川崎重工業グループは、川崎重工業(提出会社)、子会社132社及び関連会社(共同支配企業を含む)28社により構成されており、川崎重工業を中心として航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業、パワースポーツ&エンジン事業及びその他事業を営んでいます。これらの6事業区分はセグメント情報の報告セグメントの区分と同一です。
川崎重工業グループの主な事業内容と川崎重工業及び主要関係会社の位置づけを概説すれば、以下のとおりです。
[主な事業内容]
航空宇宙システム事業
航空機、航空機用エンジン、宇宙関連機器等の製造・販売
車両事業
鉄道車両、除雪機械等の製造・販売
エネルギーソリューション&マリン事業
エネルギー関連機器・システム、水素関連設備、舶用推進関連機器・システム、プラント関連機器・システム、船舶、破砕機等の製造・販売
精密機械・ロボット事業
油圧機器、産業用ロボット等の製造・販売
パワースポーツ&エンジン事業
二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、パーソナルウォータークラフト(PWC)「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジン等の製造・販売
その他事業
商業、販売・受注の仲介・斡旋、福利施設の管理等
[川崎重工業及び主要関係会社の位置づけ]
航空宇宙システム事業
川崎重工業で製造・販売を行っているほか、日本飛行機㈱(連結子会社)が独自に製造・販売並びに製造の一部分担を行っています。
車両事業
川崎車両㈱(連結子会社)で製造・販売を行っているほか、海外向け鉄道車両についてはKawasaki Rail Car, Inc.(連結子会社)が一部の製造・販売を、Kawasaki Rail Car Lincoln, Inc.(連結子会社)が一部の製造を行っています。
エネルギーソリューション&マリン事業
川崎重工業で製造・販売を行っているほか、川重冷熱工業㈱(連結子会社)がボイラ及び空調機器の製造・販売を独自に行い、㈱カワサキマシンシステムズ(連結子会社)が産業用ガスタービンの販売を、㈱アーステクニカ(連結子会社)が破砕機等の製造・販売を、安徽海螺川崎工程有限公司(持分法適用関連会社)他が産業機械、環境装置等の製造・販売を、南通中遠海運川崎船舶工程有限公司、大連中遠海運川崎船舶工程有限公司(いずれも持分法適用関連会社)が独自に船舶の製造・販売を行っています。
精密機械・ロボット事業
川崎重工業で製造・販売を行っているほか、Flutek, Ltd. (連結子会社)他が油圧機器の製造・販売を、川崎精密機械(蘇州)有限公司(連結子会社)他が製造を、川崎精密機械商貿(上海)有限公司(連結子会社)他が販売を独自に行っています。また、Kawasaki Robotics (USA) Inc.、川崎機器人(昆山)有限公司、川崎機器人(天津)有限公司(いずれも連結子会社)他が産業用ロボットを、㈱メディカロイド(持分法適用関連会社)が医療用ロボットの製造・販売を行っています。
パワースポーツ&エンジン事業
カワサキモータース㈱(連結子会社)で製造・販売を行っているほか、製造については二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、PWC「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジンをKawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.、Kawasaki Motores de Mexico S.A. de C.V.、Kawasaki Motors Enterprise (Thailand) Co., Ltd.(いずれも連結子会社)他がそれぞれ製造しています。また、販売面においては、国内向け二輪車他を㈱カワサキモータースジャパン(連結子会社)が、海外向け二輪車他をKawasaki Motors Corp., U.S.A.、Kawasaki Motors Europe N.V.、Kawasaki Motors (Phils.) Corporation、PT. Kawasaki Motor Indonesia(いずれも連結子会社)他が、それぞれ販売しています。
その他事業
川重商事㈱(連結子会社)他が商業を、㈱カワサキライフコーポレーション(連結子会社)他が商業及び福利施設管理等の諸事業を営んでいます。
以上で述べた事項を事業系統図によって示せば、次のとおりです。
(注) 1 実線枠は連結子会社、点線枠は持分法適用関連会社であり、主要な会社のみ記載しています。
2 他3社は安徽海螺川崎装備製造有限公司、安徽海螺川崎節能設備製造有限公司、上海海螺川崎節能環保工程有限公司です。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、川崎重工業グループが判断したものです。
[経営の基本方針]
川崎重工業グループは、カワサキグループ・ミッションステートメントにおいて、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションとして掲げ、最先端の技術で新たな価値を創造し、顧客や社会の可能性を切り拓く企業グループを目指しています。
また、「選択と集中」「質主量従」「リスクマネジメント」を指針とし、資本コストを上回る利益を安定的に創出するとともに、社会課題に対するソリューションの提供を通じてSDGs達成に貢献すべく、経済的価値・社会的価値の2つの軸で企業価値を高める経営を推進していきます。
[中長期的な会社の経営戦略・対処すべき課題]
2020年11月に、川崎重工業グループの目指す将来像として「グループビジョン2030」を制定し、各種施策を推進しています。現有主力事業の強化、事業間シナジー促進による将来の柱となる新事業育成、更に事業の選択と集中を行って事業ポートフォリオの変革を実現し、持続的な成長を追求します。
進捗状況の詳細は、川崎重工業Webサイト(https://www.khi.co.jp/groupvision2030/archive.html)をご参照下さい。
《注力するフィールド》
新たな時代の社会課題を見据え、地球環境保護のための脱炭素社会の実現、先進国を中心とした高齢化社会・労働力不足への対応、医療などの地域間格差の解消、自然災害の抑止や早期復旧、各種資源・物資やエネルギーの安定供給など、様々なソリューションをタイムリーに提供するため、以下の3つのフィールドに注力しています。
「安全安心リモート社会」-ロボティクスとネットワークを活用した新しい価値の創出
医療・ヘルスケア、ものづくり、産業インフラなど様々な分野で、川崎重工業グループが持つ遠隔操作・情報技術、ロボティクス等を用いて、安全かつ安心して暮らせる社会を創るとともに、リモート社会の実現によりすべての人々が社会参加できる新しい働き方・くらし方も提案していきます。
「近未来モビリティ」-新しい輸送システムで人とモノの移動を変革
宅配需要の増加や労働力不足、災害時の交通遮断などに対応するため、無人で物資を運ぶヘリコプタや自動配送ロボットなど、新しい輸送・移動手段を提案し、豊かでスマートかつシームレスな移動が可能な社会を創造します。
「エネルギー・環境ソリューション」-クリーンエネルギーの安定供給に向けて
カーボンニュートラル社会の早期実現に向け、世界に先駆けて水素サプライチェーンを構築します。また、川崎重工業及び国内連結子会社事業所のCO2排出量を2030年までに実質ゼロにするという、自立的なカーボンニュートラルも推進します。世界各地で、様々な方法で作ることができる水素は、カーボンニュートラルだけでなくエネルギー安全保障面からも期待が高まっており、早期に水素社会を実現できるよう取組を加速します。更に、電動化なども含めた川崎重工業グループの脱炭素ソリューションを社会やステークホルダーの皆様にも幅広くその輪を広げ、2040年にZero-Carbon Ready、2050年にはグループ全体でのCO2排出量の実質ゼロを目指します。
《成長シナリオ》
「グループビジョン2030」の成長シナリオに沿って、順調に伸長しています。足元では、パワースポーツ&エンジン事業がグループ全体の収益を強力に支え、民間航空機や航空機用エンジン、防衛関連をはじめとする受注系事業の収益も安定的に拡大しています。この先、水素事業や医療・ソーシャルロボット事業、近未来モビリティ等をはじめとする新規事業も収益の柱となり、安定した成長軌道を描くことを目指します。成長シナリオの実現のため、モノ売りからコト売りへのシフトなどのビジネスモデルの見直し、政府や自治体、他企業、研究機関との連携による新しい社会創造、ポートフォリオ・組織風土の変革にも取り組み、高収益体質を実現していきます。
それらを支える仕組みとして、AI活用、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進し、業務プロセスの見える化・効率化により、新たなソリューションの創出と経営の意思決定のスピードアップ、更には“やりがい”“成長”を実感できる働き方も実現していきます。成長シナリオを支える最も重要な財産である人財が、その個性と能力を発揮する環境整備に取り組み、前向きに挑戦し続ける人と組織の実現を目指します。年齢・性別・国籍等の属性に関わらず、期待役割と成果を実現し得る人財を社内外から獲得・配置するとともに、行動特性評価による適正配置を行うなど、「グループビジョン2030」の達成と更にその先の飛躍に向けて、人事制度の刷新を含め様々な変革を絶えず推進できる企業風土が醸成されつつあります。
[経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題]
世界経済は、米国では良好な雇用情勢や所得環境により個人消費を中心に堅調さを維持していますが、不動産不況が長期化する中国経済や地政学リスクの増大等、先行きは引き続き不透明な状況です。
国内においては、物価上昇を上回る賃上げ等による消費マインドの改善が見込まれ、設備投資の拡大やインバウンド需要により緩やかな景気回復が続くものの、日銀の政策変更による金利の上昇や、それに伴う為替相場の変動など経済への影響に注視が必要です。
このような状況の下、川崎重工業グループは収益性の向上に向け、適正な販売価格の実現やコスト競争力の強化、サプライチェーンの多様化に継続的に取り組んでいきます。また、経営資源の投入については、案件の厳選に努めつつも、注力する3つのフィールドについては、スピード感をもって積極的な投資を実行するなど、メリハリのある意思決定を行っていきます。資金面に関しても、前述の収益性向上や投資選別のほか、適正在庫の実現、資産圧縮などの対応策を進めることで、キャッシュ・フロー創出力の強化及び有利子負債の削減に努めていきます。
[経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等]
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を、利益(事業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益)及び税後ROIC※とし、グループ全体として事業利益率を2027年度までに8%、2030年度までに10%超、税後ROICは資本コスト(WACC)+3%以上を目標としています。
これらの経営指標の改善の結果として自己資本利益率(ROE = 親会社の所有者に帰属する当期利益 ÷ 自己資本の期首・期末平均)の向上も図っていきます。
※税後ROIC = (親会社の所有者に帰属する当期利益 + 支払利息 × (1 - 実効税率)) ÷ 投下資本(純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均)
[セグメントごとの戦略及び課題]
① 航空宇宙システム事業
P-1固定翼哨戒機・C-2輸送機の修理・部品供給を含めた量産の推進及び派生型機への展開と抜本的な防衛力強化という防衛省の方針に沿った活動強化、ボーイング既存機及び民間航空エンジンの需要回復に伴うサプライチェーン及び増産体制の再整備、新たな事業機会獲得に向けた業務効率化による生産性向上、市況動向を踏まえた技術戦略の推進
② 車両事業
品質管理の強化、顧客ニーズに適合した技術・製品による差別化、コスト競争力の強化、海外プロジェクトのリスク管理強化、IoTを活用したメンテナンス事業及び軌道モニタリング事業参入等のストック型ビジネスの拡大、海外生産・海外調達及びパートナーシップの活用などグローバルな最適事業遂行体制の構築
③ エネルギーソリューション&マリン事業
水素関連プロジェクトの研究開発・事業化の推進、コアコンポーネント強化とその組み合わせによる最適システム構築、分散型エネルギー供給システムの提案、新興国・資源国を中心とした海外事業の拡大、アフターサービス事業の強化、ガス関連船建造におけるコスト競争力の強化、船舶海洋事業における中国合弁会社の収益性改善、防衛事業の収益拡大
④ 精密機械・ロボット事業
油圧事業は、新製品・戦略製品の早期開発・上市、アフターサービスビジネスの拡大、グローバル展開の加速によるコスト競争力の強化。ロボット事業は、それぞれの市場に応じた差別化による製品の付加価値向上、コスト競争力の強化、オープンイノベーションと協業の推進、デジタルプラットフォーム(Robo Cross)の構築、「hinotori™」を中心とする医療ビジネスの拡大
⑤ パワースポーツ&エンジン事業
“Kawasaki”らしい魅力ある新機種の継続投入、顧客に訴求する卓越した品質と信頼性、高いブランド価値の実現、新興国市場におけるコスト競争力の強化、連結ベースのマネジメントの徹底による効率化と収益率の向上
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が川崎重工業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。これらのリスクは、経営会議等での審議等を経て抽出しており、取締役会において連結財務諸表での重要性、影響度、網羅性を確認した上で選定しています。また、川崎重工業グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「その他の重要なリスク」に分類しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、川崎重工業グループが判断したものです。
なお、リスクを把握し、管理する体制・枠組みについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照下さい。
(特に重要なリスク)
(その他の重要なリスク)
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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