高度にネットワーク化され情報化されつつある現代社会において、私たちは非常に多くのパソコンやパッド等のコンピュータを家庭や職場で日常的に目にしています。
何をするにもパソコンを活用し、どこへ行ってもコンピュータが存在する現代はコンピュータ社会とも呼ばれますが、実は私たちが日常的に目にしているたくさんのパソコンは、コンピュータが活用されているフィールド全体から見れば限定的な一部であり、それを凌ぐ規模のコンピュータが私たちの見えない所で稼動しています。
それは、人々の利便性や安全・快適で豊かな生活を実現するための社会インフラや、経済活動や生産活動に関わる産業インフラに組込まれている産業用コンピュータです。
社会インフラの具体例としては、電気・ガス・水道等のライフラインを始め、交通・医療・通信・放送・セキュリティーから防衛に至る広範囲に及び、産業インフラとしては、情報・金融・物流・生産等に関わる各種システムや装置があります。これらシステムには例外なくコンピュータが組込まれていて、装置全体の活動を制御する頭脳的役割を担っています。
エブレングループは、これらのインフラシステムに使用される組込型コンピュータ(産業用コンピュータ)及びその周辺製品を事業の対象領域として捉え、エブレングループが保有する技術力と生産力を全分野横断的に提供することを営業の基本として、これらに特化した製品の設計と製造を一筋に継続してきました。
この間において、コンピュータの世界は半導体集積回路の技術革新と相まってコストパフォーマンスが向上し、その活用領域が飛躍的に拡大しました。
また、エブレングループ製品の顧客である大手システムメーカー(産業用電子機器メーカーや機械装置メーカー等)の多くが、「選択と集中」を標榜した得意分野へのリソース重点配分政策を推進してきた結果、エブレングループのような専門メーカーが果たす役割も重要視されるようになり、我々が活躍するチャンスも拡大の一途にあると考えております。
エブレングループが設計・製造する製品は、従来から通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器(注1)・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータが中心ですが、これらの分野に加えて、最近ではIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、HPC(スーパーコンピュータ)、及びエッジコンピューティング(注2)分野のコンピュータハードウェアの開発案件も増加しております。
コンピュータ産業を構成する技術領域は極めて広く、エブレングループが提供できる専門領域はコンピュータの世界全体から見れば極めて限定的ではありますが、この領域については突出した技術サービスと、良質な製品づくりを通してコンピュータ産業の発展に寄与し、エブレングループの顧客を始めとしたステークホルダーに対する使命と責任を果たしていきたいと考えております。
(注1) コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化するための機器
(注2) 膨大なデータを処理するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を
収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方
エブレングループは、エブレン(エブレン株式会社)及び連結子会社1社(蘇州惠普聯電子有限公司)により構成されており、産業用電子機器や工業用コンピュータに使用されるバックプレーン、システムラックやコンピュータシャーシ(以下「ラック」(注3)と記載)、及びボードコンピュータ(注4)を含むその他周辺機器等の設計・製造・販売を行っております。
バックプレーンとは、CPUボード(注5)やI/Oボード(注6)等の各種回路基板(ボードコンピュータ)を相互に接続して信号伝送を行う回路及びこれら基板に電力を供給する回路を備え、これら基板の着脱をコネクタを介して自在に接続できるようにしたユニットのことを言います。バックプレーンはこれら回路基板間の全ての信号を統合し、コンピュータとしての基本機能を実現するためのハードウェアであり、人体に例えるなら、全身の神経を統合している脊髄のような役割を果たしています。
(注3) ボードコンピュータを挿入して使用する筐体(箱)
(注4) CPUボードやI/Oボード等を総称した名称
(注5) 計算やプログラムを実行するもので、コンピュータの頭脳に相当する部分
(注6) コンピュータにつながれた入出力機器を制御する部分
(図)バックプレーン、ラック、ボードコンピュータの模式図
バックプレーンには各種の規格が制定されており、エブレングループではそれらの規格に準拠した標準製品も販売しておりますが、顧客である電子機器メーカーや機械装置メーカーの製造する最終製品は多岐にわたり、その要求仕様も異なるため、顧客独自の仕様に合わせて設計したカスタム製品(標準品を部分的に変更し又は独自の仕様で設計して顧客の要求に合わせた製品)の販売が中心となっております。また、バックプレーン単体ばかりでなく、顧客の要求に合わせて製造したラックに組込み、電源ユニットやファン等を取付け、配線等を施した上で、コンピュータ本体として完成した製品の販売も行っております。
バックプレーン及びラックは電子機器本体(筐体)に固定的に組込まれるため交換することが容易ではなく、かつシステムダウンの許されない社会インフラを支える電子機器に応用されることが多いため、極めて高い品質レベルを要求されております。加えて産業用コンピュータの設計・製造は新製品開発と密接に関わるため、大手システムメーカーは自社内で生産するか、エブレングループのような独立系メーカーに委託することとなります。
また、多品種少量・変種生産を常とする産業用コンピュータの生産においては、これに柔軟に対応する生産体制が求められます。
エブレングループでは各種のコネクタ、及び様々なサイズや厚さのプリント基板に対応できるようにした自動組立装置(プレスフィットマシン)並びに検査装置(電気検査機)を自社で設計、開発し生産に使用しております。
ボードコンピュータは、用途によりバックプレーンに接続して複数のボードコンピュータと一緒に動作を行うもののほか、1枚のボードコンピュータのみで動作するものがあります。バックプレーンを使用するボードコンピュータは半導体製造装置や鉄道車両等、比較的大規模なシステムに使用される一方、1枚のボードコンピュータのみで動作するものは、IoTやエッジコンピューティングの分野等、比較的小規模な分野で使用します。CPUだけではコンピュータとして成り立たず、コンピュータとして動作させるためにはCPUのほかに記憶装置、入出力装置、通信装置等を回路基板に組込む必要があります。このようなケースにおいて、顧客はCPUの開発に専念し、ボードコンピュータとして動作させることはエブレングループが行うケースが増えております。エブレングループは、従来のバックプレーンを使用するボードコンピュータの製品開発で培った技術力、開発力を駆使し、IoTやエッジコンピューティング等、時代の流れに沿って様々なニーズに応じたサービスを提供しております。
産業用電子機器では、保守性、拡張性、汎用性等の利点から、回路基板を自由に抜き差しできるバックプレーン方式が一般的に採用されているため、その応用分野は産業用電子機器業界全般にわたっております。また、ボードコンピュータにおいても同様に業界全般で使用されております。エブレングループでは、これら産業用・工業用コンピュータのボード、バックプレーン、バスラック(注7)、システムシャーシ等の設計・製造・販売を行っており、単一セグメントであるため、応用分野別に集計を行っております。主な適用機器を分野別に分類すると次のとおりであります。
(注7)バックプレーンが組込まれた筐体
エブレングループの事業系統として、エブレンは海外の仕入先から部材を仕入れるとともに、連結子会社である蘇州惠普聯電子有限公司との間で相互に部材を融通しております。このことにより、仕入の際のスケールメリットの享受や、安くて高品質な部材の調達を可能にしております。また、エブレンにおいては組立て等の製造工程の一部を外注先に依頼しております。さらに、蘇州惠普聯電子有限公司から日本国内の顧客に販売することがありますが、その際はエブレン経由での販売となります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、エブレングループが判断したものであります。
エブレングループは、エレクトロニクス分野における頭脳、知力の集団となることを目標とし、最高のソリューションを提供することのできるブレインでありたいとの社名に込めた思いで、事業の拡大に取組んでまいりました。
日本を代表する大手電子機器メーカー、機械メーカー等との取引を継続することができたのは、この経営目標を着実に実行してきた結果としてエブレングループの技術力が認められ、顧客の信頼を勝ち得てきたことによるものと認識しております。特にバックプレーンに関する新規格の発表を注視し、新規格に準拠したバックプレーンの商品化を早期に推進するとともに、自社製プレスフィットマシンを用いて高品質なバックプレーンを短納期で顧客に提供することにより評価を得ていると判断しております。
エブレングループは、設立以来バックプレーンをベースにおいたビジネス展開を行ってまいりましたが、ボードコンピュータの開発設計を行うシステムソリューション事業部の機能や、中国蘇州市にある子会社の製造・販売及び部材調達拠点としての機能を最大限に活用し、従来以上に顧客の幅広いニーズにお応えしていく所存であります。
エブレングループは、売上高及び経常利益を重視する経営指標としております。これらを実現するために、営業体制の強化に加え、技術的研究開発、生産体制再整備等への投資を行うとともに、目標を有効・効率的かつ適正に達成するための内部統制の強化を図り、業務に励んでまいります。
エブレングループが設計・製造する製品は、通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータのほか、IoTやAI及びHPC分野の開発案件も増加してきております。
半導体関連について、一般社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)「2024年1月発表 半導体・FPD製造装置 需要予測 (2023年度~2025年度)」によると、2024年度の日本製半導体製造装置販売高は前年度比27.0%増、2025年度は10.0%増と予測しています。さらに、世界半導体市場統計(WSTS)「2023年秋季半導体市場予測について」(2023年11月28日発表)によると、世界の半導体市場動向は、生成AI関連やパワーディスクリートの需要が引き続き成長することが見込まれる等、2024年度は前年度比13.1%増と過去最高を更新する予測をしています。また、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)「通信機器中期需要予測[2023-2028年度]」(2023年12月13日発表)によると、通信機器市場は2024年以降も緩やかに回復すると予測しています。
バックプレーンの開発、製造をコアとして事業を展開し、拡大していくという基本方針は今後とも不変でありますが、より一段の飛躍のためにはバックプレーンをコアにして、事業ドメインを拡大していくことが不可欠であると考えております。この観点から中期的な戦略目標として、「ユニット供給を中心に受託範囲を拡げることにより事業ドメインの拡大を目指す」ことを掲げております。
バックプレーンは産業用コンピュータを構成する基幹部品の一つでありますが、前述のとおりその全てではありません。産業用コンピュータはバックプレーンに電源やファン等の周辺デバイス、ボードコンピュータ等を接続し、シャーシに納めて初めて作動可能な状態となります。エブレングループの顧客である電子機器メーカーは、従来は設計・購買・生産・検査・出荷等の全てのプロセスを自社で完結していましたが、最近では人材等、限られた経営資源の有効活用と製品開発期間の短縮及びコスト低減を目指し、顧客側で必要とされる構成レベルの部材を、ユニット製品として調達することが一般的となってきました。
エブレングループが事業対象としている産業用コンピュータを構成レベル順に分類すると以下のとおりです。
① バックプレーン(回路基板を相互接続して電子回路全体を統合するユニット)
② サブラック又はシャーシ(コンピュータの構成部品を収納するためのユニット。使用される環境によって、
ラック型のものと箱型のものがある)
③ バスラック(バックプレーンが組込まれたラック・ユニット)
④ システムラック(バスラックに電源やファン等を組込んで結線されたユニット)
⑤ コンピュータ・プラットフォーム(コンピュータ本体内部にCPU回路を備え、顧客の目的に応じて
I/Oボードやメモリーボード(注1)を実装して使用できるハードウェア・プラットフォーム。バックプ
レーンに代えてCPUを搭載したマザーボード(注2)又はキャリア・ボード(注3)を採用する製品もある)
エブレングループでは顧客のニーズに合わせて、バックプレーン単体を販売する場合もあれば、システムラック又はコンピュータ・プラットフォーム全体をご提供する場合もあります。エブレングループはどのレベルであっても受託設計・受託生産が可能ですが、年々構成レベルの高い(完成品に近い)製品に対する需要が増加する傾向にあります。
この背景としては、顧客の製品開発期間短縮ニーズや技術者不足によるものと考えられますが、エブレングループでは顧客が本来の研究開発活動にリソースを集中していただけるよう、受託設計・製造能力の向上に努め、顧客の多様なニーズに応えられる体制を拡充してまいります。
(注1) メモリ(記憶媒体)を増やすための基板
(注2) コンピュータの主機能を担う部品が装着された基板
(注3) CPU(中央演算処理装置)以外のコンピュータの主機能を担う部品が装着された基板
エブレングループは産業用コンピュータに使用されるバックプレーンの開発・製造をコアとして事業を拡大してきました。近年では事業拡大の一つとしてCPUの周辺回路設計を中心としたボードコンピュータの開発・製造も行っております。このコア事業に関しては以下のような施策をもってより一層の強化を図り、他社との差別化を進め、専業メーカーとしてのエブレングループの優位性を確固たるものにしていく計画であります。また、施策を実現していくために中期的な視野に立った人材補強と設備投資を積極的に実施します。
各種バックプレーン、ブリッジボード(ボードコンピュータを挿入する数を増やすためのボード)、標準シャーシ、FANアラームボード(ファンの停止を検知してアラーム信号を出すボード)等、新製品の開発とバリエーションの拡充を引き続き実施してまいります。また、IoTでの利用に適した組込み向けCPUを使用したボードコンピュータの開発等、ボードコンピュータのバリエーション拡充にも努めてまいります。
顧客のコスト低減要求に応え、コストダウンを図っていくことはメーカーに共通する課題であります。
エブレンにおきましても購買、生産管理、設計、製造、検査等の各プロセスにおいて効率向上、能力アップを図り、コスト削減に向けた努力を続けてまいります。また、中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の活用もコスト削減に向けた方策の一つと位置付けております。
さらに、品質の向上、納期の厳守・短縮化にも努め、クオリティ、コスト、デリバリー全ての面で顧客満足度の向上に努めてまいります。
各種機器がインターネットを介して通信を行うIoTが急速に拡大しつつあります。ビッグデータとAIの活用に伴う膨大なデータを収容するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方(エッジコンピューティング)も注目されています。モバイル通信は第5世代移動通信システム(5G)への移行が始まり、自動車等の自動運転や医療分野への応用が期待されています。さらに、5Gの通信技術を特定の対象やエリアに応用するローカル5Gが我々の生活に新たなソリューションを提供します。コンピュータと通信の技術の融合によって実現される新たな社会に向けたこの趨勢は、エブレングループにとって絶好のチャンスであり、今後とも積極的に対応していく方針です。
コンピュータの高速化に伴い、CPUやメモリ等の半導体集積回路部品の発熱をどのように食い止めるかが重要な技術的課題となっています。エブレングループはこれまでの産業用コンピュータやHPCの熱制御技術、冷却構造の設計経験を踏まえ、今後電子回路の放熱技術が重要な課題になると判断し、放熱技術をテーマとして研究に取組んでおります。
2002年に設立した中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司は、発展する中国市場や中国進出した日系電気・電子機器メーカーの製品需要を取込むための拠点であり、現地生産によってコスト競争力のある製品供給を実現するための戦略的な位置付けにあります。また、技術力と価格競争力のある優良な現地部品メーカーを積極的に開拓して活用し、グループ全体としての価格競争力を高め、企業価値の最大化に向け注力していくことは重要な戦略の一つと考えております。そのため、同社との連携を強化しながら、積極的な活用を図っていく計画であります。また、同社においては、生産量の増加に合わせ現地での人員採用による生産体制の強化を図り、生産コストの低減を進めるとともに、中国及びアジア地域におけるビジネスを拡大したいと考えております。
(f) 既存顧客との関係強化と新規顧客の積極的開拓
エブレングループは、大手電子機器メーカーを中心とする顧客との間で、安定的な取引関係を継続、拡大しております。これらの顧客と、引き続き良好な関係を維持、強化していくことが重要な戦略であると認識しております。そのためには「エブレンに任せた方が良い。」、「エブレンを利用しなければ損である。」という評価を定着させるとともに、良好な信頼関係を実現していくことが必要であります。上述の「(a)ユニット供給の拡大」で多様化する顧客のニーズを捉え、「(b)コア事業の強化」はこの評価定着を実現し、応えていくための戦略でもあります。
一方でエブレングループ製品は、電子機器全般にわたる産業用コンピュータに使用されているためターゲットとなる顧客は多岐にわたっておりますが、数多くの潜在顧客が存在すると認識しております。新規顧客の開拓に関しては、展示会への出展や各種専門誌を通じた広告宣伝活動を積極的に展開し、上場企業としてのIR活動等も認知度アップの好機と位置付けております。
前項で述べたとおり、エブレングループの更なる発展のために事業ドメインの拡大を図ってまいります。そのためには、バックプレーンをコアに、ボードコンピュータや周辺デバイスを含めたシステム提案や組立・配線・システム調整等を含めた受託範囲の拡大、高付加価値化が不可欠と考えております。また、ボード開発・製造のノウハウ等を活用しつつ、従来以上に幅広いメーカーとのパートナーシップを強化し、受注領域の拡大を進めてまいります。さらに、エブレングループの中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の強みを活かし、中国からの高品質・低価格な部材や製品の仕入、及び中国での製品販売を強化し、中国ビジネスの一層の拡大を推進してまいります。
エブレンは自然災害等で罹災した際に早期に業務を復旧させるためのマニュアルとして、事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)を制定して運用を開始しております。この取組みを更に強固なものにするため、エブレンの重要設備であるプレスフィットマシンを早期復旧させるための備えを充実させるとともに、サプライチェーンマネジメントの観点から仕入先や外注先への指導及び多角化を意識し、罹災時の対応方法の選択肢を増やす取組みを推進してまいります。また、従来からエブレングループでは関東地区と大阪事業所、中国・蘇州と工場を分散化させることにより、災害等に対するリスク分散を行ってきました。エブレングループが取り扱う製品群の重要性に鑑みて、今後の受注・生産・販売の状況次第では、さらに生産地域の分散も検討いたします。
エブレングループは会社法等が求める内部統制体制の整備について、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性及び関連法令の準拠性の確保のために積極的な取組みを行い、今後とも業務の適正性の確保に注力いたします。ステークホルダーに対しては、迅速で公正・公平な情報公開やIR活動の一層の充実により経営の透明性を高めてまいります。
また、環境問題をはじめとするSDGsへの対応も企業間取引において重要な課題と認識しております。エブレングループにおいてもこの対応の一環として環境マネジメントプログラムISO14001の認証を取得し、このプログラムの維持を通して環境問題やSDGsへの取組みを継続、強化し、環境保全に対応した製品づくりを推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、エブレングループが判断したものであります。
エブレングループには、産業用コンピュータを使用するあらゆる業種の顧客が存在しているため、過去には特定の業種が不況に陥ってもほかの業種で補うことができた場合もありました。しかし、近年はエブレングループにおいて半導体製造装置関連への販売が多く、半導体等急激に状況が変化する可能性のある市場における需要の減少又は産業全体が設備投資を控えるような市場動向となった場合、受注減・在庫増加等により、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループは、製品を作るために電子部品を始め様々な部材を使用します。そのため、仕入先業者とは良好な関係を築き安定した部材供給に努めております。しかし、業界全体での部材の需給関係が極端に偏ることによって部材の入手が困難になり、納期遅延や部材価格の値上げが慢性的に発生した場合、利益の圧迫、値上げや納期遅延による受注減等により、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループは、多品種少量生産及び短納期に対応するため原材料を多く保有していますが、主要顧客の属する半導体業界は技術革新が激しく、顧客の設備投資の動向、半導体の需給変化等の外部要因により大きく影響を受けるため、需要予測が難しくなっております。また、規格変更等、大量廃棄につながる要因が発生する可能性があります。そのため、エブレングループは、棚卸資産の滞留状況を毎月の経営会議で監視するとともに、商品及び製品の出荷見込みや原材料の顧客買取可否について検討し、適正在庫を保つように努めております。しかし、想定を上回る大量廃棄につながる要因が発生した場合には、過去に計上した棚卸資産評価損と比較して損失が多額に計上され、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、エブレングループは顧客の注文を受け生産を行うため、完成在庫に関するリスクは少ないと考えております。
エブレングループでは、設計・製造過程において外注を利用しています。エブレンのコアとなる製造工程以外は外部の協力会社に委託することが多く、外注先とは良好な関係を保つとともに、品質確保のために適宜指導等を実施しております。また、新たな外注先の開拓も精力的に行っておりますが、依頼可能な外注先が減少した場合、納期遅延の発生等により顧客の信頼を失い、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループでは、中国に生産拠点として子会社を設けております。中国子会社にて材料を調達し、現地で生産して中国国内で販売又は日本へ輸出する体制を構築しております。エブレングループの売上高に占める中国子会社の比率は2.7%程度と低いものの、日本国内でのコストダウンの手段や顧客の現地法人との取引等、中国子会社の活用は重要な位置を占めております。したがって、中国政府の方針変更や労働賃金の高騰等、現在の体制を持続させることが困難な状況が発生した場合、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループでは原材料の一部を輸入しており、エブレングループの顧客はその製品の一部を輸出しております。為替が極端な円高に振れた場合は、エブレングループが納入している顧客の製品輸出に影響するため注文が減るリスクがあります。また、為替が極端な円安に振れた場合は、中国を始めとした外国からの部品仕入価格が上昇し、利益を圧迫するリスクがあります。したがって、エブレングループにとって極端な円高や円安は好ましくない状況となり、結果としてエブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループの事業の継続及び拡大においては、更なる技術革新に対応しうる技術者の確保、エブレングループの製品を販売するための営業部門や管理部門等の優秀な人材を充実させる必要があります。エブレングループでは、ハローワーク等を活用して優秀な次世代経営幹部や従業員の採用等を進めるとともに、職場安全パトロールを定期的に実施して労働環境を適正に保ち、従業員の意識向上と組織の活性化を図り優秀な人材の定着を図る方針であります。しかしながら計画どおりに人材の採用等が進まない場合又は現在在籍している有能な人材が流出するような場合、国内外で採用費や人件費等が高騰した場合等、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
現在、エブレングループでは、代表取締役社長上村正人が経営戦略の決定を始め、企画開発や資本政策、営業活動等、グループの事業推進に重要な役割を果たしております。組織体制の整備や人材の育成を積極的に進めることにより、同氏に依存しない体制の構築を進めておりますが、同氏がエブレンの経営から外れ、かつ人材育成等が遅れた場合、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループでは、コンピュータ・バックプレーンとバスラック、及びボードコンピュータの設計・製造を行っておりますが、品質不良による損害賠償が発生する可能性があります。エブレングループは、業務執行の全社的協議機関である経営会議の下に品質・生産会議を設置して全社的な品質管理に努めており、納品先でも厳密なテストを実施しております。しかし、エブレングループの責による品質不良から顧客に損害が発生し、エブレンの加入している生産物賠償責任保険では損害賠償額を十分にカバーできなかった場合、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるエブレングループの販売高において、株式会社アバールデータに対する割合は21.1%となっております。エブレングループは同社と友好的な関係を築いており、取引関係が解消される可能性は低いと考えておりますが、同社の顧客である半導体関連最終顧客の状況により受注減・在庫増等となった場合、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
産業用の電子機器にバックプレーン方式が多用されるのは、メンテナビリティー(保守性)が優れているという点が大きな理由と言われています。CPU・メモリ・通信・カメラ入出力・画像処理等の各回路を、機能単位ごとにボードコンピュータ化することにより、万が一故障や動作不良が発生した場合には、原因となったボードコンピュータを交換することができます。長期的には技術革新に伴い小型化・高密度化が進み、バックプレーン方式や各種機能をワンボード化したマザーボード方式に代わる、新たな電子機器構造が出現する可能性もあります。エブレンがそれらの技術革新に対応できない場合、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループでは、事業活動において取引先企業の機密情報や取引先関係者及び従業員の個人情報等を保有しております。エブレングループにおいて、これらの情報を含めたセキュリティーの強化を行っておりますが、同情報が人的及び技術的な過失や、違法又は不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったことの責任追及や、それに伴う規制措置の対象となる可能性があります。このような事象が発生した場合においては取引先及び市場からの信頼が毀損され、結果としてエブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループは、外為法や下請法を始めとする取引先に関する法律を遵守し、環境等に関する法令に基づき適正なものづくりに努めております。また、エブレングループが製造・販売するバックプレーン等自体において、外為法を始めとする法的規制による影響は少ないと考えておりますが、顧客がエブレングループのバックプレーン等を搭載した機器を販売する際には、顧客の製品次第で各種の法的規制が関係する可能性もあります。
エブレングループは幅広い業種に対して製品を提供しているため、特定の分野における規制の強化等であれば影響は少ないと思われますが、多くの業種で規制の影響が強まる場合には、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
エブレングループでは生産設備を一極集中させないことに加え、事業継続計画(BCP)を作成する等、緊急事態に備えた取組みを行っております。しかし、異常気象や天候不順、台風や集中豪雨等の予測困難な気象状況の変化が起きた場合、地震及び自然災害等に起因する電力不足、突発的な事故や感染症等の疫病の流行、火災及びテロ行為、インフラの断絶、ITシステムの故障等により、想定を超える事業の一部中断や取引先に被害が生じた場合、エブレングループの売上高が減少するのみならず、製造及び出荷の遅延又は製造設備の修理等に係る費用の増加や多額の損失をもたらし、エブレングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
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