T・S・I(7362)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 T・S・Iグループは、T・S・I及び連結子会社である株式会社北山住宅販売で構成されております。社名の「株式会社T.S.I」は、「Terminalcare Support Institute」の略であり、「終末期ケアの支援機関」を意味します。 T・S・Iは、日本の超高齢社会(※)において、在宅独居高齢者の孤独死、要介護者の在宅生活の限界と特養の入所待機者の解消という社会課題を解決するため、「サービス付き高齢者向け住宅」の運営、「訪問介護/介護予防・日常生活支援」、「訪問看護」及び「居宅介護支援」を行っております。 なお、T・S・Iグループの事業セグメントは、高齢者住まい法に基づくサービス付き高齢者向け住宅の運営、及び介護保険法に基づく訪問介護、居宅介護支援、健康保険法及び介護保険法に基づく訪問看護等を行う「介護事業」(T・S・I)、並びにT・S・Iが運営するサービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」の設計、建築、保有を行う「不動産事業」(株式会社北山住宅販売)で構成されており、T・S・Iグループは、自宅で看取られたいと望む高齢者が安心して住める住まいと介護サービスを提供することを目的に、サービス付き高齢者向け住宅を「設計・建築・運営」まで一気通貫して提供しております。 また、拠点数・居室数の推移は下記のとおりであります。 拠点数居室数2016年12月末144182017年12月末164752018年12月末195612019年12月末206302020年12月末247462021年12月末288922022年12月末319792023年12月末321,0292024年12月末331,0852025年12月末361,210 (※)高齢化の進行具合を示す言葉として、65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。 (1)T・S・Iグループの各事業の内容(介護事業) ① サービス付き高齢者向け住宅 高齢者が暮らすための介護サービスは「施設系」と「住宅系」に大別されます。「施設系」の契約は利用権方式、「住宅系」の契約は賃貸借方式をとっており、サービス付き高齢者向け住宅は「住宅系」にあたります。 サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者住まい法の第5条において「状況把握サービス(安否確認)」「生活相談サービス」を行うことが必須とされておりますが、その上に付加するサービスについては各事業者の任意となっております。 サービス付き高齢者向け住宅は、医療体制がしっかりしており、重度の方を対象とする「医療特化型」、介護体制がしっかりしており、自立~重度の方までを対象とする「介護特化型」、入居時費用等が高額であり、高所得者層を対象とする「高級志向型」、自立度が高い方向けに最低限のサービスのみ提供する「高齢者一般向け」等の様々な形態がみられます。T・S・Iは従来は「介護特化型」に特化して事業を展開してまいりましたが、2023年以降は「医療特化型」の要素も内包した、介護と医療の両方の支援を行うことが可能な「ハイブリッド型」を新規開設時の基本スタイルに据えております。 T・S・Iは、後述するように、基本的にサービス付き高齢者向け住宅内の事務所部分に、訪問介護事業所、訪問看護事業所を併設させ、同一敷地内または近隣に居宅介護支援事業所を併設させた形で、24時間施設に人員を配置しております。看取りまで対応を行うなど、要介護2~3程度の介護が必要な方を主たる顧客層とし、直近では訪問看護事業所を併設することで、医療依存度の高い方の受け入れも進めております。 利用者は、T・S・Iが運営するサービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」に賃貸借契約を締結して入居します。サービス付き高齢者向け住宅は、様々なサービスを提供することが可能ですが、T・S・Iは現在、住まいの提供、生活支援サービス、食事の提供に加え、訪問介護事業、訪問看護事業、居宅介護支援事業によるサービス提供をしております。 生活支援サービスでは、安否確認(毎日、主に食事時を利用した食堂での見守りなど)及び機能訓練も意識したレクリエーションを毎日実施しております。希望者や必要な方には、生活支援サービスのオプション対応として、有償での介護の提供も行っております。 T・S・Iでは、サービス付き高齢者向け住宅を建築されるオーナーから委託を受けて、サービス付き高齢者向け住宅の運営及び入居者に対するサービスの提供を行っております。 T・S・Iの運営するサービス付き高齢者向け住宅の主な入居者は、要介護1以上の要介護認定を受けている高齢者です。高齢者住まい法で定められている、サービス付き高齢者向け住宅を運営する上での最低要件は「状況把握サービス(安否確認)」「生活相談サービス」の提供であり、居室部分の設備(浴室やキッチンの設置の有無)や介護サービス体制、料金設定等は事業者に委ねられておりますが、T・S・Iは特養入所待機者層をメイン顧客層としているため、全体的に設備は介護が必要な方向けのものを準備し、人員配置やサービス内容を整備しております。また、介護保険の訪問介護だけを利用して在宅で生活を送ろうとした場合、介護保険の区分支給限度基準額を超えた部分は利用者の10割(全額)負担となり、生活費が高額となりますが(※)、T・S・Iの運営するサービス付き高齢者向け住宅では、利用者が介護保険でまかないきれない部分について生活支援サービスのオプション(有償)を利用することで、介護保険で10割(全額)負担となる場合に比べて、同一サービスを低価格で受けることができる料金体系としております。 T・S・Iは、サービス付き高齢者向け住宅に訪問介護事業所を併設しております。これは、利用者との一対一の関わりの頻度を高くし、家族介護を代替する体制をとるためです。入居者とスタッフ、または入居者同士の関わりを多くするために毎日レクリエーションも実施しております。高齢者の方が強く感じやすい、孤独・不安を少しでも取り除くことができるよう、人との関わりを多く持てる安心した生活の場を提供しております。 在宅での看取りとは原則、医療処置や延命措置を行わないため、本人、家族、訪問診療医がその点について合意することが必要になります。三者の積極的延命措置はしない旨の共有のもと、各拠点の提携先の訪問診療医が痛みや苦しみを和らげるケアを、T・S・Iに所属する訪問看護師や外部の訪問看護が状況把握や経過観察を行い、「アンジェス」のスタッフが最期の日々の生活をサポートすることで「アンジェス」での在宅の看取りは成り立っております。なお、2023年12月期以降の新規開設拠点では、大型拠点の場合は訪問看護事業所を併設しており、T・S・Iでより多くの方の看取りまでの支援が可能となりました。 (※)在宅で介護保険を利用する場合、利用者の自己負担割合は1割(本人の収入によって自己負担割合は1~3割の間で変動)となりますが、各々の認定された要介護状態により、利用できる介護保険サービスの量が異なります。2019年10月の改定時より、要介護1の利用者の区分支給限度基準額(1割負担で利用できる範囲)は16,765単位、要介護3の利用者の区分支給限度基準額は27,048単位であるなど要介護度に応じて設定されております。介護保険の限度額(区分支給限度基準額)を超過して介護保険サービスを利用した場合、10割(全額)負担となり、限度額内でサービスを利用できていた場合と比べ、約10倍の自己負担金額となります。これが積み重なると、金銭的な負担が大きくなり、「アンジェス」での生活の継続が難しくなり、特養など施設への転居を本格的に検討しなければならなくなりますが、T・S・Iは、介護保険とサービス付き高齢者向け住宅の生活支援サービスのオプション(有償)を併用するプランを提供できることから、必要な介護と費用負担面を考慮しながら生活プランを設計することが可能となっております。 ② 訪問介護/介護予防・日常生活支援 訪問介護とは、65歳以上の第1号被保険者(第2号被保険者にあっては特定疾病等で認定を受けた40歳~64歳の方)で、要介護認定を受けた利用者に対して、介護福祉士(ケアワーカー)や訪問介護員(ホームヘルパー)が、自宅へ訪問し、食事・排泄・入浴など直接身体に触れる身体介助や掃除・洗濯などの家事面における生活援助を行うサービスです。介護支援専門員(以下、「ケアマネージャー」という。)が作成するケアプランに沿って、食事・排泄・入浴の支援や、血圧測定、緊急時の通院補助等、日常生活の支援を実施しております。 T・S・Iの訪問介護事業所「ケアステーションあんじぇす」では、主として「アンジェス」の入居者に向けて訪問介護を提供しており、「ケアステーションあんじぇす」のスタッフは、サービス付き高齢者向け住宅のスタッフも兼務しております。時間帯によってはサービス付き高齢者向け住宅の仕事も行っており、食事の様子、夜間の様子など24時間を通した入居者の生活の支援・見守りを行っております。これらの理由から、訪問介護においても利用者の些細な変化に気づきやすく、体調不良時などに早期に家族や医療従事者へ情報提供ができる体制が整っていること、利用者との信頼関係を深く築きやすいことで、利用者がより安心できる看取りの場を提供できること等が特徴となっております。 ③ 訪問看護/介護予防訪問看護 訪問看護とは、看護師等が療養者などの居宅を訪問して行う看護(療養上の世話または必要な診察の補助)です。訪問看護サービスの対象者は医療的ケアを必要とする方であり、医師から指示書を受け取った看護師は看護計画を作成し、医療保険と介護保険による訪問看護サービスを提供しております。 T・S・Iの訪問看護事業所「訪問看護ステーションルーチェ」では、「アンジェス」に入居する方の終末期ケアのホスピスケアを担い、介護と看護の連携によって、身体及び心のケアを行うことで、入居者の心身の苦しみの緩和、生命を脅かす病に関連する問題に直面している方とその家族のQOL(生活の質)の維持向上に向け、 最後まで自分らしく生きるために生じる問題を見出し対応しております。 ④ 居宅介護支援 居宅介護支援とは、在宅で介護を希望する利用者向けの介護サービスのひとつです。ケアマネージャーが、要介護・要支援認定された要介護者や要支援者、その家族の生活環境の状況を確認し、利用者やその家族に対して、介護や支援の内容について確認し、それに基づきケアプランを作成します。T・S・Iの居宅介護支援事業所「ケアプランセンターえんじゅ」では、「アンジェス」の入居者以外の外部の利用者にサービス提供するケースもあるものの、主として「アンジェス」の入居者を対象としております。 T・S・Iのケアマネージャーは、「アンジェス」の生活環境や「アンジェス」の生活時間帯を把握することで、多くの利用者に安心・安全にサービスを提供できるプラン設計を目指しております。利用者は、T・S・Iサービス利用前に担当していたケアマネージャーに引き続き担当を依頼することも可能であるため、一部の利用者は外部のケアマネージャーが担当しております。T・S・Iのケアマネージャーは、「アンジェス」の入居者の状態を日々知ることができ、それらを参考としてケアプランの作成をすることが可能です。また、T・S・Iのケアマネージャーは、「アンジェス」が提供可能なサービスに関する知識もあり、利用者の介護面と金銭面を考慮したプランを作成できることから、長く安心して生活できるプランを迅速に提案することが可能となっております。 (不動産事業) 不動産事業は、サービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」の設計・建築に加え、複数拠点の「アンジェス」の所有を行っております。不動産事業では、株式会社北山住宅販売がオーナーと建築請負契約を締結し、サービス付き高齢者向け住宅の設計から建築までを行っております。同一モデルのサービス付き高齢者向け住宅を手掛けてきたノウハウの蓄積により、設計期間の短縮化・効率化と介護向けの建物としての質の向上を図っております。T・S・Iで運営するサービス付き高齢者向け住宅だけでなく、外部運営業者が運営するサービス付き高齢者向け住宅の建築請負も行っております。 (2)事業の特徴 T・S・Iは京都府、滋賀県を中心に岡山県、静岡県、兵庫県、愛知県、神奈川県、岐阜県、大阪府、栃木県、東京都にサービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」を展開し、基本的に「アンジェス」に併設する形で訪問介護事業所「ケアステーションあんじぇす」を、「アンジェス」に併設または近隣に居宅介護支援事業所「ケアプランセンターえんじゅ」を、一部拠点では「アンジェス」に併設する形で「訪問看護ステーションルーチェ」を開設しております。 T・S・Iのサービス、事業展開の主な特徴は、以下のとおりであります。 ① T・S・Iグループにおけるワンストップでのサービス提供 T・S・Iは、建築・不動産を担う100%連結子会社として株式会社北山住宅販売を有しております。同社はサービス付き高齢者向け住宅に特化した設計・建築を行っており、29室モデルまたは50室モデルについてのノウハウを蓄積しております。拠点の建築を外部業者に委ねた場合、適切な開設先を確保できないリスクや建築コストが高くなるリスク等があることから、T・S・Iグループ内で設計・施工を一貫して行う形態をとっております。 事業スキームとしては、大きく分けて以下の2つの形態があります。 従来は基本的に、外部の土地オーナーが施主となり株式会社北山住宅販売が建築請負契約を結び、建物完成後にT・S・I又は一括借上業者が一括借り上げを行い、T・S・Iは賃貸テナントとして介護事業運営を行うスキームで事業を行っておりました。 しかし現在は、T・S・Iグループ自らが土地・建物を取得し、自社で設計・施工を行い「アンジェス」のオーナーとなる「自社保有」をメインとした新規開設方法を採用しております。これは、外部オーナーの場合は開設までの進捗がオーナー次第になってしまう点や、昨今の建築原価高騰等を考慮した結果によるものです。 なお、2025年12月末時点において、T・S・Iグループ全体で「アンジェス」を計11棟自社保有しております(株式会社北山住宅販売が10棟、T・S・Iが1棟)。 上記のとおり、T・S・Iグループの事業はグループ内に、サービス付き高齢者向け住宅の設計・建築に特化した株式会社北山住宅販売を保有しており、T・S・Iグループで「土地取得」「設計・建築」「建物保有」「運営」をすべて内製化していることが、最大の特徴であります。その他、利用者、オーナー、T・S・Iグループそれぞれの立場における特徴は、下記に記載のとおりです。 a.利用者 株式会社北山住宅販売には、29室、または50室程度の同モデルのサービス付き高齢者向け住宅に特化した設計・建築ノウハウが蓄積されており、介護事業に適した建物を建てることが可能です。これらのノウハウは1棟新たに増えるごとにさらに蓄積され、介護導線、食堂の配置、居室内の設備の配置等の改善という形で、利用者へ還元されております。 「アンジェス」は、要介護2~3程度の特養入所待機者層をメイン利用者と想定し運営を行っております。特養入所待機者層は、基本的に料金面でも制約のある中、株式会社北山住宅販売が建築した場合、運営開始から蓄積したノウハウを活かし建築請負金額を抑えることが可能です。建物価格を抑えることで利用者が支払う家賃も低く抑えることができるため、利用者にとっては生活費の総額を抑え、介護支援などの必要な部分に資金を回すことができ、介護度が上がっても長く「アンジェス」で生活を送ることが可能となります。「アンジェス」は、厚生年金受給者を対象とした価格帯を設定することで、最期まで生活できる場を提供しております。 b.オーナー 株式会社北山住宅販売が建築する「アンジェス」シリーズは、木造寄宿舎扱いの建物であり相続税評価が低く見積もられることから、オーナーにとっては相続税対策に適しております。建築の責任を担う株式会社北山住宅販売と同一グループであるT・S・Iから一括で基本的に25年間の借上げを受けられることもオーナーの安心感につながっております。また、現在、条件を満たすことで建築費の1割の補助金(スマートウェルネス住宅等推進事業:国土交通省)を受けることができますが、株式会社北山住宅販売が補助金申請代行を行うため、オーナーの事務的な負担はありません。 c.T・S・Iグループ 株式会社北山住宅販売では、サービス付き高齢者向け住宅建築に特化したノウハウを蓄積しており、同一規格も多いことから建築原価のコストダウンに繋がっております。また、サービス付き高齢者向け住宅の新規開設には、行政へのサービス付き高齢者向け住宅の登録や補助金申請など、建築会社と介護会社が情報連携しながら行政対応を進める必要がある中で、二社間でこれまでにも多くの「アンジェス」を新規開設させてきたことから、連携してスムーズに案件を進めていくことが可能です。 ② 看取りから自宅復帰まで対応するサービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅の全国平均看取り率は38.2%に対し、T・S・Iの「アンジェス」シリーズの2025年12月期における看取り率は51.2%となっております(出典:サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会(国土交通省)第5回配布資料「サービス付き高齢者向け住宅の現状等」令和2年12月24日。なお、T・S・Iの看取り率については同調査報告に記載の計算方法(※1)により算出)。超高齢社会で独居高齢者が増え続ける我が国において、約5割強の方が「自宅で最期を迎えたい」と望んでいるにもかかわらず、自宅の環境と家族の受け入れ準備が整わず、結局7割近くが病院にて亡くなっているというデータもあります(出典:平成29年度 高齢者の健康に関する意識(内閣府)、令和元年人口動態調査(厚生労働省))。そのような中、T・S・Iは利用者の第2の自宅として、最期まで生活できるような料金に設定しており、多くの利用者に看取りの場を提供しております。そのため、利用者の入居受入れ可能期間が長くなります。T・S・Iでは、訪問診療の医師、訪問看護と連携することも可能です。T・S・Iでは、まずは利用者に生活の場として「アンジェス」に住んでもらう中で、最終的に本人や家族に看取りの場として選んでもらえるよう長い目で見た関係性を作っております。 また365日実施しているレクリエーション等により利用者のADL(※2)が向上し、自宅復帰率(※3)は6.6%(2021年12月期から2025年12月期の5期平均値実績)となっており、「アンジェス」での看取りと自宅に復帰することの両面から「自宅で最期を迎えたい」高齢者のニーズに応えております。(※1)看取り率は、「高齢期の居住の場とサービス付き高齢者向け住宅の現状に関する調査報告」に記載のとおり、「居室・一時介護室・健康管理室での看取り(人)」を「死亡による契約終了+病院・介護療養型医療施設等への転居(人)」で除した数値、と同じ考え方で算出しております。(※2)ADLとは、「Activities of Daily Living」の略で、「日常生活動作」のことであり、起床から着替え、移動、食事、トイレ、入浴など日常的に発生する動作を指します。(※3)自宅復帰率は、自宅復帰者数を総退去者数で除した数値となっております。 ③ 各拠点に役割が異なる3つの事業部を配置 T・S・Iの各拠点では、施設管理部、訪問介護部、居宅介護支援部の3事業部の各担当者を配置し、各々が専任でそれぞれの目標とする経営指標(KPI)をもち、3事業部が相互に連携しております。 T・S・Iでは、施設管理部には、収支・稼働率に責任をもつ経営者の視点と、利用者の家族の立場に立った視点を持つように指導しております。拠点経営を担う部門で、営業による入居者の確保、稼働率の維持・向上と円滑な施設運営に責任を持ちます。訪問介護部には、利用者の立場に立った介護を提供することを求めております。訪問介護部は、介護サービスの質・人件費率に責任を持ち、スタッフ教育や日々のサービス提供を担っております。居宅介護支援部には、専門職としてのケアマネージャーの視点に立ち、看取りに至るまでのケアプランの作成と、ケアプランの作成業務を通じて、入居者の生活の質の向上を図ることを求めております。これら3事業部がT・S・Iにおける理念のもとに連携しながら各々の業務を実施していくことで、利用者へのサービス提供と経営の安定化を図っております。 2023年以降の新規開設拠点では、大型拠点の場合は訪問看護も併設しており、上記3つの事業・観点に加え、医療・看護の視点も加わることで、さらに利用者への複合的、専門的な視点から支援を提供する体制となっております。 ④ 自社営業部隊の配置 T・S・Iは、施設管理部という自社の営業部隊を保有しており、原則1拠点につき1名配置しております(同一地区にある拠点は1名が兼務することもあります)。これにより、T・S・Iでは利用者の獲得に際し、紹介会社等を使うことがなく、紹介手数料等の1利用者あたりの獲得コストがかからない運用となっております。また、自社営業部隊が直接営業を行い、地域で信頼を獲得していくことにより、中長期的な視点を見据えた事業運営を行っております。 T・S・Iの営業担当者は、ケアマネージャーや病院のソーシャルワーカーへの定期訪問により、入居者の生活情報をフィードバックする等の情報提供を行っております。要介護の高齢者が住宅・施設に入居する場合、どのようなブランド名の住宅・施設か、よりも、どのような施設長・スタッフに介護されるかが、入居検討者の大きな関心事となっており、人と人による関わりが重視される傾向にあります。T・S・Iでは、自社の営業担当者を置き、直接、紹介元のケアマネージャー、病院のソーシャルワーカーに営業し、関係性を築くことで、その後も繰り返し入居者を紹介してもらいやすく稼働率が安定しております。 T・S・Iの開設後1年以上経過した全拠点の平均稼働率は96.5%(第16期連結会計年度末時点)と、早期立ち上げに加え、満室に近い状態を維持しております。 第14期連結会計年度末(2023年12月31日)第15期連結会計年度末(2024年12月31日)第16期連結会計年度末(2025年12月31日)居室数(室)稼働率(%)居室数(室)稼働率(%)居室数(室)稼働率(%) うち開設1年以上 うち開設1年以上 うち開設1年以上1,009(※2)94.394.11,045(※3)95.896.21,124(※4)96.596.5(※1)「稼働率」を次のとおり定義しております。稼働率=(介護居室賃貸借契約数÷総提供可能介護居室数)(※2)アンジェス彦根河瀬の医療居室20室を居室数から除外(※3)アンジェス彦根河瀬の医療居室20室、アンジェス宇都宮砥上の医療居室20室、計40室を居室数から除外(※4)アンジェス彦根河瀬の医療居室20室、アンジェス宇都宮砥上の医療居室26室、アンジェス八王子の医療居室20室、アンジェス宇都宮御幸本町の医療居室20室、計86室を居室数から除外。アンジェス宇都宮砥上は、医療居室のニーズが強く、2025年度中に介護居室6室を医療居室へと転換し、室数が増加しております。 またT・S・Iは、次項で記載している「ドミナント戦略」により、複数の拠点を含む1エリアに対して、1名の外回り担当者の配置でも商圏全体をカバーできる体制とすることで、営業効率の向上を図っております。 ⑤ ドミナント戦略 T・S・Iは、新たな都道府県にて事業進出後、その周辺に複数拠点を開設するドミナント戦略をとっており、当該戦略により、以下の点が可能になると考えております。 a.入居者確保 近隣に複数の拠点があることで、1エリアに1名の外回り担当者の配置でも、複数拠点をカバーして営業活動を行うこともでき、効率的に入居者を確保することが可能です。また、1つの拠点が満室でも近隣拠点を紹介することが可能となります。 b.人材確保 現在、介護業界において、人材確保は大きな課題となっておりますが、T・S・Iは、ドミナント展開を行うことで、同一エリアの拠点間で人員の融通を行うことを可能とし、課題に対処しております。 ドミナント展開を行うと、拠点を新規開設する際に、近隣の既存拠点から昇格人事によりT・S・Iの事業運営のノウハウを持った管理者を立てることが可能となります。その結果、初期の教育期間を短縮できることに加え、T・S・Iの理念・価値観にあった人材を管理者として登用していくことができます。また、急なスタッフ不足の際に、近隣拠点間又はエリア全体として介護スタッフの補充体制を取ることができ、スタッフ不足による利用者へのサービス中止という収益機会の逸失を防ぎます。 また、これらスタッフの確保と管理者の育成が進むことで、さらに入居者を募集しやすくなると考えております。 ⑥ キャリアプランによる人材育成 T・S・Iでは、体系的なキャリアプランと部門横断的な異動の実現によってスタッフの能力に応じて育成・配置を行っております。ドミナント展開を軸に、エリアで多店舗展開するT・S・Iの開設スタイルは、多くの人材に管理者ポジションを与えることを可能としており、従業員がキャリアプランを描きやすい事業運営を行っております。T・S・Iには、訪問介護部、訪問看護部、居宅介護支援部で専門性を高めてスペシャリストを目指す「スペシャリストライン」と、施設管理部で、拠点経営者、エリアマネージャーと、経営を担っていく「経営者ライン」の2つのキャリアプランがあります。部門をまたいでの異動も多々あり、元々介護職でありながら施設長やエリアマネージャーとして活躍する人材を増やすべく、人材発掘や、人材育成による内部昇格体制を構築しております。 ⑦ 自社運営による直接的なブランド力の維持・強化 T・S・Iは、介護業界で業務を運営していくうえでは、コンプライアンスと教育が経営の根幹であると考えており、1棟の事故で全「アンジェス」ブランドが傷つくリスクもあることから、介護のクオリティを担保するため、自社運営であることを重視しております。T・S・Iでは、自社で雇用したスタッフに対して、入社時の理念研修と毎年行う理念研修、マネジメント研修を実施することで、T・S・Iの運営方針についてスタッフへ浸透を図っております。 ⑧ 厚生年金受給額を考慮した料金設定 令和7年度の厚生年金の平均受給額232,784円(厚生労働省が規定する、モデル世帯の年金受給額)に対して、「アンジェス」シリーズの毎月の生活費は1人108,000円から(※)(食費の月額59,616円を除いた金額)と、ほぼ年金の範囲内で無理のない生活を送ることができることを目指しております。 (※)T・S・Iの料金は2025年12月現在。サービス付き高齢者向け住宅では上記月額利用料の他に、訪問介護や訪問看護を利用した場合はサービス利用に係る自己負担分の費用が発生します。また、利用者によっては、生活支援サービスの有料オプションサービスを利用される場合もあります。 ⑨ 介護保険に依存しない売上バランス T・S・Iの介護事業における売上(※)は、第16期連結会計年度において、サービス付き高齢者向け住宅による家賃収入が20.2%、生活支援関連収入が24.3%、介護保険関連収入が55.5%と、相対的に介護保険収入の割合は高いものの、介護保険収入とその他収入の割合が約半分と均等な収入バランスとなっております。「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の「(2)介護保険法の改正について」にも記載のとおり、介護保険法改正はT・S・Iにおいてリスクであることから収入の分散化を推し進めており、また、2023年より訪問看護事業を再開し、診療報酬売上の計上も可能となったことから、更なる分散化を進めてまいります。 (※) T・S・Iの介護事業における売上は、サービス付き高齢者向け住宅による家賃収入として家賃と共益費を、生活支援関連収入として生活支援サービス費、生活支援サービスオプション及び食費を、介護保険関連収入として訪問介護サービス収入、訪問看護サービス収入及び居宅介護支援収入を計上しております。なお、訪問看護サービス収入には、医療保険収入2億62百万円も含まれております。 これらのうち、入居者・利用者からの介護保険(訪問介護、訪問看護)収入は介護保険自己負担1~3割分の他に、各都道府県の国民健康保険団体連合会からの居宅介護支援売上の10割分と、訪問介護売上7~9割分によって成り立っております。介護保険収入は、単位×地域単価で計算されます。単位は、全国一律であり厚生労働省が定めます。地域単価とは、人件費の地域差を調整するために設けられた地域ごとの単価であり、1単位10円を基本とし、8つに区分されております。T・S・Iが事業を展開する地域では、10円、10.21円、10.42円、10.70円、10.84円、11.05円の6区分が該当します。 [事業系統図](注)介護保険(訪問介護)収入の中には、訪問看護収入(介護保険収入、医療保険収入)も含まれております。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてT・S・Iグループが判断したものであります。 (1)経営方針 T・S・Iは、社名を「株式会社T.S.I(Terminalcare Support Institute)」=「終末期ケアの支援機関」としております。「愛ある日々のお手伝い」をT・S・Iグループの経営理念に掲げ、経営理念の浸透、コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底を図り、これらを理解し実現できる管理者の育成、T・S・Iグループの経営理念に共感できる介護スタッフの育成を通じて、より質の高い介護サービスを提供するため取り組んでおります。また、長期的なビジョンとしては、全国47都道府県に事業を展開することも視野に入れ、さらなる事業規模の拡大を目指してまいります。 T・S・Iグループは、経営理念を最も重視し、以下の経営理念及び指針のもと、介護を必要とする方々やその家族が安心・安全に生活できるよう運営を行っております。① 経営理念「愛ある日々のお手伝い」 私たちは、いつもお客様とその家族や友人のやすらぎと幸福を願います。 老いて、病にあっても、他の人を思いやり、関心をむけられる愛ある日々を過ごせるようにお手伝いをします。② 指針・ 私は、お客様の幸福を願います。お客様の立場に立ち、お客様を理解しようと努力します。・ 私は、より良いケアが出来る様に学習をします。お客様から学び続ける姿勢を持ち続けます。・ 私は多くの人々に喜ばれる仕事が出来たかどうか、日々自分の行動や言動を振り返ります。 常に心のコントロールを心がけ、愛をもって仕事をします。・ 私はお客様の心に寄り添い、真のニーズを発見し幸福を広げていきます。 常に心と身体のバランスを意識して、お客様の幸福に繋がるケアを目指します。 (2)経営戦略等 T・S・Iグループは、介護運営会社であるT・S・Iと、サービス付き高齢者向け住宅の建築を行う連結子会社(株式会社北山住宅販売)による、設計・建築から運営までの一気通貫したサービス提供によって、各地域でのドミナント展開を進めてまいりました。 また、T・S・Iは自社の営業部隊を持ち、新規拠点開設時には各地で経験を積んだ営業部隊を投入し、紹介会社等の力を借りず自社で顧客を獲得できるよう、地域との関係性づくりに注力しております。また、T・S・Iは拠点開設当初から積極的に告知活動を行い、顧客の紹介元であるケアマネージャーやソーシャルワーカーとの関係づくりに努めております。具体的には、紹介を受けた入居者の様子を定期的に報告することによって、ケアマネージャーやソーシャルワーカー等、協力者への情報共有を続けております。また、T・S・Iが運営する施設以外のサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム、介護老人保健施設などでの受け入れ困難な方についても相談を受け、可能な限り受け入れを行っております。これらの活動の結果、現在は開設後1年以上経過した拠点の平均稼働率は96.5%(第16期連結会計年度末時点)であります。 土地オーナーが施主となって建物を建築する場合においても、T・S・Iの上場企業としての信用力により、完成後に一括借上げを行うことが可能となっております。また、オーナーが建築費用のファイナンスができない場合においても、T・S・Iが開設予定候補地域で土地を買い付け、サービス付き高齢者向け住宅を建築し、事業運営することや、他の事業者に売却することが可能となっております。 2023年より、訪問看護事業所併設モデルの新規開設を行い、1棟あたりの付加価値及び収益性の向上に注力してまいりました。2025年12月末時点では、4棟を展開しております。2026年以降、関東やドミナント形成エリアで複数の新規開設も決定しており、今後も大型拠点では訪問看護事業併設で開設を進め、1棟あたりの収益性の向上と付加価値の向上を図ってまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 T・S・Iグループは、持続的な成長による企業価値の向上を目的として、業績の拡大に向けて重要な指標となる毎年の新規開設居室数、並びに収益力の向上及び経営の効率化において重要な指標となる売上高経常利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための重要な指標と位置づけ、各経営課題の改善に取り組んでおります。新規開設居室数は、年間150室の増床を目標としています。また、T・S・Iグループは、サービス付き高齢者向け住宅の運営においては、各部門の適正な運営の数値化を図って指導し、経営の安定化を図っております。そのため、訪問介護の利用単価(訪問介護の年間売上額÷年間の延べ賃貸借数)、稼働率(介護居室賃貸借契約数÷総提供可能介護居室数)、人件費率(労務費÷介護収入(介護保険関連収入+サービス付き高齢者向け住宅における生活支援関連収入))、医療居室割合(医療居室÷全居室)についても経営上の重要指標と認識しております。 (4)経営環境 T・S・Iグループが所属する国内の介護業界におきましては、2024年4月には3年に1度の介護報酬改定、6月には診療報酬改定が行われた中で、新たに加算を取得するなどの対応を進めてまいりました。高齢化がさらに進むことで介護サービスの需要は高まっております。一方で、供給面では、ホームヘルパーの有効求人倍率が過去最高となり、2025年度は、訪問介護事業所が過去最高の倒産や事業所廃止件数を記録するなど、特に企業体力に制約のある中小事業者には厳しい状況が続いております。T・S・Iでは、2024年6月から新設された「介護職員等処遇改善加算」を取得し、また会社としてのベースアップや管理職の処遇の見直しも継続して実施するなど、事業所の管理者を中心とした還元の強化と、職員からの紹介手当の拡充や自社ホームページ経由での採用強化を実施し、人材確保と定着のための環境を整備することに努め、一定の成果を出すことができております。 65歳以上の高齢者人口は2025年9月15日時点推計で3,619万人、65歳以上の高齢者のみの単独世帯、いわゆる独居老人の世帯数は903万世帯、要介護者と同居している全世帯のうち、要介護者と介護者の双方が65歳以上の世帯、いわゆる老老介護世帯の割合は63.5%となっております(出典:「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」(総務省統計局)令和7年9月14日、「2024年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省))。また、要介護(要支援)認定者数は、2025年12月には736.0万人となっており、介護需要はますます高まる見込みです(出典:「介護保険事業状況報告の概要(令和7年12月分暫定版)(厚生労働省))。 そのような中でも、高齢者人口に対する高齢者向け住宅の供給割合は令和5年度時点で2.9%に留まり(政府目標:令和12年度に4.0%)、供給が需要に追い付かない状況が続いており、今後さらに需給ギャップが広がった場合、多くの独居高齢者が住まいを確保できなくなることが予見されます。(出典:国土交通省「令和6年度 政策チェックアップ評価書」令和7年8月) 上記のような環境が予想される中、T・S・Iは、「愛ある日々のお手伝い」を経営理念とし、高齢者が終末期まで暮らせる住居と介護サービスを提供してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①新規拠点数の確保 T・S・Iグループでは、継続的に新規拠点を開設し、運営棟数を増加させていくことが業績拡大のための課題であると認識しております。新規拠点の開設が決まれば、T・S・Iの営業部隊を投入して稼働率を高めていくことは、過去実績からも可能であると考えており、まずは新規拠点開設を行っていくことが重要であると考えております。 株式会社北山住宅販売での毎年の安定的な受注に加え、他社との提携も模索し、新規拠点の開設及び運営棟数の増加に努めてまいります。 ②人材の確保と従業員育成今後、さらなる事業規模拡大を図る上では、主任ケアマネージャー、サービス提供責任者や施設長などの拠点責任者及び介護有資格者の適時適切な採用及び配置が求められ、人材確保がますます重要な課題となってまいります。現在、育成部門も兼ねた新規開拓部隊の創設、介護スタッフの待遇改善、資格取得の助成制度の導入や、全国転勤可能な社員の募集強化、拠点の統廃合の検討等を行っており、引き続き、全国規模での新規拠点開設を見据えた人員体制づくりに努めてまいります。 ③リスク管理・コンプライアンスの徹底、スタッフ教育の強化 介護業界においては、リスク管理・コンプライアンスの徹底とスタッフ教育が最重要課題の一つであります。高齢者虐待という痛ましい事件や不祥事を絶対に起こさないために、「リスク・コンプライアンス委員会」におけるリスクの抽出や適切な対応策の検討、介護技術主任による虐待防止研修をはじめとした各種研修の実施等、リスク管理・コンプライアンスの徹底に向けた対策とスタッフ教育の強化は、引き続き実施してまいります。 ④内部管理体制の強化質の高いサービスを提供するためには社員・スタッフ1人1人の意識向上を図ること、また安定的に事業を拡大するためには内部管理体制のさらなる強化が必要不可欠であると考えております。今後も引き続き、内部通報制度の運用や、内部監査実施等によりコーポレート・ガバナンスを強化するとともに、情報セキュリティ、労務管理、事故防止をはじめとするコンプライアンスを含めた内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてT・S・Iグループが判断したものであります。 (1)人員の確保について T・S・Iグループが事業規模を拡大していくためには、新エリアへの進出を続けていく必要がありますが、新エリアへ進出するためには、管理者、現場の介護スタッフを確保する必要があります。介護業界は慢性的に人手不足といわれ、有効求人倍率も高い状況にあります(2025年12 月の介護サービスの有効求人倍率は4.10倍。全職業平均は1.17倍。出典:「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」(厚生労働省))。 そのため、T・S・Iは、介護スタッフの待遇改善、全国転勤や全国の宿泊出張可能な社員の確保に取り組んでおります。また、経験の浅い介護スタッフでも安心して継続して働けるように、定期的な教育・研修の場を設けて、スタッフ定着率の向上に努め、未経験の無資格者に対しても、雇用後、資格取得支援を行い戦力化を図っております。2025年は拠点運営をデジタル化し効率化するための自社開発システム「CareMaster」の改善を重ねてまいりました。このシステムが本格稼働することで、業務の明確化や平準化、従業員の教育コストの低下や定着率向上に貢献します。その他にも、T・S・Iでは新エリアで1拠点目の新規開設後、近隣で近い時期に複数拠点を開設するドミナント展開を行うことでオープニングスタッフを中心に人員をエリア単位で充足させ、その中から次期管理者候補を発掘し、次の開設へ繋げていくなど、ドミナント展開を行いながら人員確保におけるリスクをコントロールしております。2019年4月から新卒採用を開始し、2025年には高卒採用も開始、実際の入社も実現しました。中途採用者のみに頼らない中長期的な人材育成にも取り組んでおります。 しかしながら、十分に介護スタッフを確保できず、人員不足によって新規拠点の開設時期が遅れることや、開設後に入居受け入れを止める事態が発生した場合には、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該リスクは、エリアや拠点展開先の地域によって程度に差はありますが、基本的には1拠点単位で発生するリスクであります。また、現時点では、求人活動及びその状況によって、近隣拠点からの応援体制によりカバーすることが可能であり、当該リスクへの対応策に取り組んでおります。 (2)法改正について 訪問介護事業、居宅介護支援事業は介護保険法に、訪問看護事業は健康保険法等に基づき事業を行っております。介護報酬は3年ごとに改定されます。次回改定は2027年4月となっております。また、診療報酬は2年ごとに改定されます。次回改定は2026年6月となっております。 T・S・Iで訪問介護事業で現在取得している「介護職員等処遇改善加算」は従業員の処遇改善に直結しております。2024年4月の改正では処遇改善加算は拡充された一方で、訪問介護の基本報酬が減額とされ、同一建物減算の拡充が図られるなど、一部T・S・I事業に影響を及ぼす決定が行われました。これらへの対策として、新たな加算の取得や訪問看護事業の拡大による収益源の分散で対応を行ってまいりました。将来の改定において、処遇改善加算関係や基本報酬の大幅減額が実施される場合、新たな減算が開始される場合、介護保険サービスの利用方法に制限がかけられる場合、利用者の自己負担増によりサービス利用控えが発生する場合、新たな規制が発生した場合や人員基準変更等で新たな有資格者の雇用が義務付けられる場合など、改正の動向によっては、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクはT・S・Iの介護事業の売上の約56%を占める介護保険収入に関連するものであることから、T・S・Iグループ全体の業績に影響を与えますが、T・S・Iでは保険以外のサービス付き高齢者向け住宅に関する売上の確保や、2023年からは訪問看護事業開始による診療報酬計上による分散化によってリスク低減を図っております。また、T・S・Iは一定の規模に成長してきたことで、自社開発システム「CareMaster」も活用し、効率的な運営体制を取っていくことで、今後も継続してリスクの低減に取り組んでまいります。 (3)食中毒や感染症について T・S・Iの運営する建物内では、日ごろから、換気・手洗い・手指消毒の励行等の感染防止対策をとっておりますが、外部からの訪問者によって、新型コロナウイルス、インフルエンザやノロウイルス等を持ち込まれてしまい「アンジェス」において利用者や従業員の間で集団感染が発生する可能性があります。また、T・S・Iが運営するサービス付き高齢者向け住宅においては、利用者に対し食事を提供しておりますが、厨房の整理・整頓及び食材の安心・安全な調達・調理に取り組んでいるものの、万が一、喫食された利用者の中から食中毒が発生した場合や、集団感染が広がった場合には、営業停止等の行政処分や顧客離れ等により、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクは、事業への影響としては、1拠点単位の収益に影響を及ぼすものであります。万一、T・S・Iが運営するサービス付き高齢者向け住宅で入居者や職員にクラスターや集団感染が発生した場合は、その拠点については、終息するまでの一定期間、売上が減少する可能性があります。 なお、当該リスクに対して、T・S・Iでは、訪問介護部・訪問看護部による感染予防のための研修、全社統一の感染予防対策をとるなど、これら感染症対策については既に可能な限りの予防策を講じております。 (4)事業のための指定等について T・S・Iが行っている訪問介護事業、居宅介護支援事業は、介護保険法に基づく介護サービス、健康保険法に基づく訪問看護サービスが中心であり、それらの法及び関連諸法令の規制を受けます。サービスを行うには、サービス毎に都道府県等自治体の指定を受ける必要があります。事業の運営を続けていく上では、常時、運営基準・設備基準・人員基準等の各種基準を充足しておく必要があります。また、サービス付き高齢者向け住宅の登録・更新にも要件があります。 これらが遵守できていないと行政に判断された場合、介護報酬や診療報酬の返還又は減額、新規受け入れ停止、最も厳しい処分としては指定取消が行われる可能性があります。T・S・Iでは、新しい事象や疑義が生じた際には適宜行政に確認を行うことで、T・S・Iの誤認を最小化することや、内部監査での確認、各部門上長による書類の確認、定期的な研修等で法令遵守に注力しておりますが、行政によって法や基準への判断・解釈が異なる、いわゆる「ローカルルール」が存在するため、T・S・Iで実施するリスクコントロールが機能せず、運営に不備があり何らかの指摘や指導を受けることとなった場合には、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 具体的な各サービスと根拠法令、主な指定・登録取消事由については下記の一覧をご参照下さい。サービス名所管官庁等根拠法令等有効期間主な指定・登録取消事由訪問介護厚生労働省・介護保険法都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となります。6年間介護保険法第77条(指定の取消し等)訪問看護厚生労働省・健康保険法地方厚生局が事業の指定権者となります。6年間健康保険法第95条(指定訪問看護事業者の指定の取消し)訪問看護厚生労働省・介護保険法都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となります。6年間介護保険法第77条(指定の取消し等)居宅介護支援厚生労働省・介護保険法都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となります。なお、居宅介護支援については、2018年4月以降の指定権者は市区町村になっております。6年間介護保険法第84条(指定の取消し等)介護予防・日常生活支援厚生労働省・介護保険法市区町村が事業の指定権者になります。6年間介護保険法第115条の45の9(指定事業者の指定の取消し等)サービス付き高齢者向け住宅国土交通省・高齢者住まい法都道府県、政令指定都市及び中核市が登録先となります。5年間高齢者住まい法第26条(登録の取消し) また、不動産事業に係る許認可は以下のとおりであります。許認可等の名称有効期間規制法令主な免許・登録等取消事由特定建設業(建築工事業許可)京都府知事(特-4)第34856号2022年5月1日~2027年4月30日建設業法第29条宅地建物取引業(免許)国土交通大臣(6)第6098号2025年12月5日~2030年12月4日宅地建物取引業法第66条一級建築士事務所(登録)京都府知事登録第03136号2025年7月3日~2030年7月2日建築士法第26条 なお、T・S・Iでは、これまで行政処分を受けた事実はなく、これらのリスクコントロールに取り組んでまいりましたが、行政から何らかの指導を受ける事態が発生した場合、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)その他の法改正について T・S・Iは、従業員数が多く24時間365日運営を行う労働集約型の事業形態であり、「労働基準法」の改正による影響を強く受けるものであります。また、高齢者住宅事業に関しては、関連法令が「介護保険法」、「高齢者住まい法」、「老人福祉法」、「健康保険法」、「消防法」、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」等の多岐にわたります。行政から何らかの指導を受ける事態が発生した場合、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)競合について 日本において高齢者数は増え続けており、介護関連ビジネス市場は今後も拡大が予測されております。また、サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の住居の供給確保のため、期間が限定された建築への補助金も導入されており、有望事業と目されており、住宅型有料老人ホームも含め、今後も、競合他社の増加が続くと予想されます。T・S・Iが拠点開設したエリアで、このような新規参入と既存事業者の施設増設による競合が激化した場合、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)顧客が高齢者であることについて T・S・Iの顧客は、主として要介護認定、要支援認定を受けている高齢者であり、例えば、入居者の一人に急病による入院、急逝、居室内での転倒骨折による入院や、要介護度の変化による特養への転居などが発生した場合、当該入居者へ一時的にサービス提供が行えなくなり、入院であれば退院まで、退去であれば次の顧客のサービス利用開始までの間の売上が発生しなくなる場合があります。これらの事態については、過年度の発生状況を考慮に入れた事業計画を策定しておりますが、想定以上に多くの事態が重なった場合には、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)訴訟リスクについて T・S・Iは、本書提出日現在において提起されている訴訟はありません。今後も、細心の注意を払いリスク管理体制の整備と改善に努めてまいりますが、T・S・Iが主とする事業である介護事業においては、どれだけの注意を払っても介護事故や医療事故は一定の確率で発生します。T・S・Iで加入している「包括職業賠償責任保険」にて対応可能と考えてはおりますが、万が一、介護中の事故による死亡事故等が発生し、遺族による損害賠償請求が提訴された場合には、社会的な評価の低下、訴訟に係る費用の発生、事業の全部又は一部の継続が困難になる等により、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)自然災害について T・S・Iは、京都府、滋賀県、岡山県、静岡県、兵庫県、愛知県、岐阜県、栃木県、東京都でドミナント戦略による拠点展開を行っております。有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、万が一、特定の地域で大規模な地震、台風等の災害により、T・S・Iの運営する建物や従業員及び利用者が損害を被った場合、また子会社が保有する建物に大規模な修繕が必要となり多額の費用が必要となった場合には、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)情報管理及び個人情報の漏洩についてT・S・Iは事業を運営するにあたり、利用者あるいはその家族の重要な個人情報を取り扱っており、管理部門においては経営情報等の内部情報を保有しております。T・S・Iは、個人情報をはじめとした情報の適正な取得及び厳重な管理のために、各種規程や研修等を通じて、情報漏洩の防止に取り組んでおります。パソコンの管理にあたっては、ウイルス対策ソフトによる保護を実施するほか、一部の部門及び一部の役職者を除き、原則としてノートパソコンなどの電子機器の持ち出しを禁止しております。また、パソコンや各種システムには起動時のパスワード管理を実施しており、第三者が容易に起動させることができない設定となっております。しかしながら、万が一、システム等から個人情報が外部に漏洩する等のトラブルが発生した場合、損害賠償請求や信用力の低下等により、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)テナントの賃貸借契約について T・S・Iが運営するサービス付き高齢者向け住宅は、オーナーが建設する物件をT・S・Iが一括借り上げして、入居者に転貸するサブリース契約による方式、株式会社JPMCがオーナーから一括借り上げを行い、T・S・Iが介護運営会社としてテナントで入る方式の2方式があります。T・S・Iが一括借り上げを行う場合、オーナーとの賃貸借契約期間は基本的に25年間となっております。この間は安定的かつ継続的に事業を運営できるメリットがある反面、解約には一定の制約があるため、稼働率が著しく低下した場合や、近隣の賃貸住宅の家賃相場が下落し、T・S・Iの募集賃料にも何らかの影響が及んだ場合には、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、解約不能期間を経過したのちには、何らかの理由により、オーナー側から賃貸借契約書の規定に基づき賃貸解除を申し出られる可能性もあります。そうなった場合、T・S・Iの運営棟数が減少する可能性があり、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、リースに関する会計基準の変更は、T・S・Iの借上物件や運営物件についての該当の有無により、建物部分に係る残リース相当額の貸借対照表への計上に伴う財務比率の悪化や、計上したリース資産の減損処理による利益の減少又は損失及びそれに伴う財務数値の大幅な変動が発生する可能性があり、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)特定経営者への依存について T・S・Iの創業者であり代表取締役社長である北山忠雄は、T・S・Iグループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として重要な役割を果たしております。役員への情報共有や権限委譲を進める等、組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由で同氏がT・S・Iの業務を継続することが困難になった場合には、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)風評等の影響について T・S・Iでは、経営理念と指針を最も重要なものと位置づけ、理念研修、介護研修、人事考課等、様々な機会を通じて従業員への経営理念等の浸透に努めております。また、利用者本人に加え、その家族、地域の介護事業者、行政、近隣の医療機関等とも密に連携し、交流を図っていることが業績向上にとって重要なものであると認識しております。従業員教育や内部監査等で細心の注意を払い、施設及び事業の運営をしておりますが、従業員の不祥事等何らかの事象が発生したり、T・S・Iに関する不利益な情報及び風評が広まった場合には、利用者及びその家族、行政、医療機関等からの評判・評価が落ち、入居紹介が止まるなどの事態により、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)有利子負債について 当連結会計年度末時点における有利子負債残高は35億78百万円、有利子負債依存度は61.6%となっております。T・S・Iグループでは、当連結会計年度末時点において「アンジェス」を11棟保有しており、その資金は長期借入金でまかなっております。現在の建築原価の高騰や、リースに関する会計基準の変更を見据えて従来のような積極的な販売から、現在は自社保有をメインとする方針としております。今後、リースに関する会計基準の適用に伴うリース負債の計上や自社保有物件での新規拠点の開設により、有利子負債の残高や比率が上昇していく見通しであります。ただし、借入を実施して保有することとした新規案件に関しても、T・S・Iの取締役会審議を経て、中長期的な収益を見込むことができ、戦略的にも意義ある新規拠点開設を進めていくための借入の増加でありますが、今後のマクロ経済動向や日本銀行の金融政策の変更等により市場金利が上昇した場合、支払利息が増加するほか、新規開設に向けた資金調達コストが上昇し、事業展開スピードが減速する可能性があります。なお、財務制限条項付きの借入はありません。 (15)新規拠点の開設、受注について T・S・Iグループは、自社グループのみならず、広く新規拠点開設のための情報を収集し、常に新規案件のための情報を入手しておりますが、利用者がいる限り、一度開設すると簡単には撤退できないことから、開設の可否判断については、社内規程に基づき慎重に見極めております。現在は、株式会社北山住宅販売を通じて土地を購入し、同社が建築を行い、中長期的に保有を行う、または、T・S・Iが土地オーナーより建築請負をした物件をT・S・Iが借り上げるという事業スキームにより拠点数を増やしていく方針ではありますが、新規拠点の開設については、オーナーの意向、融資を実施する金融機関の動向等にも影響されることから、新規拠点の開設・受注ができない、又は、新規拠点数が計画よりも下回って推移する可能性があり、将来の運営棟数がT・S・Iの目標よりも下回った場合には、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)サービス付き高齢者向け住宅建築補助金の廃止・制度変更について サービス付き高齢者向け住宅に関しては、本書提出日現在、建築費の約1割が補助金として建築主に交付される政策的優遇措置が取られておりますが、これは毎年予算編成によって上限や継続が判断されます。将来、本補助金が廃止・制度変更となった場合、進行中の案件が一部、建築主の方針で中止となるリスクがあります。しかしT・S・Iグループの建築においては、本補助金が廃止・制度変更となった場合でも、大手ハウスメーカー等と比較しても受注価格が安価なため、影響は限定的であると考えているほか、サービス付き高齢者向け住宅の提案から住宅型有料老人ホームへの提案へと切り替えること等の対応で、リスク回避をすることが可能であると考えております。しかしながら、本補助金の廃止・制度変更が発生した場合はT・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (17)建築請負工事の期ずれについて T・S・Iグループの株式会社北山住宅販売は、主としてサービス付き高齢者向け住宅の建築及び自社物件の「アンジェス」の建築等を行っております。建築における売上計上は、工事の進捗度に応じて行っております。建築工事については、予期できない理由により工期の延長等があった場合、売上計上時期が遅れる場合は、T・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (18)新規拠点の単一年度への開設集中について T・S・Iグループは、拠点数を増やして事業を拡大するビジネスモデルをとっております。新規拠点を開設する際には、一定の期間は費用先行となる赤字期間が生じることとなります。そのため、単一年度に多数の拠点の開設が重なった場合は業績の下押し圧力となり、その年度のT・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (19)固定資産の減損についてT・S・Iグループは、業績動向によっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生することがあり、その場合にはT・S・Iグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。減損処理が発生しないよう拠点単位での収益管理を行い、施設長に収支の責任を持たせ、収益性が悪化している拠点については積極的に対策を講じますが、万が一、不採算拠点の増加や閉鎖が集中した場合や、また、T・S・Iグループが保有する「アンジェス」の減損処理が必要となり多額の減損損失が発生した場合は、T・S・Iグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (20)支配株主との関係について T・S・Iの支配株主である北山忠雄は、T・S・Iの創業者であり代表取締役社長であります。本書提出日現在、北山忠雄並びに同氏の二親等内の親族の所有株式数を含めると発行済株式総数の61.6%を所有しております。 北山忠雄は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しておりますが、何らかの事情によりこれらのT・S・I株式が売却され、同氏の持分比率が低下した場合には、T・S・I株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (21)物価高騰に関するリスク T・S・Iは自社グループで設計から建築まで一気通貫で提供し、建築原価を他社よりも相対的に低く建物を建築できることが強みでありますが、建築資材や職人の人件費高騰により、T・S・Iが自社保有を行う場合であっても、取得原価が過去の取得原価と比較して増加する可能性があります。 また、介護運営にあたっても、インフレによって人件費、食材費、その他運営を維持するための各種コストが上昇する場合、T・S・Iグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (22)特定技能外国人(介護)の受入れ拡大に関するリスクT・S・Iグループは、深刻化する介護人材不足への対応および多様な人材の確保を目的として、2025年の制度改正により訪問介護での就労が解禁された「特定技能外国人(介護)」の積極的な受入れを開始しております(2025年12月末時点18名、最終的には50名規模まで受入れ拡大を予定)。しかしながら、訪問介護はご入居者様の居室における「1対1」のサービス提供が基本となります。特にT・S・Iが注力するターミナルケア(看取り)においては、ご入居者様の微細な体調変化への気づきや、ご家族様との繊細なコミュニケーションが求められます。言語の壁や文化・生活習慣の違いに起因するミスコミュニケーションが発生した場合、重大な介護事故やご入居者様・ご家族様からのクレーム、それに伴うT・S・Iの信用低下や損害賠償に繋がる可能性があります。また、昨今の急激な為替変動(円安)や、他業種・都市部との人材獲得競争の激化、あるいは出入国管理政策の変更等により、想定以上の早期離職や外国人雇用維持のコスト増加が発生した場合、採用・育成に投じたコストが回収できず、T・S・Iグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (23)その他のリスクについて 上記のほか、外部からの犯罪行為、SNSへのネガティブな書き込み等が発生することで、社会的信頼が失墜し、その対応のためのコストの発生により、T・S・Iグループの業績又は株価に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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