ABホテル(6565)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 ABホテルは、『健康』をキーワードにホテルで快適に過ごして頂くように宿泊サービスの提供を行っており、「ABホテル」という名称で愛知県を中心に各地でホテル事業を運営しております。 なお、ABホテルはホテル事業の単一セグメントであり、概要は次のとおりであります。 ホテル事業 ABホテルは、「ABホテル」の名称で愛知県に15店舗、埼玉県に1店舗、石川県に1店舗、群馬県に1店舗、奈良県に1店舗、岐阜県に5店舗、静岡県に2店舗、京都府に1店舗、滋賀県に3店舗、山口県に1店舗、福岡県に1店舗、大阪府に2店舗、長野県に1店舗、千葉県に1店舗、三重県に1店舗、福井県に1店舗の合計38店舗(2026年6月19日現在)を運営しております。『ビジネスホテルより快適に、シティホテルよりリーズナブルに』をキーワードに忙しいビジネスシーンや、アクティブな観光を快適にサポートするくつろぎ空間を提供し、お客様のニーズに着実にお応えする細やかなサービスを行っております。 ○出店戦略について ABホテルは、駅前や主要インターチェンジ付近などビジネスでの利用が見込める地域を中心に、安定的な宿泊需要が見込める立地を厳選し、多店舗展開を行っております。また、観光に特化した地域ではなく、ビジネス利用の地域を中心に出店することで季節変動による業績への影響を抑制するとともに、観光地での不測の事態に伴う利用の減少を回避しております。 また、ABホテルでは開発段階において、お客様の安全性や利便性を第一優先とし、建築士を交えての開発会議においてローコスト建築を取り入れるとともに、運営面では外部委託業務である清掃を一部店舗で内製化するなど効率的な運営で固定費を抑制し、収益確保を図っております。 ○施設について ABホテルは、客室内のユニットバスのみではなく、全店舗に大浴場を設置することにより、お子様連れのご家族や足を伸ばしてお風呂を楽しみたい方などにも対応しております。また、全店舗に宴会場や会議室を設けない宿泊特化型のビジネスホテルとして展開することで収益の安定化を図っております。さらには、お客様の急なお仕事にも対応できる無料Wi-Fiや、長期滞在にも対応できるようにコインランドリーを設置しております。女性お一人でも泊まりやすくするために、一部店舗においては女性優先フロアを設け、近隣フロアに女性用大浴場を設置しております。 ○客室について ABホテルは、シングルルームを中心に客室を設けており、個別空調エアコンや防音対策を施した壁の設置、ユニットバスとの高低差を緩和するなど快適にお過ごし頂けるように配慮しております。また、快眠は調和のとれた食事、適度な運動とあわせて健康の三原則の一つとの考えから、清潔感のあるデュベスタイル(※)のベッドメイキングを施しております。その他、不足しやすいコンセントを多数ご用意し、ワードローブを確保するなどお客様が心休まる快適な空間とサービスの提供に向けて細やかな配慮を心掛けております。※デュベスタイルとは、ベッドメイキング方法の一つであります。羽毛布団をシーツで包んでいるため、お客様との接触部分は清潔な状態であり、シーツがめくれることもございません。 ○サービス・商品について 一部店舗を除き、個別空調エアコンや壁掛けテレビの設置位置の工夫などABホテル独自の客室レイアウトを考案し、快適性・効率性のある客室造りに取り組んでおります。また、一部店舗においては、シングルルームに大型の液晶テレビを設置しております。無料(一部店舗は有料)の和洋朝食サービスについては、定期的に口コミ等を確認することで、お客様のご意見を反映しさらなる満足度の向上に向けて、食材の見直しや、より多くのメニューから選んで頂けるよう取り組むなど、変化するお客様のニーズを迅速に捉え着実にお応えし、常により良いサービスの提供が行えるように取り組んでおります。(一部店舗では夕食サービスを含む) ○IT活用について ABホテルは、お客様にとって身近な媒体であるインターネットを利用した販売戦略を活用し集客拡大に取り組んでおります。ABホテル公式サイト及び楽天トラベル・じゃらん等の他社サイトにて、魅力あるホテルであることが伝わる外観・客室・大浴場等の宣材写真の掲載やホテル周辺のおすすめ観光情報等を掲載し、情報量を豊富にすることで幅広い顧客層にご利用頂けるように取り組んでおります。また、ABホテルはお客様にとって煩わしいチェックインの簡略化やスムーズなチェックアウトを可能にするとともに宿泊システムと連動する自動精算機を導入することで効率化を図っております。 ○運営体制について ABホテルは、前身の株式会社東祥のホテル事業部からのノウハウを活かし、本部による定期的な店舗環境チェック等トレンド・マーケット調査を実施し、また、口コミ等を定期的に確認し精査することで、接客品質の向上を図り、お客様に満足頂ける空間造り及びサービスの提供に向けた運営体制を構築しております。さらに、ご利用頂くお客様への特典(宿泊料金の割引、一定ポイント残高に応じたQUOカードへの交換、チェックアウト時間の延長、チェックインの簡略化)を付したABホテル会員制度を設けリピート率の増加・維持を図っております。 また、ABホテルは、ホテル事業の店舗展開に当たり、一部店舗では業務委託方式によるホテル運営を行っております。ABホテルより業務受託者である支配人及び副支配人に対して、具体的には予約管理及びフロント業務、朝食等の食事提供、施設内外の清掃管理・環境整備等の業務を委託しております。業務受託者とは、当初3年間を契約期間として業務委託契約を締結し、3年経過後は1年毎に更新する形で契約を締結しており、報酬は固定報酬とは別に、ホテルの宿泊稼働率等に応じて、インセンティブを支払うなど、宿泊稼働率の向上を図っております。 事業の系統図は、次のとおりであります。(2026年3月31日現在)
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ABホテルの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてABホテルが判断したものであります。(1)経営方針についてABホテルは、「健康になるホテルをつくり世のため人のために尽くす」という経営理念を掲げており、「Amenity&Bright」(快適で明るい)をコンセプトとして、さらなるお客様サービスの質の向上、販路の拡大、安定した収益確保を実現するために時代の変化に応じたお客様のニーズを適切にとらえ、安全・安心にご利用頂けるホテルを目指してまいります。(2)経営環境についてABホテルを取り巻くホテル業界においては、政府が2026年3月に閣議決定した新たな「観光立国推進基本計画(第5次)」では、観光を地域経済および日本経済の発展をリードする戦略産業と位置づけています。日本の魅力や活力を次世代へ持続的に継承・発展させるため、従来の施策に加え「観光と交通・まちづくりとの連携強化」や「新技術の活用・本格展開(観光DX等)」を盛り込んだ新たな方向性が示されました。今後は「住民生活との両立」「国内交流拡大」「観光地・産業の強靱化」の3つの柱を軸に施策を推進し、2030年の訪日外国人旅行者数6,000万人等の目標達成 と、持続可能な観光立国の実現を目指すとしております。ABホテルとしては政府による後押しとなる施策がある一方、緊迫化する中東情勢などの地政学的リスクを背景としたエネルギー資源の高騰や供給不安等、コスト面、消費者動向など先行き不透明な状況が続いております。このような環境下において、下記の事項を対処すべき課題として認識し、より強固な経営体制を構築すべく取り組んでまいります。(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①既存施設の収益向上ABホテルは、既存店の収益力の維持及び向上が、最大の課題の1つと考えております。お客様の安全、満足度の向上を第一に考え、快適な宿泊を提供できるように店舗施設を適切に維持管理しつつ、収益力の増強を目指し、付加価値提供等サービス内容を充実させて顧客満足度の向上につなげ、OTA(※)の各販売サイトの表示に工夫を行って新規顧客をより効率的に確保するとともに、自社ホームページからの予約数を増やし、ABホテル会員も含めてリピーターの増加を図ること等々により、単価の底支えや上昇及び稼働率の維持・向上に努めてまいります。※OTAとは、OnlineTravelAgencyの略称でインターネット上のみで取引を行う楽天トラベルやじゃらん等の旅行会社を指します。お客様に安全・安心にご利用頂くとともに、新たなプランのご提供やコスト削減の見直しを図り事業の継続に努めてまいります。 ②新規出店候補地の確保ABホテルは、成長戦略として、経常利益率35%を達成できる出店基準を設定して、駅前や主要インターチェンジ付近などビジネスでの利用が見込める地域を中心とした新規出店候補地の選定に取り組んでおります。市場環境等を見極めたうえで、年間3店舗以上を目標に新規開発を行い、長期的には100店舗体制を目指してまいります。なお、①②の達成状況につきましては、月次の取締役会及び経営会議等で定期的にモニタリングを行ってまいります。 ③投資金額の増加と財務体質の強化についてABホテルは今後も新規開発を行う予定であります。設備投資資金につきましては、現在、金融機関からの借入金による資金調達が主となっております。今後は、収益力の強化によりバランスシートの更なる改善を図ってまいります。 ④人材の確保と育成足元の雇用環境においては、多くの業種業界において人手不足への対応が事業成長における大きな課題となっており、長く働きたいと思える環境を構築することが必要と捉えております。ABホテルでは、施設の増加に伴う社員の確保と教育、また、ABホテルはホテルの事業運営を一部の店舗においては業務委託方式により行っていることから、支配人の育成は必要不可欠であると考えております。今後も、安定したサービスの提供、サービスの質の向上を組織的に行い、企画開発力、環境対応力の向上を図り、経営基盤の強化及び業績の安定拡大に努め、ひいてはお客様満足度の向上に努めなければならないと考えております。 ⑤サステナビリティ経営の推進ABホテルは、サステナビリティ経営の高度化に向け、その中核となる「サステナビリティ委員会」を設置しております。本委員会において特定した最重要課題(マテリアリティ)に基づき、各事業における具体的なアクションプランを策定・実行してまいります。また、その進捗および実行状況は、適宜取締役会へ付議・報告を行うことで実効性のある監督体制を担保し、中長期的な企業価値の向上へ繋げる体制を構築してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがありますが、これらに限定するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてABホテルが判断したものであります。(1)出店戦略について ABホテルは、今後も新規開発を進めていく予定ではありますが、出店候補地が確保できない場合、出店に必要な人材が確保できない場合、その他新規出店に際しABホテルが予期せぬ事由が発生した場合、また、ABホテルが出店後近隣に競合他社が出店した場合、ABホテルの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(2)金利上昇リスクについてABホテルの施設の建設資金につきましては、金融機関等からの借入金による資金調達が主となっており、今後も新規開発に伴う有形固定資産の取得に伴い、金融機関からの借入残高が増加する可能性があります。 ABホテルでは、借入金を短期(約1年)、中期(3~6年)、長期(8~10年)と分類しており、出店の収益計画に基づき資金調達を行っております。現在、長期資金においては固定金利が主でありますが、変動金利も取り入れる方針であります。そのため今後の金利の上昇によりABホテルの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3)特定の地域への出店について現在ABホテルが展開している38店舗の内、重点地区である愛知県を起点として23店舗が東海地域に存在しております。現時点においてもABホテルは、東海地域以外の関東圏や関西圏などへ出店を拡大しており、今後も出店をしていく予定でおりますが、特に東海地域にて大規模な震災や水害等の自然災害の発生により、『施設』等が大規模に毀損し『サービス』の提供が困難になる事態が発生した場合には、営業中止等の理由によりABホテルの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(4)固定資産の減損について ABホテルは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、ホテル事業において著しく収益及び評価額が低下し、有形固定資産の減損処理が必要となった場合、ABホテルの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 (5)敷金及び保証金について ABホテルは土地及び建物の賃貸借契約に基づき賃貸人に差入れている敷金及び保証金が2026年3月末現在555百万円あります。この資産は、賃貸人の財政状態が悪化し、返還不能になったときは、賃料及び解体費用との相殺ができない範囲において貸倒損失が発生し、ABホテルの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)情報の保護について ABホテルは、多様な個人情報を管理しており、情報セキュリティにおいて厳重に管理し、情報の漏洩等の未然防止を行っておりますが、万一情報の漏洩、不正使用が起こった場合には、信用失墜等、ABホテルの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)景気動向及び海外情勢について ABホテルの属するホテル業界は、景気や個人消費の動向の影響を受けやすい傾向にあります。企業活動の停滞による出張需要の減少や個人消費の低迷に伴う観光需要の減少及び為替相場の状況や外交政策による訪日外国客の減少が、ABホテルの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)食品の衛生管理について ABホテルは、各ホテルにおいて食事の提供を行っております。食品の衛生管理や品質管理には十分に注意をしており、定期的に本部人員による衛生管理の状況確認も行っておりますが、万一食中毒などの食品衛生事故が発生した場合には、営業許可の取消や一定期間の営業停止処分、ブランドイメージの低下等によりABホテルの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)親会社との関係について ABホテルは、2014年10月1日に株式会社東祥(以下「東祥」)のホテル事業部から新設会社分割において設立しており、設立当時の人員はホテル事業部に在籍していた役職員を承継しております。 ABホテルとの役員の兼任は当事業年度末現在において存在しておらず、独立性を確保しております。 ABホテルは自らの経営責任を負って独立した事業経営を行っておりますが、当事業年度末現在、東祥はABホテルの議決権の52.8%を所有しており、大株主としてABホテルの取締役の指名権等経営に関する権利を有しております。議決権の行使にあたり、親会社の利益がABホテルの他の株主の利益と一致しない可能性があります。 なお、ABホテルは親会社への事前承認事項はなく、ABホテルが独自に経営の意思決定を行っております。 (10)法的規制について ABホテルは、下記のとおり法的規制を受けております。 ABホテルは、これまで法的規制によって事業展開に制約を受けたことはありませんが、今後新たな法的規制等の導入や既存の法的規制の改廃や解釈の変更等が生じた場合並びに重大な法令違反が起こった場合には、ABホテルの業績や事業の存続に影響を与える可能性があります。関連業界規制法管轄省庁ABホテルとの関連 ホテル業 旅館業法 厚生労働省 ホテル事業 食品衛生法 厚生労働省 中小受託取引適正化法(取適法) 中小企業庁 全般 消防法 総務省 景品表示法 消費者庁 労働安全衛生法 厚生労働省 (11)小規模組織であることについて ABホテルは当事業年度末現在、取締役5名、監査役3名、従業員103名(臨時雇用者数除く)で構成されております。比較的少人数による組織となっており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。また、業務拡大にあわせて円滑に業務を運営していくために、優秀な人材の確保及び育成により組織体制を整備し、内部管理体制の整備・強化を図る予定であります。 しかしながら、ABホテルの事業拡大に応じた十分な人材の確保及び育成ができるかは不確実であり、これらが不十分な場合は、ABホテルの業務遂行に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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