NexToneグループは、NexTone及び連結子会社4社(株式会社エムシージェイピー、株式会社NexToneシステムズ、株式会社レコチョク、株式会社エッグス)により構成されており、音楽を中心としたエンタテインメント領域において著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業、音楽配信事業及びその他(ビジネスサポート事業)に取り組んでおります。
NexTone及びNexToneの関係会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、2026年3月31日付でその他に含まれる株式会社エッグスの一部事業を第三者へ事業譲渡しております。また、2026年4月1日付で株式会社レコチョクを存続会社とし、株式会社エッグスを消滅会社とする吸収合併を行っております。
著作権管理事業
著作権とは、思想や感情を創作的に表現した著作物の利用を独占的にコントロールできる権利であります。音楽分野では、「詞」「曲」が著作物となります。
NexToneは、著作権等管理事業法に定められる著作権等管理事業者として文化庁に登録されており、音楽分野における著作物の管理を行っております。(登録番号01005)
音楽著作権管理業務においては、著作権法の権利区分を基本としながら、利用の実態等に鑑みて、下図のとおり音楽著作権の4つの支分権と9つの利用形態に区分して管理を行っております。
(1)演奏権等
コンサート・ライブ等での演奏、(5)店舗内BGM・映画館等、(6)社交場・カラオケボックス等で作品を演奏・上映することを許諾する権利。利用形態ごとに細分化し2つの利用形態に分けて管理しています。
(2)録音権等
CDや(7)映画、(8)DVD、(9)ゲーム、(10)広告等に作品を複製することを許諾する権利。
利用形態ごとに細分化し4つの利用形態に分けて管理しています。
(3)出版権等
楽譜や歌詞集・雑誌・書籍等に作品(歌詞・楽譜)を印刷することを許諾する権利。
(4)貸与権
CDレンタル等において作品の複製物を貸与することを許諾する権利。
(11)放送・有線放送
テレビやラジオ・有線放送において作品を利用することを許諾する権利。
(12)インタラクティブ配信
インターネット等のコンピューターネットワークを通じて作品を利用することを許諾する権利。
スマートフォンやパソコン向け音楽サービスなどが主な利用となります。
(13)業務用通信カラオケ
カラオケ用データベースに作品を固定し、店舗に設置された端末機器に作品を送信することを許諾する権利。
上記のうち、NexToneでは「(1)演奏権等」「(2)録音権等」「(3)出版権等」「(4)貸与権」の4つの支分権と、「(5)上映・BGM等」「(7)映画への録音」「(8)ビデオグラム等への録音」「(9)ゲームへの録音」「(10)広告目的で行う複製」「(11)放送・有線放送」「(12)インタラクティブ配信」「(13)業務用通信カラオケ」の8つの利用形態の管理を行っています。
※「(1)演奏権等」のうちカラオケ演奏を含む(6)区分については営業体制・管理体制などの環境が整い次第管理業務を開始する予定ですが、現時点ではその具体的な開始時期は未定です。
著作権を保有する著作権者は、自ら著作権の管理方法を選択する権利を保有していますが、管理の効率性や徴収精度の高さから、音楽分野においては著作権等管理事業者に作品の管理を委託することが一般的となっています。
また、利用者からの視点でみても、使用する都度、数多くの著作権者から使用許諾を得ることは、多大な労力を要する作業であり、著作権等管理事業者が集中して著作物を管理することにより、利用作品の報告や使用料の支払などの定められた手続きを行いさえすれば、円滑に作品を利用できる環境が整っています。NexToneは、音楽作品の管理・利用に関するルールや使用料を定めた上で、著作権者からの委任に基づいて、利用者への許諾の取次と使用料の徴収を行い、音楽作品の利用を促進する窓口としての役割を果たしております。
なお、音楽著作物の利用時期とNexTone著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じます。
(当事業を行う主な会社)NexTone、株式会社エムシージェイピー
著作権管理のビジネスフロー
また 、子会社の株式会社エムシージェイピーが行っている音楽出版社向け業務代行サービスにおいては、再分配計算、著作権契約書・作品届の作成などの業務を代行することによって、著作権管理事業におけるクライアントである音楽出版社の皆さまの業務負担の軽減と効率化を図っており、NexToneのグループ会社として培われたノウハウにより、最適な著作権管理方法のご提案とサポートを行っております。
株式会社エムシージェイピー(MCJP)の音楽出版社向け業務代行サービスのビジネスフロー
デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ販売・流通(コンテンツディストリビューション)する事業を行っております。著作物(作品)を録音・編集した音源マスターを音楽業界では原盤と呼んでいますが、権利者からこの原盤のライセンスを受け、販売先の音楽配信サービスを通してユーザーに音楽を届ける事業です。NexToneは、2003年より国内でいち早く事業を開始しました。音楽コンテンツを保有するレコードメーカーや音楽プロダクション、音楽出版社、アニメ・ゲームメーカーなどの権利者との契約を保有し、今では国内屈指のデジタルディストリビューターとして、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積しております。
NexToneが著作権を管理する作品が含まれる原盤をより多くのユーザーに販売することで、原盤の使用料が多く発生するのはもちろんのこと、同時に著作権使用料も発生しますので、自らコンテンツ流通プラットフォームを構築し販売を促進することによって、著作権使用料の増大にも寄与しております。
<NexToneDD事業の特徴>
・あらゆる配信種別(ストリーミング、ハイレゾ配信など)に向けて、スピーディーに対応しています。
・全世界の主要なサービスで配信されるよう、直接・間接含め効率的な流通ネットワークを構築しています。
・独自の原盤管理システムの稼働により、セキュアな管理体制を整え、安定的な配信運用及び正確かつ詳細な分配を実現しています。各配信サービスへの納品においても自社開発を行うことで迅速かつ精度高くまた、マーケティングに活用できる分析機能も充実しており、契約者は無償でサービスを活用することが可能です。
・放送二次使用料等も権利者へ分配いたします。
・YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービス(※)も提供しております。
(※)YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービスについて
従来のYouTubeオフィシャルページにおける動画収益の一部を受領するビジネスモデルに加え、権利者が保有するオリジナル動画や音楽原盤をNexToneを通じてYouTubeシステムに登録する事により、それらのコンテンツを使用して作成・投稿された「UGC」(ユーザー投稿動画)からも収益の分配を受ける事が可能です。また、YouTuberが投稿するカバー動画の収益を向上させるCRIPサービスなどの独自サービスも展開しております。
(当事業を行う主な会社)NexTone、株式会社レコチョク、株式会社エッグス
デジタルコンテンツディストリビューション(DD)のビジネスフロー
音楽配信事業
インターネットを通じて楽曲を配信する事業を行っております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗・カラオケボックス・結婚式場向けの映像・BGM配信サービス等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社レコチョク
音楽配信のビジネスフロー
その他(ビジネスサポート事業)
・キャスティング事業
利用者・権利者の様々なニーズに対応し権利処理を含めたトータルサポートを行っております。
具体的には、音楽ライブやイベントの企画立案や協賛営業、楽曲・映像作品を活用した利用促進コーディネート、イベント各種へのアーティストブッキング、ライブビューイングや映画作品の配給・宣伝、家庭向けライブ配信コーディネート、イベントの主催・共催等を手がけております。
レコード会社やメディア企業、配信プラットフォームなど、様々な企業と共同で新たなエンタテインメントサービスの開発に積極的にチャレンジするなど、多岐にわたってエンタテインメントビジネスをサポートしております。
(当事業を行う主な会社)NexTone
キャスティング事業のビジネスフロー
(※)非映画デジタルコンテンツ(Other Digital Stuff)の支援
・リユースプロダクト事業
従来の生花を用いる祝い花はイベント当日~数日の短期間で大量に廃棄されています。この課題に取り組み、かつ新しいお祝いの気持ちの形として「リユース+寄付」というモデルでリユース型のお祝い花を提供するサービス「BLONIA」を展開しています。
<特徴>
・リユース型で環境負荷を削減
再利用可能な華やかなスタンドを使用し、会期終了後のフラワーロス問題を解決します。スタンドには花の刺繍をあしらったテキスタイルを採用しております。
・寄付に繋がる「祝福の循環」
商品価格の一部(10%)を受取主が寄付先を選んで寄付できる仕組みを導入し、祝う気持ちを社会貢献へと繋げます。
・用途に合わせたデザイン展開
コンサートやイベントを中心に、就任・移転祝いにも適したデザイン・サイズを今後展開していく予定です。
(当事業を行う主な会社)NexTone
・システム開発・保守運用事業
NexToneグループが長年培った業務ノウハウやコンテンツ配信ビジネスの知見を活かした、音楽・映像などエンタテインメント業界特有の複雑な商習慣や権利処理に対応したシステム開発・提供を行っております。
具体的には、子会社である株式会社NexToneシステムズにおいて、著作権・原盤権等の権利処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連のシステム開発・提供及び各種社内システムの開発・運用などを行っております。加えて、2026年3月には音楽出版社等の権利者向けに著作権管理業務をDX化するクラウドサービスである「Virco(ビルコ)」の提供も開始しております。
また、株式会社レコチョクにおいては、高度なIT技術と豊富なIT人材を活かし、音楽業界を中心とする権利者向けにシステムサービス提供やDX(デジタルトランスフォーメーション)運用等の業務支援を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社NexToneシステムズ、株式会社レコチョク
・ソリューション事業
株式会社レコチョクにおけるレコード会社とのリレーションや高度なIT技術を活かし、音楽業界を中心とする権利者向けにEコマースなどの直販ビジネス支援等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社レコチョク
・エージェント事業(2026年3月31日付で第三者へ事業譲渡)
株式会社エッグスにおいて展開しているインディーズを中心としたアーティストとリスナーが出会う音楽プラットフォーム「Eggs」の運営及びCDリリース・配信・プロモーションなどのインディーズアーティスト向け活動支援等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社エッグス
NexToneグループの事業の系統図
文中の将来に関する事項は、提出日現在において、NexToneグループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
NexToneグループは、これまで経営理念である「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる。」ことを目指し、公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配を行うこと、著作物利用に対し迅速かつ柔軟に対応すること、最新のテクノロジーを活用した効率的な管理・運営によりコストを削減することなどを推進してまいりました。
2023年9月の株式会社レコチョクとの資本業務提携によりNexToneグループの事業範囲が拡大したことに伴い、改めてグループとしての存在意義を再確認し、音楽著作権管理にとどまらない総合音楽エージェントとして目指すべき理想像を明確にすることを目的として、2024年4月1日付でこれまでの経営理念に代わり、新たに企業理念として「For the Future of Music ~音楽文化・音楽産業の発展のために、私たちは挑戦を続けます~」、ビジョンとして「次代を奏でるオンリーワン・エージェント」を定めました。
NexToneグループは新たな企業理念とビジョンのもと、音楽と、音楽を愛するすべての人の未来のために、NexToneグループだからこそできる、NexToneグループにしかできない、新しい時代のエージェントを目指すことを基本方針とし、音楽文化・音楽産業のより一層の発展、持続可能でより良い社会の実現に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標
NexToneグループが事業遂行上重視している経営指標は、①取扱高(※)、②著作権使用料徴収額シェア、③管理楽曲数、④取扱原盤数であります。特に取扱高を重要な指標としており、著作権管理事業、DD事業、音楽配信事業等の徴収額を示し、市場シェアや会社の成長性を見るために有効な指標であることが当該指標を重視している理由であり、取扱高のさらなる拡大を経営目標としております。
(※)取扱高とは、著作権管理事業においては音楽著作権の利用者から徴収した金額(権利者へ分配する金額とNexToneの管理手数料からなります)を示し、著作権管理事業以外の事業では、取引先に対して役務提供の対価として請求を行った金額を示しております。
取扱高と売上高の関係については、著作権管理事業では取扱高からNexToneの管理手数料を差し引いた金額を権利者へ分配しており、NexToneは管理手数料部分のみを売上高として計上しております。他方で、著作権管理事業以外の事業においては、取引先への請求金額を取扱高として認識しており、原則として取扱高をもって売上高として計上しております。
また、上記の他、近い将来の目標であるプライム市場上場を見据え、財務上重視している経営指標として⑤売上高、⑥対前期売上高伸長率、⑦営業利益率、⑧経常利益を定めております。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在の音楽関連市場の事業環境は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額が前年同期比109%(2023年1月~12月)、有料音楽配信売上金額は、前年同期比111%(2023年1月~12月)と10年連続の増加となりました。
このような状況を踏まえ、NexToneグループでは、2025年3月期からの中期業績計画において以下のとおり各経営指標の目標値を設定しております。
①取扱高 目標:伸長率10-20%
②著作権使用料徴収額シェア 目標:中期的に10%、長期的に50%
③管理楽曲数 目標:毎期10万曲以上増加
④取扱原盤数 目標:毎期23万原盤以上増加
⑤売上高 目標:270億円以上
⑥対前期売上高伸長率 目標:10-20%
⑦営業利益率 目標:9%以上
⑧経常利益 目標:2年で合計25億円(プライム市場上場基準)
また、中長期的な成長戦略については以下のとおりです。
著作権管理事業においては、着実な成長継続のために、当面は第11区分(放送・有線放送)のシェア拡大に注力するとともに、近年参入した海外、第1区分(コンサートその他の催物における演奏等)及び第5区分(映画等の上映、遊技機等の上映・演奏、店舗内BGM)の確実な徴収、そして有力コンテンツの管理受託に努め、中長期的には第6区分(カラオケ演奏等、社交場における演奏等)に参入し、全支分権・利用形態の管理を目指します。
また、業界慣習に新風を吹き込むべく、NexToneの強みであり他の音楽著作権管理事業者に無いデジタルコンテンツディストリビューション事業、音楽配信事業、その他(ビジネスサポート事業(キャスティング事業、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業、エージェント事業等))の各事業をそれぞれ推進し、更にこれらから生まれる新規事業を含めた音楽関係ビジネスに係る様々なサービスを提供する総合エージェントとして、中長期的な成長を目指してまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
順調に増加している管理作品数に対応するべく、引き続き業務効率の向上を目指し、作業プロセスの見直し及びシステム開発を継続いたします。またAI・RPA等の技術の導入により業務の自動化を推進し、これまで研究・開発を進めてきたシステムの実用化を進めています。
また、近年参入した海外徴収や演奏権(第1区分及び第5区分)管理においては、関係団体、利用者団体等と連携し、安定した事業スキームを構築のうえ、より精度の高い使用料徴収を実現してまいります。
定額制音楽配信サービス(※)や動画配信サービスの拡大、ライブ配信サービスの普及等、音楽を取り巻く環境は大きく変貌しており、権利者ニーズにもより一層の細分化・多様化の傾向が見受けられます。
このような環境の中で、著作権管理業務においては、権利者の意向を反映した柔軟な管理手法を取り入れながら、時代の変化、権利者ニーズの変化に迅速に対応できる業務運営を行っております。また、デジタルコンテンツディストリビューション事業やその他(ビジネスサポート事業)においてコンテンツの利用促進を図り、さらには、音楽出版業務・システム開発業務において、音楽出版社の計算業務代行や印税計算システムの開発運用を行い、音楽出版社の実務面に至るまで幅広いサポート体制を構築しております。レコード会社などの権利者向けには、直販ビジネスやDX(デジタルトランスフォーメーション)・運用等の支援も行っております。
NexToneが展開する各種の業務・事業をより発展させ、複合的な提案を実施することによって、権利者の潜在的なニーズを掘り起こし、作品・コンテンツの取扱拡大に注力してまいります。また、作品・コンテンツの利用促進を図りながら、権利者へのマーケティングデータの提供や新規事業の開発にも引き続き注力し、NexToneサービスの付加価値向上に努めてまいります。
(※)定額制音楽配信サービス…毎月一定額の利用料を音楽配信サービスの運営会社に支払い、インターネット上のサーバーに登録されている楽曲を無制限に聴くことができるサービス。サブスクリプション型音楽配信サービスともよばれる。
NexTone設立以来の重要課題である演奏権管理において、2022年4月1日より、カラオケ演奏等及び社交場における演奏等を除く利用区分(主としてコンサート、映画上映等)に参入いたしました。残る第6区分につきましても、引き続き権利者・利用者団体等のご理解ご協力を得ながら可及的速やかに参入し、著作権エージェントとしてフルラインサービス体制を目指してまいります。
ビジネス・プロセスのシステム化による「安定的な業務品質の担保」を重要課題としつつ、AI技術や様々なデータ活用による業務効率化やコスト低減、さらには営業施策としてのシステム活用等、多方面にわたりシステムの観点からのアプローチも継続し、グループ全体DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してまいります。
また、各種の利用実績確認など、これまで以上に膨大なシステムデータの解析・処理が必要となる業務領域についても、AI等を活用した品質向上施策の更なる精度向上と他業務への展開を図り、次代に合わせた事業展開を推進してまいります。
NexToneグループは、内部管理体制の強化を経営上の重要課題の一つとして認識しており、グループ各社との連携のもと、内部統制機能の一層の充実とガバナンス体制の確立に努め、リスク管理の徹底を図ることで、株主の皆様をはじめ各ステークホルダーの皆様との良好な信頼関係を保ちながら、社会的責任を果たしてまいります。
NexToneグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断において重要であると考えられる事項については積極的に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてNexToneが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
1.事業内容に関わるリスク
(1) 「著作権管理事業」の市場構造に関するリスクについて
NexToneグループの中核をなす音楽著作権管理事業の市場規模は、過去10年以上、年間の「著作権使用料徴収額」が1,200億円前後で推移していたところ、コロナ禍には一時落ち込んだものの、2023年3月期に初めて1,300億円を超え、拡大基調がみられております。当該市場は、2001年10月に「著作権等管理事業法」が施行され、広く民間に著作権管理業務に関する門戸が開放されましたが、現在に至るまでJASRACの寡占状態が続いております。
NexToneグループといたしましては、同事業領域において、デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業等の利用促進事業を推進し、さらなる差別化戦略の遂行を通じて、著作権の管理のみならず、利用者への訴求強化による利用促進を図ることで市場シェアを高めてまいります。
しかしながら、エンタテインメント業界の構造の変化等により、NexToneグループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない場合、あるいは、NexToneグループの差別化戦略が奏功せず、業界ポジションの向上につながらなかった場合には、NexToneグループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制について
NexToneグループが事業を展開するにあたり、主に「著作権等管理事業法」、「著作権法」、「著作権法施行令」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び「個人情報の保護に関する法律」等の規制対象となります。
特にNexToneグループの主要事業である「著作権管理事業」を展開するにあたり、その前提となるのは「著作権等管理事業法」であり、著作権等管理事業者としての届出を文化庁長官に対して行っております(2001年10月11日登録・登録番号01005)。当該登録は、「著作権等管理事業法」に定める民間管理事業者として著作権の管理等を行うためのものであり、満了日に関する定めはありませんが、以下のとおり登録者としての義務が定められております。
①対委託者 管理委託契約約款の説明、管理委託契約約款の公示、財務諸表等の備え付け等
②対利用者 使用料規程の公示、利用の許諾の拒否の制限、情報の提供
③対文化庁長官 各種届出(事業の変更・廃業等、管理委託契約約款、使用料規程)
NexToneグループでは、これらの法令を遵守して業務を行っており、事業の継続に支障を来たす要因は発生しておりません。しかしながら、これらの法令等が改正され規制が強化された場合、新たにNexToneの事業活動を規制する法令等が制定された場合、あるいは今後何らかの理由により、「著作権等管理事業法」第21条(登録の取消し等)に抵触し、著作権等管理事業者の登録が取り消しになった場合には、事業への制約や追加的な対応が生じることにより、NexToneの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 音楽配信市場に関するリスクについて
NexToneグループが事業を展開する音楽配信市場は、通信会社の方針やサービスへの依存度が高く、技術革新や配信プラットフォームによる消費行動の変化、国内外有力企業によるストリーミング市場の競争激化等、様々な要因により市場規模が想定通り推移しない可能性があります。それら外部環境の変化による悪影響を受けた場合、NexToneグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 投資に関するリスクについて
NexToneグループは今後も成長を続けるために、新規事業への挑戦や、人材の採用、システム投資、M&A等の戦略的な投資が重要であると認識しております。
出資や買収等の投資においては、対象となる企業の財務や税務、法務等の契約関係及び事業の状況等について事前に社内外の専門家と精査し、価値評価に関しては第三者評価機関の見解等も踏まえ、可能な限りリスクの低減に努めてまいります。しかしながら、投資後に、事業環境に急激な変化が生じた場合やその他予期し得ない理由により当初の計画通りに事業が進展しない場合には、NexToneグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2.事業体制に関わるリスク
(1) システムリスクについて
しかしながら、悪意をもった第三者の攻撃等により顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手されるといった機密性が脅かされる可能性や、顧客が利用するサービスの改ざん等のデータの完全性が脅かされる可能性及びサービス自体が提供できなくなる等のシステムの可用性が脅かされる可能性は否定できません。
また、NexToneグループでは、各種事業を行う上で、著作権者及び音楽利用者、音楽配信サービス利用者、インディーズアーティスト等の個人情報を取り扱う場合があります。そのため、株式会社レコチョクにおいてプライバシーマークを取得している他、NexToneグループでは、個人情報の取扱いを社内規程に定めるとともに、社員研修の実施等により、セキュリティへの意識や情報リテラシーの向上に努めております。しかしながら、個人情報の流出が発生する可能性は否定できません。
このような事態が生じた場合には、NexToneに対する法的責任の発生、企業イメージの悪化等により、NexToneの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
大地震等の自然災害や事故の発生により、NexToneの各種サービスの提供が困難になったり、システム障害等が発生する可能性があります。
NexToneグループでは、自然災害や事故等に備えた業務マニュアルの整備、システムの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止を図るとともに、複数のデータセンターでのデータ管理による可用性の強化に努めておりますが、NexTone所在地近辺において、大地震等の自然災害や事故等が発生した場合、NexToneグループの設備損壊や電力供給の制限等、事業継続に支障をきたす事象が発生し、NexToneグループの経営成績及び収益性に影響が生じる可能性があります。
現時点においてNexToneは、第三者の知的財産権の侵害は存在していないと認識しておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、NexToneの業績に影響を与える可能性があります。
システム障害等によりNexToneのサービスが適切に提供できなかった場合、あるいは、情報漏洩などの各種の法令違反が発生した場合、新たに訴訟を提起されたり、損害賠償責任が発生し、NexToneの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を及ぼす可能性があります。
NexToneグループは各事業においてシステムへの投資を継続的に行っております。また、のれんに関しては、イーライセンスとJRCが合併・事業統合しNexToneが発足した際及び株式会社レコチョクの株式を取得し連結子会社とした際に計上しております。
これらのソフトウェア及びのれんは、無形固定資産に計上しておりますが、これらの資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況等によっては、減損損失の認識の必要性が生じる可能性があり、その場合にはNexToneグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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