ブイ・テクノロジー(7717)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 ブイ・テクノロジーグループは、ブイ・テクノロジー、子会社計22社及び関連会社4社により構成され、半導体・フォトマスク装置事業、及びFPD装置事業(液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)等)を主たる業務としております。 ブイ・テクノロジーグループの事業内容及びブイ・テクノロジーと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。半導体・フォトマスク装置事業・・・半導体製造工程における製造装置、検査装置及びフォトマスク用装置等の開発、設計、製造、販売、関連サービスの提供を行っております。FPD装置事業・・・・・・・・・・FPD製造工程における製造装置、検査装置等の開発、設計、製造、販売、関連サービス及びOLED用蒸着マスクをはじめとする部材等の提供を行っております。その他事業・・・・・・・・・・・・IT事業、農業事業等を行っております。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ブイ・テクノロジーグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてブイ・テクノロジーグループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等①経営理念 大いなる志と溢れる情熱で、世界最高のイノベーションを創造し、社会に貢献します。 ② 経営方針及び経営戦略 ブイ・テクノロジーグループは、電子デバイス製造に関わる様々な生産工程における課題について、トータルで解決する「パッケージ戦略」を成長分野で展開しております。中長期的な企業価値の向上に向け、ブイ・テクノロジーグループの成長ドライバを従来のFPD分野から半導体分野へと転換し、事業ポートフォリオの変革を推進していくことを基本方針としております。 具体的には、以下の戦略を軸に事業を推進いたします。・成長市場への事業ポートフォリオの転換 成熟化するFPD市場における安定的な収益基盤を維持しつつ、今後の急成長が見込まれるAI用半導体向けを中心とした「アドバンストパッケージ分野」へ経営資源をダイナミックに集中させます。グループ内の技術・リソースを最適に統合し、次世代半導体製造に向けたトータルソリューションを提供できる体制を構築いたします。・プロダクトミックスの改善とグループシナジーによる高収益化 利益率の高い半導体・フォトマスク事業の売上構成比を拡大させることで、全社的な収益構造を改善いたします。また、これまでFPD事業で培ってきたノウハウや人的資源を半導体事業へ積極的にシフトさせるとともに、M&Aによる成長事業の創出を継続することで、利益率のさらなる向上を目指します。・最適なキャピタルアロケーションの実行 投下資本の回転率向上等により営業キャッシュ・フローの創出力を高め、得られた資金を事業拡大に向けた成長投資(M&A、最先端技術の研究開発等)へ優先的に配分いたします。また、これら成長投資と経営基盤の強化に必要な内部留保を勘案した上で、安定性・継続性および業績結果に応じた株主還元を実行してまいります。 ③ 目標とする経営指標(KPI) ブイ・テクノロジーグループは、持続的な企業価値の向上と資本効率を意識した経営を推進するため、「ROE(自己資本利益率)」を最重要の数値目標として位置付けております。中期経営計画の最終年度である2029年3月期には20%以上の達成を目標として全社的に邁進してまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題と取組み<主な取組み>①事業組織の概要 ブイ・テクノロジーは、連続的かつ迅速なオペレーション及びマーケティング活動を通じて顧客満足度の向上と関係性の深化を図ることを基本方針としております。この方針のもと、ブイ・テクノロジー及びグループ各社間で重要課題を共有し、連携体制を強化することで、顧客に対するソリューションの迅速な提供を実現してまいります。 製品の性能・品質に加え、コストや納期面でも特定部材や企業への依存を避けた生産体制を構築し、顧客の期待に応えるべく社内体制の最適化を進めています。 ガバナンス面では、意思決定の迅速化と監督強化に向け、2025年6月に監査等委員会設置会社へ移行しました。権限委譲により経営を加速させる一方、監査等委員の議決権行使により監視の実効性を高めております。また、内部監査部門との連携によりリスク情報の集約を迅速化し、内部統制の高度化を図っております 。 ②半導体分野での取組み 半導体・フォトマスク装置事業の分野では、アドバンストパッケージ (注1)事業に引続き注力しております。特に露光技術(Direct Imaging)(注2)や電気検査技術(O/S検査)(注3)の開発を進め、また、フォトマスクの検査・測定技術や、シリコンウェハの検査技術についても開発・販売を推進しております。 DI露光装置については、株式会社LE-TECHNOLOGYの「LAMBDI」が半導体・オブ・ザ・イヤー2025半導体製造装置部門の「優秀賞」を受賞したほか、「密着配線幅 1um、配線ピッチ 2.5um」のインターポーザ(注4)製造に世界で初めて対応したDI露光装置を市場投入いたしました。 また、2026年3月にはアドバンストパッケージ事業をより強化するため、新組織として「アドバンストパッケージ事業推進本部」を設置いたしました。従来、株式会社LE-TECHNOLOGY(DI露光)、オー・エイチ・ティー株式会社(O/S検査)、ジャパンクリエイト株式会社(ウェットプロセス)がブイ・テクノロジーブイ・テクノロジーと連携をとり事業推進しておりましたが、グループ組織を一元化することで、顧客ニーズへの迅速な対応を推進いたします。 注1.アドバンストパッケージ:複数の半導体チップを1つのパッケージ内に高密度に統合し、性能向上、小型化、省電力化を実現する先進的な後工程技術です。従来の保護目的の封止技術とは異なり、2.5D/3D構造やチップ間接続技術を用いて、AI・高性能計算向け半導体で不可欠な技術となっております。注2.Direct Imaging(DI露光):フォトマスク(原版)を使わず、CADなどの設計データから直接レーザーやUV光をプリント基板(PCB)や半導体基板に照射して回路パターンを描画する技術です。従来技術と比較して、高精度なアライメント、多品種少量生産への柔軟な対応、マスクコストの削減が可能となります。注3.O/S検査:プリント基板や半導体等の配線において、「断線(Open)」と「短絡(Short)」の有無を、実際に電流を流して導通状態を確認する検査です。注4.インターポーザ:半導体チップとパッケージ基板の間に配置される、微細な配線が施された中継基板です。複数のチップを高度に接続する2.5D/3Dパッケージ技術において、チップ間の高速・大容量通信を可能にする「橋渡し」の役割を果たします。 ③FPD分野での取組み FPD装置事業の分野について、市場は一定規模感で推移すると見込む中、高シェア製品のさらなる差別化やコストダウンを進めております。さらに、中国などにおいて、現地拠点を活用した受注・生産体制を強化し、顧客ニーズへの迅速な対応と徹底したコスト競争力の向上を図っております。また、高精細な蒸着マスクの受注・販売に成功し、中小型OLED分野での部材ビジネスが着実に進展しております。 一方、FPD市場は成熟化が進み、大幅な成長が見込みにくい状況の中、現地顧客による内製化が急速に進んだ中小型OLEDのサルベージ(良品化)事業については、整理縮小を進行中であり、事業規模の最適化を図っております。 ④研究開発の取組み 研究開発拠点としてYRPイノベーションセンターを2022年8月に設立し、半導体関係装置の生産拠点の機能だけではなく、これまで分散していた開発機器を集結し、エンジニアが直接装置に触れることで、机上では得られない貴重なノウハウ取得や発想の転換から新製品につながるイノベーションを生み出します。 また、開発成果を自社生産へ迅速に展開すると同時に、製品設計の共通化等を進めることで製造コストの削減や短納期化、品質の向上を実現させるなど、製品競争力の向上に向けた取り組みを重ねています。 ⑤生産の取組み ブイ・テクノロジーは、需要の変動に機動的に対応するため、製品の生産においては「ファブレス」を基本方針としており、国内外の協力会社への製造委託を行っております。特に、装置サイズが大きく、生産に広大なスペースを要するFPD装置事業においては、すべての製品を協力会社にて製造しております。 一方、半導体・フォトマスク装置事業においては、市場投入初期の製品や収益性の高い製品について、ブイ・テクノロジーYRPイノベーションセンターにて製造を行い、それ以外の製品については協力会社に製造を委託する体制を採用しております。 また、顧客からの短納期での納入ニーズに対応するため、部品調達から組み立てに至る工程全体の見直しを進め、リードタイムの短縮に全社を挙げて取り組んでおります。 <事業ポートフォリオに関する基本的な方針> 電子デバイス製造分野を中心に、子会社の事業を含め、多方面で事業を展開しております。ブイ・テクノロジーグループは、保有する事業ポートフォリオを適時・適切に見直し、グループの安定成長に最も適した全社管理に取り組んでいます。 ポートフォリオの見直しに際しては、事業ごとの業績動向に加え、グループのビジョンへの適合性や、中長期の環境変化を踏まえた上で、判断いたします。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてブイ・テクノロジーグループが判断したものであります。 (1)市場環境の変化及び新事業領域への展開に関するリスクブイ・テクノロジーグループは、主に電子デバイス製造装置の市場で世界的に事業を展開しており、お客様のニーズを先取りした付加価値の高い製品の提供により事業を成長させてまいりました。一方で、装置市場は需要動向、技術進化、産業政策や世界経済の変化による影響を受けやすく、市場変化による設備投資計画の延伸や受注キャンセル等が発生した場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、ブイ・テクノロジーグループは中長期的な企業価値の向上に向け、次世代技術を見据えた新たな事業領域への展開や製品開発を推進しておりますが、市場の立ち上がりが想定より遅延した場合や、競争激化等により収益貢献に時間を要した場合には、ブイ・テクノロジーグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)生産の外部委託及びサプライチェーンに関するリスクブイ・テクノロジーグループは、市場変化への柔軟な対応及び成長原資の最適配分のため、主にFPD用の大型設備について生産を外部委託(ファブレス化)しております。外部委託リスクを軽減するため、生産委託先と協力会を組織して情報共有を図るとともに、YRPイノベーションセンターにおける一部重要部材の内製化や、部材調達の多角化を進めております。しかしながら、委託先の経営状態の急変や不測の事故に加え、昨今の地政学的要因等によるグローバルな物流網の混乱、部材供給の遅滞、あるいは輸送コストの急激な高騰等が生じた場合、製品の安定供給や利益率に重大な支障をきたし、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (3)知的財産権等に関するリスクブイ・テクノロジーグループは、製品の生産を協力会社に委託しており、当該企業との間では、技術やノウハウ等の知的財産の保護を目的とした契約を締結する等、知財等の社外流出の防止に努めております。また、事業の競争優位性を持続的に維持する為、特許・実用新案の出願を積極的に行っております。しかしながら、人員の退職や、知的財産権の保護が不十分な地域における模倣行為等が発生した場合には、損害を被る可能性があります。一方、第三者の知的財産権については、管理体制を整備し、これを侵害しないよう努めておりますが、万が一抵触した場合には、多額の係争費用や損害賠償金などが生じる可能性があります。 (4)研究開発に関するリスクブイ・テクノロジーグループは、お客様の将来の要請に先駆ける製品の早期実用化を目指し、先進的な技術の開発に継続的に取組んでいます。また、お客様と技術開発を目的とした合弁会社の設立や、協業による技術開発等、取り組みを重ねています。しかしながら、開発中の技術に対抗する技術が想定を上回る時間軸で登場した場合や、研究開発の大幅な遅延が発生した場合等により、研究開発の成果が必ずしも収益の獲得に繋がらない場合には、ブイ・テクノロジーグループの業績へ大きな影響を及ぼす可能性があります。 (5)品質に関するリスクブイ・テクノロジーグループは、高い品質を確保する為に協力会社と仕様情報の共有化、完成品の出荷検査等の取り組みを継続的に実施しております。しかしながら、先端技術あるいは新技術を用いた製品を扱うことも多く、想定が困難な製品不具合等による検収の遅れ等が発生した場合、ブイ・テクノロジーグループの業績へ大きな影響を及ぼす可能性があります。 (6)代金の回収に関するリスクブイ・テクノロジーグループは、与信管理を厳格に行うと同時に、検収から代金回収までを計画的に行う為に納品済み装置の状況や課題等についてお客様と共有する等の取り組みを進めています。しかしながら、お客様の財務状況の変化や、新技術を用いた製品の不具合の発生と検収作業の長期化等が発生した場合には、ブイ・テクノロジーグループの代金回収に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (7)企業買収に関するリスクブイ・テクノロジーグループは、新たな事業領域への進出、新技術・ビジネス基盤の獲得、既存事業の競争力強化などを目的とした企業買収を実施しています。徹底した市場調査やデューデリジェンスに基づき企業買収等を実施しておりますが、予想を超えた事業環境の変化等の結果、期待した収益を獲得できない場合、期待した成果が十分に得られなかった場合には、ブイ・テクノロジーグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)重要な訴訟等に関するリスクブイ・テクノロジーグループは、現在においてその業績に重要な影響を与えうる訴訟等に関与しておりません。また、法務・知財部による調査や社内チェック体制の整備をしており、必要に応じて取締役会等に報告し管理する体制となっています。しかしながら、ブイ・テクノロジーグループの事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となる場合には、その結果によってはブイ・テクノロジーグループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (9)法令・規制に関するリスクブイ・テクノロジーグループは、グローバルに事業を展開する上で、各国・各地域において、輸出入規制、環境規制、移転価格税制といった各種法令、規制の制約を受けており、その遵守に努めています。しかしながら、予期せぬ法令、規制の強化、改正が生じたこと等により、適切な対応ができなかった場合には、ブイ・テクノロジーグループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (10)その他のリスクブイ・テクノロジーグループは、新たな高成長・高収益事業の創出、既存事業における更なる高収益の追求、市場規模縮小時においても利益を生み出すことのできる体質への改善に積極的に取組んできましたが、世界及び各地域における経済環境、異常気象や地震等の自然災害、気候関連規制、戦争、テロ、感染症、金融・株式市場、政府等による規制、仕入先の供給体制、商品・不動産市況、国内外での人材確保、標準規格化競争、重要人材の喪失等の影響を受け、業績が大きく変動する可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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