成となりました。
翌連結会計年度(2025年3月期)の連結業績予想については、海外向けを中心に増収予想ではありますが、調達価格や輸送費の上昇、大型展示会費用の発生などのコスト増を見込んでいることから、「売上高」は47,575百万円、前年比3,036百万円増加(前年比6.8%増)、「営業利益率」は、11.3%(前年比1.0ポイント悪化)と予想しております。
これらの指標は引続き、増加または改善されるように取り組んでまいります。また、株主還元の目標として配当性向30%超を重要な指標としており、当連結会計年度における配当性向は30.6%であります。
以下において、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しており、イワキグループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、イワキはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、イワキ株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載はイワキ株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものでありませんので、この点にご留意ください。
なお、以下の記載事項は、特に断りがない限り、本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は本書提出日現在においてイワキグループが判断したものであります。
(1)変動の大きい市場環境に対するリスク
イワキが製造・販売するケミカルポンプは、純度の高い薬液を取り扱う半導体や液晶パネル製造プロセスをはじめ、化学、電子部品、水処理、食品、製紙など幅広い産業分野で使用されております。半導体、液晶パネルを使用する液晶テレビ・パソコン等は市況変動が大きいため、イワキグループの業績はこれらの製品の需要動向や生産設備投資動向などに左右される傾向にあります。また、化学製品についても素材の市況変動により生産量、生産設備投資動向が左右される傾向にあるため、これらの市場環境が悪化した場合、受注の悪化、在庫の滞留などにより、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イワキグループの強化市場については、市場環境・経済環境の変化やイワキグループの状況なども踏まえ総合的に判断したうえで、適宜見直しを図ってまいります。
(2)国内企業の海外移転等により国内需要が減退した場合のリスク
イワキグループが展開するケミカルポンプ事業は、幅広い産業分野に支えられておりますが、収益基盤である国内産業分野の経済状況、統廃合、製造拠点の海外移転等により、需要が長期的に停滞、減少した場合、イワキグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
イワキグループでは、「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標として掲げております「2025年3月期連結売上高400億円(国内200億円、海外200億円)」にもありますように、海外事業の拡大を進めております。海外売上比率の向上により、国内需要減によるリスクを最小化すべく取り組んでまいります。
(3)海外での事業展開によるリスク
イワキグループは、北米、欧州、アジア等において、イワキグループ又はその他の販売代理店を通じ当該地域における事業拡大を進めております。今後、日本国内での大幅な市場拡大が見込まれない中、イワキグループがさらなる成長をするためには、業績の基礎となる日本国内市場を確保しつつ海外市場での事業を拡大することが必要と認識しております。具体的には、先進国における技術者駐在による先進需要の開拓や、需要拡大の著しい新興国における営業技術支援強化による販売の増加を進め、製品開発戦略においては日本に限らず世界各国の市場で通用する製品の開発を推進する方針であります。しかしながら、こうした取組みにもかかわらず、海外市場の変化、海外における競合の状況及び新製品開発の時期等によっては、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外の代理店政策においては、原則として一か国に一社の販売代理店を置くこととしており、当該国におけるイワキ製品の販売において代理店同士の競争を避け、各国の顧客ニーズを的確に吸い上げ、イワキとの情報共有を図りやすくしております。加えて地域戦略としては、欧州・米国・アセアンの各重点強化地域で現地関係会社と連携して、市場動向、顧客ニーズを的確に把握し、近接地域での在庫重複の回避等有効な販売展開をしております。しかしながら、この地域戦略が上手く稼働しない場合や当該販売代理店の当該国市場における競争力の低下等が生じた場合、直ちに他の販売代理店への変更ができず、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イワキグループでは、現地動向の早期把握、営業・技術ノウハウの継承等を行うため日本国内よりスタッフ派遣を実施しており、各種課題対応に取組んでおります。
(4)合弁契約にかかるリスク
イワキは、欧州、アジア等の地域において、合弁会社による販売を行っております。イワキは、合弁契約その他の事業関連契約等によりイワキグループの利益の確保に努めていますが、合弁相手を支配下においているわけではないため、合弁相手がイワキグループや合弁事業にとって最良の意思決定をするという保証は無く、それらの契約が解消されるなどの事態が生じた場合には、イワキグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)イワキ商号の使用許可によるリスク
イワキは、優位な販売戦略確立のため、イワキの関係会社の他、イワキが出資を行う一部の海外の販売代理店に対し、イワキの商号「イワキ」を使用する権利を契約で付与しており、商号の使用においてはイワキの同意を前提としております。今後、当該販売代理店の悪評又は信用不安等が生じた場合や、商号が同一であることからイワキグループ会社であると誤認された場合には、イワキグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)製品の品質にかかるリスク
イワキの製品につきましては、品質管理部門において厳格に管理されておりますが、予期し得ない重大な品質問題が発生する可能性を排除することはできないため、製造物責任賠償保険に加入するなど当該問題発生に際しての備えを強化しております。しかしながら、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、イワキグループに対する評価を著しく低下させ、売上高の減少等によりイワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イワキグループでは、不具合の撲滅を重点テーマに掲げており、当該対応のためプロジェクト体制を敷き製品品質向上に取組んでおります。
(7)原材料の価格変動リスク
イワキ製品には金属及び樹脂を原材料とした部品が多く使用されており、その仕入価格は市場価格の変動の影響を受けることがあります。原材料素材の需給関係等により原材料価格が上昇した場合、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)競合のリスク
イワキグループは、ケミカルポンプにおいて60年以上に亘り開発・製造の実績を積上げ確固たる地位を築いており高品質で耐久性に優れた製品を供給することで競合する新興国製の安価な製品との差別化を図っておりますが、今後競合製品の品質向上等によりイワキ製品の優位性が維持できない場合には、イワキグループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
イワキグループでは、基礎研究及びコア技術開発の環境が整備された技術センターの活用により、高度な研究開発を推進してまいります。今後「オンリーワン」製品の開発を進め、競合他社との差別化を図っていくべく取組んでおります。
(9)研究開発におけるリスク
イワキグループは、市場要求と顧客ニーズを捉えた製品開発を行うことで、幅広い産業分野における販売拡大に努めておりますが、必ずしも想定した成果を得られる保証はなく、タイムリーに新製品を供給できない場合や顧客が要求する水準を満たすことができない場合、イワキグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)為替変動のリスク
イワキグループには、外貨建の売上、仕入、資産、負債があり、連結財務諸表作成のために円換算しています。主な通貨は米ドルとユーロであり、これらの通貨の為替変動がイワキグループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。イワキグループ全体では、外貨建売上が外貨建仕入を上回り、また外貨建資産が外貨建負債を上回るため、これらの通貨に対する円高がイワキグループの業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)金利変動のリスク
イワキは、運転資金及び設備資金について主に金融機関からの借入れにより資金調達を行っております。今後の金利動向が上昇局面となった場合、支払利息等の金利負担が増加することで金融収支が悪化し、イワキグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害発生によるリスク
イワキグループの主たる生産工場は、埼玉県狭山市及び福島県田村郡三春町にあります。当該地域での自然災害等によりサプライチェーンの寸断や生産設備に被害を受けた場合、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、イワキグループが事業を展開する地域や販売先企業が拠点を置く地域において自然災害等が発生し、当該地域において直接的な被害が出た場合や、市況が悪化し設備投資意欲が減退した場合、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イワキグループでは、国内においては東西に物流の補完として外部倉庫を利用しており、これは流通の短縮化だけでなく、災害発生時のリスク分散のためでもあります。また、海外ではノックダウン生産拠点の分散化、仕入先との連携強化を図り、生産管理体制の強化等を行うことにより、リスクの最小化に努めております。
(13)システム関連のリスク
イワキは、業務を円滑に行うため、ハードウェア・ソフトウェアの障害防止、コンピュータウイルス等による障害防止のために万全を期しておりますが、システム・サーバーダウン、コンピュータハッカーの侵入、ウイルス等による破壊的な影響を受ける場合があり得ます。システムに重大なトラブルが発生した場合には、受注・生産活動に支障が起こりイワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イワキでは、データセンターの活用、稼働状況の監視、適切な運用管理を行う事により、不具合の迅速な発見、対応に努めております。また、社内規程の整備や情報セキュリティ教育を行う事により、社員のITリテラシー向上を図り、情報漏洩やウイルス感染等のリスクを最小限に抑えられるよう取り組んでおります。
(14)法的規制にかかるリスク
①安全保障輸出管理にかかるリスク
イワキグループは海外15ヶ国に21社の関係会社を設置し積極的に海外展開を推進しておりますが、海外への製品や部品の輸出あるいは技術の提供を行う際には、外国為替及び外国貿易法とその関連法令に定められた安全保障輸出管理に係る規定を遵守して実施することが求められております。これらに違反した場合、懲役、罰金などの刑罰や輸出禁止の行政制裁などが科せられることが定められており、その対象範囲によっては売上・利益に重大な影響を及ぼす可能性があります。
イワキグループでは正確で効率的な安全保障輸出管理体制を維持するとともに、コンプライアンス経営の推進により発生防止に努めております。
②その他の法的規制にかかるリスク
イワキグループは、ケミカルポンプ及びその周辺機器の開発、製造、販売(輸出入を含む)を主な事業としており、また、それに附帯する製品の修理及びアフターサービス並びに設置工事を行っております。このような事業を行うに際して、製造物責任法、独占禁止法、環境・リサイクル関連等の法的規制を受けております。また、事業を展開する海外の各国においては、事業・投資の許可などをはじめ、さまざまな規制の適用を受けております。今後、新たな法令等の制定等規制の動向によっては、イワキグループの事業展開が制約され業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)知的財産権にかかるリスク
イワキグループは、競合他社と差別化できる技術を蓄積するべく研究開発を推進しており、イワキグループが保有する技術等については特許権の取得により保護を図っております。しかしながら、イワキグループが保有する知的財産権が第三者に不正に侵害された場合には、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、イワキグループでは製造、販売する製品について他社の知的財産権を侵害することのないようリスク管理に取り組んでおりますが、イワキグループが販売している製品や、今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性は完全には否定することはできません。イワキグループが認識していない特許権等が成立することにより、第三者より損害賠償等の訴訟が起こされる可能性もあります。これらの要因により、イワキグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イワキグループでは、競合メーカーをピックアップし、特許取得状況の調査及び監視を行っております。知的財産権に関する懸念が発生した場合には、都度、弁理士に相談を行っており、侵害の可能性がある場合には、弁理士と協働して、早期解決を目指して行動しております。
(16)買収(M&A)等にかかるリスク
イワキグループは、事業拡大のための業務提携や必要に応じて国内外におけるケミカルポンプ及びその周辺事業を買収し、シナジー効果を得て更なる事業拡大を図ることが重要戦略の一つであると長期ビジョン及び中期経営計画等で位置付けております。
また、販売拡大、企業ブランド維持のために合弁会社の子会社化または合弁会社との合弁解消等の戦略も検討してまいります。なお、買収を行う際には、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデュー・デリジェンスを行うことによって、極力諸リスクを回避するように努めておりますが、案件の性質上時間的な制約等から十分なデュー・デリジェンスが実施できない場合もあり、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性も否定できません。また、事業展開においてはその性質上、シナジー効果によるイワキグループの事業及び経営成績への影響を確実に予測することは困難であり、事業環境の変化等により計画通りに事業が進展せず、イワキグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に一定の期間を要する又は出来ない可能性があります。
イワキグループでは、買収のデュー・デリジェンスの際、必要に応じて外部機関を利用し、対象の企業価値判断の精度を上げ、上記リスクの回避に努めております。また、イワキ関連部署との連携を密にし、シミュレーションを実施し、事業シナジー最大化に努めております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー