本田技研工業(7267)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】本田技研工業の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しており、関係会社の情報についてもIFRSの定義に基づいて開示しています。本田技研工業グループは、本田技研工業および国内外346社の関係会社(連結子会社282社、持分法適用会社64社)により構成され、事業別には、二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業からなっています。二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業における主要製品およびサービス、所在地別の主な会社は、以下のとおりです。 事業主要製品およびサービス所在地主な会社二輪事業二輪車 ATV Side-by-Side 関連部品 日本 本田技研工業○㈱本田技術研究所☆Astemo㈱☆テイ・エス テック㈱☆㈱エフ・シー・シー☆㈱エイチワン☆武蔵精密工業㈱北米○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド○ホンダカナダ・インコーポレーテッド○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ欧州○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドアジア○ホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッド○ホンダカーズインディア・リミテッド○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド○タイホンダカンパニー・リミテッド○ホンダベトナムカンパニー・リミテッド☆ピー・ティ・アストラホンダモーターその他の地域○モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダ四輪事業四輪車 関連部品日本 本田技研工業○㈱本田技術研究所☆Astemo㈱☆テイ・エス テック㈱☆㈱エフ・シー・シー☆㈱エイチワン☆武蔵精密工業㈱☆㈱ジーテクト北米○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド○ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シー○ホンダカナダ・インコーポレーテッド○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ☆L-Hバッテリーカンパニー・インコーポレーテッド欧州○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドアジア○本田汽車零部件製造有限公司○ホンダカーズインディア・リミテッド○ピー・ティ・ホンダプロスペクトモーター○ホンダ・マレーシア・エスディーエヌ・ビーエイチディー○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド○ホンダオートモービル(タイランド)カンパニー・リミテッド○ホンダベトナムカンパニー・リミテッド☆広汽本田汽車有限公司☆東風本田汽車有限公司その他の地域○ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ ○:連結子会社☆:持分法適用会社 事業主要製品およびサービス所在地主な会社金融サービス事業 金融 日本○㈱ホンダファイナンス北米○アメリカンホンダファイナンス・コーポレーション○ホンダカナダファイナンス・インコーポレーテッド欧州○ホンダファイナンスヨーロッパ・パブリックリミテッドカンパニーその他の地域○バンコホンダ・エス・エーパワープロダクツ事業及びその他の事業パワープロダクツ 関連部品 その他日本 本田技研工業○㈱本田技術研究所☆Astemo㈱☆㈱エフ・シー・シー☆㈱エイチワン☆武蔵精密工業㈱北米○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド○ホンダカナダ・インコーポレーテッド○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ欧州○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドアジア○ホンダカーズインディア・リミテッド○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド○タイホンダカンパニー・リミテッドその他の地域○モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダ (注) 主な会社のうち、複数の事業を営んでいる会社については、それぞれの事業区分に記載しています。 ○:連結子会社☆:持分法適用会社 事業の系統図は、以下のとおりです。(主な会社のみ記載しています。)
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、本田技研工業、連結子会社および持分法適用会社(以下「本田技研工業グループ」という。)が判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。 (1) 経営方針・経営戦略等本田技研工業グループは、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び、売る喜び、創る喜び)を基本理念としています。「人間尊重」とは、自立した個性を尊重しあい、平等な関係に立ち、信頼し、持てる力を尽くすことで、共に喜びをわかちあうという理念であり、「三つの喜び」とは、この「人間尊重」に基づき、お客様の喜びを源として、企業活動に関わりをもつすべての人々と、共に喜びを実現していくという信念であります。こうした基本理念に基づき、「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす」という社是を実践し、株主の皆様をはじめとするすべての人々と喜びを分かち合い、企業価値の向上に努めていきます。本田技研工業グループは、「夢」を原動力に、独創的な技術とアイデアによってモビリティを進化させ、より良い社会をリードする総合モビリティカンパニーでありたいと考えています。「環境」「安全」という二つの大きな社会課題を解決に導きつつ、総合モビリティカンパニーとして幅広いモビリティやサービスを通じ、2023年にグローバルブランドスローガンである、「The Power of Dreams」を再定義して明確に示しました。人々の「時間や空間の制約からの解放」、そして「人の能力と可能性の拡張」という価値を提供していきたいと考えています。本田技研工業グループは、これからも「夢」を原動力に、独創的な技術とアイデアを遺憾なく発揮して挑み続けていきます。 (2) 経営環境および対応の方向性本田技研工業グループを取り巻く経営環境は、大きな転換期を迎えています。価値観の多様化や、高齢化の進展、都市化の加速、気候変動の深刻化、さらに電動化、自動運転化、IoTといった技術の進化による産業構造の変化が、グローバルレベルで進んでいます。また、ウクライナ、中東および南シナ海情勢等の国際情勢や各国の通商政策において不透明な状況が続くなど、地政学的リスクも顕在化しています。そのような中、将来の成長に向けては、提供価値の質の向上に継続的に取り組むとともに、企業活動に関わるすべてのステークホルダーと、長期的な社会課題を解決するための、積極的な関係構築が求められます。四輪事業においては、長期的視点ではEV(電気自動車)が最適解であると考え、その普及に向けて大きく舵を切りましたが、米国での化石燃料に対する規制の緩和やEV補助金の見直しなどにより、EV市場の拡大スピードが鈍化しています。これらの事業環境の変化に柔軟に対応できなかったこと、関税影響によるICE(内燃機関)/ハイブリッド車の収益悪化など、さまざまな要因が重なり、本田技研工業グループの四輪事業は極めて厳しい収益状況に陥ることとなりました。急激な事業環境の変化にフレキシブルに対応すべく、戦略枠組みの再整理と競争力の再構築を進めています。生産体制について、米国オハイオ州の完成車工場では、余剰能力をすべてICE/ハイブリッド車に充てるとともに、北米の全工場でハイブリッド車が生産できるようにするなど、米国でのEV市場の拡大スピードの鈍化を踏まえてリソース配分を見直し、ハイブリッド車を強化していきます。国別には、本田技研工業グループの主要市場である日本や米国に加え、市場の拡大が見込まれるインドでの事業を強化するため、モデルラインアップ拡充やコスト競争力の強化を図ります。その他のアジア各国においても、次世代ハイブリッド車の発売やリソース配分の見直しによる競争力強化に取り組みます。また、カナダでの包括的バリューチェーン構築のプロジェクトは、無期限での凍結とし、今後の調達戦略を引き続き検討していきます。 二輪事業は、人口増加や経済成長を背景に、インドをはじめとするグローバルサウスを中心に需要拡大が続いています。長期的視点では、EVが最適解であると考えていますが、電動車需要が想定以上に拡大していない実態を踏まえ、各地域の実情やお客様のニーズに応じた形で、電動二輪車のラインアップ拡充に加え、ICE車においても燃費性能の向上や、フレックスフューエルモデル(注)の展開を推進しています。本田技研工業グループは、この成長市場のダイナミズムを確実に捉え、競争力ある商品の機動的な投入とお客様に寄り添った質の高いサービスの提供により、市場の成長をリードしていきます。パワープロダクツ事業及びその他の事業においては、長期的には世界的なカーボンニュートラルに向けた動きは今後も変わらないと考えていますが、環境規制の緩和や通商政策の変更などにより、電動化の進展は一部の市場で緩やかになっています。市場環境の多面的な変化に対応するためにも、ICEと電動の両軸を戦略的に強化し、柔軟性の高い事業基盤を構築していく必要があります。本田技研工業グループは、今後ICE事業のさらなる体質強化によって安定的な収益基盤の確立を図るとともに、電動化および将来技術への資源投入を加速し、次世代を見据えた競争力の向上に取り組みます。 (注) ガソリンとエタノールを混合した複数種類の燃料(混合比の異なる燃料)を使用できる内燃機関車のこと。 (3) 財務戦略企業価値の向上のためには、財務・非財務資本を活用し、キャッシュ・フローの持続的な成長と資本効率の向上を実現する必要があると認識しています。この実現のために、「中長期での戦略的な資源配分」「資本コストを意識した経営の強化」「積極的な対話による経営の質・透明性の向上」に取り組んでいきます。本田技研工業グループは、「2050年に本田技研工業グループの関わるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」という目標を定め、その実現に向けては、乗用車をはじめとする小型モビリティの領域において、長期的視点ではEVが最適解であると考え、その普及に向けて大きく舵を切りました。しかしながら、米国での関税政策の変更に伴うICE/ハイブリッド車の事業への影響や、EV開発へのリソースシフトの影響によるアジアでの商品競争力の低下、および新興EVメーカーの台頭による競争激化により、直近では四輪事業の収益性が悪化しています。加えて、米国では化石燃料に対する規制の緩和やEV補助金の見直しなどにより、EV市場の拡大スピードが鈍化しています。このような市場環境変化を背景とした商品投入計画の見直しの一環として、当連結会計年度を通じて、一部のEVモデルの上市および開発中止、特定のアライアンス契約に基づき共同開発したEVモデルの製造終了や生産台数の減少を決定してきました。さらに、2026年3月12日に、四輪電動化戦略の見直しを行い、上記に加えて北米で生産予定であったEVモデルの上市および開発中止などを決定しました。また、ソニーグループ㈱との共同支配企業であるソニー・ホンダモビリティ㈱と共同開発し、本田技研工業の北米子会社が製造受託予定であったEVモデルはソニー・ホンダモビリティ㈱において上市および開発中止が決定されました。中国においては、EV市場の成長が継続する中、新興EVメーカーの台頭により競争が激化しています。こうした厳しい競争環境下において、EVモデルの商品投入計画の見直しを行いました。これにより、四輪事業では、当連結会計年度の連結損益計算書において1兆5,778億円の損失および費用を認識し、さらに追加的な費用または損失が2027年3月期以降に発生する可能性があります。これらのEV関連損失の発生や、足元の急激な事業環境の変化にフレキシブルに対応すべく、戦略枠組みの再整理と競争力の再構築を進めています。今回のEVラインアップの縮小に伴うリソース配分の見直しにより、ハイブリッド車モデルのラインアップ拡充やコスト競争力の強化を図ります。 1.中長期での戦略的な資源配分(原資創出)足元3年間は上記の四輪事業体質の再構築に集中的に取り組み、その後の2年間は、この体質をベースに事業環境に応じて柔軟かつ機動的に商品投入し、四輪事業をさらなる成長軌道にのせていきます。EV関連損失の解消、体質改革の深化や注力地域を中心とした新商品ラインアップの拡充により、四輪事業の収益は飛躍的に改善する見込みとし、盤石な収益性を持つ二輪事業や金融事業のさらなる成長を積み上げることで、2029年3月期には、過去最高となる営業利益の達成、2031年3月期には従前からの目標であるROIC(投下資本利益率)(注1)10%の実現をめざします。 (注) 1 (親会社の所有者に帰属する当期利益+支払利息(金融サービス事業を除く事業会社))÷投下資本(注2) 2 親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債(金融サービス事業を除く事業会社)、期首期末平均により算出しています。 (資源投入)2029年3月期までの3年間においては、投入資源を当初のEV向けからハイブリッド車へシフトしEV投資は3年間で0.8兆円規模にコントロールします。一方、ソフトウェアには1兆円、ICE/ハイブリッド車に4.4兆円を投入し、これら合計の3年間の資源投入額は合計6.2兆円とします。その稼ぎを示すR&D調整後営業CF(注)は、四輪事業の黒字化と二輪事業の強いキャッシュ創出力により、投資と株主還元を両立します。2030年3月期以降は、EVの需要動向を見極めながらEV投資の判断を行い、自前化にこだわらず外部リソースの積極的な活用により、投資効率のさらなる改善を図ります。 (注) 研究開発費控除後の営業キャッシュ・フロー(金融サービス事業を除く事業会社の営業キャッシュ・フロー+ 研究開発支出-開発資産への振替額) (株主還元)成果の配分については、株主の皆様に対する利益還元を、経営の最重要課題の一つとして位置付けており、今後もDOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)(注)3%を目安として安定的・継続的な配当を実施します。 (注) DOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)のベースとなる「親会社の所有者に帰属する持分」は為替や市場環境の影響に よる変動の大きい「その他の資本の構成要素」を除外した調整後の数値を基にします。 2.資本コストを意識した経営の強化環境変化に柔軟かつ適切に対応し企業価値の向上を実現するため、資本コストを意識した経営の浸透を図るとともに、時間軸を踏まえた複数シナリオを持ち、柔軟な資源配分を行っていきます。変革期においては、将来に向けた投資が先行しますが、正味現在価値(NPV)を活用し資本コストを踏まえた投資判断を実施するとともに、経営の守るべきラインとして、資本コストを上回る全社ROICをめざします。 3.積極的な対話による経営の質・透明性の向上投資家や個人株主をはじめとしたステークホルダーの皆様に、経営の方向性が正しく理解され評価いただけるよう、経営陣が主体となり、イベントや個別面談を通じて、これまで以上に積極的な対話を行っていきます。これらの対話を通じて、経営陣や各領域技術責任者から成長戦略に向けた想いをお伝えするとともに、資本市場が本田技研工業グループに求めていることを直接把握し、経営や事業戦略へ生かすことで、企業価値の継続的な向上を実現し、ステークホルダーの皆様からも存在を期待される企業であり続けていきたいと考えています。 (4) 優先的に対処すべき課題持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を本田技研工業グループのめざす方向性に照らし、優先順位を付けた上で注力領域から特定し、「重要テーマ」を決定しています。具体的には「環境」と「安全」に加え、本田技研工業グループの成長の原動力である「人」と「技術」、またすべての企業活動の総和ともいえる「ブランド」の5つです。こうした非財務領域の取り組みを財務戦略と連携させることで、社会的価値・経済的価値の創出を実現していきます。 <5つの重要テーマ>① 環境負荷ゼロ社会の実現本田技研工業グループは、持続可能な企業活動をめざし、それぞれが連鎖している環境負荷を網羅的に低減する取り組みに向けて、全社の重要テーマの一つを「環境負荷ゼロ社会の実現」と設定しています。「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロ、カーボンフリーエネルギー活用率100%、サステナブルマテリアル使用率100%をめざす姿として、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組んでいます。 詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 ② 交通事故ゼロ社会の実現本田技研工業グループは、2050年に全世界で、Hondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします(注1)。また、そのマイルストーンとして2030年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減をめざします(注2)。これらは、新車だけでなく、登録・届出されたすべてのHondaの二輪車・四輪車が対象となります。 (注) 1 Hondaの二輪車・四輪車に乗車中に発生した交通事故(歩行者、自転車等の他者との衝突を含む)。 ただし、故意による悪質な交通ルール違反や、飲酒・薬物等の使用により自ら正常な運転能力を欠いた状態での事案は 除外する。 2 2020年比で2030年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。 詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 ③ 人的資本経営の進化本田技研工業グループの人的資本経営とは、全社の方針である「自由な移動の喜びをサステナブルに創造し、夢に向かって動き出そうとする人のパワーになる」の実現に向けて、人と組織の力を引き出し、お客様価値の創出を通じて、将来の競争力と企業価値向上につなげていく取り組みであり、中長期・短中期の観点から達成すべき二つの人材マテリアリティ(注)を設定しています。 (注) マテリアリティ: 持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、本田技研工業グループのめざす方向性に照らし優先順位を 付けたうえで選定した「重要テーマ」において、特に注力していくべき課題。 詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 ④ 独創的な技術の創出モビリティの可能性の拡張と将来の環境負荷ゼロ、交通事故死者ゼロ社会の実現に向けて、注力領域を定めた上で、各領域のエキスパートが技術開発をリードしています。また、世界中のさまざまな研究機関と共同研究を行うことで、グローバルでの知の探究と結集を図っています。ベンチャリングなどを通じた社外との連携強化も技術創出の取り組みです。社内外の知識・経験・ノウハウを結集して企業の競争力を高めるべく、2021年にコーポレートデベロップメントを担う部門を立ち上げ、機能の強化を続けてきました。さらに本田技研工業グループは、従業員の持つ独創的なアイデアや技術を起点としたボトムアップ式の新規事業創出にも力を入れており、社会課題の解決と新しい価値の創造に挑戦しています。 ⑤ ブランド価値の向上Hondaのブランドは、創業時よりお客様とともに歩み続けたあらゆる企業活動の積み重ねによって形づくられてきました。100年に一度ともいわれる大きな変革期を迎えている中で、Hondaブランドをさらに輝かせ、将来にわたってその価値を高め続けていくことは、極めて重要な課題の一つです。そのために本田技研工業グループは、2001年に策定されたグローバルブランドスローガン(GBS)「The Power of Dreams」を2023年に再定義し、改めて「全てのブランドマネジメントの起点」として位置付けました。本田技研工業グループは今後もGBSをブランドマネジメントの基軸に、さまざまな製品・サービス、企業活動を通じて、それぞれが持つブランドの個性と本田技研工業グループとしての価値ある一貫性を融合させ、Hondaブランド全体のさらなる価値向上を図っていきます。ブランドマネジメントにおいては、Hondaブランド独自の個性に基づき、「企業として共通する価値観や思想」と「商品・サービスの多様性・独自性」との間に相乗効果を生み出すことが重要と考えています。この一環として、グローバルでブランドに価値ある共通性をもたらすために、さまざまな発信・ブランディングを実践する際の指針となる「ブランドアセット」の整備・拡充に取り組んでおり、本田技研工業グループに関わるすべての仲間が自律的にブランドの質を高めていける環境の構築をめざしていきます。 以上のような企業活動全体を通した取り組みを行い、株主、投資家、お客様をはじめ、広く社会から「存在を期待される企業」となることをめざしていく所存でございます。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。本田技研工業グループでは、リスクマネジメント委員会において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。以下のリスクも同委員会で審議のうえ特定されたものです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において本田技研工業グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。 (1) 地政学的リスク本田技研工業グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での関税、輸出入規制、租税を含む現地法令・制度・協定・商習慣の変化、戦争・テロ・政情不安・治安の悪化、政治体制の変化、ストライキなど様々なリスクにさらされています。これら予期せぬ事象が発生し、政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりに伴いサプライチェーンが寸断されるなど、事業活動の遅延・停止が発生した場合、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。その中でも、主に①経済安全保障、②国家間・地域紛争、③人権に関する法規の3つの地政学的リスクを認識しています。これらの地政学的リスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している本田技研工業グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、人的資本経営の進化、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。これらの地政学的リスクが将来及ぼしうる各地域の事業規模については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」を参照ください。 ① 経済安全保障<リスク>各国において重要資源・部品、先端技術などに対する輸出入規制、ブロック化を促進する政策の強化の動きが活発化しています。2025年に米国にて様々な政策転換がなされており、各国の通商政策において不透明な状況が続いています。本田技研工業グループにおいても各国による関税影響および輸出規制に伴う半導体の供給不足に伴う事業影響が当連結会計年度に発生しました。 各国において輸出入および環境規制などに関する政策が変更された場合、生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、米国における政府方針転換や市場環境の変化を受け、本田技研工業は当連結会計年度を通じてEVモデル商品投入計画の見直しや四輪電動化戦略の見直しを行いました。本リスクへの対応については(4)市場環境変化リスクを参照ください。<対応策>本田技研工業グループにおいては、国内および海外の各部門が連携し各国の政策動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、本田技研工業グループの事業に影響を与える可能性がある案件が確認された場合は、リスクマネジメント委員会が先行的に検討を行うことで、早期にリスクヘッジできる体制を構築しています。 ② 国家間・地域紛争<リスク>ウクライナ、中東および南シナ海等、国際情勢の見通しが不透明な状況が続いています。新たな紛争が発生および長期化した場合、発生した国や地域のみならず、それ以外の国や地域でも、人的および物的被害、サプライチェーンの寸断あるいは調達価格の高騰、事業活動の停止などが生じる可能性があり、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、中東情勢の影響もあり世界的に材料価格が高騰しており、本田技研工業の業績にも悪影響を及ぼすことが見込まれます。 <対応策>本田技研工業グループにおいては、国家間・地域紛争の動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、本田技研工業グループの事業に影響を与える可能性がある事象が確認された場合は、「人命・安全の確保」および「社会からの信頼の維持」を前提としたうえで、本田技研工業グループの会社資産・体制の保全、事業継続をはかるための対応を迅速に行っています。 ③ 人権に関する法規<リスク>各国において、企業に人権の取り組みを求める法規の制定が進んでおり、サプライチェーン全体での人権リスク対応の必要性が急速に高まっています。これらの法規に対して適時適切な対応が出来なかった場合、ブランドイメージや社会的信用の低下に加え、本田技研工業グループの生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。<対応策>本田技研工業グループにおいては、「Hondaフィロソフィー」に掲げる人間尊重の基本理念のもと、事業活動において影響を受けるステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、「Honda人権方針」を定めています。本方針に基づき、人権デューデリジェンス、適切な教育・啓発活動の実施など、各国法規を踏まえ自社およびサプライチェーンにおける取り組みを行っています。 (2) 購買・調達リスク<リスク>本田技研工業グループは、良い物を、適正な価格で、タイムリーにかつ永続的に調達することをめざして、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。効率的かつ適正なコストで継続的に供給を受けられるかどうかは、本田技研工業グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、本田技研工業グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。取引先から原材料および部品が継続的に供給を受けられなかった場合、原材料および部品の価格が上昇した場合、もしくは主要な取引先を失った場合、生産活動の停滞や遅延、本田技研工業グループの競争力の損失に繋がる等、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、一部の原材料および部品において価格上昇が既に発生しており、また、電動化の加速により、バッテリーに用いられるニッケル、リチウム、コバルトの需要が急拡大する中、鉱物資源などの供給不足によるバッテリー価格の高騰やAI技術の発展等に伴う半導体・メモリ等供給不足も懸念されています。特に、中国における希土類(レアアース)の輸出規制に関して、本田技研工業グループへの影響を精査しています。また、取引先から供給された部品に起因する本田技研工業グループ製品の品質不具合が発生した場合、お客様の安心、安全を脅かすとともに本田技研工業グループのブランドイメージが毀損され、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。これらの購買・調達リスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している本田技研工業グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。<対応策>本田技研工業グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、サプライチェーンの見直しおよび強化を継続的に行っています。部品の供給状況についてモニタリングを行い、本田技研工業グループの生産などの事業活動に悪影響を与える可能性がある事象が発生した場合には、取引先と連携し事業継続の観点から事業、業績への影響を最小化するための対応を速やかに実施しています。 (3) 情報セキュリティリスク<リスク>本田技研工業グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および本田技研工業製品において様々な情報システムやネットワークを利用しています。特にAI技術の活用を含む自動運転や安全運転支援システム、デジタルサービスに代表されるソフトウェア領域のニーズが高まっています。本田技研工業グループにおいてAIを活用した技術研究にも取り組んでいますが、AIには生産効率向上の側面も期待している一方で意図せぬ第三者の権利の侵害や誤情報の拡散、情報漏洩等へつながる恐れもあります。加えて、サイバー攻撃は攻撃手法の高度化、複雑化が進んでおり、その攻撃対象は世界各国に渡っています。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している本田技研工業グループの5つの重要テーマのうち、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。また、近年世界各国で個人情報保護規則が急速に整備されています。新たな価値創造への取り組みにおいては、従来の事業と比べ取り扱う個人情報の量と質が異なる可能性があるため、個人情報保護に向けた対策の重要性は高まっています。本田技研工業グループ、取引先および委託先におけるサイバーセキュリティリスクのほか、機器の不具合、管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、本田技研工業グループの重要な業務やサービスの停止、機密情報・個人情報等の漏洩、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。このような事象が起きた場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、本田技研工業グループの競争力の損失に繋がる等、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。<対応策>本田技研工業グループにおいては、事業、業績への悪影響を最小化するため、情報システムのセキュリティに関する管理体制および基準を定めています。本基準に基づき、ハード面およびソフト面でのセキュリティ対策を実施し、情報システムのセキュリティ強化を図っています。なお、サイバーセキュリティリスクに対しては、上記に加え、品質改革本部ならびにコーポレート戦略本部内にそれぞれ設置している主管部門を中心に、業務・生産システム、ソフトウェア、品質などの領域を横断する対応体制を構築しています。また、法規を踏まえた規程・手順書などの整備、対応フロー策定、サイバーセキュリティに関する演習を通じた改善点の検証・対策、人材育成などを行っているほか、セキュリティ情報およびイベント情報の管理、悪意のあるアクティビティの監視のためのソリューションを活用し、サイバー攻撃の脅威および脆弱性の監視・分析を行っています。なお、サードパーティのパッケージ製品やクラウドサービスの導入に際しては、定められたセキュリティ基準に基づいてリスクを評価し、導入判断および導入後の年次確認を行っています。生産設備やサプライヤーへのサイバー攻撃に対しても同様に、国内外の各拠点の生産設備やサプライヤーのセキュリティ対策状況についての検証を行うとともに、検証結果を踏まえ、セキュリティ情報およびイベント情報の管理、悪意のあるアクティビティの監視のためのソリューション導入支援等のセキュリティ強化に向けた対策を行っています。このようなセキュリティ強化のための活動については、セキュリティに関するコンサルティング会社や外部スペシャリストと業務委託契約を締結し、支援を受けています。また、各国における個人情報保護規則やサイバーセキュリティ関連法規に対しては、現行の規制のほか、今後施行が見込まれている規則の動向などの情報収集・モニタリングを実施したうえで対応を行っています。なお、本田技研工業グループに重大な影響を与えるサイバー攻撃に関するセキュリティインシデントが発生した場合には、リスクマネジメントオフィサーの監視、監督のもとグローバル危機対策本部を設置し、サイバーセキュリティリスクに対する主管部門が中心となり迅速に実態把握を行ったうえで、影響を最小化するための対応を全社横断的な観点で実施します。 (4) 市場環境変化リスク<リスク>本田技研工業グループは、世界各国で事業を展開しており、市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観、ニーズの変化や、燃料価格の上昇および金融危機、原材料の高騰・供給量低下による製品価格上昇などによる購買意欲の低下、他社との競争激化は、本田技研工業グループの製品の需要低下につながり、本田技研工業グループの事業、業績、将来戦略に悪影響を与える可能性があります。特に中国企業等の新興勢力の台頭などによる競争激化、北米や欧州における環境政策の変化、米国政府による追加関税導入に伴う世界的な貿易戦争や輸入規制の拡大等、自動車業界は大きな変革期にあり、将来の確実な予測は困難な状態にあります。このような市場環境変化を背景として、当連結会計年度を通じてEVモデルの商品投入計画の見直しや四輪電動化戦略の見直しを行いました。当該見直しに関する損失および費用につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 財務戦略」を参照ください。本田技研工業グループがこれら市場・需要の変化に競争力をもって適切に対応できない場合、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。<対応策>これらの変化に適応すべく、優先的に対処すべき課題として5つの重要テーマを策定し、注力領域の人材の量的・質的充足等の対応を進めています。詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」を参照ください。 (5) 他社との業務提携・合弁リスク<リスク>本田技研工業グループは、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従う場合に、他社と業務提携・合弁による事業運営を行っています。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している本田技研工業グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みを進めるにあたっては、業務提携・合弁の活用は不可欠と考えており、今後も業務提携・合弁を進めていきます。業務提携・合弁において、当事者間における利害の不一致、利益や技術の流出、意思決定の遅れ、業務提携・合弁先の業績不振が生じた場合、あるいは業務提携・合弁の内容に関する変更や解消が生じた場合、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。<対応策>本田技研工業グループにおいては、中長期の事業戦略に基づき業務提携・合弁の戦略を議論・策定したうえで、デューデリジェンスを通じた情報収集・リスク検証を行っています。契約締結後においても業務提携・合弁に関する運営状況のモニタリングを行い、本田技研工業グループの事業、業績への影響が発生する可能性がある場合には、業務提携・合弁先と連携し影響を最小化するための対応を行っています。 (6) 環境に関わるリスク<リスク>本田技研工業グループは、世界各国において事業を展開しており、気候変動、資源枯渇、大気汚染、水質汚染、生物多様性などをはじめとする環境に関する様々なリスクの可能性を認識しています。また、これらに関する様々な政策および規制の適用を受けています。その中でも気候変動および燃費・排出ガスに関する政策および規制について、世界各国で見直しが実施もしくは今後予定されています。見直しの動向によっては、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業において、生産・開発・購買・営業などにかかる対応費用などが生じる可能性があり、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。これらの環境に関わるリスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している本田技研工業グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。なお、気候変動に関するリスクと機会については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」を参照ください。 <対応策>本田技研工業グループにおいては、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロ社会の実現に向け、カーボンニュートラル、クリーンエネルギー、リソースサーキュレーション、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」に関する取り組みを行っています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」を参照ください。また、上記の政策および規制に対しては、国内および海外の各部門が連携し情報収集・モニタリングを実施するとともに、それらの状況に基づく最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っています。 (7) 知的財産リスク<リスク>本田技研工業グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。本田技研工業グループにおいては、「新たな成長・価値創造を可能とする企業への変革」を支えるため、パワーユニットのカーボンニュートラル化、エネルギーマネジメントシステム、リソースサーキュレーション、自動運転・安全運転支援システム、IoT・コネクテッドを注力領域として選定しています。これらの特許および商標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している本田技研工業グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、関連リスクの対策の重要性は高まっています。本田技研工業グループの知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり本田技研工業グループの知的財産権が違法に侵害されることによる競争力の低下、さらにはAIの導入による意図せぬ第三者の知的財産権の侵害などに起因する訴訟もしくは特許権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや高額の損害賠償金、ライセンス料の請求によって、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。<対応策>本田技研工業グループにおいては、外部の専門家、取引先と連携し、特許保有者からの特許権侵害訴訟を想定した対策を実施しています。また、関連法規の動向を注視・分析し、将来の法的手続で不利な判断がなされた場合など本田技研工業グループの事業、業績への悪影響が発生する可能性がある場合には、影響を最小化するための対応を行っています。 (8) 自然災害等リスク<リスク>地震、風水害、感染症などの発生時に本田技研工業グループの拠点や従業員が被害を受け、生産・開発・購買・営業などの事業活動の停止・遅延が発生した場合、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。また、これらの事象によって取引先が被害を受けた場合、あるいはインフラの停止が発生した場合にも、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。加えて、世界各国において、気候変動の影響などにより気象災害が激甚化・頻発化しており、この傾向は今後も継続すると予想されます。その結果、これらの災害が本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。<対応策>本田技研工業グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の策定および定期的な見直しを行っています。また、各国で顕在化した事象に基づき、対応体制および規程・手順書の見直し、訓練実施による改善点の検証・対策などを行っています。なお、本田技研工業グループに重大な影響を与える事象が発生した場合には、グローバル危機対策本部を設置し、各地域の情報収集および影響の最小化に向けた対応を全社横断的な観点で実施します。 (9) 金融・経済リスク<リスク>① 経済動向、景気変動本田技研工業グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な地域、国で生産活動を行い、製品を販売しています。これらの事業活動は経済低迷、景気変動などの影響を受けることで、市場の縮小による販売台数の減少、部品調達価格および製品の販売価格の上昇、信用リスクの上昇、資金調達金利の上昇などに繋がる可能性があります。その結果として本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。② 為替変動本田技研工業グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。<対応策>本田技研工業グループにおいては、金融・経済などの動向をモニタリングし本田技研工業グループに対する事業影響を把握するとともに、事業計画に反映し、対応を実施しています。 (10) 金融事業特有のリスク本田技研工業グループの金融サービス事業は、お客様に様々な資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。しかしながら、お客様は本田技研工業グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。本田技研工業グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。 (11) 法務リスク本田技研工業グループは、訴訟、関連法規に基づく様々な調査、法的手続を受ける可能性があります。係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。 (12) 退職後給付に関わるリスク本田技研工業グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などの様々な仮定に基づいて算出されています。仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、本田技研工業グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (13) ブランドイメージに関連するリスク本田技研工業グループのブランドに対するお客様や本田技研工業グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。しかしながら予測できない事象により、本田技研工業グループのブランドイメージを毀損した場合や迅速で適切な情報発信などの対応が実施出来なかった場合、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。これらのブランドイメージに関連するリスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している本田技研工業グループの5つの重要テーマのうち、ブランド価値の向上への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。なお、本田技研工業が過去に販売した四輪車について、型式指定申請時の認証試験に関する不適切な事案があったことを確認し、2024年5月31日に国土交通省に報告しました。今後もコンプライアンスおよびガバナンスの強化をはかり企業活動を行っていきますが、類似した事案が発生した場合には、本田技研工業グループのブランドイメージを毀損し、本田技研工業グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、これらの事案による法務リスクについては、「(11) 法務リスク」を参照ください。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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