島津製作所および島津製作所の関係会社(子会社85社および関連会社8社(2025年3月31日現在))は、計測機器、医用機器、産業機器、航空機器、その他の各事業分野で研究開発、製造、販売、保守サービス等にわたる事業活動を行っています。
島津製作所および主要な関係会社の当該事業における位置付けはつぎのとおりです。
なお、計測機器、医用機器、産業機器、航空機器、その他の各事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一です。
また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
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事業 区分 |
主要製品等 |
主要な関係会社 |
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計 測 機 器 |
クロマト分析システム、質量分析システム、光分析システム、熱分析システム、ライフサイエンス関連分析システム、X線分析システム、表面分析・観察システム、水質計測システム、排ガス測定システム、材料試験機、疲労・耐久試験機、構造物試験機、非破壊検査システム、高速度ビデオカメラ、粉粒体測定システム、天びん・はかり、回折格子、レーザ機器、小形分光器、臨床検査用試薬、全自動PCR検査システム、培地、微生物検査システム |
[製造・販売] 島津サイエンス東日本(株)、島津サイエンス西日本(株)、島津ダイアグノスティクス(株)、 (株)島津理化、島津システムソリューションズ(株)、島津エイテック(株)、 シマヅ サイエンティフィック インスツルメンツ インク(アメリカ)、 シマヅ ユーエスエー マニュファクチュアリング インク(アメリカ)、 シマヅ オイローパ ゲーエムベーハー(ドイツ)、 クレイトス アナリティカル リミテッド(イギリス)、 島津(香港)有限公司(中国)、島津企業管理(中国)有限公司(中国)、 島津儀器(蘇州)有限公司(中国)、 シマヅ サイエンティフィック コリア コーポレーション(韓国)、 シマヅ(エイシア パシフィック)プライベイト リミテッド(シンガポール)、 シマヅ マニュファクチュアリング エイシア エスディーエヌ ビーエイチディー(マレーシア)、 シマヅ ミドル イースト アンド アフリカ エフゼットイー(アラブ首長国連邦)、 シマヅ ラテン アメリカ エスエー(ウルグアイ)
[保守サービス] (株)島津アクセス
[研究開発・分析受託] (株)島津テクノリサーチ、 シマヅ リサーチ ラボラトリー(ヨーロッパ)リミテッド(イギリス)
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医 用 機 器 |
血管撮影システム、X線TVシステム、一般撮影システム、回診用システム、外科用X線TVシステム、PETシステム、近赤外光カメラシステム、放射線治療関係、医療情報システム |
[製造・販売] 島根島津(株)、 シマヅ プレシジョン インスツルメンツ インク(アメリカ)、 シマヅ オイローパ ゲーエムベーハー(ドイツ)、 島津(香港)有限公司(中国)、島津企業管理(中国)有限公司(中国)、 北京島津医療器械有限公司(中国)、 シマヅ(エイシア パシフィック)プライベイト リミテッド(シンガポール)、 シマヅ ミドル イースト アンド アフリカ エフゼットイー(アラブ首長国連邦)、 シマヅ ラテン アメリカ エスエー(ウルグアイ)
[販売・保守サービス] 島津メディカルシステムズ(株)
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産 業 機 器 |
ターボ分子ポンプ、油圧ギヤポンプ、コントロールバルブ、パワーパッケージ、工業炉、液送ポンプ、ガラスワインダ、動釣合試験機(バランシングマシン)、ヘリウムリークディテクタ、高速スパッタリングシステム、磁気探知機/磁力計、水中光無線装置、光格子時計 |
[製造・販売] 島津産機システムズ(株)、島津プレシジョンテクノロジー(株)、 シマヅ プレシジョン インスツルメンツ インク(アメリカ)、 島津(香港)有限公司(中国)、島津企業管理(中国)有限公司(中国)、天津島津液圧有限公司(中国) |
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航 空 機 器 |
フライトコントロールシステム、エアマネジメントシステム、コックピットディスプレイシステム、エンジン補機 |
[製造・販売] 島津エアロテック(株)、 シマヅ プレシジョン インスツルメンツ インク(アメリカ)
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そ の 他 |
不動産賃貸、不動産管理、建設舗床業 等 |
(株)島津総合サービス、太平工業(株) |
島津製作所グループ(島津製作所および連結子会社)の主要な事業活動を事業系統図によって示すとつぎのとおりです。
島津製作所グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において島津製作所グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
島津製作所は、社是「科学技術で社会に貢献する」、経営理念「『人と地球の健康』への願いを実現する」のもと、永年の事業で培った技術、ノウハウを活かし、複雑化・多様化する社会の課題や要請に応える製品・サービスの提供、それを基にした社会課題解決の仕組み作りを行い、ステークホルダーからの信頼の獲得と、企業価値の向上に努めています。
また、社是・経営理念に基づく事業活動を通してサステナブルな社会を実現するために、「島津グループサステナビリティ憲章」を制定しました。グループ全体で、「地球環境とグローバル社会の持続可能性」、「島津グループの事業活動の持続と成長」、「従業員の健康とエンゲージメントの向上」を目指して、サステナビリティ経営を実践していきます。
これからも、地球・社会・人との調和を図りながら、“事業を通じた社会課題の解決”と“社会の一員としての責任ある活動”の両輪で企業活動を行い、明るい未来を創造します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき課題
1) “顧客中心”志向(領域制)への体制変革と経営基盤の強化
①ガバナンスの強化を重要な経営課題として位置づけ、グループマネジメントルールの運用徹底とコーポレート機能の拡充に取り組みます。
②営業組織を顧客軸で再編した営業本部を通じて、4つの社会価値創生領域(ヘルスケア、グリーン、マテリアル、インダストリー)のお客様にワンストップサービスを提供します。
③北米R&Dセンターを拠点に、最先端ニーズの獲得と製品対応力の強化を図ります。またサプライチェーンの強靭化に向け、グローバル製造の最適化と物流の効率化ならびに生産能力拡大、リードタイムの削減とコストダウンを進めます。
④4つの社会価値創生領域における成長投資に加え、開発、製造、DX関連の基盤強化に積極投資します。またROICによる資本効率の向上を図ります。
⑤キャリアパスの見える化と高度専門人財の育成を目指し、新たな人事制度運用を開始し、経営幹部育成プログラムによる次世代経営人財の育成を進めます。
2) 4つの社会価値創生領域における取り組み
①ヘルスケア領域
ライフサイエンス分野では製薬、食品市場を中心に液体クロマトグラフと質量分析システムを重点機種と位置付け、アナリティカルトランスフォーメーション(AX:Analytical transformation)の概念で、前処理からデータ解析までの分析作業全てをAIにより自動化し、トータルソリューションとして提供することで、お客様の業務の効率化・省力化を支援します。
また、メドテック分野では、健康長寿の実現に向けて成分分析と画像解析技術の融合によるソリューション提供を進めているほか、パートナーとの共創により、感染症やアルツハイマー型認知症に関連した研究や開発も進めています。
②グリーン領域
水素をはじめとする新エネルギー開発や温室効果ガス(GHG)測定分野でガスクロマトグラフ等の展開を進めると共に、フランスの石油大手TotalEnergies社等と共同開発した新製品を、バイオ燃料の品質管理用途に展開を図ります。また、日本のグリーンイノベーション基金を活用したバイオものづくり事業でのソリューション開発に取り組みます。環境分野では、世界的に関心が高まる有機フッ素化合物(PFAS)分析への対応を進めます。
③マテリアル領域
電気自動車や空飛ぶ車をはじめとする新しいニーズに基づく新材料開発やサーキュラーエコノミーを実現するリサイクル・リユース材料の開発を支える計測機器と機器の自動化開発を促進し、また、インフォマティクスを用いた複合計測・解析の強化に取り組みます。
④インダストリー領域
生成AIなど活況が続く半導体市場において、半導体製造に欠かせないターボ分子ポンプのトップシェアを維持するとともに、製造プロセスの効率向上に向けて、新たな価値提供を目指しています。
3)パートナーとの共創
日本を含む世界各地で、パートナーとの共創を通じて、社会課題解決に繋がる研究開発や人財育成に取り組んでいます。
海外では、北米の7つの大学と研究パートナーシッププログラムSPARQ(Shimadzu Partnership for Academics, Research and Quality of Life)による大学内オープンイノベーション支援、米国国立がん研究所におけるがんの光免疫療法(NIR-PIT)の研究支援、ワシントン大学における健康寿命延伸に関する研究開発、シンガポールチャンギ総合病院における血液検査プロジェクトなどを進めています。
また、日本国内では、北海道江別市におけるアルツハイマー型認知症に関する共同コホート研究、慈恵大学における骨の健康の研究、「早稲田大学島津連携ラボ」における医薬品や機能性食品等の研究、「Shimadzu Nagasaki Collaboration Lab」における長崎大学との感染症などの研究、「東北大学 超硫黄生命科学共創研究所」におけるアンチエイジング医薬品・食品の研究などの共創プログラムを進めています。
更に大阪大学を始め、産学協同で博士号を持つ高度専門人財の育成プログラムも進めています。
4)リカーリングビジネスの拡大
サービスと試薬等の消耗品強化の両輪でリカーリングビジネスの拡大に取り組んでいます。サービスの強化では、北米の分析事業でマルチベンダーサービス*を始めるほか、北米医用事業のサービス体制の強化を進めています。また、グループ会社のBiomaneo社(フランス)を通じた臨床規制対応ソフトウェアの拡充に取り組むほか、島津ダイアグノスティクス株式会社などグループ全体で消耗品ビジネスの拡大を進めます。
*:メーカーを選択することなく、お客様が使用中のすべての装置の修理・メンテナンスを提供するサービス形態のこと
5)新事業の創出と開発力強化
先端分析、革新バイオ、脳五感、AIを注力領域と定めて研究開発を進める他、コーポレートベンチャーキャピタルファンド「Shimadzu Future Innovation Fund」の活動を通じて、スタートアップと連携した革新的技術の獲得や新規事業の創出にも取り組みます。
また、開発力の強化を狙い、アジャイル開発の適用拡大とグローバル開発拠点を活用したコンカレント(同時並行型)開発の導入を進めます。
引き続き、AIやDXの活用のため、デジタル人財の育成を推進します。
6)環境経営と健康経営
環境経営では、脱炭素社会の構築、サーキュラーエコノミーへの移行に向けて、島津製作所事業と環境・社会への貢献の両面から、CO2排出量の削減、サステナブル素材の製品への採用、森づくり活動・植樹活動などに取り組んでいます。
健康経営では、生活習慣病のリスク軽減やフェムテックの実用化に加えて、乳房専用PET装置や軽度認知症(MCI)検査などの自社技術を利用して、社員と家族の健康増進に取り組みます。また、健康経営アライアンスの一員として、社会への還元にも取り組みます。
事業別の対処すべき課題として中長期で目指すこと、および中期経営計画の中で実施する主な取り組みテーマは、以下の通りです。
・計測機器事業
社会価値創生領域であるヘルスケア領域、グリーン(GX)領域およびマテリアル領域を中心に、世界のパートナーとの関係を強化し、サステナブルな社会を共創することを目指します。
ヘルスケア領域では、北米を最注力地域として、2024年4月に開所したR&Dセンターを活用し、臨床や製薬のお客様課題を解決する製品やサービスを投入し、事業の拡大を目指します。
グリーン(GX)領域では、顧客との協働による次世代バイオ燃料分析装置の開発や、PFASなど新たな環境分析の手法普及に取り組むほか、脱炭素社会の実現に向け、バイオものづくり、水素エネルギーの社会実装など、新たな産業創出にも貢献します。
マテリアル領域では、計測機器の自動化とインフォマティクスを用いた複合計測と解析により、セラミックス複合材料やセルロースナノファイバーなどの革新素材の開発や製造へ貢献します。
・医用機器事業
メドテック分野での中心事業として、画像診断にAIやIoT技術を組み合わせた「イメージングトランスフォーメーション(IMX)」による新たな製品やサービスを展開し、収益力強化に取り組みます。
新製品発売後好評をいただいている血管撮影システムをグローバルに拡販していくほか、海外でも認知症診断市場への参入を進めます。また、リカーリングビジネスのサービスと製品を強化し、収益基盤の拡大を目指します。
・産業機器事業
インダストリー領域において、半導体、電気自動車および気候変動対策に関わる産業機械市場で「世界で評価されるソリューションプロバイダー」となることを目指します。
ターボ分子ポンプはトップシェアを誇る半導体分野で拡販するとともに、太陽光パネル製造装置やガラスコーティング用途などで拡大を進めます。また、気候変動対策に資する電気自動車等で使用が進むセラミック製品製造向けに工業炉の拡販を図ります。油圧機器分野では主力製品の収益力向上に取り組むほか、グローバル市場の開拓を進めます。
・航空機器事業
安全なモビリティ社会の実現に貢献するとともに、中長期に成長と収益を確保できる事業体制の確立を目指しており、引き続き「選択と集中」、「収益性改革」の基本方針の下、事業を継続してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
島津製作所グループは、3ヵ年の中期経営計画において、連結売上高5,500億円以上、営業利益800億円以上、営業利益率14.5%以上、株主利益重視の観点から自己資本利益率12.5%以上を、最終年度である2026年3月期の目標数値としています。
島津製作所グループでは、リスクマネジメントの最高責任者である社長の下、審議機関として半期ごとに「リスク・倫理会議」を開催し、島津製作所が優先して対策を講じるべきリスクやコンプライアンスに関わるリスクに対する取組について報告し必要事項を決定しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において島津製作所グループが判断したものです。
(1) 国内外の市場の動向
島津製作所グループは、島津製作所(日本)と世界各地の子会社が密接に連携し、各地域の市場規模や産業構造に応じて販売戦略を策定・実行しています。しかしながら、日本を含む世界各国の政策や景気動向、設備投資動向などにおいて、戦略策定時には予期できなかった変化が島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、戦争やテロ行為、疫病の蔓延等がもたらすサプライチェーンの混乱や資源価格の高騰は世界各国の経済活動を停滞させ、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外での事業活動
島津製作所グループは、事業戦略の一環として海外市場における事業の拡大を図っており、これを通じて、売上高の増加、コストの削減および収益性の向上を目指しています。海外での事業活動を支える経営基盤を強化し、適正かつ効率的な運営を実現するため、「島津グループマネジメント基本規定」を制定して必要な統制、管理を行っています。さらに各地域の主要な子会社に域内のガバナンスを統括する機能を持たせ、各地域におけるリスクの把握と適切な対応に努めています。最近の国際情勢変化に対しては、社内外のリソースを活用して情勢をモニタリングし、グループ内で情報を共有・周知し、変化に対応しています。しかしながら、海外での事業活動には、予期できない法律や規制および政策の変更、産業基盤の脆弱性、国家間の貿易制限措置および報復措置、テロ、戦争その他の要因による社会的または政治的混乱といったリスクがあるため、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製品品質
島津製作所グループは、ISO規格の認証を受けた品質システムを構築し、「品質保証基本方針」を定め、開発・製造・販売・サービスなど製品ライフサイクルの各段階での絶え間ない改善を通して、優れた品質で顧客にとって最大の価値を生み出す製品・サービスを提供するように努めています。また、顧客の満足を得る上で、基本的かつ重要である製品安全性のさらなる向上を目指した「製品安全基本方針」により、グループ一丸となって顧客の安全と信頼を最優先に行動することを宣言しています。しかしながら、想定が難しい多様な環境下での製品使用による品質トラブルや製品安全への懸念などが発生する場合には、島津製作所グループの信頼性やブランド力の低下にも繋がり、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新製品開発力
島津製作所グループの事業は、専門性が高く、高度な技術力を必要とします。そのため、新製品・新技術の研究開発には多額の投資を行っていますが、商品化遅れや、市場ニーズを満たす新製品を開発できない場合には、競合力の低下や市場トレンドに沿ったビジネスの取り込みが進まないことにより、将来の事業成長と収益性が低下し、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 購買調達
島津製作所グループは、品質および環境面で島津製作所グループの要求を満たす原材料やサービスを安定的に入手するため、信頼のおける調達先を選定しています。また、重要な原材料等について一定の在庫を確保するとともに、代替調達先の選定、特定調達先に依存しないよう自社における生産能力獲得等を実施しています。しかしながら、自然災害や疫 病、事故、調達先の倒産に加え、地政学リスクなどにより、原材料等が不足または供給量が制限され島津製作所グループの生産活動に影響を及ぼす場合があります。また、長期にわたる原材料等の供給悪化や、急激に調達価格が高騰する場合には、機会損失の発生や製品の価格競争力の低下、利益率の悪化等により、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人材確保
島津製作所グループの事業成長に必要な人材は、研究開発に従事する人材をはじめ、製造業各社にとっても必要な人材候補と重なります。そのため採用活動においては企業間の獲得競争になることがあります。特に島津製作所の研究開発部門の多くが所在する日本では、今後、労働人口の減少を背景に、社内需要を充足出来なくなるリスクがあります。また、島津製作所における人材定着率は比較的安定していますが、日本の労働市場における人材流動化が一層進展した場合、社員の離職が増加するリスクがあります。これに対応するため、島津製作所ではインターンシップやカムバック採用などの多様な採用活動を通じて、グローバル人材、博士等の専門人材、即戦力人材の採用に力を入れています。また、人材流出を防ぐための魅力的な処遇への改善や柔軟な勤務制度の整備、社員の強みを活かす複線型人事制度の導入、自律的なキャリア形成を支援する社内公募制の実施、65歳定年制による豊富な経験やスキルを持った人材の確保を通じて、事業への影響を低減させるべく取り組んでいます。しかしながら、有能な人材の確保が出来ない場合や、人材流出を防止出来ない場合には、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法令・規制
島津製作所グループは、グローバルに様々な事業を展開しているため、安全保障貿易管理、贈収賄防止、独占禁止法令など、国内外の各種法令、行政による許認可および規制の適用を受けており、その遵守に努めています。また、島津製作所グループでは、法令の遵守のみならず、社是・経営理念・島津グループサステナビリティ憲章のもと、役員および従業員が共有・遵守すべき倫理規範を「島津グループ企業倫理規定」として定めています。集合研修やEラーニングなどの教育活動により、当該規定の内容を啓発・浸透させることでコンプライアンス上の問題発生の予防に取り組むとともに、上記法令等への対応状況を適時にモニタリングすること、相談・通報窓口を社内外に設置し、問題発生時の報告体制を整備することなどにより、島津製作所グループにおけるコンプライアンスの実効性を担保しています。しかしながら、法令・規制に対する理解が不十分、または予期せぬ変更への対応が適切でない場合等には、コンプライアンス違反と判定され、過料、課徴金等による損失や営業停止等の行政処分、または信用の低下などにより、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権
島津製作所グループは、現在の事業活動および将来の事業展開に有用な知的財産権を取得できるよう、研究所、事業部、知的財産部が一体となり知的財産創出活動を行っています。一方、他社知的財産権の調査・検討体制を整備し、問題発生を未然に防止するよう努めています。また、技術者を対象とした知的財産研修会を定期的に開催することにより、技術者の知的財産に対するスキルの底上げを図っています。しかしながら、権利範囲の解釈によっては他社との間に知的財産紛争が生じる場合があり、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 環境規制・気候変動への対応
島津製作所グループは、気候変動、水質汚濁、大気汚染、騒音、土壌汚染、廃棄物、使用する有害化学物質などにおいて、国内外の様々な環境法令および規制等の適用を受けており、その遵守に努めています。さらに、ISO14001の国際規格に基づいた環境マネジメントシステムを構築し、第三者認証を受けています。「TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言に賛同し、気候変動対策を含めた環境情報の適切な開示を行うとともに、環境課題の解決に向けてリスクや機会を踏まえながら適切に取り組んでいます。しかし、将来、環境規制への適応が極めて困難な事象や不測の事態が発生する場合には、環境対応に関する費用の増加や事業活動の停止など、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報セキュリティ
島津製作所グループは、事業活動における重要情報や顧客から入手した個人情報などの機密情報を保有しています。島津製作所グループでは、IT資産の盗難・紛失などを通じた情報漏洩や、サイバー攻撃による改ざん・流出・システム停止等の被害を防ぐために情報セキュリティ推進体制を構築し、「情報セキュリティポリシー:セキュリティ基本方針」を定め、外部からの不正侵入防止、データの暗号化、社外向けWEBサイトの情報漏洩・改ざん防止などのセキュリティ対策を実施しています。また、ネットワークやIT資産に対するセキュリティ対策はもとより、従業員への定期的な情報セキュリティ教育も実施しています。しかしながら、想定を超えるサイバー攻撃や、予期せぬ不正利用などにより、重要情報や個人情報の漏洩や事業活動停止などの被害が発生する場合には、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 自然災害等
島津製作所グループは、大規模地震を始めとする災害や新型インフルエンザ等の感染症の発生等を想定し、必要とされる安全対策の実施、早期復旧のための事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じています。また、新型コロナウイルス感染症への対応を通じて、感染症の感染拡大防止のための様々な知見を獲得しました。しかしながら、島津製作所グループの事業活動はグローバルに展開されていることから、新たな感染症の流行、自然災害等が発生する場合のリスクを全て回避・管理することは困難であり、想定外の規模の被害が発生する場合には、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 為替変動の影響
島津製作所グループは、グローバルに事業を展開しているため、外国通貨建て取引にかかる事業活動は為替変動によるリスクに晒されています。為替変動リスクは、現地生産体制や、為替予約等により、最小限に抑える努力をしていますが、影響を完全に排除することは困難です。また、連結財務諸表の作成においては、各地域の現地通貨建ての項目を円換算しているため、換算時の為替レートにより、換算後の価値が変動します。通常、他の通貨に対する円高は島津製作所グループの事業に悪影響となり、過度な為替相場の変動は、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 国際税務
島津製作所グループは、グローバルに事業を展開しており、グループ内でも相互に取引を行っていることから、移転価格税制等の国際税務リスクが伴います。各国の税法に準拠した適正な納税を行っており、国際税務リスクについて細心の注意を払っていますが、各国の税制の変化や税務当局との見解の相違等により、予期せぬ税負担が発生し、島津製作所グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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