野村マイクロ・サイエンスグループ(野村マイクロ・サイエンス及び野村マイクロ・サイエンスの関係会社)は、野村マイクロ・サイエンス(野村マイクロ・サイエンス株式会社)及び連結子会社6社により構成されており、超純水(注)製造装置の設計・施工・販売とそのメンテナンス並びに消耗品の販売を主要な事業としております。
野村マイクロ・サイエンスグループの事業内容及び野村マイクロ・サイエンスと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、全セグメントの売上高合計、営業損益及び資産の金額の合計額に占める「水処理装置事業」の割合がいずれも90%を超えているため、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」では製品及びサービスごとに区分しておりません。
(注)超純水とは、水中に溶解しているイオン類、有機物、生菌、微粒子等を含まない極めて純度の高い水のことであります。半導体の製造過程では洗浄工程に必須であり、使用される水の純度は歩留りに影響するため、水中に溶解している不純物を徹底的に除去した超純水が必要となります。
(1)水処理装置事業
野村マイクロ・サイエンスグループは、水処理装置事業を主要な事業として、半導体、FPD(フラットパネルディスプレイ)及び製薬向け超純水製造装置を中心に、超純水分野で培った技術を応用した各種用途向けの水処理装置の設計・施工・販売のほか、納入した装置のメンテナンス並びに装置に付帯するカートリッジフィルター、イオン交換樹脂等各種消耗品の販売、水質分析の受託等を行っております。
また、野村マイクロ・サイエンスグループは、半導体製造技術の高度化・微細化に伴う要求に応えるべく、原水中の不純物を除去する前処理から超純水製造工程までを一貫して構築するとともに、環境負荷を軽減し、限られた水資源の有効利用に資する排水・回収処理装置を提供しております。
これらは、野村マイクロ・サイエンスが国内ユーザー及び海外ユーザーに販売しているほか、連結子会社5社を通じて、韓国、中国、台湾、米国、その他の地域の各ユーザーに対し、それぞれ販売等を行っております。
また、株式会社野村マイクロ・サイエンス コリアは、研究開発機能を有しており、海外の有力ユーザーにより近い場所で研究開発体制を構築し、ユーザーから求められる研究課題の解決を図るとともに、野村マイクロ・サイエンスグループの技術力向上と併せコストダウンに資する提案を行っております。
加えて、ユーザーの設備投資の負担軽減ニーズに対しては、野村マイクロ・サイエンスが設備を保有し、超純水を提供するBOOM(ブーム、注)契約で対応することもあり、この契約も水処理装置事業に含まれております。
(注)Build Own Operate and Maintenanceの略であります。BOOM契約とは、野村マイクロ・サイエンスがユーザーに超純水装置を提供し、ユーザーが使用した超純水の使用料を支払う契約であり、装置の運転管理・メンテナンスは全て野村マイクロ・サイエンスが行っております。
なお、最先端デバイスの各製造工程で超純水を使用するケースは、次のとおりであります。
◎ 最先端デバイスの製造工程例
◎ 超純水製造工程の概要
◎ 超純水製造装置の構成
① 前処理装置
原水中の懸濁物質の除去を行い、一次純水装置に低濁質の水を安定供給するものであり、凝集沈殿装置、ろ過塔、膜前処理装置等が主要構成機器となります。
② 一次純水装置
前処理水に含まれる不純物の除去を行い、高純度な純水に処理する装置であり、活性炭塔、イオン交換樹脂塔、逆浸透装置、電気再生式イオン交換装置、有機物分解装置、脱ガス装置等が主要構成機器となります。
③ 二次純水装置
一次純水に含まれる不純物をさらに除去し、要求されている超純水水質まで高める装置であり、有機物分解装置、非再生型イオン交換樹脂塔、限外ろ過装置等が主要構成機器となります。
(2)その他の事業
野村マイクロ・サイエンス及びアグループラスチック株式会社は、その他の事業として、国内ユーザー及び海外ユーザーに対し高純度薬品・配管材料等の販売を行っております。高純度薬品は超純水製造装置を構成する各種装置の安定化運転等に資するものであり、配管材料は主に超純水供給をはじめ化学薬品、上下水及びガス等の移送に供するものであります。
[事業系統図]
以上の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
野村マイクロ・サイエンスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において野村マイクロ・サイエンスグループが判断したものであります。
(1)経営理念
野村マイクロ・サイエンスグループは、
①常に研究開発に励み、独自の技術を駆使することによって社会と環境に貢献し、顧客とともに栄える会社
②誠意(信)と協調(和)を基本とし、各自の個性を尊重し合いながら、全力を発揮出来る楽しい会社
③国際的視野にたち、自らの向上にチャレンジするインテリジェントな会社
④いたずらにスケールメリットを求めず、適正利潤により全社員の生活向上と、福祉の充実を図れる会社
を経営理念とし、企業ニーズに最適な水処理ソリューションを提供してまいります。
(2)経営戦略及び優先的に対処すべき課題
野村マイクロ・サイエンスグループは、2023年11月に新中期経営計画TTT-26(Together Toward Transformation-26)を発表し、下記の経営ビジョンを掲げました。
・アジアを中心とした半導体・製薬工場向け超純水製造装置の卓越した会社を目指す
・高度な技術とサービスを顧客に提供し、ベストパートナーとして共に経済的価値と同時に社会的価値を創造するサステナビリティ経営を実行する会社を目指す
この経営ビジョンを実現させるために、野村マイクロ・サイエンスグループは「営業力の強化」、「エンジニアリングプロセスの改革」、「研究開発 SMART UP3の加速」、「人的資本強化」、「環境問題への取組み」を推進してまいります。
「営業力の強化」については、野村マイクロ・サイエンスグループの主要ドメインである半導体・製薬関連各社へのアプローチ強化を図るため、営業本部組織をドメインごとの組織に再編いたしました。
「エンジニアリングプロセスの改革」については、前中期経営計画から取り組んでいるエンジニアリング体制の強化を一層推進させ、設計・施工の社内リソースの集中化並びに業務細分化等により、さらなる効率化、コスト削減、業務キャパシティの拡大を図ってまいります。
「研究開発 SMART UP3の加速」については、超純水の純度、分析感度および環境貢献の3項目をそれぞれ向上させてまいります。高精度の分析技術の開発や不純物発生要因の研究、次世代半導体向けの超純水製造装置の開発などのために、新たな研究・開発施設の建設計画を具体化させるとともに、従来から取り組んでいる民間企業・大学等との共同研究にも一層注力してまいります。
「人的資本強化」については、エンジニアおよび研究開発人員を中心に採用活動に力を入れており、2024年度は17名の新卒者を採用するとともに、メンター制度や大学研究機関への派遣研修制度を含め教育研修制度の一層の充実を図り、技術革新の基礎を担う人材の育成を図ってまいります。
「環境問題への取組み」については、顧客の高度化する要求水質を満たしつつ、環境負荷が低く省エネルギーに資する水処理装置や、排水再利用システムの提案など、新規納入した超純水製造装置の温室効果ガス排出量削減目標の達成に取り組んでおり、野村マイクロ・サイエンスグループの事業活動により排出する温室効果ガスの削減目標達成への取組みと併せてサステナビリティ経営の実現を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、野村マイクロ・サイエンスグループが判断したものであります。
(1)特定業種・顧客への依存
野村マイクロ・サイエンスグループの主力事業である水処理装置事業は、電子部品関連、特に半導体市場が主要マーケットとなっておりますが、半導体用途の拡大、微細化、高集積化を背景に設備投資規模・投資件数が拡大する等、野村マイクロ・サイエンスグループ業績拡大の要因である反面、主要顧客の投資動向による需要の変動が避けられない状況にあります。したがいまして、予期せぬ市場変動等によって顧客の設備投資計画の延期・凍結等があった場合には野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループはこのような市場変動に対応するため、顧客の投資動向等に関する情報収集に努めております。また中期的な成長戦略として、半導体をはじめとする電子産業のほか、国内を中心とした製薬関連分野の成長加速に注力するとともに、メンテナンス及び消耗品受注を促進し、安定収益の確保に努めております。
(2)海外事業
野村マイクロ・サイエンスグループはアジアを中心に各国・各地域で事業を展開しており、海外売上高比率は概ね70%となっております。今後もアジアを中心とした海外市場での競争力強化と受注拡大に注力していく方針ですが、海外市場においては、政治・経済の混乱、社会情勢の変化、予期せぬ法令・規制の変更等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、近年では米中貿易摩擦による輸出入規制の強化、ロシア・ウクライナ情勢、台湾情勢等の地政学リスク等が高まりつつあります。
野村マイクロ・サイエンスグループでは、事業展開している地域の情報収集を海外拠点とともに積極的に実施し現状把握に努めるとともに、法令・規制の変更等については現地の弁護士、会計士等へ随時確認を行う等、国際情勢や規制の影響を受けにくい運営体制の構築を推進しております。
(3)サプライチェーン
野村マイクロ・サイエンスグループは機器等資材の外部調達に加え、装置の据付については協力業者等へ外部委託しております。そのため、地震、水害等の自然災害、テロ、感染症等の不可抗力による被害・事故等が生じた場合、機器等がタイムリーに供給されない可能性があるとともに、製品供給元や協力業者の事業展開、稼働状況、人員不足等の状況により資材価格の高騰、納期の長期化等が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合には、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、経済環境の変化、為替変動等により原材料価格やエネルギー価格が高騰し、資材価格や工事費の上昇等が発生した場合も、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を与える可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループは、厳格な原価管理のもと、資材複数購買実施による調達品の確保、納期長期化が予想される機器等についての在庫化、予想発注等による納期対応・コストダウン等を実施するとともに、協力会社と需給情報を共有する等外部ネットワークとの強化を図っております。また顧客とは販売価格の交渉を継続し、販売価格への転嫁に努めております。
(4)品質
野村マイクロ・サイエンスグループは顧客工場内に設置する水処理装置の品質向上に日々取り組んでおりますが、顧客要求の高度化・短納期化、設備の複雑化が進み、設計及び施工の難度がますます高まっております。そのため、設備の設計・製作・施工については品質管理のルールを制定し、関連法規の遵守・最新基準への適合及び外部購入品の品質管理を進めております。野村マイクロ・サイエンスグループが提供している製品・サービスに不具合・瑕疵等が発生した場合には、不具合対応費用や損害賠償責任の発生、野村マイクロ・サイエンスグループに対する信頼性の低下等、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループはISO9001に基づく品質マネジメントを構築し、顧客との商談時より技術検討会を実施し、品質リスクの抽出と把握を進めるとともに、設計時のデザインレビュー、主要なサプライヤーの品質監査、施工進捗に合わせた各種検査及び試運転による最終性能試験の実施等、各プロセスにおける品質確認を実施しております。また、重大な瑕疵と発生の抑制に向けて、全社的な品質管理体制の強化と各部門間で知見・ノウハウを共有する横断的仕組みの導入・改善を進めております。製品・サービスの不具合・トラブル、クレーム等が発生した場合には、迅速な是正対応とともに発生原因の究明を実施し、再発防止の徹底に努めております。
(5)人材確保
野村マイクロ・サイエンスグループが持続的成長を実現するためには、継続的に優秀な人材を確保していくことが重要となります。したがいまして人材を計画通りに採用、育成ができない場合、また優秀な人材が離職した場合には長期的に開発力、生産能力、競争力の低下を招き、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループは、マネジメント強化に向けた社内研修体制の構築等による人材育成とともに、長時間労働・各種ハラスメントの防止を含めた労働環境の継続的な改善に取り組んでおります。また、国籍・性別問わず優秀な人材を採用・育成しダイバーシティを推進してまいります。
(6)為替
野村マイクロ・サイエンスグループの連結財務諸表は、各海外子会社の現地通貨財務諸表を円換算し反映させておりますが、為替レートの変動により野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国内法人については極力円建てでの受注交渉を行っておりますが、顧客要請により外貨建て取引も存在しており、急激な為替変動が生じた場合、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループは為替動向を注視しつつ、必要に応じて為替予約等を実施し、為替変動リスク低減に努めております。
(7)研究開発
野村マイクロ・サイエンスグループでは、最先端分野からの要求より“さらに先”を行く超純水製造装置開発と分析技術の確立を目指し、中期経営計画においても「SMART UP3の加速」と題して様々な研究に取り組んでおります。しかしながら競合他社による新技術の先行投入、技術革新や顧客ニーズの変化等に追随できない場合、野村マイクロ・サイエンスグループの技術の陳腐化とともに製品競争力が低下し、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループでは、顧客ニーズや技術トレンドの情報収集・分析に加え、民間企業・大学等との共同研究に積極的に取り組み、省エネ型超純水システム等新製品の開発並びに超純水製造装置以外の製品等の市場投入を図ってまいります。
(8)知的財産権
野村マイクロ・サイエンスグループは、特許権をはじめとする知的財産権の重要性を強く認識しており、野村マイクロ・サイエンスグループ独自の技術及び研究成果については必要に応じて知的財産権の出願を行い、権利保護に努めております。しかしながら、野村マイクロ・サイエンスグループの知的財産権が侵害される場合や意図せず第三者が有する知的財産権を侵害してしまう場合には、その対応費用や損害賠償責任の発生等、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループでは、新製品開発等に関して国内及び海外の各種データベースや文献調査等により知的財産権の調査を確実に行う調査体制を充実させ、特許侵害の防止と訴訟問題・クレームの排除に努めております。
(9)コンプライアンス
野村マイクロ・サイエンスグループは事業展開する各国・各地域において、法令、規制等を遵守しておりますが、予期せぬ法令改正等により意図せず法令に抵触したと判断された場合、また規制等に適切に対応できなかった場合には社会的信用の低下、課徴金や損害賠償金の発生、各種対応費用の発生等、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループは、代表取締役社長執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、野村マイクロ・サイエンスグループの事業活動におけるコンプライアンスの状況を定期的にモニタリングすることを通してコンプライアンス体制の更なる整備及び維持を図ってまいります。また内部統制システムの構築、維持、向上を推進するために、社内教育等を継続実施するとともに、法令違反や規程・倫理違反行為の早期是正のため、グループ共通の内部通報制度を導入し、迅速な対応に努めております。
(10)自然災害・事故等
野村マイクロ・サイエンスグループの事業拠点あるいは仕掛中の現場周辺において、大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せず事故等が発生した場合、これらの施設に物理的に障害が生じる等、野村マイクロ・サイエンスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループは、大規模自然災害の発生に備え、人命保護を最優先とした初動対応マニュアルを策定するとともに、資産保護並びに事業・業務の継続を目的とした事業継続計画を策定しており、当該マニュアル及び計画に基づき災害時における対応を行うこととしております。また、社員安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じ、災害時等の事業への影響を最小限とするよう努めております。
(11)貸倒引当金
野村マイクロ・サイエンスグループは、債権の貸倒れに備えるために与信管理を徹底する一方、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能額を引当計上しておりますが、想定以上の貸倒れが発生した場合、損失により野村マイクロ・サイエンスグループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
野村マイクロ・サイエンスグループは、外部信用機関の活用、顧客財務状況の定期的なモニタリング等による与信管理を徹底し貸倒れリスク回避に努めております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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