ヤガミ(7488)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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ヤガミ(7488)の株価チャート ヤガミ(7488)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

ヤガミグループ(ヤガミ及び連結子会社)は、ヤガミと㈱ヤガミファニテク及び㈱平山製作所の3社で構成され、理科実験機器、実験台、調理台、滅菌器、保健室設備品、AED(自動体外式除細動器)、蘇生法教育人体モデル、保温・加熱用電気ヒーター、環境試験装置等の製造及び販売等の事業活動を行っております。

各事業におけるヤガミグループ各社の位置付け等は次のとおりであります。

また、次の3部門は「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。

〔理科学機器設備〕

理科実験機器は、仕入先より納入された商品や、協力工場が製造したオリジナル商品をヤガミが販売しております。実験台・調理台等の木工商品は㈱ヤガミファニテクが主に製造し、ヤガミが販売しております。
また、ヤガミは㈱ヤガミファニテクに対して不動産を賃貸し、ヤガミの入出荷作業等を業務委託しております。
滅菌器等は、主に㈱平山製作所が製造し、ヤガミが販売するほか、㈱平山製作所も独自の販売網を通じて販売しております。

〔保健医科機器〕

AEDは、仕入先より納入された商品をヤガミが販売しております。保健室設備品は、仕入先より納入された商品や、協力工場が製造したオリジナル商品をヤガミが販売しております。蘇生法教育人体モデルは、協力工場が製造したオリジナル商品をヤガミが販売しております。

〔産業用機器〕

保温・加熱用電気ヒーターは、仕入先より納入された商品をヤガミが販売しております。環境試験装置は㈱平山製作所が製造し、独自の販売網を通じて販売しております。

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 


 


有価証券報告書(2024年4月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、ヤガミグループが判断したものであります。

(1) 経営方針及び経営環境

ヤガミグループは教育の改善、健康福祉の増進、科学技術の進歩への貢献を通じて地域社会及び国家に奉仕することを経営の基本方針とし、全国の小・中・高等学校など文教分野を中心に、オリジナル商品主体の専門コーディネーターとして独自の事業展開を図っております。祖業である顕微鏡や電源装置などの教育理科機器を始め、実験台・調理台などの施設設備機器、視力計・体重計などの保健設備品といった専門性に特化した幅広い商品ラインナップにより、ユーザーの元へ最適な品質の商品を提供してまいります。

また全国の自治体並びに一般企業等に対してAED(自動体外式除細動器)を提供するほか、自動車教習所や日本赤十字社などに対して国産唯一となる蘇生法教育人体モデル、人工呼吸用携帯マスクの販売を行っております。

そのほかエレクトロニクス関連業界を中心とした一般企業に対し、保温・加熱用電気ヒーターの販売や、連結子会社㈱平山製作所を通じた滅菌器・環境試験装置の製造・販売により、国外市場も含めた民間分野の一層の拡大を図ってまいります。

セグメント別の経営方針、経営環境は以下のとおりであります。

(理科学機器設備)

文教分野では、「主体的・対話的で深い学び」やICTの活用が求められる中、理科教育における観察・実験や、その充実を図る情報技術の利用はより重要性を増しております。また学校施設に関しては、校舎の老朽化に伴う長寿命化改修が継続する中、木材利用促進、バリアフリー化、施設の複合化など時代に即した活用方法の見直しが図られております。

このような状況のもと、ヤガミグループでは、生徒一人ひとりの考える力を伸ばす商品展開を積極的に進めるとともに、ITを活用した実験・観察など「教室のデジタル化」への対応を図ってまいります。また学校校舎改修工事に伴う施設設備機器のタイムリーな提案を実現するため、各地域の販売代理店や設計事務所をはじめとした販売チャネルの多層化を進めるとともに、多様な校舎活用の実現に向けた独自の商品提案を強化いたします。

滅菌器の分野では、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、国内外での感染防止に係る特需の影響が無くなり、通常時の経営環境に戻りました。ヤガミグループにおいては、買い替え需要や新興国における新規需要の獲得のほか、国内食品業界に対するレトルト殺菌器の拡販を進めるとともに、更なる品質向上とサービス体制の充実を図ってまいります。

(保健医科機器)

新型コロナウイルス感染症対策の予算措置が終了し、学校保健設備品の市場規模はコロナ禍前の状況に戻り、今後も概ね横ばいで推移するものと見込まれております。

AEDを用いた一般市民による除細動の普及(PAD市場)は着実に進展しており、公共施設など官公庁関係では整備が一巡しているものの、耐用期間を迎えた機器の更新需要が続いております。また一般企業などの民間分野においては更新需要に加えて新規の整備も進んでおり、一層の裾野拡大が見込まれます。

 このような状況のもと、ヤガミでは、各地域学校現場の養護教諭や関連部会との関係強化により、現場ニーズに即した保健設備品や消耗品の提案活動を推進いたします。またAEDにおいては、「8年保証安心パック」を軸とした独自の商品提案により、他社との差別化を図るとともに、きめ細かなアフターフォローによる買い替え需要の取り込みと、民間分野も含めた新たなユーザーの獲得を図ってまいります。

(産業用機器)

半導体業界を中心とするエレクトロニクス関連産業においては、高速通信規格(5G)やIoT、人工知能(AI)等の技術革新を背景に、中長期的には拡大基調が予想されるものの、ウクライナ情勢や米中対立に伴う海外経済の不安定化により、設備投資の先行きは引き続き不透明な状況が見込まれております。

 このような状況のもと、ヤガミグループでは、半導体関連企業をはじめとする主要顧客に対し、引き続き保温・加熱用電気ヒーターの拡販に努めるとともに、新たな顧客、幅広い業界、業種、用途への対応を進めます。また環境試験装置の分野においては、米中対立によるサプライチェーン見直しの動きに合わせ、東南アジアなど中国以外の周辺地域に対する販売・サービス網の拡充や欧米市場の販促強化、国内では他の試験機メーカーと連携するなど販路の拡大を図るとともに、品質改善による競争力の向上に取り組んでまいります。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上の課題

(1)に記載の経営方針を実行していくうえで、ヤガミグループが優先的に対処すべき事業上の課題は、以下のとおりであります。

(理科学機器設備)                                    

教育理科機器の需要は、理科教育振興法に基づく補助金など国や地方自治体の教育予算がその大半を占めております。科学技術の振興・充実の礎となる理科教育は極めて重要な国の施策である一方、少子化の進行により市場の大きな伸長は見込めない状況となっております。ヤガミにおきましては、学校現場に最適な品質の商品提案を通じたブランド力アップによりシェア拡大を図るとともに、幼稚園・保育園や医療系施設、大学・専門学校、公営住宅・高齢者施設に対する収納戸棚や調理台の提案など、ヤガミのノウハウや強みが活かせる周辺分野への拡充を進めてまいります。

滅菌器の分野においては、中国製品の台頭に伴い、国内外いずれの市場においても製品の差別化とシェア拡大が課題となっております。国内外共通の次世代グローバルモデルへの収れんにより競争力を確保するとともに、東アジア以外の海外市場に対する販売・サービス網を整備・強化いたします。また競争が激化している国内市場においては、きめ細かなアフターサービスや販促活動による更新需要の取り込みと、成長が見込まれる食品業界への一層の拡販を目指してまいります。

(保健医科機器)

コロナ禍による感染症対策需要は収束を迎え、保健設備品の需要は通常期に戻る中、小中学校の統廃合が進んでいる状況において競合他社の参入や学校現場におけるネット通販の進展から、シェア拡大は一層重要な課題となっております。ヤガミにおきましては、現場ニーズを反映したオリジナルの健康診断機器をはじめ、感染症対策関連商品や多様な消耗品を網羅した総合カタログの提供等を通じて、積極的な営業活動を展開いたします。

AEDの分野におきましては、一般市民への普及に伴って自治体や企業での新規購入や買い替え需要が引き続き期待されます。ヤガミにおきましては、各ユーザーの要望に応じた商品ラインナップを強化するとともに、ネット活用などによる販路の拡大を図ってまいります。

(産業用機器)

半導体業界を中心とするエレクトロニクス関連産業においては、景気の波を繰り返しながらも中長期的には更なる成長が見込まれます。ヤガミにおきましては、引き続き主要顧客に対する保温・加熱用電気ヒーターの拡販を進める一方、半導体関連業界の景気動向に左右されにくい収益基盤の確立も重要な課題として捉え、ネット活用などを通じた新たな顧客、幅広い業界、業種、用途への対応を着実に推進いたします。またオリジナル商品を含めた商品群の拡充や協力会社との連携強化、社内体制を整備し、商品の安定供給を図ってまいります。

環境試験装置については、基幹部品調達の複数チャネル化などサプライチェーンの安定化を図るとともに、近年の地政学的リスクを踏まえた動きに合わせ、中国を軸とした東アジア中心の販売展開から、東南アジア・欧米なども含めた広域での販売網強化を進めてまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ヤガミグループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は、自己資本利益率(ROE)であります。当該KPIを採用した理由は、収益性ならびに資本効率を高め、経営基盤の強化に資すると判断したためであります。

ヤガミグループは、ROE10%以上の達成を目標としてまいります。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成 績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてヤガミグループが判断したものであります。

(1) 取引先の信用リスク

ヤガミグループの販売代理店を始めとする取引先の多くは、掛売り又は手形取引となっております。ヤガミはグループ全体での与信管理体制強化と債権保全の徹底に努めているものの、重要な得意先が破綻し、その債権が回収できない場合には、ヤガミグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) カントリーリスク

子会社である㈱平山製作所においては、アジア地域を中心に滅菌器、環境試験装置の国外販売を伸ばしており、当期の海外売上高はヤガミグループ全体の約2割を占めております。これらの国・地域の政治、経済及び社会情勢等に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規制の変更等によるカントリーリスクが顕在化した場合には、債権回収や事業遂行の遅延・不能などヤガミグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 品質管理に係るリスク

ヤガミグループにおいてはAEDや高圧蒸気滅菌器など高度な品質が要求される医療機器を取り扱っております。このうちAEDについては、米国大手優良メーカー品を主体として販売を行っており、製品面ではトップクラスの品質を確保しておりますが、不測の事態により製品の欠陥が生じた場合、販売停止やリコール等の措置を講じる場合があります。

また滅菌器については、ヤガミ子会社である㈱平山製作所において製造販売しており、国際規格ISOに基づいた品質マネジメントシステムを運用しているとともに、製造物責任賠償保険(PL保険)に加入する等の対策を講じておりますが、上記同様に製品の欠陥が発生した場合、多額のコストに加えてヤガミグループの社会的評価に重大な影響を及ぼすことが考えられ、これによってヤガミグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 大規模災害によるリスク

ヤガミグループでは本社機能をはじめ、棚卸資産の約4割が愛知県内に集中しております。予想される東海地震、東南海地震の発生に伴い、物的な被害ならびに商品の調達及び物流に少なからぬ支障をきたすことが予想されます。ヤガミグループでは、複数購買の検討、危機管理規程の策定など被害の最小化に努めておりますが、想定規模を超える災害やシステム不全が発生した際には事業を適切に遂行できず、ヤガミグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 固定資産に関する減損リスク

ヤガミグループが保有する不動産、製造設備等の固定資産は、減損リスクにさらされております。現時点において必要な減損等の処理は実施しておりますが、今後各種市況の悪化、需要の減退等に伴い保有固定資産の経済価値が低下した場合には、更に必要な減損処理を実施することになります。このような場合には、将来のヤガミグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 税効果会計に関するリスク

ヤガミグループは、税効果会計に係る会計基準に基づいて、将来の合理的な期間における課税所得の見積りを行い、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産を計上しております。今後、ヤガミグループの経営状態の変化、法人税率引き下げ等の税制改正、会計基準の変更等、その回収可能性に変動が生じた場合には、繰延税金資産を減額する可能性があり、ヤガミグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 感染症拡大に伴うリスク

新型コロナウイルス感染症により一時影響を受けた経済活動は、感染症法上の位置づけ変更に伴って正常化が進んでおりますが、新たな感染症の拡大などによって経済活動の停滞が生じた場合、ヤガミグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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