Allganize Holdings(656a)の株価チャート Allganize Holdings(656a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷
Allganize Holdingsグループ(Allganize Holdings及びAllganize Holdingsの関係会社)は、Allganize Holdings及び子会社3社(2026年8月31日現在)により構成されており、「AIによって全てのビジネスのワークフローを自動化・最適化する」ことをビジョンに掲げ、日本・米国・韓国を中心に事業を展開するグローバルAI企業です。企業の生産性革新を目的に、独自の生成AI(※1)技術と高度な自然言語処理(※2)を活用した企業向けAIソリューションと企業様への適用に関するコンサルティングを提供しております。
また、Allganize Holdingsは有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
なお、Allganize Holdingsグループは「AIソリューション事業」の単一セグメントとしております。また、本書において※を付した用語につきましては、章末の「用語集」においてその定義・解説を記載しております。
(1)事業の概要
Allganize Holdingsグループの中核となるサービスがオールインワン生成AI・LLM(※3)アプリプラットフォーム「Alli LLM App Market」であります。「Alli LLM App Market」では企業の業務効率化支援を目的とした「社内ドキュメントからの回答自動生成」、「議事録自動作成」、「契約書チェック」といった目的ごとに100個以上の生成AI・LLMアプリを事前に用意しており、生成AI・LLMに対する特別な知識がなくてもその中で自社の課題に合った生成AI・LLMアプリを選択するだけで、短期間で本格的な業務活用をスタートすることが可能となっております。
Allganize Holdingsグループは、国内外の239社(2026年3月時点)に「Alli LLM App Market」を提供しているほか、2026年4月よりエンタープライズ向けバイブコーディング(※4)プラットフォーム「Alli Coworker」の提供を開始しております。Allganize Holdingsグループの最大の特徴は、これらのサービスをSaaS(クラウドサービス)及びオンプレミス(※5)の両形態で同時に提供できる点にあり、クラウド利用が困難な金融機関や官公庁等のセキュリティ要件が厳格な顧客に対しても、機密データを外部に出すことなく同等の機能を利用できる環境を提供しております。金融機関、保険、製造、小売、ITサービスなど、多岐にわたる業種の企業がAllganize Holdingsグループのプラットフォームを活用しており、幅広い業界で業務プロセスの高度化に貢献しております。
「Alli Coworker」は、自然言語によるチャット指示のみで企業の業務アプリケーションやAIエージェント(※6)を自動生成できる、エンタープライズ(大企業)向けバイブコーディングプラットフォームであります。プログラミングの専門知識を持たない従業員であっても、AIとの対話を通じて高度なWebアプリケーション及びモバイルアプリケーションを短期間で構築することが可能であり、SlackやMicrosoft Teamsといった日常的に利用するコミュニケーションツール上から直接アプリケーションの開発・運用を行うこともできます。また、「Alli LLM App Market」が備えるAgentic RAG(※7、8)技術や大規模な文書取り込み(Document Ingestion)機能とシームレスに連携可能であるほか、バージョン管理、アクセス・権限管理、生成コードの脆弱性チェック、マルチテナント分離(※9)、シングルサインオン(SSO)及び操作履歴の完全な記録(オーディットトレイル)など、エンタープライズ利用に求められる高度なセキュリティ・ガバナンス機能を標準で備えております。
さらに、これまで多くのお客さまへのご支援で培ったエンタープライズ業務に関する知見、誰でも簡単に利用できる生成AI・LLMアプリプラットフォーム、独自の企業向けRAGシステムなど、独自技術やノウハウを基に、同プラットフォーム上で企業の業務を自律的に支援できるAIエージェント「Alli Agent」を開発しました。多くの企業において効率化や高度化が求められる業務に適応可能なAIエージェントとAlli LLM App Marketの各種アプリやオンライン会議ツール、SFA(※10)、グループウェア等とを連携させることで、まるで人間のアシスタントのように私たちの代わりに様々な作業をこなすことができます。例えば、質問に答えたり、必要な情報を探し出したり、会議のスケジュールを調整したり、日々のタスクをリマインドしたりといった機能が挙げられます。これらの機能を通じて、私たちの生産性向上や業務効率化に貢献します。
Allganize Holdingsグループの提供するAIエージェント群は業種を問わず幅広い業務領域で活用できる汎用性を備えており、実際に様々な分野で導入が進んでいます。金融業では銀行や証券会社が社内照会対応やコンプライアンスチェックにAIエージェントを用い、保険業では前述のように商品提案やクレーム処理の効率化に貢献しています。製造業・建設業においては、大量の技術文書や図面から必要な知見を引き出すナレッジ検索エージェントが活用され、医療・製薬業界では膨大な研究資料の要約や薬事法チェックにAIエージェントが役立っています。小売・サービス業でも顧客問い合わせ対応の自動化や、社内研修資料のQ&Aなど用途は多岐にわたります。業種固有のカスタマイズにもノーコード(※11)ビルダーや豊富なテンプレートで対応できるため、ある業界で構築したエージェントを別の業界へ横展開することも視野に入れております。今後もAllganize Holdingsグループは、多様なビジネス領域で培ったノウハウと技術力を活かし、あらゆる企業の業務DX(デジタルトランスフォーメーション)を支えるプラットフォームとして成長を続けていきます。
「Alli LLM App Marketの特徴」
「Alli Coworkerの特徴」
<主要AIエージェントの具体的な内容及び解決する課題>
Alli LLM App Marketで提供する企業向けAIエージェントのうち、代表的なものを以下に紹介します。
①エンタープライズ検索エージェント(Enterprise Search Agent)
社内の大規模な文書データやナレッジベースから、必要な情報を瞬時に検索・抽出し、分かりやすい回答や要約を提供するエージェントです。社内規程、マニュアル、報告書、ナレッジ記事などの膨大な社内情報の中から知りたい内容を探し出し業務課題を解決します。一般的に、社員が社内問い合わせや資料検索を実施する場合、データが整理されていないと求めている情報がすぐに取得できず、手間を要します。一方で、当該サービスではAllganize Holdingsグループ独自のRetrieval Augmented Generation (RAG) 技術を用いており、未整理のデータであったとしてもAIが理解・参照して適切な回答を生成することが可能となりますので、社内ナレッジの有効活用と業務効率化に寄与しております。そのため、社員はエンタープライズサーチエージェントを通じて、社内ナレッジに基づいた回答を得られるため、情報検索に費やす時間を削減しコア業務に集中できます。
②エンタープライズリサーチエージェント(Enterprise Research Agent)
エンタープライズリサーチエージェントは、社内に散在する多様な情報源(文書、データベース、業務システム等)を統合的に活用し、高度なレポート作成を自動化するエージェントです。社員は、必要な情報を手動で収集・分析する手間から解放され、エージェントにレポートのテーマや必要な情報を指示するだけで、AIが関連データを抽出し、構造化されたレポートを迅速に生成します。
例えば、営業部門であれば、顧客データや販売履歴、市場調査レポートなどを基に、売上分析レポートや顧客動向レポートを自動作成できます。また、マーケティング部門であれば、キャンペーンデータやWebサイトアクセスログ、競合情報などを統合し、効果測定レポートや市場機会分析レポートを効率的に作成することが可能です。
Allganize Holdingsのエンタープライズリサーチエージェントは、自然言語処理やデータ分析、レポート生成といった複数のAI技術を組み合わせることで、単なるデータ抽出に留まらず、データの解釈や洞察の提示まで支援します。これにより、社員はデータに基づいた意思決定を迅速に行うことができ、業務の効率化と高度化に貢献します。情報収集とレポート作成にかかる時間を大幅に削減し、より戦略的な業務に注力できる環境を提供します。
③BIデータ分析エージェント(Gen BI Agent)
社内のBIシステム(※12)やデータベースに蓄積された業務データをAIが分析し、対話形式でレポートを作成するAIエージェントです。エンタープライズ検索エージェントはWord、PDFなど非定型の文書を対象にしてAIが答えますが、BIデータ分析エージェントはデータベースなど定型のデータを対象にします。ユーザーが入力した自然言語をSQL(※13)や各BIシステムに対するBQL(※14)に問題なく変換する技術が重要です。専門のアナリストや複雑なBIツールを介さずとも、担当者が知りたい指標を質問するだけで、AIが該当データを抽出・集計し、グラフや表も含めたレポートを自動生成します。従来はデータ抽出やレポーティングに専門知識と時間が必要でしたが、本AIエージェントはその課題を解決します。例えば「今月の地域別売上傾向を教えて」と尋ねると、売上データから地域別の数値を分析し、増減傾向を示すグラフ付きで回答します。
ExcelやMySQL、Oracle、PowerBIなど様々なデータベースやBIシステムに対応しており、経営数値のレポートから顧客アンケート分析、在庫予測まで幅広い用途で活用されています。これにより、データ分析の専門スキルがないビジネス担当者でも必要な情報を即座に得られ、データに基づく意思決定を支援します。Gen BI Agentは対話型BIのアプローチを実現し、データ活用のハードルを低減することで業務全般の効率化に貢献しています。
④リスク管理エージェント(Risk Management Agent)
プロジェクトの計画内容などから潜在的なリスク要因を洗い出し、リスクごとの対策やアドバイスまで提示するAIエージェントです。プロジェクトマネジメントにおいて見落としがちな課題を事前に発見し、リスクの可視化と管理の効率化を支援します。新規プロジェクトの企画書や計画書を入力すると、AIが第三者の視点で起こり得るリスクを自動抽出し、それぞれのリスクに対する回避策や緩和策の提案まで行います。生成されたリスク一覧とアドバイスはそのまま会議資料等に利用でき、プロジェクト立ち上げ時のリスク検討プロセスを大幅に簡素化します。これにより、プロジェクト担当者は初期段階から包括的なリスクマネジメント計画を立案でき、プロジェクト失敗の可能性を低減できます。リスク管理エージェントは既に社内プロジェクトのレビューや顧客提案資料のチェックなどに利用されており、人間の経験や知見に頼らずともAIが網羅的にリスクを指摘してくれるため、プロジェクト管理の品質向上に繋がっています。重要なプロジェクトの計画段階で本AIエージェントを活用することで、事前準備の抜け漏れ防止と関係者間の共通認識形成がスムーズになります。
⑤保険商品推薦エージェント(Insurance Product Recommendation Agent)
保険業界向けに提供されているエージェントで、顧客のプロフィールやニーズに基づき最適な保険商品を自動推薦します。保険営業やコールセンターにおいて、顧客ごとに膨大な商品ラインナップから適切なプランを選定する負荷を軽減し、提案精度を高めることが目的です。営業担当者が顧客の年齢・家族構成・予算・希望保障内容などを入力すると、AIが社内に用意された商品知識データベースを横断的に参照し、その顧客に最も適した保険商品やプランの組み合わせを提示します。例えば生命保険会社では、新規顧客ヒアリング時に本エージェントを活用し、数ある商品の中から顧客の状況にフィットするトップ3プランを即座に提示することで、提案までのリードタイムを大幅短縮しています。これにより営業担当者の経験や勘に頼ることなく、一貫した品質で商品提案が可能となり、顧客満足度の向上やクロージング率の改善につながっています。さらに、提案理由や見積もり条件も自動生成されるため、顧客への説明もスムーズに行えます。保険商品推薦エージェントは既に保険各社のオンライン相談窓口や対面営業で導入が進んでおり、顧客ニーズにマッチしたサービス提供を支援することで契約獲得の支援ツールとして機能しています。
(2)Allganize Holdingsグループの技術基盤と強み
Allganize Holdingsグループは、企業がAIエージェントを本番環境で実運用する際には、「セキュリティ制約」、「内部データの処理」及び「本番運用の高い壁」という3つの課題が存在すると認識しております。これらの課題を解決するためには、(ⅰ)サービスの提供形態、(ⅱ)LLMの選択と切替、(ⅲ)フルスタックでの提供、(ⅳ)Agentic RAG、(ⅴ)大規模データ処理、(ⅵ)回答根拠の可視化という6つの要件を同時に満たす必要があるとAllganize Holdingsグループでは分析しております。Alli LLM App Marketは、Allganize Holdingsグループ独自の先進技術と堅牢な基盤により、これら6要件を単一のアーキテクチャ(※15)で同時に提供することを可能としており、Allganize Holdingsグループの技術的特徴を体現するプラットフォームであります。主な技術基盤及び強みは以下の通りです。
①サービスの提供形態:SaaSとオンプレミスの同時提供
Alli LLM App Marketは、クラウドサービス(SaaS)として迅速に利用を開始できるほか、顧客のセキュリティポリシーに応じてオンプレミス環境でも同時に導入が可能であります。クラウド利用が困難な金融機関や官公庁等においても、プライベート環境で同等のAIエージェント機能を利用できるため、機密データを外部に出せないケースでも安心して生成AIを活用いただけます。
一般的に、SaaSとオンプレミスではインフラのスケーリング方式(※16)、利用ライブラリ及びモニタリング方式が大きく異なるため、単一の基盤で双方を管理することは技術的難易度が高く、開発・保守を二重に行う「ダブルメンテナンス」(開発の二重化、改修の遅延及び運用コストの増大)に陥りやすいという課題があります。これを回避する代替的な方法として、顧客ごとの個別機能を条件分岐(if/else)により追加する方法や、コアドメインを含めた基盤全体を顧客単位で複製する方法も考えられますが、前者は特定の顧客向けの修正が他の顧客の機能に意図しない影響を及ぼす不具合を誘発しやすく、後者はコアドメインに変更が生じる都度、全顧客分について同様の改修作業を繰り返す必要が生じるなど、いずれも事業規模の拡大に伴って保守・運用が事実上困難となる構造的な課題を抱えているとAllganize Holdingsグループでは認識しております。
そこでAllganize Holdingsグループは、自動回答生成、RAG、LLMアプリビルダー及びAgentビルダー等、Allganize Holdingsの競争力の源泉となる機能を「コアドメイン」として位置付け、認証・SSO連携、メール送信、ファイル暗号化及びUI変更(※17)等、業務上の必要性はあるもののAllganize Holdingsの差別化要因とはならない機能を「一般ドメイン」として区分した上で、顧客ごとに異なる一般ドメインの機能をコアドメインから分離した「プラグイン」として実装するプラグイン・アーキテクチャを採用しております。これにより、コアドメインの一貫性を保ったままSaaSとオンプレミスの双方を同時に提供することを可能としております。実際に、これまでAllganize Holdingsグループに寄せられた顧客固有のカスタマイズ要件は、独自ヘッダー認証、独自SSO連動、独自暗号化サービスとの連動、カスタムOCR処理、カスタムパイプライン、多言語対応、顧客独自サーバーとの連動、HWP形式への変換対応等、いずれも一般ドメインの領域に集中しており、コアドメインに手を加えることなく個社対応を実現できていることを裏付けているとAllganize Holdingsグループでは分析しております。
また、SaaS及びオンプレミスの両環境にFDSE(※18)を配置し、プラットフォームエンジニアリングを通じて運用の標準化を図っております。実際に、Allganize Holdingsではオンプレミス環境で稼働する日本語LLMの提供実績もあり、環境構築から環境実現までの期間を短縮できる実績を有しております。
②LLMの選択と切替
Allganize Holdingsグループは企業向けに独自に開発した多言語対応の大規模言語モデル(LLM)を保有しており、オンプレミス環境にも提供可能であります。自社開発LLM「Alpha v2」はRAGに特化したモデルであり、社外に情報を出さずに高精度な生成AI機能を社内利用することができます。また、SaaS環境においては、OpenAIのGPT等やAnthropicのClaude等の各種LLMモデルを用途に応じて選択及び組み合わせ可能なアーキテクチャを採用しており、プラットフォーム上で複数のモデルを切り替えて活用できます。エンタープライズが特定のLLMモデルに依存(ロックイン)した場合、より優れたモデルが登場した際にもアーキテクチャの上位レイヤーを含めた大規模な追加投資が必要となるほか、AI技術の急速な進化に伴うモデル変更にも迅速に対応できないという弊害が生ずる場合があります。Allganize Holdingsグループのプラットフォームは、特定のモデルに依存しないアーキテクチャを採用しているため、各種外部LLMの活用や、自社開発LLMの活用など、提供環境を問わず最適なLLMへの切替が可能な構成としており、企業は自社のニーズやセキュリティ要件に応じたAIモデルを継続的に利用することができます。
③フルスタックでの提供
Allganize Holdingsグループは、LLMの選定から社内データとの連携、インフラの構築・運用及びAIエージェント・アプリの実装に至るまで、エンタープライズがAIを本番運用するために必要な技術スタックを一気通貫で提供しております。具体的には、オープンウェイトLLMを含む複数のLLMの選定及び運用(LLM Ops)、社内システム・コミュニケーションツールとのデータ連携、パブリッククラウド及びオンプレミス/プライベートクラウドに対応したインフラ基盤(コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ・スケーリング・運用を自動化するk8s管理(※19)、システムのバグやテストの失敗を自律的に検出・修正するセルフヒーラー等)、並びに企業用検索Agent、データ分析Agent、セールスAgent、法務Agent、財務Agent等の各種AIエージェント及びノーコードAgentビルダーを備えたApp Marketまでを単一のプラットフォーム上で提供しております。これにより、各機能を個別のベンダーから調達し連携させる場合と比較して、導入の迅速性及び運用の一貫性を確保することが可能となっております。プログラミングの知識がなくても自社の業務に合わせたカスタムAIエージェントを作成できるノーコードのエージェント開発ツール(Agentビルダー)を備えていることも、現場部門が主体的にAI活用を推進できる要因となっております。
④Agentic RAG(エージェント型検索拡張生成)技術
Allganize HoldingsのAgentic RAG技術は、従来の検索拡張生成(RAG)を進化させ、企業が抱える特有の課題に対応する独自のアプローチであります。実運用環境においては、データの重複、複数文書間で矛盾する記述及び欠損を含む不完全なデータが存在することに加え、ユーザーからの質問が曖昧であることも少なくありません。従来型のRAGでは、こうした不完全なデータや曖昧な質問に対して不正確な回答を生成してしまう場合がありますが、Allganize HoldingsのAgentic RAGは、AIが「思考→実行→修正」のループを通じて自らの回答の質を評価し、必要に応じて検索をやり直すことで、回答の精度と網羅性の向上を図る仕組みとしております。また、類似した文書が複数の場所に存在する場合や、ユーザーのクエリが曖昧な場合には、AIがユーザーに対して追加の情報(Clarification)を要求し、対話的に検索を進めることで、より完成度の高い回答を実現します。さらに、Bi-encoder、Cross-encoder、キーワード検索といった複数の検索手法を最適に組み合わせることで、検索精度と応答速度の両立を図る仕組みとしております。これにより、社内の複雑な情報構造やユーザーの多様な検索ニーズに対応し、真に必要とされる情報へのアクセスを向上させております。
⑤大規模データ処理(MapReduce(※20)技術)
LLMは、適切な長さのテキストの処理には強みを有する一方、数百万件規模のExcelデータや数百MB規模のWord文書など、大規模なファイルを取りこぼしなく処理することは一般的に困難であります。Allganize Holdingsグループは、データ処理の信頼性を高めるため、MapReduce技術(巨大データを複数サーバーに分散して並列処理する仕組み)をノーコードのワークフローに統合しており、これにより大規模データを確実に分割、並列処理及び集約し、高い水準で処理の安定性及びデータ整合性を実現しております。
⑥回答根拠の可視化
生成AIが提示する回答については、その根拠となる原文の参照箇所をユーザーが直感的に把握できることが、エンタープライズ利用における信頼性確保の観点から重要であります。Allganize Holdingsグループのプラットフォームは、回答の根拠となる箇所を原文のレイアウトのまま表示する機能を備えており、原文全体へのリンクのみを提示する方式と比較して、ユーザーが根拠箇所を直観的に理解することを可能とし、ハルシネーション(※21)のリスクを大幅に軽減しております。
上記の各要件については、これを単体で満たすサービスを提供する事業者は他にも存在するものとAllganize Holdingsグループでは認識しておりますが、上記(ⅰ)から(ⅵ)までの6要件全てを単一のアーキテクチャで同時に提供できる点が、Allganize Holdingsグループの独自性及び競合優位性であると分析しております。
なお、Allganize Holdingsグループは、上記の技術基盤に加えて、エンタープライズ利用に耐えうるセキュリティ、ガバナンス及び信頼性を支える提供体制を構築しております。プラットフォームには詳細な権限管理機能を用意し、ユーザーや部門ごとにアクセスできるエージェントやデータソースを制限するほか、操作ログを記録及び監査することで、社内ガバナンスを保ちながらAIを活用することができます。加えて、プライバシー保護のためのマスキング処理や、生成された回答内容に対するフィルタリング設定等も行えるため、不適切な情報の流出防止策も講じられております。また、ミッションクリティカル(※22)な業務にも耐えられるよう、サービス稼働状況の監視、自動リカバリ及び負荷分散設計により安定運用を実現するとともに、生成AI活用のコンサルティングサービスを通じて、適用業務の選定から効果測定までを伴走支援しております。これらのセキュリティ措置、運用管理機能及び支援体制をワンストップで提供することにより、企業のAI導入を包括的に支援しております。
[事業系統図]
用語集
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注釈番号 |
用語 |
内容 |
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※1 |
生成AI |
学習したデータから様々なコンテンツを生成する能力があるAIをいう。 |
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※2 |
自然言語処理 |
人間が日常的に使っている言葉(自然言語)をコンピューターに処理させる一連の技術をいう。 |
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※3 |
大規模言語モデル(LLM) |
「Large Language Models」の略称で、巨大なデータセットとディープラーニング技術を用いて構築された言語モデルをいう。 |
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※4 |
バイブコーディング |
自然言語によるチャット指示からAIが自動的にコーディングを行い、アプリケーションやAIエージェントを生成する開発手法をいう。 |
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※5 |
オンプレミス |
企業がサーバーやネットワーク機器、ソフトウェア等を自社が管理する設備内に保有・運用するIT環境をいう。 |
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※6 |
AIエージェント |
人間の介入なしに特定のタスクを実行する自律型インテリジェントシステムをいう。 |
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※7 |
RAG |
「Retrieval Augmented Generation」の略称で、外部ソースから取得した情報を用いて、生成 AI モデルの精度と信頼性を向上させるテクノロジーをいう。 |
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※8 |
Agentic RAG |
AIが「思考→実行→修正」のループで自ら回答品質を評価し、必要に応じて検索をやり直すRAGの発展形をいう。 |
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※9 |
マルチテナント分離 |
複数の顧客(テナント)が同一のシステム基盤を共用するマルチテナント方式において、顧客ごとのデータやアクセス権限を論理的又は物理的に分離し、他の顧客からアクセスできないようにする仕組みをいう。 |
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※10 |
SFA |
「Sales Force Automation」の略称で、営業活動を効率化するために、顧客情報や案件の進捗などをデータ化して管理・共有するシステムをいう。 |
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※11 |
ノーコード |
プログラミングの専門知識を必要とせず、既存の機能や部品を組み合わせることでアプリケーション等を開発できる手法をいう。 |
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※12 |
BIシステム |
「Business Intelligence」の略称で、企業が持つ様々なデータを集約・分析し、経営判断を支援するシステムをいう。 |
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※13 |
SQL |
リレーショナルデータベースに対して、データの検索、登録、更新、削除等の操作を行うための標準的なプログラミング言語(問い合わせ言語)。 |
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※14 |
BQL |
「BigQuery Language」の略称で、Google社が提供するデータウェアハウスサービス「BigQuery」に対してデータの検索・分析を行うための問い合わせ言語をいう。 |
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※15 |
アーキテクチャ |
システムを構成する要素(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等)の全体的な設計思想及び構造をいう。 |
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※16 |
スケーリング方式 |
システムの処理負荷に応じてサーバーやインフラのリソースを増減させる方法をいう。 |
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※17 |
UI変更 |
UI(ユーザーインターフェース)とは、利用者がソフトウェアを操作する際に目にする画面の構成、デザイン及び操作方法をいい、UI変更とは、これらを変更することをいう。 |
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※18 |
FDSE |
「Forward Deployed Software Engineer」の略称で、顧客現場に入り、要件に合わせ導入・実装・改善を担うエンジニアをいう。 |
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※19 |
k8s管理 |
「Kubernetes」の略称で、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ・スケーリング・運用を自動化する技術をいう。 |
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※20 |
MapReduce |
巨大データを複数サーバーに分散して並列処理する仕組み(分割・集約)をいう。 |
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※21 |
ハルシネーション |
AIが事実と異なる内容をもっともらしく生成してしまう現象をいう。 |
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※22 |
ミッションクリティカル |
業務遂行に必要不可欠な要素やシステムをいい、障害や誤作動などが発生すると業務に致命的な悪影響を及ぼす可能性があるため、高い信頼性が求められる。 |
Allganize Holdingsグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、Allganize Holdingsグループが判断したものであります。また、本書において※を付した用語につきましては、章末の「用語集」においてその定義・解説を記載しております。
(1) 経営方針
Allganize Holdingsグループでは、「AIで、全てのビジネスのワークフローを自動化する」をミッションに掲げております。多くの企業においては、社内に散在する情報の検索・活用に多大な時間を要すること、定型的な業務プロセスの多くが人手に依存していること、専門的なプログラミング知識を持たない従業員が業務アプリケーションを迅速に構築できないことなど、生産性向上を阻む課題が存在していると認識しております。Allganize Holdingsグループは、最先端の自然言語処理技術及び独自のRAG技術を活用したAIエージェント及びノーコード開発基盤を顧客に提供することにより、こうした業務上の課題を解決し、顧客企業の生産性向上及び競争力強化に貢献するとともに、社会全体の労働生産性の向上に貢献し続けることを基本方針としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
Allganize Holdingsグループは、より高い成長性及び収益力を確保する観点から、売上高、契約社数、ARPA(※1)及び営業利益を重要な経営指標と捉えております。
(3)経営環境
Grand View Research, Inc.(以下、GVR)「Enterprise Generative AI Market(グローバル/日本/韓国/米国)」によれば、エンタープライズ生成AI市場はグローバルで急拡大が見込まれており、2024年29億ドルであったものが、2030年には198億ドルに達し、2025年から2030年の予測期間においては年平均成長率(CAGR)38.4%を超える成長率で拡大すると予測されております。Allganize Holdingsグループが拠点を置く日本、米国、韓国においても同様の成長軌道が想定されており、各国のエンタープライズ生成AI市場はそれぞれ13.8億ドル(2025年~2030年のCAGR40.9%)、63.3億ドル(同期間のCAGR38.1%)、3.7億ドル(同期間のCAGR38.8%)と成長ポテンシャルが見込まれます。
今後の成長にあたっての主な成長ドライバー及び阻害要因・課題は以下の内容が考えられますが、市場は激しい競争環境にあることから、これらに対抗するために継続的な技術開発と差別化戦略が不可欠であると考えております。
・主な成長ドライバー:
-生産性向上と自動化の推進
-イノベーションと新たな収益源の創出
-技術的進化(LLM、NLP(※2)など)
-アクセシビリティ向上(クラウド、ノーコード/ローコード)
・主な阻害要因と課題:
-高コストとROI実証の難しさ
-専門人材不足とスキルギャップ
-データセキュリティ、プライバシー、倫理的懸念
-既存システムとの統合・拡張性
-精度と信頼性(ハルシネーション等)
-導入における「信頼」の重要性
各国における市場概況は以下の通りとなります。
地域別市場概況 - 日本
市場規模・成長: 世界で最も急速な成長が期待される市場の一つです。近年、急速な技術革新により、生成AI(Generative AI)市場は世界的に拡大傾向にあります。特に、大規模言語モデル(LLM)の進化やAI技術の低価格化を背景に、企業における業務効率化や顧客体験向上に対する期待が高まっており、生成AIの活用は今後ますます広がることが予想されます。GVRの推計によれば、日本のエンタープライズ生成AI市場は世界で最も急速な成長が期待される市場の一つであり、2024年の1.8億ドルから2030年には13.8億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは40.9%と、グローバル平均(38.4%)を上回る成長率が見込まれております。
ドライバー: 高齢化・労働力不足による自動化ニーズ、政府の強力な支援(Society 5.0、GENIAC等)、DX加速、技術基盤が挙げられます。
規制: アジャイル・ガバナンス(※3)を特徴とし、ソフトロー(ガイドライン)中心のアプローチを採用しております。AIの促進を目的とするAI新法が国会提出されるなど、イノベーションを阻害せず、責任ある利用を促進する環境です。
地域別市場概況 - 米国
市場規模・成長: 世界最大のAI市場であり、リーダー的存在です。GVRの推計によれば、米国のエンタープライズ生成AI市場は2024年の9.6億ドルから2030年には63.3億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは38.1%と予測されております。世界最大規模の民間投資とAIテックエコシステムの集積を背景に、世界最大のAI市場としてリーダー的地位を有しております。
ドライバー: 技術リーダーシップ(シリコンバレー、大手IT企業)、豊富な資金調達環境、多様な産業での早期導入、クラウドインフラ普及が挙げられます。
規制: 包括的な連邦法は未整備で、州レベルや既存法が中心です。大統領令やNational Institute of Standards and Technology(米国国立標準技術研究所)のフレームワークはガイドラインとしての性格が強いです。
地域別市場概況 - 韓国
市場規模・成長: アジア太平洋地域で急成長しており、GVRの推計によれば、韓国のエンタープライズ生成AI市場は2024年の0.5億ドルから2030年には3.7億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは38.8%と、アジア太平洋地域における急成長が見込まれております。
ドライバー: 政府の強力な推進策(AI国家戦略、デジタルニューディール)、高度なデジタルインフラ、大手テクノロジー企業の注力、活発なスタートアップエコシステム、高い技術力(半導体、AI特許)が挙げられます。
規制: 2026年1月に欧州に次いで世界で2番目にAI基本法(人工知能発展と信頼基盤造成等に関する基本法)を制定しました。産業振興と信頼性確保のバランスを目指し、高リスクAIへの規制、産業振興策、自主規制も重視しております。
(4)経営戦略
Allganize Holdingsグループは、創業以来掲げる「AIによって全てのビジネスのワークフローを自動化・最適化する」というビジョンのもと、独自の技術基盤と柔軟なビジネスモデルを核に経営戦略を展開しております。本戦略では、Allganize Holdingsグループの強みであるノーコードAIエージェント構築、オンプレミス対応、独自LLM搭載プラットフォーム、Agentic RAG(AIエージェント型RAG)といった要素を軸に据えた差別化戦略を再構築し、SaaSとオンプレミスという二つの提供形態によるエンタープライズ顧客深耕の補完的ビジネスモデル、そして販売推進・地域・サービスの三本柱による成長戦略を明確に示します。さらに、投資家視点で収益モデルの拡張可能性とスケーラビリティについての示唆も盛り込み、Allganize Holdingsグループの持続的成長ポテンシャルを説得力ある形で説明します。
社内アセットとの連携:代替不可能性と独自のインサイト(※4)創出
Allganize Holdingsグループは、社内に存在する多様なアセット(文書、データベース、業務システム)とAIとの緊密な連携を、事業戦略における重要な柱と位置づけております。その理由は、社内アセットがAllganize Holdingsグループのサービスに深く統合されればされるほど、顧客にとってそのシステムを容易に代替することが困難になるためです。
さらに、社内アセットの変更履歴、構成員のアクセス記録、そしてAIによる利用履歴といったデータが蓄積されることで、そこから導き出されるインサイトは、競合他社が容易に模倣できない独自の価値となります。これらのデータは、単なる情報以上の、顧客の業務プロセスや知識、利用傾向を深く理解するための基盤となり、よりパーソナライズされた、付加価値の高いサービス提供を可能にします。
この戦略は、単にAIの利便性を高めるだけでなく、顧客との長期的なエンゲージメントを強化し、持続的な競争優位性を確立するための核心となります。社内アセットとの深い連携を通じて、Allganize Holdingsグループは顧客にとってかけがえのないパートナーとなり、共に成長していくことを目指します。
ノーコードAIプラットフォームと先端技術
Allganize Holdingsグループが提供するオールインワン生成AI・LLMプラットフォーム「Alli LLM App Market」は、企業向けAI活用に必要な機能を網羅した包括的ソリューションです 。具体的には、100個以上の業務特化型生成AIアプリをプリセットし、ノーコードでカスタマイズ・新規作成が可能なアプリビルダーを備えております。これにより専門知識がなくとも現場部門が即座に生成AIを業務に活用でき、AI導入のハードルを劇的に低減します。また、Allganize Holdingsグループプラットフォームは高度な企業向けRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を搭載しており、社内の機密データから高精度な応答を自動生成できます 。この独自RAGシステムは、表や手書き文書を含む複雑な資料も解析可能であり、汎用LLMだけでは難しい正確性・文脈適合性を実現しております。
さらにオンプレミスなどクローズドな環境での導入に対応している点も大きな強みです。Alli LLM App Marketはクラウドだけでなく完全閉域ネットワーク内や自社サーバー上でも稼働可能であり、必要に応じてAllganize Holdingsグループより日本語特化の独自LLMを提供することで機密情報を社外に出さずに生成AIを活用できます。加えて、業界・用途別に最適化した専用AIモデルの開発にも注力しており、例えば金融業界向けに専門知識を備えたAlli Finance LLMを日本・韓国市場で提供開始するなど、ドメイン特化型LLMによる差別化も進めております。これら「ノーコード+オンプレ対応+独自LLM+RAG」の技術群を有機的に組み合わせたプラットフォーム戦略により、他社には真似できない一貫性ある競争優位を確立しております。
人材育成基盤による持続的な技術競争力の確保
Allganize Holdingsグループは、持続的な技術競争力の源泉を、優秀なAI人材の体系的な育成基盤に求めております。韓国市場においてAllganize Holdingsは「実戦型AI企業」としてのブランドを確立しており、研究に留まらず市場で収益を上げる実利的な企業イメージのもと、実務志向の強いAIエンジニアや論文著者、コンテスト受賞者等、高度な志願者層からの応募を集めております。2025年度のインターン採用では、応募者357名に対し採用者13名、正規雇用に至った人数は3名(正規雇用社員数/インターン応募者数=0.8%)と、厳選された人材を獲得しております。
Allganize Holdingsグループは、日本・米国・韓国にわたるグローバルな開発体制を特徴としており、韓国で採用したインターン・ジュニア人材を体系的な社内教育プロセスを通じて高度なAIエンジニアへ育成しております。具体的には、(1)製品全体の技術スタックを理解し、AIをシステムとして統合する視点を養う「クロスオンボーディング」、(2)LLM学習、モデル評価、エージェント開発、RAG構築等の多様な業務を内部で経験する「AIコアトレーニング&開発」、(3)最新のRAG技術の追求から評価指標の確立まで技術的深みを追求する「RAG研究・評価・高度化」、及び(4)顧客サイトの実運用データを用いて現場の課題を技術で解決し、モデルを最適化する「実戦評価&モデル最適化」という4段階の人材育成プロセスを体系化しております。
このような人材育成基盤は、最先端の技術スタックとグローバルな実データに触れられる成長環境を志願者に提供することで優秀な人材を惹きつけ、育成した人材が現場で技術力を高めるという好循環を生み出しており、Allganize Holdingsグループの持続的なAI技術力の確保に寄与しているとAllganize Holdingsグループでは考えております。
ビジネスモデル戦略:SaaSとオンプレミスの両提供形態によるエンタープライズ深耕
Allganize Holdingsグループの顧客基盤は大企業を中心としたエンタープライズ顧客であり、中小企業や個人を対象とするいわゆるセルフサーブ型のビジネスモデルは採用しておりません。Allganize Holdingsグループは、SaaS(クラウドサービス)とオンプレミスという二つの提供形態を、顧客のセキュリティ要件や導入規模に応じて使い分け、又は組み合わせて提供することにより、エンタープライズ市場の幅広いニーズに応える戦略を採っております。この二つの提供形態は単なる「攻め」の多角化ではなく、互いの強みを補完し合う相乗効果によって成り立つビジネスモデルです。
・SaaS(クラウドサービス): クラウド環境で迅速に利用を開始できる提供形態であり、大企業の特定部門や子会社等が低い導入コスト・短いリードタイムで生成AI活用を開始する際の入り口として機能しております。ノーコードで容易に使える製品特性により、現場部門が主体的にAllganize Holdingsグループサービスを導入しやすく、これが幅広いエンタープライズ顧客基盤の獲得につながっております。SaaSで蓄積された利用データやフィードバックはプロダクトの改良に活かされ、機能改善や新機能開発を迅速化します。
・オンプレミス: 高度なセキュリティ要件や既存システムとの統合ニーズを有する大企業向けに、オンプレミス導入や個別カスタマイズ、コンサルティングを含む包括的ソリューション提供を行っております。クラウド利用が困難な金融機関や官公庁等の機密データ活用ニーズに応えることで、大手企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)案件に深く入り込み、高い付加価値を提供します。例えば、国内では大手Sierとの提携により安全なクローズド環境での生成AI活用基盤を共同提供し、大企業の機密データ活用を可能にしております。また、日本の大手鉄道会社ではAllganize Holdingsグループプラットフォームを顧客対応と社内業務に採用し、年間数十万件に及ぶ問い合わせ処理の効率化を実現する見通しです。このような大型案件で培った知見は汎用プロダクト機能としてフィードバックされ、他のユーザーにも展開可能な新機能(例:高度なFAQ生成、業種別テンプレート等)となって蓄積されます。なお、オンプレミスの受注単価※5は、2025年9月期の44百万円から2026年9月期第3四半期時点では115百万円となっております。
両者の補完性により、Allganize Holdingsグループは幅広さと深さの両面で競争力を発揮しております。SaaSにより特定部門や子会社等の単位で迅速に導入実績を積み、その後、全社展開やセキュリティ要件の高い領域への対応としてオンプレミス契約や追加部門への展開へと発展させる、エンタープライズ内での「拡張(クロスセル)」戦略を可能にしております。また、大企業案件で得た高度なAI機能開発ノウハウをプロダクト全体に還流させることで、SaaSプロダクトの付加価値を継続的に高める好循環も創出しております。これにより収益構造の安定化(SaaSによるストック収益とオンプレミスの大型契約によるフロー収益の両立)とプロダクト競争力の強化を同時に実現し、競合他社にはない戦略的優位性を築いております。
成長戦略の三本柱: サービス戦略・地域戦略・販売推進戦略
Allganize Holdingsグループはさらなる事業成長に向け、「サービス戦略」「地域戦略」「販売推進戦略」の三本柱を据えてグローバル展開を推進し、グローバルエンタープライズAIプラットフォームとしての発展を継続します。それぞれの柱で現状の展開状況と将来の展望を示します。なお、Allganize Holdingsの成長ドライバーは「1社あたり売上高(ARPA)の向上」と「契約社数の増加」に分解され、1社あたり売上高(ARPA)の向上」は主に「サービス戦略」及び「地域戦略」、「契約社数の増加」は主に「販売推進戦略」によって実現いたします。
サービス戦略: クロスセル推進と分野別ソリューション及び顧客ロックイン強化・契約規模拡大
サービス戦略では、(ⅰ)クロスセル推進と分野別ソリューション、及び(ⅱ)顧客ロックイン強化・契約規模拡大の2点を軸に、顧客への提供価値の最大化と収益機会の拡大を図ります。
(ⅰ)クロスセル推進と分野別ソリューションについて、Allganize Holdingsグループは、2026年4月より提供を開始した「Alli Coworker」を新規顧客開拓のみならずクロスセル推進の起点(フック)として位置付けており、Alli Coworker導入企業に対するAlli LLM App Marketへのクロスセルを推進します。また、金融特化型の「Alli Finance LLM」を始めとした分野別ソリューションの強化を進めており、今後は他業種向けモデル(例:製造業向け、医療向けなど)の展開も視野に入れております。加えて、Allganize Holdingsのプラットフォーム「Alli LLM App Market」上に自律型のAIエージェント機能「Alli Agent」を新たに開発・提供開始し、大規模言語モデル(LLM)の進化にいち早く対応することで、単一タスクの自動化から複雑な業務プロセス全体の自動化へとソリューション範囲を拡大しております。
(ⅱ)顧客ロックイン強化・契約規模拡大について、Allganize Holdingsグループは、顧客の社内資産(データ・業務システム等)との連携を強化することで、顧客にとってシステムの代替が困難な状態を構築し、顧客のロックイン強化及び顧客あたり売上(ARPA)の向上を目指しております。また、既存顧客におけるSaaSからオンプレミス契約への発展、他部門展開及びコンサルティングサービスの拡大等を通じて、クロスセルの進展・効率化を図ることにより契約規模の拡大を目指しております。
地域戦略: 更なる多国化展開と金融・公共市場の優先獲得
地域戦略は、(ⅰ)既進出市場での展開ノウハウを活用した更なる多国化展開、及び(ⅱ)各国における金融機関や公共機関等、機密情報を取り扱う領域への優先的な進出(金融・公共市場の優先獲得)の2点を軸としております。現在主力市場である日本・韓国での地位を盤石なものとしつつ、アジア及び欧米への事業拡大を計画しております。特に、Allganize Holdingsグループの強みであるオンプレミス対応は、機密情報の取扱いに厳格な要件を有する金融機関や公共機関において高く評価されており、新規進出国においてもこうした領域への優先的なアプローチを重視する方針です。
販売推進戦略:直販体制の強化とパートナーシップ拡大による顧客接点の最大化
販売推進戦略では、(ⅰ)直販営業体制の強化による新規顧客の開拓、及び(ⅱ)パートナーシップによる販売推進の2点を軸に、顧客接点の拡大と持続的な販売基盤の強化を図ります。
(ⅰ)直販営業体制の強化による新規顧客の開拓について、Allganize Holdingsグループは、Alli Coworkerを軸とした直販営業体制の強化を進めております。直販チャネルを通じて顧客ニーズを直接把握し、迅速な製品改善及び提案活動につなげるとともに、獲得した顧客基盤を軸に、他製品・サービスへのクロスセル及びアップセルを図っております。
(ⅱ)パートナーシップによる販売推進について、Allganize Holdingsグループは、パートナー企業との連携を通じた顧客接点の拡大を、直販に次ぐ重要な柱として位置付けております。特に官公庁及びエンタープライズ市場においては、Allganize Holdingsグループ単独でのカバレッジには限界があることから、パートナー企業の持つ顧客基盤や業界知見を活用することで、効率的な市場浸透を図っております。主要パートナーとしては、国内外のSI事業者、通信事業者及びBPO事業者等の複数企業との連携を進めており、これらのパートナーを経由した販売網の拡大を通じて、既に多数の案件が進行しております。連携の形態としては、①パートナー企業による顧客紹介及び販売代理、②官公庁・自治体及び各パートナーの重点業界への共同営業、並びに③パートナー製品・サービスへのAllganize Holdings製品の組み込み販売、の3類型に整理しております。
収益モデルの拡張性とスケーラビリティ
上記の戦略により、Allganize Holdingsグループの収益モデルは顧客単位での取引拡大による「拡張性」と、事業規模拡大に伴う収益性向上による「スケーラビリティ」の双方を備えております。SaaSはサブスクリプション収入を中心としたストック型ビジネスであり、低い顧客獲得コストで導入企業数を拡大できるポテンシャルがあります。一方のオンプレミスビジネスは、大口契約やライセンス提供による高単価収入をもたらし、1件ごとの売上規模は大きいものの受注までのリードタイムが長い傾向があります。Allganize Holdingsグループは前述のエンタープライズ内での拡張(クロスセル)戦略により、SaaSでの初期導入から大規模なオンプレミス契約への発展をスムーズに行えるため、両モデル間で顧客ライフタイムバリューを最大化できます。また、プロダクトがクラウド経由で提供される部分については、導入企業数が増加してもサービス提供の限界費用は低く抑えられるため、事業規模拡大に伴う収益率の向上(スケールメリット)も期待できます。地域戦略の項で述べたグローバル展開により市場母数自体も飛躍的に増大することから、各地域での収益機会を合算すればAllganize Holdingsグループサービスにはまだ十分な成長余地があります。さらに、サービス拡張戦略による収益源の多角化も進んでいきます。例えば、コンサルティングサービスやマーケットプレイスからの手数料収入や、コアのSaaS利用料に加えてオンプレミス契約にオプション収入を積み上げる形でARPA(顧客あたり売上)を向上させることが可能です。以上のように、Allganize Holdingsグループのビジネスは横へのスケール(導入企業数拡大)と縦へのスケール(顧客単価向上)の両面で拡張可能性を有しており、投資リターンの観点でも魅力的な成長余力を備えていると考えております。
以上の経営戦略を一貫して推進することで、Allganize HoldingsグループはノーコードAIプラットフォームの技術優位性を武器に、市場の幅広いセグメントをカバーしつつグローバルで事業拡大を図ります。SaaSとオンプレミスの補完戦略により安定かつ成長性の高い収益基盤を構築し、プロダクト・地域・サービスの各軸で機動的に展開することで、中長期的に持続可能な競争優位を確立してまいります。引き続き投資家の皆様にとって魅力ある企業価値の向上を実現すべく、戦略遂行に邁進していきます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
Allganize Holdingsグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題は以下のとおりであります。
①急激な市場環境の変化に対応可能な組織体制の構築
LLMモデルの性能が急速に進化しており、わずか数か月前には実現が困難だったことが短期間で可能になるケースが頻繁に生じております。また、LLMを提供するOpenAIやGoogleなどの企業がサービス領域を積極的に拡張し、特定の業界に特化したLLMサービス企業を買収する事例も増加しております。さらに、これまでLLMのトレーニング用データを扱っていた企業が、オープンソースLLMモデルを活用し、自らが直接顧客案件を獲得するために競合となるケースも増えてきました。このように、短期間で技術的実現性や市場環境が大きく変動する状況において、Allganize Holdingsグループは迅速かつ柔軟に対応できる技術・営業組織を安定的に運営する体制の構築を最優先課題として取り組んでまいります。
②社内エンジニアのAI活用による生産性向上
LLMモデルの急速な発展に伴い、マイクロソフトやGoogleなど一部の大手企業では、AIによるコード生成が開発工程の一定割合を占めるとの情報も見られます。新規に立ち上げるプロジェクトにおいては、AIを活用した開発により生産性の向上が期待できる一方、既存サービスに組み込まれているレガシーコードについては、現状のAI技術では十分に理解・対応することが容易ではないケースもあると考えられます。そのため、既存サービスの開発・保守におけるAI活用による生産性向上効果は、新規にゼロからサービスを構築する場合と比較して、相対的に限定的となる可能性があります。この点、スタートアップ企業がゼロベースで競合サービスを迅速に開発することも想定されるため、Allganize Holdingsグループとしては、新規参入企業との競争において開発速度と品質の両立を図ることを重要な経営課題と認識し、継続的に対処してまいります。
③内部管理体制の強化
Allganize Holdingsグループは事業内容の進化、事業・組織両面での成長を続けている段階にあって、グループ全体での業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、Allganize Holdings及び子会社との適切な連携を前提としたバックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、企業規模の拡大に適う、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
④情報管理体制の強化
Allganize Holdingsグループはシステム開発やシステム運用、又はサービス提供の遂行過程において、機密情報や個人情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、情報管理規程等に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備などを継続して行ってまいります。
⑤財務上の課題
現時点でAllganize Holdingsグループは財務上の課題を認識しておりません。2025年9月期まで計上している営業損失及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスは、プロダクト開発への先行投資によるものであり、2025年9月期は当期純利益を計上したほか、2026年9月期第3四半期連結累計期間においても営業黒字を維持しております。Allganize Holdingsグループは、事業の拡大に伴いストック収益が積み上がることで売上高に占める費用の割合の逓減を図り、①契約社数の増加及びクロスセル・アップセルによるARPAの向上、②プロダクトのスケールメリットの享受、③AIを活用した開発生産性の向上による開発効率化により、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。
用語集
|
注釈番号 |
用語 |
内容 |
|
※1 |
ARPA |
「Average Revenue Per Account」の略で、顧客1社(アカウント)当たりの平均売上高をいう。 |
|
※2 |
NLP |
「Natural Language Processing」の略で、人間が日常的に使っている言葉(自然言語)をコンピューターに処理させる一連の技術をいう。自然言語処理と同義。 |
|
※3 |
アジャイル・ガバナンス |
環境や技術の変化、新たなリスクの発生等に応じて、統治(ガバナンス)の在り方を継続的に見直し、機動的に改善していく統治手法をいう。 |
|
※4 |
インサイト |
顧客データや行動履歴等の分析を通じて得られる、表面的には見えていない顧客の潜在的なニーズや課題に関する洞察をいう。 |
|
※5 |
受注単価 |
新規に獲得した初期導入契約に係る初期導入費用(追加の機能開発や保守運用に係る費用は含まない。)の総額を、当該契約の件数で除して算出。モデルの入れ替えやメンテナンス等の小型受注を除外するため、20百万超の契約に限定して集計。 |
Allganize Holdingsグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、Allganize Holdingsグループが判断したものであります。また、本書において※を付した用語につきましては、章末の「用語集」においてその定義・解説を記載しております。
(1) 経営方針
Allganize Holdingsグループでは、「AIで、全てのビジネスのワークフローを自動化する」をミッションに掲げております。多くの企業においては、社内に散在する情報の検索・活用に多大な時間を要すること、定型的な業務プロセスの多くが人手に依存していること、専門的なプログラミング知識を持たない従業員が業務アプリケーションを迅速に構築できないことなど、生産性向上を阻む課題が存在していると認識しております。Allganize Holdingsグループは、最先端の自然言語処理技術及び独自のRAG技術を活用したAIエージェント及びノーコード開発基盤を顧客に提供することにより、こうした業務上の課題を解決し、顧客企業の生産性向上及び競争力強化に貢献するとともに、社会全体の労働生産性の向上に貢献し続けることを基本方針としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
Allganize Holdingsグループは、より高い成長性及び収益力を確保する観点から、売上高、契約社数、ARPA(※1)及び営業利益を重要な経営指標と捉えております。
(3)経営環境
Grand View Research, Inc.(以下、GVR)「Enterprise Generative AI Market(グローバル/日本/韓国/米国)」によれば、エンタープライズ生成AI市場はグローバルで急拡大が見込まれており、2024年29億ドルであったものが、2030年には198億ドルに達し、2025年から2030年の予測期間においては年平均成長率(CAGR)38.4%を超える成長率で拡大すると予測されております。Allganize Holdingsグループが拠点を置く日本、米国、韓国においても同様の成長軌道が想定されており、各国のエンタープライズ生成AI市場はそれぞれ13.8億ドル(2025年~2030年のCAGR40.9%)、63.3億ドル(同期間のCAGR38.1%)、3.7億ドル(同期間のCAGR38.8%)と成長ポテンシャルが見込まれます。
今後の成長にあたっての主な成長ドライバー及び阻害要因・課題は以下の内容が考えられますが、市場は激しい競争環境にあることから、これらに対抗するために継続的な技術開発と差別化戦略が不可欠であると考えております。
・主な成長ドライバー:
-生産性向上と自動化の推進
-イノベーションと新たな収益源の創出
-技術的進化(LLM、NLP(※2)など)
-アクセシビリティ向上(クラウド、ノーコード/ローコード)
・主な阻害要因と課題:
-高コストとROI実証の難しさ
-専門人材不足とスキルギャップ
-データセキュリティ、プライバシー、倫理的懸念
-既存システムとの統合・拡張性
-精度と信頼性(ハルシネーション等)
-導入における「信頼」の重要性
各国における市場概況は以下の通りとなります。
地域別市場概況 - 日本
市場規模・成長: 世界で最も急速な成長が期待される市場の一つです。近年、急速な技術革新により、生成AI(Generative AI)市場は世界的に拡大傾向にあります。特に、大規模言語モデル(LLM)の進化やAI技術の低価格化を背景に、企業における業務効率化や顧客体験向上に対する期待が高まっており、生成AIの活用は今後ますます広がることが予想されます。GVRの推計によれば、日本のエンタープライズ生成AI市場は世界で最も急速な成長が期待される市場の一つであり、2024年の1.8億ドルから2030年には13.8億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは40.9%と、グローバル平均(38.4%)を上回る成長率が見込まれております。
ドライバー: 高齢化・労働力不足による自動化ニーズ、政府の強力な支援(Society 5.0、GENIAC等)、DX加速、技術基盤が挙げられます。
規制: アジャイル・ガバナンス(※3)を特徴とし、ソフトロー(ガイドライン)中心のアプローチを採用しております。AIの促進を目的とするAI新法が国会提出されるなど、イノベーションを阻害せず、責任ある利用を促進する環境です。
地域別市場概況 - 米国
市場規模・成長: 世界最大のAI市場であり、リーダー的存在です。GVRの推計によれば、米国のエンタープライズ生成AI市場は2024年の9.6億ドルから2030年には63.3億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは38.1%と予測されております。世界最大規模の民間投資とAIテックエコシステムの集積を背景に、世界最大のAI市場としてリーダー的地位を有しております。
ドライバー: 技術リーダーシップ(シリコンバレー、大手IT企業)、豊富な資金調達環境、多様な産業での早期導入、クラウドインフラ普及が挙げられます。
規制: 包括的な連邦法は未整備で、州レベルや既存法が中心です。大統領令やNational Institute of Standards and Technology(米国国立標準技術研究所)のフレームワークはガイドラインとしての性格が強いです。
地域別市場概況 - 韓国
市場規模・成長: アジア太平洋地域で急成長しており、GVRの推計によれば、韓国のエンタープライズ生成AI市場は2024年の0.5億ドルから2030年には3.7億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは38.8%と、アジア太平洋地域における急成長が見込まれております。
ドライバー: 政府の強力な推進策(AI国家戦略、デジタルニューディール)、高度なデジタルインフラ、大手テクノロジー企業の注力、活発なスタートアップエコシステム、高い技術力(半導体、AI特許)が挙げられます。
規制: 2026年1月に欧州に次いで世界で2番目にAI基本法(人工知能発展と信頼基盤造成等に関する基本法)を制定しました。産業振興と信頼性確保のバランスを目指し、高リスクAIへの規制、産業振興策、自主規制も重視しております。
(4)経営戦略
Allganize Holdingsグループは、創業以来掲げる「AIによって全てのビジネスのワークフローを自動化・最適化する」というビジョンのもと、独自の技術基盤と柔軟なビジネスモデルを核に経営戦略を展開しております。本戦略では、Allganize Holdingsグループの強みであるノーコードAIエージェント構築、オンプレミス対応、独自LLM搭載プラットフォーム、Agentic RAG(AIエージェント型RAG)といった要素を軸に据えた差別化戦略を再構築し、SaaSとオンプレミスという二つの提供形態によるエンタープライズ顧客深耕の補完的ビジネスモデル、そして販売推進・地域・サービスの三本柱による成長戦略を明確に示します。さらに、投資家視点で収益モデルの拡張可能性とスケーラビリティについての示唆も盛り込み、Allganize Holdingsグループの持続的成長ポテンシャルを説得力ある形で説明します。
社内アセットとの連携:代替不可能性と独自のインサイト(※4)創出
Allganize Holdingsグループは、社内に存在する多様なアセット(文書、データベース、業務システム)とAIとの緊密な連携を、事業戦略における重要な柱と位置づけております。その理由は、社内アセットがAllganize Holdingsグループのサービスに深く統合されればされるほど、顧客にとってそのシステムを容易に代替することが困難になるためです。
さらに、社内アセットの変更履歴、構成員のアクセス記録、そしてAIによる利用履歴といったデータが蓄積されることで、そこから導き出されるインサイトは、競合他社が容易に模倣できない独自の価値となります。これらのデータは、単なる情報以上の、顧客の業務プロセスや知識、利用傾向を深く理解するための基盤となり、よりパーソナライズされた、付加価値の高いサービス提供を可能にします。
この戦略は、単にAIの利便性を高めるだけでなく、顧客との長期的なエンゲージメントを強化し、持続的な競争優位性を確立するための核心となります。社内アセットとの深い連携を通じて、Allganize Holdingsグループは顧客にとってかけがえのないパートナーとなり、共に成長していくことを目指します。
ノーコードAIプラットフォームと先端技術
Allganize Holdingsグループが提供するオールインワン生成AI・LLMプラットフォーム「Alli LLM App Market」は、企業向けAI活用に必要な機能を網羅した包括的ソリューションです 。具体的には、100個以上の業務特化型生成AIアプリをプリセットし、ノーコードでカスタマイズ・新規作成が可能なアプリビルダーを備えております。これにより専門知識がなくとも現場部門が即座に生成AIを業務に活用でき、AI導入のハードルを劇的に低減します。また、Allganize Holdingsグループプラットフォームは高度な企業向けRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を搭載しており、社内の機密データから高精度な応答を自動生成できます 。この独自RAGシステムは、表や手書き文書を含む複雑な資料も解析可能であり、汎用LLMだけでは難しい正確性・文脈適合性を実現しております。
さらにオンプレミスなどクローズドな環境での導入に対応している点も大きな強みです。Alli LLM App Marketはクラウドだけでなく完全閉域ネットワーク内や自社サーバー上でも稼働可能であり、必要に応じてAllganize Holdingsグループより日本語特化の独自LLMを提供することで機密情報を社外に出さずに生成AIを活用できます。加えて、業界・用途別に最適化した専用AIモデルの開発にも注力しており、例えば金融業界向けに専門知識を備えたAlli Finance LLMを日本・韓国市場で提供開始するなど、ドメイン特化型LLMによる差別化も進めております。これら「ノーコード+オンプレ対応+独自LLM+RAG」の技術群を有機的に組み合わせたプラットフォーム戦略により、他社には真似できない一貫性ある競争優位を確立しております。
人材育成基盤による持続的な技術競争力の確保
Allganize Holdingsグループは、持続的な技術競争力の源泉を、優秀なAI人材の体系的な育成基盤に求めております。韓国市場においてAllganize Holdingsは「実戦型AI企業」としてのブランドを確立しており、研究に留まらず市場で収益を上げる実利的な企業イメージのもと、実務志向の強いAIエンジニアや論文著者、コンテスト受賞者等、高度な志願者層からの応募を集めております。2025年度のインターン採用では、応募者357名に対し採用者13名、正規雇用に至った人数は3名(正規雇用社員数/インターン応募者数=0.8%)と、厳選された人材を獲得しております。
Allganize Holdingsグループは、日本・米国・韓国にわたるグローバルな開発体制を特徴としており、韓国で採用したインターン・ジュニア人材を体系的な社内教育プロセスを通じて高度なAIエンジニアへ育成しております。具体的には、(1)製品全体の技術スタックを理解し、AIをシステムとして統合する視点を養う「クロスオンボーディング」、(2)LLM学習、モデル評価、エージェント開発、RAG構築等の多様な業務を内部で経験する「AIコアトレーニング&開発」、(3)最新のRAG技術の追求から評価指標の確立まで技術的深みを追求する「RAG研究・評価・高度化」、及び(4)顧客サイトの実運用データを用いて現場の課題を技術で解決し、モデルを最適化する「実戦評価&モデル最適化」という4段階の人材育成プロセスを体系化しております。
このような人材育成基盤は、最先端の技術スタックとグローバルな実データに触れられる成長環境を志願者に提供することで優秀な人材を惹きつけ、育成した人材が現場で技術力を高めるという好循環を生み出しており、Allganize Holdingsグループの持続的なAI技術力の確保に寄与しているとAllganize Holdingsグループでは考えております。
ビジネスモデル戦略:SaaSとオンプレミスの両提供形態によるエンタープライズ深耕
Allganize Holdingsグループの顧客基盤は大企業を中心としたエンタープライズ顧客であり、中小企業や個人を対象とするいわゆるセルフサーブ型のビジネスモデルは採用しておりません。Allganize Holdingsグループは、SaaS(クラウドサービス)とオンプレミスという二つの提供形態を、顧客のセキュリティ要件や導入規模に応じて使い分け、又は組み合わせて提供することにより、エンタープライズ市場の幅広いニーズに応える戦略を採っております。この二つの提供形態は単なる「攻め」の多角化ではなく、互いの強みを補完し合う相乗効果によって成り立つビジネスモデルです。
・SaaS(クラウドサービス): クラウド環境で迅速に利用を開始できる提供形態であり、大企業の特定部門や子会社等が低い導入コスト・短いリードタイムで生成AI活用を開始する際の入り口として機能しております。ノーコードで容易に使える製品特性により、現場部門が主体的にAllganize Holdingsグループサービスを導入しやすく、これが幅広いエンタープライズ顧客基盤の獲得につながっております。SaaSで蓄積された利用データやフィードバックはプロダクトの改良に活かされ、機能改善や新機能開発を迅速化します。
・オンプレミス: 高度なセキュリティ要件や既存システムとの統合ニーズを有する大企業向けに、オンプレミス導入や個別カスタマイズ、コンサルティングを含む包括的ソリューション提供を行っております。クラウド利用が困難な金融機関や官公庁等の機密データ活用ニーズに応えることで、大手企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)案件に深く入り込み、高い付加価値を提供します。例えば、国内では大手Sierとの提携により安全なクローズド環境での生成AI活用基盤を共同提供し、大企業の機密データ活用を可能にしております。また、日本の大手鉄道会社ではAllganize Holdingsグループプラットフォームを顧客対応と社内業務に採用し、年間数十万件に及ぶ問い合わせ処理の効率化を実現する見通しです。このような大型案件で培った知見は汎用プロダクト機能としてフィードバックされ、他のユーザーにも展開可能な新機能(例:高度なFAQ生成、業種別テンプレート等)となって蓄積されます。なお、オンプレミスの受注単価※5は、2025年9月期の44百万円から2026年9月期第3四半期時点では115百万円となっております。
両者の補完性により、Allganize Holdingsグループは幅広さと深さの両面で競争力を発揮しております。SaaSにより特定部門や子会社等の単位で迅速に導入実績を積み、その後、全社展開やセキュリティ要件の高い領域への対応としてオンプレミス契約や追加部門への展開へと発展させる、エンタープライズ内での「拡張(クロスセル)」戦略を可能にしております。また、大企業案件で得た高度なAI機能開発ノウハウをプロダクト全体に還流させることで、SaaSプロダクトの付加価値を継続的に高める好循環も創出しております。これにより収益構造の安定化(SaaSによるストック収益とオンプレミスの大型契約によるフロー収益の両立)とプロダクト競争力の強化を同時に実現し、競合他社にはない戦略的優位性を築いております。
成長戦略の三本柱: サービス戦略・地域戦略・販売推進戦略
Allganize Holdingsグループはさらなる事業成長に向け、「サービス戦略」「地域戦略」「販売推進戦略」の三本柱を据えてグローバル展開を推進し、グローバルエンタープライズAIプラットフォームとしての発展を継続します。それぞれの柱で現状の展開状況と将来の展望を示します。なお、Allganize Holdingsの成長ドライバーは「1社あたり売上高(ARPA)の向上」と「契約社数の増加」に分解され、1社あたり売上高(ARPA)の向上」は主に「サービス戦略」及び「地域戦略」、「契約社数の増加」は主に「販売推進戦略」によって実現いたします。
サービス戦略: クロスセル推進と分野別ソリューション及び顧客ロックイン強化・契約規模拡大
サービス戦略では、(ⅰ)クロスセル推進と分野別ソリューション、及び(ⅱ)顧客ロックイン強化・契約規模拡大の2点を軸に、顧客への提供価値の最大化と収益機会の拡大を図ります。
(ⅰ)クロスセル推進と分野別ソリューションについて、Allganize Holdingsグループは、2026年4月より提供を開始した「Alli Coworker」を新規顧客開拓のみならずクロスセル推進の起点(フック)として位置付けており、Alli Coworker導入企業に対するAlli LLM App Marketへのクロスセルを推進します。また、金融特化型の「Alli Finance LLM」を始めとした分野別ソリューションの強化を進めており、今後は他業種向けモデル(例:製造業向け、医療向けなど)の展開も視野に入れております。加えて、Allganize Holdingsのプラットフォーム「Alli LLM App Market」上に自律型のAIエージェント機能「Alli Agent」を新たに開発・提供開始し、大規模言語モデル(LLM)の進化にいち早く対応することで、単一タスクの自動化から複雑な業務プロセス全体の自動化へとソリューション範囲を拡大しております。
(ⅱ)顧客ロックイン強化・契約規模拡大について、Allganize Holdingsグループは、顧客の社内資産(データ・業務システム等)との連携を強化することで、顧客にとってシステムの代替が困難な状態を構築し、顧客のロックイン強化及び顧客あたり売上(ARPA)の向上を目指しております。また、既存顧客におけるSaaSからオンプレミス契約への発展、他部門展開及びコンサルティングサービスの拡大等を通じて、クロスセルの進展・効率化を図ることにより契約規模の拡大を目指しております。
地域戦略: 更なる多国化展開と金融・公共市場の優先獲得
地域戦略は、(ⅰ)既進出市場での展開ノウハウを活用した更なる多国化展開、及び(ⅱ)各国における金融機関や公共機関等、機密情報を取り扱う領域への優先的な進出(金融・公共市場の優先獲得)の2点を軸としております。現在主力市場である日本・韓国での地位を盤石なものとしつつ、アジア及び欧米への事業拡大を計画しております。特に、Allganize Holdingsグループの強みであるオンプレミス対応は、機密情報の取扱いに厳格な要件を有する金融機関や公共機関において高く評価されており、新規進出国においてもこうした領域への優先的なアプローチを重視する方針です。
販売推進戦略:直販体制の強化とパートナーシップ拡大による顧客接点の最大化
販売推進戦略では、(ⅰ)直販営業体制の強化による新規顧客の開拓、及び(ⅱ)パートナーシップによる販売推進の2点を軸に、顧客接点の拡大と持続的な販売基盤の強化を図ります。
(ⅰ)直販営業体制の強化による新規顧客の開拓について、Allganize Holdingsグループは、Alli Coworkerを軸とした直販営業体制の強化を進めております。直販チャネルを通じて顧客ニーズを直接把握し、迅速な製品改善及び提案活動につなげるとともに、獲得した顧客基盤を軸に、他製品・サービスへのクロスセル及びアップセルを図っております。
(ⅱ)パートナーシップによる販売推進について、Allganize Holdingsグループは、パートナー企業との連携を通じた顧客接点の拡大を、直販に次ぐ重要な柱として位置付けております。特に官公庁及びエンタープライズ市場においては、Allganize Holdingsグループ単独でのカバレッジには限界があることから、パートナー企業の持つ顧客基盤や業界知見を活用することで、効率的な市場浸透を図っております。主要パートナーとしては、国内外のSI事業者、通信事業者及びBPO事業者等の複数企業との連携を進めており、これらのパートナーを経由した販売網の拡大を通じて、既に多数の案件が進行しております。連携の形態としては、①パートナー企業による顧客紹介及び販売代理、②官公庁・自治体及び各パートナーの重点業界への共同営業、並びに③パートナー製品・サービスへのAllganize Holdings製品の組み込み販売、の3類型に整理しております。
収益モデルの拡張性とスケーラビリティ
上記の戦略により、Allganize Holdingsグループの収益モデルは顧客単位での取引拡大による「拡張性」と、事業規模拡大に伴う収益性向上による「スケーラビリティ」の双方を備えております。SaaSはサブスクリプション収入を中心としたストック型ビジネスであり、低い顧客獲得コストで導入企業数を拡大できるポテンシャルがあります。一方のオンプレミスビジネスは、大口契約やライセンス提供による高単価収入をもたらし、1件ごとの売上規模は大きいものの受注までのリードタイムが長い傾向があります。Allganize Holdingsグループは前述のエンタープライズ内での拡張(クロスセル)戦略により、SaaSでの初期導入から大規模なオンプレミス契約への発展をスムーズに行えるため、両モデル間で顧客ライフタイムバリューを最大化できます。また、プロダクトがクラウド経由で提供される部分については、導入企業数が増加してもサービス提供の限界費用は低く抑えられるため、事業規模拡大に伴う収益率の向上(スケールメリット)も期待できます。地域戦略の項で述べたグローバル展開により市場母数自体も飛躍的に増大することから、各地域での収益機会を合算すればAllganize Holdingsグループサービスにはまだ十分な成長余地があります。さらに、サービス拡張戦略による収益源の多角化も進んでいきます。例えば、コンサルティングサービスやマーケットプレイスからの手数料収入や、コアのSaaS利用料に加えてオンプレミス契約にオプション収入を積み上げる形でARPA(顧客あたり売上)を向上させることが可能です。以上のように、Allganize Holdingsグループのビジネスは横へのスケール(導入企業数拡大)と縦へのスケール(顧客単価向上)の両面で拡張可能性を有しており、投資リターンの観点でも魅力的な成長余力を備えていると考えております。
以上の経営戦略を一貫して推進することで、Allganize HoldingsグループはノーコードAIプラットフォームの技術優位性を武器に、市場の幅広いセグメントをカバーしつつグローバルで事業拡大を図ります。SaaSとオンプレミスの補完戦略により安定かつ成長性の高い収益基盤を構築し、プロダクト・地域・サービスの各軸で機動的に展開することで、中長期的に持続可能な競争優位を確立してまいります。引き続き投資家の皆様にとって魅力ある企業価値の向上を実現すべく、戦略遂行に邁進していきます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
Allganize Holdingsグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題は以下のとおりであります。
①急激な市場環境の変化に対応可能な組織体制の構築
LLMモデルの性能が急速に進化しており、わずか数か月前には実現が困難だったことが短期間で可能になるケースが頻繁に生じております。また、LLMを提供するOpenAIやGoogleなどの企業がサービス領域を積極的に拡張し、特定の業界に特化したLLMサービス企業を買収する事例も増加しております。さらに、これまでLLMのトレーニング用データを扱っていた企業が、オープンソースLLMモデルを活用し、自らが直接顧客案件を獲得するために競合となるケースも増えてきました。このように、短期間で技術的実現性や市場環境が大きく変動する状況において、Allganize Holdingsグループは迅速かつ柔軟に対応できる技術・営業組織を安定的に運営する体制の構築を最優先課題として取り組んでまいります。
②社内エンジニアのAI活用による生産性向上
LLMモデルの急速な発展に伴い、マイクロソフトやGoogleなど一部の大手企業では、AIによるコード生成が開発工程の一定割合を占めるとの情報も見られます。新規に立ち上げるプロジェクトにおいては、AIを活用した開発により生産性の向上が期待できる一方、既存サービスに組み込まれているレガシーコードについては、現状のAI技術では十分に理解・対応することが容易ではないケースもあると考えられます。そのため、既存サービスの開発・保守におけるAI活用による生産性向上効果は、新規にゼロからサービスを構築する場合と比較して、相対的に限定的となる可能性があります。この点、スタートアップ企業がゼロベースで競合サービスを迅速に開発することも想定されるため、Allganize Holdingsグループとしては、新規参入企業との競争において開発速度と品質の両立を図ることを重要な経営課題と認識し、継続的に対処してまいります。
③内部管理体制の強化
Allganize Holdingsグループは事業内容の進化、事業・組織両面での成長を続けている段階にあって、グループ全体での業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、Allganize Holdings及び子会社との適切な連携を前提としたバックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、企業規模の拡大に適う、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
④情報管理体制の強化
Allganize Holdingsグループはシステム開発やシステム運用、又はサービス提供の遂行過程において、機密情報や個人情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、情報管理規程等に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備などを継続して行ってまいります。
⑤財務上の課題
現時点でAllganize Holdingsグループは財務上の課題を認識しておりません。2025年9月期まで計上している営業損失及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスは、プロダクト開発への先行投資によるものであり、2025年9月期は当期純利益を計上したほか、2026年9月期第3四半期連結累計期間においても営業黒字を維持しております。Allganize Holdingsグループは、事業の拡大に伴いストック収益が積み上がることで売上高に占める費用の割合の逓減を図り、①契約社数の増加及びクロスセル・アップセルによるARPAの向上、②プロダクトのスケールメリットの享受、③AIを活用した開発生産性の向上による開発効率化により、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。
用語集
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注釈番号 |
用語 |
内容 |
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※1 |
ARPA |
「Average Revenue Per Account」の略で、顧客1社(アカウント)当たりの平均売上高をいう。 |
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※2 |
NLP |
「Natural Language Processing」の略で、人間が日常的に使っている言葉(自然言語)をコンピューターに処理させる一連の技術をいう。自然言語処理と同義。 |
|
※3 |
アジャイル・ガバナンス |
環境や技術の変化、新たなリスクの発生等に応じて、統治(ガバナンス)の在り方を継続的に見直し、機動的に改善していく統治手法をいう。 |
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※4 |
インサイト |
顧客データや行動履歴等の分析を通じて得られる、表面的には見えていない顧客の潜在的なニーズや課題に関する洞察をいう。 |
|
※5 |
受注単価 |
新規に獲得した初期導入契約に係る初期導入費用(追加の機能開発や保守運用に係る費用は含まない。)の総額を、当該契約の件数で除して算出。モデルの入れ替えやメンテナンス等の小型受注を除外するため、20百万超の契約に限定して集計。 |
Allganize Holdingsグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、Allganize Holdingsグループが判断したものであります。また、本書において※を付した用語につきましては、章末の「用語集」においてその定義・解説を記載しております。
(1) 経営方針
Allganize Holdingsグループでは、「AIで、全てのビジネスのワークフローを自動化する」をミッションに掲げております。多くの企業においては、社内に散在する情報の検索・活用に多大な時間を要すること、定型的な業務プロセスの多くが人手に依存していること、専門的なプログラミング知識を持たない従業員が業務アプリケーションを迅速に構築できないことなど、生産性向上を阻む課題が存在していると認識しております。Allganize Holdingsグループは、最先端の自然言語処理技術及び独自のRAG技術を活用したAIエージェント及びノーコード開発基盤を顧客に提供することにより、こうした業務上の課題を解決し、顧客企業の生産性向上及び競争力強化に貢献するとともに、社会全体の労働生産性の向上に貢献し続けることを基本方針としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
Allganize Holdingsグループは、より高い成長性及び収益力を確保する観点から、売上高、契約社数、ARPA(※1)及び営業利益を重要な経営指標と捉えております。
(3)経営環境
Grand View Research, Inc.(以下、GVR)「Enterprise Generative AI Market(グローバル/日本/韓国/米国)」によれば、エンタープライズ生成AI市場はグローバルで急拡大が見込まれており、2024年29億ドルであったものが、2030年には198億ドルに達し、2025年から2030年の予測期間においては年平均成長率(CAGR)38.4%を超える成長率で拡大すると予測されております。Allganize Holdingsグループが拠点を置く日本、米国、韓国においても同様の成長軌道が想定されており、各国のエンタープライズ生成AI市場はそれぞれ13.8億ドル(2025年~2030年のCAGR40.9%)、63.3億ドル(同期間のCAGR38.1%)、3.7億ドル(同期間のCAGR38.8%)と成長ポテンシャルが見込まれます。
今後の成長にあたっての主な成長ドライバー及び阻害要因・課題は以下の内容が考えられますが、市場は激しい競争環境にあることから、これらに対抗するために継続的な技術開発と差別化戦略が不可欠であると考えております。
・主な成長ドライバー:
-生産性向上と自動化の推進
-イノベーションと新たな収益源の創出
-技術的進化(LLM、NLP(※2)など)
-アクセシビリティ向上(クラウド、ノーコード/ローコード)
・主な阻害要因と課題:
-高コストとROI実証の難しさ
-専門人材不足とスキルギャップ
-データセキュリティ、プライバシー、倫理的懸念
-既存システムとの統合・拡張性
-精度と信頼性(ハルシネーション等)
-導入における「信頼」の重要性
各国における市場概況は以下の通りとなります。
地域別市場概況 - 日本
市場規模・成長: 世界で最も急速な成長が期待される市場の一つです。近年、急速な技術革新により、生成AI(Generative AI)市場は世界的に拡大傾向にあります。特に、大規模言語モデル(LLM)の進化やAI技術の低価格化を背景に、企業における業務効率化や顧客体験向上に対する期待が高まっており、生成AIの活用は今後ますます広がることが予想されます。GVRの推計によれば、日本のエンタープライズ生成AI市場は世界で最も急速な成長が期待される市場の一つであり、2024年の1.8億ドルから2030年には13.8億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは40.9%と、グローバル平均(38.4%)を上回る成長率が見込まれております。
ドライバー: 高齢化・労働力不足による自動化ニーズ、政府の強力な支援(Society 5.0、GENIAC等)、DX加速、技術基盤が挙げられます。
規制: アジャイル・ガバナンス(※3)を特徴とし、ソフトロー(ガイドライン)中心のアプローチを採用しております。AIの促進を目的とするAI新法が国会提出されるなど、イノベーションを阻害せず、責任ある利用を促進する環境です。
地域別市場概況 - 米国
市場規模・成長: 世界最大のAI市場であり、リーダー的存在です。GVRの推計によれば、米国のエンタープライズ生成AI市場は2024年の9.6億ドルから2030年には63.3億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは38.1%と予測されております。世界最大規模の民間投資とAIテックエコシステムの集積を背景に、世界最大のAI市場としてリーダー的地位を有しております。
ドライバー: 技術リーダーシップ(シリコンバレー、大手IT企業)、豊富な資金調達環境、多様な産業での早期導入、クラウドインフラ普及が挙げられます。
規制: 包括的な連邦法は未整備で、州レベルや既存法が中心です。大統領令やNational Institute of Standards and Technology(米国国立標準技術研究所)のフレームワークはガイドラインとしての性格が強いです。
地域別市場概況 - 韓国
市場規模・成長: アジア太平洋地域で急成長しており、GVRの推計によれば、韓国のエンタープライズ生成AI市場は2024年の0.5億ドルから2030年には3.7億ドルへ拡大し、2025年から2030年のCAGRは38.8%と、アジア太平洋地域における急成長が見込まれております。
ドライバー: 政府の強力な推進策(AI国家戦略、デジタルニューディール)、高度なデジタルインフラ、大手テクノロジー企業の注力、活発なスタートアップエコシステム、高い技術力(半導体、AI特許)が挙げられます。
規制: 2026年1月に欧州に次いで世界で2番目にAI基本法(人工知能発展と信頼基盤造成等に関する基本法)を制定しました。産業振興と信頼性確保のバランスを目指し、高リスクAIへの規制、産業振興策、自主規制も重視しております。
(4)経営戦略
Allganize Holdingsグループは、創業以来掲げる「AIによって全てのビジネスのワークフローを自動化・最適化する」というビジョンのもと、独自の技術基盤と柔軟なビジネスモデルを核に経営戦略を展開しております。本戦略では、Allganize Holdingsグループの強みであるノーコードAIエージェント構築、オンプレミス対応、独自LLM搭載プラットフォーム、Agentic RAG(AIエージェント型RAG)といった要素を軸に据えた差別化戦略を再構築し、SaaSとオンプレミスという二つの提供形態によるエンタープライズ顧客深耕の補完的ビジネスモデル、そして販売推進・地域・サービスの三本柱による成長戦略を明確に示します。さらに、投資家視点で収益モデルの拡張可能性とスケーラビリティについての示唆も盛り込み、Allganize Holdingsグループの持続的成長ポテンシャルを説得力ある形で説明します。
社内アセットとの連携:代替不可能性と独自のインサイト(※4)創出
Allganize Holdingsグループは、社内に存在する多様なアセット(文書、データベース、業務システム)とAIとの緊密な連携を、事業戦略における重要な柱と位置づけております。その理由は、社内アセットがAllganize Holdingsグループのサービスに深く統合されればされるほど、顧客にとってそのシステムを容易に代替することが困難になるためです。
さらに、社内アセットの変更履歴、構成員のアクセス記録、そしてAIによる利用履歴といったデータが蓄積されることで、そこから導き出されるインサイトは、競合他社が容易に模倣できない独自の価値となります。これらのデータは、単なる情報以上の、顧客の業務プロセスや知識、利用傾向を深く理解するための基盤となり、よりパーソナライズされた、付加価値の高いサービス提供を可能にします。
この戦略は、単にAIの利便性を高めるだけでなく、顧客との長期的なエンゲージメントを強化し、持続的な競争優位性を確立するための核心となります。社内アセットとの深い連携を通じて、Allganize Holdingsグループは顧客にとってかけがえのないパートナーとなり、共に成長していくことを目指します。
ノーコードAIプラットフォームと先端技術
Allganize Holdingsグループが提供するオールインワン生成AI・LLMプラットフォーム「Alli LLM App Market」は、企業向けAI活用に必要な機能を網羅した包括的ソリューションです 。具体的には、100個以上の業務特化型生成AIアプリをプリセットし、ノーコードでカスタマイズ・新規作成が可能なアプリビルダーを備えております。これにより専門知識がなくとも現場部門が即座に生成AIを業務に活用でき、AI導入のハードルを劇的に低減します。また、Allganize Holdingsグループプラットフォームは高度な企業向けRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を搭載しており、社内の機密データから高精度な応答を自動生成できます 。この独自RAGシステムは、表や手書き文書を含む複雑な資料も解析可能であり、汎用LLMだけでは難しい正確性・文脈適合性を実現しております。
さらにオンプレミスなどクローズドな環境での導入に対応している点も大きな強みです。Alli LLM App Marketはクラウドだけでなく完全閉域ネットワーク内や自社サーバー上でも稼働可能であり、必要に応じてAllganize Holdingsグループより日本語特化の独自LLMを提供することで機密情報を社外に出さずに生成AIを活用できます。加えて、業界・用途別に最適化した専用AIモデルの開発にも注力しており、例えば金融業界向けに専門知識を備えたAlli Finance LLMを日本・韓国市場で提供開始するなど、ドメイン特化型LLMによる差別化も進めております。これら「ノーコード+オンプレ対応+独自LLM+RAG」の技術群を有機的に組み合わせたプラットフォーム戦略により、他社には真似できない一貫性ある競争優位を確立しております。
人材育成基盤による持続的な技術競争力の確保
Allganize Holdingsグループは、持続的な技術競争力の源泉を、優秀なAI人材の体系的な育成基盤に求めております。韓国市場においてAllganize Holdingsは「実戦型AI企業」としてのブランドを確立しており、研究に留まらず市場で収益を上げる実利的な企業イメージのもと、実務志向の強いAIエンジニアや論文著者、コンテスト受賞者等、高度な志願者層からの応募を集めております。2025年度のインターン採用では、応募者357名に対し採用者13名、正規雇用に至った人数は3名(正規雇用社員数/インターン応募者数=0.8%)と、厳選された人材を獲得しております。
Allganize Holdingsグループは、日本・米国・韓国にわたるグローバルな開発体制を特徴としており、韓国で採用したインターン・ジュニア人材を体系的な社内教育プロセスを通じて高度なAIエンジニアへ育成しております。具体的には、(1)製品全体の技術スタックを理解し、AIをシステムとして統合する視点を養う「クロスオンボーディング」、(2)LLM学習、モデル評価、エージェント開発、RAG構築等の多様な業務を内部で経験する「AIコアトレーニング&開発」、(3)最新のRAG技術の追求から評価指標の確立まで技術的深みを追求する「RAG研究・評価・高度化」、及び(4)顧客サイトの実運用データを用いて現場の課題を技術で解決し、モデルを最適化する「実戦評価&モデル最適化」という4段階の人材育成プロセスを体系化しております。
このような人材育成基盤は、最先端の技術スタックとグローバルな実データに触れられる成長環境を志願者に提供することで優秀な人材を惹きつけ、育成した人材が現場で技術力を高めるという好循環を生み出しており、Allganize Holdingsグループの持続的なAI技術力の確保に寄与しているとAllganize Holdingsグループでは考えております。
ビジネスモデル戦略:SaaSとオンプレミスの両提供形態によるエンタープライズ深耕
Allganize Holdingsグループの顧客基盤は大企業を中心としたエンタープライズ顧客であり、中小企業や個人を対象とするいわゆるセルフサーブ型のビジネスモデルは採用しておりません。Allganize Holdingsグループは、SaaS(クラウドサービス)とオンプレミスという二つの提供形態を、顧客のセキュリティ要件や導入規模に応じて使い分け、又は組み合わせて提供することにより、エンタープライズ市場の幅広いニーズに応える戦略を採っております。この二つの提供形態は単なる「攻め」の多角化ではなく、互いの強みを補完し合う相乗効果によって成り立つビジネスモデルです。
・SaaS(クラウドサービス): クラウド環境で迅速に利用を開始できる提供形態であり、大企業の特定部門や子会社等が低い導入コスト・短いリードタイムで生成AI活用を開始する際の入り口として機能しております。ノーコードで容易に使える製品特性により、現場部門が主体的にAllganize Holdingsグループサービスを導入しやすく、これが幅広いエンタープライズ顧客基盤の獲得につながっております。SaaSで蓄積された利用データやフィードバックはプロダクトの改良に活かされ、機能改善や新機能開発を迅速化します。
・オンプレミス: 高度なセキュリティ要件や既存システムとの統合ニーズを有する大企業向けに、オンプレミス導入や個別カスタマイズ、コンサルティングを含む包括的ソリューション提供を行っております。クラウド利用が困難な金融機関や官公庁等の機密データ活用ニーズに応えることで、大手企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)案件に深く入り込み、高い付加価値を提供します。例えば、国内では大手Sierとの提携により安全なクローズド環境での生成AI活用基盤を共同提供し、大企業の機密データ活用を可能にしております。また、日本の大手鉄道会社ではAllganize Holdingsグループプラットフォームを顧客対応と社内業務に採用し、年間数十万件に及ぶ問い合わせ処理の効率化を実現する見通しです。このような大型案件で培った知見は汎用プロダクト機能としてフィードバックされ、他のユーザーにも展開可能な新機能(例:高度なFAQ生成、業種別テンプレート等)となって蓄積されます。なお、オンプレミスの受注単価※5は、2025年9月期の44百万円から2026年9月期第3四半期時点では115百万円となっております。
両者の補完性により、Allganize Holdingsグループは幅広さと深さの両面で競争力を発揮しております。SaaSにより特定部門や子会社等の単位で迅速に導入実績を積み、その後、全社展開やセキュリティ要件の高い領域への対応としてオンプレミス契約や追加部門への展開へと発展させる、エンタープライズ内での「拡張(クロスセル)」戦略を可能にしております。また、大企業案件で得た高度なAI機能開発ノウハウをプロダクト全体に還流させることで、SaaSプロダクトの付加価値を継続的に高める好循環も創出しております。これにより収益構造の安定化(SaaSによるストック収益とオンプレミスの大型契約によるフロー収益の両立)とプロダクト競争力の強化を同時に実現し、競合他社にはない戦略的優位性を築いております。
成長戦略の三本柱: サービス戦略・地域戦略・販売推進戦略
Allganize Holdingsグループはさらなる事業成長に向け、「サービス戦略」「地域戦略」「販売推進戦略」の三本柱を据えてグローバル展開を推進し、グローバルエンタープライズAIプラットフォームとしての発展を継続します。それぞれの柱で現状の展開状況と将来の展望を示します。なお、Allganize Holdingsの成長ドライバーは「1社あたり売上高(ARPA)の向上」と「契約社数の増加」に分解され、1社あたり売上高(ARPA)の向上」は主に「サービス戦略」及び「地域戦略」、「契約社数の増加」は主に「販売推進戦略」によって実現いたします。
サービス戦略: クロスセル推進と分野別ソリューション及び顧客ロックイン強化・契約規模拡大
サービス戦略では、(ⅰ)クロスセル推進と分野別ソリューション、及び(ⅱ)顧客ロックイン強化・契約規模拡大の2点を軸に、顧客への提供価値の最大化と収益機会の拡大を図ります。
(ⅰ)クロスセル推進と分野別ソリューションについて、Allganize Holdingsグループは、2026年4月より提供を開始した「Alli Coworker」を新規顧客開拓のみならずクロスセル推進の起点(フック)として位置付けており、Alli Coworker導入企業に対するAlli LLM App Marketへのクロスセルを推進します。また、金融特化型の「Alli Finance LLM」を始めとした分野別ソリューションの強化を進めており、今後は他業種向けモデル(例:製造業向け、医療向けなど)の展開も視野に入れております。加えて、Allganize Holdingsのプラットフォーム「Alli LLM App Market」上に自律型のAIエージェント機能「Alli Agent」を新たに開発・提供開始し、大規模言語モデル(LLM)の進化にいち早く対応することで、単一タスクの自動化から複雑な業務プロセス全体の自動化へとソリューション範囲を拡大しております。
(ⅱ)顧客ロックイン強化・契約規模拡大について、Allganize Holdingsグループは、顧客の社内資産(データ・業務システム等)との連携を強化することで、顧客にとってシステムの代替が困難な状態を構築し、顧客のロックイン強化及び顧客あたり売上(ARPA)の向上を目指しております。また、既存顧客におけるSaaSからオンプレミス契約への発展、他部門展開及びコンサルティングサービスの拡大等を通じて、クロスセルの進展・効率化を図ることにより契約規模の拡大を目指しております。
地域戦略: 更なる多国化展開と金融・公共市場の優先獲得
地域戦略は、(ⅰ)既進出市場での展開ノウハウを活用した更なる多国化展開、及び(ⅱ)各国における金融機関や公共機関等、機密情報を取り扱う領域への優先的な進出(金融・公共市場の優先獲得)の2点を軸としております。現在主力市場である日本・韓国での地位を盤石なものとしつつ、アジア及び欧米への事業拡大を計画しております。特に、Allganize Holdingsグループの強みであるオンプレミス対応は、機密情報の取扱いに厳格な要件を有する金融機関や公共機関において高く評価されており、新規進出国においてもこうした領域への優先的なアプローチを重視する方針です。
販売推進戦略:直販体制の強化とパートナーシップ拡大による顧客接点の最大化
販売推進戦略では、(ⅰ)直販営業体制の強化による新規顧客の開拓、及び(ⅱ)パートナーシップによる販売推進の2点を軸に、顧客接点の拡大と持続的な販売基盤の強化を図ります。
(ⅰ)直販営業体制の強化による新規顧客の開拓について、Allganize Holdingsグループは、Alli Coworkerを軸とした直販営業体制の強化を進めております。直販チャネルを通じて顧客ニーズを直接把握し、迅速な製品改善及び提案活動につなげるとともに、獲得した顧客基盤を軸に、他製品・サービスへのクロスセル及びアップセルを図っております。
(ⅱ)パートナーシップによる販売推進について、Allganize Holdingsグループは、パートナー企業との連携を通じた顧客接点の拡大を、直販に次ぐ重要な柱として位置付けております。特に官公庁及びエンタープライズ市場においては、Allganize Holdingsグループ単独でのカバレッジには限界があることから、パートナー企業の持つ顧客基盤や業界知見を活用することで、効率的な市場浸透を図っております。主要パートナーとしては、国内外のSI事業者、通信事業者及びBPO事業者等の複数企業との連携を進めており、これらのパートナーを経由した販売網の拡大を通じて、既に多数の案件が進行しております。連携の形態としては、①パートナー企業による顧客紹介及び販売代理、②官公庁・自治体及び各パートナーの重点業界への共同営業、並びに③パートナー製品・サービスへのAllganize Holdings製品の組み込み販売、の3類型に整理しております。
収益モデルの拡張性とスケーラビリティ
上記の戦略により、Allganize Holdingsグループの収益モデルは顧客単位での取引拡大による「拡張性」と、事業規模拡大に伴う収益性向上による「スケーラビリティ」の双方を備えております。SaaSはサブスクリプション収入を中心としたストック型ビジネスであり、低い顧客獲得コストで導入企業数を拡大できるポテンシャルがあります。一方のオンプレミスビジネスは、大口契約やライセンス提供による高単価収入をもたらし、1件ごとの売上規模は大きいものの受注までのリードタイムが長い傾向があります。Allganize Holdingsグループは前述のエンタープライズ内での拡張(クロスセル)戦略により、SaaSでの初期導入から大規模なオンプレミス契約への発展をスムーズに行えるため、両モデル間で顧客ライフタイムバリューを最大化できます。また、プロダクトがクラウド経由で提供される部分については、導入企業数が増加してもサービス提供の限界費用は低く抑えられるため、事業規模拡大に伴う収益率の向上(スケールメリット)も期待できます。地域戦略の項で述べたグローバル展開により市場母数自体も飛躍的に増大することから、各地域での収益機会を合算すればAllganize Holdingsグループサービスにはまだ十分な成長余地があります。さらに、サービス拡張戦略による収益源の多角化も進んでいきます。例えば、コンサルティングサービスやマーケットプレイスからの手数料収入や、コアのSaaS利用料に加えてオンプレミス契約にオプション収入を積み上げる形でARPA(顧客あたり売上)を向上させることが可能です。以上のように、Allganize Holdingsグループのビジネスは横へのスケール(導入企業数拡大)と縦へのスケール(顧客単価向上)の両面で拡張可能性を有しており、投資リターンの観点でも魅力的な成長余力を備えていると考えております。
以上の経営戦略を一貫して推進することで、Allganize HoldingsグループはノーコードAIプラットフォームの技術優位性を武器に、市場の幅広いセグメントをカバーしつつグローバルで事業拡大を図ります。SaaSとオンプレミスの補完戦略により安定かつ成長性の高い収益基盤を構築し、プロダクト・地域・サービスの各軸で機動的に展開することで、中長期的に持続可能な競争優位を確立してまいります。引き続き投資家の皆様にとって魅力ある企業価値の向上を実現すべく、戦略遂行に邁進していきます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
Allganize Holdingsグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題は以下のとおりであります。
①急激な市場環境の変化に対応可能な組織体制の構築
LLMモデルの性能が急速に進化しており、わずか数か月前には実現が困難だったことが短期間で可能になるケースが頻繁に生じております。また、LLMを提供するOpenAIやGoogleなどの企業がサービス領域を積極的に拡張し、特定の業界に特化したLLMサービス企業を買収する事例も増加しております。さらに、これまでLLMのトレーニング用データを扱っていた企業が、オープンソースLLMモデルを活用し、自らが直接顧客案件を獲得するために競合となるケースも増えてきました。このように、短期間で技術的実現性や市場環境が大きく変動する状況において、Allganize Holdingsグループは迅速かつ柔軟に対応できる技術・営業組織を安定的に運営する体制の構築を最優先課題として取り組んでまいります。
②社内エンジニアのAI活用による生産性向上
LLMモデルの急速な発展に伴い、マイクロソフトやGoogleなど一部の大手企業では、AIによるコード生成が開発工程の一定割合を占めるとの情報も見られます。新規に立ち上げるプロジェクトにおいては、AIを活用した開発により生産性の向上が期待できる一方、既存サービスに組み込まれているレガシーコードについては、現状のAI技術では十分に理解・対応することが容易ではないケースもあると考えられます。そのため、既存サービスの開発・保守におけるAI活用による生産性向上効果は、新規にゼロからサービスを構築する場合と比較して、相対的に限定的となる可能性があります。この点、スタートアップ企業がゼロベースで競合サービスを迅速に開発することも想定されるため、Allganize Holdingsグループとしては、新規参入企業との競争において開発速度と品質の両立を図ることを重要な経営課題と認識し、継続的に対処してまいります。
③内部管理体制の強化
Allganize Holdingsグループは事業内容の進化、事業・組織両面での成長を続けている段階にあって、グループ全体での業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、Allganize Holdings及び子会社との適切な連携を前提としたバックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、企業規模の拡大に適う、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
④情報管理体制の強化
Allganize Holdingsグループはシステム開発やシステム運用、又はサービス提供の遂行過程において、機密情報や個人情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、情報管理規程等に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備などを継続して行ってまいります。
⑤財務上の課題
現時点でAllganize Holdingsグループは財務上の課題を認識しておりません。2025年9月期まで計上している営業損失及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスは、プロダクト開発への先行投資によるものであり、2025年9月期は当期純利益を計上したほか、2026年9月期第3四半期連結累計期間においても営業黒字を維持しております。Allganize Holdingsグループは、事業の拡大に伴いストック収益が積み上がることで売上高に占める費用の割合の逓減を図り、①契約社数の増加及びクロスセル・アップセルによるARPAの向上、②プロダクトのスケールメリットの享受、③AIを活用した開発生産性の向上による開発効率化により、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。
用語集
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注釈番号 |
用語 |
内容 |
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※1 |
ARPA |
「Average Revenue Per Account」の略で、顧客1社(アカウント)当たりの平均売上高をいう。 |
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※2 |
NLP |
「Natural Language Processing」の略で、人間が日常的に使っている言葉(自然言語)をコンピューターに処理させる一連の技術をいう。自然言語処理と同義。 |
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※3 |
アジャイル・ガバナンス |
環境や技術の変化、新たなリスクの発生等に応じて、統治(ガバナンス)の在り方を継続的に見直し、機動的に改善していく統治手法をいう。 |
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※4 |
インサイト |
顧客データや行動履歴等の分析を通じて得られる、表面的には見えていない顧客の潜在的なニーズや課題に関する洞察をいう。 |
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※5 |
受注単価 |
新規に獲得した初期導入契約に係る初期導入費用(追加の機能開発や保守運用に係る費用は含まない。)の総額を、当該契約の件数で除して算出。モデルの入れ替えやメンテナンス等の小型受注を除外するため、20百万超の契約に限定して集計。 |
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載のとおり、Allganize Holdingsは、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置し、Allganize Holdingsグループの事業の上の様々な経営リスクについてリスクの抽出、評価、対策等の協議・検討を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてAllganize Holdingsが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業に関するリスク
① AI関連市場 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響 度:中~大)
Allganize Holdingsグループが属するAI関連市場は、各産業でAIの実用化に向けた取り組みが進んでいること等から、今後も拡大を続けていくと予想しております。また、Allganize Holdingsグループの事業展開も当該市場の拡大をその基本的条件としております。しかしながら、AI関連市場の成長は、AI技術の開発、利用、普及等を制限するような法規制、政策、景気動向、技術革新、関連する市場の動向等の様々な要因により影響を受けます。Allganize Holdingsグループは市場の変化を早期に捉え、新たな顧客、市場を開拓するなどの対応策を講じる方針であります。具体的には、業界動向や競合の調査・分析を継続的に実施するとともに、特定の業種・顧客層への依存度を高めすぎない事業ポートフォリオの構築、及び複数のプロダクトラインの展開による収益源の多様化を進めております。しかしながら、これらの要因により、AI関連市場の成長ペースが大きく鈍化した場合やAllganize Holdingsグループの想定どおりの規模に成長しない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 技術革新 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
Allganize Holdingsグループの事業領域であるAI関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。Allganize Holdingsグループでは、主にAI部門が最新の研究論文などの情報を継続的に収集しており、そうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化が、Allganize Holdingsの想定を大きく超えるような場合や、Allganize Holdingsグループが適時適切に対応出来ない場合、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 競合の動向 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループの属するAI関連事業分野においては、本書提出日現在で競合他社が全世界に存在しているほか、新規参入事業者も多く見受けられ、今後も他業種大手企業から高度に専門化した新興企業に至るまで、様々な事業者が新規に参入する可能性があります。これらの競合他社や新規参入事業者は、その資金力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などの優位性を活用してサービスの開発に取り組んだ場合、Allganize Holdingsグループの業績及び将来計画に影響を与える可能性があります。また、AI関連市場はいまだ未成熟であるため、かかる新規参入や競合他社の動向等により、市場シェアの構成が急激に変化する可能性があり、かかる場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
Allganize Holdingsグループとしましては、これまで培ってきたAI技術・ビジネス活用の知見を活かして、顧客のニーズに合致したAIサービスの開発を継続していく所存ではありますが、競争環境の更なる激化等、競合の状況によっては、価格低下圧力による利益率の悪化、対策のための追加のコストの負担等の原因により、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 事業の拡大について (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループでは、今後の成長機会の創出に向けて、既存の顧客企業及び見込み顧客企業のニーズを前提とした新ソリューションや新機能の開発を実施しております。また、収益源の多角化の観点から、現在の事業領域と異なる分野にも進出する可能性があります。Allganize Holdingsグループでは、収益見通しを吟味した上でこれらの取組みについて進めておりますが、開発遅延や、現在の事業領域と異なる分野に進出した場合において、当該分野における収益化が進まない場合、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 売上計上時期の期ずれについて (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループが提供するAIソリューションサービスにおいては、特にオンプレミスの大型案件において、顧客側の要件定義の遅延や検収プロセスの長期化等に伴い、受注時期や完成時期が当初の見込みから後ろ倒しとなり、当該案件に係る売上・収益の計上時期が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれし、期ずれした金額の大きさによっては、各四半期あるいは事業年度におけるAllganize Holdingsグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。Allganize Holdingsグループは、プロジェクト管理及び営業のパイプライン管理を徹底し、進捗遅延の兆候を早期に検知・是正する体制を構築することで、期ずれの発生防止に努めております。
⑥ システム障害 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループが提供しているAIサービスの大半は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。したがって、自然災害や事故によりインターネット通信網が切断された場合には、サービスの提供が困難となります。サイバー攻撃等によりAllganize Holdingsグループサービス基盤への攻撃を受けた場合には、システム障害により事業遂行が困難になることや、事業上の重要機密が漏洩する可能性があります。また、予想外の急激なアクセス増加等による一時的な過負荷やその他予期せぬ事象によるサーバーダウン等により、Allganize Holdingsグループのサービスが停止する可能性があります。これまでAllganize Holdingsグループにおいて、クラウド環境におけるサーバーの冗長化やバックアップ等の対策をとっており、そのような事象は発生しておりませんが、今後このようなシステム障害等が発生し、サービスの安定的な提供が行えないような事態が発生した場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 情報管理 (発生可能性:低、発生時期:特定時期な し、影響度:中~大)
Allganize HoldingsグループのAIが学習対象とする情報の中には、顧客の経営戦略上極めて重要かつ機密性が高い情報が含まれる場合があります。また、Allganize Holdingsグループが提供するサービスでは、ユーザーの個人情報及びユーザーが保有する第三者の個人情報を取り扱っております。これらの情報の取扱いについては、情報管理に関する諸規程の整備及び適切な運用に努めておりますが、従業員及び委託先関係者の故意・過失、事故、災害、悪意をもった第三者による不正アクセス、その他予期せぬ要因等により情報の漏洩、不正使用または不適切な取扱が発生した場合、損害賠償責任やセキュリティシステム改修のための多額の費用負担を負う可能性及び当局による行政処分等の対象となる可能性があるほか、顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
⑧ 知的財産権におけるリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループのビジネス上、Allganize Holdingsグループの開発した独自の方法や技術及びAllganize Holdingsグループが開発し又はライセンスを受けている特許その他知的財産権は重要であります。Allganize Holdingsグループは、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めておりますが、Allganize Holdingsグループの知的財産権が十分に保護されない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、Allganize Holdingsグループによる第三者の知的財産権侵害の可能性につきましては、可能な範囲で調査を行っておりますが、Allganize Holdingsグループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、Allganize Holdingsグループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。かかる場合のロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、あるいはAllganize Holdingsグループの知的財産が侵害された場合において、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑨ 為替変動リスクについて (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループは、日本の他に韓国及び米国に子会社を有し、海外展開を進めております。Allganize Holdingsグループの事業構造上売上高及び経費の多くを海外又は外貨建てで行っていることから、為替相場の変動は、Allganize Holdingsグループの売上高、利益水準等の業績に加え、Allganize Holdingsグループが保有する外貨建資産・負債の円換算額や為替換算調整勘定を通じて、純資産の増減にも影響を及ぼす可能性があります。米ドル建ての経費が米ドル建ての売上高を上回っているため、円安に推移した場合には営業利益に対してマイナスの、Allganize Holdingsが保有する米ドル建て預金の為替差益により経常利益に対してはプラスの影響を及ぼします(円高局面においてはこれらが逆の作用となります)。
これらのリスクに対し、Allganize Holdingsグループにおける収益と費用の通貨を可能な限り一致させることで、為替変動の影響を相対的に抑える構造(ナチュラル・ヘッジ)の推進や、現預金の一部(2026年6月末において15,854千米ドル)を保有することに加え、グループ全体の為替ポジションの継続的なモニタリング、必要に応じた為替予約等のヘッジ手法の検討・実施により、当該リスクの低減に努めております。
⑩ 法的規制 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
現在、Allganize Holdingsグループが営むAI関連事業そのものを規制する法令はありませんが、Allganize HoldingsグループがAIを用いてコンテンツ及びサービスを展開する領域においては、医療関連の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」や金融関連の「銀行法」(電子決済等代行業に対する規制)などの特定の事業に対する法的規制のほか、「不当景品類及び不当表示防止法」「電気通信事業法」「個人情報保護規制」などの 一般的な法的規制を受けております。
Allganize Holdingsグループでは、これらの法令を遵守するために、コンプライアンス体制の整備等を含む管理体制充実に取り組んでおります。しかしながら、将来において、Allganize Holdingsグループが提供するコンテンツ及びサービスが法的規制に抵触する可能性を完全に否定することはできず、また、今後上記の法的規制が変更され、新たな法令等の制定や法解釈の変更がなされることにより、Allganize Holdingsグループの事業が制約され、これらによりAllganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)事業体制に関するリスク
① 人材の採用及び育成 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、事業の拡大に伴い、積極的に優秀な機械学習領域等のアルゴリズムを開発するエンジニアや、インフラやアプリケーション制作等のソフトウエア開発を行うエンジニア、また顧客企業のデジタル・AI戦略やAIのビジネス活用を促すコンサルタントの採用・育成を進めております。Allganize Holdingsグループでは、こうした人材を確保するため、採用手法の多様化(リファラル採用、業務委託・副業人材の活用等)、報酬・評価制度及び福利厚生の整備、社内研修制度の拡充等による人材育成に取り組んでおります。しかしながら、事業規模の拡大に応じたAllganize Holdingsグループ内における人材育成、外部からの優秀な人材の採用等が計画どおりに進まず、必要な人材を確保することができない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 特定の人物への依存 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループの代表取締役でありますイ・チャンスは、創業者であると同時に最高経営責任者として経営戦略、事業戦略等、Allganize Holdingsグループの業務に関しての専門的な知識を有し、重要な役割を果たしております。Allganize Holdingsグループでは、他役員や社員への情報共有や権限委譲を進めるなど、代表取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により代表取締役がAllganize Holdingsグループの経営執行を継続することが困難になった場合には、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。
そのためにも、Allganize Holdingsグループでは、管理部門の人員拡充等を通じて、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、一時的に適切な業務運営が困難となり、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
④ コンプライアンス体制 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、企業価値の持続的な増大を図るために、コンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えており、コンプライアンスに関する社内規程を策定するとともに、役員及び従業員を対象として社内研修を実施し、コンプライアンスの重要性の周知徹底を図っております。その成果として、コンプライアンス事案はこれまで発生しておりませんが、万が一、今後のAllganize Holdingsグループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 小規模組織であること(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制になっております。Allganize Holdingsグループでは、今後の業務拡大に対応するため、人員の増強や内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、何らかの事由でこれらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他のリスク
① 大規模な自然災害等 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じております。具体的には、クラウド環境の活用によるサーバーの分散化により、特定の拠点の被災によるシステム停止を回避できる体制を整えるとともに、テレワーク・在宅勤務制度の整備により、自然災害等により従業員が事業所へ出社できない場合でも、開発、顧客サポート及び管理業務を継続できる取組みを行っております。しかしながら、台風、地震、津波、感染症等の自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合、Allganize Holdingsグループ又はAllganize Holdingsグループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 訴訟等 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
現時点において、Allganize Holdingsグループにおいて係属中の訴訟はありません。Allganize Holdingsグループでは、コンプライアンス体制の整備及び契約審査体制の強化により、訴訟等の未然防止に努めるとともに、必要に応じて弁護士等の専門家に相談する体制を整えております。しかしながら、将来においてAllganize Holdingsの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や金額によって、Allganize Holdingsグループの業績、財政状態及び事業展開に影響を与える可能性があります。
③ ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:低)
Allganize Holdingsグループは役職員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、ストック・オプショ ン(新株予約権)を発行しております。ストック・オプションが権利行使された場合には、Allganize Holdings株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は1,825,259株であり、発行済株式総数である18,415,288株の9.9%に相当しております。
④ 法人税に対する二重課税(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsは、過年度に実施したインバージョン取引により、米国税法上のインバージョン税制の適用を受けており、米国連邦法人税の観点では米国法人として取り扱われています。これに伴い、Allganize Holdingsは日本税法に基づく税務申告のみならず、米国税法に基づき、米国法人としての税務申告を実施しています。
そのため、Allganize Holdingsは税務上米国法人と日本法人の双方として扱われ、米国と日本双方の課税の対象となっております。租税の目的におけるAllganize Holdingsの二重ステータスは、重大な追加的法人税を生じることはないとAllganize Holdingsは考えておりますが、税務当局が異議を唱えた場合、Allganize Holdingsグループは多大な追加的法人税が課される可能性があります。
⑤ 配当政策及び配当に対する二重課税 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsは、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、現時点での利益還元方針として、当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。すなわち、Allganize Holdingsグループは現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
また、Allganize Holdingsの配当の支払については、Allganize Holdingsが知る限り、現時点において証券会社等による当該配当の支払処理の整備が整っていない状況であり、配当の支払処理に必要な整備がなされるまでは、Allganize Holdingsは配当を実施する予定はありません。将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及びAllganize Holdingsグループを取り巻く事業環境、証券会社等による当該配当の支払処理の整備状況等を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ではありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
Allganize Holdings普通株式に関し、米国の居住者である株主に対して支払われる配当の総額は、一般的に米国連邦法人税の目的で、受取配当金として総所得に含まれます。かかる配当は一般的に日本の源泉徴収税の対象にもなります。Allganize Holdingsは日本で設立された株式会社であるものの、米国の連邦法人税の目的上は米国会社として扱われるため、かかる配当は、米国の外国税額控除制度における国外源泉所得と認められません。したがって、米国の居住者である株主は、その他の国外源泉所得を十分に有しない限り、Allganize Holdingsから受領した配当に対する日本の源泉徴収税に関し、外国税額控除を主張することができません。
またAllganize Holdings普通株式に関し、日本の居住者である株主に対して支払われる配当の総額は、日本の租税の目的上、(法人株主に対する一部の例外を除き)一般的に課税の対象となります。かかる配当は一般的に米国の源泉徴収税の対象にもなります。Allganize Holdingsは日本の会社であるため、かかる配当は、日本の外国税額控除制度における国外源泉所得と認められず、また、米国の源泉徴収税は外国所得税と認められないと考えられます。
米国又は日本の株主以外のAllganize Holdingsの普通株式の保有者は、通常米国と日本の双方の源泉徴収税の対象となります。
具体的には日本においてAllganize Holdings株式保有者に対して支払われる配当金は米国および日本の税法上の配当所得となります。Allganize Holdings株式について日本の居住者たる個人または日本の法人が日本における支払の取扱者を通じて交付を受ける配当金については、日本における課税に加えて、配当の源泉徴収義務者であるAllganize Holdings又はAllganize Holdingsの支払代理人が配当金額のうち原則として法定税率である30%を源泉徴収し米国の内国歳入庁(IRS)に納付します。
⑥ 資金使途 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsグループの上場時に実施する公募増資による調達資金につきましては、Allganize Holdings子会社の優秀な営業、マーケティング、開発及び管理人材の採用・育成、システム投資及びAllganize Holdings運転資金等に充当する予定であります。
しかしながら、急激に変化する事業環境により柔軟に対応するため、現時点における計画以外の使途にも充当される可能性があります。また、計画に沿って資金を使用した場合でも想定通りの投資効果を上げられない場合、Allganize Holdingsグループの経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 繰越欠損金 (発生可能性:低、発生時期:中期、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、税務上の繰越欠損金を有しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後当該繰越欠損金の繰越期間の使用制限範囲内において納税額の減少をさせることにより、キャッシュ・フロー改善に寄与することが見込まれます。
しかしながら、Allganize Holdingsグループの業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合、及びAllganize Holdingsグループの業績の下振れ等により繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合は、課税所得からの控除が受けられなくなり、通常の税率にもとづく法人税等の納税負担が発生することで、Allganize Holdingsグループの業績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 投融資(発生可能性:低、発生時期:短期、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、現在において投資を行っている事実はありません。しかしながら、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。また、投資判断においては、投資先候補企業の事業内容を吟味し、Allganize Holdingsグループとの事業シナジーが得られること、投資先候補企業の事業計画、Allganize Holdingsグループの財務状況や投資先候補企業への影響力等を考慮し、投資先候補企業の評価額が適切な水準であることを慎重に確認し、投資判断を行う予定です。ただし、投資先企業の事業が計画通りに進捗しない場合や投融資額を回収できなかった場合、減損の対象となる事象が生じた場合には、Allganize Holdingsグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載のとおり、Allganize Holdingsは、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置し、Allganize Holdingsグループの事業の上の様々な経営リスクについてリスクの抽出、評価、対策等の協議・検討を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてAllganize Holdingsが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業に関するリスク
① AI関連市場 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響 度:中~大)
Allganize Holdingsグループが属するAI関連市場は、各産業でAIの実用化に向けた取り組みが進んでいること等から、今後も拡大を続けていくと予想しております。また、Allganize Holdingsグループの事業展開も当該市場の拡大をその基本的条件としております。しかしながら、AI関連市場の成長は、AI技術の開発、利用、普及等を制限するような法規制、政策、景気動向、技術革新、関連する市場の動向等の様々な要因により影響を受けます。Allganize Holdingsグループは市場の変化を早期に捉え、新たな顧客、市場を開拓するなどの対応策を講じる方針であります。具体的には、業界動向や競合の調査・分析を継続的に実施するとともに、特定の業種・顧客層への依存度を高めすぎない事業ポートフォリオの構築、及び複数のプロダクトラインの展開による収益源の多様化を進めております。しかしながら、これらの要因により、AI関連市場の成長ペースが大きく鈍化した場合やAllganize Holdingsグループの想定どおりの規模に成長しない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 技術革新 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
Allganize Holdingsグループの事業領域であるAI関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。Allganize Holdingsグループでは、主にAI部門が最新の研究論文などの情報を継続的に収集しており、そうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化が、Allganize Holdingsの想定を大きく超えるような場合や、Allganize Holdingsグループが適時適切に対応出来ない場合、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 競合の動向 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループの属するAI関連事業分野においては、本書提出日現在で競合他社が全世界に存在しているほか、新規参入事業者も多く見受けられ、今後も他業種大手企業から高度に専門化した新興企業に至るまで、様々な事業者が新規に参入する可能性があります。これらの競合他社や新規参入事業者は、その資金力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などの優位性を活用してサービスの開発に取り組んだ場合、Allganize Holdingsグループの業績及び将来計画に影響を与える可能性があります。また、AI関連市場はいまだ未成熟であるため、かかる新規参入や競合他社の動向等により、市場シェアの構成が急激に変化する可能性があり、かかる場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
Allganize Holdingsグループとしましては、これまで培ってきたAI技術・ビジネス活用の知見を活かして、顧客のニーズに合致したAIサービスの開発を継続していく所存ではありますが、競争環境の更なる激化等、競合の状況によっては、価格低下圧力による利益率の悪化、対策のための追加のコストの負担等の原因により、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 事業の拡大について (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループでは、今後の成長機会の創出に向けて、既存の顧客企業及び見込み顧客企業のニーズを前提とした新ソリューションや新機能の開発を実施しております。また、収益源の多角化の観点から、現在の事業領域と異なる分野にも進出する可能性があります。Allganize Holdingsグループでは、収益見通しを吟味した上でこれらの取組みについて進めておりますが、開発遅延や、現在の事業領域と異なる分野に進出した場合において、当該分野における収益化が進まない場合、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 売上計上時期の期ずれについて (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループが提供するAIソリューションサービスにおいては、特にオンプレミスの大型案件において、顧客側の要件定義の遅延や検収プロセスの長期化等に伴い、受注時期や完成時期が当初の見込みから後ろ倒しとなり、当該案件に係る売上・収益の計上時期が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれし、期ずれした金額の大きさによっては、各四半期あるいは事業年度におけるAllganize Holdingsグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。Allganize Holdingsグループは、プロジェクト管理及び営業のパイプライン管理を徹底し、進捗遅延の兆候を早期に検知・是正する体制を構築することで、期ずれの発生防止に努めております。
⑥ システム障害 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループが提供しているAIサービスの大半は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。したがって、自然災害や事故によりインターネット通信網が切断された場合には、サービスの提供が困難となります。サイバー攻撃等によりAllganize Holdingsグループサービス基盤への攻撃を受けた場合には、システム障害により事業遂行が困難になることや、事業上の重要機密が漏洩する可能性があります。また、予想外の急激なアクセス増加等による一時的な過負荷やその他予期せぬ事象によるサーバーダウン等により、Allganize Holdingsグループのサービスが停止する可能性があります。これまでAllganize Holdingsグループにおいて、クラウド環境におけるサーバーの冗長化やバックアップ等の対策をとっており、そのような事象は発生しておりませんが、今後このようなシステム障害等が発生し、サービスの安定的な提供が行えないような事態が発生した場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 情報管理 (発生可能性:低、発生時期:特定時期な し、影響度:中~大)
Allganize HoldingsグループのAIが学習対象とする情報の中には、顧客の経営戦略上極めて重要かつ機密性が高い情報が含まれる場合があります。また、Allganize Holdingsグループが提供するサービスでは、ユーザーの個人情報及びユーザーが保有する第三者の個人情報を取り扱っております。これらの情報の取扱いについては、情報管理に関する諸規程の整備及び適切な運用に努めておりますが、従業員及び委託先関係者の故意・過失、事故、災害、悪意をもった第三者による不正アクセス、その他予期せぬ要因等により情報の漏洩、不正使用または不適切な取扱が発生した場合、損害賠償責任やセキュリティシステム改修のための多額の費用負担を負う可能性及び当局による行政処分等の対象となる可能性があるほか、顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
⑧ 知的財産権におけるリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループのビジネス上、Allganize Holdingsグループの開発した独自の方法や技術及びAllganize Holdingsグループが開発し又はライセンスを受けている特許その他知的財産権は重要であります。Allganize Holdingsグループは、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めておりますが、Allganize Holdingsグループの知的財産権が十分に保護されない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、Allganize Holdingsグループによる第三者の知的財産権侵害の可能性につきましては、可能な範囲で調査を行っておりますが、Allganize Holdingsグループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、Allganize Holdingsグループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。かかる場合のロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、あるいはAllganize Holdingsグループの知的財産が侵害された場合において、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑨ 為替変動リスクについて (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループは、日本の他に韓国及び米国に子会社を有し、海外展開を進めております。Allganize Holdingsグループの事業構造上売上高及び経費の多くを海外又は外貨建てで行っていることから、為替相場の変動は、Allganize Holdingsグループの売上高、利益水準等の業績に加え、Allganize Holdingsグループが保有する外貨建資産・負債の円換算額や為替換算調整勘定を通じて、純資産の増減にも影響を及ぼす可能性があります。米ドル建ての経費が米ドル建ての売上高を上回っているため、円安に推移した場合には営業利益に対してマイナスの、Allganize Holdingsが保有する米ドル建て預金の為替差益により経常利益に対してはプラスの影響を及ぼします(円高局面においてはこれらが逆の作用となります)。
これらのリスクに対し、Allganize Holdingsグループにおける収益と費用の通貨を可能な限り一致させることで、為替変動の影響を相対的に抑える構造(ナチュラル・ヘッジ)の推進や、現預金の一部(2026年6月末において15,854千米ドル)を保有することに加え、グループ全体の為替ポジションの継続的なモニタリング、必要に応じた為替予約等のヘッジ手法の検討・実施により、当該リスクの低減に努めております。
⑩ 法的規制 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
現在、Allganize Holdingsグループが営むAI関連事業そのものを規制する法令はありませんが、Allganize HoldingsグループがAIを用いてコンテンツ及びサービスを展開する領域においては、医療関連の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」や金融関連の「銀行法」(電子決済等代行業に対する規制)などの特定の事業に対する法的規制のほか、「不当景品類及び不当表示防止法」「電気通信事業法」「個人情報保護規制」などの 一般的な法的規制を受けております。
Allganize Holdingsグループでは、これらの法令を遵守するために、コンプライアンス体制の整備等を含む管理体制充実に取り組んでおります。しかしながら、将来において、Allganize Holdingsグループが提供するコンテンツ及びサービスが法的規制に抵触する可能性を完全に否定することはできず、また、今後上記の法的規制が変更され、新たな法令等の制定や法解釈の変更がなされることにより、Allganize Holdingsグループの事業が制約され、これらによりAllganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)事業体制に関するリスク
① 人材の採用及び育成 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、事業の拡大に伴い、積極的に優秀な機械学習領域等のアルゴリズムを開発するエンジニアや、インフラやアプリケーション制作等のソフトウエア開発を行うエンジニア、また顧客企業のデジタル・AI戦略やAIのビジネス活用を促すコンサルタントの採用・育成を進めております。Allganize Holdingsグループでは、こうした人材を確保するため、採用手法の多様化(リファラル採用、業務委託・副業人材の活用等)、報酬・評価制度及び福利厚生の整備、社内研修制度の拡充等による人材育成に取り組んでおります。しかしながら、事業規模の拡大に応じたAllganize Holdingsグループ内における人材育成、外部からの優秀な人材の採用等が計画どおりに進まず、必要な人材を確保することができない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 特定の人物への依存 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループの代表取締役でありますイ・チャンスは、創業者であると同時に最高経営責任者として経営戦略、事業戦略等、Allganize Holdingsグループの業務に関しての専門的な知識を有し、重要な役割を果たしております。Allganize Holdingsグループでは、他役員や社員への情報共有や権限委譲を進めるなど、代表取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により代表取締役がAllganize Holdingsグループの経営執行を継続することが困難になった場合には、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。
そのためにも、Allganize Holdingsグループでは、管理部門の人員拡充等を通じて、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、一時的に適切な業務運営が困難となり、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
④ コンプライアンス体制 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、企業価値の持続的な増大を図るために、コンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えており、コンプライアンスに関する社内規程を策定するとともに、役員及び従業員を対象として社内研修を実施し、コンプライアンスの重要性の周知徹底を図っております。その成果として、コンプライアンス事案はこれまで発生しておりませんが、万が一、今後のAllganize Holdingsグループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 小規模組織であること(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制になっております。Allganize Holdingsグループでは、今後の業務拡大に対応するため、人員の増強や内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、何らかの事由でこれらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他のリスク
① 大規模な自然災害等 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じております。具体的には、クラウド環境の活用によるサーバーの分散化により、特定の拠点の被災によるシステム停止を回避できる体制を整えるとともに、テレワーク・在宅勤務制度の整備により、自然災害等により従業員が事業所へ出社できない場合でも、開発、顧客サポート及び管理業務を継続できる取組みを行っております。しかしながら、台風、地震、津波、感染症等の自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合、Allganize Holdingsグループ又はAllganize Holdingsグループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 訴訟等 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
現時点において、Allganize Holdingsグループにおいて係属中の訴訟はありません。Allganize Holdingsグループでは、コンプライアンス体制の整備及び契約審査体制の強化により、訴訟等の未然防止に努めるとともに、必要に応じて弁護士等の専門家に相談する体制を整えております。しかしながら、将来においてAllganize Holdingsの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や金額によって、Allganize Holdingsグループの業績、財政状態及び事業展開に影響を与える可能性があります。
③ ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:低)
Allganize Holdingsグループは役職員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、ストック・オプショ ン(新株予約権)を発行しております。ストック・オプションが権利行使された場合には、Allganize Holdings株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は1,825,259株であり、発行済株式総数である18,415,288株の9.9%に相当しております。
④ 法人税に対する二重課税(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsは、過年度に実施したインバージョン取引により、米国税法上のインバージョン税制の適用を受けており、米国連邦法人税の観点では米国法人として取り扱われています。これに伴い、Allganize Holdingsは日本税法に基づく税務申告のみならず、米国税法に基づき、米国法人としての税務申告を実施しています。
そのため、Allganize Holdingsは税務上米国法人と日本法人の双方として扱われ、米国と日本双方の課税の対象となっております。租税の目的におけるAllganize Holdingsの二重ステータスは、重大な追加的法人税を生じることはないとAllganize Holdingsは考えておりますが、税務当局が異議を唱えた場合、Allganize Holdingsグループは多大な追加的法人税が課される可能性があります。
⑤ 配当政策及び配当に対する二重課税 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsは、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、現時点での利益還元方針として、当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。すなわち、Allganize Holdingsグループは現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
また、Allganize Holdingsの配当の支払については、Allganize Holdingsが知る限り、現時点において証券会社等による当該配当の支払処理の整備が整っていない状況であり、配当の支払処理に必要な整備がなされるまでは、Allganize Holdingsは配当を実施する予定はありません。将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及びAllganize Holdingsグループを取り巻く事業環境、証券会社等による当該配当の支払処理の整備状況等を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ではありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
Allganize Holdings普通株式に関し、米国の居住者である株主に対して支払われる配当の総額は、一般的に米国連邦法人税の目的で、受取配当金として総所得に含まれます。かかる配当は一般的に日本の源泉徴収税の対象にもなります。Allganize Holdingsは日本で設立された株式会社であるものの、米国の連邦法人税の目的上は米国会社として扱われるため、かかる配当は、米国の外国税額控除制度における国外源泉所得と認められません。したがって、米国の居住者である株主は、その他の国外源泉所得を十分に有しない限り、Allganize Holdingsから受領した配当に対する日本の源泉徴収税に関し、外国税額控除を主張することができません。
またAllganize Holdings普通株式に関し、日本の居住者である株主に対して支払われる配当の総額は、日本の租税の目的上、(法人株主に対する一部の例外を除き)一般的に課税の対象となります。かかる配当は一般的に米国の源泉徴収税の対象にもなります。Allganize Holdingsは日本の会社であるため、かかる配当は、日本の外国税額控除制度における国外源泉所得と認められず、また、米国の源泉徴収税は外国所得税と認められないと考えられます。
米国又は日本の株主以外のAllganize Holdingsの普通株式の保有者は、通常米国と日本の双方の源泉徴収税の対象となります。
具体的には日本においてAllganize Holdings株式保有者に対して支払われる配当金は米国および日本の税法上の配当所得となります。Allganize Holdings株式について日本の居住者たる個人または日本の法人が日本における支払の取扱者を通じて交付を受ける配当金については、日本における課税に加えて、配当の源泉徴収義務者であるAllganize Holdings又はAllganize Holdingsの支払代理人が配当金額のうち原則として法定税率である30%を源泉徴収し米国の内国歳入庁(IRS)に納付します。
⑥ 資金使途 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsグループの上場時に実施する公募増資による調達資金につきましては、Allganize Holdings子会社の優秀な営業、マーケティング、開発及び管理人材の採用・育成、システム投資及びAllganize Holdings運転資金等に充当する予定であります。
しかしながら、急激に変化する事業環境により柔軟に対応するため、現時点における計画以外の使途にも充当される可能性があります。また、計画に沿って資金を使用した場合でも想定通りの投資効果を上げられない場合、Allganize Holdingsグループの経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 繰越欠損金 (発生可能性:低、発生時期:中期、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、税務上の繰越欠損金を有しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後当該繰越欠損金の繰越期間の使用制限範囲内において納税額の減少をさせることにより、キャッシュ・フロー改善に寄与することが見込まれます。
しかしながら、Allganize Holdingsグループの業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合、及びAllganize Holdingsグループの業績の下振れ等により繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合は、課税所得からの控除が受けられなくなり、通常の税率にもとづく法人税等の納税負担が発生することで、Allganize Holdingsグループの業績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 投融資(発生可能性:低、発生時期:短期、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、現在において投資を行っている事実はありません。しかしながら、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。また、投資判断においては、投資先候補企業の事業内容を吟味し、Allganize Holdingsグループとの事業シナジーが得られること、投資先候補企業の事業計画、Allganize Holdingsグループの財務状況や投資先候補企業への影響力等を考慮し、投資先候補企業の評価額が適切な水準であることを慎重に確認し、投資判断を行う予定です。ただし、投資先企業の事業が計画通りに進捗しない場合や投融資額を回収できなかった場合、減損の対象となる事象が生じた場合には、Allganize Holdingsグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載のとおり、Allganize Holdingsは、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置し、Allganize Holdingsグループの事業の上の様々な経営リスクについてリスクの抽出、評価、対策等の協議・検討を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてAllganize Holdingsが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業に関するリスク
① AI関連市場 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響 度:中~大)
Allganize Holdingsグループが属するAI関連市場は、各産業でAIの実用化に向けた取り組みが進んでいること等から、今後も拡大を続けていくと予想しております。また、Allganize Holdingsグループの事業展開も当該市場の拡大をその基本的条件としております。しかしながら、AI関連市場の成長は、AI技術の開発、利用、普及等を制限するような法規制、政策、景気動向、技術革新、関連する市場の動向等の様々な要因により影響を受けます。Allganize Holdingsグループは市場の変化を早期に捉え、新たな顧客、市場を開拓するなどの対応策を講じる方針であります。具体的には、業界動向や競合の調査・分析を継続的に実施するとともに、特定の業種・顧客層への依存度を高めすぎない事業ポートフォリオの構築、及び複数のプロダクトラインの展開による収益源の多様化を進めております。しかしながら、これらの要因により、AI関連市場の成長ペースが大きく鈍化した場合やAllganize Holdingsグループの想定どおりの規模に成長しない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 技術革新 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
Allganize Holdingsグループの事業領域であるAI関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。Allganize Holdingsグループでは、主にAI部門が最新の研究論文などの情報を継続的に収集しており、そうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化が、Allganize Holdingsの想定を大きく超えるような場合や、Allganize Holdingsグループが適時適切に対応出来ない場合、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 競合の動向 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループの属するAI関連事業分野においては、本書提出日現在で競合他社が全世界に存在しているほか、新規参入事業者も多く見受けられ、今後も他業種大手企業から高度に専門化した新興企業に至るまで、様々な事業者が新規に参入する可能性があります。これらの競合他社や新規参入事業者は、その資金力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などの優位性を活用してサービスの開発に取り組んだ場合、Allganize Holdingsグループの業績及び将来計画に影響を与える可能性があります。また、AI関連市場はいまだ未成熟であるため、かかる新規参入や競合他社の動向等により、市場シェアの構成が急激に変化する可能性があり、かかる場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
Allganize Holdingsグループとしましては、これまで培ってきたAI技術・ビジネス活用の知見を活かして、顧客のニーズに合致したAIサービスの開発を継続していく所存ではありますが、競争環境の更なる激化等、競合の状況によっては、価格低下圧力による利益率の悪化、対策のための追加のコストの負担等の原因により、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 事業の拡大について (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループでは、今後の成長機会の創出に向けて、既存の顧客企業及び見込み顧客企業のニーズを前提とした新ソリューションや新機能の開発を実施しております。また、収益源の多角化の観点から、現在の事業領域と異なる分野にも進出する可能性があります。Allganize Holdingsグループでは、収益見通しを吟味した上でこれらの取組みについて進めておりますが、開発遅延や、現在の事業領域と異なる分野に進出した場合において、当該分野における収益化が進まない場合、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 売上計上時期の期ずれについて (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループが提供するAIソリューションサービスにおいては、特にオンプレミスの大型案件において、顧客側の要件定義の遅延や検収プロセスの長期化等に伴い、受注時期や完成時期が当初の見込みから後ろ倒しとなり、当該案件に係る売上・収益の計上時期が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれし、期ずれした金額の大きさによっては、各四半期あるいは事業年度におけるAllganize Holdingsグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。Allganize Holdingsグループは、プロジェクト管理及び営業のパイプライン管理を徹底し、進捗遅延の兆候を早期に検知・是正する体制を構築することで、期ずれの発生防止に努めております。
⑥ システム障害 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループが提供しているAIサービスの大半は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。したがって、自然災害や事故によりインターネット通信網が切断された場合には、サービスの提供が困難となります。サイバー攻撃等によりAllganize Holdingsグループサービス基盤への攻撃を受けた場合には、システム障害により事業遂行が困難になることや、事業上の重要機密が漏洩する可能性があります。また、予想外の急激なアクセス増加等による一時的な過負荷やその他予期せぬ事象によるサーバーダウン等により、Allganize Holdingsグループのサービスが停止する可能性があります。これまでAllganize Holdingsグループにおいて、クラウド環境におけるサーバーの冗長化やバックアップ等の対策をとっており、そのような事象は発生しておりませんが、今後このようなシステム障害等が発生し、サービスの安定的な提供が行えないような事態が発生した場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 情報管理 (発生可能性:低、発生時期:特定時期な し、影響度:中~大)
Allganize HoldingsグループのAIが学習対象とする情報の中には、顧客の経営戦略上極めて重要かつ機密性が高い情報が含まれる場合があります。また、Allganize Holdingsグループが提供するサービスでは、ユーザーの個人情報及びユーザーが保有する第三者の個人情報を取り扱っております。これらの情報の取扱いについては、情報管理に関する諸規程の整備及び適切な運用に努めておりますが、従業員及び委託先関係者の故意・過失、事故、災害、悪意をもった第三者による不正アクセス、その他予期せぬ要因等により情報の漏洩、不正使用または不適切な取扱が発生した場合、損害賠償責任やセキュリティシステム改修のための多額の費用負担を負う可能性及び当局による行政処分等の対象となる可能性があるほか、顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
⑧ 知的財産権におけるリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループのビジネス上、Allganize Holdingsグループの開発した独自の方法や技術及びAllganize Holdingsグループが開発し又はライセンスを受けている特許その他知的財産権は重要であります。Allganize Holdingsグループは、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めておりますが、Allganize Holdingsグループの知的財産権が十分に保護されない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、Allganize Holdingsグループによる第三者の知的財産権侵害の可能性につきましては、可能な範囲で調査を行っておりますが、Allganize Holdingsグループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、Allganize Holdingsグループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。かかる場合のロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、あるいはAllganize Holdingsグループの知的財産が侵害された場合において、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑨ 為替変動リスクについて (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループは、日本の他に韓国及び米国に子会社を有し、海外展開を進めております。Allganize Holdingsグループの事業構造上売上高及び経費の多くを海外又は外貨建てで行っていることから、為替相場の変動は、Allganize Holdingsグループの売上高、利益水準等の業績に加え、Allganize Holdingsグループが保有する外貨建資産・負債の円換算額や為替換算調整勘定を通じて、純資産の増減にも影響を及ぼす可能性があります。米ドル建ての経費が米ドル建ての売上高を上回っているため、円安に推移した場合には営業利益に対してマイナスの、Allganize Holdingsが保有する米ドル建て預金の為替差益により経常利益に対してはプラスの影響を及ぼします(円高局面においてはこれらが逆の作用となります)。
これらのリスクに対し、Allganize Holdingsグループにおける収益と費用の通貨を可能な限り一致させることで、為替変動の影響を相対的に抑える構造(ナチュラル・ヘッジ)の推進や、現預金の一部(2026年6月末において15,854千米ドル)を保有することに加え、グループ全体の為替ポジションの継続的なモニタリング、必要に応じた為替予約等のヘッジ手法の検討・実施により、当該リスクの低減に努めております。
⑩ 法的規制 (発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
現在、Allganize Holdingsグループが営むAI関連事業そのものを規制する法令はありませんが、Allganize HoldingsグループがAIを用いてコンテンツ及びサービスを展開する領域においては、医療関連の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」や金融関連の「銀行法」(電子決済等代行業に対する規制)などの特定の事業に対する法的規制のほか、「不当景品類及び不当表示防止法」「電気通信事業法」「個人情報保護規制」などの 一般的な法的規制を受けております。
Allganize Holdingsグループでは、これらの法令を遵守するために、コンプライアンス体制の整備等を含む管理体制充実に取り組んでおります。しかしながら、将来において、Allganize Holdingsグループが提供するコンテンツ及びサービスが法的規制に抵触する可能性を完全に否定することはできず、また、今後上記の法的規制が変更され、新たな法令等の制定や法解釈の変更がなされることにより、Allganize Holdingsグループの事業が制約され、これらによりAllganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)事業体制に関するリスク
① 人材の採用及び育成 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、事業の拡大に伴い、積極的に優秀な機械学習領域等のアルゴリズムを開発するエンジニアや、インフラやアプリケーション制作等のソフトウエア開発を行うエンジニア、また顧客企業のデジタル・AI戦略やAIのビジネス活用を促すコンサルタントの採用・育成を進めております。Allganize Holdingsグループでは、こうした人材を確保するため、採用手法の多様化(リファラル採用、業務委託・副業人材の活用等)、報酬・評価制度及び福利厚生の整備、社内研修制度の拡充等による人材育成に取り組んでおります。しかしながら、事業規模の拡大に応じたAllganize Holdingsグループ内における人材育成、外部からの優秀な人材の採用等が計画どおりに進まず、必要な人材を確保することができない場合には、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 特定の人物への依存 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループの代表取締役でありますイ・チャンスは、創業者であると同時に最高経営責任者として経営戦略、事業戦略等、Allganize Holdingsグループの業務に関しての専門的な知識を有し、重要な役割を果たしております。Allganize Holdingsグループでは、他役員や社員への情報共有や権限委譲を進めるなど、代表取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により代表取締役がAllganize Holdingsグループの経営執行を継続することが困難になった場合には、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。
そのためにも、Allganize Holdingsグループでは、管理部門の人員拡充等を通じて、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、一時的に適切な業務運営が困難となり、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
④ コンプライアンス体制 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、企業価値の持続的な増大を図るために、コンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えており、コンプライアンスに関する社内規程を策定するとともに、役員及び従業員を対象として社内研修を実施し、コンプライアンスの重要性の周知徹底を図っております。その成果として、コンプライアンス事案はこれまで発生しておりませんが、万が一、今後のAllganize Holdingsグループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 小規模組織であること(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制になっております。Allganize Holdingsグループでは、今後の業務拡大に対応するため、人員の増強や内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、何らかの事由でこれらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、Allganize Holdingsグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他のリスク
① 大規模な自然災害等 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
Allganize Holdingsグループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じております。具体的には、クラウド環境の活用によるサーバーの分散化により、特定の拠点の被災によるシステム停止を回避できる体制を整えるとともに、テレワーク・在宅勤務制度の整備により、自然災害等により従業員が事業所へ出社できない場合でも、開発、顧客サポート及び管理業務を継続できる取組みを行っております。しかしながら、台風、地震、津波、感染症等の自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合、Allganize Holdingsグループ又はAllganize Holdingsグループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、Allganize Holdingsグループの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 訴訟等 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大)
現時点において、Allganize Holdingsグループにおいて係属中の訴訟はありません。Allganize Holdingsグループでは、コンプライアンス体制の整備及び契約審査体制の強化により、訴訟等の未然防止に努めるとともに、必要に応じて弁護士等の専門家に相談する体制を整えております。しかしながら、将来においてAllganize Holdingsの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や金額によって、Allganize Holdingsグループの業績、財政状態及び事業展開に影響を与える可能性があります。
③ ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:低)
Allganize Holdingsグループは役職員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、ストック・オプショ ン(新株予約権)を発行しております。ストック・オプションが権利行使された場合には、Allganize Holdings株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は1,825,259株であり、発行済株式総数である18,415,288株の9.9%に相当しております。
④ 法人税に対する二重課税(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsは、過年度に実施したインバージョン取引により、米国税法上のインバージョン税制の適用を受けており、米国連邦法人税の観点では米国法人として取り扱われています。これに伴い、Allganize Holdingsは日本税法に基づく税務申告のみならず、米国税法に基づき、米国法人としての税務申告を実施しています。
そのため、Allganize Holdingsは税務上米国法人と日本法人の双方として扱われ、米国と日本双方の課税の対象となっております。租税の目的におけるAllganize Holdingsの二重ステータスは、重大な追加的法人税を生じることはないとAllganize Holdingsは考えておりますが、税務当局が異議を唱えた場合、Allganize Holdingsグループは多大な追加的法人税が課される可能性があります。
⑤ 配当政策及び配当に対する二重課税 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsは、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、現時点での利益還元方針として、当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。すなわち、Allganize Holdingsグループは現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
また、Allganize Holdingsの配当の支払については、Allganize Holdingsが知る限り、現時点において証券会社等による当該配当の支払処理の整備が整っていない状況であり、配当の支払処理に必要な整備がなされるまでは、Allganize Holdingsは配当を実施する予定はありません。将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及びAllganize Holdingsグループを取り巻く事業環境、証券会社等による当該配当の支払処理の整備状況等を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ではありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
Allganize Holdings普通株式に関し、米国の居住者である株主に対して支払われる配当の総額は、一般的に米国連邦法人税の目的で、受取配当金として総所得に含まれます。かかる配当は一般的に日本の源泉徴収税の対象にもなります。Allganize Holdingsは日本で設立された株式会社であるものの、米国の連邦法人税の目的上は米国会社として扱われるため、かかる配当は、米国の外国税額控除制度における国外源泉所得と認められません。したがって、米国の居住者である株主は、その他の国外源泉所得を十分に有しない限り、Allganize Holdingsから受領した配当に対する日本の源泉徴収税に関し、外国税額控除を主張することができません。
またAllganize Holdings普通株式に関し、日本の居住者である株主に対して支払われる配当の総額は、日本の租税の目的上、(法人株主に対する一部の例外を除き)一般的に課税の対象となります。かかる配当は一般的に米国の源泉徴収税の対象にもなります。Allganize Holdingsは日本の会社であるため、かかる配当は、日本の外国税額控除制度における国外源泉所得と認められず、また、米国の源泉徴収税は外国所得税と認められないと考えられます。
米国又は日本の株主以外のAllganize Holdingsの普通株式の保有者は、通常米国と日本の双方の源泉徴収税の対象となります。
具体的には日本においてAllganize Holdings株式保有者に対して支払われる配当金は米国および日本の税法上の配当所得となります。Allganize Holdings株式について日本の居住者たる個人または日本の法人が日本における支払の取扱者を通じて交付を受ける配当金については、日本における課税に加えて、配当の源泉徴収義務者であるAllganize Holdings又はAllganize Holdingsの支払代理人が配当金額のうち原則として法定税率である30%を源泉徴収し米国の内国歳入庁(IRS)に納付します。
⑥ 資金使途 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
Allganize Holdingsグループの上場時に実施する公募増資による調達資金につきましては、Allganize Holdings子会社の優秀な営業、マーケティング、開発及び管理人材の採用・育成、システム投資及びAllganize Holdings運転資金等に充当する予定であります。
しかしながら、急激に変化する事業環境により柔軟に対応するため、現時点における計画以外の使途にも充当される可能性があります。また、計画に沿って資金を使用した場合でも想定通りの投資効果を上げられない場合、Allganize Holdingsグループの経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 繰越欠損金 (発生可能性:低、発生時期:中期、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、税務上の繰越欠損金を有しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後当該繰越欠損金の繰越期間の使用制限範囲内において納税額の減少をさせることにより、キャッシュ・フロー改善に寄与することが見込まれます。
しかしながら、Allganize Holdingsグループの業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合、及びAllganize Holdingsグループの業績の下振れ等により繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合は、課税所得からの控除が受けられなくなり、通常の税率にもとづく法人税等の納税負担が発生することで、Allganize Holdingsグループの業績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 投融資(発生可能性:低、発生時期:短期、影響度:中)
Allganize Holdingsグループは、現在において投資を行っている事実はありません。しかしながら、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。また、投資判断においては、投資先候補企業の事業内容を吟味し、Allganize Holdingsグループとの事業シナジーが得られること、投資先候補企業の事業計画、Allganize Holdingsグループの財務状況や投資先候補企業への影響力等を考慮し、投資先候補企業の評価額が適切な水準であることを慎重に確認し、投資判断を行う予定です。ただし、投資先企業の事業が計画通りに進捗しない場合や投融資額を回収できなかった場合、減損の対象となる事象が生じた場合には、Allganize Holdingsグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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