ログリー(6579)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】ログリーグループは、「イノベーションで世界中の人々にワクワクを」というミッション実現のため、テクノロジーがパラダイムシフトを起こし、生活を豊かにする力を秘めているという考えを持ち、独自のテクノロジーでイノベーションを起こすために事業成長に取り組んでおります。 ログリーグループの主な事業内容は、インターネット広告および関連領域におけるマーケティング支援サービスの提供であり、当連結会計年度(第20期)においては、以下の3つの事業領域を展開しております。 (1)アドプラットフォーム事業(LOGLY Marketing Nexus)(2)データプラットフォーム事業(ウルテク)(3)SNSマーケティング事業(株式会社EGG) なお、これらの事業は、ログリーグループが構築・運用する共通のデータおよびテクノロジー基盤「LOGLY Sphere」を基盤として、相互に連携・補完する形で展開されております。また、ログリーグループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。 ログリーグループのサービス提供先は、主に以下となります。・広告主(広告代理店を含む。以下において「広告主」と記載する。)・媒体社(一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(以下において「JIAA」と記載する。)の定義では、情報やサービスを提供するWEBサイトやアプリケーションなどのメディアを所有・運営し、それらの中に設けた広告枠を第三者の広告主に販売して広告を掲載する事業者)・BtoB事業を展開する法人のマーケティング・営業部門・インフルエンサーマーケティング、SNSキャンペーンの発注企業 また、ログリーグループが配信した広告をインターネット上においてPCやスマートフォンを利用して「閲覧」または「クリック」する人をユーザーと言います。 図1 LOGLYグループの事業構造 (1)アドプラットフォーム事業「LOGLY Marketing Nexus」 ログリーグループは、2025年3月に従来複数のブランドで提供していたアドプラットフォーム関連プロダクトを「LOGLY Marketing Nexus」として統合し、ブランドおよび販売体制を一本化いたしました。当連結会計年度においては、以下の主要プロダクトラインナップにより、広告主の課題解決を多角的に支援するアドプラットフォーム事業を展開しております。 ① LOGLY Ads Context(旧 LOGLY lift) ログリーグループは、2012年10月よりネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」を提供してまいりましたが、2025年3月の上記ブランド統合に伴い、名称を「LOGLY Ads Context」へと変更いたしました。JIAAの定義によれば、ネイティブ広告とは「デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一本化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告」とされており、ログリーグループは質・量ともに充実した媒体ネットワークを構築し、ネイティブ広告事業者としての地位を確立・維持してまいりました。 ログリーグループの強みは、コンテクスチュアル・ターゲティング配信(文脈解析技術による広告配信)であります。ログリーグループの独自の文脈解析技術は、その開発開始を2008年11月に遡り、自然言語処理を活用したログリー独自のマッチング技術として、媒体社のWebサイトから取得した記事内容から本文部分を推測特定、推定された本文から形態素解析や意味解析を実施した上で、連想検索と呼ぶ文書の類似性を判断する検索インデックス化を行ったり、主要キーワードを抽出したり、サポートベクターマシン(パターン認識による機械学習法の一つであり、データ分類などが可能)を用いてカテゴリ分けをする技術の総称を指しております。その文脈解析技術を用いて本文から主題(メインテーマ)を抽出して記事がどのような主題の下で作成されたかを推察することができ、文書の意味を機械的に把握させることが可能です。 製品として約13年間にわたる技術蓄積、Webサイトから蓄積された解析情報、ログリーサービスを継続利用しているクライアントとの取引関係は、ログリーグループの強みとなっております。さらに、GDPR(*1)やITP(*2)等のユーザープライバシー保護に関する法律や仕組みが整備される中、ログリーグループはcookieに依存しないターゲティング手法を独自に開発し、「嫌われない広告」を実現すべく、ユーザーのプライバシーを考慮した広告配信技術の特許を取得してまいりました。 当連結会計年度においては、生成AI検索の普及によるオープンウェブメディア全体のトラフィック減少を背景に、当事業の市場成長は鈍化傾向にあるものの、新聞社・出版社との協同による高品質媒体ネットワークの維持、販売体制の再編およびプロダクト改善アクションの継続実行、既存クライアントとの関係深化等により、減収幅の縮小に取り組んでおります。 ② LOGLY Ads Omni(旧 lift Plus) 2024年4月より提供を開始したマルチチャネル広告配信プロダクトです。ログリーグループが取得・分析したファーストパーティデータを活用し、ネイティブ広告のみならず、国内有数のニュース配信アプリ等の大手プラットフォーマーが提供する各種広告プロダクト、SNS広告、動画広告等へとマルチチャネルでの配信を実現します。ログリーグループの媒体社ネットワークの枠を越えて、運用型広告市場全般への商圏拡大を支えるプロダクトであり、大手代理店ルートを通じたパッケージ販売によって、当連結会計年度において案件数の拡大を進めております。 ③ LOGLY Audience Analytics(旧 Juicer) ファーストパーティデータ・オーディエンスデータを取得・分析するデータマネジメントプラットフォーム(DMP)プロダクトです。分析した結果を上記①および②の広告配信効果の最大化に活用するとともに、後述するデータおよびテクノロジー基盤「LOGLY Sphere」へのデータ供給源としても機能しております。 ④ LOGLY Engage 媒体社のWebサイトに対し、レコメンドエンジンによりユーザーエンゲージメントを高めるメディアエンゲージメントサービスです。媒体社のサイト内回遊率向上と、ログリーグループの媒体ネットワーク強化を両立させるプロダクトとなっております。 (2)データプラットフォーム事業「ウルテク」 2024年9月に提供を開始したBtoBマーケティングエージェントサービスです。サイト訪問企業の可視化、AIインテント分析、データを活用した広告・営業施策の自動化を通じて、顧客企業のマーケティング・営業戦略の立案から実行までを一気通貫で支援するプロダクト群です。 当連結会計年度においては、以下の5つのプロダクトによる一気通貫支援体制を構築いたしました。 ① ウルテク アナリティクス(「把握」フェーズ) お客様のサイトを訪れた企業の企業名や行動履歴をリアルタイムに可視化し、「誰が」自社に関心を持っているかを明確にいたします。 ② ウルテク AIチャット β(「分析」フェーズ) 生成AIがサイト内外の行動データ(インテントデータ)を深く分析し、顧客が「今、何に興味を持ち、何を求めているか」を対話形式で明らかにいたします。 ③ ウルテク広告(「実行」フェーズ・2025年11月リリース) 分析結果に基づき、ターゲット企業の決裁者層に対してピンポイントで広告配信を行うプロダクトです。 ④ ウルテク フォームエージェント(「実行」フェーズ・2026年2月リリース) インテントデータに基づいて自動的にフォーム送信を行い、ターゲット企業に対する営業アプローチを効率化するプロダクトです。 ⑤ ウルテク スタジオ(「実行」フェーズ・2026年3月リリース) 匿名企業の検知から商談誘導までを支援し、Web上での顧客接点を最適化するプロダクトです。 ウルテクは、SaaS型の月額課金モデルに加え、商談化・成約に連動する成功報酬型課金要素を組み合わせることで、顧客企業の事業成果とログリーグループの収益を直接連動させるビジネスモデルを採用しております。また、顧客企業ごとに学習・最適化される独自のAIエージェントを構築することにより、汎用SaaSでは提供困難な差別化を実現しております。 (3)SNSマーケティング事業「株式会社EGG」 2025年1月(みなし取得日 2025年3月31日)に株式の100%を取得し、ログリーの完全子会社化を完了した株式会社EGG(以下「EGG社」)が運営するSNSマーケティング事業です。前連結会計年度においては貸借対照表のみを連結しておりましたが、当連結会計年度(第20期)より連結損益計算書にも業績を反映しております。同社は、メガインフルエンサーとの専属契約モデルを基盤としたインフルエンサーマーケティング、SNSキャンペーンにおける再生回数保証型キャスティング・制作支援、SNS運用代行、コンテンツ制作を主たる事業内容としております。 ログリーグループの広告主基盤、データ分析基盤との連携により、急成長を続けるインフルエンサーマーケティング市場・SNSマーケティング市場における事業拡大を推進しております。当連結会計年度の第4四半期以降は、国内最大手広告代理店との連携を軸に受注が拡大し、SNS事業はストック型の受注構造を構築しつつあります。 (4)データおよびテクノロジー基盤「LOGLY Sphere」 ログリーグループでは、上記(1)〜(3)の各事業から得られる膨大なデータを蓄積・分析し、各サービスのパフォーマンスを最大化するためのデータおよびテクノロジー基盤として「LOGLY Sphere(ログリースフィア)」を2024年1月に開発・基盤化いたしました。 LOGLY Sphereには、ログリーグループが創業以来蓄積してきたデータ分析アルゴリズムや知的資産が集約されており、そこに集められたデータを独自の手法で分解・整理し、それぞれの事業向けに提供されています。 なお、LOGLY Sphere自体は販売用の製品やサービスではないため単独では収益を生みませんが、ログリーグループのコアコンピテンシーとして、上記3事業の差別化に貢献しております。 図2 データおよびテクノロジー基盤であるLOGLY Sphere (5)AIエージェント時代の広告運用フレームワーク「mureo」(業界貢献) ログリーグループは、10年以上にわたり蓄積してきた広告運用ノウハウを、AIエージェント時代の広告運用フレームワークとしてオープンソース化し、当連結会計年度末後の2026年4月、GitHub上にて公開いたしました。 本取組は、短期的な業績への直接的な貢献を目的としたものではなく、AIエージェント時代における広告運用市場でのログリーグループのポジショニング再定義と、業界全体の発展への貢献を目的として実施しております。 (注)*1 GDPR General Data Protection Regulationの略称で、EU一般データ保護規則とも呼ばれています。EU内で適用される個人のデータ保護を目的とした制定で、2018年5月25日から施行されました。 *2 ITP Intelligent Tracking Preventionの略称で、Apple社が2017年にプライバシー保護とセキュリティ強化を目的にiOS/macOSに実装した機能で、Safariブラウザ内においてcookieの働きを制限することで、サイト間のトラッキング(ユーザー追跡)を抑制する機能です。 [事業系統図]ログリーの事業系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ログリーグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてログリーグループが判断したものであります。 (1)経営理念ミッション「イノベーションで世界中の人々にワクワクを」私たちは、テクノロジーがパラダイムシフトを起こし、生活を豊かにする力を秘めていると考えています。私たちは、独自のテクノロジーでイノベーションを生み出し、世界中の人々がワクワクするようなサービスを提供していきます。バリュー 自律し成長するメンバー自らの意志で能力を向上させ、個々の成長を促進することを重視します。謙虚に学び続けるいかなる状況でも学ぶ姿勢を持ち、自分の知識や技能を継続的に向上させていきます。チャレンジし続ける新しいことに積極的に取り組み、失敗を恐れずに挑戦を続けます。ワクワクを発見する仕事の中で面白い発見やアイデアを見つけ出し、楽しみながら働くことを大切にします。顧客視点で感動を提供する顧客の立場に立って考え、感動的な体験を提供することを目指します。スピーディーに対応する迅速に問題解決を行い、顧客やチームに貢献します。仲間と共に築くメンバーと協力し合いながら目標に向かって進んでいきます。 (2)経営戦略等ログリーは、テクノロジーを活用して既存市場の課題を解決し、付加価値の高いプロダクトを生み出し続けることで、中長期的な企業価値の最大化を目指しております。インターネット広告分野の構造変化や規制強化を見据え、現在は従来のネイティブ広告プラットフォームを中心とした収益構造から、BtoBマーケティング(ウルテク)やSNS・インフルエンサーマーケティング(EGG)をはじめとする成長領域へのシフトを推進し、広告市況の影響を抑制した「安定収益型事業ポートフォリオ」への転換を戦略的に進めております。主力の「LOGLY Ads Context」においては、徹底した構造改革と効率化により抜本的な収益体質の改善を完了し、強固なキャッシュ創出基盤として再定義いたしました。今後は、独自の「コンテクスト解析技術」やCookieに依存しないインテントデータ基盤「Sphere」といったコアコンピタンスを横断活用し、AIエージェント時代における新たな技術優位性の確立を追求してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等ログリーは、より高い成長性及び収益性を確保する視点から、売上高成長率及び売上総利益率を重要な経営指標と捉えております。 (4)経営環境ログリーの事業が属するインターネット広告市場は、前年比110.8%の4兆459億円となりました(出典:株式会社電通「2025年 日本の広告費」による)。社会全体の一層のデジタルによるインターネット広告やデジタルプロモーション拡大などに寄与したものと考えられます。その一方でインターネット広告市場内部においては多様化が進んでおり、これまでの広告の概念を超えたデジタルマーケティングやデータ分析による広告効果最適化などの領域においてもその需要が拡大しています。また、個人情報保護の高まりによりcookie規制の取り組みが進められるなど、インターネット広告業界全体に高いコンプライアンス意識がこれまで以上に求められるようになっております。 そのような状況下で、システムエンジニアを始めとする人材が獲得しづらくなっている環境が続いております。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 ログリーグループは、2026年3月期まで3期連続で営業損失を計上しており、株主の皆様にご心配をおかけしている状況を真摯に受け止めております。2027年3月期は、これまで進めてまいりました事業再構築の成果を本格的に収益へ転換するフェーズと位置付け、以下の課題に全社一丸となって取り組んでまいります。 ① 既存ネイティブ広告事業の構造改革と黒字化 ログリーの主力事業であるネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY Ads Context」は、依然としてログリーグループの収益基盤の中核を担うものであり、その安定的な収益創出力の回復が最優先 課題です。サードパーティCookieに依存しない独自のコンテキスト解析技術を競争優位の源泉とし、新聞社・出版社をはじめとする高品質媒体との連携深化、マルチチャネル広告配信「LOGLY Ads Omni」の拡張による配信機会の最大化、ならびに販売体制再編による商談規模 の拡大を継続して進めてまいります。 あわせて、本社移転を含む固定費の継続的削減と原価管理(マージンコントロール)の徹底により損益分岐点の引き下げを進め、4期ぶりの営業黒字化を目指してまいります。Google・ Apple等の大手プラットフォーマーによるトラッキング技術制限の動向にも引き続き留意し、Cookieに依存しない広告配信技術の優位性を維持・拡大してまいります。 ② 生成AIの全社活用による広告運用の革新 広告業界においては、生成AIおよびAIエージェントの台頭により、広告運用のあり方そのもの が変革期を迎えています。ログリーは、自社プロダクトへの生成AIの実装を通じて、広告効果の改善 と運用工数の削減を同時に追求してまいります。あわせて、長年蓄積してきた広告運用ノウハウと社内におけるAIエージェント活用の知見を体系化したフレームワークを構築し、その一部をオープンソースとして公開する取り組みを通じて、広告運用現場の人材不足という業界共通課題へ の貢献と、ログリーグループの技術的プレゼンス向上を図ってまいります。 ③ ウルテク(URUTEQ:BtoBマーケティングエージェント)の収益化加速 BtoBマーケティング領域は、ログリーグループの新たな成長領域として位置付けております。インテントデータとAIにより検討シグナルを可視化し、施策実行までを一気通貫で支援する「ウルテク」は、2024年9月の提供開始以降、サービスサイトの全面リニューアルおよび5プロダクト(アナリティクス/スタジオ/広告/AIエージェント/セールス)への拡張を完了いたしました。 2027年3月期は、認知から商談獲得までを最大化するエコシステムを軸に、契約社数の拡大と継続収益基盤の確立を進めてまいります。 ④ EGG(SNSマーケティング/インフルエンサー事業)の成長 株式会社EGGは、SNS運用・コンテンツ制作を軸とした事業領域の拡大を実現しており、ログリーグループにおけるBtoC領域の収益柱として育成してまいります。 2027年3月期は、(1)若手クリエイター育成と制作環境整備による生産性向上、(2)メガインフルエンサー事業における従来の案件仲介型から専属契約型ロイヤルティモデルへの転換による継続収益化、(3)成果主義に基づく独自人事制度の導入による組織生産性の向上、の3つを推進し、グループ収益への貢献拡大を図ります。 ⑤ 経理体制を含む内部管理体制およびガバナンスの強化 ログリーグループの持続的成長と財務報告の信頼性確保のためには、経理・財務体制を中核とする内部管理体制の継続的な強化が不可欠です。 2027年3月期は、(1)経理部門の体制強化と業務プロセスの再設計、(2)決算早期化と開示品質のさらなる向上、(3)子会社(株式会社EGG)を含むグループ全体での内部統制の高度化、を重点的に進めてまいります。 会計監査人、監査等委員会、代表取締役および経営管理部門・内部監査責任者の連携を一段と密にし、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めてまいります。あわせて、AI・データサイエンス領域の高度専門人材の確保・育成、ならびに環境・社会への配慮を含むサステナビリティ関連の管理分野にも引き続き取り組み、株主・社会から信頼される企業を目指してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。ログリーは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてログリーが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅したものではありません。 (1)インターネット広告市場についてインターネット広告市場は拡大しておりますが、ログリーは、その中のネイティブ広告市場を主たる事業領域としており、当該市場の成長速度が鈍化する傾向にあります。インターネット広告市場においては、広告配信手法や販売メニューが多様化し、競争が激化する傾向にあり、インターネット広告において革新的な販売メニューや広告配信技術が出現した場合、ネイティブ広告への需要が縮小することにより、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)広告テクノロジー業界における技術革新と競合サービスについてログリーは、ビッグデータ解析技術を基盤としたネイティブ広告プラットフォーム事業を展開しております。このため、新しい技術習得に対し、人的・資本的投資を継続してまいりますが、新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合や、競合する他社において革新的な技術が開発された場合、ログリーの競争力が低下する要因となり、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)法的規制についてログリーの主力事業であるネイティブ広告プラットフォーム事業に関連して、現時点において、事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しております。しかしながら、ログリーの属するインターネット広告市場を含めインターネットの利用者や事業者を規制対象とする法令や行政指導、その他の規制等が制定された場合にはログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)特定事業への依存についてログリーの収益は、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY Ads Context(旧LOGLY lift)」によるネイティブ広告配信サービスに依存しております。ネイティブ広告配信サービスの成長に何らかの問題が生じた場合、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)広告事業の季節変動についてログリーグループのネイティブ広告配信サービスは広告主の広告予算の範囲内で提供するサービスとなるため、広告予算の月ごとの配分の影響を受けます。広告主の広告予算は、年度の後半、特に年度末に多額に配分されることが多く、ログリーの売上高及び営業損益は下期に偏重する傾向があります。そのため、売上高及び営業損益の数値が下期に偏重することにより、業績変動の幅が下期の方が大きくなります。すなわち年度予算・実績の乖離が下期に集中して発生するリスクがあります。 (6)広告及びメディアに対する審査についてログリーでは広告主による広告(提供物・サービスそのものだけでなく広告宣伝の文言を含みます。)、メディア(広告媒体)について、法令に則ったものであること、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。このためログリーでは、ネイティブ広告配信サービスを提供する際に、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」、ログリー独自の基準である「広告コンプライアンス基準」、「LOGLY広告掲載基準」等に則って審査をすることにより、法令や公序良俗に反する広告やメディアに掲載されているコンテンツを排除するよう管理をし、広告健全化に取り組んでおります。しかしながら、ログリーが取り扱う広告や掲載メディアが法令や公序良俗に反し、ログリーが通告したにも関わらず、速やかに改善がなされないなどの事態が頻繁に発生した場合や、関係法規の規制内容が強化された場合には、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)システムの安定性についてログリーのサービスは24時間稼働での運用を前提に提供されております。従ってシステムに障害が発生することはサービスの停止を意味するため、システムの安定性、安全性には細心の注意を払っております。また、インプレッション数(広告の表示回数)の増加を考慮したサーバー設備の強化や、負荷分散を施すための冗長構成を実現しております。ログリーはAmazon Web Services,Inc.が提供するクラウドコンピューティングサービス「Amazon Web Services(AWS)」を利用し、大量のデータを安全かつ迅速に処理することができ、かつ一時的な過負荷や部分停止にもトラブルを回避できるようなサーバー構成を施しております。しかしながら、災害のほか、コンピュータウイルスやハッキングなどの外的攻撃やソフトウェアの不具合、その他予測できない重大な事象の発生により、万一ログリー設備やネットワークが利用できなくなった場合には、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)災害・事故等の発生について広告主の広告宣伝活動は、自然災害、大規模な事故、電力その他の社会インフラの障害等が発生した場合、その影響を受けやすい傾向にあります。従って、これらの災害・事故等が発生した場合、広告需要減退等によりログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)仕入先の依存度についてログリーの広告在庫仕入先は広範囲にわたっておりますが、2026年3月期の広告仕入高(565,934千円)の32.9%(186,231千円)が株式会社マイクロアドとMeta Platforms Technologies Japan合同会社となっております。本書提出日現在においてログリーでは両社との良好な関係を保持しているものと認識しておりますが、今後両社で取り扱う広告枠在庫の変化や取引方針の変更等により、両社からの広告枠在庫仕入が大きく減少した場合には、ログリーの事業展開に変化が生じ、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)特定人物への依存についてログリーの代表取締役である、吉永浩和(以下、「同氏」という。)は、インターネット広告業界に関する知識と経験を有しているだけでなく、早稲田大学大学院情報生産システム研究科博士課程 博士号(工学)を取得するなど、情報システムのエンジニアとしても技術力を保有しております。同氏は大学院で情報通信ネットワークおよび分散システム(別々の複数コンピュータを接続し、相互に処理を連携・分担すること)を主な研究領域とし、また、クラウドコンピューティングの基礎構築に関わり、アプリケーションとしてテキスト処理技術やレコメンド技術を開発しました(テキスト処理技術とレコメンド技術は、まとまった文章を文脈解析しそこから主題を見つけ出す技術で、他の文章との関連性を導くものです。ログリーの現在のサービス「LOGLY Ads Context」に利用されています。)。そのため、ログリーの経営戦略の構築等に際して重要な役割を担っております。ログリーは、特定の人物に依存しない体制を構築すべく経営体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏のログリーにおける業務執行が困難になった場合、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)ログリーの組織の規模についてログリーの従業員数は34名(2026年3月31日現在)であり、小規模な組織として事業運営を行っております。そのため、今後、事業拡大に応じた人員増強や能力開発、内部管理体制の強化を図り、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に努める方針でありますが、事業の拡大に応じた人員確保が順調に進まなかった場合には、適切な事業運営が困難となり、ログリーの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)継続企業の前提に関する重要事象等 ログリーグループは、第18期(2024年3月期)から第20期(2026年3月期)まで3期連続で営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が発生していると認識しております。当該状況を解消するため、ログリーグループは、(1)金融機関からの継続的かつ安定的な資金調達、(2)新規事業(ウルテク・EGG)の収益化加速および投資回収、(3)既存事業の構造改革と固定費の継続的削減、を着実に実行し、事業運営に必要な資金を確保してまいります。 ログリーグループとしては、これらの施策の実行により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 (13)配当政策についてログリーは、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながることと考えております。このことから創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面は内部留保の充実を図る方針であります。内部留保資金については、財務体質の強化と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針であります。将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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