インスペック(6656)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


インスペック(6656)の株価チャート インスペック(6656)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

インスペックグループは、インスペック(インスペック株式会社)及び台湾英視股份有限公司の2社により構成されており、インスペックグループの事業は、基板検査装置関連機器製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発及び保守・サービス等の事業活動を展開しております。

なお、台湾英視股份有限公司については、連結財務諸表に及ぼす影響に重要性が乏しいため、連結の範囲より除外しております。

 

基板検査装置関連事業

インスペック株式会社

生成AIの普及によるデータセンター向けのCPU・GPUに使用される半導体パッケージ基板及びスマートフォンなどのデジタル機器に使用される精密プリント基板などの外観検査装置の開発、製造、販売及び保守サービスを行っております。

 

  [事業系統図]

 インスペックの事業系統図は、次のとおりであります。


有価証券報告書(2024年4月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

インスペックの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてインスペックが判断したものであります。

(1) 経営方針

インスペックは、2023年5月に「確かな技術とあくなき挑戦で、創造社会を切り拓く」というパーパス(存在意義)を新たに策定し、以下の課題に取り組んでおります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

2024年4月期のエレクトロニクス製品の半導体関連分野におきましては、パソコンやスマートフォンの世界出荷台数が減少し、インスペックの国内及び海外の主要取引先各社が設備投資計画を一旦見送るなど、インスペックにとって厳しい市場環境となりました。一方で、自動車関連分野におきましては、近年、電気自動車(EV)やバッテリー駆動車(BEV)などの普及に伴い、自動車のバッテリーマネジメントシステム(BMS)に使用されている車載用FPCの生産が増加しております。

このようなインスペックを取り巻く事業環境を踏まえ、2023年度4月期を初年度とした中期経営計画を見直し、改めて2030年をゴールとした中長期経営計画「インスペックVision 2030」を策定いたしました。「インスペックVision 2030」では、2030年4月期に「売上高100億円、営業利益20億円、営業利益率20%以上」を目標とし、2025年4月期~2027年4月期を「第一次中期経営計画」、2028年4月期~2030年4月期を「第二次中期経営計画」と位置付け、今回改めて2025年4月期を初年度とした「第一次中期経営計画」を策定したものであります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 高い競争力を持つ装置の開発

インスペックの柱となる検査装置事業について、AIサーバーやクラウドコンピューティングの普及を背景に、次世代CPU・GPU向けの半導体パッケージ基板に対応する検査装置の開発が急務であります。今後は配線パターンの微細化に対応する高性能検査装置の開発、近年主流になりつつある全自動化システム装置の更なる進化を実現し、急拡大する市場のニーズに応えてまいります。

露光装置事業につきましては、グローバルに成長するEV市場に向け、車載FPC用露光装置に加え、微細化・スループット向上の対応により、ロールtoロール方式の優位性を活かし、多種多様なFPC市場に対応してまいります。

 

② 収益体制の改善

昨今の原材料価格の高騰や円安の影響により、インスペック製品も製造コストが増加し、利益率を低下させております。この課題に対し、顧客折衝による価格転嫁のみならず、生産効率向上による原価低減を目指しております。

具体的には、見積段階から工数とノウハウを正確に管理することで基準となる適正な原価を算定し、原価低減につなげるシステムを構築、運用を開始いたしました。最適コストで高収益体質を維持し、市場における競争力を高めていくと同時に、次世代に向けた開発投資や株主還元にもつなげてまいります。

 

③ 海外市場向け販売の強化

海外市場においては、従来からの台湾TKK社に加え、中国市場での販売強化を目的として2022年8月に代理店契約を締結したWorld Wide Semi-Conductor Equipment社による営業活動によって商談件数が徐々に増えております。今後は東アジア諸国で拡大しつつある半導体関連市場をメインターゲットとし、台湾の現地法人へデモ機を設置して商談活動を活発化させることや、タイ、ベトナムを中心とした東南アジアの展示会への出展等を通じて海外市場での販売活動を強化してまいります。

 

④ 人的資本経営の強化

インスペックは創業40周年という節目を迎え、中長期経営計画で目標に掲げた「インスペックVision 2030」を達成すべく、次世代のリーダーと高度専門人材の育成を進めてまいりました。市場の変動がもたらす企業間競争は激化しており、この厳しい競争を生き抜くためにも、社員一人ひとりが成長を続けその能力を最大限発揮することが不可欠であります。

インスペックは昨年より運用を開始した人事評価制度の活用や階層別の教育研修制度を充実させるなど、働きがいのある職場環境を整備することで従業員エンゲージメントの向上を図り、インスペックのパーパス、ミッション、ビジョン、バリューを全従業員に浸透させ、同じ目標に向かって一丸となり、企業価値の向上を実現させることで、全てのステークホルダーの期待に応えられるように取り組んでまいります。

 

⑤ コーポレート・ガバナンスの強化

インスペックは、リスク管理を徹底し、経営の透明性を向上させるため、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。

リスク管理については、第三者である社外役員の登用による経営への監視、内部監査による業務執行に関するリスクの監視とモニタリング及び月1回開催のコンプライアンス・リスク管理委員会によりコンプライアンスの徹底と事業全体のリスクを監視することで内部統制組織を強化しております。

経営の透明性については、内部統制組織を強化し、企業の透明性向上に努めるためステークホルダーに対する情報開示と説明責任をより明確に果たしていくことに取り組んでおります。

今後も企業価値を継続的に高めていくため、経営上の組織体制の強化と仕組みを整備し、必要な施策を実施してまいります。

 

(4) スリムでシンプルな経営体制

インスペックは製造業ですが、メーカーとしては極めて小規模な企業体制を取っております。この小規模体制であることを強みとして活かし、その上でグローバルマーケットに向けて事業を展開していくため、コア技術及び業務は社内で確立し、アウトソーシングが可能な業務については、外部企業の協力を得ることで必要な生産能力を確保し事業の拡大を図ってまいります。

このため、販売活動のみならず生産業務、サービス業務、一部の開発業務等についても、国内外を問わず求める能力とコストのバランスを検討し、最適なパートナーと判断できる企業との協力関係を構築して事業活動を進めてまいります。

なお、計画実現のため、販売部門、サービス・サポート部門、設計及び開発部門それぞれの部門でマンパワーの増強に取り組んでおり、若手社員の育成とともに、将来の事業拡大を支える経営基盤の強化に取り組んでおります。

この方針のもとに、高成長・高収益を目指し、強固な経営基盤の構築を実現してまいります。

 

(5) 財務及びキャッシュ・フロー方針

インスペックは、製品の生産活動及び技術開発や製品開発等の投資活動を通し、継続的な成長を実現し、最適な財務及びキャッシュ・フロー戦略を実行してまいります。

今後、中期経営計画の中で創出されるキャッシュ・フローは、戦略投資と財務基盤の強化について健全なバランスを維持して活用してまいります。

また、大口受注等による一時的な資金需要については、現状の金融機関との良好な関係をもとに資金需要のロットに合わせて機動的な資金調達方法により事業資金の安定化に努めてまいります。

剰余金の配当につきましては、当事業年度の業績及び財政状態等を総合的に勘案した結果、誠に遺憾ではございますが無配とさせて頂いております。

 

(6) 目標とする経営指標

インスペックは、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、パーパスのもと、既存事業と新事業による成長の持続と稼ぐ力の向上で企業価値拡大を図り、「インスペックVision 2030」の実現に向けた「第一次中期経営計画(2025年4月期~2027年4月期)」を策定し、2027年4月期にROIC(投下資本利益率)8%以上、ROE(自己資本利益率)10%以上を目指し、PBR(株価純資産倍率)の向上を図ります。


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 以下には、インスペックの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、事業上のリスクとして具体化する可能性は必ずしも高くないと見られる事項を含め、投資家の投資判断上、重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

 インスペックはこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生の際の対応に努力する方針ですが、本項目の記載はインスペックの事業またはインスペック株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありません。インスペック株式に関する投資判断は、本項目以外の記載内容をあわせて慎重に検討の上、行われる必要があると考えられます。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてインスペックが判断したものであります

 

(1) 設備投資需要の変動について

 インスペックの業績は、景気変動による設備投資の増減の影響を大きく受ける傾向にあり、何らかの要因で日本及び主要事業国の台湾、中国において設備投資需要が落ち込んだ場合には、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 他社との競合について

 インスペックの検査装置は、自社で開発したコア技術が競争力の原点となっており、インスペックの成長はこの技術に依存していくものと予想しております。インスペックは、今後も継続して大きな競争力を持つシステムの開発を進めていきますが、他社が同様のシステムあるいはインスペックの製品を上回る性能を発揮するシステムを開発する可能性は否定できないため、インスペック事業において競争力が失われた場合、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新製品の開発・販売について

 インスペックの検査装置は、自社で開発した画像処理専用コンピューターをコアとした画像処理システムを特徴としており、画像処理システムのバージョンアップや検査対象の拡大など、今後も継続して魅力ある製品開発を行っていく予定であります。

 新製品開発のためには先行して長期的な投資と大量の資源投入が必要ですが、これらのすべてが新製品・新技術の創造へとつながる保証はなく、また、新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を今後十分確保できるという保証もありません。

 さらに、インスペックがユーザーから支持を獲得できる新製品・新技術を正確に予想することができるとは限らず、開発した新製品の販売が必ずしも成功する保証もありません。このため、インスペックが業界とユーザーの変化を十分に予測できず魅力ある新製品を開発できない場合には、開発のための先行投資が売上に貢献せず、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製品のライフサイクルについて

 インスペックの検査装置は、軽量化や小型化に向けた技術革新の進展が早いデジタル家電分野の商品を対象としており、より微細なものを検査する、あるいは製造する必要があることから装置性能の向上が求められ、新しいニーズが連続的に発生いたします。半導体分野及び精密プリント基板分野のメーカーからは、短期間で性能向上を実現する開発が求められるため、インスペックの開発に遅れが生じた場合には、顧客ニーズに対応しきれずに受注のタイミングを逃す可能性があり、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品保証について

 インスペックの製品については、品質不良あるいは製品不具合に対して、検収後1年間の無償保証期間を設けております。製品保証に伴い発生する費用に対しては、過去の実績等をもとに製品保証引当金を計上しておりますが、新製品など従来とは異なる仕様の製品などで引当額以上の保証費用が発生した場合、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 優秀な人材の確保について

 インスペックの事業は、ユーザーからの要求に応じて最先端かつ高度な技術力を提供していくことが重要な要素であります。このような要求に対応し、ユーザー満足度を高め、製品の付加価値を高めていくためには、優秀な人材の確保が重要となります。このため、タイムリーに必要な人材の確保ができない場合や優秀な従業員が多数離職した場合、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります

 

(7) 検収時期の変動による業績変動の可能性について

 インスペックの検査装置は、通常、受注から検収まで約4~6ヶ月を要し、ユーザーの検収に基づき売上を計上しております。そのため、インスペックは製品の設計から納品までの製造工程を管理し、計画どおりに売上計上できるように努めておりますが、ユーザーの設備投資計画の変更または事業方針の変更等により、仕様あるいは納期が変更されることもあります。この場合、1台当たりの製品が比較的高額であることから、ユーザーの検収タイミングによっては、事業年度期間を前後することでインスペックの売上が変動し、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 有利子負債の依存度について

 インスペックは、財務戦略として一定規模の有利子負債に依存しております。そのため、金利が上昇した場合には、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

インスペックの有利子負債の内訳                                                               (単位:千円)

区分

第35期

前事業年度

(2023年4月期)

第36期

当事業年度

(2024年4月期)

流動

負債

短期借入金

1,200,000

1,500,000

1年内返済予定の長期借入金

154,224

154,224

固定

負債

長期借入金

815,534

661,310

有利子負債計

2,169,758

2,315,534

総資産

3,977,935

3,739,515

有利子負債依存度

54.5%

61.9%

 

(9) 知的財産権について

 インスペックの技術の中には、画像処理専用コンピューターにおけるソフトウェアのように、特許として知的財産権を獲得するよりも、ノウハウとして保有するほうが事業戦略上有利であると考えられるものもあり、必ずしも全ての技術について特許を出願する必要はないと考えております。

 インスペックは、特許の出願については、有用性及び費用対効果を考慮して行っており、インスペック独自の技術あるいは研究成果について、必要かつ可能な範囲において特許権等の知的財産権の登録を行い、権利保護に努めることとしておりますが、他社によりインスペックの権利が侵害される可能性があります。

 また、ノウハウとして保有している技術についても他社が利用する可能性もあります。

 一方、インスペックでは、第三者に対する知的財産権の侵害を行っていないものと認識しておりますが、インスペックの事業分野における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であります。したがって、万一、インスペックが第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償または使用差止め等の請求を受ける可能性があります。

 これらの事態が発生した場合、インスペックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 経営陣への依存度について

 インスペックの創業者であり代表取締役社長兼代表執行役員である菅原雅史は、経営方針や戦略の決定をはじめ、主要な取引先へのトップセールスなど、インスペック事業において極めて重要な役割を果たしております。現在、退任の予定はなく、インスペックも依存しない体制作りを行っておりますが、万一、当該体制が構築される前に何らかの事情でインスペックを離れる事態となった場合には、インスペックの事業活動に重大な影響を与える可能性があります。

 

(11) 小規模組織であることについて

 インスペックは、従業員85名(2024年4月30日現在)と会社規模が小さいため、社内体制も組織規模に応じたものになっております。今後、事業規模が拡大し、それに応じた社内体制の構築が実現できない場合には、迅速かつ適切な内部管理を行えず、事業運営に制約を受ける可能性があります。

 

(12) 海外展開について

 インスペックは、2012年度より本格的に海外展開を図っており、台湾及び中国の顧客への販売強化、サポート体制の確立のため、代理店と連携を図りながら推進しております。海外では予測しがたい規制や法律、政情不安、社会的混乱、為替、人材確保などのリスクが存在しており、これらの事象によってはインスペックの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 自然災害等による影響について

 インスペックは創業の地である秋田県仙北市に本社があります。今後、当地域において大地震等の自然災害等が発生した場合は、インスペックの業績のみならずインスペックの活動に影響を与える可能性があります。

 また、新型コロナウイルス等の感染症によって事業活動に影響を受ける可能性があります。インスペックでは、適宜リスク管理委員会を開催し検討の結果、必要な処置を施すことにより従業員等の安全を守るよう努めております。具体的には、Web会議システムの導入やテレワークの実施、リモートで立上作業を行う等の感染予防策を講じておりますが、この影響が継続・拡大した場合には、取引先との商談や工場稼働の悪化要因にもなり、インスペックの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 企業買収、資本提携について

 インスペックは、事業の拡大や競争力の強化などを目的として、企業買収や資本提携などを実施することがあります。これらを行う際には、対象となる市場や事業並びに相手先企業の経営状況などのリスク分析を行ったうえで判断しておりますが、インスペックや対象企業を取り巻く事業環境の変化などにより、当初期待していたシナジー効果や新事業創出などのメリットを得られない場合や出資先の業績不振により「のれん」や「株式簿価」などの減損損失を計上する場合には、インスペックの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー