岩谷産業(8088)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】 岩谷産業グループは、岩谷産業、子会社150社(うち連結子会社100社、持分法適用非連結子会社50社)、関連会社65社(うち持分法適用関連会社34社)及び関係会社以外の関連当事者により構成され、総合エネルギー事業、産業ガス・機械事業、マテリアル事業及びその他の分野(食品、畜産、金融、保険、運送、保安、情報処理等)に事業を展開しております。 各分野における岩谷産業、主要な関係会社の位置付け及びセグメントとの関連の系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、岩谷産業グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針 岩谷産業グループは、創業以来、「世の中に必要な人間となれ、世の中に必要なものこそ栄える」を企業理念として掲げ、常に世の中が求める新しい価値、お客様が求める価値の創造に努め、社会に貢献することを目指しています。 この観点から、株主様、お取引先様、従業員などからの信頼と期待に応えることが、会社繁栄の絶対条件と考え日々の事業経営に取り組んでおります。セグメントごとの事業内容は下記のとおりであります。 総合エネルギー事業は、全国のご家庭にMaruiGasブランドとしてお届けしている民生用LPガスや、工場で使用される産業用のLPガス・LNGを販売しています。また、カセットこんろ・ボンベや富士の湧水などの生活関連商品やガス関連機器・都市ガスの保安サービスなどをお客様に提供し、暮らしのインフラを支えています。特に民生用LPガスについてはLPガスの輸入から小売りまで一貫した供給体制をもち、全国展開している日本で唯一のLPガス事業者で、全国に約300ヶ所の拠点を有しており、その販売・物流・保安体制を活かし、きめ細やかで質の高いサービスを全国で提供しています。 産業ガス・機械事業は、エアセパレートガス(酸素・窒素・アルゴン)、水素、ヘリウム、炭酸ガス、半導体材料ガスや医療用ガスなどの産業ガス事業と、各種ガス製造・供給設備、FAシステム、溶接装置、半導体製造装置、環境機器などの機械事業を展開しています。長年培ってきた技術力と、ガス・機械の幅広いラインアップによりお客様のニーズに合わせた提案を行い、産業全体を支えています。 マテリアル事業は、樹脂原料や樹脂製品、ミネラルサンドなどの資源、ステンレスや非鉄金属、二次電池材料等、モノづくりに必要な原料・部材などを取り扱っています。環境商品等の成長分野への拡販や新商品の開発に加え、海外事業の強化に取り組み、事業規模の拡大を図っています。 (2) 目標とする経営指標 2024年3月期を初年度とする5ヵ年に亘る中期経営計画「PLAN27」では、テーマに「水素エネルギー社会の実現に向けて」を掲げ、基本方針を「『社会課題解決』と『持続的成長』に向けた事業拡大」としています。「PLAN27」の経営数値目標としては、利益目標を「営業利益650億円」、収益性目標を「ROE10%以上」「ROIC6%以上」としています。 (3) 中長期的な経営戦略 岩谷産業は、基本方針の実現に資する取り組みとして、中期経営計画「PLAN27」を策定し、「『社会課題解決』と『持続的成長』に向けた事業拡大」に取り組んでいます。 PLAN27では、投資や人材といったリソースを重点投下する分野を重点施策とし、「水素戦略」、「脱炭素戦略」、「国内エネルギー・サービス戦略」、「海外戦略」、「非財務戦略」の5つを掲げ、経営数値目標の達成に向けて取り組みを推進しています。 また、岩谷産業の利益配分に関する基本方針につきましては、継続的かつ安定的な配当により株主の皆様へ還元すると同時に、成長戦略を支えるための投資等に活用し、企業価値の最大化を図ることで株主の皆様のご期待に応えてまいります。 PLAN27では、最終年度にあたる2027年度には配当性向20%以上(市況要因を除く当期純利益ベース)、減配を行わない累進配当という目標を掲げています。 岩谷産業はこれらの取り組みを着実に実行し、「世の中に必要とされる企業」であり続けることにより、岩谷産業グループの企業価値の向上、ひいては株主共同の利益の実現に資することができるものと考えております。 (4) 当面の対処すべき内容等 今後の見通しについては、所得環境の改善に伴う個人消費の増加に加え、設備投資が堅調に推移することで緩やかな回復が続くと見込まれるものの、引き続き緊迫した中東情勢の影響等が懸念され、先行きは不透明な状況となっています。 総合エネルギー事業は、重要なエネルギーインフラの一つであるLPガスの安定供給に引き続き努めます。また、M&A等によるLPガス直売顧客数の拡大や、物流合理化による収益性の改善を図ります。エネルギーの低炭素化に向けては、燃料転換の推進やカーボンオフセットガスの販売に加え、グリーンLPガスの開発を推進します。カセットこんろ・ボンベにおいては、新商品開発などを通じて国内外の事業拡大を図ります。 産業ガス・機械事業は、エアセパレートガスや特殊ガスについて、調達・物流コスト上昇への対応や安定供給体制の整備を強化するとともに、拡大が見込まれる光ファイバー・電子部品業界向けの拡販に注力します。また、水素エネルギー社会の実現に向けては、脱炭素に関連した水素やアンモニアの販売強化を図ることに加え、低炭素水素サプライチェーンの事業化を推進します。 マテリアル事業は、ノルウェー産グリーンチタン鉱石の販売を開始するとともに、リサイクルPET事業を推進していきます。ステンレスでは国内加工拠点を活用し、事業規模の拡大を図ります。豪州のミネラルサンド事業は新たに取得した鉱区も含めて安定操業と生産性の向上に努め、欧米、アジアでは、重要鉱物資源の安定確保に向けた取り組みを強化していきます。 岩谷産業は1941年に水素の取り扱いを開始し、長い歴史に基づく経験とノウハウを有しています。液化水素の国内シェアは100%で、圧縮水素を含む水素の国内シェアは約70%となっております。水素事業は将来の資源エネルギー事業であり、大量で安価なCO2フリー水素源の獲得が最も重要だと考えています。岩谷産業グループは液化水素製造能力をさらに増強するとともに、再生可能エネルギーからの水素製造や海外からのCO2フリー水素の輸入などに取り組み、企業理念に沿った経営を進めてまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において岩谷産業グループが判断したものであります。 (1) 季節的な要因及び天候の変動について LPガスの消費量は、気温や水温の影響を受けますので、岩谷産業グループの主力商品であるLPガスの販売量は夏季に減少し、冬季に増加します。このため岩谷産業グループは利益が下半期に偏る収益構造を有しています。また、特異な天候の変動によっても、岩谷産業グループのLPガス販売量に影響を及ぼす可能性があります。 (2) LPガス輸入価格による影響について 岩谷産業はLPガスを中東と米国から輸入しており、輸入価格の変動による影響を平準化するため、多くの卸売先との間で、販売価格をCP(Contract Price)とMB(Mont Belvieu)に連動する価格体系としています。岩谷産業では在庫評価について第3四半期連結会計期間より「先入先出法」から「総平均法」へ変更しておりますが、LPガスの輸入から販売までのタイムラグが約3ヶ月あるため、輸入価格の上昇時には安い原価の在庫を高く売ることから増益要因となる一方、下落時には高い原価の在庫を安く売ることから減益要因となります。 なお、当連結会計年度は57億円の減益効果(前連結会計年度は2億円の増益効果)が生じております。 (3) 気候変動に係るリスクについて 岩谷産業グループは、化石燃料であるLPガスを主力商品としている一方で、水素など脱炭素化に資する商品の普及拡大にも注力しており、今後の気候変動に係る規制等の動向によっては、岩谷産業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、グループ全体のリスクを統合的に管理する「危機管理委員会」の傘下に設置している「サステナビリティ推進委員会」にて、気候変動に係るリスク・機会、取り組み方針、目標などについての議論や実績の進捗確認を行っています。 気候変動に係る詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。 (4) 為替変動による影響について 岩谷産業グループは貿易取引において為替リスクを負うことがありますが、為替予約等を行うことにより、為替相場の変動によるリスクを回避しています。なお、急激な為替の変動が起きた場合には、このリスクを完全に排除することは困難であるため、岩谷産業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 災害等について 岩谷産業グループは、高圧ガス保安法等に基づくLPガス・産業ガス等を取り扱っております。そのため、法律に基づいた定期的な法定検査及び自主的な検査・点検を行っております。ただし、大規模な地震等の天災により基地などの出荷設備やお客様側の消費設備に甚大な被害があった場合や感染症の大規模な流行などにより、安定供給ができなくなる可能性があります。 (6) 規制緩和等による競争激化について 電力・ガス小売事業の全面自由化や国内の人口減少・地方都市の過疎化等に伴い、同業者間及びエネルギー間の競争環境が変化し、岩谷産業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7) カントリーリスクの影響について 岩谷産業グループは、貿易取引やアジアを中心とする海外事業展開を行っていますので、その地域における政治・経済情勢の悪化や、予期しない法律・規則・税制の変更、治安の悪化等の状況によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 金利変動による影響について 岩谷産業グループは、LPガス直売顧客数の拡大を目的としたM&Aや産業ガス事業拡大に向けた設備投資など、戦略的な投資に対する資金需要があり、金利変動が業績に影響を与える可能性があります。 (9) 取引先の信用リスクの影響について 岩谷産業グループは、取引先に対して様々な形で信用供与を行っており、債権の回収が不可能となるなどの信用リスクを負っております。これらの信用リスクを回避するため、岩谷産業グループでは取引先の信用状態に応じて、信用限度額の設定や必要な担保・保証の取得などの対応策を講じております。しかしながら、取引先の信用状態の悪化や経営破綻等により債権が回収不能となった場合などには、岩谷産業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 保有有価証券価格の変動による影響について 岩谷産業グループは、グループ企業の株式を保有するとともに、事業上の関係緊密化を図るために取引先などの株式を保有しております。今後の株式市場の変動によっては、岩谷産業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。政策保有の目的で保有する株式については、毎年取締役会において個別に保有の適否を判断しております。 (11) 商品の欠陥について 岩谷産業グループが提供する製品・サービスについては、適切な品質管理体制のもと対応しておりますが、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、岩谷産業グループの社会的信用や企業イメージの低下、多額の費用負担が発生するなど、岩谷産業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 個人情報の取り扱いについて 岩谷産業グループは、LPガス事業をはじめとした各種事業において多くの個人情報を取り扱っており、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者として、個人情報の取扱状況について適切な管理を行い、法の遵守に努めております。ただし、岩谷産業グループの取り組みにもかかわらず、個人情報の流出が発生した場合には、岩谷産業グループの社会的信用の低下、顧客からの損害賠償請求など、岩谷産業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) コンプライアンスに係るリスクについて 岩谷産業グループは、国内外で各種の法令・規制・社会規範の下で事業を展開していることから、コンプライアンス委員会を設置して遵法体制の強化に努めております。さらに、岩谷産業グループの全構成員が遵守すべき規範として「イワタニ企業倫理綱領」を制定・周知するなど、コンプライアンスの徹底を図っております。ただし、岩谷産業グループの取り組みにもかかわらず、法令等に抵触する事態が発生した場合には、当局からの行政処分、利害関係者からの訴訟、岩谷産業グループの社会的信用の低下などにより、岩谷産業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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