当企業集団(ダイキン工業及びダイキン工業の関係会社)が営んでいる主な事業は、空調・冷凍機、化学、油機及び特機製品の製造(工事施工を含む)、販売であり、連結財務諸表提出会社(以下、「ダイキン工業」という。)はそれら全事業の製造、販売を行っております。関係会社は各社が、空調・冷凍機、化学、油機及び特機製品の製造、販売の一部を行っており、その事業概要は次のとおりであります。
(1) 空調・冷凍機事業
(2) 化学事業
(3) その他事業
上記の、当企業集団の事業を概要図で示すと次頁のとおりであります。
企業集団の概要図
(当企業集団の概要図)
当企業集団の主要な事業内容と連結子会社350社(国内31社、海外319社)及び持分法適用会社14社(国内5社、海外9社)の概要図は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、ダイキン工業グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
ダイキン工業グループは、2024年の創業100周年の節目に、改めてダイキン工業グループの強みを再整理し、継承・浸透させていくこと、ダイキン工業グループに対する社会やステークホルダーの期待や要請に真摯に応えていくことを目的として、2002年に定めた「グループ経営理念」を見直しました。
ダイキン工業グループの使命・責任は、世界中の人に快適と安心を提供し続けることであり、経営の基本となる考え方を示す「グループ経営理念」の下、さまざまな社会課題の解決・地球環境への対応に積極的に取り組むとともに、高品質のプロダクト、素材、サービス、ソリューション、独自の技術革新の追求を通じて、お客様や社会に新たな価値を提供し続けることで、企業価値を高めてまいります。
また、高い倫理性と公正な競争をベースとした企業活動を推進し、タイムリーで透明性のある情報開示と説明責任の遂行、地域社会への積極的貢献、ビジネスパートナーとの相互成長などをグループ共通の行動指針として徹底して実行するとともに、働く人の意欲と納得性を引き出し、一人ひとりの力を組織の力へと高めていくという「人を基軸におく経営」の実践、侃々諤々の議論をベースにした「フラット&スピードの組織運営」の徹底、一人ひとりの個性を活かす「ダイバーシティ経営」の推進など、ダイキン工業の良き伝統に一層の磨きをかけることで、グローバルグループとして進化し続け、持続可能で豊かな未来を切り拓いてまいります。
(2)目標とする経営指標
企業価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置づけ、FCF(フリーキャッシュフロー)、ROIC(投下資本利益率)、ROA(総資本利益率)、ROE(株主資本利益率)など「率の経営」指標を経営管理の重要指標として、積極的な事業展開と経営体質の強化を推進しております。特に企業価値の源泉であり、同時に全ての管理指標を向上させる総合指標としてFCFを最重視し、収益の増加、投資効率向上策にあわせて、売上債権及び在庫の徹底圧縮など運転資本面からもキャッシュフローを創出すべく取り組んでまいります。
(3)中期的な会社の経営戦略
ダイキン工業グループでは、2023年に、2025年を最終年度とする戦略経営計画「FUSION25」の後半3ヵ年計画(2023~2025年度)を策定し、実行を開始しました。成長戦略3テーマ「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」をはじめ、「FUSION25」策定当初から掲げる重点戦略9テーマに「インドの一大拠点化」「高機能・環境材料事業」を新たに加え、重点戦略11テーマの施策展開を進めることで、経済価値・環境価値・社会価値の創出に取り組んでおります。
(4)企業集団の対処すべき課題
今後の世界経済は、ゆるやかに回復していく見通しです。欧米ではインフレ鈍化と利下げへの転換を背景に個人消費が回復、欧米経済の持ち直しによりアジア・新興国経済は上向くと見込まれます。
ダイキン工業グループは、2024年10月に創業100周年を迎えます。大きな節目に当たる本年を次の飛躍に向けたスタートと位置付け、本年のグループ年頭方針を「築いた強みと新たな挑戦で、次の100年を切り拓こう」と定めました。
また、2024年度は、「FUSION25」の最終年度につながる非常に重要な年度であり、後半3ヵ年計画で掲げた重点戦略11テーマの施策展開を加速させることで、経済価値・環境価値・社会価値を高めてまいります。
併せて、2024年度の業績目標の達成に向けて、全社収益構造と利益率の改善・向上に取り組むとともに、グループ総合力を結集したグローバル横断での成果創出を推進してまいります。具体的なテーマは以下のとおりです。
(全社収益構造と利益率の改善・向上に向けたテーマ)
・差別化新商品の投入、機器単体売りからシステム販売への転換などによる、販売価格政策の推進とダイキン工業
シェアの向上の両立
・限界利益率の向上に向けた、グローバル横断でのコスト力強化
・強靭なサプライチェーンの構築に向けた、グローバルでの生産・調達・物流改革の実行
・既存固定費の削減と、先行投資・戦略投資の優先順位付け
・実行してきた買収案件・生産能力増強投資の成果創出
(グローバル横断、グループトータルの総合力で大きな成果創出をめざすテーマ)
・グローバルでのアプライド空調事業の積極的拡大と、用途や市場ごとの付加価値提供による業務用空調
ソリューション事業の収益拡大
・差別化技術の水平展開、サービス力の強化、工事の省施工・省人化対応
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与え、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると経営者が認識している主なリスクは以下のとおりであります。
なお、以下に記載の内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 市場環境に関連するリスク
①市場環境の変化に関連するリスク
ダイキン工業グループは、空調をはじめとする各事業領域において、開発・調達・生産・販売・サービスなどの事業活動をグローバルに展開し、販売網強化によるシェア向上、競争力ある商品・サービスの提供、固定費削減などにより、事業拡大と収益性向上に努めております。
しかしながら、政治・外交情勢の不安定化、貿易摩擦、景気の後退、天候不順、新型コロナウイルスをはじめとした感染症のまん延などにより、ダイキン工業グループが事業展開する国・地域の市場環境が悪化した場合、事業拡大・収益性向上が計画通りに進まない可能性があります。その結果、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②為替相場・資金調達環境の変動に関連するリスク
ダイキン工業グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は高く、今後もグローバル展開の加速により、海外売上高の割合がさらに増加する見込みです。連結財務諸表の作成にあたっては、各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目を円貨換算しております。従って、換算時の為替レートにより、これらの項目は、各地域の現地通貨における価値が変わらなかったとしても円貨換算後の価値が影響を受けることになります。また、部材の調達、商品やサービスについて外貨建てで取引しているものもあり、為替動向によって製造コストや売上高に影響する可能性があります。ダイキン工業グループでは、これらの為替リスクを回避するため、短期的には為替予約などによりリスクヘッジを行っており、中長期的には為替変動に連動した最適調達・生産分担の構築、通貨毎の輸出入バランス化等により為替変動に左右されない体質の実現に取り組んでおります。
また、ダイキン工業グループでは事業活動に必要となる資金を、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債によって調達しており、経済環境が変動した際に、金融機関の貸出姿勢や資金調達市場の状況が変化し、必要な資金が調達できないリスク及び調達金利が上昇するリスクがあります。これらのリスクに備え、コミットメントラインの設定、金利スワップ等による金利の固定化などの取り組みを行っておりますが、資金調達コストが上昇し、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響する可能性があります。
③有価証券の時価の変動に関連するリスク
ダイキン工業グループは、戦略的観点からダイキン工業の企業価値の向上が期待できる企業の株式を保有しておりますが、株式市況の動向によっては、評価額が減少し、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響する可能性があります。
(2) 事業活動に関連するリスク
①技術・商品・サービスに関連するリスク
ダイキン工業グループは、顧客価値・社会的価値の創出を目指し、常にお客様に満足頂ける技術・商品・サービスの開発に注力しております。しかしながら、ダイキン工業グループの想定とは異なる新たな技術・商品・サービスの出現や、新規参入を含む競合激化などの急激な環境変化により、技術・商品戦略の修正や転換が必要となる可能性があります。
このような場合、新商品・サービスの投入や新たな事業の立ち上げが遅れ、競合他社や新規参入企業に対する優位性が低下し、その結果、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②買収・他社との提携等に関連するリスク
これまでダイキン工業グループは、事業のグローバル展開や品揃え・販売体制の強化などのために、既存の経営資源を活用した自前での成長に加えて、企業買収を活用してきました。今後、事業領域の拡大や事業構造の転換を加速させるためにも、提携・連携・M&Aを積極的に行ってまいります。案件の検討段階では、事業拡大に向けた戦略に留まらず、事業運営上のリスクについても検証を行うなど、案件の実行後には事業統合が円滑に進むように努めております。しかしながら、案件の実行後に、市場環境の悪化や、対象企業の経営資源が十分に活用できない、対象企業との連携が円滑に進まないなど、統合が計画通りに進まない可能性があります。その結果、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③商品・サービスの品質と責任
ダイキン工業グループでは、世界170カ国以上で事業を展開しており、現地のニーズに合致した商品・サービスの提供に努めております。また、各地域において厳格な設計審査と品質検査を実施し、品質・安全性の確保に万全を期しております。しかし、万一商品の安全性に関する問題が発生した場合には、顧客の安全を第一に考え、事故の発生や拡大を防止するため、修理・交換、新聞などでの告知、販売事業者等社外の関係者への情報開示など、製造物責任法に基づく責務を果たします。
これらの対策には多額の費用が発生する可能性があるため生産物賠償責任保険等に加入していますが、保険の補償限度額を超える場合やブランドイメージの低下により売上が減少する場合、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④調達に関連するリスク
ダイキン工業グループでは、サプライヤーの経営状況の悪化、自然災害や事故の発生等の状況下においても、原材料や部品等が安定的かつタイムリーに、また合理的な価格で供給されることを確保するため、サプライヤーの複数化・自国・自地域内調達化、部品の共通化・標準化等の対応を進めております。また、サプライチェーンCSR推進ガイドラインを策定し、サプライヤーに対して人権・環境・コンプライアンス等のCSR取り組みの実施をお願いしております。しかしながら、上記のような対応が短期的には困難な場合があるほか、世界的な感染症の拡大や大規模災害などの想定を超えるような甚大な事象が発生した場合には、原材料や部品等の供給不足、納入遅延等が発生する可能性があります。また、サプライチェーン上において労働者の権利侵害等の重大な法令違反があった場合には、発注元としてダイキン工業の社会的信用が低下する可能性があります。
ダイキン工業グループとサプライヤーは、契約により原材料や部品等の価格を決定しております。長期契約の活用など安定した価格で調達できるよう努めておりますが、急激な需給環境の変化や為替相場の変動等により、調達価格の高騰が避けられないこともあります。
これらの場合、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤法的規制
ダイキン工業グループは、世界170カ国以上で事業を展開しており、競争法・贈賄防止法・人権や労働関係法・安全規制関連法・環境規制関連法等の世界各国・各地域の法律や規制の適用を受けております。各国において、より厳格な法規制の導入や当局の法令解釈や運用指針の変更により、ダイキン工業グループの事業活動が制限される可能性があります。
ダイキン工業グループでは、コンプライアンスの徹底に向け、役員・従業員一人ひとりが取るべき行動を明示した「グループ行動指針」及び「グループ人権方針」等の具体的な取り組み方針を定めております。各テーマについて教育研修を実施するとともに、年1回、法令・規程どおりに日々の業務を行っているかをセルフチェックする「自己点検」を導入し、コンプライアンス意識を高めるとともに、監査を実施し、遵守状況を確認しております。
しかしながら、法令違反が生じた場合には、課徴金等の行政処分を受ける可能性があります。また、ブランドイメージの低下により売上が減少し、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報セキュリティ
ダイキン工業グループは、事業を展開するにあたり、第三者の機密情報や顧客の個人情報を取得することがあり、また、ダイキン工業独自の機密情報も扱っております。このため、ハッカーによる不正アクセスやサイバー攻撃を受け、個人情報や機密情報が外部へ流出したり、各拠点の生産ラインや物流システムが停止したりするなど、事業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのような事態が生じた場合、多額の損害賠償金や制裁金の支払を要する場合があります。さらに、多大な対策費用を支払うことになり、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの事象の発生を防ぐため、ダイキン工業では、情報セキュリティ担当役員を委員長とする審議機関「情報セキュリティ委員会」を設置し、情報セキュリティ戦略・対策方針を審議し、情報セキュリティシステムの強化、秘密表示の徹底、外部からのアクセス制限、社内規程の整備や教育研修などの対策を講じております。同委員会で審議した重要事項や全社へ周知・徹底すべき事項は、「企業倫理・リスクマネジメント委員会」、代表取締役社長兼COOを委員長とする「内部統制委員会」へ報告するとともに、取締役会にも報告を行っております。また、海外グループ会社を含めた全社のセキュリティ管理体制を強化しております。
(3) 気候変動等環境に関連するリスク
気候変動はグローバルに取り組むべき社会課題の一つであり、ダイキン工業グループは、「環境社会をリードする」とのグループ環境基本方針に基づいて、省エネ高効率空調機や低温暖化冷媒の開発・普及、建物全体でエネルギーを効率的に利用するソリューションの創出などにより、温室効果ガス(CO2・フロン)の排出を抑制し、気候変動の緩和に積極的に取り組んでおります。しかしながら、低炭素社会への移行に伴い、温室効果を有する冷媒ガスの使用・排出規制や省エネルギー規制がさらに強化される場合、規制に適合するために必要なコストが増加する可能性があります。また、仮にこれらへの十分な対応が困難であったり、遅れが生じた場合には、製品の販売に支障が出るなど、円滑な事業活動に影響が及ぶ可能性があります。物理的なリスクとしては、異常気象に伴う大規模災害発生時にダイキン工業グループの従業員、生産設備、システム、サプライチェーン等に被害が発生し、事業活動に大きな影響を受ける可能性があります。
また、ダイキン工業グループでは、事業活動による環境汚染の発生を防止すべく、規制の遵守は当然のこと、より厳しい自主基準を設けるなど万全を期しております。しかしながら、ダイキン工業が排出した化学物質等に起因して結果的に環境汚染問題が発生した場合には、これに対して浄化処理、損害賠償等の対応を行う必要が生じ、そのための費用が発生する可能性があります。また、社会的信用の低下が発生する可能性があります 。
以上のようなリスクの顕在化により、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(4) その他
①固定資産の減損
ダイキン工業グループは、事業用の資産や企業買収の際に生じるのれんなど様々な有形・無形の固定資産を計上しており、これらの資産については、減損損失の兆候の有無を判定しております。減損の兆候があると認められる場合には、将来キャッシュ・フローの総額を見積り、減損損失の有無を判定しております。判定に必要な将来キャッシュ・フローは経営計画を基礎とし、将来の不確実性を考慮して見積っております。今後の業績変動等により減損損失を認識する場合には、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、継続的な業績のモニタリングを行っており、投資に対する回収が困難となる前に対策を講じるように努めております。
②自然災害等
ダイキン工業グループは、世界中に研究開発・製造・販売・サービスの拠点を有しております。近年わが国では、地震・津波・台風・豪雨などの自然災害に見舞われております。ダイキン工業では、このような自然災害に備え、各事業所で施設の耐震化を進めるほか、津波・大雨・洪水等に対する対策を進めております。また、自然災害に関する防災規程を制定し、定期的に防災訓練を実施するなどにより、自然災害による影響の極小化を図っております。しかしながら、甚大な自然災害により、ダイキン工業グループの従業員・生産設備・システム等に被害が発生し、事業活動に大きな影響を受ける可能性があります。海外においても、各種の自然災害のほか、テロや暴動・戦争等によって、ダイキン工業グループの事業拠点だけではなくサプライチェーンや顧客が被害を受けることも考えられ、これらによりダイキン工業グループの事業活動に障害や遅延が発生する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症については、わが国では感染状況の収束に伴い、行動制限が緩和されたことにより事業活動への影響は低減しました。海外においても事業活動に障害や遅延が発生するリスクは軽減されてきました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の再拡大や新たな感染症が流行した場合には、ダイキン工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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