ログリー(6579)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業などのリスク


ログリー(6579)の株価チャート ログリー(6579)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

ログリーグループは、「イノベーションで世界中の人々にワクワクを」というミッション実現のため、テクノロジーがパラダイムシフトを起こし、生活を豊かにする力を秘めているという考えを持ち、独自のテクノロジーでイノベーションを起こすために事業成長に取り組んでおります。

主な事業内容は、インターネット広告分野でネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift (現LOGLY Ads Context)」を主軸としたネイティブ広告プラットフォーム事業を展開しております。

なお、ログリーグループはネイティブ広告プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

ログリーグループのサービスを提供している相手は主に、広告主(広告代理店を含む。以下において「広告主」と記載する。)と、媒体社(一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(以下において「JIAA」と記載する。)の定義では、情報やサービスを提供するWEBサイトやアプリケーションなどのメディアを所有・運営し、それらの中に設けた広告枠を第三者の広告主に販売して広告を掲載する事業者のことです。)です。また、「LOGLY lift」を利用して配信された広告をインターネット上においてPCやスマートフォンを利用して、「閲覧」または「クリック」する人をユーザーと言います。

 

(1)ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift(現LOGLY Ads Context)」

ログリーグループは、2012年10月よりネイティブ広告プラットフォームである「LOGLY lift」を利用したアドネットワーク(複数の媒体社のWEBサイト(WEBページ)を広告配信対象としてネットワークを組み、広告の受注を請け負うサービス。)の中で広告サービスを提供しています。

JIAAの定義によれば、ネイティブ広告とは「デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一本化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告」としており、ログリーでは質・量ともに充実した媒体ネットワークを構築し、ネイティブ広告事業者として、その地位を確立・維持してまいりました。

さらにテクノロジー企業としてログリーの強みを、このネイティブ広告配信に最大限に適用すべく技術開発を継続してまいりました。そのログリーグループの強みとなる技術とは、コンテクスチュアル・ターゲティング配信(文脈解析技術による広告配信)であります。

ログリーグループのレコメンドウィジェットは、ログリーグループの競争優位性を支える特長の一つで、その開発開始は2008年11月に遡ります。自然言語処理を活用した、ログリー独自の文脈解析技術を用いたマッチング技術で、媒体社のWebサイトから取得した記事内容から本文部分を推測特定します。推定された本文から形態素解析や意味解析を実施した上で、連想検索と呼ぶ文書の類似性を判断する検索インデックス化を行ったり、主要キーワードを抽出したり、サポートベクターマシン(パターン認識による機械学習法の一つであり、データ分類などが可能)を用いてカテゴリ分けをする技術の総称を指しています。その文脈解析技術を用いて本文から主題(メインテーマ)を抽出して記事がどのような主題の下で作成されたか推察することができ、文書の意味を機械的に把握させることができます。

「LOGLY lift」はその技術をベースに作られており、製品として約13年間にわたる技術蓄積やWEBサイトから蓄積された解析情報、さらにはログリーサービスを使い続けたクライアントとの取引関係は、現在の強みとなっております。さらに近年、GDPR(*1)やITP(*2)などユーザーのプライバシー保護に関わる法律や仕組みが整備される中、ログリーグループはcookieに依存しないターゲティング手法を開発し、「嫌われない広告」を実現すべく、ユーザーのプライバシーを考慮した広告配信技術の特許を取得してまいりました。

 

 

(2)アドネットワークからアドプラットフォームへ

インターネット広告の需要が高まる一方でその形は多様化しており、新たなインターネットメディアの出現により、ユーザーのメディアに対する興味や接触時間も変化しております。それにともない、インターネット広告の市場もネイティブ広告だけでなく、SNSを利用した広告やインフルエンサーが商品を訴求するマーケティング手法など、新たな市場が生み出されています。

ログリーグループでは、このようなインターネット広告市場の変化に追随、先取りすべく、ネイティブ広告の周辺領域を中心に、新たな市場に対応する製品の開発を行ってまいりました。

ファーストパーティデータを取得し、分析した結果をネイティブ広告配信に活用し、広告効果最大化を実現するJuicer

その独自のデータを活用し、InstagramやMetaなどのSNSへマルチチャネルで広告配信するlift Plus

インフルエンサーマーケティング施策を最適化させるBUZZRISTA

などを市場に投入し、販売拡大を進めておりますが、2025年3月にこれらをLOGLY Marketing Nexusとして統合し、ブランド名も統一したアドプラットフォームとして、これまでの顧客から新規の市場までを対象に、多角的なサービス提案が可能となるラインナップとしました。

 

図 LOGLYのアドプラットフォーム化とブランド統一

 

(3)データおよびテクノロジー基盤である「LOGLY Sphere」の構築

これら多様化した市場から得られる膨大なデータを蓄積、分析し、さらには各サービスのパフォーマンスを最大化するために、ログリーグループではLOGLY Sphere を開発し、基盤化いたしました。LOGLY Sphereには、ログリーグループが創業して以来のデータ分析アルゴリズムや知的資産が集約されており、そこに集められたデータを独自の手法で分解、整理し、それぞれのサービス向けに提供されています。

なお、LOGLY Sphere自体は販売用の製品やサービスではないため、それ単独では収益を生みませんが、ログリーグループのコアコンピテンシーとして、差別化に貢献しています。

 

 

 

図 データおよびテクノロジー基盤であるLOGLY Sphere

 

ログリーグループでは、主力事業である広告プラットフォームと、その周辺領域でのBtoBサービス「ウルテク」の2つのサービスを展開しており、そのデータおよびテクノロジー基盤である「LOGLY Sphere」が、両サービスを技術面で支えています。

 

(4)LOGLY Sphereをフル活用したBtoBサービス(ウルテク)

ウルテクはサイト訪問企業の可視化、AIインテント分析、データを活用した広告・営業施策を実現し、顧客ニーズを的確に捉え、最適なマーケティング・営業戦略の立案から実行までを支援するサービスです。

サイト訪問企業の見える化

お客様のサイトを訪れた人の企業名やその行動履歴をリアルタイムに可視化。「誰が」自社に関心を持っているかを明確にし、最初のアプローチ機会を確実に捉えます。

顧客ニーズの深い理解

AIがサイト内外の行動データ(インテント)を深く分析し、顧客が「今、何に興味を持ち、何を求めているか」を明らかにし、最適なタイミングで心に響く提案を可能にします。

データに基づく成果の最大化

分析した顧客情報とニーズに基づき、効果的な広告配信や営業アプローチを実行。マーケティングと営業がデータで繋がり、戦略的な活動で商談化率・受注率の向上を実現します。

 

これらのサービスを実現するために不可欠なデータや分析結果はLOGLY Sphereから提供されます

(注)

*1  GDPR  General Data Protection Regulationの略称で、EU一般データ保護規則とも呼ばれています。EU内で適用される個人のデータ保護を目的とした制定で、2018年5月25日から施行されました。

*2  ITP   Intelligent Tracking Preventionの略称で、Apple社が2017年にプライバシー保護とセキュリティ強化を目的にiOS/macOSに実装した機能で、Safariブラウザ内においてcookieの働きを制限することで、サイト間のトラッキング(ユーザー追跡)を抑制する機能です。

 

 

[事業系統図]

ログリーの事業系統図は次のとおりであります

 


有価証券報告書(-0001年11月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

ログリーグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてログリーグループが判断したものであります。

 

(1)経営理念

ミッション「イノベーションで世界中の人々にワクワクを」

私たちは、テクノロジーがパラダイムシフトを起こし、生活を豊かにする力を秘めていると考えています。私たちは、独自のテクノロジーでイノベーションを生み出し、世界中の人々がワクワクするようなサービスを提供していきます。

バリュー 自律し成長する-

メンバー自らの意志で能力を向上させ、個々の成長を促進することを重視します。

謙虚に学び続ける

いかなる状況でも学ぶ姿勢を持ち、自分の知識や技能を継続的に向上させていきます。

チャレンジし続ける

新しいことに積極的に取り組み、失敗を恐れずに挑戦を続けます。

ワクワクを発見する

仕事の中で面白い発見やアイデアを見つけ出し、楽しみながら働くことを大切にします。

顧客視点で感動を提供する

顧客の立場に立って考え、感動的な体験を提供することを目指します。

スピーディーに対応する

迅速に問題解決を行い、顧客やチームに貢献します。

仲間と共に築く

メンバーと協力し合いながら目標に向かって進んでいきます。

 

(2)経営戦略等

ログリーは、インターネット広告分野に軸足をおき、情報を集め、分析・蓄積し、付加価値をつけることをテクノロジーで実現することにより、「嫌われない広告」を社会に普及していくことが可能であると考えております。そのため、ログリーの現在の主たる事業はネイティブ広告プラットフォーム事業でありますが、これまでネイティブ広告市場の立ち上がり時期から今日に至るまで、一貫して市場の健全な成長とログリー製品である「LOGLY lift」の競争力強化に積極的に投資を行い、市場からの認知並びに評価の獲得に努めてまいりました。今後においても継続して「LOGLY lift」に経営資源を投下し、人工知能などの最先端技術を採り入れた技術強化を追求するなど、積極的に事業領域の拡大を図ってまいります。

具体的な経営戦略として、ログリーの主要サービスであるネイティブ広告配信サービス「LOGLY lift」を活用し、広告主と媒体社の双方にこれまで以上に高付加価値なサービスを提供することができ、ログリーとの安定的な取引を実現します。また、ユーザーに対してはネイティブ広告という「デザイン、内容、フォーマットが媒体コンテンツの形式や機能と同様でそれらと一体化している広告」を表示することで、媒体社のWEBサイトの視聴を妨げずに広告配信を実現しております。これにより、企業(広告主と媒体社)とユーザー双方にとってメリットのあるサービスに取り組んでおります。今後もログリーでは引き続きこの取り組みを継続していきます。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ログリーは、より高い成長性及び収益性を確保する視点から、売上高成長率及び売上高総利益率を重要な経営指標と捉えております。

 

(4)経営環境

ログリーの事業が属するインターネット広告市場は、前年比114.3%の3兆912億円となりました(出典:株式会社電通「2022年 日本の広告費」による)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響下においても成長が続きました。一方で、システムエンジニアを始めとする人材の獲得は、人手不足といった社会的背景の影響で人材が獲得しづらくなっている環境が続いております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

①既存事業の収益の拡大

 ログリーは、「LOGLY lift」によるネイティブ広告プラットフォームを主力の事業としておりますが、この事業の安定的・継続的な発展が収益基盤の基礎として必要不可欠なものであると考えております。

そのためにログリーでは以下の項目を重点課題と認識して、取り組んでまいります。

 

(ⅰ)ログリーの主な売上は広告単価×クリック数で構成されております。そのため、ログリーのエンジニア人材によるビッグデータ解析のアルゴリズム(計算手順)開発、改善を図り、その成果(広告とメディアとクリック数の相関の統計結果など)を広告配信効果(クリック率など)向上に直結させて、広告単価とクリック数の向上を行ってまいります。

(ⅱ)競争が激化するインターネット広告市場において持続的な広告予算と広告枠の獲得のため、事業部門組織を機能別に再構築し、目的を明確化することで、ベクトルの方向を全社統一しております。それにより、広告主及び媒体社の新規獲得を加速化すると同時に、長期安定的な関係を築いてまいります。

(ⅲ)cookie規制を巡る市場の環境変化に対応するためには、広告のユーザーターゲティングの手法の変化が求められます。ログリーの強みでもあるcookieを利用しない新たなターゲティング手法の市場での認知を向上させるよう、継続的に配信成果の向上を行い、顧客の求める新しいニーズ(cookieを利用しないユーザーターゲティング)に取り組んでまいります。

 

 以上の取り組み事項を実現させることで、今後も広告主の新規顧客獲得ニーズと媒体社の新規読者獲得ニーズ及び固定読者継続ニーズを満足させるネイティブ広告プラットフォームを提供し、さらに信頼性を高め、既存事業の収益基盤の拡大を行ってまいります。

 

②新規事業への取組み

 ユーザー分析DMP「Juicer」や、マーケティングサービスのOPTIOを活用し、オムニチャネル広告プラットフォームへとサービスを発展させる方針です。また、LOGLY liftのプログラマティックによるアドプラットフォーム化を新しい取り組みとして実施し、オムニチャネル広告プラットフォームとともに3.0兆円といわれるインターネット広告市場全体をカバーし、今後のログリーの成長を支える収益の柱として確立すべく、市場シェア拡大に取り組んでまいります。

 

③インターネットプライバシー保護への対応

 インターネットプライバシー保護の高まりに合わせて、cookie等の取扱いを巡る技術環境が変化しております。ログリーではその課題への対応技術をすでに開発しておりますが、さらに、Google, Inc.等インターネット事業者の動向を把握し、その技術情報をいち早く入手すると同時に、適応するための独自の技術を開発することで、自社サービスの先進性やユニーク性を確保してまいります。

 

④高い専門性を有する人材の確保

 ログリーの継続的な事業拡大には、ログリーの経営理念に合致した志向性を持ち、かつビッグデータ解析のアルゴリズムを開発できる工学博士クラスの高い専門性を有する人材の確保と育成が重要であると認識しております。特にエンジニアやデータ・サイエンティストなどのスタッフの採用においては、獲得競争が激化し、今後も人材確保には厳しい状況が続くものと予想されます。ログリーでは、採用方法の多様化をはじめ、教育や人材育成制度の確立などにより、人材の採用から定着に至るまでの体制整備を進めてまいります。

 

⑤高まるインターネット広告市場に対する広告健全化へ向けた対応

 ログリーの属するインターネット広告市場において事業者を規制対象とした法令や行政指導、その他の規制等が制定された場合にはログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。2021年8月に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)の改正が施行されるにあたり、ログリーはその施行前に課題の解決を完了いたしましたが、その施行後もますます健全化が求められております。ログリーでは引き続き、ネイティブ広告配信サービスを提供する際に、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」、ログリー独自の基準である「広告コンプライアンス基準」、「LOGLY広告掲載基準」等に則って審査をすることにより、法令や公序良俗に反する広告を排除するよう取り組んでまいります。

 

⑥内部管理体制の強化

 ログリーは、今後も事業拡大を見込んでおり、内部管理体制の強化が不可欠であると認識しております。引き続き、会計監査人と監査等委員会と内部統制責任者(取締役CFO)との三様監査を通じて、コーポレート・ガバナンスの充実を実現してまいります。


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。ログリーは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてログリーが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)インターネット広告市場について

日本の総広告費は2023年には、前年比103.3%の7兆3,167億円となり、過去最高となりました。ログリーの事業が属するインターネット広告市場は、前年比107.8%の3兆3,330億円となり、マスコミ四媒体広告費の総計2兆3,161億円を大きく上回りました。なお、「運用型広告」は、前年比110.9%の2兆3,490億円となり、インターネット広告費が総広告費全体をけん引する結果となっております(出典:株式会社電通「2023年 日本の広告費」による)。

このようにインターネット広告市場は拡大しておりますが、インターネット広告市場の環境整備や新たな法的規制の導入等、何らかの要因によってインターネット広告市場の発展が阻害される場合には、ログリーの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

またログリーは、ネイティブ広告プラットフォーム事業を展開しておりますが、インターネット広告市場においては、広告配信手法や販売メニューが多様化し、競争が激化する傾向にあり、インターネット広告において革新的な販売メニューや広告配信技術が出現した場合、ネイティブ広告への需要が縮小することにより、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合サービスについて

ログリーは、インターネット広告市場の中の、ネイティブ広告市場を主たる事業領域としておりますが、当該市場の成長速度が鈍化する傾向にあります。今後、ログリーサービスが十分な差別化や機能向上等ができなかった場合や、更なる新規参入により競争が激化した場合には、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)広告テクノロジー業界における技術革新について

ログリーは、ビッグデータ解析技術を基盤としたネイティブ広告プラットフォーム事業を展開しております。このため、新しい技術習得に対し人的・資本的投資を継続してまいりますが、新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合や、競合する他社において革新的な技術が開発された場合、ログリーの競争力が低下する要因となり、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)特定事業への依存について

ログリーの収益は、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」によるネイティブ広告配信サービスに依存しております。ネイティブ広告配信サービスの成長に何らかの問題が生じた場合、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)広告事業の季節変動について

ログリーグループのネイティブ広告配信サービスは広告主の広告予算の範囲内で提供するサービスとなるため、広告予算の月ごとの配分の影響を受けます。広告主の広告予算は、年度の後半、特に年度末に多額に配分されることが多く、ログリーの売上高及び営業利益は下期に偏重する傾向があります。そのため、売上高及び営業利益の数値が下期に偏重することにより、業績変動の幅が下期の方が大きくなります。すなわち年度予算・実績の乖離が下期に集中して発生するリスクがあります。

 

(6)災害・事故等の発生について

広告主の広告宣伝活動は、自然災害、大規模な事故、電力その他の社会インフラの障害等が発生した場合、その影響を受けやすい傾向にあります。従って、これらの災害・事故等が発生した場合、広告需要減退等によりログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)仕入先の依存度について

ログリーの広告在庫仕入先は広範囲にわたっておりますが、2024年3月期の仕入高(1,211,593千円)の22.6%(274,146千円)が株式会社スポーツニッポン新聞社と株式会社マイクロアドとなっております。本書提出日現在においてログリーでは両社との良好な関係を保持しているものと認識しておりますが、今後両社で取り扱う広告枠在庫の変化や取引方針の変更等により、両社からの広告枠在庫仕入が大きく減少した場合には、ログリーの事業展開に変化が生じ、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)特定人物への依存について

ログリーの代表取締役である、吉永浩和(以下、「同氏」という。)は、インターネット広告業界に関する知識と経験を有しているだけでなく、早稲田大学大学院情報生産システム研究科博士課程 博士号(工学)を取得するなど、情報システムのエンジニアとしても技術力を保有しております。

同氏は大学院で情報通信ネットワークおよび分散システム(別々の複数コンピュータを接続し、相互に処理を連携・分担すること)を主な研究領域とし、また、クラウドコンピューティングの基礎構築に関わり、アプリケーションとしてテキスト処理技術やレコメンド技術を開発しました。(テキスト処理技術とレコメンド技術は、まとまった文章を文脈解析しそこから主題を見つけ出す技術で、他の文章との関連性を導くものです。ログリーの現在のサービス「LOGLY lift」に利用されています。)

そのため、ログリーの経営戦略の構築等に際して重要な役割を担っております。ログリーは、特定の人物に依存しない体制を構築すべく経営体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏のログリーにおける業務執行が困難になった場合、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)ログリーの組織の規模について

ログリーの従業員数は42名(2024年3月31日現在)であり、小規模な組織として事業運営を行っております。そのため、今後、事業拡大に応じた人員増強や能力開発、内部管理体制の強化を図り、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に努める方針でありますが、事業の拡大に応じた人員確保が順調に進まなかった場合には、適切な事業運営が困難となり、ログリーの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法的規制について

現時点において、ログリーの主力事業であるネイティブ広告プラットフォーム事業に関連して、事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しております。しかしながら、ログリーの属するインターネット広告市場を含めインターネットの利用者や事業者を規制対象とする法令や行政指導、その他の規制等が制定された場合にはログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)広告及びメディアに対する審査について

ログリーでは広告主による広告(提供物・サービスそのものだけでなく広告宣伝の文言を含みます。)、メディア(広告媒体)について、法令に則ったものであること、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。

このためログリーでは、ネイティブ広告配信サービスを提供する際に、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」、ログリー独自の基準である「広告コンプライアンス基準」、「LOGLY広告掲載基準」等に則って審査をすることにより、法令や公序良俗に反する広告やメディアに掲載されているコンテンツを排除するよう管理をし、広告健全化に取り組んでおります。しかしながら、ログリーが取り扱う広告や掲載メディアが法令や公序良俗に反し、ログリーが通告したにも関わらず、速やかに改善がなされないなどの事態が頻繁に発生した場合や、関係法規の規制内容が強化された場合には、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)システムの安定性について

ログリーのサービスは24時間稼働での運用を前提に提供されております。従ってシステムに障害が発生することはサービスの停止を意味するため、システムの安定性、安全性には細心の注意を払っております。また、インプレッション数(広告の表示回数)の増加を考慮したサーバー設備の強化や、負荷分散を施すための冗長構成を実現しております。

ログリーはAmazon Web Services,Inc.が提供するクラウドコンピューティングサービス「Amazon Web Services(AWS)」を利用し、大量のデータを安全かつ迅速に処理することができ、かつ一時的な過負荷や部分停止にもトラブルを回避できるようなサーバー構成を施しております。

しかしながら、災害のほか、コンピュータウイルスやハッキングなどの外的攻撃やソフトウェアの不具合、その他予測できない重大な事象の発生により、万一ログリー設備やネットワークが利用できなくなった場合には、ログリーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)配当政策について

ログリーは、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながることと考えております。

このことから創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面は内部留保の充実を図る方針であります。

内部留保資金については、財務体質の強化と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針であります。

将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(14)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

ログリーでは、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、ログリーの役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。

本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は301,800株であり、発行済株式総数3,803,000株の7.9%に相当します。

これらの新株予約権が行使された場合には、ログリーの1株当たりの株式価値が希薄化し、ログリーの株価に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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