クラシコム(7110)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
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クラシコム(7110)の株価チャート クラシコム(7110)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

クラシコムグループは、「フィットする暮らし、つくろう」というミッションを掲げ、クラシコムグループが提案する世界観(ライフカルチャー)に共感する人たちのWell-beingを実現することに貢献します。Well-beingに欠かせない要件の一つが「自分の生き方を自分らしいと感じ、満足できること」=「フィットする暮らし」だと考え、事業活動を通じて多くの人の「フィットする暮らし」づくりに貢献し、Well-beingな人が大勢いる「心地よい社会」の実現の一助になることを目指しています。

クラシコムの運営する「北欧、暮らしの道具店」は、2007年にヴィンテージの北欧食器等を扱うECサイトとして始まりました。北欧に関係するものが占める割合は小さくなりましたが、販売する商品だけでなく、ユーザーとのつながりをつくり、深めるために提供しているコンテンツについても、すべて「暮らしを自分らしく、美しいものにすること」、「日常のささやかな幸せを大事にすること」といった、クラシコムが強く共感した北欧カルチャーの本質に根ざしてつくられております。

このような世界観(ライフカルチャー)によってユーザーとつながり、関係を深めることを土台として事業展開を行っていることが特徴であり強みとなっているため、クラシコムグループの活動をライフカルチャープラットフォーム事業と表現しております。連結子会社である株式会社foufouも同様の特徴を持っておりますが、投資判断に資する適切な情報を開示する観点からセグメントは区分し、「北欧、暮らしの道具店」、「foufou」という2つの報告セグメントで開示しております。

 

(1) 「北欧、暮らしの道具店」セグメント

① ビジネスライン

「北欧、暮らしの道具店」の提供している世界観に共感するユーザーに対し、商品、記事、動画などさまざまなコンテンツを提供することによって、多くの人の「フィットする暮らし」づくりに貢献しております。売上を獲得するビジネスラインとしては「D2Cドメイン」「ブランドソリューションドメイン」を有しております。

 

D2Cドメインでは、暮らしにフィットする商品を販売しており、当セグメントの収益の大半を生み出しているのは当ドメインであります。ユーザーとの間にはECモールやECプラットフォームが介在しておらず、自社サイトを通じて直接商品を提供しております。このように、ユーザーと直接接点を持ち、直接商品を提供することで関係性を築いている状態であることから、当ドメインの事業活動を「D2C(Direct to Consumer)」と表現しております。

取扱商品は、アパレル、キッチン、インテリア雑貨が主力であり、自社企画のオリジナル商品(※)が売上高の約55%を占めております。現在は、北欧関連商品の割合は少なくなっているものの、「北欧」の価値観に影響を受けて始めた事業であり、今もその精神は受け継がれていることから、サイト名に「北欧」を冠しております。

(※) オリジナル商品:オリジナルブランド「KURASHI&Trips PUBLISHING」「NORMALLY」の商品

 

ブランドソリューションドメインは、「北欧、暮らしの道具店」の強いブランドとコアな顧客基盤に加え、D2Cドメインのコンテンツパブリッシングで培った高い企画制作能力を活用し、クライアント企業のブランディング上の課題に対する総合的なマーケティング・ソリューションを提供する、ブランディングエージェンシーとしての事業ドメインです。ナショナルブランドを中心に、多くのブランドを継続的に支援しております。

主な取り組みとしては、クライアントのブランドや商品を「北欧、暮らしの道具店」サイト上で、クラシコムの読み物の一つとして掲載する「BRAND NOTE」があります。クラシコムのスタッフ等が実際にブランドの商品を暮らしに取り入れている様子などを紹介するコンテンツを作成しております。その他に、動画コンテンツとしてブランドを紹介する「BRAND MOVIE」や、D2Cドメインの商品発送時に、クライアントの商品を同梱する「BRAND GIFT」などの取り組みを行っております。

また最近では、商品を協働して企画開発する長期プロジェクトやイベントプロデュースなどクライアントの要望に応えるなかで新しい取り組みも増えてきております。このような従来の「北欧、暮らしの道具店」サイトを活用したソリューション以外にも挑戦を続けており、これからもさまざまな形でクライアントの支援をすることで当ドメインの幅も広がっていくと考えております。

 

 

② 「北欧、暮らしの道具店」の強みの源泉

クラシコムは、事業開始以来ユーザーとのダイレクトなつながりを大切にし、「北欧、暮らしの道具店」サイトをはじめとしたさまざまな媒体で、WEB記事、オリジナルドラマやドキュメンタリー、ラジオ番組や音楽プレイリスト、全国劇場公開されたオリジナルの映画など、多様なコンテンツを生み出し、発信し続けており、この活動をコンテンツパブリッシャーと呼んでおります。ライフカルチャー(世界観)の源泉として、「北欧、暮らしの道具店」の世界観を表現する多様なコンテンツを生み出し、さまざまなチャネルから発信し続けるコンテンツパブリッシャーとしての活動が、クラシコムの強みとなっております。

ライフカルチャープラットフォームの構造としては、3つの層で構成されており、「ビジネスライン」は「カルチャーアセット」と「エンゲージメントチャネル」によって支えられております。

カルチャーアセットは、コンテンツパブリッシャーとしての活動を行うことによって生み出されたコンテンツやブランド、データといった形で蓄積される無形資産であり、ライフカルチャープラットフォーム事業を行うために最も重要な資産と考えております。

コンテンツについては後述しますが、ユーザーにクラシコムのライフカルチャー(世界観)を浸透させ、長期にわたるロイヤルティを醸成する強力な資産であります。ブランドとは、クラシコムとの関わりを通して、「北欧、暮らしの道具店」を認知する人の頭の中につくり上げられたイメージであります。またデータとは、お買い物をするときのユーザーの行動履歴や購買履歴などのデータであり、あらゆる事業活動の効率を高める羅針盤として意思決定に活用しております。

エンゲージメントチャネルは、SNS(Earnedチャネル)から、アプリ、WEBサイト、メールマガジンといった自社チャネル(Ownedチャネル)にいたる多様なチャネルを指します。上記チャネルを通じてクラシコムとユーザーがダイレクトにつながっております。

「フィットする暮らし」づくりに貢献するようなコンテンツが蓄積され、エンゲージメントチャネルによってユーザーに発信することで、ユーザーからのエンゲージメント(=好きでいてくれること、支持してくれること)が高まり、ユーザーが「フォロー」という形でクラシコムとコミュニケーションする機会を提供してくれます。毎日のようにコンテンツを提供することでエンゲージメントの高まったユーザーがD2Cドメインの商品の購入に至り、収益が生まれます。

ビジネスラインであるD2Cドメイン、ブランドソリューションドメインの2つの事業領域は、幅広いチャネルと蓄積されたカルチャーアセットの土台の上で展開しております。ライフカルチャー(世界観)によってユーザーとつながり、その土台の上でビジネスを展開しているため、クラシコムの事業をライフカルチャープラットフォームと表現しております。


 

クラシコムがユーザーに提供しているコンテンツは、具体的には下記のとおりであります。

 

(商品とそれにまつわるユーザー体験)

クラシコムでは、「お客様に自分自身のものさしで商品を選んでほしい」という想いを伝え、共感したお客様に、購入した商品を生活に取り入れていただくことが「フィットする暮らし」づくりにつながると考えております。

例えば当店でお気に入りのグラスを見つけて購入する際、お客様自身の生活にどのように取り入れられるのか想像を膨らませてもらう。お買い物をして手元に届いたあとは、単に水を飲むための器としてだけでなく、そのグラスを使う瞬間は特別な気持ちになっている。商品の提供とは、お客様にこのような価値を提供していることと考えており、サイト上でのお買い物体験だけでなく、お買い物いただいた商品をお客様の暮らし、ファッション、インテリアに取り入れていただくという行為も、広義のコンテンツだと考えております。

 

(読み物)

平日は毎日3~4本程度、月間で80本前後の記事を読み物として「北欧、暮らしの道具店」サイトで提供しております。読み物の内容には、ECで取り扱っている商品について、バイヤーやプランナーが込めた想いを紹介するもの、スタッフが自身の生活で商品を使った様子を綴るコラム、何らかのテーマに沿った特集記事などがあります。特集記事では、生き方にまつわるものや、レシピを紹介するもの、インテリアを取り上げたものなど、「暮らし」を軸にしながら、多岐にわたったテーマを扱っております。記事にはクラシコムスタッフが作成するものと、スタッフは記事の企画を行い、外部のライターに指示することで作成するものがあります。「北欧、暮らしの道具店」サイトなどインターネット上の読み物だけではなく、お買い物いただいたお客様に小冊子の提供をすることもあります。

 

(動画)

少し変わった家族構成の4人のまわりの出来事をドラマにした「青葉家のテーブル」や、一人暮らしの女性がワンルームの部屋を自分のお城のように好きな雑貨でいっぱいにし、テーマミュージックとともに料理をする「ひとりごとエプロン」など、「北欧、暮らしの道具店」の世界観を詰め込んだ短編ドラマを制作しております。また、さまざまな人たちの朝の習慣を動画として収めた「モーニングルーティン」や、生き様に迫る「うんともすんとも日和」などのドキュメンタリーも制作し、公開しております。2023年から始めた長編のトークドキュメンタリー番組「あさってのモノサシ」も数多く視聴されフォロワー獲得にもつながっています。これらの動画はYouTube上に無料で公開されており、2025年7月現在、チャンネル登録者数は103万人に達しております。オリジナルドラマである「青葉家のテーブル」については映画化し、2021年6月に全国の劇場で公開されました。一部動画からは収益を得ております。

 

(SNS)

クラシコムでは、LINE公式アカウント、Instagram、FacebookなどのSNSやメールマガジンの運営を、マーケティングの手段としてだけでなく、コンテンツの形態の一つであると考えております。SNSの投稿内容は、「北欧、暮らしの道具店」のサイト上のコンテンツを、各媒体に合わせた形に編集して紹介しているものや、各媒体独自の記事を作成することもあります。

 

(ラジオ)

クラシコム取締役で「北欧、暮らしの道具店」店長の佐藤と、スタッフのよしべこと青木がお届けするインターネットラジオ「チャポンと行こう!」や、過去に記事として紹介していたエッセイをスタッフが朗読する「エッセイラジオ」をSpotifyやApple musicなどの音楽サービス上で公開しております。

 

(音楽)

SpotifyやApple music内に提供されている音楽プレイリストの作成機能を利用して、音楽が好きなスタッフが中心となって、「わたしの朝習慣」や「仕事と、音楽と。」などのテーマに即したプレイリストを作成して公開しております。

 

「北欧、暮らしの道具店」は、独自のライフカルチャー(世界観)があふれる温泉を体験できるリゾートパークのようなプラットフォームです。温泉を楽しむために訪れたお客様に、リゾートパークでさらに素晴らしい体験をしていただくことで、「もっと長く滞在したい」「この体験を持ち帰りたい」というニーズが生まれ、そのニーズに応えるべく旅館やお土産屋さん(ビジネスライン)が賑わい、さらに気軽にお越しいただけるように交通網(エンゲージメントチャネル)が整えられていきます。たとえ、リゾートパークが賑わったとしても、肝心の温泉が枯れてしまっては元も子もありません。一番大切なのは、お客様が入りたいと思えるような温泉を枯らさないことであります。これからも、クラシコムはこの「温泉」=ライフカルチャーを大事に守りながら、よりお客様の日常に寄り添えるよう利便性を強化して、さらに長い時間をともに過ごしたいと思われるリゾートパーク=プラットフォームに成長させていきたいと考えております。

 

エンゲージメントアカウント数の増加は、多くのユーザーからエンゲージメントを獲得していることを示しております。そのエンゲージメントが、一段深まった形で蓄積されていることが、累積会員数(※)の増加に現れております。そして、会員が購入することにより、D2Cドメインの収益につながります。

(※) 会員:「北欧、暮らしの道具店」での商品購入時に必要なユーザー情報を登録した状態のこと

 

エンゲージメントアカウント数とは、公式SNSのフォロワー数、YouTubeチャンネル登録数、アプリのダウンロード数、メルマガ会員数等の合計であり、定期的にクラシコムがリーチできる状態のユーザー数に相当するものと考えております。なお、一人のユーザーが複数登録している場合は、重複してカウントされます。

「北欧、暮らしの道具店」のエンゲージメントアカウント数推移、累計会員数推移、年間購入者数推移は、それぞれ以下のとおりであります。

 

[エンゲージメントアカウント数推移]


 

[累計会員数推移]


(注) 退会済みのユーザーを除いた累積の会員数となります。

 

 

[年間購入者数推移]


(注) ユニークの購入者数であり、複数回購入者は1人とカウントしております。

 

③ 事業の特徴・強み

a 低い顧客創造・リテンションコスト

商品販売や再購入を促すために支払う「広告宣伝費」や「販売促進費」が少なく、自社チャネル(Ownedチャネル)である「北欧、暮らしの道具店」及びSNS等(Earnedチャネル)で発信する各種コンテンツの提供を通じて効率的にユーザーを獲得することができております。なお、クラシコムの広告宣伝費には主にエンゲージメントアカウントの獲得のためのオンライン広告に関連するコストが計上されております。

 

b 長期に伸長するLTV

「北欧、暮らしの道具店」でのお買い物に限らず、読み物や動画を楽しむためにサイトを訪問するという多様な訪問動機を提供することで、長期にわたってお買い物を継続的にしてもらえております。結果として平均LTV(※)が長期で伸長し続けております。初購入年度が2022年7月期のユーザーについては、3年LTVは1年LTVの約2倍となっております。ユーザーを年齢、性別等の基準で分類しておらず、「フィットする暮らし」の実現を望む全年代のユーザーを対象とした、幅広いユーザーに支持されるエイジレスな「卒業のないブランド」となっております。

(※) LTV:ある会計年度に初購入を行ったユーザー全員について、特定期間の購入金額の平均値から売上総利益を算出したもの

 

c 高い効率性

「北欧、暮らしの道具店」の運営を通じて獲得したデータを活用し、精度の高い商品企画、適正な発注、在庫コントロールが可能となることで、商品回転率8.6回(※)を実現し、効率性の高い経営を実現しております。

(※) 商品回転率=商品仕入高(2025年7月期)÷商品在庫(2025年7月期期中平均)

 

d 独自性の高い事業構造

クラシコムのライフカルチャープラットフォームは、前述のカルチャーアセットとエンゲージメントチャネルを基礎として成立しております。このため、同様の優位性を発揮し得る事業構造は、資金や人的リソースを投じたとしても、容易に手に入れることはできないと考えております。

 

e 拡張性、可変性

ライフカルチャープラットフォーム上で、多様なビジネスを展開できる拡張性があります。商品の販売に限らず、広告の出稿や動画コンテンツの提供をこれまでに実施してきております。また、特定のエンゲージメントチャネルに依存せず、複数チャネルでユーザーのエンゲージメントを獲得しているため、SNSプラットフォーマーが方針変更等を行った場合にも、変化への対応が容易に可能となります。

 

f 価格決定を主導

D2Cドメインにおいては、販促負担がなく、注文ごとに基本的に送料を受領し、定価消化率は約98%(2025年7月期実績)を実現しております。ブランドソリューションドメインにおいては、代理店等ではなくクラシコムの設定した価格でサービス提供を行っていることから、高い利益率を実現しております。

 

g 従業員の大半が元ユーザー

ブレないライフカルチャー(世界観)をつくり続けるためには、従業員自らがその文化圏の一員である組織づくりにこだわることが必要であると考えております。採用された従業員が生み出したコンテンツが、さらにユーザーを増やす好循環が生まれ、ライフカルチャープラットフォームの世界観を従業員全員で支える組織づくりを実現しております。

 

 

(2) 「foufou」セグメント

2016年にデザイナーのマール・コウサカ氏が設立したファッションD2Cブランド「foufou」を展開するセグメントであり、株式会社foufouが運営を行っております。自社サイトを通じて直接商品を提供・販売するとともに、2025年7月期は各地でのポップアップショップにも精力的に取り組みました。「健康的な消費のために」というブランドコンセプトを掲げ、「foufou」の世界観を表現するコンテンツをSNSで発信して、ユーザーのエンゲージメントを最大化し、購入につなげ、リピーター化する特徴を持つファッションブランドであり、洋服だけでなく、時計や革製品などのファッション雑貨も取り扱っております。

 

[事業系統図]


 


有価証券報告書(2024年7月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、クラシコムグループが判断したものであります。
 

(1) 会社経営の基本方針

クラシコムグループは「フィットする暮らし、つくろう。」をミッションとして掲げ、ライフカルチャープラットフォーム事業を展開しております。事業を持続的に成長させることを通じて、より多くの様々なステークホルダーの「フィットする暮らし」づくりに貢献することに努めてまいります。

ミッションを果たすために、「自由」「平和」「希望」を十分に獲得した状態を目指しており、これらをマニフェストと呼んでおります。他者に支配されない「自由」を獲得する力、ユニークなポジションを築いて望まない競争に巻き込まれない「平和」を維持する力、未来は今よりも良いものだと無理なく思える「希望」を生み出す力、という三つの力を獲得・維持することにより、ミッションに真っ直ぐに力強く向かうことを経営方針としております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

クラシコムグループは、ライフカルチャー(世界観)によってユーザーと結びついており、共感してくださるユーザーがSNSをフォローしてくれたり商品購入といった行動に至ることで収益化できております。そのため、ユーザーとの関係の蓄積を表す指標を重視しており、ビジネスモデルが確立できている「北欧、暮らしの道具店」セグメントにおいては、エンゲージメントアカウント数及び累計会員数、また会計期間において購買に至った結果としての年間購入者数を客観的な指標としております。

また、持続的に成長しミッションを果たしていくためにも財務的に健全な状態であることが重要であると認識しており、各種の財務指標を意識した経営を行っております。収益性指標として特に重視しているものは、資金を生みだす源泉としての売上高、各ステークホルダーや投資などへの分配原資と捉えている売上総利益やEBITDAといった利益、健全な取引やコストコントロールの結果としての売上総利益率やEBITDAマージンといった指標になります。貸借対照表への意識も強く、安全性指標としての自己資本比率や資産効率を示す在庫回転率などの指標も注視しており、結果として適切なキャッシュフローの状態や資本効率に繋がっていると考えております。

 

(3) 経営環境

クラシコムグループは、「北欧、暮らしの道具店」と「foufou」という2つのセグメントがありますが、どちらのセグメントも売上高の多くがいわゆるBtoCのECのため経営環境としては区別せずに記載しております。

経済産業省による電子商取引に関する市場調査報告書(※)によりますと、物販系分野のBtoC-EC市場規模は2023年に14.6兆円(前年比4.8%増)となりました。2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり需要の影響でECの利用が拡大しましたが、2023年に入り、消費者の実店舗回帰の機運が高まり、需要が一服したこと等が主な背景と考えられると報告書では説明されています。2022年に続き成長率としては5%程度ですが、EC市場は確実に右肩上がりで拡大しており、EC化率はまだ9.3%のため今後も成長が期待されます。また利用端末としては「スマートフォン」が伸び続けており、物販系ECの売上高のスマートフォン比率は58.7%、8.6兆円に達しております。

このような市場環境のもと、クラシコムはライフカルチャープラットフォーム事業としてD2Cドメインを展開し、コンテンツパブリッシャーとしての活動によりユーザーからのエンゲージメントを得ることで市場平均を超える売上高の成長率を続けておりますが、ユーザーの「フィットする暮らし」に貢献する様々なコンテンツを提供することが必要であると認識しております。

(※) 出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」

 

(4) 経営戦略等

クラシコムグループの展開するライフカルチャープラットフォーム事業は、カルチャーアセットとエンゲージメントチャネルによってユーザーと世界観で繋がっていることが土台となっており、その上に収益化する複数のビジネスラインが存在することが特徴となっております。

ユーザーに興味をもって貰える(リーチするに値すると思われる)価値あるコンテンツを提供することにより、エンゲージメントを最大化し、エンゲージしたユーザーに各エンゲージメントチャネルを通じて高頻度にコンテンツを提供することで、購買動機につながる機会を増やすことが可能になります。その結果としてユーザーが購入会員化していくとともに、購入後も毎日のようにエンゲージメントチャネルを通じてコンテンツを提供することでリテンション(再訪問を促すこと)を図っております。このように価値あるコンテンツの提供によってプラットフォームが拡大していく構造となっております。

そのため、ビジネスライン、カルチャーアセット、エンゲージメントチャネルという3つの層ごとに経営戦略を考えております。

ビジネスラインについては、既存ビジネスラインの拡大と新規ビジネスラインの開発を行ってまいります。D2Cドメインでは、引き続きカバレッジする商品カテゴリを拡充すること(クラシコムではこれは「カテゴリの花束戦略」と呼んでおります。)で、長期的成長を目指します。ブランドソリューションドメインでは、新規サービスやタイアップ等のより高単価なメニューを開発し、さらなる案件単価の向上とプレゼンスの向上で成長を図ります。また、ライフカルチャープラットフォームの拡大に伴って生まれた事業機会を活かし、新たなビジネスラインを開発し、展開することも長期的に取り組んでまいります。

カルチャーアセットについては、継続して投資を続けてまいります。クラシコムグループのプラットフォームにとっての最重要戦略は、ユーザーとクラシコムとを結びつけるライフカルチャー(世界観)に対する強いエンゲージメントを生み出し続けることであります。コンテンツやデザインへ継続的に投資し、魅力的な世界観を醸成し広げることによって、ブランド及びデータも蓄積されていきます。このようにカルチャーアセットを積み重ねることがプラットフォーム上で取り組む事業の成長と収益性の向上にも繋がります。

エンゲージメントチャネルについても、引き続き拡大を図ります。エンゲージメントアカウント数を増やすことによって、潜在顧客群を形成することが新規顧客を作り、またクラシコムの中長期の成長を支える要因の1つでもあるため、拡大のための投資を行っています。現在は主にアプリがエンゲージメントアカウント数の増加を牽引しており、さらなる伸長の余地があると考えているため、アプリのダウンロードを訴求する広告投資については引き続き一定の効率性と投資対効果のなかで継続してまいります。

今後は新規購入者の増加や既存顧客のリテンションを促す事を通じて購入者数を伸ばす活動も同時に行ってまいります。マス広告などの新規のマーケティング投資やセールスプロモーションにも少しずつ挑戦することによって、幅広い層への認知を広げるとともに既存会員も含めた購買動機をより多く提供することにも取り組んでまいります。今までは、このようなマーケティング活動をせずに成長してきていたため、これからの成長を支える未開拓の分野の一つとして捉えております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

クラシコムグループの優先的に対処すべき主な課題は以下のとおりであります。なお、優先的に対処すべき財務上の課題につきましては、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした手元資金にて対応してまいりましたので、現時点ではございません。

 

① 提供するコンテンツ、商品などの強化

クラシコムグループは、「北欧、暮らしの道具店」や「foufou」に来店していただいたユーザーに、良質なコンテンツや商品を提供することを通して収益機会を得ております。お客様の本質的なニーズを捉えながら、提供するコンテンツの品質を高めるとともに映像コンテンツなど幅を広げる取り組みも継続しております。商品についても、オリジナル商品の企画力強化や新商品の開発に挑戦することで、商品とそれにまつわるユーザー体験をはじめとした提供する全てのコンテンツを通して、多くの人のフィットする暮らしづくりに貢献できるよう努めてまいります。

 

 

② 集客方法の強化と購入者数の拡大

クラシコムグループは、各種SNS、メルマガ、アプリといった様々な導線をつくり、それを活用することで効率的な集客を実現しております。既存チャネルにおいて使用する広告素材(クリエイティブ)の改善などによる効率化をさらに進めるとともに、消費者の行動変化を見通しながら新たなチャネルの開発にも取り組むことで、集客力の強化と効率性の維持に努めてまいります。また、今まで実施してこなかったマーケティング活動などに今後取り組み、より多くの方に認知を広げ新たな購買動機を提供することで購入者数が増えれば、より安定した成長に繋がると考えております。

 

③ 有能な人材確保 

ミッションを実現し、今後の健やかな成長を目指す上で、有能な人材の獲得が重要であると考えております。クラシコムグループのミッションなど経営方針に共感し、今後の事業に必要な能力や求める資質を有する人材を惹きつけられるように、外部ノウハウの活用にも積極的に取り組み、採用活動を強化することで中長期での企業価値向上に必要となる適切な人材リソースの確保に努めてまいります。

 

④ ステークホルダーの期待に応えるコーポレート・ガバナンスの実現

事業の継続的な発展を実現させるためには各方面のステークホルダーの期待に応えられるよう、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であると認識しております。そのために、常にミッション及びマニフェストを念頭に置きながら経営状況を捉え、ステークホルダーとの対話の機会を通じて、自らのガバナンス上の課題の有無を十分に把握した上で、適切に対応してまいります。

 

 


事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

クラシコムグループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、クラシコムグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を与えると認識している事項を記載しております。クラシコムグループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、クラシコムグループ株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

クラシコムグループのリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ④ 企業統治に関するその他の事項 a 内部統制システム及びリスクマネジメント体制の整備の状況」に記載のとおりであります。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在においてクラシコムグループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 業界動向について

BtoC-ECやインターネットメディアの市場規模は今後も拡大傾向であると認識しておりますが、インターネットの利用を制約するような法規制、電子商取引やオンライン決済への新たな規制やユーザーからの信頼性の棄損、個人情報管理の安全性を中心としたプライバシーに対する問題意識の拡がり等の外部要因、景気動向、過度な競争等により、クラシコムグループの事業と関係のある市場の成長が鈍化した場合、クラシコムグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

顕在化に備え収益性や健全性を確保するとともに、業界動向の把握に努め、必要な対応を適時に取れる体制を構築してまいります。

 

② ライフカルチャープラットフォームの優位性について

クラシコムグループは、ライフカルチャープラットフォーム事業という事業を展開しており、北欧、暮らしの道具店と、foufouの2つセグメントを有しております。

クラシコムグループでは、各種コンテンツの発信、商品の品質管理や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動においてステークホルダーからの信頼に応えられるように努めております。しかしながら予測できない事象により、ブランド価値をはじめとするカルチャーアセットが毀損され、ユーザーのエンゲージメントを失うことによって、ライフカルチャープラットフォームが有効に機能しない状況になった場合、クラシコムグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるため、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

今後も経営方針、成長戦略に従って、プラットフォームの強化や拡充、ユーザーのエンゲージメントを高めるための施策を行ってまいります。

 

③ 特定ドメインへの高い依存度について

「北欧、暮らしの道具店」のユーザーに対して生活雑貨等をインターネットで直接販売するD2Cドメインの売上高が、クラシコムグループの売上高の大半を占めております。国内EC市場が拡大していることに加え、ユーザー数の増加や注文件数の増加、取扱商品の拡充等により、今後もD2Cドメインは拡大していくものと考えております。しかしながら、ユーザーの減少や市場規模の縮小等の要因によりD2Cドメインの売上高が減少した場合には、クラシコムグループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

クラシコムグループの重要な収益基盤であるユーザーからのエンゲージメントをさらに高めるため、ニーズを捉えた各種コンテンツの提供や商品展開を進めてまいります。またブランドソリューションドメインなど、D2Cドメイン以外による収益獲得方法の開発・成長に継続的に取り組んでまいります。

 

④ 競合について

クラシコムグループの売上高の大半を占めるD2Cドメインについては、多くの企業がアパレルや生活雑貨等のECをサービス展開している状況にあります。今後も、資本力や知名度、新規サービスの開発力等を有する企業等が新規参入又はサービス規模の拡大をする可能性はあり、その場合には競争の激化やその対策のためのコスト負担等によって、売上高の減少や広告宣伝費等のコスト増加などクラシコムグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

今後もクラシコムグループの特徴であるライフカルチャープラットフォームの強化や拡充を行うことで、単なるEC事業者ではない立ち位置を守り競争力を維持できるよう努めてまいります。

 

 

⑤ ユーザーの獲得について

クラシコムグループの大きな収益源であるD2Cドメインの売上高は、「北欧、暮らしの道具店」の購入者数及び一人当たり売上高により変動し、事業の成長はこれらに影響されます。また、クラシコムグループはSNS等を活用した効果的なマーケティングを自社リソースで行うことにより、効率的にユーザーの集客をしております。上記に挙げた各種KPIについてはこれまで安定的に推移・改善してきておりますが、社会・経済情勢によるユーザーニーズの変化、他の事業者との競争の激化、新たなユーザーとの接点となるデバイスや技術への対応が遅れ集客力が低下するなどの要因によって訪れるユーザー数が従来と比べて少なくなった場合には、売上高の増加ペースが鈍ること、もしくはマーケティング費用が上昇することにより、クラシコムグループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。

ユーザーニーズの深掘りを行い、コンテンツなどの供給面及びアプリやSNSなどの集客面の両方において、新たな取り組みに継続してチャレンジすることで今後も効果的・効率的なマーケティングを行うことに努めてまいります。

 

⑥ システムトラブルについて

クラシコムグループの事業の大部分はインターネットを介して行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存をしております。アクセスの急激な増加等による負荷の拡大、地震等の自然災害や事故、サイバー攻撃等の予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こった場合には、クラシコムグループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。

安定的なサービス運営を行うために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築、障害発生時対応への備えを行い、さらなるリスク低減に努めてまいります。

 

⑦ 配送コストについて

クラシコムグループの主力であるD2Cドメインでは、商品販売に際し運送会社に商品配送業務を委託しており、購入者からは固定の配送料を受け取っております。今後配送コストが上昇し、その価格転嫁が行える環境でない場合には、クラシコムグループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

引き続き配送業務効率化のための投資や業務プロセスの改善を進めるなど、配送コストの上昇に備えた対策に努めてまいります。

 

(2) 事業体制に関するリスク

① 特定経営者への依存及び人材確保に係るリスクについて

クラシコムグループの設立者である、代表取締役社長青木耕平は経営方針や経営戦略において、取締役副社長佐藤友子は事業推進の中心人物として、クラシコムグループの事業活動全般における重要な役割を果たしており、何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合、クラシコムグループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。これらにつき、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

両氏に過度に依存しない経営体制を構築すべく、他の取締役や従業員への権限委譲を進め育成を図ることで依存を薄めることに努めてまいります。

 

② 人材確保に係るリスクについて

クラシコムグループは、ミッションにフィットした人材採用を重要な経営課題と位置づけております。事業の成長に合わせた採用とフィットした人材の確保という両面を叶えるために、人材採用に関する各種施策を継続的に講じております。しかしながら、十分な人材確保が困難となった場合には、クラシコムグループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

各職種に合わせた最適な採用方法の模索による採用強化とクラシコムグループに合った働き方や人事制度の運用により定着を進めてまいります。

 

 

③ 商品の品質管理について

クラシコムグループの提供する商品については、関連法規の遵守及びその品質向上に取り組み安全な商品の供給に努めております。しかしながら、販売した商品及びその広告表現等において、安全上の問題や表示上の問題が発生する可能性はあります。このような問題が発生した場合、大規模な返品、多額の対応費用の発生やクラシコムグループのイメージ低下による売上高の減少等が想定され、クラシコムの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

仕入先や製造委託先の選定における基準、個々の商品に関する検査基準につき、安全性や消費者の要求水準を考慮して必要な対応を行っていくことに努めてまいります。

 

④ 物流機能の強化について

クラシコムグループの商品取扱量の増加に応じて、業務システムの改善、委託先である倉庫業者におけるクラシコムグループ利用スペースの拡大や在庫管理スタッフを確保する必要があります。また将来的には効率的かつ安定的な物流機能を確保するために拠点の分散化も含めた物流機能強化に取り組む必要が出てくる可能性があります。これらの対応が商品取扱量の増加に追いつかない場合には、意図的に商品在庫数や「北欧、暮らしの道具店」で紹介するアイテム数を物流が対応可能な業務量に合わせてコントロールする必要がありますが、これらが販売機会のロスにつながる場合には、クラシコムグループの成長を阻害し経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

中期的な商品取扱量の予測に基づく物流機能の強化を今後も継続するとともに、事業規模の見通しや物流環境などを考慮しつつ大規模な投資も含めた長期的な対応の検討にも今後取り組んでいく予定であります。

 

⑤ 内部管理体制の構築について

クラシコムグループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令の遵守を徹底してまいりますが、事業の拡大・変化に対応した内部管理体制を適時に構築することができず、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しない場合には、適切な業務運営を行うことができず、クラシコムグループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

ガバナンスの重要性をグループ内で共通認識とし、今後の事業規模の拡大に応じて管理、内部監査の体制を強化するなど、内部管理体制の一層の充実を図っていく方針であります。

 

⑥ 新商品開発、新規事業等について

クラシコムグループでは、ユーザー拡大と収益源の多様化を図るため、新商品の開発、新規事業に取り組んでいくとともに、新たなユーザーとの接点となるメディア開発を継続してまいります。これにより人材、システム投資等の先行投資が発生し、経営成績が悪化する可能性があります。また、新商品の開発や新規事業を開始した際には、想定とは異なる状況・リスクが発生することにより当初の計画通りに進まない場合、クラシコムグループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。これらについて重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

新たな取り組みについては、リスクを許容可能なレベルに抑えた上で迅速かつ可逆的に進めることを基本方針としており、今後もその方針のもとで持続的な成長のため積極的に取り組んでまいります。

 

⑦ 固定資産の減損リスクについて

クラシコムグループは、株式取得による会社の買収に伴いのれん等の固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、クラシコムグループが保有する固定資産が、収益状況の悪化等の事由によって減損処理が必要となった場合、クラシコムグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

なお、今後についても継続的に適切な収益コントロールを行いながら、固定資産の簿価について回収可能性の判断を適切に行ってまいります。

 

(3) 法的規制に関するリスク

① ECに関連する法的規制について

クラシコムグループは、主にインターネットでユーザーに商品を直接販売するD2Cドメインから収益を得ております。そのため、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「家庭用品品質表示法」等の販売に関する法規制に基づいて事業を運営しております。管理体制の構築によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令に違反する行為が行われた場合、法令の改正又は新たな法令の制定が行われた場合には、クラシコムグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクとして認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

必要に応じて顧問弁護士からの助言を受けながら、法務担当による、社内運用ルールの法令適合性の確認、契約書の法務チェック等を行い、コンプライアンス体制の強化に努めてまいります。

 

② 個人情報の保護について

クラシコムグループは、会員登録情報をはじめとする個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。これらの個人情報については、個人情報保護に関する基本方針及び個人情報保護基本規程を定めており、社内教育と管理体制の構築を行っております。しかしながら、何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出し、悪用されるといった事態が発生した場合には、クラシコムグループの財政状態及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。

個人情報保護に関する基本方針を定め、適正な入手と入手情報の管理体制を構築しております。また、個人情報保護法の改正動向やユーザーの個人情報に関する意識などを見極めながら、適切な運用が行えるよう社内体制の整備と教育を行ってまいります。

なお、クラシコムは2023年8月16日にプライバシーマークを取得しております。

 

③ 知的財産権について

クラシコムグループは、クラシコムグループが運営する事業やコンテンツに関する知的財産権を確保するとともに、「著作権法」等を遵守し、第三者の知的財産権を侵害しない体制の構築に努めております。しかしながら、クラシコムグループの認識していない知的財産権が既に成立していることによりクラシコムグループの事業運営が制約を受ける場合や、第三者の知的財産権侵害が発覚した場合においては、クラシコムグループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

知的財産権の生じる契約では必要に応じて顧問弁護士からの助言を受けた上で、クラシコムグループの事業運営に必要な権利を確保するよう努めております。またコンテンツ等の制作時には第三者の知的財産権侵害を回避するための対策を実施しております。

 

(4) その他

① 気候変動及び自然災害等について

クラシコムグループの本社及び物流拠点は首都圏にあり、当地域内において地震、水害等の大規模災害が発生することにより拠点が被害を受けた場合、クラシコムグループ施設内や取引先において、パンデミックが発生した場合等、クラシコムグループの想定を超える異常事態が発生した場合には、商品の調達に影響が出る可能性、物流機能が停滞する可能性、通常勤務が困難になることによるサービスレベルが低下する可能性等があり、その内容及び結果によってはクラシコムグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

仕入先や勤務場所の分散化、リモートワーク時における安否確認方法の確立など異常事態が生じた場合でもできる限り業務への影響を低減することに引き続き努めてまいります。

 

② カントリーリスクについて

クラシコムグループが取り扱う商品の一部は生産国が中国など日本国外となっており、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的、経済的な不安定さ等に起因したカントリーリスクが存在します。これらカントリーリスクは回避が困難であり、リスクが顕在化した場合には、為替変動による商品の仕入れ価格への影響や納品が遅延するなど商品調達に支障が出ることによりクラシコムグループの業績が影響を受ける可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

既に仕入先を分散することでリスクヘッジしておりますが、今後新たに主要な仕入先が生じる場合には、当該リスクについても充分考慮した上で仕入先の選定を行ってまいります。

 

③ 風評について

クラシコムグループは広報、IRなどあらゆる情報発信において、適時かつ慎重な発信を心がけることで、情報の信頼性の維持・向上を図り、風評リスク顕在化の未然防止に努めております。しかしながら、正確な情報に基づかない、又は憶測に基づいた情報の流布が、インターネット上の書き込みや報道で広まった場合、それらの内容の正確性やクラシコムの該当有無に関わらず、クラシコムグループサービス利用者や投資者等の認識又は行動に影響を及ぼす可能性が考えられます。これらの報道や情報の流布の内容、規模等によっては、クラシコムグループの事業、経営成績及び株価に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化の可能性は高くないと認識しております。

日頃から風評の発見及び影響の極小化に努めており、クラシコムグループ又はクラシコムグループサービスについて否定的な風評が拡大した場合には、代表取締役社長が必要な関係者を集め対応にあたる方針となっております。

 

④ 資金使途について

株式上場時における公募増資による調達資金の使途については、クラシコムグループ事業のさらなる拡大のため、広告宣伝費及び事業成長のための採用費用、人員増による人件費などに充当する予定であります。しかしながら、上述のとおり様々なリスク・不確実性のなかで事業運営を行っており、事業環境が変化することも考えられるため、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。また、市場環境の変化により、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性が発生した場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

 

⑤ 大株主について

クラシコムの設立者である代表取締役社長青木耕平及び取締役副社長佐藤友子はクラシコムの大株主であり、当連結会計年度末現在で発行済株式総数の66.9%を所有しております。

両氏は、中長期的に安定株主として引き続き一定の議決権比率を維持するとともに、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

クラシコムグループは両氏が安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により大株主である両氏の議決権比率が低下した場合には、クラシコム株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、特定の相手先へクラシコム株式の譲渡を行った場合には、当該譲渡先の方針により、クラシコムグループの事業戦略等に影響を与える可能性があります。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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