プレス工業(7246)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】プレス工業グループ(プレス工業及びプレス工業の関係会社)は、プレス工業(プレス工業株式会社)、子会社19社により構成され、自動車関連事業及び建設機械関連事業等を営んでおります。プレス工業グループの事業内容及びプレス工業と主要な子会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、前述の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一の区分であります。上記の自動車関連事業及び建設機械関連事業では、プレス工業製品の一部を子会社に製造委託しております。なお、子会社においても得意先への直接販売を行っております。(注)1 上記は全て連結子会社となります。2 普莱斯冲圧部件(蘇州)有限公司については2025年12月26日付で解散し清算手続中であります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 プレス工業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてプレス工業グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針プレス工業グループは、経営の基本方針として「ビジョン・ミッション・バリュー」及び「企業スローガン」を掲げており、環境・社会・経済の持続可能性に配慮したサステナビリティ経営を実践し、全てのステークホルダーとともに、質的成長をめざしてまいります。また、倫理規定を制定し、守るべき法令や社会ルールについて、国内・海外子会社を含めたプレス工業グループ社員への周知徹底を図っております。<ビジョン> (目指す姿・ありたい姿)「私たちだからできる」と誇れる仕事を通して世の中になくてはならない存在として全てのステークホルダーと共に成長し続けます<ミッション> (社会に約束すること、存在意義)社会と共生、共鳴しものづくりを通して人、車、機械を支える力であり続けます<バリュー> (価値観)・・・ビジョン、ミッションに向かって進むための行動規範■ 安心・安全・コンプライアンス安心・安全・コンプライアンスは私たちの行動の基本で、全てのステークホルダーに対して担う責任と誇りです■ 誠実・努力私たちのビジネスの中心は人です誠実さと地道な努力によって培われる信頼を、私たちは財産とします■ やりぬく力私たちは「なんとかものにする」覚悟を持って行動をおこし、やりとげます■ 創造力私たちは「まずやってみる」好奇心と探究心で現状に問いを立て、未来を創造することを楽しみます■ 多様性私たちは自分、そして仲間の個性と自由な発想を尊重し、協働します<企業スローガン>製造の先の創造へ。 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題世界経済は、流動的な米国の関税政策、地政学リスク等による減速感があるものの、各国の政策等により、全体としては緩やかな成長が見込まれております。自動車業界においては、EV化減速とパワートレイン多様化、企業再編の活発化、人手不足問題に加え、足下では、中東情勢によるエネルギーコスト高騰、物流混乱等が発生し、先行き不透明な事業環境が継続しております。2024年度よりスタートした5か年中期経営計画 では、不確実で変化が激しい時代においても、なくてはならない存在として成長し続けるための成長戦略を策定いたしました。基本方針に「質を追求し、プレゼンスを高める」を掲げ、3つの骨子①コア事業における攻めと挑戦、②電動化に向けたコア商品の進化、③サステナビリティ経営の推進、に基づき、着実に取組みを進めております。事業環境の変化をチャンスと捉え、様々な経営課題に挑み、企業価値の向上と社会課題解決への貢献を目指します。 ① コア事業における攻めと挑戦自動車関連事業では、主要取引先の中計戦略と連携した取組みを進めております。ボリューム拡大に向けた取組みでは、国内各工場の生産能力増強に加え、米国拠点に新工場を設立し、北米現地生産化への対応も行います。また、国内商用車メーカー再編による変化は成長機会と捉え、プレス工業の強みである技術開発・提案力を武器に、商権維持と事業拡大を図ります。建設機械関連事業においては、顧客のモデルチェンジをターゲットに、キャビン商品のフルラインナップ化による事業拡大を図ります。狙い目としては、油圧ショベル用ミニ/小型キャビン、ホイールローダー、農機・産機キャビン等、地政学リスクの高まりや米国の関税政策を背景としたメーカー各社の調達戦略変化を機に、受注拡大・付加価値拡大に取り組んでおります。プレス工業の開発力を結集したオリジナルキャビンは高評価を得ており、次期モデルへの新たな引合いもいただいております。事業拡大に向けた「技術開発・提案力とものづくり力の追求」では、「要素技術の絶対的なプレゼンスの向上」「プレス機械の刷新、生産工順に応じた最適配置及び生産ラインの再編、一新」「DX強化に向けた革新」を柱とし、様々な取組みを進めております。自動化推進の一環として協働ロボット導入検討を進めており、人とロボットの協力による安全性と生産性の両立、人手不足解消を図ります。また、宇都宮工場では、少量多品種のフレーム部品生産への対応として、穴あけ・外形カット~ロール成形/プレス成形~ショットブラスト~塗装までのフレキシブルな一貫生産ラインを新たに構築しました。ショットブラスト設備も新設し、一貫生産ライン内に組込み、商品性向上を図っております。AI・IoT等のDXを活用した予知保全も進んでおり、革新的な生産性向上を実現してまいります。 ② 電動化に向けたコア商品の進化電動化スピードは地域別にバラつきが出ており、ICE車を含めた全方位戦略にて対応してまいります。コア商品で高いシェアを誇るプレス工業は、現行の生産設備を活用した電動車用商品の生産が可能であり、強みを活かして事業環境の変化に対応してまいります。電動車用コア商品の開発では、バッテリー搭載を考慮したフレーム多機能化やEV用のアクスル開発を推進しており、タイでは量産中のEV専用アクスルをさらにレベルアップさせるべく開発を進めております。電動車専用商品に対しては、車両構造の変化により必要となるバッテリー保護部品や衝撃吸収製品を開発しております。EV化が先行する欧州拠点においては、すでに受注・量産開始しており、新たな引合いもいただいております。実績から得た知見と新規開発技術を活かし、将来的な国内での法規改正を見据えた受注活動を展開してまいります。 ③ サステナビリティ経営の推進プレス工業グループは2022年に長期視点で取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、サステナビリティ経営を推進しております。2024年度には、重要課題(マテリアリティ)について、それぞれにおける目指す姿、ありたい姿を整理、明確化し、これらを実現するためのKPIを設定いたしました。各KPIの達成に向け、重要課題(マテリアリティ)の活動項目に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて、企業価値の向上を目指します。「人材の多様性と活性化」は、プレス工業グループの将来成長を支える重要な取組みと位置づけ、「やりぬく」「創造力」「多様性」「安心・安全」をキーワードとした人的資本戦略の各施策に取り組んでおります。中でも、プレス工業グループは「やりぬく」を重視しており、プレス工業文化として根付かせるべく、やりぬく力醸成に特化した研修を展開中です。2025年度は、従業員のやりがい、満足度を把握するために、従業員エンゲージメントサーベイを実施いたしました。課題を特定し、人的資本戦略と連動させることで、組織の活性化につなげてまいります。人権への取組みは、人権方針に基づき推進しており、人権デューデリジェンスを順次展開しております。「地球環境・社会への貢献」では、環境方針に基づき、気候変動問題への対応、生物多様性の保全や水リスクへの対応、資源循環や地域社会との共生などの重点取組事項を推進しております。気候変動問題への対応では、連結ベースでスコープ1、2、3の目標値を設定し、2050年カーボンニュートラル実現を目指して取り組んでおります。省エネルギー、生産効率向上のほか、エネルギー使用量見える化やグリーン電力の導入拡大等、施策を積み上げ、グループ全体で2030年の中間目標達成を目指します。生物多様性の保全に向けた取組みでは、生態系調査を国内各工場で実施し、保全活動を開始しております。地球環境を大切にし、社会と共生することで、持続可能で豊かな社会の発展に貢献してまいります。「コーポレートガバナンスの強化」では、ステークホルダーエンゲージメントの更なる充実を図るため、CFO傘下にIR専門組織を設置いたしました。IRチームと連携し、情報開示と対話の充実を図ります。リスクマネジメントの取組みも強化しており、変化の激しい事業環境において、安定的な事業継続と更なる企業価値の向上に向け、掲げた取組みを推進してまいります。なお、資本政策に関する目標値として、総還元性向60%以上を掲げており、本中計期間は、1株当たり年間配当金を32円以上とし、DOE3.0%超を目指します。 (3)今後の見通し2027年3月期の業績予想につきましては、直近の顧客生産情報に基づき計画しており、国内の自動車・建機向け需要は堅調に推移するものの、タイにおけるピックアップトラック生産の回復遅れが大きく影響する見込みであります。また、中東情勢による影響については、得意先の生産台数情報や原材料価格の上昇等、現時点で把握可能な範囲において業績予想に織り込んでおります。連結業績予想は売上高1,900億円(前年同期比6.0%減)、営業利益114億円(前年同期比15.6%減)、経常利益115億円(前年同期比18.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益70億円(前年同期比17.4%減)となります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】以下において、プレス工業グループの事業その他に関するリスク要因と考えられ、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事項を記載しております。なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末においてプレス工業グループが判断したものであります。 (1) 経済状況の変動プレス工業グループの主要製品は、自動車部品や建設機械用部品であり、プレス工業グループの営業収入は、これらの製品を直接的及び間接的に供給している国や地域の経済状況の影響を受けるため、情報を収集・分析しその内容を年度計画や中期経営計画等の事業計画へ反映するよう努めております。しかし、日本・北米・欧州・アジアを含めて、プレス工業グループの主要市場における景気後退や、それに伴う予測を超えた需要減少は、プレス工業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 海外事業環境の変動プレス工業グループは、日本・北米・欧州・アジアで生産及び販売活動を展開しており、海外事業において以下のリスクが発生した場合、プレス工業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・政治的または経済的に不安定な事象や、戦争、テロ、過激なデモ、暴動、ストライキ等の社会的な混乱・法律、規則や税制の予期しない変更・労働争議、人件費の急激な上昇、人材確保や採用の難化・大規模な自然災害や感染症、伝染病・合弁事業における経営方針、経営環境などの変化 (3) 為替レートの変動プレス工業グループの海外関係会社の財務諸表は、現地通貨で表示されており、連結財務諸表の作成のために円換算されております。そのため、為替レートの変動によりプレス工業グループの経営成績及び財政状態へ悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 人材の確保・育成プレス工業グループは、業界における競争力の維持・向上及びグローバルな事業活動の強化を目指し、高度な専門技能を有する人材やマネジメント能力に優れた人材の継続的な確保・育成が、極めて重要な課題と認識しております。このため、中期経営計画において人材の多様性と活性化を重点施策として掲げ、積極的に推進しています。しかし、プレス工業グループにおける人材確保・育成の計画が遅れた場合には、プレス工業グループの将来的な事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 技術・製品開発プレス工業グループを取り巻く事業環境は、企業再編が進み、グローバル競争の激化、電動化に向けた開発の本格化など、大きく変化しようとしています。このため、事業環境の変化をチャンスと捉えて、中期経営計画において①コア事業における攻めと挑戦、②電動化に向けたコア商品の進化を掲げ、技術革新や新製品開発に経営資源を投入しております。しかし、市場ニーズや顧客ニーズの変化への対応が結果として不十分であったり、実現時期がタイムリーでなかったりした場合は、プレス工業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 気候変動プレス工業グループは、気候変動リスクへの対応を経営上の重要課題として位置付けており、2050年度カーボンニュートラル実現を目指し、CO₂排出量(Scope1, 2※)を2030年度までに2019年度基準で41.0%削減する中間目標を設定、その達成に向けた取組を進めております。具体的には、省エネ活動の徹底(待機電力削減等)、高効率設備への更新、生産ラインの再編及び再生可能エネルギーの導入を加速させます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿ったシナリオ分析を実施し、気候変動に伴うリスクと機会を明確化しており、そのリスクへの対応をさらなる成長の機会と捉え、製品軽量化、新商品開発、新技術・新工法の技術開発への取組を強化し、脱炭素社会における新たな市場ニーズへ対応してまいります。しかし、気候変動により生じる物理的リスクや、脱炭素社会への移行リスクに適切に対応できなかった場合、プレス工業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。※ Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス) Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 (7) 大規模災害等による影響プレス工業グループでは、大規模災害等(地震、津波、台風、火災等)による生産活動への影響を最小化するために、BCP(事業継続計画)の強化、見直し、それに基づく訓練、ならびに政府指針等に基づく防災対策の徹底を図り、リスク発生の未然防止や啓発活動等を進めております。しかしながら、想定を超える大規模災害等が発生し、建物や設備の倒壊・破損、ライフラインやサプライチェーン、輸送ルート、情報インフラの寸断、人的資源への重大な影響などにより、生産能力の著しい低下や操業の停止といった事態が起こった場合は、顧客への製品供給遅延や、設備復旧費用の増大により、プレス工業グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (8) 材料・部品の調達プレス工業グループは、事業活動に必要な材料・部品の多くをグループ外の仕入先から調達しております。特定の仕入先の納入遅延、製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、ならびに想定を超える自然災害などにより、原材料や部品の不足やコストの上昇が生じる事態が懸念されます。調達先の複数確保や迅速な復旧支援等、調達方針に基づく諸施策を講じておりますが、著しい原価上昇や生産停止等により、プレス工業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 製品の欠陥プレス工業グループは、国際的に認知されている品質管理基準に基づき製品を製造しており、製品品質の安定と向上に取り組むとともに、第三者審査を受けることにより、品質管理体制を整備しております。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来においてリコールなどの問題が発生しない保証はありません。また、製造物賠償責任に関しては、保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額は、保険によって十分にカバーされない事態も懸念されます。そのため、リコールや製造物責任賠償につながる製品の欠陥が生じた場合は、多大なコストと社会的信用の低下を発生させ、プレス工業グループの評価に大きな影響を与え、プレス工業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)情報セキュリティプレス工業グループは、顧客からの情報や自社の開発情報など、営業上・技術上の機密情報を有しております。また、生産活動をはじめとした事業活動全般において、IT技術・ネットワークを活用しております。プレス工業グループでは、サイバー攻撃の未然防止とその事件・事故を対象とした、ネットワークやサーバー等の脅威監視や分析の範囲拡大など、インシデント検知・対応能力の強化を図るとともに、テレワークやクラウドサービス利用の増加に対応するためのセキュリティ対策基盤の強化や、教育の充実を図っております。しかし、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃等による不測の事態が発生した場合、情報漏洩による社会的信用の低下や損害賠償責任の発生、復旧のための費用、システムダウンによる顧客や調達先全体を巻込んだ業務の停止などにより、プレス工業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)企業倫理の遵守プレス工業グループの従業員は、労務関連、独占禁止、情報管理、知的財産保護、環境保護、適正な会計・税務処理、インサイダー取引防止といった各種法令等を遵守する必要があります。このため、プレス工業グループでは、「倫理規定」を制定し、全社的な「行動指針」として守るべきルールやマナー、業務への取組姿勢などを定め、企業倫理を遵守した業務運営や啓蒙活動に努めております。また、コンプライアンス対応やハラスメント防止に関する相談窓口を社内・社外に設け、寄せられた事案に関しては、適時・適切に対応しております。しかし、従業員による法令違反等の問題が万一発生した場合は、直接的な費用の増加や社会的制裁、風評被害等、有形無形の損害の発生により、プレス工業グループの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)大規模感染症等の流行による影響プレス工業グループでは、新型コロナウイルス感染症等の大規模な感染症拡大防止に備え、衛生管理を徹底し、在宅勤務・フレックス勤務・時差出勤等の柔軟な働き方を許容・推奨する労務管理を実施しております。しかしながら、ひとたび国内外で大規模な感染拡大が起こった場合、ロックダウン等の外出措置により経済や生活に著しい制限が生じ、事業活動に多大な影響を及ぼすことが想定され、プレス工業グループの経営成績及び財政状況に重大な影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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