築地魚市場(8039)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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築地魚市場(8039)の株価チャート 築地魚市場(8039)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 築地魚市場グループは、築地魚市場及び子会社7社より構成されており、水産物の卸売業及び水産物の売買を主要事業とし、附帯事業として冷蔵倉庫業務及び不動産賃貸業務を行っております。

 事業内容と築地魚市場及び関係会社の当該事業にかかる位置付けは、次のとおりであります。

水産物卸売業…………築地魚市場は生鮮加工水産物の委託及び買付販売、共同水産㈱及び㈱キタショクは生鮮加工水産物の加工及び販売、築地市川水産㈱は生鮮加工水産物の販売を行っております。東市築地水産貿易(上海)有限公司は、中国、上海市で、中国向けの水産物の販売業務を行っております。

冷蔵倉庫業……………㈱東市ロジスティクスは、築地魚市場所有設備により冷蔵倉庫業を営み、築地企業㈱は㈱東市ロジスティクスの冷蔵庫内の荷役作業を行っております。

不動産賃貸業…………築地魚市場及び共同水産㈱は所有する不動産の一部を外部ならびに築地魚市場グループの会社に賃貸しております。

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 

 

 

 

 

 

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

築地魚市場グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において築地魚市場グループが判断したものであります。

(1)経営方針

築地魚市場は、卸売市場法に基づく東京都中央卸売市場の荷受会社として、“国民の健康的な食生活への貢献”という社会的使命を果たしていくとともに、集荷力・販売力の強化に努め、首都圏の一大消費地を抱える市場荷受としての優位性を発揮しつつ、“旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換”を図り、新たな価値創造によってステークホルダーの期待に応えてまいります。

 

(2)経営戦略等

上記経営方針のもと、築地魚市場グループはMSC、ASCといった海洋保護活動に貢献する国際流通認証を取得し、海洋資源保護や環境に配慮した水産物の取扱いを増やすことにより、出荷者・生産者から、買受人の皆様の顧客満足度を高められるよう、集荷及び販売に注力していきます。また、生産地加工・消費地加工の充実、豊洲市場内の冷蔵庫などの設備を活用し、多種多様な顧客ニーズに沿った販売を心掛けていくとともに、グループ会社を横断する形で物流委員会を設置、グループ会社資産の全てを有機的に結合することで、生鮮冷凍物流通網を構築していくことを目指します。

 

(3)経営環境

当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴う行動制限の解除等により、国内や海外からの旅行者の増加や好調な企業業績の下支えもあり、経済活動は活性化してきております。

しかし、ロシア・ウクライナ紛争や緊迫した中東情勢は長期化しており、日銀が発表した異次元金融緩和の修正による金利への影響など、先行きは依然として不透明な状況となっております。

築地魚市場の属する水産物卸売業界においては、インバウンド消費により外食産業には回復は見られたものの、円安によるさまざまな原材料価格の高騰や労働力確保のため人件費が増加した結果、漁労・養殖コスト、物流費、資材費などが上昇し、魚価高傾向が続いております。また急激な物価上昇により消費動向はやや鈍化しており、厳しい業界環境は続いております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

〇新中期経営計画の策定

築地魚市場グループは、2024年度(2025年3月期)から2026年度(2027年3月期)までを対象期間とした新中期経営計画「MF-2026」(Move Forward 2026)を策定しました。築地魚市場グループが前中期経営計画(SG-2023)で積み残した課題の解決、また、築地魚市場グループが2026年度(2027年3月期)までの持続的な成長をするための諸施策と最終目標数値を決定いたしました。

 

1.前中期経営計画「SG-2023」の達成状況

築地魚市場グループは2023年度を目標年度とする前中期経営計画「SG-2023」において、「水産卸としてのプラットフォームを充実させ、持続的な成長を目指す」を基本コンセプトに掲げ、諸施策を実行してまいりました。

達成状況につきましては、加工機能の強化、商流の深化と拡大は進めたものの、当該期間中は新型コロナウイルスの蔓延や、計画最終年度のALPS処理水の海洋放出による中国向け水産物の禁輸等、水産業界は総じて厳しい環境にあったことから、売上高および各段階利益は計画未達に終わりました。また、3ヵ年の計画期間を通じて、冷蔵倉庫業などのグループ会社においては一定の成果を収めることができたものの、本業の水産物卸売業の収益率や在庫回転率の改善が十分にできず、安定した収益化が達成できなかった点が課題として残りました。

なお、冷蔵倉庫業につきましては、新型コロナウイルスの影響で保管貨物の動きが悪い時期があったことやロシア・ウクライナ紛争、為替の円安等によるエネルギー価格の上昇に伴い、冷却費用が予想外に増加するなど、苦戦を強いられていた時期もありましたが、最終年度ではエネルギー価格等の上昇を保管料の値上げすることができ、収益の改善をすることが出来ました。

不動産賃貸業は、当初の予定どおり順調に推移しました。

 

 

 

SG-2023

 

2024年3月期目標

2024年3月期結果

売上高(百万円)

62,000程度

58,701

営業利益(百万円)

400程度

35

経常利益(百万円)

400程度

76

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

350程度

204

自己資本比率

40%程度

37.3%

連結配当性向

20~30%を目処に、継続的かつ安定的に実施

安定的に配当を実施

 

2.新中期経営計画「MF-2026」

築地魚市場グループは、前中期経営計画のコンセプト・課題を引継ぎ、新中期経営計画「MF-2026」を策定いたしました。計画の骨子は、「①前中計の積み残し課題・現状築地魚市場グループが抱える課題」×「②築地魚市場が求める機能」× ③築地魚市場の経営方針の一部である「旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換を図る」を掛け合わせ、2026年に向け“前進”(=Move Forward)するための重点課題を以下の3点に集約いたしました。これら諸施策の推進により、社会および市場から選ばれる企業グループを目指してまいります。

 

2-1 重点課題

生鮮水産物の取扱拡大および冷凍水産物の加工製造販売事業の強化

人員採用拡大によりダイバシティを推進し、強靭な組織力を構築

物流2024年問題への対応を踏まえた、市場内外の物流効率化を推進

 

2-2 課題達成に向けた具体的なアクションプラン

①生鮮水産物の取扱拡大および冷凍水産物の加工製造販売事業の強化

1)産地との連携を基に、仲卸様等への商流を拡大

2)供給と品質の安定に資する「鮮冷」・「養殖魚」・「一般凍魚」の強化

3)新たな投資・提携を視野に入れ、産地加工・消費地加工をさらに強化

②人員採用拡大によりダイバシティを推進し、強靭な組織力を構築

1)新卒採用・キャリア採用を強化し、組織を活性化

2)ワークライフバランスの一層の改善

③物流2024年問題への対応を踏まえた、市場内外の物流効率化を推進

1)市場内外物流の効率化を行うとともに、グループ内商流の集約(ベンダー機能・受発注機能)を図り、「商・物流」の一元化を推進

 

2-3 投資政策

財務健全性からネットDER1倍以下を維持しつつ、築地魚市場の成長戦略に資する投資活動を適宜実施

①加工機能強化のため、産地加工・消費地加工のさらなる深堀

②物流機能・販売機能強化のための投資

③人材投資・DXを推進するさらなるシステム投資

 

2-4 経営目標・株主還元

(連結ベース)

25年3月期

(計画第1期)

26年3月期

(計画第2期)

27年3月期

(計画第3期)

売上高

600億円

620億円

650億円

営業利益

3.5億円

4.8億円

6億円

経常利益

3.5億円

4.8億円

6億円

親会社株主に帰属する当期純利益

2.5億円

3.8億円

5億円

ROE(株主資本利益率)

計画最終年度7%以上を目指す

PBR(株価純資産倍率)

1倍以上

ネットDER

1倍以下

連結配当性向

20~30%を目途に安定配当を実施

注)上記の予想および目標等は、現時点における入手可能な情報に基づいて算出しておりますが、実際の業績は今後の事業環境の変化等の様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において築地魚市場グループが判断したものであります。

 

(1)卸売市場を取り巻くリスク

築地魚市場は、東京都中央卸売市場豊洲市場で水産物を卸売販売することを主たる事業としており、卸売市場への依存度は非常に高いものとなっていますが、市場内の仲卸業者は、市場流通の減少や量販店の取扱量拡大などに伴い、近年経営状況が悪化している業者が漸増しています。築地魚市場は、それら取引先に対し、売上債権の回収状況に応じて貸倒引当金を設定しておりますが、今後の不良債権の発生が築地魚市場の業績に影響を与える可能性があります。

また、豊洲市場の最新設備に係るコスト増もあり、卸売市場を取り巻く様々な要因が築地魚市場業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)資金調達に関するリスク

築地魚市場グループは、金融機関から運転資金及び設備資金を借入しております。そのため、金融機関の貸出動向によって、築地魚市場グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このリスクについての対策は、営業キャッシュ・フローの黒字継続とネット借入金の削減による財務基盤の強化をもって対処しています。

 

(3)為替変動リスク

築地魚市場グループの一部取引においては、輸出入取引の外貨建てでの決済を行っております。築地魚市場は、為替予約によるリスクヘッジを行っておりますが、為替相場の変動は、これらの輸出入取引の単価に影響を与える可能性があります。

 

(4)在庫に関するリスク

築地魚市場グループは、市況を勘案して商品を買い付けておりますが、保有商品の市況価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。当該リスクに関しては、保有在庫の適正化と回転を早めるための社内管理体制として築地魚市場営業各部の目標月末在庫残高を設定し、定期的にレビューを実施しております。

 

(5)予期せぬ感染症の拡大等に関するリスク

予期せぬ感染症の拡大により、政府等による緊急事態宣言の発令などの影響で、主要セグメントである水産物卸売業の売上高が減少するなど、築地魚市場グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

築地魚市場は食品流通の要であり、社会的ライフラインである東京都中央卸売市場豊洲市場において水産物を集荷販売しておりますが、緊急事態宣言等の影響により業務筋の営業自粛や休止、宴会・パーティーの自粛されることや、高級魚の価格下落や売れ行き不振、輸出入の停滞などにより水産物の流通量が縮小する可能性があります。

 

(6)国際情勢等に関するリスク

国際的な政治情勢、地域紛争等により、輸入水産物の高騰や輸出入の取扱量が減少する可能性があります。またこれらの事象により、資源等の価格が高騰し、魚価、輸送費、関税などの仕入コストが上昇、これら価格上昇分を販売価格に転嫁できないことにより、損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)物流2024年問題に関するリスク

2024年4月の労働基準法改正により、物流業界においてドライバーの時間外労働が規制されることに伴ういわゆる「2024年問題」によって、築地魚市場グループの物流コストに影響を及ぼす可能性があります。新中期経営計画でも重点課題として取り上げており、物流問題の対応が急務と認識しております。築地魚市場グループの商流と物流の一元化や物流コスト等の販売価格への転嫁によっては、損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)人材確保に関するリスク

築地魚市場グループは食の安定供給や市場機能の維持のため、休業日や勤務時間が変則的になっております。また日本の労働人口が減少傾向となっていることや転職市場が活性化していることもあり、築地魚市場グループが必要とする、人員・人材が確保できない恐れがあり、築地魚市場の業績へ影響を及ぼす可能性があります。

これらのことを踏まえ、新卒・第二新卒・中途採用活動を積極的に展開するとともに、社員の階層別の教育プログラムなどを刷新し、人材の育成にも注力していきます。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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