オリエントコーポレーション(8585)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


オリエントコーポレーション(8585)の株価チャート オリエントコーポレーション(8585)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 オリエントコーポレーショングループは、オリエントコーポレーション、連結子会社18社及び持分法適用会社4社にて構成され、主な事業活動は以下のとおりとなります。

 

(1) 個品割賦事業

お客さまがオリエントコーポレーションの加盟店から商品の購入やサービスの提供を受け、分割払い等を希望する場合、オリエントコーポレーションがお客さまの信用調査を行い、承認したお客さまに代わり加盟店へ利用代金を立替払いし、お客さまはオリエントコーポレーションに分割払い等にて支払います。

主要な商品は「オートローン」「オートリース」「ショッピングクレジット」となります。

 

(2) カード・融資事業

お客さまからクレジットカード申込を受け、オリエントコーポレーションが信用調査を行い、承認したお客さまに対してクレジットカードを発行します。

お客さまはクレジットカードにて、1回払い又は分割払い・リボルビング払いで商品やサービスの提供を受け、オリエントコーポレーションがお客さまに代わり加盟店へ利用代金を立替払いし、お客さまはオリエントコーポレーションに約定に基づいて支払います。

クレジットカードには、オリエントコーポレーションの「プロパーカード」、加盟店と提携して発行する「提携カード」、法人代表者や個人事業主向けの「ビジネスカード」があり、ショッピング機能のほかにキャッシング機能が付帯されております。また、別に融資専用の「ローンカード」の発行や目的ローン等の無担保融資等を行っております。

 

(3) 銀行保証事業

お客さまが提携金融機関に借入を申し込むにあたり、オリエントコーポレーションが信用調査を行い、承認したお客さまの債務を保証するものであります。

 

(4) 決済・保証事業

 ①家賃決済保証

お客さまが入居を希望するアパート・マンション等の毎月の賃料を、グループ会社が信用調査を行い、承認したお客さまの債務を保証するものであります。

 ②売掛金決済保証

企業間取引における売掛金を、オリエントコーポレーションが信用調査のうえ承認した法人より集金し、加盟店へ支払い及び保証を行っております。

 ③集金代行

加盟店からの依頼に基づきお客さまから各種費用の徴収・収納代行を行っております。

 ④小口リース保証

法人や個人事業主のお客さまからの提携リース会社に対するリース申込に際し、オリエントコーポレーションが信用調査を行い、承認したお客さまの保証を行います。また、お客さまとのリース契約は提携リース会社が行っております。

 

(5) 海外事業

タイ、フィリピン及びインドネシアにおけるオートローン及びこれに関連する事業を行っております。

 

[事業系統図]

 オリコグループの事業系統図は、次のとおりであります。(2025年3月31日現在)

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 オリエントコーポレーショングループの理念、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてオリエントコーポレーショングループが判断したものであります。

(1) 理念等

オリエントコーポレーショングループは、2024年4月からステークホルダーに果たすべきパーパスや全従業員が共有すべきバリューから成る「理念」をすべての企業活動の基盤として位置付けました。

また、理念の制定を受け、当該理念とサステナビリティ経営との整合性を担保すべく、めざすサステナビリティ経営像を明確にするため、「サステナビリティ基本方針」を「オリコがめざすサステナビリティ」に改正いたしました。

 

〔パーパス〕

その夢の、一歩先へ

Open the Future with You

〔バリュー〕

正しさを求める 信頼を育む

未来を想う   挑戦を楽しむ

 

〔オリコがめざすサステナビリティ〕

わたしたちは、「その夢の、一歩先へ」というパーパスを掲げています。これには、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまのパートナーとして、一人ひとりのいまと未来に親身に寄り添い、真摯に向き合い、時には熱意をもってリードするというわたしたちの想いが込められています。

わたしたちがめざすのは、誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会。イノベーションの力で様々な社会課題を解決し、未来の世代へと継承していきたいと考えています。

そのために、わたしたちは信頼されるパートナーとして、すべての企業活動を通じて社会に貢献し、社会価値と企業価値の両立を追求してまいります。

 

(2) 経営戦略

オリエントコーポレーションは、長期目線で社会価値と企業価値の両立をめざす「サステナビリティ」を経営の軸として、10年後のめざす社会・めざす姿を定め、そこからバックキャスティングし、2023年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画をスタートさせております。中期経営計画のスローガンとして「Transformation Now!“お客さま起点で価値を創造する新時代の金融サービスグループへ”」を掲げ、従来型の信販モデルから発展的に脱却し、①デジタル②グリーン③オープンイノベーションを切り口に、新時代の金融サービスグループへの変革(=トランスフォーメーション)を通じて、社会への貢献と企業価値の向上を実現してまいります。

 

 上記をめざし、以下の重点戦略を実践してまいります。

〔事業戦略〕

リスクリターン、コストリターンをベースとした事業ポートフォリオ運営の遂行

・重点市場(決済・保証事業、海外事業)深耕と新規事業の探索

・顧客ニーズを起点としたマーケットイン型営業の確立

・異業種・先端企業との協働による新商品・サービスの創出

・プロセスイノベーションの深掘

〔経営基盤・資本政策〕

・多様性に富んだ人材集団づくり、新時代のための人事の基盤づくり

・プライム市場に適合した体制構築等ガバナンス強化

・財務健全性・資本効率・株主還元の最適なバランス実現、安定的・継続的な配当実施

 

 

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題等

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ移行し行動制限の緩和やインバウンド需要の回復などにより、経済活動及び社会活動の正常化が進みました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東での紛争の深刻化など地政学リスクは世界経済にも大きな影響を与えております。とりわけ、物価高騰への対応として米国をはじめ各国は政策金利を引き上げ、わが国においても17年振りの政策金利の引き上げを行うなど、「金利のある世界」への復帰に向けた大きな節目を迎えております。

こうしたなか、中期経営計画2年目である2024年3月期のオリエントコーポレーション業績は大変厳しいものとなりました。とりわけ、海外事業、特にタイ子会社においては、中国経済減速の影響を受けたタイ経済の低迷もあり、延滞債権の急増とともに貸倒関係費が大幅に増加しました。国内においても重点取組事項と位置付けた個品割賦事業の構造改革の成果刈り取りが次年度以降に持ち越されるなど、海外事業でのマイナス要素を打ち返すことができず、業績の下方修正を余儀なくされる結果となりました。

 

このような状況に加え、今後、市場金利の上昇による金融費用の増加等の影響も勘案し、中期経営計画の経営目標として掲げた最終年度(2025年3月期)の経常利益計画400億円等の達成は極めて困難な状況となったことを踏まえ、経営目標を以下のとおり修正いたしました。

 

 

2025年3月期 経営目標

修正前

修正後

経常利益

400億円以上

200億円

ROE

10%以上

8.5%

営業収益一般経費率

60%未満

60.7%

 

一方、中期経営計画で掲げたグリーン・デジタル・オープンイノベーションを切り口とした成長戦略として、ビジネスカードと請求書カード払いサービスを起点とした中小企業DX支援や、eオリコサービスの刷新とデジタルカードを契機とした新たな顧客体験の提供などに加え、イオンフィナンシャルサービス株式会社との業務提携、株式会社オリコオートリース、株式会社オリコビジネスリースの連結子会社化や株式会社オリコプロダクトファイナンスの完全子会社化など、次の成長ステージに向けて着実に布石を打っております。

 

今後は、リスクリターン、コストリターンに基づく事業ポートフォリオ運営の更なる高度化を図りつつ、海外事業の早期立て直しを進めるとともに、金利上昇など環境が変化するなかでも持続的な成長軌道を確立するための強固な収益基盤の構築が重要だと認識しております。これらの取組みを迅速かつ着実に実践することにより、企業価値の更なる向上を実現してまいります。

 

《重点戦略への取組》

◆事業戦略

重点戦略分野の一つであるタイ・フィリピン・インドネシアのオートローン事業は、中国経済の減速による影響で経済活動が低迷し、特にタイ子会社においては、経済環境の悪化に加え債権管理の不十分さもあり想定以上に延滞債権が急増しました。なお、延滞債権への対応として回収体制の強化や与信の厳格化による債権良質化に努めたことにより、足元の債権パフォーマンスには良化傾向が見られております。今後も不安定な市場環境を考慮しながら営業戦略の再構築を図るとともに、ガバナンス体制・リスク管理をより一層強化し、早期立て直しを進めてまいります。

 

国内事業においては、増収増益に転じた銀行保証等の一部事業を除き各事業ポートフォリオの動きが想定どおりに進まず、とりわけ今年度の重点取組事項とした個品割賦事業の構造改革については分析・可視化が進むも具体的な成果にまでは至らず、次年度での確実な刈り取りに向けて取組を加速しております。

 

このような環境下ではありますが、オリエントコーポレーションの強みを活かしながらグリーン・デジタル・オープンイノベーションを切り口に新たな商品を開発し、社会価値と企業価値向上の両立に向けた取組は着実に進めております。

具体的には、ビジネスカードを利用した事業者間取引の請求書カード払いサービス「OBS(Orico Business payment for SME)」において、会計ソフト連携機能も搭載するなど、中小企業のキャッシュレス化やDX推進支援に取り組んでおります。

 

さらに、社会課題となりつつある空き家問題の解決に向けた取組として、「アキカツローン」を通じて自治体や地方金融機関のネットワークを活用し、持続可能な地域づくりの実現をめざしております。なお、この取組は日本経済新聞社が毎年1回、特に優れた新製品・新サービスを表彰する「2023年日経優秀製品・サービス賞 日経ヴェリタス賞」を受賞しました。

 

また、インオーガニックの取組として、2023年9月に株式会社オリコオートリース・株式会社オリコビジネスリースを連結子会社化した他、2024年3月にイオンフィナンシャルサービス株式会社との業務提携の一環として、イオンプロダクトファイナンス株式会社(現、株式会社オリコプロダクトファイナンス)を完全子会社化いたしました。いずれもオリエントコーポレーションの事業基盤を強化し競争優位性を高めることに繋がるものではありますが、とりわけ株式会社オリコプロダクトファイナンスについては、同社の基盤を活用し現在取組中の個品割賦事業構造改革をさらにスケールアップしていきたいと考えております。

 

なお、イオンフィナンシャルサービス株式会社との業務提携においては、双方の関係会社を含めた協働を通じステークホルダーに新たな価値を提供することを目的に、会員向け・カード事業、企業間決済保証事業、ローン・ファイナンス事業、個品割賦事業、海外事業、不動産関連事業、サステナビリティに資する取組等、幅広い事業領域に関して業務提携の検討の具体化を進め、他事業とのシナジー追求等を通じオリエントコーポレーショングループ全体の収益基盤の更なる強化を図ってまいります。

 

◆経営基盤

オリエントコーポレーションは、プライム市場上場企業としてステークホルダーにとって更に信頼性の高いガバナンス体制の整備を目的として監査等委員会設置会社を採用しております。取締役会は戦略策定と監督機能を重視する一方、業務執行権限を最大限取締役社長に委任し経営の機動性とガバナンスの堅確性の両立を図っております。

 

オリエントコーポレーションは今中期経営計画において、サステナビリティを経営の上位概念に位置付けて取組を強化しております。その一環として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき気候変動に関するリスク・機会を把握するとともに、GHGプロトコルに則ったScope1/2/3の排出量を把握し2030年削減目標ならびに2050年ネットゼロを掲げました。この脱炭素に向けた取組とその開示が評価され、企業の環境や気候変動対策への取組を評価する国際的なNGOであるCDPから、業界でもトップクラスとなる「B」スコアを獲得しました。

また、マテリアリティの一つに「持続可能な地域づくりへの貢献」を掲げ、2024年3月に船橋市と包括連携協定を締結いたしました。今後も地方自治体との連携を通じて様々な社会課題に対して適切なソリューションを提供してまいります。

 

今中期経営計画の重点事項である人財戦略においては、2024年3月期の2年目も着実に進展させており、人事制度改定等を含む施策により、持続的な成長を支えるための人財戦略は進捗しております。

具体的には、2023年3月期からイノベーション企業やスタートアップ企業等への社外トレーニーや社外副業、社内公募制度などの施策を拡充させるとともに、研修や面談などを通じて社員が自身のキャリアに向き合う機会を提供し始めました。その結果、社員が自立的なキャリア形成を実践し、そのために挑戦する風土が醸成されつつあります。2024年3月期末までに226名が挑戦する機会を活用し、3年間で累計200名に新たな経験を付与するという目標を1年前倒しで達成しております。

 

◆資本政策

「財務健全性、株主還元、資本効率の最適なバランスを実現」することを資本政策の基本方針とし、株主還元につきましては、「安定的かつ継続的な株主還元を基本とし、連結配当性向30%を目処に配当を実施」することといたします。

 

 

◆DX戦略(AIの活用)

オリエントコーポレーションは、中期経営計画を達成するための重要な戦略の一つとして、2022年4月に「デジタル技術を用いて、常にお客さまに寄り添い、向き合い、ニーズに即した金融サービスを通じて、様々な社会課題解決に貢献し続けるイノベーティブな先進テック企業を目指す」というDX Visionと、これに基づいた「DX戦略」を策定しております。

 

このDX VisionとDX戦略の策定、推進体制の構築、及びその後のDX推進への取組み等が評価され、オリエントコーポレーションは2023年3月に経済産業省が定める「DX認定制度」に基づく「DX認定事業者」の認定を取得しました。

オリエントコーポレーションのDX戦略は、「デジタル技術を活用した新たなビジネスモデル創出」「既存ビジネスモデルにおけるDXの実践」「DX人材の育成・DXカルチャーの醸成」の3つの戦略軸で構成しており、各戦略軸に従い、様々な取組みを展開しております。

 

 

戦略① デジタル技術を活用した新たなビジネスモデル創出

オリエントコーポレーションでは、デジタル技術とデータを有効に活用し、マーケットインの発想でお客さまの課題解決に繋がる商品・サービスを生み出すことで、新たな顧客体験の提供をし続ける企業をめざしております。具体的にはオリエントコーポレーションの持つ金融サービスのノウハウ・知見と、スタートアップ・ベンチャーをはじめとする他の企業が有するデジタル技術を掛け合わせ、新しい商品・サービスの創出に取組んでおります。このような協業案件を数多く実現していくために、出資機能として「オリコデジタルファンド(ODF)」を設定し、スタートアップ・ベンチャー企業との協業がスムーズに進む環境を整備しております。

またオリエントコーポレーションは、決済・与信をはじめとする豊富なデータを基盤とし、データエコノミーを創造することにチャレンジしております。匿名加工したオリエントコーポレーション固有データとオープンデータを掛け合わせAIを活用した分析を通じ、パートナー企業の営業戦略やプロモーションをサポートするアドバイザリーサービスを提供しており、2024年3月現在で累計提供社数は147社となりました。社内においてもデータ利活用を推進するとともに、データに基づいてビジネスを企画・推進できる人材を増やすべく、社内トレーニーや研修制度の拡充に取り組んでおります。

 

戦略② 既存ビジネスモデルにおけるDXの実践

オリエントコーポレーションはビジネスプロセスの構造改革を実現するため、デジタルを活用した業務の効率化・スピードアップに取組んでおります。特に、お客さまのオリエントコーポレーションへのお申込み手続きから、取引契約、業務オペレーションが完結するまでの「エンドトゥエンド」のプロセスを俯瞰して、全体最適の観点からBPRを進める取組みを推進しております。また、2,000を超える本社定型業務のうち、自動化が可能な業務を選定し、優先順位をつけて自動化に取組み、着実に進めております。また、従来からRPAを開発できる人材の育成を進めてきましたが、2024年3月期はRPA開発人材の育成を内製化するべく、社内RPAインストラクターの育成にも着手しております。

業務のデジタル化を推進することを通じて、ペーパーレス化も進み、2024年3月期はCO2削減効果が537tと計画を大きく上回る実績となりました。

業務のデジタル化により、オリエントコーポレーションの生産性向上のみならず、お客さまの更なる利便性向上にも繋げていくとともに、社会や環境への貢献を意識しながら取組みを進めてまいります。

 

戦略③ DX人材の育成・DXカルチャーの醸成

DXを推進するうえでは、高度化していくデジタル技術を活用しながら新たなビジネスモデルを探求し、お客さまに価値を提供し続けることにチャレンジする熱意とスキルを持った人材を育成していくことが最も重要である、とオリエントコーポレーションは考えております。オリエントコーポレーションは中期経営計画期間中に、基礎的なデジタル技術の知識・スキルを有する「DX推進人材」をオリエントコーポレーション従業員全員に相当する3,000人育成することをKPI指標として設定しておりましたが、2024年3月期までの2年間で3,200人以上が認定を取得いたしました。今後も従業員のデジタルに関する知識やスキルの向上・定着による業務での活用推進とともに、デジタル技術やデータに関する専門的なスキルを有する人材の育成・確保を進めてまいります。

加えて、グループ従業員全員が自らの問題意識を基に、新たなビジネスアイデアや業務の変革アイデアを発信する「DXプレイス」は徐々に定着してきており、オリエントコーポレーショングループ全体に従業員自らが能動的に新たな価値提供を考え、発案し、実現つづけるDXカルチャーの浸透を進めてまいります。

 

推進体制について、オリエントコーポレーションでは取締役社長(飯盛 徹夫)を本部長とした「DX推進本部」を組成し、全部門・全グループを俯瞰し、横断的にDX戦略を推進する体制を構築しています。DX推進本部では、主に全社及びオリエントコーポレーショングループ横断的なDX推進に向けた取組施策の検討・実施を進めており、定期的に本部長(取締役社長)を議長とし、各部門・グループ長が参画するDX推進会議を開催しております。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

(1) リスクマネジメント

オリエントコーポレーションは、経営の健全性、安定性を維持・向上しつつ企業価値を高めていくためにリスクを適切に管理することを経営上の重要課題の一つと位置づけています。

オリエントコーポレーショングループの多様化するリスクを総合的に把握・管理するため「リスク管理基本方針」を定め、個別のリスクをリスク所管部が管理し、リスク管理の状況を全体としてリスク統括部が把握・評価することにより、適切にリスクをコントロールしております。

また、内外環境を踏まえ、オリエントコーポレーショングループに重大な影響を及ぼすリスク事象を「トップリスク」として選定し、継続的にリスクの状況をモニタリングするとともに、必要に応じて早期に対策を講じることにより適切な運営・管理に努めております。

こうした取組については、四半期に一回開催する総合リスク管理委員会において審議・報告がなされ、その内容が取締役会及び経営会議に適宜・適切に報告されるなど、オリエントコーポレーショングループ全体としてリスク管理の態勢を構築しております。

 

(2) リスクアペタイト・フレームワーク

オリエントコーポレーションは、オリエントコーポレーショングループの成長の実現に向けて、戦略・財務・リスクを一体的に捉え、適切なバランスで経営判断を行うために、経営管理の枠組みとして「リスクアペタイト・フレームワーク」を導入しております。

計量化されたリスクリターン・コストリターンに基づき、戦略の遂行・事業計画達成のための適正なリスク水準を設定し、これと整合した事業計画策定並びにリソース配分を行っております。

また、期中のモニタリングを通じて、資本の十分性の確認を行うとともに、環境変化に応じた迅速な資源配分のリバランスを行うなど、経営の安全性の確保に資する適切な管理・運営を行っております。

 

 

(3) トップリスク運営

内外の環境などを踏まえ、オリエントコーポレーショングループに重大な影響を及ぼすリスク事象を「トップリスク」として選定しております。

トップリスクの状況については継続的にモニタリングし、必要に応じて早期に対策を講じることにより適切なリスク管理に努めております。

 

有価証券報告書提出日時点の「トップリスク」は次のとおりであります。

 

<トップリスク>

 

リスク事象

リスクシナリオ

経済環境の変化による業績への影響

物価上昇の高止まりや経済環境の大きな変動により、顧客の返済が困難となり貸倒損失が増加。事業環境の悪化により、加盟店の経営悪化・倒産が増加

急激な金利上昇による業績への影響

エネルギー・食糧価格高騰によるグローバルインフレが継続し、本邦やASEANにおける金融引締めによる市場急変からALM関連コストが増加、業績を下押し

不正利用増加による事業への影響

カードを中心とした不正利用・不正被害額が増大することによる業績影響やAML態勢の不足感によりステークホルダーからの信頼を毀損しビジネス機会を喪失

サイバー攻撃・大規模システム障害による事業への影響

サイバー攻撃や基幹システム障害を起因とする個人情報の漏えいや業務停止等により、ステークホルダーからの信頼を毀損しビジネス機会を喪失

気候変動等に関する新たな規制の導入・変更による事業への影響

脱炭素の実現等に向けた新たな政策や規制変更への対応の遅れによりリスク事象が顕在化

技術革新等による事業への影響

技術革新による先端技術の取込みの遅れによりビジネス機会を喪失

社会的規範に悖る行為等による企業価値の毀損

役職員が社会的目線に照らして正しい行為を行わないことにより、ステークホルダーからの信頼を毀損しビジネス機会を喪失

人財マネジメントの不十分さによる戦略実現への影響

事業環境変化に合わせた経営戦略を遂行するための人財マネジメントが不十分であり、競争力が低下

 

(4) 事業等に関する主なリスク

オリエントコーポレーショングループの事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。

なお、本項については、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日時点において判断したものであり、将来発生しうるすべての事業等のリスクを網羅するものではありません。

 

①信用リスク

リスク

・信用供与しているお客さまの支払遅延の発生や債権回収の悪化等により、損失を被る可能性があります。

・将来の景気動向、個人破産申立の増加、その他の予期せぬ理由等により、貸倒引当金等を積み増しせざるを得なくなる可能性があります。

・海外事業に関しては、東南アジア経済における物価や雇用環境の動向等により、お客さまの支払能力が変動し業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

・過去の実績を踏まえた統計的な手法に基づき、AIを駆使した審査システム・ロジックの最新化や性能規定与信の導入により、適切な延滞率の制御に取組んでいます。

・貸倒損失に備えるため、過去の実績等を踏まえた統計的な手法により予想損失率を算出し貸倒引当金等を計上しております。

・海外事業では与信基準の改定や延滞顧客に対する債権回収体制の強化に取組んでおります。

 

②金利変動リスク

リスク

・将来において想定以上の金利の上昇、格付の大幅な見直しにより、調達金利が上昇した場合、金融費用が増加する可能性があります。また、調達金利の上昇分を運用金利に転嫁できない可能性があります。

対応策

・ALM(資産、負債の総合管理)を実施し、市場環境やオリエントコーポレーショングループのポートフォリオに応じて長短の調達バランスを調整するとともに、デリバティブ取引を活用し、金利変動リスクへの適切な対応に取組んでおります。

 

③流動性リスク

リスク

・金融情勢の著しい変化や格付の大幅な見直しが行われた場合、円滑な資金の確保が困難となる、或いは通常よりも著しく不利な金利水準での資金調達を余儀なくされる可能性があります。

対応策

・ALM(資産、負債の総合管理)を実施し、オリエントコーポレーショングループの事業活動に必要な資金確保に向け、調達手段の多様化に努めるとともに、複数の金融機関とのコミットメントラインの設定や手元流動性の調整等によって、流動性リスクの軽減に向けた対応に取組んでおります。

 

④外部不正リスク

リスク

・クレジットカードの不正被害額は業界全体として増加傾向にあり、また不正取引の手口は複雑化・巧妙化しており、不正被害額の増加は業績を下押しする等の可能性があります。

対応策

・不正申込の傾向調査やモニタリングを実施し、審査ロジックの精度向上による不正発生の未然防止に取組んでおります。

・AIスコア搭載の不正検知システムによる検知及び会員向けの本人認証サービス登録促進、利用通知・停止機能提供等、不正取引防止対策の強化に取組んでおります。

 

 

⑤サイバーセキュリティリスク

リスク

・サイバー攻撃により、コンピュータシステムの停止、データ改ざん、重要な情報の漏えい等が発生した場合、お客さまサービスに支障を来たす可能性、お客さまの情報が悪用される可能性、ステークホルダーからの信頼が損なわれる可能性、損害賠償責任が発生する可能性、法令に基づく処分の対象となる可能性、及びこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。

対応策

・高度化・巧妙化するサイバー攻撃等の脅威を経営の重要課題と認識し、専門部署であるサイバーセキュリティ室を設置しております。外部機関等との連携による情報の集約や技術的な対策をはじめ、サイバーインシデント発生に備えた手順の整備、役職員への研修・訓練等による組織的、人的対策を講じることにより、システムの安全性を維持する態勢を整備しております。

・また、セキュリティ品質の向上及びインシデント対応力強化を目的とした「オリコCSIRT」体制を構築し、平常時の予防安全からインシデント発生時の即応態勢までを一貫してコントロールする仕組みを整備しております。

 

⑥情報リスク

リスク

・事業の特性から、大量のお客さまの情報を取得、保有、利用しており、オリエントコーポレーショングループ及び業務委託先において、外部からの不正アクセス、媒体運送中の事故、内部関係者の関与等によって重要な情報の漏えい等が発生した場合、損害賠償責任が発生する可能性、ステークホルダーからの信頼が損なわれる可能性、法令に基づく処分の対象となる可能性、及びこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。

対応策

・お客さまの個人情報をはじめとする情報の漏えいを防ぐため、情報の取扱いに関する規程等の整備、システム上のセキュリティ対策、役職員への教育・研修、施設への入退出管理等、組織的、技術的、人的及び物理的対策を講じることにより、情報の適正な取扱いに関する態勢を整備しております。

・情報セキュリティ認証基準改定への対応を含むセキュリティ対策の継続的な改善等を通じてセキュリティ対策の向上に取組んでおります。

 

⑦システムリスク

リスク

・大規模なコンピュータシステムを保有しており、国内の拠点や、お客さま、各種決済機構等のシステムとの間を通信ネットワークで結び情報を処理しております。システムの大規模な誤作動等の事態が発生した場合や、外部委託先の過失・不正、自然災害等が発生した場合に、お客さまサービスに支障を来たす可能性があります。

対応策

・業務上使用している情報システムにおいては、安定的な稼働を維持するためのメンテナンス、バックアップシステムの確保等の障害発生の防止策を講じ、また不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定し、万一システムダウンや誤作動等の障害が発生した場合であっても安全かつ速やかに業務を継続できるよう体制の整備に万全を期しております。また、クラウドサービス提供者等の外部委託先に対し導入前後に亘る定期的な調査を行い、セキュリティ対策内容やサービスレベルを評価し、品質強化に取組んでおります。

 

 

⑧気候変動リスク

リスク

・異常気象による自然災害多発や脱炭素社会への移行に伴う事業への影響を「気候変動リスク」と認識しております。

・物理的リスクとして、台風や洪水等の極端な気候現象の深刻化により、業務運営に支障を来たす可能性、加盟店の資産や事業基盤が毀損する可能性があります。

・移行リスクとして、脱炭素を促す技術革新やイノベーションへの対応、政策・法規制、特定の金融サービスの需給変化への対応、それらの情報開示への取組が不十分と見なされ、ステークホルダーからの信頼を損なう可能性があります。

対応策

・サステナビリティを経営の軸とし、新たに制定した「環境基本方針」を通じ、これまで以上に環境関連の取組を充実させるとともに、脱炭素・循環型社会の実現に取組んでおります。

・サステナビリティ委員会を通じ、気候変動関連のリスクや機会を踏まえたサステナビリティ経営の戦略やサステナビリティの取組状況の確認、社内外のコミュニケーション強化、モニタリング強化に取組んでおります。

・物理的リスク、移行リスクについてはその発生可能性、影響度、影響額を算出し対応策に取組んでおります。

 

⑨大規模災害・感染症による影響

リスク

・大規模な地震・台風等の災害による被害や感染症の流行により、業務運営に支障を来たす可能性があります。

・災害による被害からの復旧までに時間が相当にかかる場合、また感染症の急拡大や重症者の著しい増加等の事態が生じた場合、信用リスクや流動性リスク等が高まる可能性があります。

対応策

・大規模な地震・災害や事故等の突発的な事態に備えて「事業継続管理規程」を制定し、「事業継続管理年間計画」の策定等、危機管理体制を構築することに加え、役職員の安全確認や被災地の状況把握を速やかに行うための専用システムを導入しております。

・首都圏で大規模自然災害等が発生した場合、西日本エリアに暫定緊急対策本部を設置することとし、業務継続を可能とするため定期的に訓練を実施しております。

・決済インフラの安定稼働、適切なお客さま対応等に努められるよう、ビジネスコンティンジェンシープランを策定しており毎年最新化を図っております。

 

 

⑩規制変更リスク

リスク

・オリエントコーポレーショングループでは、国内における「割賦販売法」や「貸金業法」を含むそれぞれの国や地域において求められる現時点での法令諸規則、政策及び実務慣行等の規制の適用を受けながら業務を遂行しております。将来における法令諸規則、政策及び実務慣行等の規制変更により、オリエントコーポレーショングループの業績や事業展開に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・万一、これらの規制変更に対応できず、法令等に抵触する行為があった場合、当局から処分を受ける可能性があります。

対応策

・規制変更リスクの所在・規模等を適時かつ正確に把握し、その内容・対応状況を総合リスク管理委員会に報告のうえリスク回避・低減等に向けた適正な管理・運営を行っております。

・関係法令等に係る業務検証を実施し、その内容・結果をコンプライアンス委員会に報告のうえ法令遵守に向けた適正な管理・運営を行っております。

 

⑪コンダクトリスク

リスク

・法令、社内規則、社会規範に反する行為のみならず、顧客保護、市場の健全性、公共の利益及びステークホルダーに悪影響を及ぼす行為があった場合、企業価値を毀損する可能性があります。

対応策

・コンプライアンスを単なる法令遵守にとどめず、企業倫理や社会規範も遵守することと捉え、役職員が問題に直面した際に「正しい行動」を取れるよう「The Orico Group Code」を行動規範として定め、役職員への浸透・定着に取組んでおります。

・役職員が安心して利用できる内部通報窓口「オリコ・ヘルプライン」を社内外に設置することにより、自浄作用を高めるとともに、不正発生の未然防止に取組んでおります。

 

 

⑫人的(人材、人権等)リスク

リスク

・少子高齢化により労働人口が減少するなか、仕事に対する価値観や生活環境が多様化しており、社員の働きがいややりがいに対する期待に応えられない場合、経営戦略を遂行するために必要な人材を確保することが難しくなり、競争力等が低下する可能性があります。

・経営戦略を達成するためこれまで以上にDXをはじめとした専門人材を必要としており、事業環境変化に合った十分な人材確保・育成ができない場合、競争力等が低下し業務運営に支障を来たす可能性があります。

・人権尊重に向けた取組が不十分とみなされ、ステークホルダーからの信頼を損なう可能性があります。

対応策

・人事制度を改定し、外部環境の変化や働く社員一人ひとりの価値観・ライフスタイルの変化を踏まえた人財戦略に基づく重点事項の実施により社員エンゲージメントの最大化に取組んでおります。

・経営基盤構築の一環として「多様性に富んだ人材集団づくり」に取組み、新たな経験付与プログラムや学習コンテンツの充実による社員の育成や、専門人材等の経験者採用による多様な人材の確保に取組んでおります。

・人権尊重が重要な社会的責任であることを認識し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて定めた「人権基本方針」に従い、人権尊重に関する取組を推進しております。

 

⑬繰延税金資産の回収可能性に関するリスク

リスク

・繰延税金資産の回収可能性は将来課税所得に基づき判断しており、その見積りは将来の景気動向、想定以上の金利変動、個人破産申立の増加、その他の予期せぬ理由により影響を受ける可能性があります。

対応策

・繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して計上しており、その回収可能性は将来3年間の事業計画等に一定の不確実性を織り込み見積もった将来課税所得に基づき判断しております。

 

上記以外に、次のような事項が発生した場合、オリエントコーポレーショングループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

その他のリスク

・反社会的勢力排除、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策が不十分であった場合

・割賦売掛金の流動化に伴い売却した優先受益権や保有する有形固定資産(土地・建物等)の時価が著しく下落した場合

・加盟店、提携先や業務委託先の法令違反等による消費者トラブルが、オリエントコーポレーショングループの社会的責任に発展した場合

・オリエントコーポレーショングループ及び当業界に関するネガティブな報道等によりステークホルダーからの信頼が損なわれた場合

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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