エヌ・シー・エヌ(7057)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 エヌ・シー・エヌ及び連結子会社3社(株式会社KINO BIM、株式会社木構造デザイン、株式会社翠豊)並びに持分法適用関連会社4社(N&S開発株式会社、株式会社MUJI HOUSE、SE住宅ローンサービス株式会社、株式会社イデーユニバーサル)により構成されるエヌ・シー・エヌグループは、「日本に安心・安全な木構造を普及させる。」「日本に資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくる。」ことを目標とし、主たる事業である木造耐震設計事業において、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するためのエヌ・シー・エヌ独自の建築システムである「SE構法」(注1)を、工務店を中心としたSE構法登録施工店(以下、「登録施工店」という)ネットワークを通じて提供しております。 エヌ・シー・エヌグループは創業以来約30年間、木造耐震設計事業を中心とした事業を展開しておりますが、構造計算や部材の安定供給だけでなく、省エネルギー計算サービスをはじめとする環境設計事業、BIMを活用したデジタル化支援まで、工務店や設計事務所の抱える課題をワンストップで解決できる木造建築プラットフォームとしてサービスを提供し、木造建築の耐震性の向上による安全性の確保と資産価値向上に寄与してまいりました。 エヌ・シー・エヌグループが営む事業の内容は、以下のとおりであります。なお、エヌ・シー・エヌグループは「木造耐震設計事業」が事業のほとんどを占めており、省エネルギー計算サービスやBIM事業等については「その他」として記載しております。 (1)木造耐震設計事業 施主よりSE構法による木造建築を受注した登録施工店に対して、設計段階で構造計算書を出荷するとともに、建設段階で構造加工品等を販売しております。また登録施工店からは登録料及び月会費を受領しております。 エヌ・シー・エヌの構造計算の特徴 SE構法では、鉄骨造やRC造と同じ手法である許容応力度計算(注2)による構造計算を実施しております。構造計算においては、構造図面作成用CADと連動した立体解析による構造計算プログラムを使用することで、構造図と構造計算の整合性を確保する形で安全性を検証しております。 エヌ・シー・エヌの構造加工品供給の特徴 SE構法では、構造部材として強度にばらつきのある無垢材ではなく、品質が高く一定の強度が保たれた構造用集成材を採用し、指定構造加工工場において加工した集成材(以下、「構造加工品」という)を登録施工店に供給しております。また、接合部には独自開発した金物(以下、「SE金物」という)を採用するとともに、耐力壁や床には高耐力の構造用パーティクルボード及び構造用合板を採用しております。これにより高い耐震性と大空間を実現させることが可能となっております。 エヌ・シー・エヌでは、構造計算の際に作図される構造データを指定構造加工工場がそのまま加工データとして利用できるシステムを構築しており、正確に加工された構造加工品を供給するとともに、あわせてSE金物や構造用パーティクルボード、構造用合板も供給することで、木造建築の耐震性と安全性を実現しております。 木造耐震設計事業では、物件の規模や用途に応じて住宅分野と大規模木造建築(非住宅)分野に区分するとともに、住宅分野については、工務店ネットワークを通じて展開するネットワーク展開と、持分法適用関連会社である株式会社MUJI HOUSE等を通じて展開するハウスメーカー対応に分類して事業展開をしております。① 住宅分野・ネットワーク展開 ネットワーク展開では、工務店を中心とする建設会社を登録施工店としてネットワーク化し、そのネットワークを通じてSE構法による耐震性の確保された木造住宅の普及促進に努めております。また、全国各地の建設会社をネットワーク化することにより、地域性を熟知した登録施工店を通じて、地域それぞれの文化慣習と気候風土にあわせた機能的かつ資産性の高い住宅を提供しております。 登録施工店は、エヌ・シー・エヌが実施する講習を受講した上で、エヌ・シー・エヌ独自の試験に合格し資格を取得したSE構法施工管理技士を配置した建設会社であり、SE構法施工管理技士が施工監理や現場検査を実施することで、高品質で耐震性の確保された木造住宅が提供できる体制を構築しております。 エヌ・シー・エヌは、登録施工店向けのサービスとして、設計サービスや資材販売に加え、各種販促ツールの提供や勉強会での最新の技術や法改正に関する情報の提供、構造に関する瑕疵を保証する「SE住宅性能保証」の無償提供や長期優良住宅認定の代行サービス等を提供しております。その他、情報誌「ネットワークSE」を定期発行しております。なお、「ネットワークSE」は4,000部を定期発行しており、登録施工店だけでなく、設計事務所や学識経験者に定期購読いただいております。 2026年3月末現在の登録施工店数は637社となっておりますが、登録施工店ネットワークの継続的な拡大に向けて、定期的に開催する勉強会やセミナーを通じて新規顧客の開拓に努めております。・ハウスメーカー対応 ハウスメーカー対応では、規格型住宅を販売するハウスメーカー等のパートナー企業に対してSE構法をOEM提供しており、パートナー企業が規格型住宅を販売する際に、エヌ・シー・エヌは構造計算書を出荷するとともに構造加工品等を販売しております。 エヌ・シー・エヌの持分法適用関連会社である株式会社MUJI HOUSEが企画・開発・販売を行う「無印良品の家」にはSE構法が標準採用されているほか、大手ハウスメーカー数社を含むパートナー企業にSE構法を提供しております。エヌ・シー・エヌでは引き続きパートナー企業の開拓に努めております。 ② 大規模木造建築(非住宅)分野 大規模木造建築(非住宅)分野では、延床面積500㎡以上の木造建築及び用途が住宅以外(非住宅)の木造建築を対象にSE構法の提供を行っております。 2010年10月に「公共建築物等木材利用促進法」が施行されたことにより、国や地方自治体の関与する公共建築物への木材利用が推進され、2021年10月には「公共建築物等木材利用促進法」を改正した「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されたことにより、2050年のカーボンニュートラル実現と脱炭素社会の実現を目指し、木材利用を促進する対象が公共建築物だけでなく民間建築物にも拡大され、構造計算が必要となる大規模木造建築の建設需要が高まっております。 エヌ・シー・エヌでは創業以来、住宅を中心に3万棟以上の構造計算実績(2026年3月末時点)を有しており、その中で培った木造建築の耐震設計ノウハウを大規模木造建築へ転用し、非住宅分野での事業拡大を推進しております。 また、非住宅木造市場の拡大を受けて、SE構法以外の非住宅木造建築物の構造設計と生産設計を行うことを目的としてネットイーグル株式会社(福岡県福岡市 代表取締役社長 祖父江久好)との合弁会社である株式会社木構造デザインを2020年2月に設立し、大規模木造建築の構造計算ニーズの高まりに対応しております。 2022年10月には、大断面集成材加工や特殊加工、大規模木造建築の施工力に強みを持つ株式会社翠豊を子会社化し、大断面集成材の特殊加工や施工を事業化いたしました。また、2025年5月には、非住宅木造建築の「設計・サプライチェーン・施工・品質」を提供することに特化した「大規模木造建築ネットワーク」を設立し、顕在化する木造化のニーズに対応することで、大規模木造建築の構造設計から施工までワンストップでサービス提供できる体制を構築しております。 (2)その他 エヌ・シー・エヌグループでは、木造耐震設計事業を主軸としながら「日本に資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくる。」という目標を実現するため、省エネルギー計算サービスや長期優良住宅認定の代行サービス等、住宅の資産価値向上に向けた様々なサービスを手がけております。① 省エネルギー計算サービス等 エヌ・シー・エヌにおいて、省エネルギー計算サービス、補助金の受給に関するコンサルティングサービス及び長期優良住宅認定代行サービス等を提供しております。 省エネルギー計算サービスは、住宅の省エネルギーを表示する基準となるBEI値(住宅の一次エネルギー(注3)消費量)を計算するサービスを提供しております。2021年4月から住宅の省エネルギー性能の説明が義務化され、2025年4月からは、法改正により、すべての建築物・住宅において省エネルギー基準への適合が義務化されました。エヌ・シー・エヌではSE構法による住宅だけでなく、施設建築物やリノベ―ション物件などにもサービス領域を拡大し、木造建築の省エネルギー計算サービスの拡充を図っております。 また、補助金の受給に関するコンサルティングサービスにおいては、従来の木造住宅向けのサービスに加えて、木造非住宅物件向けの「ZEB(Net Zero Energy Building)(注4)」認証の取得申請サポートサービスを開始しております。 長期優良住宅認定の代行サービスは、国が認定する「長期優良住宅」の認定取得に係る各種手続きをサポートする登録施工店向けのサービスとして展開しております。 ② BIM事業 エヌ・シー・エヌの連結子会社である株式会社KINO BIMにおいて、木造住宅に対して3次元CADデータ(BIM(注5)データ)生成技術を普及促進する事業を行っております。木造住宅の間取りやデザインに3次元CADデータ(BIMデータ)を用いることにより、構造加工品などの3次元製造図の自動作成、付属する部材のリスト作成、施工図の自動生成など、設計から施工までのデータの一元化を実現し、資産価値の高い住宅を提供するため、BIMソリューションの開発及び販売を行っております。 2021年10月より株式会社KINO BIMがこれまでに培ったBIMに関するノウハウとモデリング技術を活用した高画質空間シミュレーションサービス「MAKE ViZ」を提供しております。 また、BIMデータは、建築後の保守用途としても利用が可能であり、住宅の資産価値向上に寄与することから、エヌ・シー・エヌはBIMソリューションの開発及び販売を積極的に推進してまいります。 (注1) SE構法SE(Safety Engineering)構法は、従来、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を木造住宅に取り入れ、安全かつ便利に利用できるようにシステム化したエヌ・シー・エヌ独自の木造建築用の建築システムであります。(注2) 許容応力度計算許容応力度計算とは、小規模な建築物に用いられる構造計算方法であり、建築物にかかる固定荷重や積載荷重に地震力などの長期荷重、及び短期荷重を想定して応力(部材等の内部に生じる抵抗力のこと)を算出し、それぞれの部材が応力に耐えられるかどうかを許容応力度(限界点)と比較するものです。(注3) 一次エネルギー化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など自然から得られるエネルギーを「一次エネルギー」、これらを変換・加工して得られるエネルギー(電気、灯油、都市ガス等)を「二次エネルギー」といいます。建築物では二次エネルギーが多く使用されており、それぞれ異なる計算単位(kWl、l、MJ等)で使用されています。それを一次エネルギー消費量へ換算することにより、建築物の総エネルギー消費量を同じ単位(MJ、GJ)で求めることができるようになります。一次エネルギー計算とは、建築物に導入される設備機器の仕様から年間の設計一次エネルギー消費量を算出することです。(注4) ZEBNet Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、建物で消費するエネルギーを削減し(省エネ)、使用するエネルギーは自ら生産する(創エネ)ことにより正味(Net)の年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。(注5) BIMBuilding Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略称で、コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションです。 [エヌ・シー・エヌグループの状況] 以上述べた事項について、事業展開しているエヌ・シー・エヌグループの状況を図によって示すと次のとおりであります。 (注) 株式会社KINO BIM、株式会社木構造デザイン及び株式会社翠豊は連結子会社であります。 N&S開発株式会社、株式会社MUJI HOUSE、SE住宅ローンサービス株式会社及び株式会社イデーユニバーサルは、持分法適用関連会社であります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 エヌ・シー・エヌグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてエヌ・シー・エヌグループが判断したものであります。(1)経営方針 エヌ・シー・エヌグループは、「日本に安心・安全な木構造を普及させる。」「日本に資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくる。」ことを目標としております。その上で、この国の木造住宅の資産価値を維持向上させることをエヌ・シー・エヌグループの取り組む課題と捉え、その解決に向け次の5つのテーマを掲げております。・住宅の安全性の確保(大地震発生時の安全性)・住宅の耐久性の確保(経年劣化に対する対策)・住宅の利用価値の確保(間取りの可変性)・住宅の品質に対する第三者による証明(流通価値の確保)・住宅のデザイン品質の確保(時代の変化に耐えられる普遍的デザインの追求) これらのテーマについてはエヌ・シー・エヌグループのみでは解決が困難であることから、全国の工務店を中心とした建設会社とのネットワークを形成し、その問題解決を図り、社会の仕組みとして築き上げてまいります。 (2)経営戦略等 エヌ・シー・エヌグループは、以下の事項を成長戦略と位置づけ、事業の拡大を図ってまいります。 ① 住宅分野での事業拡大 2026年3月期末時点の登録施工店は637社であります。耐震性の高い木造住宅の更なる普及に向け、工務店を中心とした新規顧客の開拓を着実に進めてまいります。また、登録施工店に対するサービス内容やサポート体制を適宜見直し、登録施工店におけるSE構法採用率の向上に向けた取り組みを推進しております。 高付加価値の工務店ブランドである「重量木骨の家」についても、注目度・認知度を更に上昇させるべく、WEBサイトコンテンツの充実やSNSを活用した情報発信などのプロモーションを積極的に推進し、ブランディングを強化します。 今後も、登録施工店ネットワークを通じたSE構法の更なる普及により、住宅分野の収益基盤の拡大を図ってまいります。 ② 大規模木造建築(非住宅)分野での事業拡大 2010年10月施行の「公共建築物等木材利用促進法」を改正した「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が2021年10月に施行され、木材利用を促進する対象が公共建築物だけでなく民間建築物にも拡大されたことにより、大規模木造建築(非住宅)の建築需要が更に高まり、エヌ・シー・エヌグループの受注は堅調に推移しております。 そのような環境の中、エヌ・シー・エヌでは株式会社ネットイーグルとの合弁会社として「株式会社木構造デザイン」を2020年2月に設立し、SE構法以外の大規模木造建築(非住宅)の構造計算及び生産設計を事業化するとともに、ゼネコン・設計事務所と構造加工工場をつなぐ大規模木造マッチングプラットフォーム事業を推進しております。 また、大断面集成材加工や特殊加工、大規模木造建築の施工力に強みを持つ株式会社翠豊を2022年10月に子会社化し、大断面集成材の特殊加工や施工を事業化することで、大規模木造建築のワンストップサービスを提供する体制を整備いたしました。 加えて、非住宅木造建築市場のニーズの高まりと課題に対するソリューションが早急に求められている背景から、大規模木造建築の見積り検討や施工に対応する「大規模木造建築ネットワーク」を新たに設立し、2025年7月1日から活動を開始しております。 今後も引き続き、大規模木造非住宅建築に対応した設計システム等の技術研究開発や、構造加工品等の生産・供給体制を更に強化し、エヌ・シー・エヌグループとして大規模木造建築(非住宅)分野における収益の拡大を図ってまいります。 ③ 新分野への投資の拡大 エヌ・シー・エヌグループでは、新しい住まい方やライフスタイルに関する研究・企画開発を行う企業に投資を行い、事業領域の拡大を図っております。 これまで、小屋・可動産活用による遊休地の企画・開発事業やまちづくり支援事業を行うYADOKARI株式会社との資本業務提携や、サブスク型セカンドハウス事業を行う株式会社Sanuとの合弁会社N&S開発株式会社の設立など、エヌ・シー・エヌグループの木造に関する知見や構造計算ノウハウを活用した新しいビジネスモデルの創出と展開を進めてまいりました。 N&S開発株式会社では、セカンドハウスの商品開発を行うとともに、エヌ・シー・エヌグループの施工店ネットワークを利用したセカンドハウス建設の取り組みがスタートしております。SE構法がスペックインされた「SANU Apartment(海SANUに設営される宿泊棟)」が千葉県一宮町で竣工し、2024年4月から営業を開始しているほか、新商品の開発およびN&S開発株式会社によるセカンドハウス建設の取り組みが進捗しております。 今後も新たな分野への投資を継続し事業規模の拡大を推進してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 エヌ・シー・エヌグループでは主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益を注視し、収益性の指標に営業利益率を掲げているほか、資本及び資産の効率性判断の指標にROE(自己資本利益率)、財務の安定性判断の指標にネットキャッシュ(注1)及び、流動資産構成比率(注2)を掲げております。達成状況につきましては、月次の取締役会等で定期的にモニタリングを行ってまいります。(注1)ネットキャッシュは以下の方法にて算定しております。ネットキャッシュ=現金及び預金-有利子負債-預り保証金(注2)流動資産構成比率は以下の方法にて算定しております。流動資産構成比率=流動資産÷総資産 (4)経営環境 エヌ・シー・エヌグループが属する住宅業界では、政府公表の新設住宅着工戸数は、2025年度(2025年4月~2026年3月)は71万1,171戸(前期比12.9%減)となりました。持家(戸建て注文住宅)の新設住宅着工戸数においても、2025年度は19万5,111戸(前期比12.6%減)となりました。 2022年6月通常国会において決議されました建築基準法の一部改正につきましては、2025年4月より木造住宅の省エネルギー性能の確保が義務となり、従来の基準より高度な省エネルギー性能基準の適用がはじまりました。木造における確認申請基準(4号特例)も改定され、2025年4月からは2階建ての木造住宅にも構造建築確認申請が実施されることとなりました。 さらに、2026年4月からは、木造住宅における簡易設計(壁量計算)の基準強化(壁量の増加)が実施され、簡易計算法を利用している在来工法では間取りの制限が多くなることから、エヌ・シー・エヌが提供するSE構法の優位性が高まることが想定されております。 また、非住宅建設市場においては、建築基準法の改正よる着工の遅れ、建設資材の高止まり、人件費の高騰などにより、2025年(2025年1月~2025年12月)の非住宅建築物の新築着工棟数は60,115棟(前期比83%)、うち木造での新築着工棟数は16,741棟(前期比94%)と減少しました。一方で、工事予算額は9,461億円(前期比106%)となり、市場規模は拡大しております。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 エヌ・シー・エヌグループにおける経営方針、経営戦略を実現するための対処すべき課題は以下のとおりであります。 ① 建築基準法改正への対応 2022年6月の通常国会において、建築基準法の一部改正が決議され、2025年4月より木造住宅の省エネルギー性能の確保が義務となり、従来の基準より高度な省エネルギー性能基準の適用がはじまりました。木造における確認申請基準(4号特例)も改定され、2025年4月からは2階建ての木造住宅にも構造建築確認申請が必要となり、2026年4月からは、木造住宅における簡易設計(壁量計算)の基準強化(壁量の増加)が実施されました。さらに、簡易計算法を利用している在来工法では間取りの制限が多くなることから、エヌ・シー・エヌが提供するSE構法の優位性が高まることが想定されております。 そのような状況の中、創業以来木造住宅の耐震構造設計と省エネルギー設計を主業務とするエヌ・シー・エヌグループでは、ニーズ増大に対応すべく、サービスの拡充及び受注増加に向けた社内体制の整備をすすめてまいります。 ② 木造耐震設計事業住宅分野の営業体制及び構造設計体制の強化と収益の拡大 エヌ・シー・エヌグループは、木造耐震設計事業を主力事業としておりますが、この事業の安定的・継続的な発展が収益基盤の基礎として必要であると考えております。そのためには、登録施工店ネットワークの継続的な拡大に向けて、工務店を中心とした新規顧客の開拓を着実に進めていくことが必要不可欠であると考えております。 また、建築基準法の改正に伴う構造設計ニーズの増大に対応するため、営業体制及び構造設計体制の強化が課題であると考えており、人員の配置転換や人材採用・育成制度の整備等による体制強化を進めてまいります。併せて、登録施工店に対するサービス内容やサポート体制を適宜見直し、受注体制を整備するとともに登録施工店におけるSE構法採用率の向上に向けた取り組みを推進してまいります。 高付加価値の工務店ブランドである「重量木骨の家」については、パートナー工務店の拡大とともに、WEBプロモーションを推進し、引き続きブランド化を進めてまいります。 今後も、登録施工店ネットワークを通じたSE構法の更なる普及により、住宅分野の収益基盤の拡大を図ってまいります。 ③ 省エネルギー計算サービス等の環境設計量産体制の構築と収益の拡大 2021年4月から住宅の省エネ性能の説明が義務化され、建築基準法が改正された2025年4月からは、従来の基準より高度な省エネルギー性能基準を確保することが義務化されました。 エヌ・シー・エヌグループでは2010年から省エネ計算サービスを開始しておりますが、ニーズの高まりを受け、住宅だけでなく、リノベーションや施設建築物までサービス領域を拡大しており、マンションリノベーションにおける省エネ化推進では、大手マンション再販業者との提携を推進しております。 また、補助金の受給に関するコンサルティングサービスにおいては、従来の木造住宅向けのサービスに加えて、木造非住宅物件向けの「ZEB(Net Zero Energy Building)」認証の取得申請サポートサービスを提供しております。 今後もサービスの拡充、木造建築の省エネルギー計算サービスの量産体制の整備等により、収益基盤の拡大を図ってまいります。 ④ 木造耐震設計事業大規模木造建築(非住宅)分野でのワンストップサービスの提供と収益の拡大 2010年10月施行の「公共建築物等木材利用促進法」を改正した「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が2021年10月に施行され、木材利用を促進する対象が公共建築物だけでなく民間建築物にも拡大されるとともに、脱炭素社会の実現に向けて積極的に木材を活用し、森林の適正な整備や木材自給率の向上を目指すこととなりました。 そのような状況を踏まえて、集合住宅や病院・保育園等においても木造建築のニーズが高まっておりますが、これら住宅よりも規模の大きい木造建築においては、エヌ・シー・エヌグループがこれまで培った構造計算ノウハウが必要となることから、エヌ・シー・エヌグループの成長分野として位置づけ、構造設計から加工、施工までエヌ・シー・エヌグループ独自の大規模木造建築に関するワンストップサービスを提供しております。 具体的には、エヌ・シー・エヌで取り組むSE構法による大規模木造建築の構造設計及び構造加工品の提供に加えて、株式会社木構造デザインでは、SE構法以外の大規模木造建築の構造計算をおこなうことで、大規模木造建築の構造計算ニーズの高まりに対応しております。 また、大断面集成材加工や特殊加工、大規模木造建築の施工力に強みを持つ株式会社翠豊を2022年10月1日付で子会社化し、大断面集成材の特殊加工や施工を事業化することで、大規模木造建築のワンストップサービスを提供する体制を整備いたしました。 加えて、非住宅木造建築市場のニーズの高まりと課題に対するソリューションが早急に求められている背景から、大規模木造建築の見積り検討や施工に対応できる「大規模木造建築ネットワーク」を新たに設立し、2025年7月1日から活動を開始しております。 今後も大規模木造建築に対応した設計システム等の技術研究開発や、構造加工品等の生産・供給体制を更に強化し、エヌ・シー・エヌグループとして非住宅分野における収益の拡大を図ってまいります。 ⑤ SE構法のバージョンアップによる市場競争力の強化 エヌ・シー・エヌ独自の建築システムであるSE構法は、提供開始以来3万棟以上の木造建築に採用され、耐震性の高い住宅や大規模木造建築の普及を牽引してきましたが、2026年の建築基準法厳格化や、多様化・大型化する大規模木造建築へ対応するため、更なる性能向上が必要と考えております。そのような状況の中、エヌ・シー・エヌでは、2025年4月1日付で一般財団法人日本建築センターの構造評定を取得し、新たな構造評定によるSE構法の新バージョン「SE構法Ver.3」の販売を開始いたしました。「SE構法Ver.3」では、適用範囲の拡大や性能強化により、設計自由度が拡大いたしました。エヌ・シー・エヌでは、従来品よりコストを抑え、且つ性能を向上させることで、SE構法の市場競争力を強化し、更なる事業拡大を推進してまいります。 ⑥ 構造加工品の供給体制の強化 エヌ・シー・エヌグループは全国の構造加工工場と構造加工委託契約を締結し、集成材等の加工を委託しております。 当事業年度においては、新たな構造加工工場として、株式会社山西及び株式会社テクセルの稼働準備が進展し、2026年4月以降の指定構造加工工場は全国14工場となっております。 今後も住宅分野及び非住宅分野の拡大に対応して構造加工工場の増設を行うとともに、M&Aによる構造加工の内製化も視野に、供給体制の強化を図ってまいります。 ⑦ 新技術への対応とDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進 近年の急激なデジタル化の流れを受けて従来のサービスのみならず、顧客の利便性や企業価値向上に直結するデジタルソリューションの活用が競争優位性を維持するために必要であると考えております。 エヌ・シー・エヌグループでは、市場ニーズに適時対応していくために、BIMやGemini等の生成AIなど新技術の研究を進め、それらの新技術を活用したサービス開発や業務の効率化等を推進してまいります。 ⑧ 内部管理体制の強化 エヌ・シー・エヌグループが更なる事業拡大、継続的な成長を遂げるためには、確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化と効率化の徹底が重要であると考えております。 エヌ・シー・エヌグループとしましては、内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させることによって、内部管理体制の強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。 ⑨ コンプライアンス体制の強化 エヌ・シー・エヌグループは、法令、定款及び社内規程等の遵守は勿論のこと、日々の業務を適正かつ確実に遂行し、クリーンで誠実な姿勢を企業行動の基本として、顧客の信頼を得ると同時に事故やトラブルを未然に防止する取り組みを強化してまいります。 今後、更なる事業拡大と企業価値の向上に向けて、引き続き日常業務における関連法令の遵守を徹底し、各種取引の健全性の確保、情報の共有化等を行うとともに、全社員を対象としたコンプライアンス研修の実施など社内啓蒙活動を実施し、透明性のある管理体制の構築を図ってまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてエヌ・シー・エヌグループが判断したものであります。 (1)住宅市況及び金利状況、経済情勢の変動について エヌ・シー・エヌグループが属する住宅業界は、景気動向、金利動向、地価動向並びに住宅税制等の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化や大幅な金利上昇、地価の上昇並びに住宅税制等の諸情勢に変化があった場合には、住宅購入者の購入意欲を減退させる可能性があります。また、人口動態及び世帯数の推移の影響も受けるため、国内における人口及び世帯数が減少する局面においては、国内における住宅需要の減少要因となる可能性があります。これら経済情勢等が変動した場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法的規制等についてエヌ・シー・エヌグループの事業は、建築基準法、建設業法、建築士法及び関連する各種法令により規制を受けております。エヌ・シー・エヌグループでは、事業継続のため、これらの法令等を含めたコンプライアンスが遵守されるよう、役職員に対して研修等を通じて周知徹底を図ることで、これらの適用法令等に対応できる体制を構築しており、現時点で事業継続に支障をきたす事項はありませんが、今後、何らかの理由により適用法令等の違反が発生した場合には、処罰、処分その他の制裁を受け、エヌ・シー・エヌグループの社会的信用やイメージが毀損することにより、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、建設業法や建築士法等をはじめ有資格者の選任・配置が義務づけられている場合については、適法に事業活動ができるようその確保に努めており、現時点では必要な有資格者を確保できておりますが、今後、何らかの理由によりそれらが十分に確保できなかった場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの適用法令等の改廃や、新たな法的規制が設けられた場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、適用法令等について、その有効期間やその他の期限が法令等により定められているものは下表のとおりであります。許認可等の名称許認可登録番号有効期間関係法令許認可等の取消事由一級建築士事務所東京都知事登録第53799号2022年8月15日~2027年8月14日建築士法同法第26条特定建設業許可国土交通大臣許可(特7)第23620号2025年7月8日~2030年7月7日建設業法同法第29条宅地建物取引業免許東京都知事(2)第101790号2023年3月24日~2028年3月23日宅地建物取引業法同法第66条 (3)国や地方自治体の施策による影響について エヌ・シー・エヌグループの事業に関連する国の施策として、2013年12月に「国土強靭化基本法」が施行され、2014年6月には「国土強靭化基本計画」が閣議決定されました。さらに、取り組むべき具体的な個別施策等を示した「国土強靭化アクションプラン」が策定され、国土強靭化の取り組みは本格的な実行段階にあります。「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」に基づく国の基本方針においては、南海トラフ地震防災対策推進基本計画(2014年3月中央防災会議決定)及び首都直下地震緊急対策推進基本計画(2014年3月閣議決定)、住生活基本計画(2016年3月閣議決定)における目標を踏まえ、住宅の耐震化率について、2025年までに少なくとも95%にすることを目標とするとともに、2030年までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標とし、耐震化の促進を図っています。2018年時点の住宅の耐震化率は、約87%となっており、今後エヌ・シー・エヌグループが提供する耐震性の高いSE構法に対するニーズが増加していくことが予想されます。 また、2050年のカーボンニュートラル実現と脱炭素社会の実現を目指し、2010年10月に施行された「公共建築物等木材利用促進法」を改正した「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が2021年10月に施行され、木材利用を促進する対象が公共建築物だけでなく民間建築物にも拡大されるとともに、脱炭素社会の実現に向けて積極的に木材を活用し、森林の適正な整備や木材自給率の向上を目指すこととなりました。そのような状況の中で、非住宅木造建築市場は拡大傾向にありますが、今後、さらに市場が拡大していくことが予想されます。 しかしながら、今後これらの施策が変更された場合には、市場の成長が鈍化し、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(4)原材料価格の変動について エヌ・シー・エヌグループでは、SE構法の材料として、集成材、木材、合板及びパーティクルボードを使用しております。集成材、木材、合板及びパーティクルボードは、主に国内のメーカーから調達していますが、伐採量、消費量等需給バランスの変化によって相場が変動することにより、流通価格が変化します。また、中東情勢の緊迫化に伴う国内の原油及びナフサの不足により、建築資材の価格が高騰する可能性があります。今後、原材料の相場変動に伴い流通価格が大きく変化した場合、販売価格への転嫁により適切な利益を確保するよう努めますが、急激な原材料価格の変動により、販売価格への転嫁がタイムリーに行えない場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)競合について エヌ・シー・エヌグループは、工務店を中心とした登録施工店ネットワークを通じて、エヌ・シー・エヌが独自に開発した木造建築用の建築システムであるSE構法を提供しております。SE構法では、構造計算から構造加工品の供給・省エネルギー計算・施工・検査・性能保証等まで一括管理することにより、木造建築の耐震性等において他社に対する優位性を確保していると考えておりますが、資本力、営業力及びブランド力等に優れる企業との競合の結果、エヌ・シー・エヌグループが想定どおりの事業拡大を図れない場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)構造加工工場への依存について エヌ・シー・エヌグループが提供するSE構法では、構造加工工場で加工した構造加工品を利用するため、加工能力、工期、コスト及び品質等を勘案し、一定の技術を有する全国の指定構造加工工場へ原材料(集成材)の加工を委託しておりますが、構造加工工場の予期せぬ業績不振や事故等により事業を継続できなくなるなどの不測の事態が発生した場合は、構造加工品の提供遅延等によりお客様及び登録施工店等への損害賠償等が発生する可能性があり、その場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)物件着工時期の遅れによる業績への影響について エヌ・シー・エヌグループの木造耐震設計事業においては、大半の売上が構造加工品の納品時に計上されますが、天災地変、事故、また、中東情勢の緊迫化に伴う国内の原油及びナフサ不足による建築資材の不足、その他予期し得ない要因により、物件の着工遅延等の不測の事態が発生した場合、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)システムについて エヌ・シー・エヌグループでは、建築図面のデータ入力や構造計算、省エネルギー計算並びに構造加工工場との連携など、事業の基幹となる部分に各種システムを活用しております。エヌ・シー・エヌグループでは、今後とも業務の効率化による生産性向上等に向けて、新しいシステムを自社開発又は他社への委託、もしくは他社からのシステム購入等により確保していく方針でありますが、新システムの開発、購入等には多額の費用が必要となる可能性があり、その結果、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、エヌ・シー・エヌグループは、システムの冗長化及びデータベースのバックアップを行っておりますが、当該システムの障害、大規模広域災害、もしくはコンピュータウイルス等によるデータベースへの影響又はシステムサービスの中断等により、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)構造設計及び品質保証等について エヌ・シー・エヌグループが提供するSE構法による建物については、すべての建物について構造計算を行っておりますが、構造等に関する法改正が行われた場合や、何らかの理由により構造計算書の偽装等、建物の構造に係わる問題が発生した場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、SE構法による住宅については、エヌ・シー・エヌ独自のSE住宅性能保証による長期保証システムを提供し、耐震性及び品質管理に万全を期しておりますが、長期にわたるサポート期間の中で、予期せぬ事情により重大な品質問題が発生した場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)特定人物への依存及び人材確保に係るリスクについて エヌ・シー・エヌグループでは、事業拡大に伴い優秀な人材の確保とその育成は重要な課題となっており、人材採用と人材育成に関する各種施策を継続的に講じております。しかしながら、十分な人材確保が困難になった場合や、人材が外部に流出した場合には、エヌ・シー・エヌグループの今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 またエヌ・シー・エヌでは、代表取締役社長執行役員である田鎖郁夫の木材業界及び住宅業界並びに建築業界における長年の経験と豊富な知見に依存している面があります。このためエヌ・シー・エヌグループでは、特定の人物に過度に依存しない体制を構築すべく経営組織及び各部門の専門的なスキルを有するスタッフの強化を図っておりますが、これらの役職員が何らかの理由で退任、退職し、後任者の採用が困難になった場合には、エヌ・シー・エヌグループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟等の可能性について エヌ・シー・エヌグループは、事業展開において建築基準法、建設業法、建築士法及び関連する各種法令を遵守し、事業活動を推進しておりますが、お客様又は登録施工店との認識の齟齬その他に起因して、クレーム・トラブル等が発生する可能性があります。エヌ・シー・エヌグループにおいては、弁護士等の関与の下、必要な協議・対応・手続を行っており、現在、重大な訴訟事件等は生じておりません。 しかしながら、今後において、これらクレーム・トラブル等に起因して重大な訴訟等が提起された場合には、エヌ・シー・エヌグループに対するお客様からの信頼低下、並びに損害賠償請求訴訟の提起等により、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)個人情報等の漏洩等について エヌ・シー・エヌグループは、営業活動に伴い個人情報を取り扱う場合があり、慎重な対応と厳格な情報管理の徹底が求められております。エヌ・シー・エヌグループは、これらの重要な情報の漏洩、紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含めて情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、これらの対策にもかかわらず重要な情報が外部に漏洩した場合には、エヌ・シー・エヌグループの社会的信用等に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下によりエヌ・シー・エヌグループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (13)知的財産権について エヌ・シー・エヌグループは、エヌ・シー・エヌグループの提供するサービスの基礎をなす技術について特許権を出願し取得するとともに、各種の商標を登録しております。しかし、現時点で権利取得に至っていない権利について、今後これらの権利を取得できるという確実性はありません。また、特許申請の必要性について社内検討し、弁護士や弁理士と連携の上、速やかに特許申請を行う方針ですが、特許申請をしない方が競争優位に立てると判断した場合は特許申請を行わない場合もあります。慎重に判断を行い権利保護に努めておりますが、他社による模倣を効果的に防ぐことができない可能性もあります。一方で、エヌ・シー・エヌグループの事業分野において、国内外の各種事業者等が特許その他の知的財産権を取得した場合、その内容次第では、エヌ・シー・エヌグループに対する訴訟やクレーム等が発生し、エヌ・シー・エヌグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、エヌ・シー・エヌグループでは、第三者に対する知的財産権を侵害することがないよう慎重に事業活動を行っておりますが、エヌ・シー・エヌグループの事業分野における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であり、万一エヌ・シー・エヌグループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償又は使用差止めなどの請求を受ける可能性があります。これらの事態が発生した場合、エヌ・シー・エヌグループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (14)ソフトウエアの資産計上に伴う費用化についての影響 エヌ・シー・エヌグループは、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会 1998年3月13日)に従い、自社利用のソフトウエアについて、適切に資産計上及び減価償却を行っております。しかしながら、各事業の事業収益が悪化した場合には、減損会計の適用による減損処理が必要となる場合があり、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)事業投資及び子会社株式の評価に係るリスクエヌ・シー・エヌグループでは、グループシナジーのある事業への投資を今後も継続してまいりますが、投資先企業の業績が悪化し子会社株式、投資有価証券について減損損失の適用対象となった場合には、これら資産の評価切り下げにより損失が発生し、エヌ・シー・エヌグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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