スターツ出版は、持株会社であるスターツコーポレーション株式会社を親会社とする企業グループ93社に属しており、スターツグループのメディア部門の位置づけとして出版やインターネット事業を営んでおります。他のグループ会社において主なものはスターツCAM株式会社が建設業、スターツピタットハウス株式会社、スターツコーポレートサービス株式会社が不動産仲介業、スターツデベロップメント株式会社が不動産分譲事業を営んでおります。他にスターツアメニティー株式会社が不動産管理業、スターツホーム株式会社が戸建建築業、スターツ商事株式会社が物販・飲食業、株式会社ウィーブが情報事業、株式会社スターツツーリストが旅行業、スターツ証券株式会社が証券業、スターツホテル開発株式会社がホテルの開発・運営事業を営んでおります。その他にも介護事業を行っているスターツケアサービス株式会社や市場調査・コンサルティング事業を行っている株式会社スターツ総合研究所などが国内に存在し、海外にはハワイやジャカルタなどで不動産及び不動産管理業を営んでおります。
また、ピタットハウスネットワーク株式会社が不動産店舗のフランチャイズ事業を行っております。
スターツ出版とスターツコーポレーション株式会社は、事業上の営業取引をしております。またスターツ出版はスターツグループ各社からも印刷物等の制作を請け負っております。
スターツ出版が属する上記の企業集団等について主なものを図示すると次のとおりであります。
(1)事業系統図
注)スターツ出版の親会社であるスターツコーポレーション㈱は、2005年10月にスターツ㈱(現 スターツコーポレーション㈱)の事業部門を会社分割し、スターツCAM㈱、スターツピタットハウス㈱、スターツデベロップメント㈱、スターツコーポレートサービス㈱を新設するとともに、社名をスターツコーポレーション㈱と商号変更し、その4社の持株会社となっております。
(2)スターツ出版のセグメント別の事業内容
|
書籍コンテンツ事業 |
… |
「野いちご」、「Berry’s Cafe」「ノベマ!」の3つの小説投稿サイトの運営と「スターツ出版文庫」、「ベリーズ文庫」、「野いちごジュニア文庫」、「ベリーズコミックス」、「グラストコミックス」などの書籍・コミックの発行を行っております。 |
|
メディアソリューション事業 |
… |
東京圏におけるメディアと予約送客サービス、SNS、リアルイベントを組み合わせたソリューションビジネスを展開しております。メディア別では、女性向けライフスタイル誌「オズマガジン」、ライフスタイルフリーマガジン「メトロミニッツ」の発行、女性向けポータルサイト「オズモール」などの企画運営を行っております。 |
これらのセグメント別売上高比率は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
内容 |
第41期 (自2023年1月1日 至2023年12月31日) |
第42期 (自2024年1月1日 至2024年12月31日) |
|
書籍コンテンツ事業(%) |
小説投稿サイトの運営及び書籍・コミックの発行 |
61.5 |
61.6 |
|
メディアソリューション事業(%) |
雑誌の販売、広告掲載及び インターネットサイトの企画運営並びにそれらに伴うイベント運営 |
38.5 |
38.4 |
|
合計(%) |
- |
100.0 |
100.0 |
(1)経営方針
スターツ出版は「感動プロデュース企業へ」を経営ビジョンとして掲げ、メッセージやストーリーの詰まったコンテンツを創造し、感動の輪を広げることにより、コンシューマーやクライアントに感動体験と需要創造を提供することがスターツ出版の最大の価値であると考えております。
(2)経営戦略等
スターツ出版は持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、2022年2月10日に発表いたしました中期経営計画(2022年度~2024年度)の実現に向けて下記の通り事業を運営してまいります。
・成長戦略の基本方針
「穏やかで、伸び伸びとした、社員の成長が持続できる企業風土」
「信頼され、時代の変化に応じた、商品とサービスを、次々と提供」
「企業価値を上げ、一人でも多くのステークホルダーに喜びを」
・セグメントごとの成長戦略
<書籍コンテンツ事業>
書籍コンテンツ事業では、スターツ出版らしい、新たなレーベル・サービスを生み出し、進化させ「総合出版社」を目指してまいります。重点戦略としてコミック及び小説作品における男性マーケット(異世界ジャンル)でのポジションの確立、コミック発刊点数の拡大、新レーベルの創刊、小説投稿サイトの進化に注力してまいります。
<メディアソリューション事業>
施設予約サービス「オズのプレミアム予約」では、デジタルマーケティングを強化し、OZオリジナルの提供価値に磨きをかけ、ユーザーと厳選店舗を増やすことにより“感動体験”の最大化に注力してまいります。
PR・販促ソリューションでは、「東京地域密着企業」として、今まで培ったメディアのブランド価値を、時代に合わせた企画力と編集力で再構築し、体験レポーター組織「東京女子部」のブランド化やデジタルマーケティングによる新たなマーケットの開拓等に注力し、企業・自治体への宣伝・販促支援を強化してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断する為の客観的な指標等
売上高、営業利益、営業利益率等を重要な経営指標としております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
スターツ出版は「感動プロデュース企業へ」という経営ビジョンのもと、雑誌、書籍、コミックの出版、女性向けウェブサイトや小説サイトの運営、地域情報誌の発行など多様な事業を運営しております。出版事業の領域では、紙の出版市場が縮小している一方で、電子書籍市場は継続的に拡大しており、社会のデジタル化の進展、スマートフォン等のデバイスや高速大容量通信の普及、他メディアとの競争を背景にマーケットが大きく変化しております。スターツ出版では、このような変化に対応するため、読者の嗜好の変化に応じたスピーディーなコンテンツ開発、IP(知的財産)を活用したワンソース・マルチユースの拡大、多様な販売チャネルの開拓、顧客接点の強化に取り組んでまいります。
ネットビジネスの領域では、競合他社との競争が激しさを増しており、サービスの差別化および認知向上が必要であります。そのため、スターツ出版は出版社ならではの良質なコンテンツを創出するとともに、デジタルマーケティングを強化し、SNS等を活用したリーチの拡大、CRMによるユーザーのロイヤルティの向上を図ってまいります。
また、スターツ出版は会社の成長の土台として、穏やかで、伸び伸びとした、社員の成長が持続できる企業風土が大変重要だと認識しており、社内チームワークの醸成や社員の成長を後押しする取り組み等に注力しております。組織体制では、知見の蓄積と共有、リスク管理体制、コンプライアンス遵守体制といった内部管理体制の強化、情報漏洩等に対するセキュリティ対策の徹底が重要な課題であると認識しており、今後も継続的に社内教育・研修実施やシステム整備などを行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年3月27日)現在においてスターツ出版が判断したものであります。
1.出版に関する事業について
①委託販売制度について
スターツ出版は、出版業界の慣行に従い、書店保護の見地から原則としてスターツ出版が取次店及び書店に配本した出版物(書籍、雑誌)について、配本後、約定期間内に限り、返品を受け入れることを販売条件とする委託販売制度を採用しております。そのため、スターツ出版は製品の返品による損失に備えるため、過去の返品実績等に基づく将来返品見込額を返金負債として計上しております。対応策といたしましては、返品率の低減を目指し、計画刊行、電子書籍販売の拡大に努めてまいります。
②再販売価格維持制度について
スターツ出版が制作、販売する出版物については、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)第23条の規定により、再販売価格維持制度(再販制度)が認められているため、書店では定価販売が行われております。なお、スターツ出版は、取次販売会社または書店の間の取引価格の決定に際しては、定価に対する掛け率によっております。これは出版物がわが国の文化の振興と普及に重要な役割を果たしていることから、同法律の適用除外規定により例外的に出版業界においては再販制度が認められているものであります。この再販制度について、公正取引委員会は2001年3月23日に「著作物再販制度の取扱いについて」を発表しており、当面、再販制度は存置される見通しでありますが、一方で、再販制度を維持しながら、今後も消費者利益のため、現行制度の弾力的運用を業界に求めていく方針を発表しております。当該制度が廃止された場合には、出版競争の激化等により、スターツ出版の業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策といたしましては、公正取引委員会の動向を注視しつつ、再販制度の影響を受けない電子書籍販売等の拡大に努めてまいります。
③出版不況と読者の嗜好の変化について
スターツ出版は出版物を中心とした業務を行っておりますが、出版業界では引き続き書籍販売額、雑誌販売額ともに減少傾向が続いております。これは、デジタルデバイスの多様化と普及、ネットワークの高速化・大容量化などによるメディアの多様化や新古書店、マンガ喫茶、図書館などの出版物購入に結びつかない消費形態の拡大などの様々な要因が考えられます。このような、出版業界全般の低迷が今後も継続した場合、スターツ出版出版物の販売部数の減少によりスターツ出版の経営成績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、読者の嗜好は常に変化しており、スターツ出版が出版する雑誌の誌面構成や編集方針等が何らかの理由により読者から急激に受け入れられなくなった場合には、スターツ出版の経営成績にも悪影響が生じる可能性があります。対応策といたしまして、読者の嗜好性を捉えたスピーディなコンテンツ開発に努めております。
④広告売上の景気変動によるリスク
スターツ出版の2023年度の全体売上における広告収入の構成比率は約12%となっております。この広告収入は景気の影響を受けやすい傾向にあります。わが国経済と広告主の広告支出に高い相関が見られる原因として、広告費を先行投資ではなく変動費として認識する広告主が多く、景況悪化が見込まれる時期には支出を削減し、好転が見込まれる場合には支出を増加させることがあげられます。今後、景況の急激な悪化はスターツ出版の業績に何らかの悪影響を与える可能性があります。対応策といたしましては、雑誌、WEBサイト、イベントなどの特定の媒体での広告制作、掲載という従来の広告モデルではなく、雑誌、WEBサイト、SNSでの発信、マーケティング等を組み合わせたクライアントへのソリューション提案を軸とした競合との差別化、商品力の向上を図っております。
⑤競合について
スターツ出版の発行する雑誌については、主として20~30代の女性をターゲットとしたライフスタイル誌を制作し、首都圏地域を中心に販売しております。スターツ出版の発行する各雑誌には、有力な競合誌が複数存在し、同業他社との競争は激しい状況にあります。また、広い意味でのタウン情報やファッション情報または、ライフスタイル情報を切り口とする雑誌もスターツ出版の競合誌となり得るものであり、今後これらの分野に大手資本が参入し、さらに競合媒体が増加した場合には、スターツ出版の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策といたしましては、マーケットリサーチによる読者の嗜好性を捉えた誌面作り、ブランド力の向上、SNS等による情報発信、読者イベント等のロイヤルカスタマー化施策に努めております。
2.インターネットに関する事業について
①インターネットに関する法的規制の可能性について
現時点では、スターツ出版のインターネット事業の展開を大きく阻害する要因となるような大きな法的規制等はありません。また、日本国内のインターネット事業及びモバイル事業を取り巻く法的環境は、インターネットの歴史が浅いため未整備であり、インターネットのみを対象とした法令等の規制はきわめて限定的であるため、主として他の一般の規制を準用するものとなっております。今後はインターネット関連の法規制あるいはルールというものがより整備されていくものと予想されます。将来的にインターネット利用者、関連業者を対象とした法的規制あるいはスマートフォン、その他のモバイルメディアにおける利用規制がより厳しく制定された場合、スターツ出版の一部業務において制約を受け、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策といたしましては、法的規制等の動向や新技術への注視よる課題等の早期把握や対応に努めております。
②競合について
スターツ出版の行っているインターネット事業は、競争の激しい分野であり、スターツ出版が提供するサービスと類似するサービスを国内で提供している事業者は非常に多く、新規参入も相次いでおり、今後も激しい競争が予想されます。業界全体の競争激化による価格競争や、更なる大手資本の参入も考えられ、その場合にはスターツ出版の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。対応策といたしましては、他サイトとの差別化として女性誌などの出版事業で蓄積したブランド力を活かした信頼性の高い情報及び記事の提供や、出版物と連動した企画・サービスの提供等に注力しております。
③システムトラブルについて
スターツ出版のインターネット事業は、コンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故などによって、通信ネットワークが切断された場合には、スターツ出版の同事業は運営不可能となります。また、アクセス数の急激な集中などの一時的な過負荷によってスターツ出版のサーバーが作動不能に陥ることや外部からの不正手段によるコンピューターへの侵入などによりデータが改ざんされる等のいわゆるハッカーや不正アクセスによる事故の発生も考えられます。これらの障害が発生した場合には、スターツ出版の運営するサイトに直接的損害が生じる他、スターツ出版の運営するサイトに対する信頼性が低下する可能性もあります。対応策といたしましては、想定されるシステムトラブルに対する技術的な対応措置、重要なデータベースに対するアクセス制限等を行っております。
3.その他の事項について
①知的財産権について
スターツ出版はブランドを重要な財産と考え、積極的に商標等を取得してまいりました。本書提出日現在では、スターツ出版は独自の事業に関連した特許権等の知的財産権侵害に係る訴え(損害賠償や使用差止めを含む)を起こされた事実はありません。しかし、特許権、実用新案権、商標権、著作権等の知的財産権が出版事業及びインターネット事業にどのように適用されるのか全てを正確に想定するのは困難であり、スターツ出版の事業関連技術についての特許等が第三者に成立した場合、またスターツ出版の認識していない特許権等が成立している場合に、特許侵害によりスターツ出版が損害賠償請求を受けることや、抵触する特許権について使用を継続することができなくなる可能性があります。また、スターツ出版に他社が保有している特許権等の使用が認められた場合においても、ロイヤリティーの支払い等によりスターツ出版の業績に悪影響を与える可能性があります。対応策といたしましては、商品の将来性も考慮した商標権等の取得に努めております。
②個人情報の管理について
スターツ出版は、ウエブサイトを運営する過程において、ユーザーに会員登録をしてもらうためにユーザーの個人情報を取得しております。そのため、不測の事態によりスターツ出版が保有する顧客情報が社外へ漏洩した場合等には、顧客への信用低下やトラブル解決のための費用負担等によりスターツ出版の業績に影響を与える可能性があります。対応策といたしましては、個人情報に対してのセキュリティ管理体制については整備・強化に努めるとともに継続的に改善を図っております。また、社員に対する個人情報管理に関する勉強会の実施、個人情報取り扱いに関する誓約書も提出させ、意識付けを徹底させるとともに、社内ネットワークにおけるセキュリティにおいてもパスワード管理やアクセス権限ルールを策定し、情報漏洩に関する防衛対策を図っております。
③新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて
新型コロナウイルス感染症については、感染症法上の位置づけが5類感染症となり、日常生活の行動制限が撤廃されるなど一定の収束はみられたものの、経済活動への影響は不確実性が高いことから、スターツ出版の業績に影響をおよぼす可能性があります。
スターツ出版といたしましては、引き続き感染拡大の状況に合わせて、感染予防の取り組みや感染拡大の影響を受けにくい事業に経営資源を集中させるなどの柔軟な対応をおこなってまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー