アディッシュグループは、アディッシュ(アディッシュ株式会社)と連結子会社2社(アディッシュプラス株式会社、adish International Corporation)により構成されており、ソーシャルメディア(注1)やコミュニケーションサービス(注2)などの情報領域で発生する課題を解決し、利用者にとって健全で心地よい“居場所”をつくることを目的とした「カスタマーリレーション事業」を提供しております。
現在、スタートアップを中心としたインターネット関連産業では、SNSやブログなどのソーシャルメディア、ソーシャルアプリ(注3)やスマートフォンアプリに加え、シェアリングエコノミー(注4)、Fintech(注5)、MaaS(注6)など様々な領域において新たなサービスが生まれ提供されております。
アディッシュグループは、今後の日本経済の成長の鍵となるスタートアップがグロースできるように支援することに注力しております。これまでアディッシュが培ってきたカスタマーに係るノウハウを活かし、スタートアップによるカスタマーサクセス(注7)の実現に向けた様々な課題を解決するための支援として、カスタマーサクセスコンサルティングから施策の実行、改善提案などを推進するとともに、カスタマーサポートの体制構築・リソース提供など複合的なサービスの提供を行っております。
また、新たなサービスが発展する一方で、社会通念上不適切と思われる書き込みや行為による被害が発生するなど、デジタルエコノミー特有の課題があり、これらの課題に対処するためのサービスを提供することにより、人と人のつながりあるいは人と企業などのつながりを支援し、インターネットを通じた社会が、健全で心地よいものとなるよう貢献するための事業展開を推進していきたいと考えております。
「カスタマーリレーション事業」は以下の2つのサービスに区分しております。なお、アディッシュグループは「カスタマーリレーション事業」の単一セグメントであります。また、当連結会計年度より事業系統の見直しをおこない、「インターネットモニタリング」をアダプション支援サービスに変更しております。
1.グロース支援サービス
企業が成長する際に必要となるカスタマーに関する課題を解決するサービスであり、以下のサービスを複合的に提供しております。
・カスタマーサクセス総合支援
スタートアップが急成長に伴い抱える課題の解決を支援するサービスであります。カスタマーサクセスコンサルティングからリソース支援など総合的に支援しております。
・ソーシャルアプリサポート
利用者からのお問い合わせを顧客企業に代わって対応するカスタマーサポートサービスであります。電話、メール及びチャットを利用したカスタマーサポートに対応しており、海外市場に向けてサービス展開をしている顧客企業にも幅広くサポートするために10ヵ国語以上の言語に対応しております。
2.アダプション支援サービス
デジタルエコノミーに適応する上での課題を解決するサービスであり以下のサービスを複合的に提供しております。
・インターネットモニタリング
利用者の行う投稿を24時間365日体制でモニタリングし、不適切なものが発見された場合に、注意、報告、警告、非表示化などの対応を行うサービスであります。
・スクールガーディアン
学校生活上の課題となり得るネットいじめの可能性がある書き込みや、インターネットでの個人情報流出をモニタリングして生徒指導に活かしていくコンサルティングサービスであります。
・フロントサポート
企業がソーシャルメディアを活用して利用者に能動的に働きかけることで、利用者とのつながりを維持、向上させ、ファンコミュニティ(注8)を形成していくためのサービスであります。
・システムプロダクト
インターネットモニタリング、カスタマーサポートの技術及び知見を活かし、チャットボット(注9)サービス「hitobo」、誹謗中傷投稿AI検知サービス「matte」、SNS炎上対策サービス「Pazu」を提供しております。
(注)1.「ソーシャルメディア」とは、インターネット上で不特定多数の人が双方向でコミュニケーションをとることで、情報共有及び情報の拡散が発生するメディアのことであります。
2.「コミュニケーションサービス」とは、インターネット上で利用者が投稿する文章、画像、映像、音声などの様々なコンテンツをとおしてコミュニケーションを取ることができるサービスのことであります。
3.「ソーシャルアプリ」とは、SNSなどのソーシャルメディア上で利用できる、利用者同士のつながりや交流関係を機能に活かしたWebアプリケーションのことであります。
4.「シェアリングエコノミー」とは、主にインターネット上のプラットフォームを介して、遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しや利用をするサービスにより構成される経済圏を指します。
5.「Fintech」とは、金融を意味する「Finance」と、技術を意味する「Technology」を組み合わせた造語であります。ICTを駆使した革新的、あるいは破壊的な金融商品・サービス自体及びその潮流を意味しております。
6.「MaaS」とは、Mobility as a Serviceの略称で、マイカー以外のすべての交通手段による移動をひとつのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな移動の概念であります。
7.「カスタマーサクセス」とは、顧客が製品・サービスを使うことで成功し、望ましい結果を達成することを支援するビジネス方法と定義しております。
8.「ファンコミュニティ」とは、特定のサービスや製品などに対して熱狂的な愛好者が形成するコミュニケーションネットワークの総称と定義しております。
9.「チャットボット」とは、テキストや音声を通じて会話を自動的に行うプログラムのことであります。
[事業系統図]
アディッシュの事業の系統図は次のとおりであります。
アディッシュグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアディッシュグループが判断してものであります。
(1)経営方針
アディッシュグループは「つながりを常によろこびに(Delight in Every Connection)」をミッションに掲げ、「As In Your Hometown」というビジョンの実現を目指してサービスの開発及び提供をしております。
① つながりを常によろこびに
ソーシャルメディアやコミュニケーションサービスなどの多様化・発展によってもたらされた「つながり」は、人と人がつながるからこそ起きる新たな問題を生み、ときには社会問題のような大きな課題に発展することもあります。「つながり」から生じる課題を解決することを通じて、「つながり」が「よろこび」であり続けられる世の中の実現を目指しております。
② As In Your Hometown
情報技術の発展により、人と人とのやりとり、生活、コミュニティや社会のあり方が大きく変化しております。一方で、個人がアクセスできる情報の質や種類、量は立場や経験により大きく異なっており、同じ情報であっても、皆が同じようにアクセスでき、同じように感じるわけではありません。このような時代において、インターネットを通じた社会が、利用者にとって健全で心地よい「居場所」となるよう貢献していきたいと考えております。
このミッション及びビジョンのもと、アディッシュグループの持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
(2)経営戦略
アディッシュグループは、創業間もないスタートアップ企業から時価総額1,000億円を超える大手企業まで幅広くサービスを提供し安定的な成長を続けております。今後のさらなる成長に向け、アディッシュグループの得意とする事業領域に引き続き重点を置き、各事業領域におけるサービス提供のノウハウを集約することで、顧客企業に対し、より最適かつ最新のサービスを提供してまいります。
また、重点事業領域において事業を展開している顧客企業に対し、顧客企業のサービスの初期段階からカスタマーリレーションにおけるパートナー企業としてアディッシュグループのサービスを提供することで、顧客企業のサービス成長に寄与し、アディッシュグループの付加価値をより一層高めてまいります。
(3)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の増加や、インバウンド需要の増加に伴い、ゆるやかな成長がみられる一方、原材料価格の高騰や雇用環境改善に伴う人件費の引き上げ等による物価高も発生しています。
こうした環境のなか、IT市場は人手不足を背景に業務の効率化及び自動化を図ることに加え、業務の非対面化のために、新しいIT技術(AI、IoT及びRPAなど)を用いた既存システムの再構築や機能追加などの需要を受けて堅調に推移しており、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)(注1)事業の市場規模は、緩やかに増加するものと予測しております。
アディッシュグループが提供するカスタマーリレーション事業は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)市場に属し、2022年度の国内非IT系BPO市場は前年度比2.4%増の1兆9,191億円(事業者売上高ベース)で、2025年においては2兆円に達すると予測されており(注2)、今後も市場の拡大とともにカスタマーリレーション事業の需要拡大が見込まれる経営環境となっております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後アディッシュグループが成長を成し遂げていくために、対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
① 市場環境の変化に対応した価値提供
インターネット上では次々と新しいサービスが提供されており、新たな価値を生み出しているスタートアップ企業の成長を支援することがアディッシュグループの成長において重要であると考えております。そのため、アディッシュグループはユーザーサポートからカスタマーサクセスへと支援体制を転換し、サービス開発を進めてまいります。
② 人材の獲得
アディッシュグループの持続的な成長には、アディッシュグループの企業理念に共感し高い意欲を持った人材の確保、並びにその育成が重要であると認識しております。そのため、社員の紹介による採用の促進や採用PR活動を通してアディッシュグループの認知を高めるとともに、社員がそれぞれのキャリアを構築できるようになるべく、タレントマネジメントに取り組んでまいります。また、アディッシュグループでは各サービスを提供していくうえで、多数のオペレータースタッフを雇用しておりますが、労働人口の減少に伴い人材獲得における競争が激化しております。時代の変化を見据え、様々な人材が多様な働き方を選択できる環境整備とともに、採用活動の高度化を一層強化してまいります。
③ 新規サービス開発、M&Aなどによる新たな収益基盤の創出
アディッシュグループは、これまでに既存のビジネス領域から派生した再考アラートサービス「matte」、SNS炎上対策サービス「Pazu」を開発してまいりました。今後も新規開発に取り組み、新たな収益源を確立していくことが、持続的な成長と中期的な企業価値向上に不可欠であると考えております。
アディッシュグループにおいては、社会的問題の解決とアディッシュグループの成長を両立すべく、SDGsやソーシャルグッドに関する様々な社会テーマに沿った新規サービスの開発に取り組んでまいります。また、新規サービスの開発において、ビジネスパートナーの開拓やM&Aなども積極的に推進してまいります。
④ 技術の革新
アディッシュグループは、人の目による精度の高いサービス提供を中心に行ってまいりましたが、昨今のAI(注3)やRPA(注4)などによる自動化が広がりつつあり、これらを活用した業務プロセスの効率化が求められております。アディッシュグループはそのための技術研究開発を行っており、今後も継続して推進してまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
アディッシュグループは、今後もサービス開発を行っていくことで事業の拡大を見込んでおりますが、事業の拡大及び継続的な成長を実現していくためには、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化が重要であります。内部統制及び管理部門を強化し、より一層コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。
⑥ 財務体質の強化
アディッシュグループは、安定した財務基盤のもと、手許資金の充実を図ることで財務健全性を確保し、成長への計画的な投資及び機動的な投資などに対応できる体制を整えるとともに、営業費用のコントロールなどによるフリーキャッシュ・フローの確保に取り組み、財務体質の強化に努めてまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
アディッシュグループが提供するカスタマーリレーション事業は、ストック型ビジネスモデルであると認識しております。このため、契約獲得数の増加及び契約保有数に対する解約率を意識しております。そのうえで、企業価値の増大を目指すため、「売上高」と「経常利益」を重要な経営指標としております。
2024年2月14日に公表いたしました2024年12月期の連結業績予想においては、売上高3,956百万円、営業利益36百万円、経常利益36百万円を計画しております。
(注)1.「ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)」とは、業務プロセスの効率化を目的として、企業が社内の業務の一部を外部に委託することを表す言葉であります。
2.出典:BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査結果(矢野経済研究所調べ)
3.「AI」とは、Artificial Intelligenceの略で人工知能を指し、人間の知的ふるまいの一部をソフトウエアを用いて人工的に再現したものであります。
4.「RPA」とは、Robotic Process Automationの略で、ロボットによるホワイトカラーの業務の効率化・自動化の取り組みを表す言葉であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてアディッシュグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業の環境、外部環境
① 市場の動向について
アディッシュグループは、インターネット関連サービス市場を主たる事業領域としており、アディッシュグループの事業はこれらの市場動向の影響を受けております。インターネット関連サービス市場には、アディッシュ設立後もシェアリングエコノミー、Fintech、MaaSといった新たな事業領域が生まれており、その利用者も急激に増加しておりますが、将来においてインターネットに代わる新たなサービスが提供され、インターネットを利用する機会が減少した場合、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
アディッシュグループが提供するカスタマーリレーション事業における主な事業領域は、今後も成長が期待されている市場であるため、新たに参入してくる競合企業が出現する可能性があり、アディッシュグループの提供するサービスと比較して低コスト・高品質となった場合に、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新たな技術などを利用したサービス、あるいは新たなビジネスモデルが登場し、アディッシュグループの対応が遅れた場合に、アディッシュグループのサービスが不適応化するおそれがあります。その場合、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 新サービスの開発
アディッシュグループは、インターネット関連サービス市場を主たる事業領域として、新たなインターネット関連サービスが急激に拡大した際に生じる課題に対して、カスタマーリレーション事業の提供及び新しいサービスを提供していく予定であります。新サービスの開発にあたっては、市場のニーズ及び技術の動向を注視しながら慎重に検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該サービスを取り巻く環境の変化などにより、計画どおりの成果が得られない場合、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 教育予算の動向について
アディッシュグループの一部の事業は、各都道府県など教育委員会、公立学校、私立学校法人にサービスを提供しているため、政府及び地方自治体の教育予算の動向に影響を受けます。政府及び地方自治体の教育予算の方針変更あるいは財政状況の悪化により教育予算が削減された場合、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業上のリスク
① 契約解約について
アディッシュグループは、サービス提供先との契約期間を原則6か月間とし、期限到来後は同じ契約期間毎の更新となっております。契約期間内に解約する場合には、原則として一方の当事者が相手方に3か月前に書面で通知することにより解約が成立する内容となっており、アディッシュグループの意思とは関わりなく突発的な解約が発生する可能性があります。今後、収益性の高い取引先の解約が多発した場合には、アディッシュグループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② データの取得について
アディッシュグループは、インターネットモニタリングにおいて、ソーシャルメディア上で生成されたデータをAPI連携により自動的に収集しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営方針の変更により制限が加えられた場合や禁止された場合に、データの取得が困難になることから、サービスの提供内容及び品質に影響するおそれがあります。また、データを取得するための新たな手段を構築するための対応コストが発生した場合、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ ネットワークトラブルについて
アディッシュグループは、顧客企業及び利用者のニーズに対応するため、24時間365日のサービス提供体制を構築しておりますが、その業務環境は通信ネットワークに依存しており、サーバーなどの自社設備や第三者の通信設備などのインターネット接続環境が良好に稼働することが前提であります。そのため、サーバーの停止、コンピュータウィルスによる被害、外部からの不正侵入、システムの不具合、災害や停電などによる通信ネットワークの切断などが生じた場合には、サービスの提供に支障をきたし、また、ネットワークトラブルの障害や不具合の原因がアディッシュグループにあった場合には、顧客企業からの信用が低下し、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 情報漏洩について
アディッシュグループにおけるサービス提供において、一部個人情報を含む機密情報や、顧客企業のサービス提供における機密情報を扱っており、これらの情報に関しては高い水準の情報管理体制の構築及び運用が求められております。アディッシュグループにおいては、ISMSの認証取得及びプライバシーマークの認定取得に加えて、顧客企業の機密情報が外部に漏洩することのないよう、アディッシュグループ関係者などとの間で秘密保持契約を締結するとともに、設備面においてもアカウント管理システム、入退室管理システム及び監視カメラ設置などの諸施策を講じております。しかしながら、アディッシュグループにおいて、業務上知り得た機密情報などについて何らかの要因により外部への流出などが生じた場合には、顧客企業からの信頼を著しく低下させ、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人材の獲得及び育成について
アディッシュグループは、顧客企業に価値を提供し続けるためには、事業を築いていける人材の確保とその育成が重要な課題と認識しており、社内コミュニケーションの強化、人材育成と抜擢及び外部からの人材登用に努めております。しかしながら、アディッシュグループが属する業界での人材獲得競争が激化することにより、アディッシュグループの人材が外部に流出することや、人材の確保に支障をきたす場合があり、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、アディッシュグループのサービス提供における実務は、臨時従業員(アルバイトスタッフ)によっております。臨時従業員の確保、受け入れ体制の充実及び育成に取り組んでおりますが、採用市場の急激な変化などにより、臨時従業員の確保が困難になった場合、サービスの提供及び販売活動が阻害されるおそれがあり、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 大規模な自然災害について
アディッシュグループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波などの自然災害が想定を大きく上回る規模で発生及び流行した場合、アディッシュグループ又はアディッシュグループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 固定資産の減損について
アディッシュグループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。アディッシュグループの保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失が発生し、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 為替の変動について
アディッシュグループは、フィリピン共和国に子会社を有しております。現地通貨建ての財政状態及び経営成績は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、アディッシュにおいて一部の顧客は外貨建てにより販売を行っており、換算時の為替レートにより、アディッシュグループの経営成績などに影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制に関するリスク
① 労働者派遣法について
アディッシュは「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という。)に基づく厚生労働大臣の「一般労働者派遣事業」の許可を取得しており、労働者派遣法に基づく規制を受けております。法令を遵守して人材の確保及び事業の運営をしておりますが、法令違反に該当するような事態が生じた場合、又は今後において関連法令や解釈が変更された場合には、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② インターネットに関連する法的規制などについて
アディッシュグループが遵守しなければならないインターネット関連法令はごく限られておりますが、アディッシュグループが受注する顧客企業が遵守する必要がある法令として「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備などに関する法律」、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制などに関する法律」及び「EU一般データ保護規則」などの各種法令や、各法令の監督官庁が定める省令・指針・ガイドラインなどがあります。
これらの法的規制は、アディッシュグループの事業活動自体を規制するものではなく、今後において新たな法令制定などが生じた場合には、顧客企業における対応のための新たなサービス需要などが生じる可能性がありますが、一方で顧客企業の事業が何らかの制限を受けることとなった場合、又はアディッシュグループの事業が法的規制を受けることとなった場合には、アディッシュグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ フィリピン共和国のカントリーリスクについて
連結子会社であるadish International Corporationは、フィリピン共和国において事業を展開しております。フィリピン共和国は、法改正などが頻繁になされる特徴があり、今後新たな法令の制定などが生じ、アディッシュグループの事業が法的規制を受けることとなった場合には、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、台風などの自然災害により通信システムの障害などの発生、従業員の通勤手段の断絶あるいは都市機能が麻痺する場合や、テロ活動が拡大する場合などにより、サービスの提供に支障が生じる場合は、アディッシュグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)アディッシュグループの事業体制について
① 特定人物への依存について
アディッシュグループの創業者であり、代表取締役である江戸浩樹は、アディッシュグループの事業及び関連市場に関する豊富な知識と経験を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、アディッシュグループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。現在アディッシュグループでは、同氏に過度に依存しないような体制の整備、人材の登用及び育成などに取り組んでおりますが、何らかの理由により同氏による業務の遂行が困難となった場合、現状においてはアディッシュグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② ガバナンス体制の強化について
アディッシュグループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しており、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守の徹底、従業員の教育に取り組んでまいります。また、コーポレート・ガバナンスを強化していくために、独立社外取締役を2名体制とすることで、モニタリングをさらに強化していく方針であります。なお、利益相反取引が生じる場合には、取締役会において少数株主の利益保護の観点から議論する方針を定めております。さらに、内部監査や監査役監査によるモニタリングを強化することでガバナンス体制の実効性を図ってまいりますが、事業の急速な拡大などにより、コーポレート・ガバナンスあるいは管理体制が有効に機能しなかった場合には、アディッシュグループの事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他
① 新株予約権について
アディッシュグループは、取締役、監査役及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、ストック・オプションによる潜在株式は105,320株であり、発行済株式総数1,802,160株の5.8%に相当しております(注)。アディッシュグループの株価が行使価格を上回り、かつ、権利行使についての条件が満たされ、同ストック・オプションが行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化することになります。
(注)ストック・オプションによる潜在株式の数及び発行済株式総数には、2024年3月1日から本書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
② 配当政策について
アディッシュグループは、株主に対して利益を還元していくために、カスタマーリレーション事業における競争力を高め、事業を拡大していくことを経営の重要課題として位置づけております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実及び事業への投資を推進する方針であります。各事業年度の経営成績を勘案しながら将来的には株主への利益還元を検討していく方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期などについては未定であります。
③ 主要株主の存在について
当連結会計年度末日現在におけるアディッシュの発行済株式総数は、普通株式1,802,160株であります。このうち、株式会社ガイアックス(以下、「ガイアックス」という。)は、319,100株を所有(所有割合18.57%)しております。
イ.アディッシュグループとガイアックスの関係について
アディッシュグループは、ガイアックスから独立した企業集団であります。アディッシュは、ガイアックスからの新設分割にて2014年10月1日に設立されたのち、2017年11月10日付でアディッシュ役職員に対する第三者割当増資を実施し、2018年1月17日付でガイアックスが所有するアディッシュ株式の一部譲渡が行われ、また、2018年1月18日付でベンチャーキャピタルなどに対する第三者割当増資を実施しております。これによりガイアックスの所有割合は2018年1月18日付で65.46%となりました。また、アディッシュ代表取締役である江戸浩樹、当該第三者割当増資の引受人及びガイアックスとの間で、ガイアックスにおけるアディッシュ株式の保有目的を純投資とする旨の株主間契約を締結いたしました。ガイアックスは、アディッシュについて企業会計基準適用指針第22号第16項の要件を満たしており、アディッシュグループの財務及び経営などの方針に対し重要な影響を与えることができなくなったことから、アディッシュグループは、ガイアックスにおける2018年12月期第1四半期連結会計期間より連結の範囲から除外され(注)、また、ガイアックスの属性は親会社から主要株主に変更となっております。なお、当該株主間契約は上場時に終了しております。当連結会計年度末におけるガイアックスの所有割合は18.57%となっております。
今後ガイアックスが方針を転換し、ガイアックスの連結グループへ再編成されるリスクがあります。これについては、ガイアックスが経営方針に基づきアディッシュ株式を段階的に売却していくことを開示しており、同時にアディッシュとガイアックスの間で、ガイアックスが将来にわたりアディッシュの財務及び営業、又は事業の方針の決定に対して、直接又は間接的に重要な影響を与えることができないことが明らかであると認識し、アディッシュをガイアックスの連結対象とする計画がないことを表明した文書を取り交わしております。なお、今後においても、ガイアックスは数年にかけて保有しているアディッシュ株式のすべてを売却していく方針であります。
アディッシュとガイアックスの関係性について重大な変化は生じないものと認識しておりますが、ガイアックスの方針変更などによりアディッシュの独立性に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.株式の売却について
ガイアックスは、グループ外における投資育成支援及びグループ内で創設される新規事業から構成されるインキュベーション事業を展開しており、アディッシュグループはインキュベーションセグメントに位置づけられ、アディッシュ株式は営業投資有価証券として保有されております。そのため、将来において株式が売却される可能性があり、そのような場合には短期的に需給が悪化することによりアディッシュの株価が下落する可能性があります。
ハ.取引関係について
アディッシュグループとガイアックスとの取引については、他の企業の取引条件との比較などにより取引条件の適正性を確保できており、今後も僅少ではありますが、取引の合理性及び取引条件の妥当性が認められる範囲でアディッシュグループのカスタマーリレーションサービスの提供などの取引関係を継続していく方針であります。なお、事業上の関係以外の資金、経営指導料や貸借などの取引及び人的関係は解消しており、アディッシュグループの経営方針、事業展開などの重要事項の意思決定において、現状ガイアックスに対して事前承認を要する事項などはなく、独立性・自立性は保たれていると認識しております。
なお、ガイアックスグループとアディッシュグループとの取引は減少傾向にあり、売上高に関しては当連結会計年度においてアディッシュグループ売上高全体の0.6%となっております。
ニ.競合関係について
アディッシュグループは、インターネットの発展に伴い発生する課題に対してカスタマーリレーション事業を展開しております。一方でガイアックスは、ソーシャルメディア領域におけるコンサルティング及びマーケティング支援などを提供するソーシャルメディアサービス事業、グループ外における投資育成支援及びグループ内で創設される新規事業から構成されるインキュベーション事業を展開しております。ともにインターネット関連産業においてサービスを提供しているものの、それぞれの事業領域が異なるためシナジー関係にはありません。
今後も、アディッシュグループ及びガイアックスは、インターネット関連産業において新たな事業の可能性や投資の検討を日々行っていくことから、アディッシュグループは投資機会の追求にあたり、ガイアックスと競合する可能性があります。アディッシュといたしましては、引き続きガイアックスとの連携を検討するなどの対応を行ってまいりますが、ガイアックスの事業戦略が変更された場合には、アディッシュグループの事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(注)ベンチャーキャピタルなどの投資企業が売却などによるキャピタルゲイン獲得を目的として投資を行う場合など、他の会社などの意思決定機関を支配する要件に該当しても、実質的に支配していないことが明らかであるときには、一定の要件を満たすことを前提として、子会社又は関連会社に該当しないこととすることが認められております。ガイアックスはアディッシュグループの株式保有方針、取引関係及びシナジー効果などを勘案して、キャピタルゲイン獲得を目的とした営業投資有価証券として保有していると判断されたことから、当該根拠となる会計基準(企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」第16項及び第24項)を適用し、子会社又は関連会社には該当しないものとして取り扱っております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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