アスタリスク(6522)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


アスタリスク(6522)の株価チャート アスタリスク(6522)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

(1) アスタリスクグループの構成

  アスタリスクグループは、アスタリスク(株式会社アスタリスク)と国内連結子会社1社、海外連結子会社2社により構成され、その事業内容は主にAsReader事業とシステムインテグレーション事業で構成されております。

 

(2) 事業の概況

  アスタリスクグループは、「ITを通じて、三方笑顔(お客様の笑顔/社員の笑顔/世間の笑顔)を創造し、人類・社会の進歩発展に貢献します。」を経営理念とし、独自開発の各種リーダー及び人検出・動体追跡技術と端末処理技術を活用した製品の研究開発・製造・販売と、これら製品を活用するためのシステム開発を主な事業として展開しております。

 

 ①製品開発について
 アスタリスクグループは「AsReader(AsteriskのReader)」ブランドで各種製品の企画・開発・販売を行っております。お客様のニーズをいち早く吸い上げ、製品企画・開発に活かすべく、体制を整えております。
 また、自社で製造工場を持たないファブレス企業であり、製品量産段階については協力会社に生産を委託しております。
 なお、主な製品ラインナップは以下のとおりであります。

セグメント

区分

製品類

AsReader事業

リーダー

1次元バーコード(注1)リーダー

2次元バーコード(注2)リーダー

RFID(注3)リーダー/ライター

赤外線通信(注4)リーダー

画像認識

セミセルフレジ

侵入禁止区域監視システム

顔認証システム

保守

リーダー類の保守サービス

アプリ

アプリケーションソフト利用料

システムインテグレーション事業

システム

アプリケーション、ソフトウェア等の受託開発・保守サービス

 

(注1)1次元バーコード:バー(黒い線)とスペース(白い線)のパターンに、数字や文字や記号を置き換えたもの。一方向にだけ情報を持つ。

(注2)2次元バーコード:バー(黒い線)とスペース(白い線)のパターンに、数字や文字や記号を置き換えたもの。縦横の二方向に情報を持つ。

(注3)RFID:Radio Frequency Identificationの略。電波を用いてRFタグ(注5)のデータを非接触で読み書きするシステム。

(注4)赤外線通信:赤外線によるワイヤレス通信の総称。アスタリスクグループの製品では、自動販売機内の情報をやりとりするために使用。

(注5)RFタグ:電波を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする媒体。

 

②販売方法について
 アスタリスクグループは、直販及び代理店等を通じて、お客様に製品を販売しております。
 販売方法については、製品の必要数量を購入していただくショット型(売り切り型)が大半を占めております。ショット型については、概ね4~5年の期間でお客様の製品リプレイスサイクルが見込まれ、長期間を想定した場合、ストック型(継続型)と捉えることも可能となっております。
 AsReader製品群や受託開発システムの保守サービス・アプリケーションソフト利用料といったストック型の販売も行っておりますが、第19期(2025年8月期)においては、連結売上高に対して約11.3%となっております。
 今後、AsReader製品群の販売拡大を目指すとともに、保守サービス等のストック型の積極的な販売拡大を行ってまいります。
 

 

③アメリカを中心とした海外展開について
 アスタリスクグループは、AsReader製品群は世界的にもニーズがあるものと考え、アメリカに現地法人を設立し、販売拠点を設置しております。現地においてAsReader製品群の認知は高まってきており、第19期(2025年8月期)においてはアメリカにおいていくつかの新規大口案件の商談が進展しています。これらの商談を着実に前進させ、第20期の新規大口案件の獲得に向けた営業活動を積極的に展開してまいります。

 今後もAsReader製品群の広告宣伝を積極的に行い、海外での販売活動を進めていく方針としております。

 

(3) アスタリスクの提供する主なソリューション領域

① 製造業界

2014年、国内自動車メーカーに新車管理用途でRFIDリーダーを納入、出荷、保管、移動の管理に使用されています。現在では、物流センターや販売会社への新車搬入管理にも使用が拡大しています。その他、機械メーカーなど様々な製造現場で生産ラインの点検用や、部品のトレーサビリティー(注6)などへの応用が進んでいます。
(注6)トレーサビリティーとは、trace(追跡)とability(できること)を組み合わせた言葉。
 その製品が「いつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにすべく、原材料の調達から生産、そして消費又は廃棄まで追跡可能な状態にすること。

 

② 物流業界

2014年、倉庫会社に対するバーコードリーダーの納入から始まり、2017年には大手運送会社において個人宅配送用に導入が開始されました。AsReaderの導入により、配送状況をリアルタイムに把握することが可能になった他、電子帳票化によるペーパーレスも可能にしました。その他、パレット、かご台車、オリコンなどにRFタグを貼付してRFIDリーダーで読み取ることにより、積み荷の個体管理も広がりを見せています。

 

③ 小売業界

小売業界では、まず、海外チョコレートメーカーの催事用POSレジで採用されました。その後、システムも含めたソリューションパッケージとしての展開が広がり、化粧品、眼鏡、酒類、ホームセンター、大型雑貨店などに順次広がっており、ネットスーパーでの使用も拡大しています。また、第19期(2025年8月期)においては賞味期限に関連する業務効率を改善するアプリ「SdcO(エスデコ)」の拡販をおこなってまいりました。

 

④ 自動販売機業界

2017年より、赤外線通信によるリーダーの販売を開始しました。この導入により、リアルタイムでのデータ送信が可能となり、端末故障によるデータ喪失のリスクが解消され、迅速なデータ分析、顧客対応を可能にしました。

 

⑤ 医療業界

2014年、大学附属病院で3点照合(担当看護師、患者のID、薬剤)での利用が開始されました。それまではパソコンへのデータ入力が必要でしたが、データを通信により電子カルテと連携することにより、大幅に作業効率が向上しました。また各社の電子カルテシステムとの連携を促進し、スムーズな導入が可能となっており、多くの医療施設で利用されています。

 

⑥ アパレル業界

 現在、各業界でRFタグ導入の動きが加速していますが、その先陣を切っているのがアパレル業界です。アスタリスクが開発したセルフレジシステムにより、簡便で正確な精算システムを実現しました。また、リアルタイムでの売上状況や在庫状況の把握を可能にし、店頭オペレーションの高度化や売り場の改善などに貢献しています。 第19期(2025年8月期)においては、無人販売店へのセルフレジシステムの販売を行いました。

 

 

 

[事業系統図]

 


        (注)SI事業:システムインテグレーション事業


有価証券報告書(2024年8月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてアスタリスクグループが判断したものであります。

(1) 経営理念

アスタリスクグループは、以下の経営理念のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、社会的使命と責任を果たし、「信頼される企業」であることを目指します。

<経営理念>

ITを通じて、三方笑顔(お客様の笑顔/社員の笑顔/世間の笑顔)を創造し、人類・社会の進歩発展に貢献します。

1.自己の良心をもって、信頼と安心を築き、三方笑顔を創造します。

2.早さを追求し、スピードあふれる行動をもって、三方笑顔を創造します。

3.新しいIT技術、斬新なサービスをもって、三方笑顔を創造します。

<アスタリスク人の宣言>

1.プロとしての熱意

2.徹底の徹底

3.土俵の真ん中で相撲をとる

4.時間軸を第一に

5.目的、ねらい、コンセプトの明確化

6.夢のある提案をし続け、固定客化

7.何事も「数値」をもって行動

8.常に明るく前向きで、楽しむことを工夫する

 

(2) 経営環境及び経営方針

インターネットによるビジネス革命、スマートデバイスの普及によるモバイル情報革命など、IT技術の変革、IoT(Internet of Thingsの略。モノに通信機能を搭載してインターネットに接続し、情報伝達をする仕組み)による業務改革が世界的に広がりを見せているなかで、アスタリスクはモバイルによるソリューションを徹底的に追求し、ハードウエアと、長年培ったソフトウエア技術の融合による新たなサービスを創造してまいります。
 その中でも、アスタリスクグループの主力製品はAsReaderシリーズになります。AsReaderシリーズは、iPhoneやAndroidといったスマートフォンに取り付ける、アスタリスク開発のバーコードやRFID読取装置・赤外線通信装置であります。
 アスタリスクグループは、伊藤忠紙パルプ株式会社との資本業務提携による営業体制の強化や、企業向けのスマートフォン販売促進を行っている国内携帯通信キャリア、スマートフォンメーカーとの協業を進め、アスタリスクグループの主力製品であるAsReaderシリーズの売上高拡大を目指し、さらなる成長を目指します。

 

  (3) 経営戦略

  アスタリスクグループは、次の経営戦略を軸としております。

  ① 既存主力事業の拡大

 アスタリスクグループの既存主力事業であるAsReader事業は、次に掲げるような経営環境の中、事業の拡大を見込んでおります。

   イ あらゆる業界でのニーズ

 AsReaderシリーズは、製造業界、物流業界、小売業界、自動販売機業界、医療業界、アパレル業界など、幅広い業界で導入いただいており、各業界への営業活動を行うことで今後も引き続き、幅広い業界での導入を見込んでおります。

   ロ 各種専用業務用端末から汎用性の高いスマートフォンへの転換

 専用コンピューターがパソコンに置き換わったように、ハンディターミナルのような既存の各種専用業務用端末(ハンディーターミナル、デジタルカメラ、トランシーバー、PDAなどの各種リーダー)が汎用性の高いスマートフォンに置き換わり、スマートフォン1台で様々な業務を行うことが可能となり、「スマートフォンで業務を行う」ことが主流になることで、スマートフォンに取り付けて使用するアスタリスクグループの製品の導入機会が増加すると見込んでおります。

 

    ハ スマートフォン法人利用台数の増加

 次のような理由から、法人利用の携帯通信端末がフィーチャーフォンからスマートフォンへ切り替わっていき、スマートフォン法人利用台数が増加することを見込んでおります。当該増加により、スマートフォンに取り付けて使用するAsReaderシリーズの導入機会が増加すると見込んでおります。

①国内携帯通信キャリアの動向

 アスタリスクは国内携帯通信キャリアと協業した営業を行っております。その中で、アスタリスク製品のような業務効率化ソリューションの提案とともに、法人へのスマートフォン販売に力を入れている傾向にあり、今後も国内携帯通信キャリアによる法人販売強化は続くものと見込んでおります。

②通信料金の低下傾向

  大手国内携帯通信キャリアのサブブランドなどの登場により、スマートフォンの通信料金を抑えることが可能な環境になりました。

ニ 経済産業省による宣言

 経済産業省が、2017年4月にコンビニ各社と「コンビニ電子タグ1,000億枚宣言」を発表し、2018年3月に一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会と「ドラッグストアスマート化宣言」を発表しており、RFID等を活用したサプライチェーンの効率化を推進する動きがあります。
 またRFタグの単価が高価であることがRFIDソリューションの導入時の障壁となっておりましたが、RFタグの普及に伴い単価が低下してきており、アスタリスクグループのRFID関連商品の販売を行いやすくなることを見込んでおります。

 

  ② 新製品の拡販

 アスタリスクグループが新たに開発・販売した、次の新製品の拡販を行ってまいります。

   イ セミセルフレジ

 「人検出・動体追跡」技術により、購買客が有人レジでの購買品登録後、複数設置された自動精算機のどれを選択しても、正しく精算することが可能になります。当該製品を導入することで、レジ係員の現金等の受け渡しといった負担が軽減され、動体追跡と精算データを紐付けることで、精算自動化の懸念点である不正精算(不払い)の抑止も可能にするソリューションです。

 

   ロ 顔認証システム「AsReaderOne」

 予め登録した「顔」を用いた認証システムになります。このシステムを用いることで、「顔」を使用して玄関の扉を開いたり、ポイントカード情報の確認や更新ができたり、クレジットカード等の各種決済ができるようになるため、キーレス・カードレスといったスマートIоTの推進を目指します。

 

  ③ 営業力の強化

 アスタリスクグループは次の施策により、営業力の強化を見込んでおります。

   イ 伊藤忠紙パルプ株式会社との資本業務提携

 伊藤忠紙パルプ株式会社と資本業務提携を通じ、両社の持つ固有のノウハウを共有し、リソースを融合することで、顧客企業へのより広範なビジネスソリューションの創出・提供を行い、相互の事業発展とビジネスにおいてのIoT、自動認識の新しい価値づくりを進めております。

   ロ 国内携帯通信キャリアやスマートフォンメーカーとの協業

 企業向けのスマートフォン販売促進を行っている国内携帯通信キャリアやスマートフォンメーカーとの協業を進め、アスタリスクグループの主力製品であるAsReaderシリーズの販売拡大を進めております。

      ハ 営業体制強化

 既存の展示会出展や大手キャリアとの協業に加え、新たな販売チャネルの開拓と、より効率的な営業活動を実現するための体制強化施策を進めております。

 

  ④ 海外展開

 海外におけるバーコードリーダー、RFIDリーダーの市場は国内よりも大きく、AsReaderシリーズの販売機会があると見込み、海外でのAsReaderシリーズ販売を目的とした連結子会社を米国(2015年1月)に設立し、現地法人による販売活動を行っております。

 米国については、病院、警察署、消防署、国際宇宙ステーション、牧場など、多くの場所でAsReaderシリーズの導入を行っております。米国では大型案件を獲得した後に他の業界でも話題となり、他の業界での案件獲得が進みやすくなる傾向にあります。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  アスタリスクグループでは受注高を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。

 アスタリスクグループ製品に対する将来需要を表す尺度であり、将来業績の先行指標として機能し、今後の経営成績と強い関連性があります。将来業績にとって重要な指標であり、事業活動におきましても常に受注高を意識して行動し、アスタリスクグループの業績評価の指標としております。

 受注高=受注件数×受注単価であることを常に念頭に置き、「受注件数」をいかに増やし、「受注単価」をいかに上げるかを、営業活動の行動規範としております。また、これら構成要素を分析して、現状認識、課題確認、戦略立案に活用しております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 製造に関する課題

アスタリスクの主力製品であるAsReaderシリーズは、すべて海外の生産委託協力会社にEMS生産により製造委託をしております。このため、急な生産変更が困難であり、適宜適切な需要把握に基づく計画的な生産が必要になっております。また、世界経済情勢の変化に伴う為替変動のリスクが常に介在し、原価構造が悪化する可能性があります。

 

② 営業手法の転換

ハードとソフトを融合した事業展開を目指すことが、アスタリスクにとって総合力を発揮し、他社との優位性を活かす大きな武器と考えており、この融合による業務改革のソリューション提案、具体的には課題に即したシステムの構築や統合、ニーズに対応するアプリやハードの提供につなげることが事業基盤の強化につながります。統合したソリューションとして提案する課題解決ベンダーとして、既存のシステム開発会社やシステムコンサルタント、或いは自動認識機器メーカーといった従来のビジネス領域に対して、アスタリスクは全てを提供できるワンストップ課題解決ベンダーとしての展開を行っております。
 またアスタリスクはB to Bの領域で、高い専門性を活かして業務上の課題解決策を提供するため、エンドユーザーへの直接営業を主にしておりましたが、全国展開、グローバル展開を遂行する上での課題であった、営業網の脆弱さを強化する目的で、伊藤忠紙パルプ株式会社との資本業務提携や、名古屋営業所の開設、その他代理店網を構築し、広範囲な営業網を通じて、独自の自動認識ソリューションを全国の企業へとアプローチしてまいります。
 

③ グローバル市場の開拓と海外管理体制の強化

 アスタリスクの主力製品であるAsReaderシリーズの市場は、米国、欧州を中心に海外に大きく広がっていくと予想しております。事業拡大のためにはこの市場の攻略が不可欠であります。米国及び欧州については、米国子会社でありますAsReader,Inc.が販売拠点となり、病院などの医療機関向けやイベント会社向け、米国海軍向け、警察署向け、牧場での家畜管理向け、飲料メーカー向けなどに販路を形成しております。アジア地域は、中国の大連市にある子会社の大連明日星科技有限公司を安定した販売拠点として確立する予定であり、引き続き、中国、台湾を中心にさらなる市場開拓を進めてまいります。
 今後、海外での安定した販売網を構築し、業務用自動認識機器需要のボリュームゾーンを狙うにあたり、エリア・マーケティングも必要になってまいります。そのポイントとしては①ターゲット市場の明確化②最適販路の設定③現地適合商品の開発が重要になります。特に、現地適合商品の開発は、欧米の巨大市場を攻略する際には重要であり、そのための開発体制の強化が必要不可欠であります。国ごとの品質基準の違いに対応した品質保証の体制構築や、それぞれの国の市場特性に合った、現地商品に対抗できる商品開発のための社内体制構築が課題であると考えております。課題の解決に向けて、海外における主要展示会に参加し、多方面のユーザーからの様々な要求や商品への要望及び機能的な訴求点を確認し、開発の指針としております。また、グローバル管理体制の構築が重要課題であり、現在、基幹システムや会計システム等の海外との連携による管理強化に取り組んでおります。

 

④ 新技術(自動認識技術)の深耕と新商品の上市

アスタリスクは常に顧客であるエンドユーザーのニーズを調査し、ニーズを満たす製品販売に向けた技術開発、商品開発を推進しており、その展開を拡大することにより収益を確保し、持続的な成長につなげてまいります。自動認識技術の深耕が将来のコアコンピタンス(企業の中核となる強み)になると考え、特許などの取得にも注力し、当該技術を用いた新商品の販売により、社会に新しい価値を提供してまいります。また、画像認識技術としては、人物認識やシンボル分析(バーコードやQRコード、その他記号の分析)などを中心に研究し、ロジカルなアルゴリズムに加え、AI(人工知能)での機械学習やディープラーニング(深層学習。人間が自然に行うタスクをコンピューターに学習させる機械学習の手法のひとつ)などの活用により、画像認識の精度を上げてきました。バーコードやRFIDで蓄積してきた画像認識技術とセンサー技術を融合することにより、自動認識を用いたDX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル技術による変容)が可能となります。新しい試みとしては、療養型病棟を想定した画像認識による人追跡(人検出・動体追跡)技術で入院患者の動線を捕捉し、徘徊を防止するシステムの構築など、セキュリティ面でのアスタリスク技術の活用が期待されております。

 

⑤ RFID市場での知名度の向上

アスタリスクがRFIDリーダー/ライターを発表した2014年7月から約10年が経過しましたが、市場におけるアスタリスク知名度はまだ高いとはいえない状況にあります。今後、既存製品について他社製品との差別化をさらに進め、またRFIDリーダーの使用により製商品の個品管理を可能にするアプリケーションAs Force(アズフォース)等をソリューション・ツールとして市場に投入、各種展示会出展やAsReader Conference(アスタリスク単独で開催しており、AsReaderの導入先活用事例や自動認識技術についての説明、最新のRFタグ情報の提供など、AsReader新製品情報や海外事例の説明等を行う発表会)の開催などを通じて、アスタリスクの強みのアピール、RFID市場における知名度の向上を図ってまいります。

 

⑥ 地域密着型営業活動の推進

アスタリスクは、地域に密着した個別営業による素早い顧客サービスが重要であると考えており、それらを徹底することとしています。その一環として、2020年11月に名古屋営業所を開設しておりますが、今後も、顧客満足度の向上と事業発展のため、順次、営業所を開設し、全国のお客様に満足していただける体制の構築を図ってまいります。

 

⑦ ストックビジネスの拡大

アスタリスクでは、メンテナンスに関する年間保守契約(AsReader Care Select)、既存システムにも連携して在庫管理やPOSレジを可能にするアプリケーションAsReader Apps(アズリーダーアップス)の拡大、及び顔認証技術であるAsReader One(アズリーダーワン)を用いたスマートロックアプリケーションAsReader GoMA(アズリーダーゴマッ)の月額課金によるサービスなどのストックビジネスがあります。さらに賞味期限管理アプリ「SdcO(エスデコ)」の月額課金サービスなど、新たなストックビジネスの構築、推進を図ってまいります。

 

 

⑧ 特許戦略の構築

 アスタリスクでは、特許や技術ノウハウなどの知的財産は、重要な経営資源であるという認識のもと、知的財産戦略を定め、新規市場と新規顧客開拓のための知的財産マネジメントの充実を推進してまいります。
 権利化については、営業・開発・生産・管理が一体となった知的財産戦略活動により、知的財産権の出願、権利化などを推進し、知的財産権の積極的活用により、市場における優位性の確保を図ってまいります。また、第三者特許の侵害を防ぐための施策を定め、リスク回避に向けた取り組み、体制を構築しております。さらに、知的財産活動のレベル向上のため、顧問弁理士による特許勉強会なども実施しております。
 

⑨ 人材の確保

アスタリスクは少人数で効率的な組織運営を行ってまいりましたが、今後の事業規模の拡大を考えた場合、優秀な人材の確保を経営の重要課題としております。人材採用においては、アスタリスクの経営理念への共感、意欲、業務推進能力を兼ね備えた即戦力の中途採用や新卒者の定期採用を行ってまいります。

 

⑩ 内部管理体制の強化

アスタリスクは、現状、小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。今後、企業価値の継続的な増大を図るにあたっては、業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくことが不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいります。

 

⑪ リスクマネジメントへの取り組み

近年、想定しない規模で自然災害や感染症等が発生しており、かかる環境下において事業継続計画(BCP)の重要性が増しております。大規模な自然災害が発生した場合でも、被害を最小限にとどめ、復旧までの時間を最小限におさえて業務を継続できるよう、業務インフラ、緊急時連絡体制、本社屋をはじめとする各設備の見直しを行ってまいります。

 


事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がアスタリスクグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、以下のうち、将来に関する事項は、本書提出日現在において、アスタリスクグループが判断したものであります。

 

(1) 経済環境、社会的及び政治的動向に関するリスクについて

 アスタリスクグループの主要な市場である国及び地域の経済環境、社会的及び政治的動向により、アスタリスクグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。日本、米国及びアスタリスクグループが事業活動を行うその他の主要な市場において、景気後退による個人消費や民間設備投資の減少によって、アスタリスクグループが提供する製品・サービスの需要が減少する可能性があります。今のところ、当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと予想しております。対策として、優位な品質とコストを実現するための革新的な新技術の確立を目指しており、特許出願も進めていますが、これらが計画どおり進まない場合は、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外生産について
 アスタリスクグループの主力製品のAsReaderシリーズのハードウエアについては、海外企業に製造委託するEMS生産となっております。このうち、Apple社製品用のリーダー機器はApple社のMFi認証の認定工場を保有する韓国のSPS Inc.のみ生産が可能です。アスタリスクグループの当連結会計年度の売上高1,578,458千円の中で、当該企業の生産に依存している売上高は約51.2%であります。MFi認証はケーブルやイヤフォン、ホームオートメーション(家電制御)など様々な製品のジャンルが存在しますが、AsReaderのようなLightningコネクタ(Apple社の携帯機器などで用いられる、通信・充電のためのケーブル及び端子の規格)で接続できるリーダー機器を製造できるのは、MFi認証の認定工場のみになります。また、当該生産拠点においては、予期しない法律や規制の変更、経済的変動及び政治的混乱等のリスク、地震など大きな災害発生のリスク、委託企業の経営悪化による生産への影響リスクが存在いたします。今後においても、製造委託による安定的な生産は可能と考えており、短期的に当該リスクが顕在化する可能性は低いと予測しております。対策として、当該企業との良好な関係の構築、維持に努めること、生産拠点の分散、生産技術の蓄積、自社生産のノウハウ獲得などの対策を講じておりますが、リスクが顕在化した場合には、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 品質に関するリスクについて
 アスタリスクグループは、世界が様々なITソリューションを模索する中で、従来にない仕様、機能を搭載した製品を開発、展開することを目指しており、新製品も断続的に販売していくこととしています。このような状況下で、従来の知見にない品質上の課題が発現し、当該トラブル解決のための費用発生や品質に起因する販売の遅れが生じた場合、従業員の人為的ミス又は不測の事態の発生等による保守・製品保証に関する費用の発生などが生じた場合には、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと予想しております。

 

(4) 為替リスクについて
 アスタリスクグループの主力製品のAsReaderシリーズは、海外企業に製造を委託するEMS生産によっております。また海外市場での販売が増加することを見込んでおり、この外貨獲得が海外調達の為替変動リスクと相殺されることも想定しているため、事業構造の変化によるリスクの変動も考慮の上、リスクヘッジを検討してまいります。現状アメリカドルによる決済を行っておりますが、為替の変動による調達コストの変動が、同製品の競争力に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、アスタリスクグループは、海外における子会社の売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目を、連結財務諸表の作成のために円換算しております。これらの項目の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、急激な為替変動により、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 研究開発投資について
 アスタリスクグループは先端技術の研究開発を行うための投資を行っており、今後も積極的な研究開発投資を実行していく予定ですが、当該研究開発活動が計画どおりに進む保証はなく、十分な成果が適時に上がる保証もありません。
 また、アスタリスクグループが選定した研究開発テーマに基づき開発した新規技術やそれを応用した製品が普及しない場合や、技術革新によってアスタリスクの研究開発技術が陳腐化した場合、事業環境の変化等によりさらなる研究開発費の負担が生じた場合などには、先行投資した研究開発費の回収が困難になるなど、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。現在、積極的な販促活動、マーケティング活動により市場の動向やニーズは的確に把握できていると考えており、短期的に当該リスクが顕在化する可能性は低く、長期的なリスクと認識しております。

 

(6) 知的財産権について
 アスタリスクグループは知的財産権(特許権等)の保護について、社内の管理体制を強化し、細心の注意を払っておりますが、将来アスタリスクグループが認識していない第三者の所有する知的財産権を侵害した場合、又はアスタリスクグループが知的財産権を有する技術に対し第三者から当該権利を侵害された場合は、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。現在、徹底した関連特許の調査を実施していますが、すべての特許を網羅的に把握することは困難であり、当該リスクは常に存在すると認識しています。アスタリスクグループとしては、徹底的な調査とともに、積極的に特許取得を進め、複数の企業で所有する特許権等を相互に許諾し合うクロスライセンスによるリスク回避なども念頭に入れた特許戦略を構築してまいります。

 

(7) 代表者への依存について
 アスタリスク代表取締役執行役員社長である鈴木規之は、アスタリスクグループの創業者であるため、創業以来の最高経営責任者であり、アスタリスクグループの事業運営における事業戦略の策定や業界における人脈の活用等に関して、重要な役割を果たしております。アスタリスクグループは、当人への過度な依存を回避すべく、経営管理体制の強化、経営幹部職員の育成、採用を図っておりますが、現時点において当人に対する依存度は高い状況にあると考えております。今後において、何らかの理由により当人のアスタリスクグループにおける業務遂行の継続が困難となった場合、アスタリスクグループの事業運営等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 製造物責任について
 アスタリスクグループは、ハードウエアのメーカーとして、製造物責任を負っております。予期しない理由で発生した事故等により、アスタリスクグループの社会的信用の低下や多額の賠償義務が生じる場合があります。具体的には、安全設計や安全構造及び表示による残留リスクの低減などの基本対応のほか、通常有すべき安全性の確保について万全の対策、生産委託先の保証体制の充実、米国についてはPL保険への加入を通じて、当該リスクの低減策を講じておりますが、当該リスクの発生によって、アスタリスクグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 装着するスマートデバイス仕様変更の可能性について
 アスタリスクグループの製品のうち、iPhoneなどのスマートデバイスに装着して使用することを前提とした製品について、スマートデバイス側でサイズの変更等があった場合は、必要なモデルチェンジがタイムリーにできるよう常に情報収集に努め、開発を進めておりますが、対応コストの負担や対応期間中の販売ロスにより、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、アスタリスクグループの製品は、このような仕様変更にも対応可能な商品特性を有していることから、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

(10) 業績の変動について
 環境の変化等により予定した大型案件の獲得が実現しなかった場合や、納入先の運用テスト遅延などの理由により製品納入のタイミングが決算期末を越えて遅延した場合の他、大型案件の納入が特定の期や四半期に集中した場合には、アスタリスクグループの通期や四半期の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 欠品による販売機会損失、滞留在庫の評価損について
 アスタリスクグループが販売する製品の大部分は自社企画製品であり、需要予測のもと製造発注を行いますが、実際の受注は市場ニーズの変化等の様々な要因に左右されます。そのため、追加製造が受注量に対応できず販売機会の損失が発生する可能性があります。また、受注量が需要予測に達しない場合は、アスタリスクグループに過剰在庫が発生し、キャッシュ・フローへの影響や棚卸資産評価損が発生し、アスタリスクグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 固定資産の減損について
 アスタリスクグループが保有する固定資産に減損の兆候が発生した場合は、将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失を計上する可能性があり、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 投資有価証券に関わるリスク

 アスタリスクグループは、投資有価証券について、発行会社の財務状況や今後の見通しなどに鑑み、時価が著しく下落し、その回復が見込めない場合には、減損処理により評価損を計上する可能性があります。このような状況になった場合、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(14) 繰越欠損金の課税所得繰入れについて
 アスタリスクグループは、第18期連結会計年度末時点において税務上の繰越欠損金があるため、課税所得が減殺され、納税負担額が軽減されております。今後、業績の推移又は税制の改正内容によっては、税務上の繰越欠損金の全額を使用し、納税負担額を軽減できる可能性や繰越欠損金の繰越期間(第18期連結会計年度末時点における繰越期間は5年超)の満了により欠損金が消滅し、納税負担額を軽減できない可能性があります。繰越欠損金が解消された場合、通常の税率に基づく法人税等が発生し、アスタリスクグループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 法的規制等について
 アスタリスクグループの主力製品であるAsReaderシリーズの一部について、当該製品を使用するために各国の電波法の認証を受ける必要がある製品があります。当該認証手続きを行わず製品を使用した場合、販売先が法令違反になる可能性があります。対策としては各生産工場、認証代行会社との定期的な情報交換や、JAISA(一般社団法人日本自動認識システム協会)やRAIN RFIDアライアンスなどの業界団体の情報を適時確認して、販売先が法令違反になることがないよう指導しておりますが、認証条件の変更をアスタリスクグループが把握できておらず、販売先が法令違反となってしまった場合、アスタリスクグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 人材育成・確保について
 アスタリスクグループが成長を続けていくために不可欠な要素の一つが、優秀な人材の確保であります。アスタリスクグループは今後の事業規模拡大を見据えて、人材の採用及び人材育成を重要な経営課題の一つと位置付けており、統括的なプロジェクトマネジメント能力を有する人材を重点的に確保しつつ、将来アスタリスクグループを担う人材の育成に注力しております。
 しかしながら、人材育成が円滑に進まない場合、又は各部門において中心的役割を担う特定の従業員が万一社外に流出した場合には、アスタリスクグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 大株主について
 アスタリスク創業者かつ代表取締役執行役員社長である鈴木規之の本書提出日の前月末(2024年10月31日)現在での議決権所有割合は、直接所有分として2.3%であります。また、鈴木規之の資産管理会社であるトリプルウィン株式会社の議決権を合算した所有割合は47.3%となっております。鈴木規之及び当該資産管理会社は引続きアスタリスクの株式を保有する見通しでありますが、議決権の行使に当たっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。しかしながら、何らかの事情によって、鈴木規之又は当該資産管理会社がアスタリスク株式をやむを得ず売却することとなった場合、アスタリスク株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 配当政策について
 アスタリスクは、現在成長過程にあり、内部留保の充実を図ることが必要な段階にあることから、現在は内部留保の確保が重要であると考え、会社設立以来配当を行っておりません。株主利益の最大化を重要な経営目標の一つとして認識しておりますが、現在は内部留保の充実に注力することを基本的な方針としております。また、内部留保資金の使途につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応できる経営体制強化及び事業拡大のための投資等に充当していく予定であります。今後の株主への配当につきましては、業績や配当性向、将来的な成長戦略などを総合的に勘案し、配当政策を決定する方針でありますが、本書提出日の前月末(2024年10月31日)現在、配当実施の可能性及びその実施時期については未定であります。

 

(19) ストックオプションの行使による株式価値の希薄化について
  アスタリスクグループは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストックオプション制度を採用しています。本書提出日の前月末(2024年10月31日)現在付与しているストックオプションに加え、今後付与されるストックオプションについて行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。本書提出日の前月末(2024年10月31日)現在、これらのストックオプションによる潜在株式は223,400株であり、本書提出日の前月末(2024年10月31日)現在の発行済株式総数7,113,400株の3.1%に相当しています。

 

(20) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
   アスタリスクグループは、2024年9月17日に資金調達を目的として、新株予約権1,100,000株を発行しております。本書提出日の前月末(2024年10月31日)現在発行している新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。本書提出日の前月末(2024年10月31日)現在、これらの新株予約権による潜在株式は1,100,000株であり、本書提出日の前月末(2024年10月31日)現在の発行済株式総数7,113,400株の15.5%に相当しています。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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