研創(7939)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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3【事業の内容】

 研創の事業は、サイン製品の製造、販売の単一セグメントであります。

 なお、研創は継続的で緊密な事実上の関係のある関連当事者がおりませんので、事業系統図の記載を省略しております。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

研創の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において研創が判断したものであります。

(1)経営方針

 研創は経営の基本方針を次のとおり掲げており、その実現に向けた努力が、企業価値の増大につながるものと考えています。

① 社名に謳う「常に学び 研究し 創造する」の精神を経営の基本理念として、得意先の繁栄と社会の発展に貢献します。

② 企業活動に関する法律を遵守し、社会の倫理規範に従い、良識ある企業活動を実践します。

③ 品質・価格・環境等あらゆる面で社会に有用・優良な製品を提供します。

④ 株主、取引先、地域社会等との信頼・協力関係を構築し、共存共栄を図ります。

⑤ 人間性を尊重した自由闊達な社風を醸成し、社員の健康と安全を確保します。

 

(2)経営環境

 IMF(国際通貨基金)が2024年1月に発表した「世界経済見通し」によると、新型コロナウイルス・パンデミック、欧州・中東における地域紛争などによるインフレ圧力を脱し、想定以上の底堅さを示し、世界経済の成長率は2024年3.1%、2025年は3.2%と予測されています。

 一方の国内経済では、日銀が2024年1月に発表した「経済・物価情勢の展望」によると、当面は海外経済の下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて緩やかな回復を続け、その後は所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続ける見込みとされています。リスク要因として、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動などが挙げられ、特に賃金と物価の好循環が強まっていくことに注視していくことが重要であると指摘されています。

 研創業績に影響を及ぼす建築業界動向は、(財)建設経済研究所が2024年1月に発表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し」によると、2024年度における名目民間非住宅建築投資は前年度比1.1%増と見込まれ、景気先行指標の一つでもある民間非住宅建築着工床面積は前年度比1.6%増と予想されています。民間非住宅建築投資の動向は、都市再開発や既存建築物に対する潜在的建替需要として相応に残されていることが反映されているものの、資源高による建設コストの高騰や、金利・為替動向の影響から建設投資に対して慎重に転じていることが懸念されています。

 

(3)経営戦略及び対処すべき課題

 研創は、リーマン・ショック、東日本大震災、西日本豪雨による被災、昨今の感染症拡大という想定外の影響を受けながら、近年の建築市場の活況にも支えられ、15期連続最終黒字という状況が続いております。

 今後も、金属製サインのトップメーカーとして長年培ってきた技能と先端技術を融合させ、既存事業の領域拡大と新たな事業分野への挑戦により、長期ビジョンとして売上高100億円の企業になることを目標として掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指す必要があると考えております。

 以上を踏まえまして、研創はサインメーカーの原点に立ち返って「競争」に打ち克ち、中・長期的視点に立った「成長性・収益性・安定性(持続可能性)」の追求が必要であると認識し、以下の中期経営計画を策定しております。

 

<中期経営計画>

① 期間とテーマ

 2023年3月期から2027年3月期までの5年間を、長期ビジョンの実現に向けた「成長への種まきと対応の基盤づくり」の期間と位置づけます。

② 基本方針

 「生産工程の機械化・自動化」「製品品質の向上」「収益基盤の再構築」「経営の効率化」「人材育成」を基本方針として、発展分野への経営資源の投入と生産プロセスの革新に取り組んでまいります。

③ 戦略展開

(a) 生産工程の機械化・自動化

 わが国は、「人口減少・少子高齢化」という大きな課題を抱えております。国立社会保障・人口問題研究所が発表した将来推計資料によりますと、15歳以上65歳未満の生産労働人口は、1995年の8,716万人をピークとして減少の一途をたどっており、2030年には6,773万人、2050年には5,001万人になると推計されております。

 研創の金属製サイン事業は、一品もののオーダー製品を生産するために機械化・自動化が難しく、生産工程の多くは人の技能に依存しております。現在の生産工程は人材が確保できるという前提で成立しており、「人口減少・少子高齢化」という課題は、研創のサイン事業の継続性を脅かしております。

 研創サイン事業が持続的成長をとげるためには、「生産工程の機械化・自動化」は避けて通れない課題でありますので、中期経営計画期間の5年間における経営の重点課題として取り組みます。

 

(b) 製品品質の向上

 研創が金属製サインメーカーとしてシェア・ナンバーワン企業であり続けるためには、トップメーカーに相応しい製品品質を確保することが必須条件であります。

 近年の環境変化に伴い、エビデンス・ベースでの製作基準・品質保証のニーズが高まっております。より信頼性の高い、安全性を追求した製品を市場に提供するとともに、「得意先の繁栄に尽くす」企業として顧客要求事項に対応し、顧客満足度向上を目指していく必要があります。そのためには、先ずは製品品質を維持し、革新を図り続けることが重要であると考えます。

 

(c) 収益基盤の再構築

 研創が、既存事業で安定的に収益を確保しつつ、研創の経営資源を活かして新たな収益を確保するために、中期経営計画では次の3点を掲げて取り組んで参ります。

イ.営業体制の再構築

ロ.樹脂製サインの市場競争力確保

ハ.経営資源を活かした事業領域の拡大

 

(d) 経営の効率化

 ここ数年、資源高の影響を強く受ける材料費が高騰し、営業利益率は下落傾向にあります。まずは材料費のコストダウンが、喫緊の課題と認識しております

 また、民間非住宅建築投資の動向は、都市再開発や既存建物に対する潜在的建替需要として相応に残されているものの、一方では人材不足・インフレ圧力から人件費も高騰しており、生産能力拡大と加工費(労務費・外注加工費)低減化は、研創に課せられた永遠の課題と認識しております。

この対応策として、中期経営計画の重要課題の筆頭に「生産工程の自動化・機械化」を掲げております。しかし、一方では、「経営の効率化」として加工費(労務費・外注加工費)の低減化も重要課題の一つとして掲げており、重要な経営指標としてROA(総資産利益率)を意識した設備投資を図って参りたいと考えております

 

(e) 人材育成

 研創が、持続的成長を遂げていくためには、成長を牽引する人材が重要であります。中期経営計画では次の3点を掲げて取り組んで参ります。

イ.管理職・監督職の資質向上

ロ.部門の現状に即した人材育成

ハ.次世代経営層の育成

 

④ 業績目標

 

2024年3月期実績

2025年3月期予想

2027年3月期目標

売上高

5,888百万円

5,938百万円

6,555百万円

営業利益

259百万円

237百万円

333百万円

経常利益

256百万円

232百万円

329百万円

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 研創の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、研創は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生リスク回避方法の検討や緊急対応を想定した事前準備に努める方針です。

 なお、以下の事項には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当事業年度末日現在において判断したものであり、将来において発生可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)建築投資動向による影響

 研創は建築物の内外に用いるサイン製品の製造・販売を主たる事業としており、民間非住宅建築投資動向の影響を受けております。また、研創製品のほとんどは一品一品異なる製品を受注しており、将来の需要予測に基づいて在庫を抱えることもできず、生産能力との比較で需要が上回る場合には売上逸失というリスクがあり、逆に需要が下回る場合には固定費増による利益喪失リスクが発生します。そのため研創では、建築投資動向による影響に対し、建築業界以外の需要取り込み等を通じて収益基盤の強化とその影響軽減に努めております。しかし、建築投資関連の需要割合が圧倒的に多いため、建築投資の動向によっては売上高が大幅に減少し、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)材料・原材料等の価格変動・調達

 研創が使用する主要材料はステンレスであり、ステンレス原材料であるクロム・ニッケルの世界市況や為替等による影響、あるいは国内外ステンレス市場の需給動向により、仕入価格の高騰や仕入先からの供給が不足するリスクを抱えております。ステンレス価格が想定を超えて上昇し、研創製品の販売価格で吸収できなかった場合、あるいは製品の製造に必要な量のステンレスを調達できなかった場合は、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)得意先の信用リスク

 研創は約3,000社に及ぶ得意先の財務情報を基に独自の与信管理を行い、過去の貸倒実績等をもとに貸倒引当金を設定し、必要に応じて保険を付保するなどして貸倒損失に備えております。

 先行き不透明な経済状況の中で、倒産等予期しない事態が発生して多額の債権回収に支障が発生した場合、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)製造物賠償責任等

 研創製品のほとんどは一品一品異なる製品を受注しており、得意先指定の仕様に基づき、生産しております。そのため研創では、顧客満足を高める目的で品質保証部を設置し、品質管理体制強化に努めております。しかし、研創製品を起因とする事故が発生して製造物賠償責任が発生した時には、研創の評判や社会的信用が低下、あるいは売上高低迷や多額の賠償金が発生するなどした場合は、財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 なお、研創製品に関して損害賠償等を請求された場合に備え、企業総合賠償責任保険に加入しております。

 

(5)競合関係の状況

 研創は、事業展開するサイン市場において、同業他社との競合関係が存在します。そのため研創では、品質保証・品質マネジメントシステム体制の構築、継続的改善、新製品や製造技術開発、コスト削減等のあらゆる事業活動を通じ、顧客満足と信頼を得るための競争力確保に努めております。しかし、競合他社が、新製品開発、製造技術開発で先行し、研創が対応できなかった場合は、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制

 研創の製品は、建設業法や屋外広告物法等各種法令の他、各自治体が制定した条例等の法的規制を受けております。近年では、他の先進国と比べて「景観の価値」について意識が低いと指摘されているわが国でも、景観との調和・配慮を重視する傾向が強まっております。また、相次ぐ自然災害や看板落下事故も影響し、サイン製品に対する法的規制も、景観確保・安全重視の観点から、規制が強化される傾向にあります。

 一方、研創事業を推進する中でも、事業の許認可、独占禁止、知的財産、環境、商取引、労働関連等、多くの法令による規制を受けております。研創はコンプライアンス体制を整備して法令順守に努めておりますが、今後、これらの法改正や規制強化、あるいは研創へ訴訟が提起された場合は、新たなコストの発生、あるいは訴追によって社会的信用が失墜するなどした場合、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人的資源と労務管理

 研創の事業は、主に製品の製造において多くの労働力が必要であり、人員確保と労働関連法令を遵守した労働環境の整備に努めております。今後、雇用環境の急速な変化によって必要な人員を確保できない場合、コスト上昇、あるいは労務管理上の問題などが発生した場合には、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 なお、「人的資源」に関するリスク管理の状況については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の通りであります。

 

(8)生産エリアの集中

 研創は、研創製品のほとんどは一品一品異なる製品を受注しており、機動的かつ効率的な生産体制の構築に努めております。その結果、生産能力は広島市及びその周辺地域に集中しておりますが、広島市及びその周辺の広範囲な地域に、地震・水害等の自然災害や火災が発生し、電力・通信手段の停止や物流網の障害、あるいは感染症・伝染病等が発生した場合には、事業活動における何らかの制約が発生して製品の製造・供給が滞り、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、研創ではリスクを分散する目的で、広島市内での2工場体制を構築しております。

 

(9)大規模自然災害や社会情勢の混乱等

 想定外の大規模自然災害、政治経済状況の変化、感染症・伝染病等の流行、テロ・戦争・その他社会情勢の混乱などが発生した場合、事業活動に何らかの制約が発生して製品の製造・供給が滞り、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)システム障害

 研創の事業は、情報システムを活用しているため、通信ネットワーク機器の故障やソフトウェアの不具合などのIT資産の不調、コンピュータウイルスやハッキングなどの人為的攻撃、あるいは自然災害・火災・事故等による情報社会インフラの障害などにより、事業上での制約や損失が発生する場合があります。研創は、その対策として定期的バックアップの実施や情報システムの稼働状況の監視体制を構築しておりますが、こうした対応に関わらずシステム障害が発生した場合、売上逸失、重要データ消失、システム回復に多額の費用を要するなど、研創の財政状態・経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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