KOKUSAI ELECTRICグループは、KOKUSAI ELECTRIC及び連結子会社7社で構成され、半導体製造装置の製造・販売・保守サービスを中心にグローバルに事業活動を展開しております。KOKUSAI ELECTRICグループは、半導体製造装置事業の単一セグメントであるため、ビジネスユニットごとに分類して記載いたします。
(1)装置ビジネス
KOKUSAI ELECTRICグループでは、半導体の製造に使用する装置の製造及び販売を行っております。半導体の製造プロセスの概略図を(図-1)に示します。半導体は、シリコンウェーハ上に、回路を形成していく工程を繰り返して製造していきます。回路形成工程は、回路形成に必要な薄膜等を形成する成膜工程、成膜後に熱をかけて結晶サイズを揃える(アニール)等の熱処理工程、成膜上に回路を形成するパターニングを行うリソグラフィ工程、パターンに沿って膜を取り除くエッチング工程、各工程間でウェーハを洗浄する洗浄工程、各工程間での検査工程で構成されます。シリコンウェーハ上にこれらの工程を繰り返して回路を形成する製造工程を総称して前工程と呼んでおります。そして、前工程の工程ごとに高度な専用技術を要したさまざまな装置が使用されることで半導体が製造されます。KOKUSAI ELECTRICグループでは、前工程における「成膜」工程の装置を主力製品として、また「熱処理」工程に用いられる装置の製造及び販売をしております。
図-1 半導体製造前工程とKOKUSAI ELECTRICグループ適応製品
「成膜」工程とは、シリコンウェーハの回路形成における回路素材となるポリシリコン膜や絶縁膜等の薄膜を形成する工程を指します。KOKUSAI ELECTRICグループでは、その成膜工程の中でLP-CVD製品のほかに、ALD(注1)に対応した製品を提供しております。
一方、「熱処理」工程とは、熱酸化(注2)膜を形成するプロセスや、成膜後に加熱して膜中の結晶サイズを揃える(アニール)プロセス、成膜後に注入した不純物を加熱して均一に拡散するプロセス、また、プラズマを用いて成膜後に膜質を改善する(トリートメント)プロセスなどを指します。KOKUSAI ELECTRICグループでは、本工程に最適なプロセス技術にて装置提供を行っております。
これらの工程は、シリコンウェーハの回路形成において重要な役割を担うことから、各装置に、高度な技術と品質の信頼性の高い製品提供が必要となります。
KOKUSAI ELECTRICグループが装置メーカーとして取り組んでいる最も重要な課題に、デバイス構造の複雑化を原因とする成膜プロセスの生産性の低下があります。三次元(立体)構造になるとデバイスの構造がより深く、複雑になります。それにより成膜が必要な表面積が拡大し、ガスの移動距離が長くなり、成膜に要する時間が増加するため、生産性の課題が顕在化します。また、デバイス構造の複雑化に伴い、難易度の高い高品質成膜が要求されており、ALDのニーズが高まっております。KOKUSAI ELECTRICグループは、このニーズに高難易度成膜と高生産性の両立できるバッチALD技術で、顧客の厳しい要求仕様に応えております。このバッチALD技術は、KOKUSAI ELECTRICのコア技術による競合優位性の高い技術となっており、KOKUSAI ELECTRICグループは高いシェアを持続しております。
顧客からのニーズが高まっているALDはサイクリックなプロセスであり、そのプロセスの中でガスの流入や流出、また膜質を維持するために副産物の除去を行うため時間を要するプロセスになってしまうことが大きな課題になっております。ALD技術とバッチの組み合わせによる補完関係を実現したKOKUSAI ELECTRICグループのバッチALD技術は、高難易度成膜と高生産性の両立を可能とするものであり、生産性に関するALDの問題の論理的な解決策となります。
次にKOKUSAI ELECTRIC製品について以下にご紹介いたします。KOKUSAI ELECTRIC製品はバッチ成膜装置と枚葉トリートメント(膜質改善)装置をラインアップしており、バッチALDは売上高世界シェア1位(出典:TechInsights Inc.. “TI_ALD Tools_YEARLY” (April 2025))となっております。また、KOKUSAI ELECTRICの枚葉トリートメント装置が属するPlasma Gate Modification Tools市場でも売上高世界シェア1位(出典: Gartner®, Market Share: Semiconductor Wafer Fab Equipment, Worldwide, 2024, Bob Johnson et al. Published 21 April 2025, Revenue from Shipments basis)(注3)となっております。
それぞれの製品についてご説明します。
① バッチ成膜装置
バッチ成膜装置とは、数十枚以上のシリコンウェーハを一括処理することを可能とした成膜装置であり、高生産性が特徴となります。バッチ成膜装置には、高生産性を追究しウェーハ数百枚の一括処理に対応した「ラージバッチ」プラットフォーム(図-2 主要製品概要参照)と、複雑化する半導体構造への難易度が高い高品質成膜に対応し、ウェーハ数十枚の一括処理に対応した「ミニバッチ」プラットフォームがあります。
このバッチ成膜装置のプラットフォームに使途に応じた反応炉をセットし、最適なプロセスを実現しております。「成膜」工程では、「LP-CVD」「ALD」など、「熱処理」工程では「熱酸化」「アニール」「拡散」などに適応しております。
なお、バッチ成膜装置の主力製品であるAdvancedAce®シリーズ及びTSURUGI® 剱®シリーズの概要は下記のとおりです。
・AdvancedAce®シリーズ:KOKUSAI ELECTRICのコア技術である温度制御技術、自動搬送技術、真空・ガス置換技術、冷却技術、成膜技術を結集することで、高品質な成膜性能と高生産性を実現し、バッチCVD技術とバッチALDに対応したサーマルプロセス装置。
・TSURUGI® 剱®シリーズ:次世代デバイス、特に三次元(立体)デバイスに向けた成膜品質向上の市場ニーズにこたえるため、新反応炉を採用した成膜処理技術向上により、最新のバッチALD技術に対応し高品質・高生産性を備えたプロセス提供を可能にしたサーマルプロセス装置。
② 枚葉トリートメント(膜質改善)装置
枚葉トリートメント装置は、成膜後にプラズマや加熱により膜中の不純物の除去や粒子を安定させることで膜質を改善させることを目的とした装置です。半導体デバイスの微細化、複雑化に伴い低温環境での成膜需要が高まる中で、低温環境でも膜質を維持するソリューションとして需要が拡大しております。
KOKUSAI ELECTRICグループで製造・販売している枚葉トリートメント装置には、独自のプラズマ源を用いた「酸窒化・トリートメント装置」のMARORA®、ノンプラズマでヒーターを熱源とした「アニール装置」のTANDUO®などがあります。特に「MARORA®」は複雑な半導体形状に対しても高い生産性と品質でのトリートメントが可能で、顧客からの需要を集めており、バッチ成膜装置に次ぐ柱として今後も成長させていく計画です。
(注1)KOKUSAI ELECTRICグループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでおります。
(注2)シリコン基板表面から内部にかけて高純度の酸化をする方法。熱酸化には、ドライ酸化、ウエット酸化などいくつかの方法があります。
(注3)GARTNERは、Gartner Inc.または関連会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークであり、同社の許可に基づいて使用しています。All rights reserved. Gartnerは、Gartnerリサーチの発行物に掲載された特定のベンダー、製品またはサービスを推奨するものではありません。また、最高のレーティング又はその他の評価を得たベンダーのみを選択するようにテクノロジーユーザーに助言するものではありません。Gartnerリサーチの発行物は、Gartnerリサーチの見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。Gartnerは、明示または黙示を問わず、本リサーチの商品性や特定目的への適合性を含め、一切の責任を負うものではありません。本書に記載するGartnerのコンテント (以下「Gartnerコンテント」) は、Gartnerシンジケート・サブスクリプション・サービスの一部としてGartner, Inc.(以下「Gartner」)が発行したリサーチ・オピニオンまたは見解を表すものであり、事実を述べているものではありません。Gartnerコンテントの内容はいずれも、そのコンテントが発行された当時の内容であり、本書が発行された日の内容ではありません。また、Gartnerコンテントに記載されている見解は予告なく変更されることがあります。
図-2 主要製品概要
(2)サービスビジネス
KOKUSAI ELECTRICグループでは、KOKUSAI ELECTRICグループが製造・販売する半導体製造装置において部品販売・保守サービスをはじめとするアフターサービスの提供を行っております。半導体生産工場においては、半導体製造装置が年中無休で稼働しており、半導体製造装置に対し安定的な稼働とともに、耐久性が高い製品の提供が要求されております。KOKUSAI ELECTRICグループにおいては、これら品質を担保した製品の提供を行っておりますが、これに加え、迅速、かつ、的確にアフターサービスを提供する体制が求められております。
KOKUSAI ELECTRICグループでは、このような顧客の要望に応えるべく、より顧客の製造拠点に近い場所にて、サービス拠点を設置したうえで、優秀なエンジニアを配置するとともに、交換パーツを配備することで、装置トラブルに迅速、かつ、的確に対応可能な体制を整えております。
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取り扱いサービス(役務提供を含む) |
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① |
消耗部品等の部品販売、 保守サービス、有償修理 (現地修理/ユニット引取り修理/オーバーホール等) |
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② |
装置の移設・改造 (プロセス変更/アップグレード等) |
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③ |
ウェーハサイズ200mm以下の レガシー装置(新規・中古)販売 |
① 部品販売、保守サービス、有償修理
KOKUSAI ELECTRICが製造・販売する主要製品に対し、保守メンテナンスするための製品の提供を行っております。加えて、半導体製造装置のための定期的な保守サービスを行っております。また、製品保証契約による修理サービスに加えて、故障時に有償で修理サービスを提供しております。
② 装置の移設・改造
KOKUSAI ELECTRICが提供する主要製品に対し、設置後に必要に応じて、装置の移設やプロセスの書き換え、アップグレード等のサービス等を提供しております。
③ ウェーハサイズ200㎜以下の装置と中古装置の販売
KOKUSAI ELECTRICはレガシー世代でのバッチ成膜装置を新規・中古いずれも顧客の要望に応じて適切に提供しております。2017年には、200mmバッチ成膜装置に、ウェーハサイズ300mmの先端装置技術を移植した新製品として競争力の高いバッチ成膜装置(VERTEX Revolution®)を市場投入して販売しております。また、SiCを含むパワーデバイス用途向けの販売が増加しており、KOKUSAI ELECTRICは高温アニール技術を生かして差別化をはかっております。
半導体設備投資サイクルの変動を受けにくく、かつ消耗品の販売等リカーリングな収益が発生するサービスビジネスは、安定的かつ高マージンな収益が期待されます。KOKUSAI ELECTRICグループは装置のライフサイクル全体にわたってアフターサービスを提供し続ける体制を整えており、インストール台数の増加と各サービスの強化を通じてサービスビジネスも拡大しております。
また、国内関連子会社(株式会社国際電気セミコンダクターサービス)にて、成膜した後に膜の抵抗値を測定する測定検査装置や、他装置メーカー等向けに洗浄装置用の超音波発振器(水の中で振動させて洗浄に使用)ユニットを製品として製造・販売をしております。
KOKUSAI ELECTRICグループの事業系統図は以下のとおりであります。
[事業系統図]
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてKOKUSAI ELECTRICが判断したものであります。
(1)企業理念
KOKUSAI ELECTRICグループは、ステークホルダーの皆様との対話をより一層深め、技術で未来を支えていく決意を込めた企業理念として「KOKUSAI ELECTRIC Way」を掲げております。
(2)経営方針
KOKUSAI ELECTRICグループは、企業理念の実現に向け、半導体製造装置専業メーカーとして社会的責任を強く自覚し、事業活動とESGの取り組み(環境・社会課題の解決、ガバナンスの強化)の両側面から経済価値及び環境・社会価値を追求することにより、SDGsの達成に寄与するとともに、持続可能な社会の実現とKOKUSAI ELECTRICグループの持続的な発展の両立をめざしてまいります。
(3)経営戦略
KOKUSAI ELECTRICグループは、半導体製造プロセスの前工程における「成膜」工程に注力しており、バッチ成膜装置、トリートメント(膜質改善)装置で世界トップクラスのシェアを有しております。近年、半導体デバイス構造の微細化や構造の複雑化、三次元化によってウェーハの表面が複雑な形状になり、高品質な薄膜等を形成するにはより高度な技術が必要とされています。これに対してKOKUSAI ELECTRICグループは、難易度の高い成膜と高い生産性を両立するバッチALD成膜技術や、高い生産性を維持しつつ形成された薄膜の膜質を改善するトリートメント技術を生かした高付加価値製品の販売拡大や研究開発に注力し、事業拡大を図ってまいります。また、装置のライフサイクル全体にわたって、メンテナンスや修理、部品供給、移設・改造などお客様のニーズに合わせたアフターサービスの拡充を図るとともに、今後の需要拡大に対応するための生産体制及び開発体制の拡充、DXを活用した生産効率向上にも注力してまいります。
ESGの取り組みでは、設定した5つのマテリアリティに基づき、課題解決に向けた活動を推進してまいります。
また、ディスクロージャーポリシーに則り、ステークホルダーの皆様と積極的に対話を行ってまいります。
(4)中期計画
KOKUSAI ELECTRICグループは、WFE(Wafer Fab Equipment:半導体製造装置市場)の市場規模および市場成長を前提として、中期目標を設定しております。詳細は、KOKUSAI ELECTRICウェブサイト(URL:https://www.kokusai-electric.com/ir)にて公開しております。
(5)経営環境
半導体製造装置市場に大きく影響する半導体デバイス市場の規模は、2010年の約3,000億ドルに対し、12年後の2022年には約6,100億ドルと2倍以上へ拡大しており、2023年から2028年まで年平均成長率9.5%で成長することが予想されております(注1)。半導体デバイス市場拡大の背景には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大や、5G、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資(GX)等の産業向けの需要拡大、主要国による産業支援策があります。足元の世界経済は、不透明な経済環境を受けてスマートフォンやパソコン等の電子機器の需要が引き続き低調に推移し、NANDを中心に半導体デバイスメーカーの投資抑制が続いています。しかし、半導体デバイス市場では在庫調整が進んでおり、メモリーデバイス単価の上昇が見られ始めたことから、市況が底を打ったとの見方をしています。2024年後半から2025年にかけて、半導体デバイスの需要が本格回復し、2027年に向けて技術革新の継続・加速により再び成長基調へ進んでいくものと期待しております(注2)。
半導体製造装置市場は2010年の約300億ドルに対し、12年後の2022年には約980億ドルと3倍以上へ拡大しており、2023年から2028年まで年平均成長率7.5%で成長することが予想されております(注2)。足元では不透明な経済環境を受けて、NANDを中心に半導体デバイスメーカーの投資抑制が続いていますが、半導体デバイスの需要回復に伴って半導体製造装置の需要も回復するものと見ております。中長期的には、半導体デバイスの微細化、構造の複雑化、三次元化が進む中で、難易度の高い成膜と高い生産性を両立することのできる半導体製造装置へのニーズが高まると考えております。
(注1)出典:TechInsights Inc. Semiconductor Forecast (March 24)
(注2)出典:TechInsights Inc. IC MANUFACTURING EQUIPMENT MARKET HISTORY AND FORECAST (2018 - 2028) (March 2024)
半導体デバイス/半導体製造装置の世界市場規模(単位:十億ドル)
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2010年 |
2022年 |
2023年 |
2028年(予想) |
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半導体デバイスの 世界市場規模 |
296.7 |
613.9 |
559.1 |
878.7 |
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半導体製造装置の 世界市場規模 |
30.4 |
97.7 |
99.0 |
142.3 |
出典:TechInsights Inc. Semiconductor Forecast (March 2024)
出典:TechInsights Inc. IC MANUFACTURING EQUIPMENT MARKET HISTORY AND FORECAST (2018 – 2028) (March 2024)
(6)事業上及び財務上の対処すべき課題
KOKUSAI ELECTRICグループを取り巻く事業環境は、不透明な経済環境を受けて、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要が引き続き低調に推移し、NANDを中心に一部の半導体デバイスメーカーによる投資抑制が続きました。もっとも、半導体デバイス市場では在庫調整が進んでおり、メモリーデバイス単価の上昇が見られ始めたことから、KOKUSAI ELECTRICグループとしては、市況が底を打ったとの見方をしています。一方で、中国においてはパワーデバイスを含む成熟ノード向けの設備投資が活発化しているほか、世界各国においても先端品開発に対する投資は継続されており、市況の回復に伴って、先端品への設備投資が活発化するものと期待されています。さらに、中長期的には、スマートフォンやパソコン等の電子機器の需要拡大に加え、5G、AI、IoT、DX等の拡がりによるデータセンターの拡充や環境負荷低減への投資等により、半導体関連市場は大きな成長が見込まれております。
こうした状況をふまえ、KOKUSAI ELECTRICグループは、前述の経営戦略に基づき、以下の重点施策を推進してまいります。
① 高付加価値な技術・製品の継続的な創出、10年先を見据えた研究開発
高難易度な製品・技術が持つ付加価値を継続的に創出することで、先端デバイスを開発するお客様から評価いただけるよう、新技術・新製品の開発を推進いたします。半導体デバイスの微細化や構造の複雑化、三次元化への対応に加え、チップ積層技術も重要な課題の一つとなっており、横浜市に研究開発拠点を新設するなど10年先を見据えた研究開発体制の強化を図ってまいります。
② 売上・利益のさらなる拡大のための提案力と顧客エンゲージメント強化
半導体デバイスの三次元化が先行しているNAND分野で培ってきたバッチALDをはじめとする先端プロットフォームやプロセス技術をLogic/Foundry分野やDRAM分野へと展開いたします。また、市場拡大が続くパワーデバイスや成熟ノード、センサー向けの売上・利益の拡大に向けた取り組みも継続して強化いたします。KOKUSAI ELECTRICグループが長年にわたって培ってきた“技術”と“対話”により、お客様が抱える課題を深く理解し、その課題を解決する優れた提案を行うことで、顧客エンゲージメントの強化を図ってまいります。
③ 砺波事業所(仮称)の立ち上げと、新生産方式による生産能力の倍増化
中長期的な需要増加を見据え、富山県砺波市に2024年秋までの竣工をめざして砺波事業所(仮称)を新設しております。この砺波事業所(仮称)では、SX(Smart Transformation)を最大限活用することにより、生産効率が高く環境に優しい事業所をめざしております。この生産能力の拡充に合わせて、富山事業所の開発能力を拡充するとともに、韓国拠点のデモ評価エリアを拡張することにより、開発体制の拡充を図ってまいります。
④ サービスビジネスのさらなる拡大
部品販売・メンテナンスをはじめ、製品のライフサイクル全体でお客様のニーズに対応するサービスを提供するため、グループ全体でのサービスビジネス運営の強化を推進し、さらなる事業拡大をめざしてまいります。
⑤ グループ一体化経営による事業活動改革の継続
グループ会社社長の現地人化を推進し、2023年6月末までに全てのグループ会社で現地人社長が就任しており、グループ全体でビジネスの拡大、質の高いサービスの提供、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスの取り組みを継続的に強化してまいります。
⑥ 収益率向上に向けたグループ横断での業務効率向上のさらなる推進
KOKUSAI ELECTRICグループにおける営業-設計-調達-生産-サービス業務の全体最適を目的として、グループ横断での業務効率向上をさらに推進してまいります。国内外のグループ会社におけるインフラの統合を含め、グループ全体で取り組みを強化いたします。
⑦ サステナビリティ経営の高度化推進
企業理念である“KOKUSAI ELECTRIC Way”のもと、グループ全体でサステナビリティ経営レベルを高度化していくフェーズに移行しており、より一層、企業の社会的責任を自覚しながら事業とESGの両側面での取り組みを強化してまいります。
(7)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
KOKUSAI ELECTRICグループは、企業の持続的な成長性、収益性を測定するため、売上収益、調整後営業利益率、調整後営業利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益を重要な経営指標として位置付けております。当該指標を重視する理由について、売上収益は事業成長の目安となること、調整後営業利益率は売上の増加割合に対する収益性の変化を確認する目安となるためであります。また、資本コストを意識しながら中長期的な視点で資本収益性を向上させるため、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)についても重要な経営指標として位置付けてまいります。
なお、調整後営業利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益につきましては、経営成績の推移を把握するために以下の算式により算出しております。
① 調整後営業利益 = 営業利益(IFRS)- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く)
② 調整後当期(四半期)利益 = 当期(四半期)利益- その他の収益 + その他の費用 + 企業結合により識別した無形資産等の償却 + スタンドアローン関連費用 + マネジメントフィー + 売却関連費用 + 株式報酬費用(業績連動型株式報酬制度に係るものを除く) - 持分法で処理されている投資の売却益 + ファイナンシング関連費用 + その他の金融費用 + 調整項目に対する税金調整額 - 税率変更に伴う一時的な税金費用の調整額
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がKOKUSAI ELECTRICグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスク、リスク顕在化の可能性、顕在化の時期、連結業績への影響度及びリスクへの対応は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてKOKUSAI ELECTRICが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)マクロ経済環境
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)
KOKUSAI ELECTRICグループはグローバルに事業を展開しており、KOKUSAI ELECTRICグループの業績は国内外の景気、経済動向、社会情勢及び地政学的リスク等に影響されます。例えば、半導体デバイスの急激な需要の増減や需給バランスの悪化によって、半導体デバイスメーカーの設備投資計画に大きな変更が生じれば、KOKUSAI ELECTRICグループの調達、製造コスト、販売の計画に影響が生じる可能性があります。また、国際的な貿易紛争や製品の国産化施策に伴う関税、貿易障壁、国産メーカー支援強化等の政策により、KOKUSAI ELECTRICグループにおける製造コストの上昇、国を跨いだ輸送の遅延、販売機会の変化等が生じる可能性があります。また、ロシア・ウクライナ問題の長期化、世界的なインフレの長期化、インフレ抑制のための金利上昇、新興国の成長鈍化、中台関係の悪化、中東及び北朝鮮での地政学的リスクの増大等により世界経済が低迷する場合、KOKUSAI ELECTRICグループの主要な販売地域にも影響を及ぼす可能性があります。加えて、「(9)感染症の世界的流行」に記載のとおり、感染症の世界的な感染拡大等が再度発生した場合、消費者行動及び事業活動を含む世界全体の経済活動に影響が生じる可能性があります。
KOKUSAI ELECTRICグループは、マクロ経済環境について注視しながら事業運営を進めていく方針ですが、上記のような影響が生じた場合、KOKUSAI ELECTRICグループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
2023年3月期には、2022年10月7日付米国輸出管理規則(EAR)(注1)の改正公布により、米国製半導体製造装置について中国の特定の先端半導体メーカーへの輸出が禁止され、さらに2022年12月16日付で複数の中国の半導体メーカーが米国政府の発行する制裁リスト(Entity List)に掲載されました。また、日本においても、全世界向けを対象とした先端半導体製造装置の輸出規制に関する改正法令が2023年5月23日に公布され、7月23日に施行されました。このような米中貿易紛争は日本や他国にも波及し、中国の半導体デバイスメーカーのみならず他の大手半導体デバイスメーカーの投資計画に影響を及ぼすなど、今後の半導体業界にとっての大きなリスクであると懸念されます。
(注1):EAR=Export Administration Regulations(輸出管理規則)
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、事業等のリスクについて、社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会において総合的に管理・検討する体制のもと、各部門が必要な対応を行い、定期的に、また必要に応じて取締役会へ報告、審議する管理体制を整備しております。
また、当該リスクを軽減するため、市場動向や競合状況の調査・分析を行い、お客様との対話を通じてニーズを把握し、そのニーズに応えることのできる付加価値の高い製品・サービスを提供し続けるべく研究開発をはじめとする事業活動を推進しております。加えて、半導体デバイス別および地域別の売上構成バランスをより適正化すべく努めてまいります。
(2)市場ニーズ
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)
半導体業界は技術革新が激しく、技術の変化により市場が大幅に成長する反面、需要と供給のギャップが急激に広がり供給過剰となり、半導体製品の値崩れ及び設備投資の抑制が発生することがあります。
半導体デバイス市場は事業構造上、不安定な性質を有しているため、将来においても市況が低迷する可能性があります。半導体デバイス市場と連動する半導体製造装置市場もこの不安定な市況を避けることは難しく、半導体市況に連動しKOKUSAI ELECTRICグループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、幅広い用途で半導体の利用が進んでおり、半導体を利用した新しい製品や技術の導入時期、消費者の嗜好の変化、業界の動向等が、半導体の需要や半導体メーカーの設備投資、研究開発計画に与える影響は大きくなっていることから、半導体の市場動向の予測は複雑化しております。3か月に1回程度更新される民間調査機関(TechInsights等)にて、WFE(Wafer Fab Equipment:半導体製造装置市場)CY年度予測が発表されます。市場動向から下方修正、又はマイナス成長予測に転じる場合があり、その予測どおりに主要顧客投資計画の見直しからの後ろ倒しや縮小・中止などが発生した場合には、KOKUSAI ELECTRIC業績に影響を与える可能性が生じます。また、主要顧客における予測していない事故や事態、半導体デバイス市場の想定を超える需要の悪化によりKOKUSAI ELECTRICグループの事業が影響を受ける可能性があるだけではなく、予測を上回る半導体の需要増に応じた半導体製造装置の需要の増加に対応できず、KOKUSAI ELECTRICグループが市場の好況の恩恵を十分に享受できず、主要顧客との取引関係にも影響を与える可能性があります。
また、半導体製造装置メーカーの変更は、一般的にコストが高く、顧客である半導体メーカーが一度特定の半導体製造装置メーカーの装置を選択すると、当該半導体メーカーは同じ半導体製造装置メーカーの製品を利用し続ける傾向にあります。他の半導体製造装置メーカーの製品を利用している顧客がKOKUSAI ELECTRICグループ製品に乗り換えることは必ずしも容易ではないため、他の半導体製造装置メーカーの製品を使用している潜在的な顧客にKOKUSAI ELECTRICグループ製品を販売することができない場合、KOKUSAI ELECTRICグループの売上及び市場シェアの拡大に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。
(3)他社との競合等
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)
他社との競合の観点では、KOKUSAI ELECTRICの主力製品であるバッチ成膜装置は、他社の枚葉装置と部分的に競合し、また、同じバッチ成膜装置の競合メーカーと激しい競争が続いております。トリートメント(膜質改善)装置についても、複数の競合メーカーとの競争があります。KOKUSAI ELECTRICグループでは、新製品の高品質成膜・高性能半導体製造装置(25~50枚少数枚数バッチ処理)で、枚葉装置よりも生産性における優位性を維持するとともに、KOKUSAI ELECTRICのALD成膜技術、プリカーサ(成膜に使用するガス)開発や、排気技術の開発など、技術開発における優位性の維持に努めておりますが、技術革新、生産能力の拡充や生産性の改善等の実現が他社に遅れ、販売価格の前提となるコスト、性能、生産量が競合他社に劣る場合や、新たな競合メーカーが台頭した場合、受注高の減少及びシェアの低下により売上及び収益が悪化することにより、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。
(4)主要顧客への依存
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)
半導体業界は、近年の激しい景気変動や技術競争から再編が進んでおり、プレイヤーが集約された市場環境となっております。KOKUSAI ELECTRICグループにおいても、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ 生産、受注及び販売の実績」に記載のとおり、主要顧客に対する売上収益が連結売上収益の相当程度を占めております。KOKUSAI ELECTRICグループは、リスクを軽減するため、主たる経営数値は当然のこととして、各種の経営指標についても継続的に管理するとともに、リスクをふまえた一定の目標に基づき適切な改善を行ってまいります。また、取引先に対し定期的な信用調査や信用リスクに応じた取引限度額を設定するなど、信用リスクの管理のための施策を講じておりますが、主要顧客各社の事業方針の変更、取引条件の変更、技術革新、業界動向、地政学的影響などの理由により取引量が縮小した場合や販売価格低下の圧力が強まった等の場合には、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、KOKUSAI ELECTRICグループが売掛債権を有する主要顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合には、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。
(5)中期経営計画
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
KOKUSAI ELECTRICグループが策定した中期経営計画では、新規顧客開拓、新製品投入及び市場シェア拡大等による成長を通じた収益の拡大と収益性の向上をめざすとともに業務効率の向上等の追求をめざしております。
市場環境が、中期経営計画の前提と異なる場合、目標の達成が困難となる可能性があります。また、KOKUSAI ELECTRICが認識又は評価できなかった要因により、計画を見直す必要が生じた場合、KOKUSAI ELECTRICの競争力に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定以上の競争激化、新型コロナウイルス感染症の影響の期間及び程度、人材採用、KOKUSAI ELECTRIC製品の製造又は販売市場に関連する法律、規制又は税制の不利益な変更、技術や顧客の嗜好の変化への対応等の潜在的なリスクに対応できない場合、また、これらのリスクに関連する費用が想定を超えて発生した場合等、KOKUSAI ELECTRICグループが定めた目標を達成できず、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。
(6)研究開発
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)
KOKUSAI ELECTRICグループを取り巻く半導体デバイス市場は、従来の携帯電話やパソコンなどのコンシューマー向けからデータセンターや5G、AIなどの高成長産業向けへと需要がシフトしながら急速に拡大しております。これに伴い、半導体デバイスは複雑な構造へのシフトが進んでおり、半導体製造装置はより難易度の高い技術と高い生産性の両立が求められ、半導体の世代ごとの開発に追従する厳しい技術開発競争下にあります。
KOKUSAI ELECTRICグループにとって研究開発は重要課題の一つであり、積極的な投資によって顧客ニーズに応えうる付加価値の高い技術及び製品を提供し続けることを基本としておりますが、市場環境の変化に対応できない場合や製品競争力を維持できない場合、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。
(7)海外事業
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)
KOKUSAI ELECTRICグループは、グローバルに事業を展開しているため、海外の各国において以下のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合には、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、KOKUSAI ELECTRICグループの売上収益の比率が高い国においては、「(1)マクロ経済環境」に記載のとおり、今後、地政学的問題や貿易摩擦などによって各国の国産メーカーへの支援強化等が実施される可能性があり、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。地域別の売上収益については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 21.売上収益」をご参照ください。
・投資、輸出入、関税、公正競争、腐敗防止、環境、労働、租税その他事業活動に係る法令その他の公的規制及びその変更
・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動上の制約
・政治的要因、社会的要因及び経済情勢の変動
・テロ、戦争、自然災害、各種感染症等の発生による社会的混乱等
(リスクへの対応)
「(1)マクロ経済環境」におけるリスクへの対応と同様です。
加えて、技術的、取引上の契約事項の明確な記載と相互確認を行うとともに、海外事業に係る取引先、輸出先政庁との情報共有、輸出管理運用基準の遵守、輸出管理教育の受講、輸出管理部門、法務部門と担当部門の連携強化を図っております。
(8)大規模災害等
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)
災害や人為的な原因等により電力、通信、交通等の社会的共通資本に関して重大な障害が発生した場合、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、主要生産拠点であるKOKUSAI ELECTRIC富山事業所において長期にわたり稼働が困難となった場合には、より重大な影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループの事業拠点は、国内及び海外に展開しており、生産及び販売活動に大きな影響を与える地震、津波、洪水、火災等の災害に備え、下記の対応を行っております。
・富山事業所における大規模災害発生を想定した、初期安全確保から生産稼働復旧に至る方針マニュアルの策定と運用
・安全衛生リスク評価による予防安全装置の拡充継続・適切配分、ビジネスリスクアセスメントの見直し
・社員の安全が確保できない場合は緊急対応として屋外避難の実施
・安全運転講習、ISO45001に基づく安全衛生管理、海外出張用安全衛生マニュアル等による継続的リスク指導
(9)感染症の世界的流行
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:小)
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、都市封鎖や外出の禁止、自粛による移動の制限、事業拠点の閉鎖、生産活動の制約、個人消費や設備投資等の減少、サプライチェーンの混乱、世界的な資本市場の散発的な乱高下や資金調達環境の悪化等を生じさせ、世界経済の悪化を招き、KOKUSAI ELECTRICグループ及びKOKUSAI ELECTRICグループの顧客やサプライヤーの業務等にも影響を生じさせました。
新型コロナウイルス感染症の世界的な再流行、又は同様の感染症の世界的な流行及びそれに伴う各国政府等の対応策は、KOKUSAI ELECTRICグループの事業や経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、当該リスクを軽減するため、感染症流行時には感染防止対策を徹底するとともに、サプライチェーンの動向を注視し、支障が生じた際には対策本部を設置するなどして迅速な対応を行ってまいります。
(10)調達・生産
(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)
KOKUSAI ELECTRICグループの使用する購入品資材等は、マルチベンダー化や継続的な仕入供給先への先行情報提供等により安定的な供給の確保に努めておりますが、供給の遅延・中断、急激な需要の増加、経済環境の悪化等により、必要不可欠な購入品資材等の供給不足や市場価格の上昇が生じる可能性があります。また、グループ製品に使用する資材等の仕入先を変更する際には、顧客の事前承認が必要な場合がありますが、顧客からの要求仕様を満たすために必要な特定の仕入品は、顧客承認を得るまで特定の仕入先からしか入手できず、必要な購入品資材等が不足する可能性があります。また、特定の仕入先の被災、事故、倒産等による急な供給遅延・中断が発生し、顧客の事前承認を取得するまでの間に代替品に切替えることができない場合、KOKUSAI ELECTRICグループの生産活動に影響が生じ、顧客への納期遅延や受注取り消し等により、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、当該リスクを回避するために下記の対応を行っており、例えば、仕入先から生産中止による供給停止を要望された場合でも、仕入先には通常1年前の申請を義務付けているため、仕入先からの供給を確保しつつ、代替品を選定するなど切り替えの準備を進め、顧客承認を取得した上で代替品に切替えております。
近年においては、マクロ経済環境における海外及び国内の経済動向、社会情勢及び地政学的リスク等の影響により、購入品資材等の仕入価格の上昇が継続しております。KOKUSAI ELECTRICグループでは、価格上昇妥当性精査に加え商品の高付加価値化や製品への価格転嫁等により仕入価格上昇の影響を吸収していく方針です。
・ビジネスパートナーとの日常連携と仕入価格の適時妥当性評価
・ビジネスパートナーミーティングの定例・臨時開催による市場および生産情報共有と協議
・QCDE(Quality Cost Delivery Environment)定期評価の実施
・重点ビジネスパートナーの経営監視の実施
・取引先緊急対応MAPの作成(二次、三次取引先の把握)
・マルチベンダー化の継続的推進
・購入品の高付加価値化及び製品への価格転嫁努力
(11)製造物・品質
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)
大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生し多額の追加費用が発生することになった場合や、品質に問題が生じたことにより受注取り消しが発生した場合、KOKUSAI ELECTRICグループの製品・サービスに対する顧客からの信頼が低下した場合、その他KOKUSAI ELECTRICグループの製品の製造過程で問題が生じた場合(災害等により事業継続に支障が生じた場合、及びサプライヤーからの供給に問題が生じた場合等を含みます。)には、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、国際標準規格である品質マネジメントシステム(ISO9001)及び環境マネジメントシステム(ISO14001)により製品を製造しており、重大な品質問題を防ぐため以下の取り組みを行っております。また、KOKUSAI ELECTRICグループの製品の製造過程で問題が生じた場合には対策本部を設置するなどして迅速な対応を行ってまいります。
・製品安全設計の推進
・継続的な製品品質向上策の推進
・不具合発生時の是正・予防処置基準に準拠した原因追及、対策、再発防止策等の是正処置
(12)為替
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
KOKUSAI ELECTRICグループにおける海外売上収益は高い水準で推移しております。また、KOKUSAI ELECTRICグループの外貨建ての資産及び負債の評価は為替相場の変動により影響を受けております。為替相場の急激な変動によっては、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループでは、海外での製品販売を円建としており、また、為替予約等の措置を講じることで、為替変動によるリスクを一定程度軽減させるよう努めております。
(13)訴訟等
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期~長期、影響度:小)
KOKUSAI ELECTRICグループは、法令及び契約等の遵守に努めておりますが、事業活動を進めていく上で取引先等から訴訟を受ける可能性や、訴訟に至らないまでも紛争に発展して請求等を受ける可能性があります。それらの訴訟等でKOKUSAI ELECTRICグループが勝訴するという保証はなく、それらの訴訟等がKOKUSAI ELECTRICグループの将来的な事業活動に影響を与える可能性があることは否定できません。また、さまざまな事情により、訴額の大きな訴訟等が提起された場合には、仮に損害賠償等の金銭の支払いが命じられる可能性が低いとしても、社会的な注目を集める結果、KOKUSAI ELECTRICグループの社会的評価が低下する可能性があり、これによりKOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、KOKUSAI ELECTRICグループの事業活動に関する法令等の遵守はもとより、社会規範と企業倫理に則った透明性の高い経営を行うための行動を実践することを目的として、コンプライアンスの基本方針や体制などを定める会社規則を制定し、国内外の主要拠点における事業活動状況について、主にコンプライアンスの観点から把握するための体制として、コンプライアンス担当役員のもと本社の経営サポート部門を中心に構成するコンプライアンス委員会を設置しております。また、法令や企業倫理上疑義のある事項等を早期に発見し、速やかな対策を講じるための仕組みとして、KOKUSAI ELECTRICグループ統一のコンプライアンス通報制度を設けております。
(14)知的財産
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:中)
KOKUSAI ELECTRICグループは、KOKUSAI ELECTRICの技術及び製品の競争力強化の観点から事業運営において知的財産に関する取り組みが重要であると認識しており、KOKUSAI ELECTRICグループの技術やノウハウを保護するため、知的財産権の確保に努めておりますが、第三者がKOKUSAI ELECTRICグループの知的財産権を侵害する製品の販売等をすることによりKOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、万が一、第三者がKOKUSAI ELECTRICグループによって当該第三者の知的財産権を侵害しているとの見解を抱いた場合、当該第三者より、差止請求や損害賠償請求等の請求を受ける可能性があり、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループでは、当該リスクにより、KOKUSAI ELECTRICの健全な事業活動の継続に支障をきたすことのないよう、研究開発部門、設計部門、法務・知財戦略部門など関係部署が相互に連携し、より適切な知的財産権のポートフォリオを構築するよう努めております。また、KOKUSAI ELECTRICグループでは、研究開発部門、設計部門、法務・知財戦略部門など関係部署が相互に連携し、技術及び製品の開発を進めており、必要に応じて、外部の専門家等の助言を得ております。
(15)環境対応
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期~長期、影響度:中)
KOKUSAI ELECTRICグループは、法及び規制の遵守のために必要な経営資源を投入しておりますが、現在及び過去の生産活動に関わる環境責任に伴う費用負担や損害賠償が発生する可能性があり、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、排水、排気、騒音、廃棄等における環境汚染に関するさまざまな環境法及び規制の適用を受けており、以下の対応を行っております。加えて、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に沿い、気候変動におけるリスクと機会を特定するとともに、それらが事業や財務に与える影響を分析し、対応策を設けております。
・ISO14001による環境管理、法規制・条例の把握
・使用エネルギーの適正管理
・排水・排気設備の日常点検
・廃棄物委託業者の現地確認実施
・化学物質の適切な管理(許可、登録、使用量管理、廃棄時WDS(Waste Data Sheet)の提供)
・顧客への製品の化学物質情報の提供
(16)借入金
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
KOKUSAI ELECTRICグループは、LBOスキームにより株式取得を実施した際、金融機関等を貸付人とする多額の借入れを行っております。また、必要な運転資金について、営業活動より稼得した現預金を充当するほか、設備投資や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には、金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場の混乱や景気低迷、金融機関の融資姿勢の変化により資金調達環境が悪化した場合や、市場金利の急速な上昇等により支払利息が急激に増加した場合には、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。今後、KOKUSAI ELECTRICの経営成績が著しく悪化するなどして財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失し、一括返済を求められるなどして、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13.借入金」をご参照ください。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、上記のLBOスキーム実施時の借入金について、金利負担の減少、財務制限条項の緩和や有利な返済計画とする観点から、2021年3月期に金利(配当)負担の重い優先株式の買戻しとメザニン借入の返済を含む1,250億円の借り換えを行っております。
(17)のれん及びその他の無形資産
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
KOKUSAI ELECTRICグループは、2018年5月にKOKUSAI ELECTRICが日立国際電気の全株式を取得した際にLBOを用いた出資を行っております。これにより、のれん及びその他の無形資産が2024年3月期においてそれぞれ59,065百万円、56,494百万円計上されており、合わせて連結資産合計の30.8%を占めております。KOKUSAI ELECTRICが連結決算において採用する国際会計基準では、当該のれん及び一部の耐用年数を確定できない無形資産については、償却を行わず、事業年度ごと又は減損の兆候が確認される場合において、減損テストを実施し、KOKUSAI ELECTRICグループの事業の収益やキャッシュ・フロー創出力が低下したと認められる場合に減損損失を計上することが必要となり、これによりKOKUSAI ELECTRICグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計と異なり、前述のとおり、のれん及び耐用年数の確定ができない無形資産の償却を行わないため、当該のれん及びその他の無形資産について減損損失の計上が必要となる場合、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計での減損損失の計上に比して計上額が多額となる可能性があります。
2024年3月期においては、減損テストの結果、将来キャッシュ・フローによる使用価値(回収可能価額)は帳簿残高を上回っており、減損損失の計上は不要と判断しております。しかしながら、仮に税引前の割引率が一定の場合、将来キャッシュ・フローの見積額が71.2%減少すると回収可能価額と事業価値の帳簿価額が等しくなる可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループでは、上記リスクを逓減するため、事業の収益力強化に努めており、主に以下の取り組みを実施しております。
① 顧客関係性の向上による、利益の最大化とシェアの拡大
顧客エンゲージメントの最適化を推進するとともに、差別化技術開発を加速し、高付加価値製品の展開によるシェアの拡大、収益力強化に注力してまいります。
② プロダクト・ライフサイクル・ビジネスの持続的成長
顧客へ納入した装置のアフターサービスは、装置販売の拡大とともに、重要な事業として強化に取り組み順調に拡大してきました。今後も、プロダクト・ライフサイクル・ビジネスをさらに高度化して、拡大展開を推進してまいります。
③ 製品・アプリケーション別戦略によるPOR(注)獲得強化と収益拡大
アプリケーションごとの装置プラットフォームの最適化とターゲットの明確化によりPORの獲得を推進してまいります。顧客の要求に合致した技術開発と提案により、高収益である次世代新製品、新アプリケーションの拡販に取り組み、新PORの獲得とともに収益の拡大をめざしてまいります。
(注)Process Of Recordの略であり、「顧客の半導体製造プロセスにおける製造装置認定」のことを指します。
(18)コンプライアンス等
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
事業を展開する各国の法令、規則の適用を受けるため、コンプライアンス体制や内部統制システムに内在する限界、法規制、法解釈の変更等により法規制等の遵守が困難になる可能性があります。また、貿易紛争により輸出規制や関税等が強化される可能性もあります。これらの規制を遵守できなかった場合には、業務への障害、罰則や課徴金の適用、法令違反に係る損害賠償請求、業務停止等の行政処分、KOKUSAI ELECTRICグループに対する社会的評価・信用の低下等により、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、規制の強化によってそれを遵守するためのコストが大幅に上昇する可能性や、各国の競争法によってKOKUSAI ELECTRICグループの事業の拡大が妨げられる可能性があります。
また、KOKUSAI ELECTRICグループは、財務報告の適正性と信頼性を確保するための内部統制システムを構築しておりますが、さまざまな要因により内部統制システムが機能しなくなる可能性があります。このような事象に適切に対処できない場合、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
「(13)訴訟等」におけるリスクへの対応と同様です。
加えて、コンプライアンス教育により法令、規則の周知徹底を行うとともに、澱み・癒着を防止するために、管理部門、担当ビジネスパートナーの定期ローテーションを強化するとともに、内部監査による定期的なモニタリングを実施しております。
(19)人材
(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期~中期、影響度:中)
KOKUSAI ELECTRICグループがグローバルな事業展開を進めるなか、イノベーションを創出し成長を続けるためには、国内外で多様な人材を確保・育成すること、多様性を生かす組織文化が重要となります。
少子高齢化の加速に伴う人材不足に起因して、必要な人材を継続的に採用・維持することができない場合や重要人材を喪失した場合には、人材不足による製品開発力の低下や顧客サポートの質の低下を招き、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、国内外で必要な人材をタイムリーに確保するため、国内外で経験者採用を拡大するとともに、多様な人材が働きやすい職場づくりの推進、グループ・グローバル共通のラーニングマネジメントシステムの活用や社内教育プログラムの実践により戦略的に人材の確保・育成を図っております。
(20)情報セキュリティ
(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大)
KOKUSAI ELECTRICグループは、事業活動を通じて、機密情報、顧客情報、個人情報等を取得・保有、利用しており、それらが意図せず流出した場合、社会的信用の低下や、損害賠償の発生、製品競争力の低下等により、KOKUSAI ELECTRICグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、KOKUSAI ELECTRICグループは、情報システム及び情報ネットワークを駆使しながら事業活動を行っており、サイバー攻撃、不正アクセス、自然災害、停電、機器類の故障、人為的ミスなどにより障害等が発生した場合には、業務の停滞や信用の低下が生じ、KOKUSAI ELECTRICグループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、当該リスクへの対応として、情報セキュリティマネジメントに関する社内規程を定め、情報セキュリティ統括責任者を中心とした情報セキュリティ委員会を運営し、従業員対策とシステム対策の両面から継続的に改善しております。また、個人情報保護法への対応として、KOKUSAI ELECTRIC保有の情報資産保護のため、情報セキュリティ方針に基づく「情報セキュリティ事故発生時の連絡体制図」を定め、事故並びに事故の疑い時に迅速に対応できる連絡通報体制を構築しております。さらに、保護対象となる情報について、社内IDを使用したアクセス制限のほか、パスワードの設定・変更を定期的に見直すことにより管理を厳格化しております。
(21)Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.グループとの関係
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
KOKUSAI ELECTRICは、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.によって運営されているケイケイアール・エイチケーイー・インベストメント・エルピー(KKR HKE Investment L.P.)から出資を受けており、2023年9月末時点で総株主の議決権の73.2%を所有する大株主であり親会社に該当しておりましたが、2023年10月25日付でKOKUSAI ELECTRIC普通株式の東京証券取引所プライム市場への新規上場に伴う当該親会社の所有株式の売出し及びオーバーアロットメントによる売出しにより、所有する議決権数の割合が43.8%に減少したことを受けて、親会社からその他の関係会社に変更となりました。
これに伴い、2021年7月より取締役会の諮問機関として設置しておりました「支配株主との取引等の適正に関する委員会」は廃止いたしました。
当連結会計年度末時点において、KOKUSAI ELECTRICの監査等委員でない取締役である中村正樹及び平野博文の2名がKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.の日本法人である株式会社KKRジャパンから派遣されております。
なお、本書提出日現在において、ケイケイアール・エイチケーイー・インベストメント・エルピーは、KOKUSAI ELECTRIC発行済株式総数の43.4%を保有しております。
ケイケイア ール・エイチケーイー・インベストメント・エルピー(KKR HKE Investment L.P.)は、中長期的には売却等により所有比率を低下させることが同社の方針と認識しておりますが、KOKUSAI ELECTRICについて他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。
また、ケイケイアール・エイチケーイー・インベストメント・エルピー(KKR HKE Investment L.P.)は、グローバル・オファリングに関連して、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、ロックアップに関する書面を差し入れておりますが、ロックアップの除外事由として、一定の借入れに関する担保権の設定及び当該担保権の実行に伴う処分等を行うことができる旨が定められております。かかる将来の借入れに係る借入金額、貸出人その他の条件は現時点において未定であることから、その条件によっては、ロックアップ期間中に、同社がKOKUSAI ELECTRIC普通株式への担保権の設定等を行い、当該担保権の実行等に伴いKOKUSAI ELECTRIC普通株式の処分が行われる結果として、KOKUSAI ELECTRIC普通株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、当該リスクを軽減するため、当該株主との取引等について、取引の合理性及び取引条件の妥当性を確認し、取締役会の承認を得ることとしております。
なお、KOKUSAI ELECTRICは、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.とのMonitoring Agreementに基づき、同社より経営全般に関するコンサルティング、資金調達等に関する経営指導を受け、契約に基づくフィーを支払っておりましたが、2022年3月31日にMonitoring Agreementを解除いたしました。これにより、2023年3月期以降、当該契約に基づく対価の支払いは発生いたしません。
(22)KOKUSAI ELECTRIC株式の流動性
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:小)
東京証券取引所プライム市場の流通株式比率に係る上場維持基準は35%であるところ、KOKUSAI ELECTRICの新規上場時における流通株式比率は41.7%程度となっております。上場時よりも流動性が低下する場合には、KOKUSAI ELECTRIC株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりKOKUSAI ELECTRIC株式の需給関係にも影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応)
KOKUSAI ELECTRICグループは、当該リスクを軽減するため、ケイケイアール・エイチケーイー・インベストメント・エルピー(KKR HKE Investment L.P.)との間における流通株式を増加させるための施策に関する対話、従業員の所有する新株予約権の行使やパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)及びリストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)に基づく株式交付による流通株式数の増加等により、流動性の向上を図ってまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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