スターツ出版(7849)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 スターツ出版は、持株会社であるスターツコーポレーション株式会社を親会社とする企業グループ88社に属しており、スターツグループのメディア部門の位置づけとして出版やインターネット事業を営んでおります。他のグループ会社において主なものはスターツCAM株式会社が建設業、スターツピタットハウス株式会社、スターツコーポレートサービス株式会社が不動産仲介業、スターツデベロップメント株式会社が不動産分譲事業を営んでおります。他にスターツアメニティー株式会社が不動産管理業、スターツホーム株式会社が戸建建築業、スターツ商事株式会社が物販・飲食業、株式会社ウィーブが情報システム事業、株式会社スターツツーリストが旅行業、スターツ証券株式会社が証券業、スターツホテル開発株式会社がホテルの開発・運営事業を営んでおります。その他にも介護事業を行っているスターツケアサービス株式会社や市場調査・コンサルティング事業を行っている株式会社スターツ総合研究所などが国内に存在し、海外にはハワイやジャカルタなどで不動産及び不動産管理業を営んでおります。 また、ピタットハウスネットワーク株式会社が不動産店舗のフランチャイズ事業を行っております。 スターツ出版とスターツコーポレーション株式会社は、事業上の営業取引をしております。またスターツ出版はスターツグループ各社からも印刷物等の制作を請け負っております。 スターツ出版が属する上記の企業集団等について主なものを図示すると次のとおりであります。(1)事業系統図 注)スターツ出版の親会社であるスターツコーポレーション㈱は、2005年10月にスターツ㈱(現 スターツコーポレーション㈱)の事業部門を会社分割し、スターツCAM㈱、スターツピタットハウス㈱、スターツデベロップメント㈱、スターツコーポレートサービス㈱を新設するとともに、社名をスターツコーポレーション㈱と商号変更し、その4社の持株会社となっております。(2)スターツ出版のセグメント別の事業内容書籍コンテンツ事業…「野いちご」、「Berry’s Cafe」「ノベマ!」の3つの小説投稿サイトの運営と「スターツ出版文庫」、「ベリーズ文庫」、「野いちごジュニア文庫」、「ベリーズコミックス」、「グラストコミックス」などの書籍・コミックの発行を行っております。メディアソリューション事業…東京圏におけるメディアと予約送客サービス、SNS、リアルイベントを組み合わせたソリューションビジネスを展開しております。メディア別では、女性向けライフスタイル誌「オズマガジン」、ライフスタイルフリーマガジン「メトロミニッツ」の発行、女性向けポータルサイト「オズモール」などの企画運営を行っております。 これらのセグメント別売上高比率は次のとおりであります。セグメントの名称内容第42期(自2024年1月1日至2024年12月31日)第43期(自2025年1月1日至2025年12月31日)書籍コンテンツ事業(%)小説投稿サイトの運営及び書籍・コミックの発行61.659.0メディアソリューション事業(%)雑誌の販売、広告掲載及びインターネットサイトの企画運営並びにそれらに伴うイベント運営38.441.0合計(%)-100.0100.0
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 スターツ出版は「感動プロデュース企業へ」を経営ビジョンとして掲げ、メッセージやストーリーの詰まったコンテンツを創造し、感動の輪を広げることにより、コンシューマーやクライアントに感動体験と需要創造を提供することがスターツ出版の最大の価値であると考えております。(2)経営戦略等 2025年の出版市場は、電子コミックを中心に電子出版市場が成長した一方で、紙の出版市場の減少傾向が続き、紙と電子を合わせた市場規模は4年連続で縮小しました。2026年以降も書店数の減少、返品率の高止まり、物流費や印刷コストの上昇等が見込まれることから、厳しい事業環境が予想されます。スターツ出版は2025年2月に「中期経営計画(2025~2027年度)」を公表いたしましたが、経営環境の変化や計画に対する進捗状況を踏まえ、同計画をローリング方式で見直し、2026年2月に「中期経営計画(2026~2028年度)」を公表いたしました。中期経営戦略では、自社コンテンツ(小説・コミック)の映像化等のIP展開の強化、創出したプロダクトを読者やユーザーに届け広げていくための取り組み、AIを活用したサービス開発と生産性の向上、資本提携・M&Aなどの成長投資の実行により、事業の成長を促進してまいります。また、スターツ出版は企業の成長には、穏やかで、伸び伸びとした、社員の成長が持続できる企業風土が大変重要だと認識しております。今後も社内チームワークの醸成や社員の成長を後押しする取り組みに引き続き注力してまいります。(3)経営上の目標の達成状況を判断する為の客観的な指標等 売上高、営業利益、営業利益率等を重要な経営指標としております。(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 スターツ出版は「感動プロデュース企業へ」という経営ビジョンのもと紙・電子出版による書籍、コミック、雑誌の発行、「野いちご」等の小説サイトの運営、女性向けWEBサイト「オズモール」での情報発信や施設予約サービスの提供、SNSによる発信、イベント開催等とそれらを掛け合わせたPR・販促ソリューションの提供を軸として多様な事業を運営しております。 出版事業の領域では、電子書籍市場は電子コミックを中心に成長しておりますが、紙の出版市場は、デジタルデバイスの多様化と普及、ネットワークの高速化・大容量化などによる他メディアとの競争や少子高齢化等を背景に減少傾向が続いております。スターツ出版では、このような変化に対応するため、読者の嗜好性を捉えた迅速なコンテンツ開発、電子コミックを中心とした電子書籍販売の拡大、自社コンテンツである小説やコミックの映像化等のIP展開等に取り組んでまいります。 ネットビジネスの領域では、競合他社との競争が激しさを増しており、サービスの差別化および認知向上が必要であります。そのため、スターツ出版は出版社ならではの良質なコンテンツを創出するとともに、デジタルマーケティングを強化し、SNS等を活用したリーチの拡大、CRMによるユーザーのロイヤルティの向上を図ってまいります。 また、スターツ出版は会社の成長の土台として、穏やかで、伸び伸びとした、社員の成長が持続できる企業風土が大変重要だと認識しており、社内チームワークの醸成や社員の成長を後押しする取り組み等に注力しております。組織体制では、知見の蓄積と共有、リスク管理体制、コンプライアンス遵守体制といった内部管理体制の強化、情報漏洩等に対するセキュリティ対策の徹底が重要な課題であると認識しており、今後も継続的に社内教育・研修実施やシステム整備などを行ってまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月23日)現在においてスターツ出版が判断したものであります。1.出版に関する事業について① 委託販売制度について スターツ出版は、出版業界の慣行に従い、書店保護の見地から原則としてスターツ出版が取次店及び書店に配本した出版物(書籍、雑誌)について、配本後、約定期間内に限り、返品を受け入れることを販売条件とする委託販売制度を採用しております。そのため、スターツ出版は製品の返品による損失に備えるため、過去の返品実績等に基づく将来返品見込額を返金負債として計上しております。対応策といたしましては、返品率の低減を目指し、計画刊行、電子書籍販売の拡大に努めてまいります。② 再販売価格維持制度について スターツ出版が制作、販売する出版物については、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)第23条の規定により、再販売価格維持制度(再販制度)が認められているため、書店では定価販売が行われております。なお、スターツ出版は、取次販売会社または書店の間の取引価格の決定に際しては、定価に対する掛け率によっております。これは出版物がわが国の文化の振興と普及に重要な役割を果たしていることから、同法律の適用除外規定により例外的に出版業界においては再販制度が認められているものであります。この再販制度について、公正取引委員会は2001年3月23日に「著作物再販制度の取扱いについて」を発表しており、当面、再販制度は存置される見通しでありますが、一方で、再販制度を維持しながら、今後も消費者利益のため、現行制度の弾力的運用を業界に求めていく方針を発表しております。当該制度が廃止された場合には、出版競争の激化等により、スターツ出版の業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策といたしましては、公正取引委員会の動向を注視しつつ、再販制度の影響を受けない電子書籍販売等の拡大に努めてまいります。③ 出版不況と事業環境について 出版業界では、デジタルデバイスの多様化と普及、ネットワークの高速化・大容量化などによる他メディアとの競争や少子高齢化等を背景に紙の書籍販売額、雑誌販売額ともに減少傾向が続いております。書店数の減少、返品率の高止まり、物流費や印刷コストの上昇等もあり、出版業界全般の低迷が今後も継続した場合、スターツ出版の経営成績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。対応策といたしまして、綿密なマーケットリサーチによる読者の嗜好性を捉えた迅速なコンテンツ開発、電子書籍販売の拡大等に努めております。④ 競合について スターツ出版の小説・コミックは、スターツ出版が運営する小説サイトに投稿された作品を起点として発行しております。スターツ出版と同様のビジネスモデルや同ジャンルのコンテンツを展開する競合との競争は激しくなっており、今後これらの分野に異業種の大手資本が参入するなどし、さらに競合が増加した場合には、スターツ出版の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策といたしまして、綿密なマーケットリサーチによる読者の嗜好性を捉えた迅速なコンテンツ開発、小説サイトや各種コンテスト等による作家の発掘、SNS等による販促施策による認知度の向上に努めております。⑤ 広告売上の景気変動によるリスク スターツ出版の2025年度の全体売上における広告収入の構成比率は約13%となっております。この広告収入は景気の影響を受けやすい傾向にあります。わが国経済と広告主の広告支出に高い相関が見られる原因として、広告費を先行投資ではなく変動費として認識する広告主が多く、景況悪化が見込まれる時期には支出を削減し、好転が見込まれる場合には支出を増加させることがあげられます。今後、景況の急激な悪化はスターツ出版の業績に何らかの悪影響を与える可能性があります。対応策といたしましては、雑誌、WEBサイト、イベントなどの特定の媒体での広告制作、掲載という従来の広告モデルではなく、雑誌、WEBサイト、SNSでの発信、マーケティング等を組み合わせたクライアントへのソリューション提案を軸とした競合との差別化、商品力の向上を図っております。 2.インターネットに関する事業について① インターネットに関する法的規制の可能性について 現時点では、スターツ出版のインターネット事業の展開を大きく制限する法規制はありません。しかし、個人情報保護法や景品表示法等の事業に関連する法令の改正により運用が強化されており、今後も関連法令の追加・改正や規制強化が進む可能性があります。これらの新たな法規制が制定された場合、コンテンツ管理体制の強化やシステム改修等が必要となり、スターツ出版の事業運営に一定の影響を及ぼす可能性があります。対応策といたしましては、法的規制等の動向や新技術への注視による課題等の早期把握や対応に努めております。 ② 競合について スターツ出版の行っているインターネット事業は、競争の激しい分野であり、スターツ出版が提供するサービスと類似するサービスを国内で提供している事業者は非常に多く、新規参入も相次いでおり、今後も激しい競争が予想されます。業界全体の競争激化による価格競争や、更なる大手資本の参入も考えられ、その場合にはスターツ出版の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。対応策といたしましては、他サイトとの差別化として女性誌などの出版事業で蓄積したブランド力を活かした信頼性の高い情報及び記事の提供や、出版物と連動した企画・サービスの提供等に注力しております。③ システムトラブルについて スターツ出版のインターネット事業は、コンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークおよびサーバーシステムに依存しており、自然災害や通信事業者の障害、クラウドサービスの停止、サイバー攻撃(ランサムウェア、DDoS攻撃、不正アクセス等)などにより、サービス提供が一時的に困難となる可能性があります。これらの障害が発生した場合には、スターツ出版の運営するサービスに直接的損害が生じる他、ユーザーや取引先からの信頼性を損ない、事業に影響を与える可能性があります。対応策といたしましては、想定されるシステムトラブルに対する技術的な対応措置、重要なデータベースに対するアクセス制限等を行っております。 3.その他の事項について① 知的財産権について スターツ出版はブランドを重要な財産と考え、積極的に商標等を取得してまいりました。本書提出日現在では、スターツ出版は独自の事業に関連した特許権等の知的財産権侵害に係る訴え(損害賠償や使用差止めを含む)を起こされた事実はありません。しかし、特許権、実用新案権、商標権、著作権等の知的財産権が出版事業及びインターネット事業にどのように適用されるのか全てを正確に想定するのは困難であり、スターツ出版の事業関連技術についての特許等が第三者に成立した場合、またスターツ出版の認識していない特許権等が成立している場合に、特許侵害によりスターツ出版が損害賠償請求を受けることや、抵触する特許権について使用を継続することができなくなる可能性があります。また、スターツ出版に他社が保有している特許権等の使用が認められた場合においても、ロイヤリティーの支払い等によりスターツ出版の業績に悪影響を与える可能性があります。対応策といたしましては、商品の将来性も考慮した商標権等の取得に努めております。② 個人情報の管理について スターツ出版は、ウエブサイトを運営する過程において、ユーザーに会員登録をしてもらうためにユーザーの個人情報を取得しております。そのため、不測の事態によりスターツ出版が保有する顧客情報が社外へ漏洩した場合等には、顧客への信用低下やトラブル解決のための費用負担等によりスターツ出版の業績に影響を与える可能性があります。対応策といたしましては、個人情報に対してのセキュリティ管理体制については整備・強化に努めるとともに継続的に改善を図っております。また、社員に対する個人情報管理に関する勉強会の実施、個人情報取り扱いに関する誓約書も提出させ、意識付けを徹底させるとともに、社内ネットワークにおけるセキュリティにおいてもパスワード管理やアクセス権限ルールを策定し、情報漏洩に関する防衛対策を図っております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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