小倉クラッチ(6408)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】小倉クラッチグループは、小倉クラッチ、子会社12社(連結子会社11社、非連結子会社1社)で構成され、自動車用部品及び産業用部品の製造販売を主な事業内容としております。各々の製造販売する業界を基礎として事業を明確に区分しており、カーエアコンやパワートレインをはじめとする自動車用部品業界向けクラッチ・ソレノイド等の製造販売を「輸送機器用事業」で、モーター、変・減速機、昇降・運搬機械業界及びOA機器業界向け等のクラッチ・ブレーキ等の製造販売を「一般産業用事業」で行っております。連結子会社11社(オグラ・コーポレーション、オグラS.A.S.、オグラ・インダストリアル・コーポレーション、小倉離合機(東莞)有限公司、小倉離合機(長興)有限公司、オグラクラッチ・タイランドCO.,LTD.、オグラクラッチ・インディアPVT.LTD.、オグラクラッチ・フィリピン,INC.、小倉精工電子(東莞)有限公司、小倉冷間鍛造株式会社、小倉電機株式会社)はいずれも「輸送機器用事業」または「一般産業用事業」関連の外注加工または製造販売を行っております。 (注) ※印は連結子会社であります。 主な子会社は次のとおりであります。子会社オグラ・コーポレーション輸送機器用製品の製造販売オグラS.A.S.輸送機器用及び一般産業用製品の販売オグラ・インダストリアル・コーポレーション輸送機器用及び一般産業用製品の販売小倉離合機(東莞)有限公司輸送機器用及び一般産業用製品の製造販売小倉離合機(長興)有限公司輸送機器用及び一般産業用製品の製造販売オグラクラッチ・タイランドCO.,LTD.輸送機器用及び一般産業用製品の製造販売オグラクラッチ・インディアPVT.LTD.輸送機器用及び一般産業用製品の販売オグラクラッチ・フィリピン,INC.輸送機器用及び一般産業用製品の製造販売小倉精工電子(東莞)有限公司一般産業用部品の製造販売小倉冷間鍛造株式会社輸送機器用及び一般産業用部品の冷間鍛造加工小倉電機株式会社輸送機器用及び一般産業用製品・部品の製造販売
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、小倉クラッチグループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針2025年度は以下のとおりに経営方針を掲げております。①クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして盤石な企業体質を築き上げお客様から愛される企業を目指す。自動車業界が100年に一度の変革期と言われる今、安定した利益を確保して人・設備・開発に投資することで、クラッチ・ブレーキの総合メーカーとして新たな高付加価値品を提供して行く。世界的に地政学リスクが高まる中で、小倉クラッチの強みであるフレキシブルな対応力でお客様のビジネスを支え、必要とされる企業となる。②総合的な品質力を高め顧客満足を向上する。製品設計や製造はもちろん、営業活動や管理業務などあらゆる仕事の側面において品質を高めることでお客様の信頼を獲得することができる。品質力の向上に近道は無い。4M(Man:人、Machine:機械、Material:材料、Method:方法)管理を徹底して標準を遵守し、更にその標準をレベルアップさせることで一歩一歩着実に地力を上げる。③技術力を結集し積極的に新分野へ進出する。設計開発力や加工技術力などものづくりに係るあらゆる技術力を最大限に発揮し、一般産業用と輸送機器用の垣根を越え、80年を超えて培ってきたものづくり技術を融合することで、新製品開発や新市場開拓にチャレンジし、小倉クラッチの次代を担う事業を創出する。④次世代を担う人財を育成し適切な人員配置で組織を活性化する。激変する事業環境の中で生き残れるのは変化する企業である。企業の変革には、それを構成する社員一人ひとりの変革が不可欠であり、小倉クラッチの次代を支える人材=人財を計画的に育成する。その人財が力を発揮できるよう効果的に配置することで、組織を活性化する。⑤スピーディーな報・連・相で情報共有を徹底し一元化された組織を運営する。縦の情報伝達はもちろん、その情報を横へもスピーディーに展開し、各階層において同じ情報が共有されることで組織は同じ方向を向ける。情報共有は手段であり、情報共有によって自分たちの置かれた状況を正しく捉え、適切に組織を運営して行く。 (2) 目標とする経営指標小倉クラッチグループは、経済的価値に基づく次のマテリアリティ(重要課題)に注力し取り組みます。財務目標として、 2027年3月期に、売上高営業利益率5.0%、ROE6.3%、総資産回転率1.0回転、売上高成長率110%の向上を目指しております。一方で、足元の事業環境の変化等により、これら指標の達成に向けた進捗は当初計画に対して遅れが生じております。当該乖離は主として外部環境の影響によるものであり、小倉クラッチとしては引き続き現行の経営戦略に基づき、収益性の改善および資本効率の向上に取り組んでまいります。 (3) 中期的な会社の経営戦略近年の自動車業界は、カーボンニュートラルに向けた電動化の流れが継続する一方、地域や用途により普及スピードや規制・補助制度が変動しており、内燃機関・BEV・HV・PHEV・合成燃料等の多様な技術が並存する局面にあります。加えて、中国等の現地メーカーとの競争激化や、地政学リスクを背景としたサプライチェーン再編等により、事業環境の不確実性が非常に高まっています。このような環境認識のもと、輸送機器用事業においては全方位での事業展開を基本方針とし、電動化の進展に対応したパワートレイン系ソレノイド、モーター用保持ブレーキ、燃料電池用ブロワ等の製品群を拡大するとともに、スライドドア用クラッチ等の動力源の変化に左右されにくい製品の開発を強化してまいります。また、既存事業であるカーエアコン用クラッチについても、性能向上とコスト改善を継続し、顧客の要求水準の高度化に応えてまいります。一般産業用事業においては、小倉クラッチ技術の根幹である摩擦材開発への投資を継続しつつ、労働力不足を背景とした自動化需要の高まりを捉え、協働ロボット等の成長市場をターゲットに、軽量・静音・小径・薄型など差別化を軸とした製品開発と拡販を進めてまいります。小倉クラッチの開発したクラッチ・ブレーキは5,000種類以上ものラインナップがあります。しかし、世の中にはこれ以外にもまだまだ、動力を「つなぐ」「保持する」「変える」といった機能を必要とする場面は数多くあり、そこには新たなビジネスチャンスが存在します。お客様のニーズに柔軟に対応することで、ポテンシャル案件を1つ1つ着実に獲得いたします。加えて、小倉クラッチは中期経営計画の基本方針である「規模重視から利益志向へ」の価値観転換を踏まえ、製品・市場の選択と集中、採算管理の高度化、外部環境の変化に強い収益体質の確立を図ってまいります。併せて、人事制度改革等を通じた人的資本の強化、並びに生産管理システムの更新や間接業務のDX推進等により、仕事の質と効率を高め、企業体質の強化を進めてまいります。小倉クラッチはこれからも、クラッチ・ブレーキの総合メーカーとしてのプライドを持ってお客様の要求にお応えして行くことで、100年企業の実現を目指してまいります。 (4) 会社の対処すべき課題小倉クラッチグループを取り巻く事業環境は、自動車業界におけるEV偏重の見直し、海外部品メーカーとの競争環境の激化、資源・エネルギー価格や金利・為替の変動、米国の関税政策や中東情勢の不安定化といった地政学リスクの高まり等により不確実性が高まっています。この外部環境の変化により、小倉クラッチグループの中期財務目標の実現には当初計画に対して一定の遅れが生じております。こうした状況下においても、小倉クラッチグループは持続的な成長と社会的責任を果たすため、中期課題への基本的な戦略は維持しつつ、重点課題への取り組みを継続・強化し、以下の諸課題に計画的・積極的に取り組んでまいります。 ①高付加価値事業への転換と市場の選択・集中長年培った設計開発力・加工技術力を活かし、付加価値の高い新製品を開発し、成長市場へタイムリーに投入してまいります。一般産業用事業では協働ロボット等の自動化市場に向けた製品開発を強化し、単一機能部品にとどまらず、ユニット化・システム化を含む製品領域の拡大を進めてまいります。輸送機器用事業では、動力源の多様化を前提に、ドアやシート、駆動系等の製品群の拡大・強化を進め、電動化対応製品と動力源非依存製品の両面で成長を図ってまいります。②財務体質の強化と利益を生む体質への転換棚卸資産の圧縮、不良損失の削減、キャッシュフローの健全性の維持管理等により、外部環境変化に左右されにくい財務体質を構築してまいります。製品価格とは本来、技術と信頼の対価であると考えます。従って、高付加価値の製品を開発し、培ったものづくり技術に裏付けられた安定した品質で、中堅企業の強みである柔軟さとスピードを活かしてお客様にご提供することで、適正な価格でのビジネスにより利益を獲得してまいります。商品別・顧客別の採算管理の精緻化と迅速化、不採算商品の見直し等により、利益重視への体質転換を加速してまいります。また、投資効率の向上や資本コストを意識した経営を推進し、資本効率の改善に取り組むとともに、安定的な配当の維持・向上を通じた株主還元の充実を図ってまいります。③人材の確保とエンゲージメントの向上メーカーとしての競争力の源泉であるものづくりのノウハウを維持・発展させて行くには、人材の確保と育成が不可欠です。やる気のある社員に活躍と成長の機会を与えられる魅力ある人事制度を構築し、将来の小倉クラッチを担う人材を育てると共に、多様な従業員が活躍できる働きやすい職場環境を実現して行きます。また、社員への意識調査等を通じて課題を把握し、改善するというサイクルを回してエンゲージメント向上を図ってまいります。④業務の効率化と管理レベルの向上製造部門においては、サイクルタイムの短縮や設備稼働率の向上はもちろん、工場の情報基盤を再構築して生産管理システムを一新し、物と情報の流れを含めたものづくりの管理レベルを向上させます。同時に、間接業務の標準化・見える化・DX推進により業務効率を高め、働き方改革と生産性向上を両立してまいります。⑤サプライチェーン強靭化・品質保証の高度化地政学リスクや供給制約が顕在化する中において、調達先の多様化、重要部材の安定確保等を推進してまいります。また、製造に関わる人材・設備・材料・作業方法の管理を強化するとともに、定められた作業手順を徹底することで、品質保証体制の高度化により顧客信頼を強化してまいります。 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、当該事項は当連結会計年度末現在において提出会社が判断した記載となっております。(1) 経済情勢小倉クラッチグループの売上高は国内・海外の景気動向による影響を受けるため、経済情勢の変化による景気悪化に伴い主要製品の出荷額が減少した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ロシア・ウクライナ情勢や、その影響等によりヨーロッパ及び各地域の取引先の事業に影響を及ぼす可能性があり、予測しえない事象の発生により小倉クラッチの受注・売上に影響を及ぼす可能性があります。特に継続性が不安定な取引先に依存していることはありませんが、取引先の倒産や経営不安等により貸倒引当金が発生する場合があります。更に、大幅なデフレ傾向は主要製品の単価下落により収益を低下させたり、大幅なインフレ傾向は金利上昇による借入利息を増加させるなど、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替変動小倉クラッチグループの連結売上高に占める海外売上比率は、前連結会計年度が57.1%、当連結会計年度が52.2%となっており、今後とも海外事業のウェイトは高くなることと思われます。そのため、為替変動によるリスクをヘッジする目的で、常時為替予約等で対策を講じておりますが、為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて回避することは不可能であり、小倉クラッチグループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (3) 製品の価格競争力多くの部品メーカーがコスト削減、事業の合理化及びグローバル化、並びに事業構造の再編により競争力を強化すべく大規模な企業改革を行っております。また、製品及びサービスの高付加価値化をもって、市場の価格引き下げ要請に対応しております。グローバル市場で勝ち残るため、小倉クラッチグループは世界主要拠点での生産体制を構築して参りましたが、競合他社による画期的なコスト低減策や強力な価格政策等により小倉クラッチグループの製品が価格競争力を失う場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (4) 原材料価格小倉クラッチグループの使用する主要な原材料には、その価格が市場の状況により変動するものがあります。それらの主要原材料が高騰することにより、売上原価が上昇し、小倉クラッチグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 製品の品質小倉クラッチグループは世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、すべての製品について欠陥がなく、将来的にクレームが発生しないという保証はありません。万が一、多額のクレーム補償費用が発生する場合には、小倉クラッチグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 特定の製品への依存小倉クラッチグループの売上高は電磁クラッチへの依存度が高い状態で推移しております。予測不能な何らかの技術革新等で電磁クラッチが陳腐化する場合には、小倉クラッチグループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (7) 法的規制小倉クラッチグループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出制限、関税をはじめとする他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、特許、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制も受けております。これらの法規制が改正されることにより、小倉クラッチグループの活動が制限され、コストの増加につながる可能性があります。従いまして、これらの規制は小倉クラッチグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 自然災害やパンデミック小倉クラッチグループの製造及び営業拠点等が、地震や気候変動に起因する自然災害によって多大な損害を受けたり、強毒性感染症のパンデミック等により通常の事業活動が困難になった場合、生産活動の停止や配送の遅延等により、小倉クラッチグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、小倉クラッチグループが直接的に損害を受けなくても、お客様や取引先が損害を受けることにより生産・物流・販売等が計画どおりに実行できず、小倉クラッチグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 国際情勢の変化小倉クラッチグループはグローバルに事業を展開しており、国際情勢の変化や政治・軍事的緊張の高まり等により地政学的リスクが増大した場合、原材料・部品の調達遅延や調達コストの上昇、物流の停滞、輸出入規制や経済制裁等を通じて、生産活動及び販売活動に重大な影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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