日本精密の企業集団は、日本精密、子会社5社(うち休眠会社1社)及び持分法適用の関連会社2社で構成されており、「時計関連事業」、「メガネフレーム事業」及び「釣具・応用品事業」を三本の柱として取り組んでおります。
日本精密グループの事業に係わる位置付け及び事業の種類別セグメントとの関係は、次のとおりです。
時計関連
子会社のNISSEY VIETNAM CO.,LTD.及びNISSEY CAMBODIA CO.,LTD.において製造し、また日本精密及び日本精密香港支店において仕入し、日本精密及び日本精密香港支店、NISSEY VIETNAM CO.,LTD.で販売しております。
メガネフレーム
子会社の株式会社村井において企画し、株式会社村井において仕入し、株式会社村井及び持分法適用の関連会社のモンドティカジャパン株式会社で販売しております。
釣具・応用品
釣具用部品、静電気除去器などの製造販売を行っておりますが、釣具用部品は、NISSEY VIETNAM CO.,LTD.で製造販売、NISSEY CAMBODIA CO.,LTD.で製造、日本精密で販売しております。静電気除去器は、日本精密で製造販売しております。
以上を図示すると次のとおりです。
日本精密には子会社のNISSEY(HONG KONG)LIMITEDがありますが、当該子会社は平成16年10月1日に営業を日本精密に譲渡し、休眠会社となっております。
(1) 会社の経営の基本方針
日本精密は「夢、美、形」を経営理念として掲げております。
この3つの追求により、社会へ貢献し、社会と共に企業の成長を図り、企業価値を高めていくことを、日本精密で働く者一人一人の使命と考えております。
日本精密は経営理念を実践するための4つの指針を定め、この実現を通じて、世界の人々に深い喜びと感動を与え続けてまいります。
① 常に発展する企業であること
② 安定的な企業であること
③ 幸福感を持てる企業であること
④ 安全かつクリーンなもの造りを行う企業であること
(2) 目標とする経営指標
日本精密グループでは、中長期的な企業価値向上を目的とし、親会社株主に帰属する当期純利益の継続的拡大を実現するために売上高及び営業利益、並びに売上高営業利益率を重視しております。なお、令和6年度を初年度とする中期経営計画につきましては、開示しておりません。このため、令和6年5月15日付けで開示しております令和7年3月期の連結業績予想である、売上高6,646,000千円、営業利益170,000千円(売上高営業利益率2.6%)を当面の目標数値に設定しております。セグメント別の売上高は、時計関連4,727,000千円、メガネフレーム1,050,000千円、釣具・応用品869,000千円です。
(令和5年度の経営計画目標の達成状況)
令和5年度の経営計画目標の達成状況は次のとおりです。なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度において、日本精密グループが判断したものです。
日本精密グループは業績拡大のため、またグローバルに信頼される企業集団としてその地位を着実に築いていくため、「ASEANプロジェクトⅠ期」(平成30年3月期を最終年度とする5ヶ年計画)の基本的なコンセプトを引き継ぎながら、「ASEANプロジェクトⅡ期」(令和5年3月期を最終年度とする4ヶ年計画)に取り組み、適宜分析または評価を行いながら、企業価値の向上を目指してまいりました。
(前回の中期経営計画の達成状況)
平成31年4月より取り組んできました、令和5年3月期を最終年度とする中期経営計画「ASEANプロジェクトⅡ期」の達成状況は次のとおりです。
なお、令和5年度を初年度とする中期経営計画につきましては、開示しておりませんが、中国などへの過度な依存からの脱却という「NEXT CHINA」の動きが加速しているなか、令和6年度は「世界のモノづくりの変革の年」と捉え、ASEANの生産拠点を最大限に活かし、また当面の計画目標を着実に達成することにより、更なる発展に繋げてまいります。
令和6年度以降につきましては、サステナビリティ経営を推進するとともに、強靭な経営基盤を確立し、将来の成長戦略の足掛かりを構築するため、以下の項目を優先的に取り組んでまいります。
(既存事業の維持拡大と事業領域の拡大)
主力製品である時計関連につきましては、既存の取引先との強固な関係の維持拡大に加え、新規取引先との関係構築を実施してまいります。それらに加え、時計バンドや時計外装部品の新規受注に向け、開発と営業部門だけでなく、製造部門も一体となり提案営業を強化することなどにより、収益の拡大を図ります。メガネフレームは、㈱村井の主要ブランドであるagnès b.(アニエスベー)やJILL STUART(ジルスチュアート)に並ぶブランドの育成などにより、売上高10億円の回復及び利益の拡大を図ります。釣具・応用品は、釣具用部品の更なる収益の拡大を図ります。
また、既存の事業領域にとどまらず、日本精密グループの有する精密加工技術を生かすことにより、将来性のある販路拡大を目指してまいります。
(ASEAN生産拠点の効率化)
脱中国化の流れが進むなか、ASEANエリアにおける、NISSEY VIETNAM CO.,LTD.(以下、「ベトナム工場」という。)及びNISSEY CAMBODIA CO.,LTD.(以下、「カンボジア工場」という。)は、段階的な設備投資、更なる効率化や合理化などによる生産性の向上及び製造原価の低減が重要と考えます。そのためには、ベトナム工場から相対的にコストが安価なカンボジア工場への生産ラインの移管や、生産ラインの半自動化または自動化などによる合理化を段階的に推進いたします。また、ベトナム工場からカンボジア工場への技術や管理手法の移転などにより、カンボジア工場の生産体制の整備向上を実施いたします。同時に、ベトナム工場のDX化の推進による固定費の削減や業務の効率化、材料の調達先の見直しや人員の適正化などを実施することにより、日本精密グループのサプライチェーンの強化を図ってまいります。
(盤石な財務基盤の確立)
取引金融機関や取引先などからの信頼を維持するため、製造部門の更なる採算性の向上などによる継続的な黒字の確保、資金繰りの安定化、極端な為替変動による影響からの回避などに注力し、盤石な財務体質を確立いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に日本精密グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。日本精密は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、上席執行役員を委員長とするリスク管理委員会において、リスクの発生防止、発生した場合の適切な対応に努めております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本精密グループが判断したものです。
(1) 有利子負債について
日本精密グループは、設備及び運転資金について、主に金融機関からの借入金に依存しております。財務体質の改善を図るため、キャッシュマネジメントシステムの導入などにより、資金効率の向上と手元流動性の確保に努めておりますが、総資産額に占める有利子負債の割合は当連結会計年度末において53.9%(前連結会計年度末は59.9%)となっており、今後の金融環境の変化や金利動向により、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、「(11)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、日本精密グループは、取引先金融機関より借入金元本の一定期間の返済猶予を受けております。
(2) 外国為替変動のリスク
日本精密グループは、ベトナム、カンボジア、中国(委託生産)に生産拠点が、中国(香港)に営業拠点が存在しております。営業債務の一部につきましては、恒常的に同じ外貨建ての売掛金の範囲内にあります。一部の外貨建て取引については、為替予約などによりリスクの軽減に努めております。在外子会社向けの外貨建債権につきましては、NISSEY CAMBODIA CO.,LTD.に対するデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)の準備を進めておりますが、また、外貨建ての金融負債につきましては、主に外貨により返済しておりますが、外国為替レートの変動により日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 大口取引先の戦略変更のリスク
日本精密グループの売上高のうち時計関連は、当連結会計年度末において73.2%(前連結会計年度末は70.8%)となっており、大きな割合を占めております。定期的にバランスのチェックを行い、新規取引先の拡大や他社のシェア拡大など営業力の強化に努めており、また大口取引先との定期的な会議の開催など絶えず情報交換も行っておりますが、大口取引先の戦略変更、製品仕様の変更もしくは、大口注文の解約やスケジュール変更は、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 取引先の変化
日本精密グループは、与信管理規定に従い取引先の管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制を整えておりますが、取引先の業績不振や倒産などにより、不良債権の発生や商品の調達に支障が生じた場合、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、取引先とは定期的に価格交渉は行っておりますが、人手不足等による人件費の高騰や原材料価格の高騰などにより外注加工費が増加した場合は、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人件費の高騰・人員不足のリスク
日本精密グループは、ベトナム及びカンボジアに生産拠点が存在しております。生産性の向上、賃金のベースアップ、賞与の支給などにより、安定雇用に努めておりますが、人件費の高騰や人員不足などにより稼働率が低下した場合は、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人的資本
日本精密グループの市場競争力の核は、技術開発力にあるため、国内だけでなく海外においても専門性の高い技術者の確保が不可欠であります。また、日本精密グループは、働き方改革やダイバーシティの実現に向けて、優秀な人材の採用、社内人材の育成と確保、外国人の雇用、待遇の改善や勤務体制の多様化などに努めておりますが、計画通りに進まない場合は、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損会計に関するリスク
日本精密グループの保有資産につきましては、減損リスクを意識することにより、資産収益性を高める取り組みを行っておりますが、実質的価値の低下等による減損処理が必要となった場合は、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 繰延税金資産に関するリスク
日本精密グループは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を慎重に検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合には、繰延税金資産の取崩が必要となり、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 災害等予測困難な事象によるリスク
日本精密グループは、日本(委託生産)、中国(委託生産)、ベトナム及びカンボジアに生産拠点が、日本及び中国(香港)に営業拠点が存在しております。定期的なリスク管理委員会や各拠点とのテレビ会議の開催など、様々な情報の収集に努めておりますが、当該国における政情の悪化、自然災害、戦争やテロ、経済状況の変動、法律や税制の変更、労働力不足やストライキの発生、感染症の拡大などの予期せぬ事象により、日本精密グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。
令和6年能登半島地震の影響につきましては、㈱村井(福井県坂井市)の本社建物の一部に破損が確認されましたが、損益に対する影響は軽微です。また、従業員及びその家族に人的被害はありませんでした。
(10) 環境・気候変動によるリスク
日本精密グループは、ベトナムなどの生産拠点において、工場排水の保全や金属等の産業廃棄物のリサイクルによる廃棄物の削減などに取り組んでおりますが、環境汚染による損害や廃棄物の増加による処理費用の増加などにより、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、日本精密グループは、サステナビリティ経営を推進しておりますが、気候変動や脱炭素社会への移行にともなう新たな費用の発生などにより、日本精密グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 継続企業の前提に関する重要事象等
連結損益等の推移 (単位:千円)
日本精密グループは、平成29年3月期から令和3年3月期まで、継続的な売上高の減少傾向にありましたが、令和2年3月期より実施した事業構造改革の効果などにより、業績は徐々に回復しており、前連結会計年度におきましては、売上高は6,900,896千円となり前年同期比1,160,947千円(20.2%)の増加、営業利益は181,175千円、経常利益は257,387千円、親会社株主に帰属する当期純利益は175,553千円と全ての損益において黒字計上となりました。また、営業キャッシュ・フローも217,709千円の収入を計上いたしました。
当連結会計年度におきましては、売上高は6,728,391千円となり前年同期比172,505千円(2.5%)の減少でしたが、製造部門のコスト削減効果などにより、営業利益は252,392千円、経常利益は448,540千円、親会社株主に帰属する当期純利益は390,827千円と2期連続して全ての損益において黒字計上することができました。営業キャッシュ・フローにつきましても、475,568千円の収入を計上しております。詳細につきましては、「2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載のとおりです。今後は、世界の景気は持ち直しが続く一方で、中国における不動産市場の停滞にともなう下振れリスクや急激な為替変動などによる不透明感は残りますが、経営目標を着実に達成することにより、収益の維持拡大を目指してまいります。
しかしながら、日本精密グループは、設備及び運転資金につきまして、主に金融機関からの借入金に依存しており、総資産額に占める有利子負債の割合は、当連結会計年度末において53.9%(前連結会計年度末は59.9%)と依然として高い水準が続いております。
これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象が存在しております。
こうしたなか、日本精密グループは以下の施策を引き続き又は新たに実施することで、更なる収益体質の改善を実現してまいります。
令和2年度においては、ASEAN地域における製造部門であるNISSEY VIETNAM CO.,LTD.及びNISSEY CAMBODIA CO.,LTD.(以下、「製造部門」という。)におきまして、主要な設備投資の凍結及びそれにともなう減価償却費の削減、人員の適正化及び残業の抑制などによる労務費単価の圧縮、消耗品や電気料などの経費削減、日本精密及び日本精密の香港支店、㈱村井の販売管理部門におきましては、役員報酬の減額、人員の適正化や再配置などによる労務費の削減、予算統制の厳格化による諸経費の削減などを、平成31年度より継続して推進してまいりました。令和3年度においては、一部を除き労務費経費の削減の施策はほぼ一巡しましたが、製造部門を中心に、グループ各社が相互協力のもと、連携を密にしながら製造活動を行い、在庫管理の徹底、生産性の向上及び製造原価の改善を図り、受注増加への対応を進めるとともに、サプライチェーンの基盤強化を行いました。令和4年度においても、製造部門を中心に、サプライチェーンの基盤強化を引き続き推進するとともに、採算性の向上を目指してまいりました。当年度においては、引き続き製造部門の採算性の向上を目指しながら、工場の生産ラインの半自動化または自動化の段階的な推進による生産性の向上及び製造原価の低減を進めるとともに、既存の事業領域にとどまらず、日本精密が有する精密加工技術を生かし、将来性のある販路拡大を目指してまいりました。そして、黒字を維持拡大することなどにより、盤石な財務基盤の確立を図ってまいりました。また、これらの施策とは異なりますが、当年度において、「2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載のとおり、全てのセグメントにおける受注減少に対応した諸施策を実施いたしました。来年度も、「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおり、「既存事業の維持拡大と事業領域の拡大」、「ASEAN生産拠点の効率化」及び「盤石な財務基盤の確立」の3項目を優先的に取り組んでまいります。
財務面におきましては、当年度も日本精密グループの取引金融機関に対し、長期借入金元本の返済条項の緩和を要請し、要請しているすべての取引金融機関から同意を頂いており、今後も継続的な支援を受けられる見込みであります。また、日本精密は令和2年6月において、第三者割当増資200,003千円を実施しております。
なお、日本精密グループは、取引金融機関より借入金元本の一定期間の返済猶予を受けておりましたが、令和4年12月(又は令和5年1月)において、また令和5年6月及び12月(又は令和6年1月)において、借入金元本の一部返済を実行いたしました。同時に、NISSEY VIETNAM CO.,LTD.の財務基盤の強化を目的として、同社に対して700,000千円のデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)を実施いたしました。
これらの具体的な対応策を実施又は継続することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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