興研(7963)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 興研グループは、興研及び子会社1社、関連当事者1社により構成されております。 興研は、マスク関連事業(防じん・防毒マスクなどの労働安全衛生保護具等)、環境関連事業(オープンクリーンシステム等)及びその他事業の製造、販売を事業内容としております。 関連当事者(公財)酒井CHS振興財団と本社建物の一部賃貸借契約及び業務委託契約を結び、公益目的事業である労災遺児等奨学金支給事業並びに労働衛生研究助成事業の一部支援を行っております。 事業系統図は次の通りであります。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営の基本方針経営理念①人を育てる②技術を育てる③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる 興研グループは、『クリーン、ヘルス、セーフティ』を事業領域とし、オリジナリティの高い技術をベースとした製品を供給して社会に貢献することを経営の基本方針としております。この方針の下、「世の中にない」「真に役立つ」を研究開発の出発点とし、“大きい企業”ではなく、規模の拡大はゆっくりであっても、世界にない、興研にしかできない「オンリーワン」「ナンバーワン」の技術・製品を持つ“強い企業” =「技術立社」になることが私たちの目標です。そして、市場や顧客の“ニーズ”に素早く対応することよりも、顧客が未だ気づいていない“ウォンツ”を他社に先駆けて見いだして製品化を行い、市場そのものを創造することを常に目指します。その実現の為に、人間の尊厳である“イマジネーション”と“クリエーション”の発揮を社員全員に求め、結果として「他社に追随しない」「徹底的に研究する」ことで、新たな技術革新と独創的な製品開発を続けてまいります。 (2)経営戦略及び対処すべき課題興研グループは、企業価値の更なる向上と持続的な発展・成長を実現するため、経営理念を基に、それぞれの経営戦略及び継続的課題に取り組んでおります。 ①「人を育てる」社員の生きがいと企業の存続を両立させてこそ企業としての存在価値があり、また社員の幸福や生きがいは、雇用された社員の尊厳が、企業の活動の中にも存在していることが重要との考えに立ち設計された人事管理制度「興研トータル人事システムHOPES(ホープス)」を約30年に亘って運用し、人材育成を続けています。この「HOPES」は、専門能力、業務実績達成能力、管理能力をそれぞれ別の能力と捉えて、社員一人ひとりを3つの角度(3軸)で独立して評価・運用した多様性を受容する人事システムで、年齢、性別、勤続年数を問わず活躍の場が与えられ、常に意欲のある人材を適所に登用しております。また、専門知識・能力向上を図る社内研修プログラムを確立し、職分に応じて計画的、効果的に能力開発を進めております。 ②「技術を育てる」創業以来、守り続けてきた「他社に追随しない」「徹底的に研究する」という研究開発の理念を技術開発員一人ひとりに徹底・浸透させるため、技術専門能力の向上を評価するマイスター制度や技術開発員と取締役全員が参加する月例研究発表会といった独自の仕組みを継続、運用しています。技術開発員は、基礎研究所、開発部、ディビジョン、テクノヤードに配属され、それぞれ自由で独創的な技術開発と社会に有用な発展的応用を目指した研究開発に注力しています。また、開発テーマごとに、プロジェクトチームを編成して開発に当たる「マトリクス型」の研究開発体制を敷いております。これらの取り組みによって、オンリーワン、ナンバーワン製品が次々と生まれ、知的財産権も多数保有するに至っております。今後も知的財産を質・量ともに向上させ、活用することを最重要課題として取り組んでまいります。技術開発拠点である「先進技術センター」は、技術開発員が集結して英知を交わし、「技術を育てる」能力の向上に大きく寄与する施設であります。引き続き、当センターを社外の諸機関・企業との連携や共同研究を推進する拠点としてそのプレゼンスを高めるべく注力してまいります。 ③「クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる」「クリーン、ヘルス、セーフティ」という3つの分野に特化し、興研グループの独自技術を進化発展させながら、“世の中になかった製品”“真に役立つ製品”を開発、販売することで、新しい市場を創造し、社会に貢献する企業として持続的成長を目指します。 <クリーン>技術の進展に伴う、市場の更なる高品質化への要求に対し、従来のクリーンデバイスの技術では対応能力に限界が顕れてきております。近時においては、規格上の最高レベル清浄度である「ISOクラス1」を求める顧客が半導体分野を中心に増加しております。その「ISOクラス1」を確実に実現できるオープンクリーンシステム「KOACH(コーチ)」を普及させることを通して、クリーン市場における様々な課題解決に貢献してまいります。 <ヘルス>コロナ禍において、その圧倒的な感染対策機能が医療機関を中心に高く評価された感染対策用N95マスク「ハイラック350型」の市場シェアの更なる拡大を図ります。また、飛沫拡散抑制マスク「ハイラックうつさんぞ」をはじめとする高機能の感染対策用製品の拡販にも努めてまいります。内視鏡室に「検査」「作業」「スペース」の3つのゆとりを与え、患者にとっても安全安心な検査を提供できる内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍(かがみないし)ⅡG」の普及にも努めます。 <セーフティ>高い市場シェアを誇る産業現場において、労働者を守る安全で快適な電動ファン付き呼吸用保護具「ブレスリンク」シリーズやフィット性に優れる使い捨て式防じんマスク「ハイラック」シリーズなど、安心してご使用いただける、使って喜ばれるマスクの開発に今後も注力してまいります。また、自然災害や火災に加え、近年では原発事故、化学災害、テロ災害等に対する備えが重視される社会環境にあります。こうした災害時に使用する個人防護具については、備蓄並びに装着訓練などの備えの重要性を啓発しつつ、安全対策市場の裾野拡大に努めます。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき課題①クリーン事業の育成・拡大について興研グループはオープンクリーンシステム「KOACH」を中心とした環境関連事業の成長・拡大に向けた取り組みを推進しております。今後も経営資源を積極投入し、当事業をマスク関連事業に次ぐ第2の柱に育ててまいります。 ②厚生労働省が進める法令・規則改正への対応について現在、厚生労働省が進める粉じん現場や溶接現場及び有害ガス発生現場等における法令及び規則改正に対して、産業用マスクのトップメーカーとしてより安全性が高く、使い易い製品の開発・供給を図るとともに、事業現場への情報伝達、作業者教育などを継続して行い、市場からの安全対策の要求に対応してまいります。 ③原材料価格高騰への対応について世界的なインフレ率の上昇、地政学リスクの高まり、円安水準の長期化等により、原材料コストや物流価格等が高騰しており、引き続き興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、興研グループにおいては、その影響を最小限に抑えるため、生産技術の向上による生産効率の改善並びに業務合理化によるコスト対策を継続的に行っております。 (4)目標とする経営指標興研グループは、堅実性と成長性をともに重視し、企業収益の安定的拡大を目指しております。厳しい経済環境下にあっても、市場変化へ柔軟に対応し、市場占有率を着実に高めながら、常に生産性の向上に努め、結果として営業利益の拡大及び営業利益率の向上を図ります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。興研グループは、これらのリスクの発生を十分に認識したうえで、発生の回避、抑制及び発生した場合の早期対応に努めてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、本書の提出日現在において興研グループが判断したものです。 (1)研究開発について興研グループは、研究開発型企業として『クリーン、ヘルス、セーフティ』に係わる革新性の高い製品を市場に供給することを目的に経営資源を投入しておりますが、研究開発の全てが、新製品の開発や営業収益の増加に結びつくとは限らず、また、諸事情により研究開発を中止せざるを得なくなった場合は、興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。興研グループでは、①基礎研究所(技術革新に挑むR&D拠点)、②開発部(ウォンツを具現化する設計・デザイン拠点)、③ディビジョン(顧客ウォンツのディスカバリー拠点)、④テクノヤード(高付加価値製品を生み出すマニュファクチャリング拠点)に配属された技術開発員が、開発テーマごとに、複数部門・部署によるプロジェクトチームを編成して開発に当たる「マトリクス型」の研究開発体制を敷くことで、新規性、市場性、収益性を兼ね備えた新製品の開発を行うなど、当該リスクの顕在化を最小限に留める方策を継続してまいります。 (2)知的財産について興研グループはオリジナリティの高い技術をベースとした製品開発について、必要な知的財産の保護手続きを行い、既に特許等の知的財産権も多数保有しておりますが、その独自の技術を法的制限のみで完全に保護することには限界があり、第三者に興研グループの知的財産を用いた模倣品や類似品の製造、販売を行われた場合は、期待した収益を得られない可能性があります。また興研グループの意図に関わらず、興研グループの製品等が、第三者の知的財産を侵害する結果になった場合は損害賠償を請求される可能性があり、そうした事象が発生した場合は、興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。興研グループでは、当該リスクを回避するため、今後も知的財産権の管理を徹底してまいります。 (3)法規制について興研グループの事業は、「労働安全衛生法」「医薬品医療機器等法」「製造物責任法」等の様々な法規制に関連しております。万一、これら法規制に適合しない事象が発生した場合、製品の回収に加え興研グループが進めている事業に制限が出る可能性があります。また、新たな法規の制定や改正がなされた場合は、設備投資等の新たな費用が発生し興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。興研グループは、これら法規制の改廃等の情報収集を行うとともに、法規制を遵守すべくコンプライアンス体制並びに内部統制の強化に努めてまいります。 (4)品質保証・品質管理について興研グループの製品は、過酷な環境下での使用が想定されることに加え、使用者の安全と健康を守るという目的から、より高い耐久性、信頼性が求められているため、万全な品質保証・品質管理体制の維持、強化に努めております。しかしながら万一、厚生労働省の呼吸用保護具買取り試験による不適合の指摘を予期せぬ要因で受けたり、製品の欠陥及び故障が発生したりした場合等には、回収、修理費用等の負担などにより、興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。興研グループは、こうしたリスクに対し、開発段階において、先進技術センター内にあるバリデーションサイトを使用し、製品が使用される実際の現場を想定した信頼性試験を行っております。そうした信頼性試験を経て開発された製品の品質に対し興研グループでは、社長直轄の品質に関わる独立した部門である品質保証室を設置するとともに、ISO 9001に基づく品質マネジメントシステムを構築及び維持することにより、万全な品質保証体制を取っています。そして品質保証室は、各テクノヤード(製造拠点)に製品検査員を配置し、テクノヤードの製造工程、検査工程の監視を行っております。また、各テクノヤードは、日本産業規格、厚生労働省国家検定規格及び興研グループ独自の厳格な品質保証・品質管理基準による製品の製造を行っております。 (5)災害及び感染症等による生産への影響について興研グループの製造拠点であるテクノヤードでは、従前より地震リスクの調査を受診し、その結果に基づき、震災時においても混乱なく生産が再開できる体制の構築に努めております。しかしながら、拠点近辺を震源地とする直下型の大地震や台風などの自然災害、その他予期せぬ事故及び感染症の拡大等によって、生産活動の停止等、事業活動の継続に支障をきたす事象が発生した場合は、興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)環境問題について興研グループの旧研究所とテクノヤードの計2ヶ所において、これまでに発生したトリクロロエチレンによる土壌・地下水汚染の浄化対策を実施しておりますが、浄化が完了する時期の想定は現在の段階では難しく、浄化対策が長期間を要した場合、その対策に関わる費用は興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。法令や条例等で設定されている浄化基準を見定めながら、浄化対策を継続してまいります。 (7)情報セキュリティについて興研グループは、事業遂行に関連して、技術、営業、その他、事業に関する機密情報を多数有しております。情報の漏洩等の対策として、興研グループでは、情報システム運用基本規程に基づき、管理本部内に設置した情報通信システムの運用全般を担当する専門部署であるICT管理セクションが中心となり、集中的なネットワーク管理(統合脅威管理)、全社員を対象とした標的型メール訓練などのセキュリティに関する教育・研修及び情報の取り扱いに関するモニタリングなど設備面、組織面の対策を実行しております。また、第三者によるセキュリティチェック(社外からの模擬攻撃による脆弱性診断)も実施しております。個人情報の適切な保護については、個人情報保護法、個人情報管理規程、マイナンバー情報管理規程に基づいた管理体制を構築し、適切な運用に努めております。しかしながら、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合は、興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)内部統制について興研グループは、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に係る法令等の遵守並びに資産の保全という観点から内部統制システムの充実に努めております。しかしながら、当システムには一定の限界があり、構築した当システムにおいて想定する範囲外の事態が発生した場合は、興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そうしたリスク発生を防止するため、当システムの強化を図るべく不断の検討・見直しを今後も継続してまいります。 (9)海外子会社について生産子会社としてタイに設立したSIAM KOKEN LTD.は、順調なマスク製造を続け、興研グループの利益拡大に寄与しておりますが、タイにおける政治・社会情勢及び法規制や為替動向などによる予測し得ない事態の発生及び自然災害や感染症が拡大した場合は、興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。同社は製造した使い捨て式防じんマスク(N95マスク含む)の全量を日本への輸出に当てておりますが、2020年には新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、タイ政府より輸出停止措置(その後解除)が取られました。このように感染症の発生等により同様の輸出制限が行われる事態が発生した場合は、興研グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、感染症対策用マスクの需要拡大とこのような海外生産におけるリスク対策として、興研グループでは、すでに使い捨て式防じんマスクの国内生産設備の増設を行い総生産量の拡大を図っております。 (10)国際的な政情不安の影響について世界で発生している軍事的対立が激化、拡大・長期化した場合は、原油価格上昇による原材料価格の高騰だけでなく、地政学リスクの高まりや世界的インフレーションの加速といったリスクがより大きくなり、興研グループの業績への影響がこれまで以上になる可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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