さくらさくプラス(7097)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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さくらさくプラス(7097)の株価チャート さくらさくプラス(7097)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 さくらさくプラスグループ(さくらさくプラス及びさくらさくプラスの関係会社)は、子会社の経営管理を主な事業内容とするさくらさくプラス及び、保育所運営、保育の質の向上のための各種研修の企画運営を主な事業内容とする連結子会社2社(株式会社さくらさくみらい、株式会社保育のデザイン研究所)、システム開発、進学塾運営、フェムケア・フェムテック商品の企画販売等を行う連結子会社4社(株式会社みらいパレット、株式会社VAMOS、株式会社みんなのみらい、株式会社YELL)、東京こどもすくすく住宅認定制度による子育て支援住宅の開発、保育所の利活用を想定した不動産の仲介・コンサルティング及び、不動産の管理・運用を主な事業内容とする連結子会社1社(株式会社さくらさくパワーズ)、及び連結持分法適用関連会社2社(株式会社あかるいみらいアセット、Hana TED.,JSC)により構成されております。

 なお、さくらさくプラスグループの事業は「子ども・子育て支援事業」の単一セグメントとなっております。

 さくらさくプラスグループは、「さくらさく」という言葉から連想される、子どもが成長して花ひらいていく喜びや嬉しさを、子ども自身はもちろん、保護者と、保育者と教育者と、地域の人々など、あらゆるステークホルダーが笑顔の中で分かち合っていけるように、これからの時代を生きる、この国の伸びしろである「共働き家族・子育て家族」に嬉しいイノベーションを届けてまいります。

 さくらさくプラスグループの中軸となる保育サービス事業では、「さくらさく」という言葉から連想される、子どもが成長して花開いていく喜びや嬉しさを、子ども、保護者、職員の三者が笑顔に包まれた中で共有できることが最も重要と考え、「おうちのようなほいくえん」づくりをコンセプトとして、「安全と安心を提供し、自然で和やかな笑いに満ちたあたたかい子育て環境をつくり出す」ことを経営理念及び方針として掲げております。子どもたちが心身ともに「強く、優しく、美しく、そして健やかに」育つような環境を提供するとともに、子どもを生み育てやすい環境づくりをすることを理念として事業を展開しております。また、さくらさくプラスグループは2018年4月施行の保育所保育指針の改定(平成29年厚生労働省告示第117号)に伴い、さくらさくみらいの保育の想いをまとめたインナーブック「たいせつなこと」、さくらさくみらいの保育をまとめた「さくらさくみらいみんなの保育指針」を作成し共有しております。職員の資質向上が良い保育の源泉との考えの下、職員の教育研修に力を入れております。

 そして、様々な不動産情報を収集し、蓄積された保育ノウハウを施設整備に活かした保育所開発を行っております。加えて保育所の立地に関しても駅からの距離、利便性の高いエリアへの強いこだわりを持ち、利用者や働く保育士から選ばれる施設づくりを行い、ソフト(保育の内容及び職員の質)とハード(施設及び不動産)の両輪を見据え事業を展開しております。

 児童福祉法第39条第1項において保育所は、保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設(利用定員が20人以上であるものに限り、幼保連携型認定こども園を除く)と定義されております。また保育所は、児童福祉法第35条第4項に基づき、厚生労働省が定めた認可設置基準の要件を満たし、都道府県知事(政令指定都市については市長)が認可した認可保育所と認可保育所以外の保育所である認可外保育所に大別されております。

 認可外保育所のうち認証保育所は、東京都が独自に定めた設置基準の要件を満たした施設で、東京都知事が認証しております。

 さくらさくプラスグループの子ども・子育て支援事業においては、「さくらさくみらい」という名称で、保育ニーズが中長期的に高いものと見込まれる東京都23区を中心に認可保育所、東京都認証保育所を直営で運営しております。なお、当連結会計年度末現在の運営施設数は、88施設になります。

 

 当連結会計年度末現在、さくらさくプラスグループが運営する保育施設の概要は以下のとおりであります。

認可保育所

児童福祉法に基づく児童福祉施設であり、施設の広さや保育士の数など国が定めた基準に基づいて自治体から認可された施設です。さくらさくプラスグループでは東京都23区を中心に千葉、埼玉、大阪で保育所を運営しております。さくらさくプラスグループは、国及び自治体が負担する施設型給付を委託費として交付を受け施設運営を行っております。

 

 

小規模認可保育所

「子ども・子育て支援法」により、市区町村による認可事業で定員6人以上19人以下かつ0歳から2歳までの子どもを対象と定められております。さくらさくプラスグループは、利用者からの保育料徴収及び自治体からの地域型保育給付を委託費として交付を受け施設運営を行っております(現在は、さくらさくプラスグループにおける運営を終了しております)。

 

東京都認証保育所

現在の認可保育所だけでは応えきれていない大都市のニーズに対応しようとする東京都独自の制度であります。さくらさくプラスグループは、利用者からの保育料徴収及び自治体からの運営費補助金の交付を受け施設運営を行っております。

 

 さくらさくプラスグループが運営する保育施設等の運営施設数の推移は以下のとおりであります。なお、さくらさくプラス設立前は、株式会社ブロッサム(現「株式会社さくらさくみらい」)にて運営をしております。

 

(運営施設数の推移)                                    (単位:施設)

回 次

2020年7月期

2021年7月期

2022年7月期

2023年7月期

2024年7月期

2025年7月期

 

認可保育所(23区)

53

67

78

81

82

82

 

認可保育所(首都圏)

2

2

2

2

2

2

 

認可保育所(大阪)

3

3

3

3

3

3

 

小規模認可保育所

1

1

1

1

1

0

認可保育所合計

59

73

84

87

88

87

認証保育所(東京)

1

1

1

1

1

1

合 計

60

74

85

88

89

88

(注)1.分園は除いています。

2.すべて子会社である株式会社さくらさくみらい直営の施設数となります。

 

「その他付随業務」

 さくらさくプラスグループでは、保育分野で培ったノウハウと、株式会社さくらさくパワーズにおける不動産の企画・開発力を併せ、子どもや子育て世帯が安全に生活できるような設備を備えた子育て支援住宅「東京こどもすくすく住宅」の企画開発を行っています。また保育所建設に最適な土地や建物を賃借するための不動産物件情報を利活用して付随的に不動産仲介や管理業務を行っており、主に株式会社さくらさくパワーズにおいて不動産仲介・コンサルティング業務、株式会社あかるいみらいアセットにおいて不動産管理業務、保育所特化型の私募ファンドの組成運用に伴う業務を行っております。

 また、保育士や保育関係者などを対象に、各種集合研修や300講座を越えるオンライン研修を行う、株式会社保育のデザイン研究所により、業界全体の保育の質の向上のための研修を実施しております。

 さらに、中学受験指導をメインとした、進学塾運営の株式会社VAMOS、テクノロジーと情報で子育てにたくさんの笑顔を咲かせる株式会社みらいパレット等を運営し、子育て中の保護者がより子育てをしやすいと感じる環境を創出、また、フェムケア・フェムテック商品を通じ、女性の健康を支援し更なる社会進出を後押しし、働き手不足の解消をいたします。

 保育所運営を行うベトナム現地法人のHana TED.,JSCは現在事業を停止しております。

 

 なお、さくらさくプラスは「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。

 

[事業系統図]

 

 

 

[さくらさくプラスグループの保育施設形態別の事業モデル]

 

 認可保育所では、事業者(さくらさくプラスグループ)が利用者に保育サービスを提供し、委託費を各自治体に請求する制度となっております(小規模認可保育所においては一部利用者負担が生じます)。一方、認証保育所では、事業者(さくらさくプラスグループ)が提供した保育サービスに対して自治体と利用者の双方からサービスの対価を受領(利用者に保育料を請求、自治体に運営費補助金を請求)する制度となっております。

 


有価証券報告書(2024年7月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

さくらさくプラスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてさくらさくプラスグループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

さくらさくプラスグループは、「さくらさく」という言葉から連想される、子どもが成長して花開いていく喜びや嬉しさを、子ども自身はもちろん、保護者と、保育者と教育者と、地域の人々など、あらゆるステークホルダーが笑顔の中で分かち合っていけるように、これからの時代を生きる、日本の伸びしろである共働き家族・子育て家族が安心して過ごせる、嬉しいイノベーションを届けていくことを経営理念及び方針として掲げております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略等

当連結会計年度における子ども・子育て支援事業周辺においては、厚生労働省が公表した人口動態統計によると、2023年の出生数は8年連続で減少しており、2022年を4万3,482人下回る72万7,277人となり、1899年に統計を取り始めて以降、最も少なくなりました。また、女性の活躍推進などにより、共働き世帯数や女性の就職率が高い水準で推移している中で、女性の正規雇用率が出産を機に低下する「Ⅼ字カーブ」の是正も求められており、産後ケアなど共働き家族・子育て家族向けのサービスの拡充は引き続き重要なテーマの一つとなっています。

このような外部環境を鑑み、さくらさくプラスグループは、共働き家族・子育て家族のための総合ソリューションカンパニーとして、新スローガン「日本の伸びしろを、花ひらかせる」を掲げ、企業ロゴを一新しました。

中核事業の保育サービス事業では引き続き保育方針「愛情をたっぷりと注ぎ あわてず個性を伸ばす」を軸に、幼児教育プログラム「CLiP」(Children Learn in Play)により、子どもたちの明るい未来のための成長をサポートするとともに、「さくらさくパーク」の本格始動などICT化を推進した子育て支援サービスの充実を図ることで保育サービスの付加価値向上を推進してまいります。さらに、研修事業においてオンライン研修のサブスクリプションサービスの展開により、保育業界全体の質の向上にも貢献してまいります。

そして、さくらさくプラスグループの強みである不動産開発力による子育て支援住宅等の企画・開発のさらなる推進や進学塾運営の販路拡大、子育て支援カフェの運営などで共働き家族・子育て家族とその周辺の皆様へのサポートを強化・推進してまいります。

以上の基本的な方針を踏まえ、さくらさくプラスグループでは中長期的に以下の経営戦略に取り組んでまいります。

 

① 優秀な人材の確保・育成

保育所の開設計画の維持と高品質な保育サービスの維持を同時に実現し、サービス水準の継続的な向上を図るためには、優秀な人材を確保し、また、継続的に育成していくことが不可欠であります。

そのため、社内の研修制度の充実、研修の質の向上、従業員の健康維持及び増進のための労働環境の構築、適切な人事制度、適材適所の人材配置等に継続的に取り組んでいくことにより、従業員が働きやすい環境、モチベーションが維持できる環境や組織文化の醸成に努めてまいります。

② 組織力の強化

保育サービスの継続的な質の向上には保育所現場における運営の強化だけでなく、それを支える本部における運営サポート業務やその他の本部機能の質の向上が不可欠であり、また、コンプライアンス遵守の組織風土の醸成や保育理念・経営理念の共有、情報共有や情報管理の徹底を推進していくことが必要となります。

これらを実現していくために、コンプライアンス委員会、ハラスメント啓発委員会の継続的かつ積極的な運営、ブランドブックの作成・更新・周知、情報共有・情報管理の精緻化や組織運営の効率化のためのシステム投資等を推進してまいります。

③ 新規事業への進出

企業として持続的な成長を図るためには、既存の事業の収益を伸長させるのはもちろんのこと、子ども・子育て関連の新領域の事業や既存事業で獲得した経営資源を活用した関連領域や近接領域など、新たな事業創出は不可欠であると考えております。

保育対象年齢の子どもに限らず、就学後の児童、子育て中の保護者の支援を目的に、2021年4月には保育所のICT化の推進と保育所がもつさまざまな情報資産を活用した事業を創設する新会社を設立し、同年6月には主に中学受験を支援する進学塾の子会社化も行いました。2021年9月にはベーカリーカフェ運営の株式会社日と々ととの合弁にて、子育て支援カフェの運営を行う新会社を設立し、2023年1月に第1号店をオープンし、翌2024年4月に第2号店をオープンしました。

また、子育て家庭の包括的な支援を図るべく保育所運営のノウハウを利活用し、子育て支援住宅として企画・開発した新築集合住宅が2023年3月に東京都が推進する「東京こどもすくすく住宅認定制度」に認定されました。

今後も外部環境分析や社内の経営資源の分析等を基礎とした新領域の事業化・収益化の可能性を検討する仕組みを整備し、新規事業を継続的に創出できる組織体制の構築に取り組んでまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

さくらさくプラスグループは、高い成長性を維持し、継続的に企業価値の最大化を図っていくことを経営上の目標としており、企業価値の向上を図るための経営指標としては営業利益率を特に重視しております。

さくらさくプラスグループは、現時点では安定的な収益基盤を築くことを最優先課題と認識しておりますが、子ども・子育て支援事業は投資が先行する傾向が強く、数年かけて収益性が向上していく特性があることから、営業利益率の向上が当該課題の進捗を図る適切な指標となるためです。

 

(4) 経営環境

子ども・子育て支援事業を取り巻く状況としましては、2023年の出生数が過去最少の72万7,277人となり、さらに、ひとりの女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は1.20となり、2022年の確定値と比較すると0.06ポイント低下し、8年連続で前の年を下回りました。一方で2023年4月設置された子ども政策の司令塔である「子ども家庭庁」は、「こども未来戦略方針」や「こども大綱」などを順次閣議決定し、妊娠期からの切れ目のない子どもに関する政策について、より具体的な対策の推進を示しています。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 継続的な人材の確保

さくらさくプラスグループの子ども・子育て支援事業は、事業拡大にあたって保育士・栄養士・看護師資格を有する優秀な人材の確保が不可欠であるため、優秀な人材の確保に努めてまいります。さくらさくプラスグループでは、年間を通じて全国各地で新卒の採用を含めた積極的な採用活動を行うとともに、従業員社宅制度や研修制度の充実、雇用条件の向上など、働きやすい環境づくりに注力してまいります。

② ドミナント戦略の強化

さくらさくプラスグループは、全国的な待機児童が減少する一方で、依然として底堅いニーズを保つ都心部をターゲットとして、過去の運営実績や経験により培ったノウハウにより、収益性の高い認可保育所に特化した施設開設に注力してまいりました。当面は首都圏都心部における児童の確保に優位性があると見込まれるため、当該エリアにおける認可保育所の開設に注力していく方針であります。

③ 新規事業への進出

さくらさくプラスグループの主要事業及び収益源は子ども・子育て支援事業であるため、国や地方自治体の政策の変更によりさくらさくプラスグループの業績は大きく影響を受ける可能性があります。当該状況を踏まえ、さくらさくプラスグループの経営の安定化を図るためにも、さくらさくプラスグループが保有するノウハウを活用し、政策の影響を受けない新規事業領域への進出を継続的に検討してまいります。

④ コンプライアンスの遵守

さくらさくプラスグループの運営する子ども・子育て支援事業は許認可事業が中心であるため、児童福祉法や施設利用者の個人情報保護に関する法令等の関連法令を遵守することは、事業を継続するために特に重要であると認識しております。さくらさくプラスグループでは、適宜改正される関連法令を適時に把握し、社内に周知できるように社内規程等をはじめとしたルール及び体制を整備し、社内研修等によりコンプライアンス遵守の組織文化の醸成を図ってまいります。また、さくらさくプラスでは、個人情報保護・情報セキュリティ確保についての社内体制の整備等を進め、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)からプライバシーマークの認定を受けております。

⑤ 設備投資資金の調達

さくらさくプラスグループでは、当連結会計年度において1園を開園いたしました。子ども子育て支援事業に関する継続的な開設を計画していることから、開設に係る設備資金を安定的に確保することが重要な課題であると認識しております。一方で、有利子負債比率の上昇は経営の健全性を阻害する可能性があるため、財務の健全性を図るべく、金融機関からの借入、社債発行、株式発行等による複数の資金調達手段を組み合わせ、最適な財務政策を検討してまいります。

⑥ 不動産の確保

さくらさくプラスグループが認可保育所を開設するにあたっては、不動産所有者から保育所建設予定の土地や建物を賃借し、自治体より許認可を得ることとなります。ならびにその他周辺事業(子ども子育て支援)の拡張を含め、自治体、利用者、さくらさくプラスグループのそれぞれのニーズを満たす最適な物件の情報を適時に取得するためには、不動産関連事業者等との関係構築が不可欠となります。さくらさくプラスグループ経営陣は不動産業界での豊富な経験とネットワークを有しておりますが、引き続きこれらのネットワークの拡充に努めてまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてさくらさくプラスグループが判断したものであります。

 

(1)人材確保及び育成に関するリスク

さくらさくプラスグループでは、保育所の新規開設にあたり保育士・栄養士・看護師資格を有する優秀な人材の確保が不可欠となります。そのため、さくらさくプラスグループでは年間を通じて全国各地で新卒の採用を含めた積極的な採用活動を行い、研修制度の充実を図るなど、人材の確保及び育成に努めておりますが、今後、人材の確保と育成が保育施設の新設の速度に追い付かない場合、また確保が必要となる人材の人件費が増加し、当該増加に対して補助金等の十分な手当てがなされない場合、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)国及び地方自治体の政策に関するリスク

国及び自治体は待機児童解消に向け、様々な支援策を実施しておりますが、今後、国や自治体の方針につき改訂等が実施され、補助金の削減や株式会社による保育所の開設が認められなくなるなど、重要な政策の変更が行われた場合、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)少子化の進行や待機児童の減少に関するリスク

さくらさくプラスグループの主要事業である子ども・子育て支援事業の業績は児童数の動向に左右されるため、少子化の急速な進行や待機児童の減少など、市場が著しく縮小した場合、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制等に関するリスク

さくらさくプラスグループの子ども・子育て支援事業は、事業を展開するにあたり、児童福祉法、食品衛生法、個人情報保護法等の国内の関係諸法令を遵守する必要があります。さくらさくプラスグループはコンプライアンス体制を整備しておりますが、適用される法令等に違反した場合、さくらさくプラスグループの業績、事業運営及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、将来さくらさくプラスグループに適用される法令の制定・改廃、司法・行政解釈等の変更がある場合、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

① 児童福祉法

児童の健やかな育成のための児童福祉施設の種類、国・地方公共団体の施策、費用負担等が定められております。

(監督官庁)

厚生労働省・都道府県及び市区町村

② 食品衛生法

飲食に起因する衛生上の危害の発生防止及び公衆衛生の向上、増進を図る見地から食品の規格・添加物・衛生管理・営業許可等が定められております。

(監督官庁)

厚生労働省及び都道府県・政令指定都市・特別区の保健所

③ 個人情報保護法

児童及び保護者の氏名、住所、職業等の個人情報の取り扱い方法が定められております。

(監督官庁)

厚生労働省及び内閣府・都道府県及び市区町村

④ 子ども・子育て支援法

認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(施設型給付)の創設、子ども・子育て支援の充実のための措置等が定められております。

(監督官庁)

厚生労働省、都道府県及び市区町村

 

(5)保育所における事故発生に関するリスク

さくらさくプラスグループでは、保育所の運営において厳正な食材管理及び衛生管理を行うとともに、児童の安全にも十分に配慮することにより、食の安全性の問題の発生防止、その他の事故の発生の事前防止に努めておりますが、何らかの原因によりこれらの問題や事故が発生した場合には、所轄する自治体等からの事業停止命令や訴訟の提起及び風評被害等による多数の利用者の減少等を通じて、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6)個人情報の管理に関するリスク

さくらさくプラスグループでは、児童及びその保護者の氏名や住所など多くの個人情報を保持しているため、厳重に管理のうえ、慎重に取り扱う体制を整えておりますが、万が一漏洩するようなことがあった場合には、利用者を含め広く社会的な信用を失うこととなります。その結果、多くの児童の退園、施設の新規開設等に影響が出ることにより、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害・感染症等に関するリスク

さくらさくプラスグループは首都圏を中心に保育所等の運営を行っておりますが、地震や火災等の発生により施設の利用者や従業員、施設の建物等が被害を受けた場合には施設の運営が困難となり、さくらさくプラスグループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。さくらさくプラスグループでは、安全な保育及び育成を提供するため、定期的な消毒の実施等により感染症についても厳重に対応しておりますが、新型コロナウイルスや新型インフルエンザ、ノロウィルスなどの感染症が流行した場合、従事する保育士やスタッフが多数欠勤することで施設の運営が困難となる可能性があります。その場合、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス等の感染拡大の長期化により、国・地域の経済活動に著しく制約が生じた場合には、保育所等の新規開設に係る工事の遅れによって自治体からの許認可が遅れる等の事態の発生により開園計画に影響する可能性があります。その場合、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)認可取消し等に関するリスク

さくらさくプラスグループの子ども・子育て支援事業において運営している保育施設につきましては、児童福祉法に基づき許認可等を受けております。保育所の種類は認可保育所、小規模認可保育所、東京都認証保育所等いくつかの種類に分類されますが、いずれの形態の保育所も保育所ごとに許認可権限を持つ行政機関へ保育所設置の申請を行い、審査を経たうえで許認可が付与されます。

本書提出日現在において、さくらさくプラスグループの子ども・子育て支援事業において運営している保育所に許認可等取消事由は発生しておりませんが、何らかの要因により行政機関からの許認可が取り消された場合、または補助金の削減や株式会社による保育所開設が認められなくなる等となった場合には、さくらさくプラスグループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

法令等

目的及び内容

監督官庁

主な取消事由

児童福祉法

児童の健やかな育成のための児童福祉施設の種類、国・地方公共団体の施策、費用負担等が定められている。

厚生労働省、

都道府県及び市区町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

 

(9)共同創業者への依存に関するリスク

さくらさくプラスの代表取締役社長西尾義隆及び取締役副社長中山隆志はさくらさくプラスグループの共同創業者であります。両名はそれぞれ保育業界に精通しているとともに、それぞれが不動産業界の経験を通じた施設開発のノウハウを有しているほか、経営方針、経営戦略の立案において重要な役割を果たしております。また、西尾義隆及び同氏の資産管理会社である株式会社だいぎ及び株式会社プラスユーは、当連結会計年度末現在さくらさくプラス発行済株式総数の24.9%を保有しており、中山隆志及び同氏の資産管理会社である株式会社TKSは、当連結会計年度末現在さくらさくプラス発行済株式総数の24.9%を保有しております。

さくらさくプラスグループでは、役員及び幹部社員の参加する会議体等において情報の共有・権限の委譲を進めており、両名に過度に依存することがないような経営体制を構築しておりますが、現状では、何らかの理由により両名のうちいずれか、あるいは双方がさくらさくプラスグループの業務執行を継続することが困難となった場合、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。西尾義隆、株式会社だいぎ及び株式会社プラスユー、中山隆志及び株式会社TKSは、議決権行使にあたって株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、今後も中長期的に一定のさくらさくプラス株式を保有する方針と認識しておりますが、何らかの事情により、市場で当該株式の売却が行われた場合や売却の可能性が生じた場合には、さくらさくプラス株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)認可保育所の開設に関するリスク

さくらさくプラスグループが認可保育所を開設するにあたっては、不動産所有者から保育所建設予定の土地や建物を賃借し、自治体より許認可を得る必要があります。そのため、さくらさくプラスグループでは不動産関連事業者等との関係構築等を行い、さくらさくプラスグループの基準を満たす最適な保育所開設用不動産に関する情報の収集に努めております。

しかしながら、不動産関連事業者等との関係に何らかの障害等が生じるなど、自治体、利用者、さくらさくプラスグループのそれぞれのニーズを満たす最適な物件の情報を適時に取得できず、保育所開設用不動産が確保できない場合、新規開設数が減少し、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、認可保育所の開設にあたっては、開設予定地の近隣住民等に対する説明会の開催など、地域との関係性を良好に保つための対策を講じておりますが、近隣住民等からの反対運動が起こった場合には、開園遅延ないし開園を断念等により新規開設数が減少し、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)業績の季節的変動について

さくらさくプラスグループにおける保育所等の新規開設は、4月が中心となっており、新規開設施設については、第1四半期~第3四半期(8月~4月)に開設準備費用等が先行的に発生する一方で、第3四半期(2月~4月)に補助金収入が多額に計上される傾向にあります。

 

(12)新規に保育所を開設した場合の経営成績への影響に関するリスク

① 新規開設関連収支の処理

新たに保育所等の施設を開設した場合、新規開設のための支出の一部(内装工事費等)に対して自治体から補助金が交付される場合が多く、さくらさくプラスグループは当該補助金を営業外収益の「補助金収入」に計上しております。また、新規開設のための支出のうち、費用処理したものについては営業外費用の「開業準備費」に計上しております。一般的に、「補助金収入」が「開業準備費」を上回ることが多いため、保育所の新規開設数が増加すると、営業外収支が改善される傾向があります。

一方で、新規の保育所は、開設当初は3歳~5歳児等が定員に満たず、児童年齢の持ち上がりとともに満定員に近付いていく傾向にあるため、開設初年度から数年は収益性が低く、保育所の新規開設数が増加すると、営業損益の悪化原因となります。

さくらさくプラスグループは積極的な新規開設を行っていく方針であるため、経営成績における新規開設の影響は当面大きくなることが想定されますが、運営施設数に対する新規施設数の割合が減少するに伴い、影響は徐々に緩和されるものと考えております。

 

② 固定資産関係補助金の会計処理

固定資産の取得の際に自治体から補助金を受領した場合には、税務上、固定資産の取得価額から補助金の額を控除する処理(圧縮記帳)が認められております。財務会計上は、圧縮記帳の方法は「直接減額方式」と「剰余金処分方式」の2通りが認められております。

「直接減額方式」は補助金の額を控除した残額を固定資産に計上し、毎期の減価償却費も控除後の額をもとに計上する方法で、「剰余金処分方式」は補助金を収益計上し、固定資産は補助金控除前の金額で計上する方法です。

いずれの方法を用いても、税務上の効果は直接減額方式と全く同様となりますが、新たに保育所等を開設した場合、「剰余金処分方式」を採用した場合と「直接減額方式」を採用した場合では、以下のような差異が生じます。

「剰余金処分方式」:新たに保育所等を開設した事業年度に「補助金収入」(さくらさくプラスグループにおいては営業外収益)が計上されるものの、当該補助金に関連する固定資産の減価償却費(売上原価)は償却終了まで多額となる。

「直接減額方式」:新たに保育所等を開設した事業年度に「補助金収入」による損益への影響はなく、固定資産が減額されるため、その後の固定資産の減価償却費(売上原価)は償却終了まで少額となる。

 

さくらさくプラスグループはこのうち「剰余金処分方式」を採用しているため、新たに保育所等を開設した場合には、開設後数年間は減価償却費の計上を通じて、営業損益の悪化要因となる傾向があります。

 

(13)販売用不動産の評価について

経済情勢の悪化や不動産市況悪化等により販売用不動産としての価値が大きく減少した場合には、棚卸資産の簿価切下げに伴う損失が発生し、さくらさくプラスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)新規事業について

さくらさくプラスグループでは、今後も持続的な成長を実現するために、新規事業への取り組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、さくらさくプラスグループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の経営環境の変化等により、新規事業がさくらさくプラスグループの想定どおりに進行せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、さくらさくプラスグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(15)固定資産の減損に関するリスク

さくらさくプラスグループの子ども・子育て支援事業において、各保育所の業績が今後著しく悪化し、その回復の見込みがなく投資回収が困難となり固定資産の減損処理が必要となった場合、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)資金調達に関するリスク

さくらさくプラスグループの子ども・子育て支援事業におきましては、保育所の新規開設に関する設備資金等を金融機関からの借入等により調達しており、総資産に対する有利子負債合計の割合は、前連結会計年度39.8%、当連結会計年度34.7%と高い比率で推移しております。今後、新規開設に伴い借入が増加する可能性があり、金利の急激な変動や金融情勢の変化により計画どおり資金調達ができない場合には、さくらさくプラスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の金融機関との契約には財務制限条項が付されており、財務制限条項に抵触し、一括返済が必要となった場合には、さくらさくプラスグループの財政状態、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク

さくらさくプラスグループは、役職員の業績向上に対する意欲や士気を高めるとともに優秀な人材を確保することを目的とし

て、ストック・オプション(新株予約権)を発行しております。当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は229,800株であり、発行済株式総数4,520,800株の5.1%に相当します。今後これらの新株予約権が行使された場合には、さくらさくプラスの1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)繰越欠損金の解消による影響等について

当連結会計年度末現在において、税務上の繰越欠損金が存在しております。さくらさくプラスグループの業績が順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合や税法改正により繰越欠損金による課税所得の控除が認められなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、さくらさくプラスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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