AeroEdge(エアロエッジ)は、「ゼロからイチを創る ~常識を疑い、組織力で難しい課題に挑戦する~」という経営理念のもと、ものづくり企業として、航空機エンジン部品、並びにその他製品の加工製造・販売を主な事業内容としております。また、創造性と技術力で製造業に新たな価値を提供することを目的とし、Additive Manufacturing(積層造形)※1等の新たなものづくりに向けての研究開発を推進しております。
なお、AeroEdge(エアロエッジ)は「加工事業」の単一セグメントで活動しておりますが、参考として、AeroEdge(エアロエッジ)の事業・機能を航空機エンジン部品加工とその他の加工の2つの分野に分類し、以下のとおりご説明いたします。
AeroEdge(エアロエッジ)は商業用航空機である、仏Airbus社製A320neoファミリー機と米Boeing社製737MAX機用エンジンである「LEAP」に搭載される、チタンアルミ製の低圧タービンブレードの加工生産・販売を行っております。航空機エンジンは、主にファン、低圧コンプレッサー、燃焼器、高圧コンプレッサー、高圧タービン、低圧タービンから構成されておりますが、低圧タービンは、燃焼ガスのエネルギーを回転力に変換しシャフトを介してファンに伝達する役割を担っており、AeroEdge(エアロエッジ)のチタンアルミブレードは、その低圧タービンの最後段を構成しております。
<チタンアルミ製低圧タービンブレードの搭載図>
AeroEdge(エアロエッジ)は、航空機エンジンメーカー大手である仏SAFRAN社と、LEAPエンジンに搭載される、当該チタンアルミブレード需要の一定の割合を供給する契約(仏SAFRAN社のLEAPエンジンの生産に必要なチタンアルミブレードの総量の40%分。2028年1月からマーケットシェアは40%台後半に変更となる予定)を締結しております。そのため、AeroEdge(エアロエッジ)のチタンアルミブレード生産量は、LEAPエンジンの生産量、並びにLEAPエンジンが搭載される737MAX及びA320neoファミリー等の生産量に影響を受けることとなります。一方で、航空機販売の特徴として、そのリードタイムの関係上、数年前から受注を受け付けることから、長期に渡って受注残高を積み上げることとなります。その結果、他業界と異なり、需要予測が長期間に渡って見込みやすい業界となります。AeroEdge(エアロエッジ)においても、仏SAFRAN社からは数週間分の確定発注とともに、一定期間の発注見込みも提示されることから、一定程度の高い販売予測を見込むことができます。販売単価についても契約によって原則として定められているため、AeroEdge(エアロエッジ)の売上金額は一定の精度で見込むことができます。また、現時点においては、材料が無償支給であることによる変動費の低さから、売上増加に伴う利益率の拡大が期待できる収支モデルとなっております。
<搭載される航空機及びエンジンとチタンアルミブレードの関係>
AeroEdge(エアロエッジ)が生産・販売するチタンアルミ製の低圧タービンブレードが搭載されるLEAPエンジンは、米GE社と仏SAFRAN社の合弁企業であるCFM International社により開発生産され、先端の技術を搭載することにより、従来機種より消費燃料とCO2排出量の15%削減を実現したエンジンであり、航空機グローバルシェアNo.1の仏Airbus社製A320neoファミリー機とNo.2の米Boeing社製737MAX機に搭載されております(出典:一般財団法人日本航空機開発協会、2025年6月末時点)。
航空業界においては、燃料費高騰や環境負荷等への対応を背景に、燃費の向上が求められております。チタンアルミブレードは、従来使用されていたニッケル合金製のものと比較し、約半分の比重であるため機体の軽量化に貢献するとともに、高温における強度劣化が少なく、耐熱性も兼ね揃えた部品となります。そのため、旧来エンジンよりも性能を向上させることを目的に、LEAPエンジンに導入された新たな技術要素のうちの1つとなっております。なお、チタンアルミブレードは、従来材料より軽量である一方で、量産加工の難易度が高く、LEAP向けチタンアルミブレードを供給している企業はAeroEdge(エアロエッジ)を含めてグローバルで2社のみとなります。AeroEdge(エアロエッジ)は仏SAFRAN社と取引契約を締結し、当該チタンアルミブレードを供給しております。
AeroEdge(エアロエッジ)では、最適な工程設計の開発、CAMによる加工プログラムの自社作成、加工に必要なエンドミル(切削加工に用いる工具)の自社設計と生産、設備メーカーとの協働による特殊設備の導入、治具の自社開発設計と製作、非破壊検査設備の導入や品質検査体制の自社整備等を行うことで、チタンアルミブレードの量産加工を実現しております。チタンアルミブレードの量産加工の特徴は以下のとおりです。
<チタンアルミブレードとその量産加工の特徴>
航空機エンジン産業は高度な安全性及び信頼性を確保するため、構成部品はロット番号やシリアル管理によるトレーサビリティが求められており、サプライヤーは設備の変更や加工プログラムの一部修正等の全ての生産プロセスの変更や修正において航空機エンジンメーカーの認証や許可が必要となります。そういった背景から、生産サプライヤーはあらゆる面で、高い水準の能力を具備することが求められております。
当該事業が属する産業構造は下記のとおりであります。
a.航空機産業の特徴
航空機エンジンは高度な品質水準が求められるため、開発から品質及び生産の安定化までに長い年月と莫大な金額の設備投資が必要となります。また、品質及び生産が安定化した後も他産業と比較にならないほどの品質水準と生産管理水準が求められることが特徴です。航空機産業と自動車産業との比較は下記のとおりとなります。
<航空機産業の特徴~自動車産業との比較~>
(出所:経済産業省「航空機産業の動向と参入のタイミング」を参考にAeroEdge(エアロエッジ)作成)
b.航空機体及びエンジンメーカー
航空機産業はその産業構造から、参入障壁が高く、最終製品メーカー(機体及びエンジン)が少数の企業で占められていることが特徴となります。実質的に、商業用航空機体メーカーは仏Airbus社及び米Boeing社の2社、航空機エンジンメーカーは米GE Aerospace社、米Pratt & Whitney社及び英Rolls Royce社の3社で大半のシェアが占められております。なお、AeroEdge(エアロエッジ)の製品であるチタンアルミ製タービンブレードが搭載されるLEAPエンジンは、米GE Aerospace社と仏SAFRAN社の合弁企業であるCFM International社が開発したエンジンとなります。
<主要な航空機体及びエンジンメーカー>
c.航空機エンジン産業のライフサイクル
航空機や航空機エンジンは、その長い開発期間と多額の開発費用から、ライフサイクル期間が、他産業の製品のライフサイクル期間より長期間になることも特徴です。したがって、航空機エンジン産業の事業収益モデルは莫大な初期投資と、長期に渡る品質管理体制と生産管理体制の準備と構築を必要とすることが特徴となります。一方で、参入障壁が高く、新規参入企業が少ないために将来の利益を計画しやすいという特徴があります。そして、航空機エンジン産業において、事業の初期段階である導入期には赤字事業となりますが、設備投資が一巡した成長期以降は継続的に黒字事業となることが一般的なビジネスモデルとなっております。
d.航空機体と航空機エンジンの種類
実質的に唯一の商業用航空機体メーカーである仏Airbus社及び米Boeing社が現在新規受注を進めている旅客用機体種類は限定されております。仏Airbus社の新規受注機体種類は、A350、A330、A220、A320neoファミリーの4機種のみであり、米Boeing社の新規受注機体種類は、777機、787機、737MAX機の3機種のみとなっています。そのうち、AeroEdge(エアロエッジ)製品が搭載されるLEAPエンジンが搭載される機種は、仏Airbus社のA320neoファミリー機及び米Boeing社の737MAX機となります。
仏Airbus社のA320neoファミリー機では、LEAPエンジンを含めた2種類のエンジンが採用されており、米Boeing社の737MAX機では100%の機体でLEAPエンジンが搭載されております。LEAPエンジンが搭載される両機種は主に国内線で多く使われる中小型のNarrow Body機(狭胴機)であり、燃費が良く環境負荷が低いことが特徴となっております。
e.航空機輸送の考え方と受注残高機数
航空機輸送の考え方として、ハブアンドスポーク方式と、ポイントトゥポイント方式の考え方があります。ハブアンドスポーク方式は、大型のWide Body機(広胴機)等を活用し、主要空港などの大規模拠点(ハブ)に輸送を集中させ、そこから中小型のNarrow Body機等を活用して各拠点(スポーク)に輸送を行う方式となります。一方で、ポイントトゥポイント方式は、中小型機等を活用し、出発地から目的地に直接輸送を行う方式となります。以前は、大型機でないと長距離飛行ができなかったこともあり、ハブアンドスポーク方式が多く採用されておりました。しかしながら、エンジン性能の向上による規制の変更や、中小型機の燃費向上に伴う長距離飛行の実現に伴い、乗換等の手間が不要で柔軟なフライト設定が可能なポイントトゥポイント方式の考え方を取り入れる航空会社が増加しております。その結果、中小型機の需要が大きく増加する傾向にあり、仏Airbus社及び米Boeing社ともにLEAPエンジンが搭載される中小型機の受注残高が大きく増加しております。
<航空機種別の受注残高機数(単位:機)>
※1 一般財団法人日本航空機開発協会(2025年6月末時点)
※2 LEAPエンジン採用機種
AeroEdge(エアロエッジ)は、チタンアルミブレードの生産販売以外にもチタンアルミブレードの加工で培った技術・経験、並びにAdditive Manufacturing技術も活用し、eVTOL(電動垂直離着陸機、いわゆる空飛ぶクルマ)用部品やガスタービン用部品の受託加工を行っております。これら受託加工は、社内の設備で全てを加工する場合もあれば、協力サプライヤーに加工の一部を委託する場合もあります。社内の設備で加工する場合は、その量産規模にもよりますが、一定程度の設備投資が必要となる場合があります。
[事業系統図]
[用語解説]
※1 Additive Manufacturing(積層造形)とは、三次元造形する方法の一連の手法で、3Dの設計図を元に3Dプリンタで材料を積層し立体を造形する工法のことです。
※2 難削材とは、材料の性質により機械で切削加工がしにくい、あるいは「取り扱い自体が難しい材料」のことを指します。
※3 特殊工程とは、材料又は部品の物理的、化学的、電気的又は金属冶金的特性を変化させる工程であって、破壊試験、非破壊検査又は解析を行わなければ特性を評価することができない工程のことを指します。
※4 JISQ9100とは、航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際認証規格です。
※5 JISQ14001とは、 国際標準化機構(ISO)が策定した環境マネジメントシステムの国際認証規格です。
※6 JISQ27001とは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際認証規格です。
※7 Nadcapとは、米国のNPOであるPRI (Performance Review Institute)が審査機関として運営している、国際航空宇宙産業における特殊工程や製品に対する国際的な認証制度です。
※8 SEM分析とは、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によって電子線を試料に当て、表面を観察する装置を活用した分析手法であり、高倍率観察(10万倍以上)が可能となります。
※9 FEM構造解析とは、有限要素法(Finite Element Method)を用いて構造力学における数値解析を行う代表的手法です。構造物や物体を小さな要素(Elements)に分割して、方程式を用いて計算し近似解を求めることで、構造物にかかる荷重により発生する変位や応力の値や分布を導きます。
※10 FPI(蛍光浸透探傷検査)とは、特殊工程の1つであり、表面に開口している目視では見えにくいキズを検査する非破壊検査方法です。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において、AeroEdge(エアロエッジ)が判断したものであります。
(1) 経営方針
AeroEdge(エアロエッジ)は、「ゼロからイチを創る ~常識を疑い、組織力で難しい課題に挑戦する~」という経営方針のもと、日本のものづくり企業として、グローバルで成長することを目指しております。そのために、航空機エンジン部品に代表される難易度の高いものづくりに取り組むとともに、最先端技術の開発やイノベーションを推進しております。
(2) 経営環境
航空輸送業界は、新型コロナウイルス感染症による航空旅客需要の急激な減少に伴い甚大な影響を受けましたが、移動制限の緩和が進むにつれ航空旅客需要は急激に回復し、2024年には新型コロナウイルス感染症発生前の水準にまで回復するとともに、今後は長期にわたり成長することが見込まれております。
また、昨今多くの航空会社は大型機を活用し、主要空港などの大規模拠点(ハブ)に輸送を集中させ、そこから中小型機を活用して各拠点(スポーク)に輸送を行うハブアンドスポーク方式ではなく、中小型機等を活用し、出発地から目的地に直接輸送を行うポイントトゥポイント方式を採用する傾向があります。これは、エンジン性能の向上による規制緩和や、中小型機の燃費向上に伴う長距離飛行の実現に伴い、ポイントトゥポイント方式の方が、乗換等の手間が不要で柔軟なフライト設定が可能となるためであります。こういった背景により、中小型機である仏Airbus社製A320neoファミリー、並びに米Boeing社製737MAXについては、2023年の年間引渡機数がそれぞれ、571機、387機に対し、2024年6月末時点での受注残高機数は、それぞれ7,666機、5,145機となり(出所:一般社団法人日本航空機開発協会)、受注残高機数は年間引渡機数に対して10年を超えるほどの水準となり、今後も生産を拡大することが見込まれております。仏Airbus社、並びに米Boeing社は、これらの需要に対応するために増産に向けて取り組んでおり、両機種にはAeroEdge(エアロエッジ)製品が搭載されるLEAPエンジンが採用されていることから、AeroEdge(エアロエッジ)のチタンアルミブレードの需要も増加することが見込まれます。
しかしながら、航空業界は、新型コロナウイルス感染症による影響を発端としたサプライチェーンの毀損や人手不足等を要因として、当初想定ほど、生産拡大は順調に進捗しておりません。また、737MAXについては、品質問題等を起因として、生産拡大に一定の時間がかかることが想定されます。
また、航空業界では2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、機体メーカー及びエンジンメーカーにおいてCO2削減に向けた取り組みが加速しております。今後、CO2削減に向けた取り組みが、AeroEdge(エアロエッジ)を含めたサプライチェーン全体で更に求められることになると考えられます。
(3) 中期経営戦略
AeroEdge(エアロエッジ)は、仏SAFRAN社との契約に基づき、LEAPエンジンに搭載されるチタンアルミブレードの量産加工・販売を主たる事業としております。仏SAFRAN社は、拡大する航空機需要に対応するため、LEAPエンジンの生産能力増強を進めております。他産業と比較して高い品質水準が求められる航空機関連部品の量産には、サプライヤーにも高い技術力や品質保証力が要求されることから、長期的に高品質な部品を安定供給可能なサプライヤーを確保する動きが強まっております。特にチタンアルミブレードは、AeroEdge(エアロエッジ)を含め、世界で2社のみが供給していることから、LEAPエンジンの生産拡大には、AeroEdge(エアロエッジ)の生産能力の拡大が不可欠となります。そうした中、AeroEdge(エアロエッジ)の量産実績、生産性向上への取組み、品質水準、技術開発に基づく提案、並びにこれらを支える組織体制等を評価頂き、2024年10月にSAFRAN社との間で供給期間の延長、マーケットシェアの拡大等に関する更新契約を締結(効力発生は2024年7月1日)する予定です。
AeroEdge(エアロエッジ)は、会社設立後、品質を維持しながらも、効率的な生産工程の構築、設備の自動化や内製化等、生産体制の最適化を進めてまいりました。その結果、今回のマーケットシェア拡大に対応可能な生産キャパシティを確保できており、大型の設備投資を実施せずに生産を拡大することが可能と考えております。チタンアルミブレ―ド自体の需要拡大、並びに今回のマーケットシェアの拡大を、大型の設備投資を抑制しながら対応することで、固定費の増加を抑え、また、技術的な改善を更に行うことで収益力の拡大を図っていきたいと考えております。
またAeroEdge(エアロエッジ)は、航空業界全体で求められるCO2排出量削減を重要なサステナビリティ課題と認識し、CO2削減に向けて継続的に取り組んでまいります。
一方で、AeroEdge(エアロエッジ)はチタンアルミブレードの販売への依存度が高いことから、チタンアルミブレード量産加工で得た技術・経験、並びに資金を活用し、新たな航空機部品の量産案件の獲得を進めてまいります。航空機案件は初期投資が高く、また、量産立上までに時間はかかりますが、量産化が進むと、資金を長期に渡って獲得し続けることが可能となります。また、航空機業界以外の量産案件も、AeroEdge(エアロエッジ)の技術との適合性、魅力を考慮しながら、獲得を進めていく計画であります。
次にマーケット需要を見据えながらも、先端研究開発を積極的に進めていくことにより、製造業として長期的な収益力の基盤を構築したいと考えております。現状、チタンアルミブレードの新材料の開発を進めておりますが、それ以外にも、AM(Additive Manufacturing、積層造形、いわゆる3Dプリンタ)技術、並びにAM技術を活用したチタンアルミブレードのMRO(整備・補修・オーバーホール)についても技術・事業開発を進めております。AM技術は製造業の考え方を大きく転換させる可能性があり、将来の製造業のあるべき姿を常に検討しながら、研究開発を推進してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
AeroEdge(エアロエッジ)では、売上高、営業利益、EBITDAを重要な経営指標として管理しております。
AeroEdge(エアロエッジ)は、企業として一定程度の売上高規模を確立し、事業基盤の安定性を確保するとともに、安定した利益の成長を継続させることで、新規案件への投資を継続的に行うことが重要であると考えております。
一方で、AeroEdge(エアロエッジ)は、チタンアルミブレード販売への依存度が高く、事業ポートフォリオ及び収益源の多様化を図り、特定製品への依存度を下げることが、永続的に成長を続けるためには不可欠であると考えております。そのためには、チタンアルミブレード以外の売上拡大を図ることが必要となりますが、新規量産案件拡大のためには、設備投資等の初期投資が発生し、一時的な利益率の低下を招くことが想定されております。新規量産案件の獲得による売上の拡大と、利益のバランスを考慮しつつ、永続的な企業価値の向上を図ることが、現時点においては重要であると考えられることから、AeroEdge(エアロエッジ)は売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けております。
また、AeroEdge(エアロエッジ)は、設立時に主要事業であるチタンアルミブレードの増産に対応できる水準の生産キャパシティを考慮した設備投資を実施していることから、チタンアルミブレードの今後の増産に対応するための大規模設備投資は今後も限定され、現時点において、既に将来の増産に対応する水準の減価償却費が会計上計上されていると考えております。そのため、AeroEdge(エアロエッジ)の収益性や現金創出力をより適切に把握するために、減価償却費の影響を排除した指標であるEBITDAを重要な経営指標として管理しております。
(5) 優先的に対処すべき事業上の課題
① 原価低減と生産効率の向上による利益及びキャッシュ・フローの創出
新型コロナウイルス禍からの航空機需要回復によるチタンアルミブレードの需要拡大に伴い、AeroEdge(エアロエッジ)の売上高は増加するとともに、新型コロナウイルス禍において積極的に取り組んだ工程の自動化、内製化、その他原価低減活動やトヨタ生産方式の実践により、AeroEdge(エアロエッジ)の損益分岐点は新型コロナウイルス発生前から大きく低減しました。その結果、AeroEdge(エアロエッジ)は、当事業年度まで2期連続で営業利益を計上しておりますが、それ以前は、設立以降継続して営業損失を計上しておりました。
また、チタンアルミブレード生産に関しては、今後の増産に対応する設備投資が一巡しており、大型の設備投資が不要であること、また、材料費が無償支給であること等による低い変動比率から、売上拡大時には利益を出しやすい体質を構築しております。一方で、製造業にとって品質を維持しながらの原価低減、並びに生産の効率化は常に追求する必要があります。AeroEdge(エアロエッジ)では、この課題に取り組むため、より一層の生産性の向上及び生産体制の構築に努め、中長期での利益及びキャッシュ・フローの最大化を推進してまいります。
② 収益の多様化
現在、AeroEdge(エアロエッジ)の収益の大半が仏SAFRAN社に対するLEAPエンジン向けチタンアルミブレードの生産・販売から成り立っております。収益の多様化を図るためにも、チタンアルミブレードの加工で培った技術・経験、並びにAM(Additive Manufacturing、積層造形、いわゆる3Dプリンタ)技術等を活用し、新たな量産案件の獲得に積極的に努めてまいります。
③ 環境問題への取組
AeroEdge(エアロエッジ)は、環境問題に積極的に対応するため環境マネジメントシステムの国際規格「JISQ14001」の認証を取得しております。また、製品の品質保証と顧客満足度の向上を目的に、航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムの国際規格「JISQ9100」の認証を取得しております。
一方で、航空産業においては、機体メーカーやエンジンメーカーが、カーボンニュートラル実現に向けたCO2削減への取り組みを強化しており、サプライヤー全体でCO2削減を実現することが求められております。AeroEdge(エアロエッジ)は、気候変動に係るリスク及び収益機会がAeroEdge(エアロエッジ)の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、環境問題に向けた取り組みを加速してまいります。
④ 技術の開発
AeroEdge(エアロエッジ)が、加工技術で今後も競争優位を発揮し、収益性を維持するためには、新たな技術を取り入れることが不可欠であります。また、収益の多様化を図るために、新材料やAM等、新たな技術の開発を取り入れていくことも必要であります。AeroEdge(エアロエッジ)は、積極的に新たな技術の開発を行い、技術的優位性及び収益の多様化を図ってまいります。
⑤ 人財の採用育成
AeroEdge(エアロエッジ)が、新たな技術開発や新たな案件に取り組むためには、優秀な人財の確保と育成が不可欠であります。AeroEdge(エアロエッジ)は、新規採用を強化するとともに、育成とフォローアップ体制の整備を充実させることにより人財のスキルアップと組織の活性化を図ってまいります。
⑥ 資金調達と財務基盤の安定性の確保
AeroEdge(エアロエッジ)は、LEAPエンジン向けチタンアルミブレード生産においては設備投資が一巡しているものの、収益の多様化実現に向け、新規案件を拡大するためには、新たな設備投資が不可欠となります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、収益多様化に向けた新たな設備投資を実行できるように、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、財務内容の最適化に努めてまいります。また、金利上昇下でも資金調達に支障をきたさぬように、金融機関との連携を密にしてまいります。
⑦ 内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実
AeroEdge(エアロエッジ)は、持続的な成長と企業価値の向上のため、内部管理体制の充実が不可欠であると認識しており、役職員のコンプライアンス意識の向上、AeroEdge(エアロエッジ)の取引態様に即した内部管理体制の構築など、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、これらのリスクの発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。そのためのリスク管理体制としては、リスク管理規程を定め、四半期に一回(必要に応じて適宜)代表取締役、常勤取締役及び常勤監査役等で構成されるリスク・コンプライアンス委員会を開催し、リスクの調査、網羅的認識及び分析、各種リスクに関する管理方針の協議及び決定等を行うとともに、それら内容については、適宜取締役会にて報告が行われております。
なお、本項目の記載は全てのリスクを網羅したものではなく、業績等に影響を与えるリスクは下記項目に限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項については、提出日現在においてAeroEdge(エアロエッジ)が判断したものであります。
① 主要な事業活動の前提となる事項、並びに特定の取引先及び製品への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大)
AeroEdge(エアロエッジ)は、航空機である仏Airbus社製A320neoファミリー機及び米Boeing社製737MAX機に搭載されるLEAPエンジンの構成部品であるチタンアルミ製低圧タービンブレードの生産・販売を主たる事業活動としており、当該部品を仏SAFRAN社へ販売しております。AeroEdge(エアロエッジ)は、当該チタンアルミブレードの販売契約を同社と下記のとおり締結しておりますが、AeroEdge(エアロエッジ)の売上高に占める同社、並びに同製品(関連売上を含む)への売上高の割合は2024年6月期において97.2%となっており、同社、並びに同製品への取引依存度が高い水準にあります。そのため、AeroEdge(エアロエッジ)は、当該販売契約を事業に関わる重要な契約であると認識しております。
当該契約において、仏SAFRAN社はLEAPエンジンの生産に必要なチタンアルミブレードの総量の35%分(以下、マーケットシェア。2024年10月締結予定の購買契約の改定により、2024年7月1日に遡ってマーケットシェアは40%に変更となる予定)を契約期間中に渡って、原則として契約に定められた価格(販売年度に応じて変動。また、一定の為替レートレンジを超えた場合にも変動)でAeroEdge(エアロエッジ)に発注することが定められております。但し、同社からは一定期間の発注見込数量が提示されますが、当該見込数量は保証されているわけではなく、確定発注数量は数週間分のみとなり、最低発注数量等も定められておりません。また、当該契約期間終了に伴う更新は自動で行われるわけではありません。
AeroEdge(エアロエッジ)が(a)契約不履行や破産等した場合、(b)AeroEdge(エアロエッジ)の支配株主が同社の競合企業となった場合、(c)LEAPエンジンの事業主体が変更された場合、(d)同社がオフセット取引(特定の国に製品を購入してもらう見返りに、技術移転や経済発展等を目的として、当該国での現地生産を行うといった取引)を実行する場合、(e) AeroEdge(エアロエッジ)とマーケットシェアや地理的条件が同じ前提において、価格・品質・生産体制面で、AeroEdge(エアロエッジ)より一定水準以上の優位な競合先が発生した際に、AeroEdge(エアロエッジ)が追随できない場合には、当該契約が終了、もしくはマーケットシェアが減少する可能性があります。また、LEAPエンジンの生産が何らかの理由で一時中断となった場合は、同社はAeroEdge(エアロエッジ)の生産ラインの一時中断を要求することができ、その際の経済的保証はないことが定められています。但し、上記(e)の事象が発生した場合に、同社はマーケットシェアを削減する権利を有する一方で、当該権利を行使することにより、当初のマーケットシェアの一定水準以上を削減する場合は、同社は一定の損害補償をAeroEdge(エアロエッジ)に対して行うことが定められております。
なお、現時点において、上記記載の契約終了やマーケットシェアの変更等に影響を与える事象は発生しておりません。
AeroEdge(エアロエッジ)は、契約期間の延長やマーケットシェア拡大について、SAFRAN社と2024年10月に契約を改定する予定であり、同社から一定の評価を得ているものと考えられること、また、高い品質が求められる航空機エンジン部品製造の参入障壁は他業界と比較して高く、競合が参入しにくいことから、今後も取引を継続できるものと考えておりますが、もし、上記記載の契約終了やマーケットシェアの変更に該当する事象が発生した場合は、AeroEdge(エアロエッジ)の業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、AeroEdge(エアロエッジ)製品が搭載される航空機等に重大な不具合や事故が発生した場合、その原因究明及び安全性の確認のため同型式航空機の運航を見合わせることや、航空機等に安全性を著しく損なう問題が発生した場合は、各国において、安全性が確認されるまで同型式航空機の運航が認められない場合があります。
これにより、当該機体の生産計画の変更、生産停止などが発生した場合、AeroEdge(エアロエッジ)の業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、米Boeing社は、737MAX機について、2024年1月に発生した品質トラブルを要因として、米連邦航空局から生産拡大を一時停止するように指示されており、一定期間、生産数の拡大よりも品質改善に注力することを発表しております。もし、当該品質改善への対応が長期化し、生産が停滞した場合等は、AeroEdge(エアロエッジ)の業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、引き続き同社が満足する製品を供給し、グローバル航空機エンジンメーカー大手である同社との取引関係を強化していく方針でありますが、同社、並びに同製品への依存度を引き下げるため、他の航空機エンジン部品等、AeroEdge(エアロエッジ)の強みを発揮できる分野での新規量産案件の拡大に努めてまいります。
② 経済動向の悪化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
AeroEdge(エアロエッジ)の売上高の多くは航空機エンジンに使用される部品販売で構成されています。航空機業界は経済・マクロ動向の影響を受けやすく、世界的な景気悪化や国際紛争・テロの発生、感染症の流行等による旅客需要の減少や原油価格の高騰により、エアラインや航空機メーカー等の業績や経営基盤が悪化した場合、AeroEdge(エアロエッジ)の受注高や売上高の減少など、AeroEdge(エアロエッジ)の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料の代替について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期、影響度:大)
AeroEdge(エアロエッジ)の売上高の多くを占める航空機エンジン用のチタンアルミブレードの材料は、仏SAFRAN社からの無償供給となっております。そのため、直接的に当該資材等の価格がAeroEdge(エアロエッジ)の業績に影響を与えることはありませんが、この原材料については、その特殊性から供給元が限定されるものとなっており、供給者における事故や品質上の問題、あるいは国際情勢の悪化等により供給不足及び納入の遅延等が発生した場合は、生産スケジュールの遅延に伴う売上や利益の減少による業績の悪化、また、それに伴う売上入金の減少による資金繰りの悪化等、AeroEdge(エアロエッジ)の業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。過去においても、当該材料の供給元における新型コロナウイルス等に起因する人財不足や設備故障の発生等による材料の供給遅延が発生しており、AeroEdge(エアロエッジ)の生産数量に一定の影響を与えております。
AeroEdge(エアロエッジ)は、当該材料供給の影響を最小限にするために、あらかじめ余剰材料を供給することを顧客へ要請し、また材料の直接購買による材料調達の柔軟化や、新たな材料の開発に努めてまいります。
④ 為替レートの変動について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
AeroEdge(エアロエッジ)の売上高の多くを占める航空機エンジン用のチタンアルミブレードは、米ドルによる外貨建て取引により輸出販売しております。2024年10月に予定しているSAFRAN社との契約改定において、為替レートの影響をヘッジするために、一定の為替レートレンジを超えて円高になった場合には、一部販売価格を引き上げ、円安になった場合には、一部販売価格を引き下げる契約を締結しましたが、一定の為替レートレンジ内においては、引続き為替変動による影響を受けやすくなっております。また、AeroEdge(エアロエッジ)は副資材等については、一部輸入によって調達していますが、輸出に対する輸入の割合は低いものとなっております。そのため、AeroEdge(エアロエッジ)の業績は、為替相場の円高局面ではマイナスに、円安局面ではプラスにそれぞれ影響を受け、想定を超えた為替レートの変動があった場合には、AeroEdge(エアロエッジ)の業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、これらの為替変動の影響を最小限にするため、為替予約取引等により、為替変動リスクのヘッジに努めてまいります。
⑤ 自然災害等の影響について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
AeroEdge(エアロエッジ)の生産拠点である工場は、栃木県に1か所のみであります。そのため、栃木県において大規模災害が発生した場合や、工場での事故や火災が発生した場合には、生産設備の破損、物流拠点の麻痺等が生じ、生産拠点の操業停止等、AeroEdge(エアロエッジ)の生産体制が重大な影響を受け、AeroEdge(エアロエッジ)の財政状態、経営成績等に重要な影響が及ぶ可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、自然災害等の事象が発生する場合に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、一部工程について外注先を確保するとともに、可能な限り最短での生産復帰が可能となるように、生産復帰までのマニュアルの作成や、社内研修等を実施することで、業務中断に伴うリスクを最小限に抑えるように努めてまいります。
⑥ 製品品質や安全について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
AeroEdge(エアロエッジ)は、品質や安全に関する法令・規則の遵守及び製品品質や信頼性の向上に努めております。しかしながら、万一、製品に起因する品質上・安全上の問題により大規模なリコールや賠償請求に発展する場合は、多額のコストの発生につながり、AeroEdge(エアロエッジ)の信用低下や財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客との契約上の保証条項の内容においても、支払補償費などの発生費用によりAeroEdge(エアロエッジ)の信用低下や財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、当該リスクを防止するため、品質や安全に関する管理基準の適切な運用を実施しております。具体的には、航空品質認証であるJISQ9100を取得し、それに基づいた品質保証システムの確立と管理を行うとともに、主要顧客である仏SAFRAN社の認証や国際特殊工程認証であるNadcapを取得・維持管理することで品質を担保しております。製造工程を変更する場合は、規程に基づく顧客承認プロセスを含む工程変更手続きを厳格に行い、履歴管理を実施しております。AeroEdge(エアロエッジ)は徹底した品質や安全に関しての社内ルールを整備・運用することにより、品質・安全リスクを最小限に抑えるように努めております。また、AeroEdge(エアロエッジ)は航空PL保険に加入することにより、大規模なリコールや賠償請求等に対する備えを行っております。具体的には、AeroEdge(エアロエッジ)は、仏SAFRAN社が求める水準の航空PL保険に加入しており、同社との契約上、チタンアルミブレードの販売におけるAeroEdge(エアロエッジ)の賠償責任は、当該航空PL保険金額が上限となっております。
⑦ 生産キャパシティの不足について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
AeroEdge(エアロエッジ)製品が搭載される航空機である仏Airbus社製A320neoファミリー機及び米Boeing社製737MAX機は、商業用航空機全体の受注残高の多くを占めております。AeroEdge(エアロエッジ)は、今後、両機の生産量が増加し、AeroEdge(エアロエッジ)への受注が増加することを想定し、チタンアルミブレードの生産に関しては、安定的な材料の供給がなされる前提において、今後3年程度の増産見込に耐えられる十分な生産キャパシティを確保しておりますが、想定以上に受注が増加した結果、AeroEdge(エアロエッジ)が十分な生産キャパシティを確保できずに供給遅延等が発生した場合には、顧客である仏SAFRAN社からの信頼を失い、同社との将来の取引に悪影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、生産性向上を図ることにより、生産キャパシティの拡大を継続的に推進するとともに、想定以上の受注増加が予想される場合には、必要な設備投資等を行うことにより、生産キャパシティが不足しないように対応してまいります。
⑧ 法的規制等に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
AeroEdge(エアロエッジ)は、事業活動を行うに際して、製造物責任法・独占禁止法・下請代金支払遅延等防止法・廃棄物の処理及び清掃に関する法律・工場立地法・消防法・毒物及び劇物取締法等の法的規制を受けております。AeroEdge(エアロエッジ)は、JISQ9100やJISQ14001の認証を取得した工場として、各種法令・規則に則り生産活動を行っておりますが、今後、新たな法令の制定等規制の動向によっては、AeroEdge(エアロエッジ)の事業展開が制約され、AeroEdge(エアロエッジ)の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、AeroEdge(エアロエッジ)は直接的な法的規制は受けませんが、AeroEdge(エアロエッジ)製品の供給先である航空機エンジンが搭載される航空機等に重大な不具合や事故が発生したことにより、関係当局から当該航空機の型式証明等が取り消された場合、AeroEdge(エアロエッジ)の受注数量が減少することになり、AeroEdge(エアロエッジ)の業績、財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、法務業務を担当する経営管理部が、新たな法規制等を定期的に確認・対応すること、また、リスク・コンプライアンス委員会によりAeroEdge(エアロエッジ)事業に影響を与え得る法規制等を幅広く確認し、必要に応じて対応を行うことで、当該リスクを最小限に抑えるように努めております。また、特定製品への依存度を引き下げるため、他の航空機エンジン部品や、ガスタービン部品、eVTOL(電動垂直離着陸機、いわゆる空飛ぶクルマ)用部品等、AeroEdge(エアロエッジ)の強みを発揮できる分野での新規案件の拡大に努めてまいります。
⑨ 固定資産の減損リスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
AeroEdge(エアロエッジ)は、設立から2022年6月期まで継続して営業赤字を計上しておりました。また、製造業であることから工場建物、機械設備等、多額の固定資産を保有しております。当該固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損損失を認識すべきであると判定した場合には、それぞれの固定資産について回収可能性を評価することとなります。回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額は減損損失として当該期の損失として計上されるため、AeroEdge(エアロエッジ)の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、原価低減活動や新たな収益源の拡大に取り組むことで、減損リスクを最小限に抑えるように努めてまいります。
⑩ 新型コロナウイルス等の感染症の発生について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
新型コロナウイルス感染症拡大は航空機による移動制限をもたらし、世界中のエアライン及び航空機メーカーは減便・減産を余儀なくされました。新型コロナウイルスやその他の感染症が今後新たに発生・拡大した場合は、航空機需要が減少し、AeroEdge(エアロエッジ)の業績見通しが毀損する可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、感染拡大防止のための対策を徹底するとともに、引き続き生産・製造規模の臨機応変な対処を行い、資金需要についても金融機関と緊密な調整を進めるなど対応を継続しております。また、原価低減活動や新たな収益源の多様化、事業継続計画(BCP)策定により、当該リスク発生時の影響を最小限に抑えるように努めてまいります。
⑪ 有利子負債への依存度について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
AeroEdge(エアロエッジ)は製造業であり、通常、収益の計上に先行して設備投資が必要となります。現状の事業拡大局面においては、設備投資額は増加傾向にありますが、資金面では手元資金に加えて金融機関からの借入金等によって調達しており、2024年6月期末において、2,768百万円の借入金(総資産に対する割合38.3%)があります。2024年9月には、シンジケートローンによる総額3,300百万円の借入を実施するとともに、既存借入の一部繰上返済を実施しておりますが、借入金残高は増加しております。そのため、AeroEdge(エアロエッジ)の信用力低下等何らかの理由により調達に制約を受けた場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)では、2024年6月期末において、1,813百万円の現預金を保有しており、一定の手元流動性を確保しておりますが、金融機関との良好な関係の維持・強化に努めるとともに、常に手元流動性の確保や資本効率の向上等の観点から検討を行い財務基盤の強化に取り組んでまいります。
⑫ 金利の上昇について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
現在、AeroEdge(エアロエッジ)における資金調達は、低金利傾向といった金融情勢も勘案の上、金融機関からの長期及び短期借入にその多くを依存しており、2024年6月期末において、2,768百万円の借入金があります。2024年9月には、シンジケートローンによる総額3,300百万円の借入を実施するとともに、既存借入の一部繰上返済を実施しておりますが、借入金残高は増加しております。今後、世界的な金融引き締めにより、金利が上昇した場合には、資金調達コストが更に増大し、AeroEdge(エアロエッジ)の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、保有現預金や自己資本比率水準等の財務の健全性を維持・強化するとともに、資金調達手段の多様化等を進め、低利かつ安定的な資金の確保に努めてまいります。
⑬ 財務制限条項について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
AeroEdge(エアロエッジ)は、安定的な資金運用を図るため、金融機関から資金調達を行っておりますが、一部の金融機関との取引について、「第5 経理の状況 [注記事項](貸借対照表関係)」に記載のとおり、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。万が一、これらの条件に抵触した場合には、期限の利益の喪失等、AeroEdge(エアロエッジ)の経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、経済情勢や金利動向、財務バランスを総合的に勘案し、有利子負債の適正な水準の維持に努めながら事業展開を行ってまいります。
⑭ 情報セキュリティについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
AeroEdge(エアロエッジ)では、製品の設計・開発、生産、販売など、事業活動において、情報技術やネットワーク、システム(ITシステム)を利用しております。これらITシステムの運用、並びに導入・更新に際しては、システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう安全対策を講じておりますが、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等により、重要な業務の中断やデータの破損・喪失、機密情報の外部漏洩などが発生する可能性があります。この場合、AeroEdge(エアロエッジ)の信用低下や財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、情報セキュリティ対策の充実、役職員への教育、情報システムの社内バックアップ体制等により、当該リスクを回避できるように努めてまいります。
(2) 事業体制に関するリスク
① 代表取締役社長への依存及びAeroEdge(エアロエッジ)の事業推進体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:小)
AeroEdge(エアロエッジ)の代表取締役社長である森西淳は、AeroEdge(エアロエッジ)の創業者であり、設立時より最高経営責任者であります。同氏は、事業経営に関する豊富な経験と知識を有しており、現在においても経営方針や事業戦略等の立案及び決定を始め、取引先やその他各分野にわたる人脈等、AeroEdge(エアロエッジ)の事業推進の中心的役割を担っており、AeroEdge(エアロエッジ)における同氏への依存度は一定程度高いものとなっております。そのため、何らかの理由により同氏がAeroEdge(エアロエッジ)の経営者として業務遂行が継続できなくなった場合には、AeroEdge(エアロエッジ)の財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)では、同氏に過度に依存しないよう、経営幹部、並びに業務推進役の拡充、育成及び権限委譲による分業体制の構築等を進めることにより、当該リスクを回避できるように努めてまいります。
② 人財の確保・維持について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:小)
AeroEdge(エアロエッジ)が今後事業の拡大を行うにあたり、優秀な人財を獲得・育成することが重要な課題と考えております。そのため、採用活動及び研修制度、人事制度の強化に努めておりますが、業務上必要とされる人財を確保・育成できない場合や、退職者の増加等により必要な人財が維持できない場合には、AeroEdge(エアロエッジ)の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、採用活動、研修制度及び人事制度の強化により、当該リスクを回避できるように努めてまいります。
(3) その他のリスク
① ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
AeroEdge(エアロエッジ)では、取締役、従業員等に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は583,000株であり、発行済株式総数の15.2%に相当しております。
AeroEdge(エアロエッジ)は、収益力を高め、企業価値の向上を行うことで当該リスクを回避できるように努めてまいります。
② 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
AeroEdge(エアロエッジ)は、成長過程の途上にあり、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大・発展を目指すため、内部留保を充実させることが必要であると考えており、これまでに配当を実施したことはなく、また、今後も当面の間は配当を実施する予定はありません。しかしながら、株主利益の最大化を重要な経営目標の一つとして認識しており、今後の株主への剰余金の配当につきましては、業績の推移、財務状況、今後の事業への投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針であります。
AeroEdge(エアロエッジ)は、収益力を高め、企業価値の向上を行うことで、株主利益の最大化を実現できるように努めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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