極東貿易(8093)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】当グループは、極東貿易(極東貿易株式会社)、子会社27社及び関連会社10社で構成され、産業設備関連部門、産業素材関連部門、機械部品関連部門の3部門に関係する事業を主に行っております。「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。なお、極東貿易株式会社の「産業インフラソリューショングループ」は、2026年4月1日付にて「産業インフラソリューショングループ」と「航空・資源ソリューショングループ」に分割しております。以下の「事業の内容」および事業系統図は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在の状況に基づき記載しております。当グループの事業内容及び極東貿易と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針極東貿易株式会社は、1947年の設立以来、機械関連を主体とするエンジニアリング商社として、常に国内外のニーズに対応し、先進技術や製品の取り扱いに努めてまいりました。時代の変遷とともに、製造機能を有する事業会社のグループ入りもあり、ものづくり商社という性格もあわせ持つ企業集団として、今に至っております。当グループは、社是である「人」を重んじ、「技術」に長じ、「信頼」を基本とする『人と技術と信頼と』という不変の精神と価値観を持ち、全てのステークホルダーの皆様とともに歩んでまいりました。この社是のもと、経営理念として「ニーズとシーズの橋になる」を掲げております。目に見える技術だけではなく、仕組みやノウハウまでを、必要とする企業に留まらず、必要としている社会へプラスワンを提供するため、当グループは、「ニーズ」と「シーズ」を結ぶ「橋」となることによって、お取引先だけでなく、社会全体に「充実」「満足」を提供する企業集団へと進化してまいりました。こうした社是および経営理念に基づき、当グループは新たに「中期経営計画 2028」 Beyond NEXUSを策定し、社会課題と顧客価値の創造を両立させながら、付加価値の高い提案を行うソリューションパートナーへの変革を目指します。 また、「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSでは、この理念をさらに進化させ、10年後の「ありたい姿」を定義いたしました。経営理念の「ニーズとシーズの橋になる」という役割から、社会や顧客とのつながりの先を自ら拓く「先導役」へと変革を遂げ、事業を通じて多様化・複雑化する社会課題にソリューションを提供することで、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 目標とする経営指標当グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、収益性および資本効率性の観点から経営指標の目標を定めております。「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSにおきましては、資本市場からの期待と本業の「稼ぐ力」をより明確に測るため、利益目標の指標を従来の経常利益から営業利益へ変更いたしました。また、株主資本コスト(7%程度)を上回るリターンを確保すべく、新たにROICを経営指標として導入し、資本効率を重視した事業運営の徹底を図ってまいります。同計画の最終年度(2029年3月期)の経営目標は以下の通りであります。 項目2029年3月期 目標連結営業利益35億円ROE8%以上ROIC7%以上M&A等投資枠3カ年で50億円以上 これらの目標達成に向けて、当グループは財務の健全性を維持しつつ、持続的な成長投資と積極的な株主還元を実行するため、「キャッシュアロケーション」と「株主還元方針」を策定しております。 株主還元につきましては、株主の皆様への継続的な成果の還元と、企業価値の持続的向上を実現するため、適正な資本政策の下、将来の事業展開と財務状況、収益動向などを総合的に勘案した配当を実施することを基本方針としております。当事業年度の配当につきましては、原則として減配せず、配当の維持もしくは増配を行う「累進配当」を採用し、その配当性向は50%を目途としております。次事業年度からの配当につきましては、「累進配当」を継続しつつ、一過性の損益(投資有価証券の売却益や負ののれん発生益等)を除いた調整後当期純利益を基準に、配当性向50%を目途といたします。これにより、株主還元の安定性をさらに高め、利益の成長に応じた配当を行うことで、さらなる株主価値の持続的な向上を図ります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略①前中期経営計画「KBK プラスワン 2025」総括中長期的な企業価値向上に向け、当グループの持続的成長と積極的な株主還元を実現させるため「KBK プラスワン 2025」では、3つの重点施策に取り組みました。1つ目の「新分野における事業展開と投資実行」においては、洋上風力発電分野やEV関連分野などへの事業拡大を果たすとともに、洋上風力発電分野の株式会社TWD Japan、汎用プラスチック・エンジニアリングプラスチック及び溶射材などを扱う株式会社三幸商会、船舶補修部品に強みを持つ株式会社ウエルストンの3社のM&Aを実現させました。2つ目の「株主価値に資する資本政策の実行」においては、ROEの改善や累進配当の導入などにより、株主価値の向上に努めました。3つ目の「“想像”し“創造”できる人材の育成」においては、研修等を通じて若手を中心に、新たな価値を創出できる人材育成に努めました。これら重点施策の着実な進捗を背景に、前中期経営計画5か年の連結業績は売上・利益ともに順調に拡大を続け、最終年度におきましても、経常利益は目標の19億円を大きく上回る28億円を計上し、ROEにつきましても目標の5.4%を超える6.0%を達成いたしました。 ②「中期経営計画 2028」Beyond NEXUS前中期経営計画の成果と課題を踏まえ、当グループは2027年3月期からの3ヵ年を対象とする「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSをスタートさせます。本計画では、政府の成長戦略と連動する「防災」「防衛」「エネルギー」「モビリティ」「半導体」の5分野を重点領域と定め、経営資源を集中いたします。また、3カ年で50億円以上のM&A等投資枠を設定し、非連続な成長を目指します。2029年3月期を最終年度とする定量目標は以下のとおりであり、中長期的な企業価値の向上を追求してまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当グループを取り巻く経営環境は、「脱炭素・エネルギー転換」、「地政学リスクとサプライチェーン再構築」、「デジタル化・AI活用の加速」、及び「人手不足と労働力構造変化」といったメガトレンドの渦中にあります。 これらの環境変化を的確に捉え、持続的成長と企業価値向上を実現するため、「中期経営計画 2028」Beyond NEXUSの基本方針である「ビジネスモデルの高度化と収益構造の転換」に基づき、以下の5つの重点テーマを優先的に対処すべき課題として設定し、取り組んでまいります。 ① 事業ポートフォリオ戦略資本コストを上回るリターンを創出するため、ROICを経営の軸とした事業評価を全社に浸透させ、収益性と成長性の観点から経営資源の最適配分を行うことが喫緊の課題であります。ROICを基準とした事業評価に基づき、低収益事業の構造改革や資産圧縮に取り組みます。これにより創出した経営資源を、極東貿易の成長を牽引する「防災」「防衛」「エネルギー」「モビリティ」「半導体」の5つの重点領域へ集中的に配分し、売上高の伸長と資本効率の向上を両立させてまいります。 ② M&A戦略オーガニックな成長に加え、重点領域における非連続な成長を実現するため、M&Aや事業投資の実行とその後のPMIを成功させることが重要な課題です。「3ヵ年で50億円以上」の投資枠を活用し、重点領域を補完・拡張する戦略的M&Aを継続いたします。また、PMIプロセスを標準化し、グループシナジーの早期最大化を図ります。 ③ エリア・パートナー戦略地政学リスクが顕在化するなか、グローバルサプライチェーンの変動に対応し、成長市場における確固たる事業基盤を構築することが課題です。経済成長が著しい東南アジア・インドや、堅調な需要が見込まれる米州へ経営資源を集中させます。現地の優良なパートナー企業との協業や、各拠点における現地人材の登用(ローカリゼーション)を推進することで、各地域に根ざした強固な収益基盤を確立してまいります。 ④ 人材・組織戦略当グループの競争力の源泉である「技術力」と「提案力」を支える、高度な専門性を有する人材の確保・育成が課題です。次世代リーダーの計画的な育成や、多様なバックグラウンドを持つ人材が能力を最大限に発揮できる人事・評価制度を構築します。同時に、ワークライフバランスの推進や女性管理職の登用拡大など、従業員エンゲージメントを高める職場環境の整備に注力し、多様な才能が躍動する「自律型プロ集団」を形成します。 ⑤ DX戦略激変する市場環境において競争優位性を確立するため、デジタル技術を活用した業務改革とデータに基づく迅速な意思決定(インテリジェンス経営)が不可欠です。全社的な基幹システムの刷新やデータ活用基盤の整備を通じ、業務プロセスの徹底的な効率化を図ります。これにより、顧客ニーズへ柔軟かつ迅速に対応できる強靭な組織体制を構築いたします。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであります。 (1) マクロ経済環境の影響によるリスク当グループはグローバルにビジネスを展開し、売上高のうち輸出入取引と外国間取引は約5割を占めており、取扱製品、取扱サービスの販売先国、仕入先国または各地域の経済状況、景気動向および各国市場の影響を受けます。輸出入取引においては、米国の関税政策等による貿易障壁の増加によって当グループの取引品目に制約がかかる可能性も想定され、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な金融引き締め、原材料価格やエネルギー価格の高騰、為替といった世界経済の動向、また地政学リスクに伴う需要の変動が、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替リスク当グループが行う輸出入取引及び外国間取引において外貨建決済を行うことに伴い、外貨レート変動のリスクがあります。これらの取引に対し為替予約によるヘッジを行っておりますが全てが回避される保証はありません。この他、当グループの海外企業との取引により発生する販売仕入、費用、資産を含む当該外貨建ての項目は円換算されており、換算時の為替レートによりこれらの項目の円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。 (3) 製品に関するリスク当グループが製品を輸入し国内で販売する場合には当グループが製造物責任(PL)の責任主体とされるほか、輸出する製品についても輸出先において製品の欠陥に基づく賠償を請求される可能性があります。PL保険によりリスクヘッジを講じておりますが、最終的に負担する賠償額を全てカバーできる保証はなく、欠陥によっては賠償額が多額となることも考えられ、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 投資に関するリスク当グループは、第三者との合弁事業、第三者に対する投資を通じて多様な事業分野に参入しております。しかしながら、これらの事業の進展は、当該事業のパートナーの業績や財政状態といった当グループが制御しえない要因による場合があり、その予測が困難なことがあります。その結果、当グループが重大な損失を被る可能性があり、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) カントリーリスク海外との取引、投資、資本・業務提携等の海外市場への事業進出には、各国および各地域の環境、経済情勢、諸事情により、法律や規制の変更、政治不安定、不利な税制や経済要因、テロ、戦争その他の社会的混乱等に起因したリスクが想定されます。また、当グループが事業活動を展開している各国における政治、法環境、税制の変化、労働力の確保、経済状況の変化など予期せぬ事象により、代金回収、事業の遂行等に問題が生じるおそれがあります。 (6) 競合に関するリスク当グループが提供する商品及びサービスの市場においては、従来の競合会社に加え、近年においては特に新興国企業の技術力の進展や低価格品の流通により、競合が激化しております。このような厳しい環境の中においても、当グループは、エンジニアリング商社グループとしての技術力を一層向上し、より高い付加価値を顧客に提供することにより、当グループの収益力を強化するとともに、海外戦略やグループ戦略を軸に事業展開を拡大する方針でありますが、低価格競争や新規参入業者の増加に対して、顧客の求める競争力のある価格で商品や技術等を提供できない場合は、当グループの業績や事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 売上計上時期の変更及び業績の偏重に関するリスク当グループの売上高の計上時期は、顧客の検収時期等により変動するため、当初の予定時期から変更する場合があります。特に大口の機械又は設備の納入案件及び官公庁向けの案件については、年度末となる3月に納入時期が集中する傾向にあり、3月に納入を予定していた案件の納入時期や顧客の検収時期が何らかの理由により翌期に変更となった場合、又は3月に納入を見込んでいた案件を受注できなかった場合は、当グループの当期の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 人材の確保に関するリスク当グループの事業活動において、優れた人材の確保および育成は必須の要素となります。特に、エンジニアリングや先端技術の発掘などにおいて専門性の高い人材の確保が困難となった場合には、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) コンプライアンスに関するリスク当グループは事業展開する国内外において様々な法律の適用を受けるほか、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な規制の適用を受けます。これらの法規制遵守のための費用負担が増加する可能性があるほか、これらの法規制を遵守出来なかった場合には、罰則・罰金が科せられるとともに、事業活動が制限され信用の低下を招くことで、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 退職給付費用および債務に関するリスク当グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には、将来の費用および計上される債務に影響を及ぼします。割引率の低下や運用利回りの悪化は、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 訴訟等に関するリスク当グループは、事業を遂行する上で、訴訟等を提起されることにより予期せぬ賠償請求を命じられる可能性があり、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 自然災害等に関するリスク 地震や台風等の自然災害、新型の感染症等が発生した場合には、事業継続計画(BCPプラン)に基づき対応してまいりますが、サプライチェーンや商品の調達、提供等に支障が生じ、当グループの事業が遅延または中断する場合も想定され、発生時には当グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。 (13) システムおよび情報セキュリティに関するリスク 当グループは国内外に事業を展開しており、情報システムおよびネットワークの構築・運用は大変重要であり、その依存度も高まってきております。情報システムの安全性を確保し、情報セキュリティを強化して障害対策を行うことに併せ、役職員に対してのトレーニング等も実施しております。加えて、関連規程を整備することで役職員への周知を行い、情報システムの保全と情報管理の徹底に取り組んでおります。 しかしながら、予期不能のシステム障害や外部からの不正サイバー攻撃などにより、情報システムの停止や個人情報・機密情報等が漏洩し、業務の停止や信用が失墜するなどの事態に陥ることも想定され、その場合には当グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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