群馬銀行(8334)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


群馬銀行(8334)の株価チャート 群馬銀行(8334)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

当行及び当行の関係会社は、当行、連結子会社6社、持分法適用の非連結子会社2社及び持分法適用の関連会社1社で構成され、銀行業務を中心にリース業務などの金融サービスを提供しております。

当行及び当行の関係会社の事業に係わる位置づけは次のとおりであります。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

〔銀行業〕

当行は、群馬県を主要な営業基盤とする地域金融機関として、預金業務及び貸出業務に加え、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、投資信託・保険商品等の窓口販売業務、信託業務等を行い、地域のお客さまに幅広い金融商品・サービスを提供しております。

〔リース業〕

連結子会社のぐんぎんリース株式会社は、地域のお客さまを中心にリース業務などの金融サービスを提供しております。

〔その他〕

連結子会社の群馬中央興業株式会社は物品等の輸送及び現金自動設備の保守等業務、ぐんぎん証券株式会社は証券業務、ぐんぎんコンサルティング株式会社は経営コンサルティング業務(コンサルティング業務、人材ソリューション業務、地域商社及びマーケティング・広告業務等)、ぐんま地域共創パートナーズ株式会社はファンドの組成・運営業務、群馬信用保証株式会社は保証業務を行っております。

また、持分法適用の非連結子会社2社は、クレジット業務やシステム開発、販売業務を行っております。

なお、持分法適用の関連会社1社は、投資信託委託業務を行っております。

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 



有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当行グループ(当行及び連結子会社等)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(1) 企業理念

・地域社会の発展を常に考え行動すること、これが私たちの事業です。

・お客さまとの創造的な関係を深めること、これが私たちの仕事の原点です。

・よき企業人であるためによき市民であること、これが私たちの活動の基本です。

・一人ひとりの顔が見える表情豊かな組織であること、これが私たちの大切にする企業風土です。

 

(2) パーパス

 私たちは「つなぐ」力で 地域の未来をつむぎます

 

 

当行は、企業理念をもとに、当行グループが何のために存在し、独自の強みを活かして社会にどんなことを働きかけられるかという観点から、パーパスを2021年11月に制定しました。パーパスの『「つなぐ」力』は、お金(金融)だけでなく、地域・企業・人々を「つなぐ」ことや、当行グループが持つサービスや情報などの資源を地域・企業・人々に「つなぐ」ことを通して、さまざまな価値と価値をつないだり、新たな価値を生み出したりすることを表現しています。また、「地域の未来をつむぐ」は、地域(当行が本店を置く群馬県だけでなく当行のネットワークが及ぶ地域や企業・人々といったステークホルダー全般)の豊かな未来をつむいでいく存在でありたいという思いを表しています。

 

(3) 中期経営計画

2022年4月からスタートした中期経営計画「Innovation for“Purpose”」では、過去3年間の中期経営計画「Innovation 新次元」における成果と課題に基づき、現在の取組みをさらに深掘りしていくとともに、当行が2021年11月に定めたパーパス「私たちは『つなぐ』力で 地域の未来をつむぎます」を実現していくために、めざす未来を起点として社会やお客さまの課題解決に対して積極的に取り組んでまいります。

 

 <基本方針>

 ①「つなぐ・つむぐ」の基盤となるデジタル戦略の遂行

 ② 5つの改革による 「つなぐ」力の強化

 ③「つなぐ」力の発揮により 未来を「つむぐ」

 

 

 

 <戦略テーマ>

 

 [5つの改革]

 過程や自律性を重視した営業プロセス改革

 生産性向上に資する業務プロセス改革

 環境の変化やお客さまのニーズを捉えたチャネル改革

 創造力発揮に向けた人材改革

 強みの強化・補完を目的とした外部連携改革

 

 

 [5つの視点「地域」「企業」「個人」「グループ」「当行」]

 地域のサステナビリティへの積極関与などSDGs・ESGへの取組み

 企業へのコロナを踏まえた金融・本業・事業承継支援

 個人のお客さま一人ひとりに寄り添ったコンサルティング

 グループ総合力による新事業の探索と既存事業の深掘り

 当行の経営体質強化による「つなぐ」力の持続的発揮

 

 

 

 <中期経営計画 骨子>

 


 

 <2024年3月期の取組み>

 

  当行グループの「めざす未来」の実現に向けて

当行は、パーパスにもとづくめざす未来を「地域社会と当行グループの持続的な発展」と定め、その実現に向けた経営に取り組んでいます。

2022年4月にスタートした中期経営計画「Innovation for "Purpose"」は、現在の深掘り(フォアキャスティング)と、めざす未来からの逆算(バックキャスティング)により策定したもので、デジタル技術の活用を基盤とし、5つの改革による「つなぐ」力の強化と「つなぐ」力の発揮により未来を「つむぐ」ことを基本方針として掲げています。

中期経営計画の2年目となる2024年3月期は、この基本方針に基づき、主に以下の施策に取り組みました。

 

  5つの改革による「つなぐ」力の強化

当行では「つなぐ」力の強化にむけて、過程や自律性を重視した営業プロセス改革や、生産性向上に資する業務プロセス改革、お客さまとの接点拡充に向けたチャネル改革、創造力の発揮に向けた人材改革、アライアンスなど外部連携改革に取り組んでいます。

営業プロセス改革について、当行では2022年10月から、「つなぐプロセス」を通じたゴールベース・ニーズベースの営業活動を展開しており、お客さまのめざす姿(ゴール)の実現に向けて、経営課題の把握を起点としたソリューション提案を実践しています。

業務プロセス改革の一環として、2024年3月、全店に「店頭タブレット」を導入しました。「店頭タブレット」では、お客さま自身の操作により、預金口座の開設などの手続きが完結するため、利便性の向上はもとより、行内の業務効率化につながっています。

チャネル改革として、2023年7月には、事業者向けのポータルサイト「ぐんぎんビジネスポータル」を導入し、同年9月には「ぐんぎんアプリ」の利便性向上に向けた、投信取引サービスを追加しました。

人材改革の一環として、2023年6月には人的資本の充実を目的とし、新たに「人材育成方針」を策定しました。この「人材育成方針」に基づき、行員一人ひとりの個人パーパスを起点とした、自律的なキャリア形成と挑戦を支援しています。

 

外部連携改革について、TSUBASAアライアンスを通じて、協調融資などトップライン向上や、API基盤の共同化等によるコスト削減に取り組んでいます。また、群馬・第四北越アライアンスでは、2024年1月、建替えにより新たに完成した「群馬銀行池袋ビル」に、当行の池袋支店と第四北越銀行の池袋支店がそれぞれ入居し営業を開始しました。両行が同じビルに入居し営業活動を行うことで、連携の強化に取り組んでいます。

足利銀行とのりょうもう地域活性化パートナーシップでは、自動車産業に対する本業支援や、お客さまへの金融支援を通じて、両毛地区の活性化に向けて取り組んでいます。

 

  「つなぐ」力の発揮により未来を「つむぐ」

当行では未来を「つむぐ」活動として、地域のサステナビリティへの積極的な関与や、お客さまへの金融・本業支援、グループ総合力の発揮に向けた取組みを行っています。

地域の脱炭素化に向けた取組みとして、2023年5月、東京電力グループが運営する尾瀬片品発電所のネーミングライツを取得するとともに、2024年1月からは、同発電所由来の再生可能エネルギーの調達を開始しています。また、ファイナンスを通じてお客さまのESG課題の解決を支援していくため、2023年7月、サステナブルファイナンスのラインアップを拡充しました。

お客さまの本業支援に向けた取組みとして、子会社のぐんぎんコンサルティング株式会社では、株式会社きらぼしコンサルティング、綺羅商務諮詢(上海)有限公司、KIRABOSHI BUSINESS CONSULTING VIETNAM COMPANY LIMITEDの3社との提携により、2023年10月から新たに、海外事業コンサルティングを開始しました。また、同社では、地域商社事業として新たにクラウドファンディングサイトやECサイトを開設し、お客さまの商品・サービスの認知度向上や、販路拡大に向けた支援を行っています。

グループ総合力の発揮について、子会社の株式会社群銀カードとの共同により、2024年1月よりVisa/JCBブランドのデビットカードの取扱いを開始しました。群馬県に本店を置く金融機関では初めての取組みであり、群馬県を始めとする当行の営業エリアのキャッシュレス化を促進し、お客さまの利便性向上や地域経済の発展に努めていきます。

 

 [主な取組実績]

 

<基本方針①:「つなぐ・つむぐ」の基盤となるデジタル戦略の遂行>

 

・事業者向けのポータルサイト「ぐんぎんビジネスポータル」の導入

・TSUBASAアライアンスを通じたAPI基盤の共同化

<基本方針②: 5つの改革による「つなぐ力」の強化>

 

営業プロセス改革

・お客さまのめざす姿(ゴール)の実現に向けた、経営課題の把握を起点としたソリューション提案の実践

業務プロセス改革

・「店頭タブレット」の全店導入

チャネル改革

・「ぐんぎんアプリ」の機能拡充(投信取引サービス)

人材改革

・人的資本の充実を目的とした「人材育成方針」の策定

外部連携改革

・群馬銀行池袋ビル(当行池袋支店入居)における、株式会社第四北越銀行池袋支店の営業開始

・株式会社足利銀行との連携協定「りょうもう地域活性化パートナーシップ」による取組み(自動車産業に対する本業支援、お客さまへの金融支援)

<基本方針③:「つなぐ」力の発揮により 未来を「つむぐ」>

 

地域

・東京電力グループが運営する尾瀬片品発電所のネーミングライツ取得

企業

・サステナブルファイナンスの商品拡充

個人

・株式会社群銀カードとの共同による、デビットカード(ぐんぎんデビット)の発行開始

グループ

・ぐんぎんコンサルティング株式会社によるクラウドファンディングサイト

 「TSUNAGU+」(つなぐプラス)およびオンラインショッピング(EC)サイト

 「TSUNAGU+ストア」の開設

当行

・当行がネーミングライツを取得した発電所に由来する再生可能エネルギーの調達開始

 

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2022年中期経営計画「Innovation for“Purpose”」において目標とする2025年3月期の経営指標「連結計数計画」及びパーパスの実現につながる主要計数「つなぐKPI」は、以下のとおりであります。

 

<連結計数計画>

目標とする指標

2025年3月期

目標

 

2024年3月期

実績

コア業務純益 (除く投資信託解約損益)

算出方法:資金利益(除く投資信託解約損益)+非金利業務利益-経費

450億円

 

454億円

非金利業務利益

算出方法:役務取引等利益+その他業務利益(除く国債等債券損益)

250億円

 

242億円

親会社株主に帰属する当期純利益

算出方法:当期純利益-非支配株主に帰属する当期純利益

300億円

 

311億円

 

グループ会社最終利益

算出方法:親会社株主に帰属する当期純利益-銀行単体当期純利益

40億円

 

29億円

RORA

算出方法:親会社株主に帰属する当期純利益÷リスクアセット

0.7%以上

 

0.81%

OHR

算出方法:営業経費(除く臨時費用)÷(業務粗利益-国債等債券損益)

55%程度

 

57.8%

ROE

算出方法:親会社株主に帰属する当期純利益÷期首期末平均自己資本

5%以上

 

5.7%

総自己資本比率

算出方法:総自己資本÷リスクアセット

13.5%以上

 

14.86%

 

 

<つなぐKPI>

目標とする指標

2025年3月期

目標

 

2024年3月期

実績

貸し手と借り手を「つなぐ」

サステナブルファイナンス実行額 (3年間累計)(注)

8,000億円

 

4,147億円

住宅ローン実行額 (3年間累計)

4,000億円

 

1,234億円

無担保消費者ローン残高 (2025年3月末時点)

750億円

 

713億円

お客さまを     「つなぐ」

ビジネスマッチング成約件数 (3年間累積)

3,000件

 

1,099件

企業と人を    「つなぐ」

人材紹介成約件数 (3年間累積)

200件

 

100件

お客さまの未来に資産を「つなぐ」

預かり金融資産残高(連結) (2025年3月末時点)

1兆2,500億円

 

1兆1,542億円

 

うち投資信託残高(連結) (2025年3月末時点)

4,000億円

 

4,114億円

次世代へ      「つなぐ」

事業承継課題解決件数(3年間累積)

600件

 

444件

相続関連業務成約件数(3年間累積)

1,000件

 

350件

パーパスに基づく営業活動による  主要計数

貸出金利益

545億円

 

558億円

法人役務収入(連結)

65億円

 

75億円

預かり金融資産等収入(連結)

90億円

 

76億円

 

 

※ つなぐKPIは、「つなぐ」力を発揮することで、社会的価値(社会課題の解決や地域の持続的成長)と経済的価値(当行グループの持続的成長)の両方に資する計数として設定しております。

(注)持続可能な社会の実現に向けた取組みをより一層進めていくため、2023年9月に2025年3月期目標を5,000億円から8,000億円に引き上げました。

 

(5) 金融経済環境

当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により、経済社会活動の正常化が進み、緩やかに回復しました。個人消費は、物価上昇の影響を受けたものの、緩やかに持ち直しました。輸出は、持ち直しの動きに足踏みがみられました。設備投資は、持ち直しの動きがみられました。生産は、底堅く推移しましたが、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響で下押しされました。

県内経済は、資源高の影響は残るものの、持ち直しました。個人消費は、緩やかな増加が続きました。生産は、年明けから回復しました。設備投資は、上下動はあるものの、おおむね横ばい圏の推移となりました。公共投資は、底堅く推移しました。住宅投資は弱い動きとなりました。

金融面では、2月に日経平均株価はバブル期の最高値を34年ぶりに更新しました。また、日本銀行は3月の金融政策決定会合で金融緩和政策を見直し、マイナス金利を解除、長短金利操作を撤廃しました。日本の長期金利の指標である10年国債利回りは、秋以降、おおむね低下基調で推移しましたが、3月に入りマイナス金利解除の思惑から0.8%近辺まで上昇しました。しかし、金融政策決定会合では、マイナス金利が解除される一方、緩和的な金融環境が継続するとの考えが示されたことから、10年国債利回りは低下に転じました。

 

(6) 経営環境及び対処すべき課題

足元では、日本銀行によるマイナス金利政策の解除に伴い、銀行にとっては預貸金利ざやの改善等が期待される一方で、地域の情勢をみると、人口減少や高齢化、基盤産業の強化など様々な課題に直面しています。

また、個人のお客さまにとっては、原油高・円安による物価上昇の影響、事業者のお客さまにとっては、後継者不足への対応や賃金コスト上昇分の適切な価格転嫁の必要性など、これまで前提としてきた環境が大きく変わりつつあります。

当行では、こうした状況を踏まえ、お客さまや地域の持続的な成長を支援するため、群馬銀行グループが一体となり、以下の取組みを行っています。

 

「お客さまの資産形成に向けた取組み」

住宅の取得や教育資金の準備、将来に向けた資産形成など、個人のお客さまのライフステージに応じた適切な商品・サービスの提供により、当行ではお客さまの豊かな未来のサポートに取り組んでいます。投資信託など運用商品の提案にあたっては、新NISA制度の活用や、子会社のぐんぎん証券株式会社との連携を通じて、長期的な視点からお客さまの資産形成をサポートしています。

 

「お客さまの本業支援に向けた取組み」

事業者のお客さまが抱えている、後継者難や人手不足への対応として、当行では事業承継支援やM&Aのほか、子会社のぐんぎんコンサルティング株式会社を通じて、人材ソリューション事業を展開しています。また、お客さまの事業拡大や設備投資にあたっては、融資だけでなく、事業計画の策定支援や投資専門子会社による出資検討、補助金の紹介や仕入・販売先とのマッチングなど、初期段階から深く関与し、お客さまの事業活動をトータルでサポートしています。

 

「地域の活性化に向けた取組み」

地域活性化の取組みの一例として、当行では2024年1月、伊香保温泉街の活性化に向けて子会社のぐんま地域共創パートナーズ株式会社が運営するファンドを通じて、地域事業者との共同により、まちづくり会社の石楽株式会社を設立しました。このまちづくり会社では、取得した旅館をリノベーションすることで、飲食店などを誘致し、街のにぎわいを創出するほか、自治体など地域のステークホルダーと連携し、温泉街の活性化に取り組んでいます。

 

中期経営計画の最終年度となる2025年3月期においても、こうした取組みを継続し、お客さまや地域の持続的な成長を促進するとともに、その結果として、当行も持続的に成長していくことで、パーパスの実現をめざしてまいります。

パーパスに基づく営業活動の定着により、資金利益や非金利業務利益をさらに伸ばすことでROEの向上を図り、併せて資本コストも適切にコントロールしていくことで、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

<主要なリスク>

当行が直面しているリスクには、大きく分けて信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクがあります。

主要なリスク

リスクの内容

信用リスク

取引先や有価証券の発行体が、業況悪化などの原因により、約定通り利息支払や元金返済・償還ができなくなることで当行が損失を被るリスク

市場リスク

金利、為替、株価など市場要因の変動により、当行が損失を被るリスク

流動性リスク

金融市場の混乱や当行の信用力の低下等により、市場において取引ができない又は通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより当行が損失を被るリスク

オペレーショナル・

リスク

銀行の業務の過程、役職員及び派遣社員等の従業者の活動若しくはシステムが不適切であること、または外生的な事象により当行が損失を被るリスクをいいます。当行では、オペレーショナル・リスクを更に以下の5つに区分して管理しております。

① 事務リスク

役職員等が正確な事務を怠る、あるいは、事故・不正等を起こすことにより損失を被るリスク

② システムリスク

コンピュータシステムのダウン又は誤作動などのシステムの不備等に伴い損失を被るリスクやコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスク

③ 有形資産リスク

災害や資産管理の瑕疵等の結果、有形資産の毀損等により損失を被るリスク

④ 人的リスク

不適切な就労状況・職場・安全環境、人材の流出・喪失、士気の低下、不十分な人材育成等により損失を被るリスク

⑤ 法務リスク

法令や契約等に違反すること、不適切な契約を締結すること、その他の法的原因により損失を被るリスク

 

 

これらのリスクは様々な要因により顕在化しますが、当行では、損失を最小限に抑えるために想定される要因について継続的なモニタリングを行い、早期に察知し対応することに努めるとともに、自己資本比率による管理や統合的リスク管理などにより、大きなストレス下においても、損失が自己資本の範囲内に収まるよう管理しております。

なお、当行のリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況」4 コーポレート・ガバナンスの状況等の (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ④ 企業統治に関するその他の事項をご参照ください。

 

 

<リスクの顕在化が想定される主な要因>

 

1 財務面に関する要因

取引先の業況の悪化

 

国内外の経済情勢、特定地域や特定業種の固有の事情の変化等により、取引先の業況が悪化した場合、与信関係費用や不良債権が増加し、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、貸出に際しての厳正な審査、貸出実行後の管理の充実、経営改善支援等により損失を最小限にとどめるよう努めております。また、適時適切な債務者格付とこれに基づく自己査定、貸倒引当金における長期平均実績による引当率の算出や一定以上の大口先へのDCF法の適用等、短期的な与信費用の変動を抑制するよう努めております。

金利の上昇

 

主要国の金融政策の変更や市場の混乱等により金利が上昇した場合、保有する債券の価格が低下し、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、有価証券投資にあたっては、償還バランス等に配慮した投資によるリスクの分散や金利に影響を及ぼす各種指標のモニタリングと迅速に対応する態勢の整備等により損失を最小限にとどめるよう努めております。

株価等の下落

 

国内外の経済情勢や株式市場の需給関係の悪化等により株価等が下落した場合、保有する株式等の価格が低下し、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、業種・銘柄等の分散によるリスクの分散や市場動向に応じて迅速に対応する態勢の整備等により損失を最小限にとどめるよう努めております。

資金調達条件の悪化

 

当行の格付低下、世界的な市場の混乱や金融経済環境の悪化等により当行の資金調達条件が悪化した場合、資金調達費用が増加したり、外貨資金調達等に困難が生じる等、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、資金繰り管理部署を定め、海外支店を含めて日次、週次、月次等の資金繰りを厳格に管理し、また、国債等流動性の高い資産を一定以上保有するなど円滑な資金繰りに努めております。さらに、万一の場合に備えて「危機管理計画」(コンティンジェンシープラン)を策定し、様々なケースに対応できる態勢を整備しております。

退職給付制度の変更

 

年金資産の時価の下落、年金資産の運用利回りの低下及び予定給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合等には、退職給付費用が増加する可能性があり、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

自己資本比率の低下

 

当行は、海外営業拠点を有しておりますので、連結自己資本比率及び単体自己資本比率は「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められる国際統一基準が適用されます。仮に、当行の自己資本比率が低下し要求される水準を下回った場合には、金融庁から社外流出の制限、業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなり、当行の業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、自己資本比率を主要指標のひとつとして毎期の資本計画や投融資計画を策定しております。また、ストレス・テストによる充分性の検証や、アラームポイントを設けて抵触した場合には速やかに対応を協議する態勢とする等、自己資本比率が要求される水準を下回ることがないよう努めております。

 

 

 

2 業務面に関する要因

マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融及びその他経済制裁違反に係る管理態勢の不備

 

マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融の脅威や、その他経済制裁違反に係る規制の枠組みは、国内・海外を問わず常に変化しております。当行のこれらのリスクに対する管理態勢が不十分となった場合、更なる対策強化に伴う想定外のコストの発生、コルレス契約の解除による海外送金業務等の一部停止、制裁的課徴金の発生、社会的信用の失墜などにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融及びその他経済制裁違反への対策強化のため、リスクに応じた取引時確認の厳格化や不審な取引を検知するシステムの導入など、実効性のある管理態勢の構築に努めております。

システム障害、サイバー攻撃被害

 

コンピュータ機器や通信回線の故障、プログラムの不具合などによるコンピュータシステムの停止または誤作動や、コンピュータの不正使用または外部からの攻撃などによる情報の破壊や流出が発生した場合、決済機能やサービスの停止、社会的信用の失墜などにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、システム障害発生の未然防止や発生した場合の影響を最小限にするため、金融情報システムセンター(FISC)が定める基準に基づき、安全対策を実施しております。また、サイバー攻撃に対しては、必要な対策に加え、外部団体との情報共有やサイバー攻撃に係る訓練、演習等を通じて、管理態勢の継続的な強化を図っております。

自然災害、犯罪・テロ等による被害

 

大規模地震等の自然災害の発生、停電等の社会インフラ障害、あるいは犯罪やテロ等の発生で当行が保有する店舗、本部棟、電算センター等の施設が被害を受けることにより、当行の業務運営に支障を来し、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、非常事態の発生に対し、迅速かつ適切に対応できるようにするため、平時より危機管理計画(BCP)を整備し、その実効性を確保するため、定期的な訓練と内容の見直しを実施しております。特に大規模地震災害などに対しては、想定される影響の大きさを踏まえ、バックアップオフィスやバックアップシステムなどの態勢を整備しております。

人事運営上の諸問題の発生

 

人事運営上の諸問題(報酬・手当・解雇等の問題)、差別的行為(ハラスメント等)等により、行政処分や損害賠償請求等を受けることにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

不祥事件、訴訟等の発生

 

法令解釈の相違、当行及び役職員の法令違反行為等に起因して法令諸規則や契約内容を遵守できなかった場合には、行政処分や損害賠償請求等を受けることにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、法令違反行為の発生や不適切な契約締結を行わないよう、案件に応じて顧問弁護士の見解等を得ながら、法的問題に関する事案や各種契約書のリーガル・チェックを担当部署で実施する態勢を整備しております。

情報漏洩の発生

 

当行は、個人情報保護法に対応し情報管理体制の強化を図っております。

しかしながら、こうした対策が有効に機能せず、内部者、外部者による不正なアクセスなどにより、顧客情報や経営情報などの漏洩、紛失、改ざん、不正使用などが発生した場合、当行の社会的信用の失墜などにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

事務事故の発生

 

各種取引に伴う事務を適宜適切に処理しなかったことにより事務事故が生じ、金融資産の喪失や原状回復などに係る対応費用などの発生、あるいは社会的信用の失墜などにより,当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

外部委託先での事故等の発生

 

当行業務の委託先において、事務事故、システム障害、情報漏洩などが発生した場合、社会的信用の失墜などにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、業務の外部委託を行う場合、自ら実施する場合と同様の業務水準を維持するために「外部委託管理規定」を制定し、外部委託時、委託期間中、委託終了時の手続き等を定め、外部委託した業務における顧客保護等管理及びオペレーショナル・リスク管理が十分機能するように努めております。

 

 

 

3 その他の要因

風評の発生

 

当行及び銀行業界に対するネガティブな報道や悪質な風評により、それが事実であるか否かにかかわらず、流動性リスクを誘発することなどにより、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

各種規制の変更

 

当行は現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って業務を遂行しております。将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈、財政及びその他の施策の変更並びにそれらによって発生する事態が、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

競争の激化

 

日本の金融制度は大幅に規制が緩和されてきており、これに伴い競争が激化してきております。その結果、他金融機関等との競争により想定した収益があげられず、当行の業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

気候変動による影響

 

異常気象に伴う大規模災害が発生した場合、当行の役職員や店舗への直接的な被害により当行の業務継続に支障が生じるほか、取引先の財務状態や担保資産の価値に悪影響を及ぼし、当行の与信関係費用が増加する可能性があります。また、中長期的な気候変動に対する政策変更や規制強化、技術革新等による低炭素社会への急速な移行等に伴う取引先の業績悪化が起こることにより、当行の与信関係費用が増加する可能性があります。

経営戦略が奏功しない場合の影響

 

当行は、2022年4月から2025年3月までの3年間を計画期間とする「2022年中期経営計画『Innovation for“Purpose”』」に基づき、諸施策を展開しております。しかしながら、経済状態全般の悪化、地域経済の悪化、お客さまの経営状態の悪化などによる想定外の不良債権処理費用の発生などにより目標とした利益などが確保できないこともあり、結果として経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

その他

 

大規模な自然災害や犯罪、感染症拡大、テロ行為、地政学的リスクの顕在化など、当行グループのコントロールが及ばない事態の発生により、当行グループの財務面・業務面に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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