東海旅客鉄道(9022)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 東海旅客鉄道グループの営んでいる主要な事業内容は次のとおりです。 なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一です。 (1) 運輸業 東海道新幹線及び東海地方の在来線における鉄道事業のほか、バス事業等を営んでいます。 [主な関係会社] 東海旅客鉄道、ジェイアール東海バス㈱ (2) 流通業 JRセントラルタワーズにおいて百貨店業を営むほか、駅構内等における物品の販売等を行っています。 [主な関係会社] ㈱ジェイアール東海髙島屋、㈱JR東海リテイリング・プラス、ジェイアール東海商事㈱ (3) 不動産業 駅ビル等不動産賃貸事業のほか、不動産分譲事業を営んでいます。 [主な関係会社] 東海旅客鉄道、ジェイアールセントラルビル㈱、JR東海不動産㈱、新横浜ステーション開発㈱、 東京ステーション開発㈱、名古屋ステーション開発㈱、ジェイアール東海関西開発㈱ (4) その他 東海旅客鉄道沿線等におけるホテル業のほか、旅行業、広告業等を営んでいます。 また、鉄道車両等の製造、各種設備の保守・検査・修繕等を行っています。 [主な関係会社] ホテル・サービス業 ㈱ジェイアール東海ホテルズ、㈱ジェイアール東海ツアーズ、 ㈱JR東海エージェンシーその他 日本車輌製造㈱、ジェイアール東海建設㈱、日本機械保線㈱、 JR東海テクノクリエイト㈱、新生テクノス㈱以上に述べた事項及び東海旅客鉄道の主な関係会社の概要図は次のとおりです。(注) ※印は持分法適用の関連会社を示しています。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 東海旅客鉄道グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において東海旅客鉄道グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針 東海旅客鉄道は、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念の下、鉄道事業において、安全の確保を最優先に、お客様に選択されるサービスの提供、業務効率化等について不断の取組みを行うことにより、日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させることに加え、大動脈輸送を二重系化する中央新幹線の建設により、「三世代の鉄道」を運営するということを使命としており、これを長期にわたり安定的に果たし続けていくことを基本方針としています。 東海旅客鉄道グループとしても、名古屋駅におけるJRセントラルタワーズ・JRゲートタワーの各事業展開に代表されるような鉄道事業と相乗効果を期待できる事業分野に加えて、沿線にお住まいのお客様の暮らしを豊かにするための様々なサービスを提供することで、グループ全体の収益力強化を図ります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略 東海旅客鉄道グループの中核をなす鉄道事業については、長期的展望を持って事業運営を行うことが極めて重要であり、生活様式や働き方の変化、労働力人口の減少等、東海旅客鉄道を取り巻く環境が変化していることを踏まえ、AIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力のさらなる強化に取り組みながら、主要プロジェクトを計画的に推進しています。 東海道新幹線については、これまで安全で正確な輸送を提供するとともに、不断に輸送サービスの充実に向けた取組みを進めてきました。今後についても、安全の確保を最優先に、全線を対象とした脱線・逸脱防止対策等の地震対策を進めるとともに、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、大規模改修工事を着実に進めます。また、一部時間帯において「のぞみ」を1時間に最大13本運転するダイヤを活用した弾力的な列車設定を行うとともに、N700Sの投入を進めるなど、さらなる輸送サービスの充実に向けて取り組みます。 在来線についても、安全の確保を最優先に、地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めるとともに、特急列車の弾力的な増結や増発、新型特急車両385系量産先行車やハイブリッド方式の新形式普通車両HC35形を新製するなど、さらなる輸送サービスの充実に向けて取り組みます。 超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、東海旅客鉄道の使命であり経営の生命線である首都圏~中京圏~近畿圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を将来にわたり確保していくため計画しているものです。現在この役割を担う東海道新幹線は開業から60年以上が経過しており、早期に大動脈輸送を二重系化し、将来の経年劣化や大規模災害に対して抜本的に備える必要があります。このため、その役割を代替する中央新幹線について、自己負担を前提として、東海旅客鉄道が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営していくこととしています。このプロジェクトの完遂に向けて、鉄道事業における安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに、健全経営と安定配当を堅持し、コストを十分に精査しつつ、柔軟性を発揮しながら着実に取り組みます。その上で、中央新幹線の建設の推進を図るため、財政投融資を活用した長期借入を行ったことを踏まえ、まずは品川・名古屋間の工事を進め、その開業後連続して、名古屋・大阪間の工事に速やかに着手し、早期の全線開業を目指して、取組みを進めます。 また、このプロジェクトは自己負担により進めるものであり、プロジェクト管理を徹底します。具体的には、社内に設置した「中央新幹線工事費削減委員会」をはじめとする様々な場で、建設・運営・保守等全ての場面におけるコストを検証し、安全を確保した上で削減するとともに、プロジェクト推進に当たってリスクを早期に把握し、迅速に対処していく考えです。 鉄道以外の事業についても、「会社の経営の基本方針」に則り、諸施策を着実に推進することにより、グループ全体の収益力の強化に取り組みます。 (3) 会社の対処すべき課題 東海旅客鉄道グループは、「会社の経営の基本方針」に基づき諸施策を推進します。次期において重点的に取り組む施策は、以下のとおりです。 鉄道事業については、地震対策をはじめとする構造物のさらなる強化として、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策について脱線防止ガードの全線への敷設を進めるとともに、プラットホーム上家の耐震補強、在来線の高架橋柱の耐震化等を進めます。また、東海道新幹線の大規模改修工事について、技術開発の成果を踏まえ、施工方法を改善するなど、不断のコストダウンを重ねながら進めます。自然災害への対策としては、ハザードマップ等を踏まえ、鉄道設備の浸水対策を進めます。また、豪雨時における最適な運転規制に繋げるため、東海道新幹線の盛土等を強化する対策を開始します。さらに、豪雨時等に、安全を最優先に適切な運行計画の決定、適時かつ的確な案内情報の提供を行います。加えて、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に適切に対応するため、実践的な訓練を繰り返し実施するとともに、車内防犯カメラの整備を進めるなど、ハード・ソフトの両面から車内のセキュリティ対策に取り組みます。このほか、半田駅及び沼津駅付近の連続立体交差化に向けた工事を進めるとともに、第20回アジア競技大会・第5回アジアパラ競技大会に対応した輸送を完遂します。 東海道新幹線については、一部時間帯において「のぞみ」を1時間に最大13本運転するダイヤを活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行います。また、新たな営業車検測機能を有する編成を含めて、N700Sの投入を進めます。 在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行います。また、新型特急車両385系量産先行車を新製し、走行試験を開始するとともに、ハイブリッド方式の新形式普通車両HC35形の設計を進めます。 旅客関連設備については、東海道新幹線について、全駅への可動柵設置に向けた設計等を進めるとともに、自動運転(GOA2)の導入に向けた開発を進め、これらの設置・導入に先行して定位置停止制御(TASC)の全駅・全営業列車での運用を開始します。在来線については、名古屋駅2番線ホームへの可動柵設置に向けた設計を進めるとともに、刈谷駅でホームの拡幅、可動柵設置等の工事を進めます。また、駅におけるエレベーターやバリアフリートイレの設置等、バリアフリー設備の整備について、国・関係自治体と連携しつつ取り組みます。さらに、「お客様サポートサービス」の導入駅を拡大するとともに、2027年春のTOICAエリアの拡大及び「南紀」のチケットレス乗車サービスの開始に向けた準備を進めます。 営業施策については、「EXサービス」について、JR他社が運営するネット予約サービスと連携するなど利便性を向上させるとともに、「EX旅パック」、「EX旅先予約」で予約できるプラン等を充実させます。需要喚起策としては、「推し旅」キャンペーンや「貸切車両パッケージ」をはじめとする営業施策を積極的に展開するとともに、京都、奈良、東京、静岡、飛騨等、魅力ある観光素材の開発に継続的に取り組みます。また、東海道新幹線の出張利用を促すとともにMICEを誘致するなど、ビジネス需要の獲得に向けた取組みを進めます。訪日外国人に対しては、国や地域ごとの旅客動向や商品のご利用の分析を進め、沿線自治体等と連携しながら、より効果的な宣伝を展開するとともに、旅行会社との連携強化による販路の拡大に取り組むなど、営業施策を強化します。加えて、東海道新幹線について、上級クラス座席(個室タイプ)のサービスを開始するとともに、2027年度中の上級クラス座席(半個室タイプ)の導入やグリーン車のサービス向上等、さらに高品質な、様々な輸送サービスの導入に向けた準備を進めます。さらに、「さわやかウォーキング」の開催や「飯田線秘境駅号」の運転等を通じて地域との連携を強化するとともに、鉄道のご利用の拡大を図ります。このほか、鉄道の競争環境の変化や物価上昇に伴う費用の増加等、東海旅客鉄道の経営環境が大きく変化する中、将来にわたって輸送機関としての使命を果たし、より良いサービスを提供し続けるため、引き続き、関係箇所に対して、柔軟・簡便な運賃等の設定が可能となるよう働きかけます。 超電導リニアによる中央新幹線計画については、プロジェクトの完遂に向けて、健全経営と安定配当を堅持し、コストを十分に精査しつつ、柔軟性を発揮しながら着実に取り組みます。また、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視し、中央新幹線の早期開業に取り組みます。具体的には、品川・名古屋間の総工事費が増加する見通しとなったことを踏まえ、プロジェクト管理機能を強化するとともに、用地取得等、並びに山岳トンネル、都市部トンネル、駅等の土木を中心とした各種工事を精力的に進めます。機械及び電気設備等については、契約及び発注時期も考慮の上、低コスト化及び品質向上を図ります。南アルプストンネル静岡工区については、引き続き、トンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。 一方、超電導リニア技術については、技術開発によるコストダウンとブラッシュアップに取り組みます。このうち、高温超電導磁石について、営業車両への投入を前提に一層のコストダウンを進めるとともに、安定運用に向けたさらなる検証を進めます。また、最新のICTを活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発において、AI等による画像やビッグデータの分析システムの改良・実証等を進めます。さらに、新しいL0系改良型試験車(M10)を活用した技術開発等により営業車両の仕様策定を進め、設計を深度化します。加えて、高付加価値なサービスの追求を行うとともに、様々な形で超電導リニアの体験乗車を開催し、中央新幹線の開業に向けた期待感の醸成に取り組みます。 高速鉄道システムの海外展開については、台湾における高速鉄道について、N700Sをベースとした新型車両導入や各種設備更新に伴う技術コンサルティングを進めます。また、米国における高速鉄道プロジェクトに取り組みます。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めます。 技術開発については、地震発生時に列車をより早く停止させる情報伝達システムの開発等、地震に対する安全性を高めるための技術開発を進めます。また、車内通信環境の改善や新たな車内サービスの実現に向けた技術開発を進めます。さらに、検査や保守の高度化・省力化、設備の維持更新におけるコストダウン等による「業務改革」の推進に向けて、AIやデータ・画像分析、ロボット制御等の先端技術を活用した技術開発を進めます。 鉄道以外の事業については、東海旅客鉄道グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」について、データマーケティングの強化等を進め、グループ事業と鉄道事業の双方の収益拡大を図ります。また、駅店舗について、品揃えの充実により便利で魅力ある店舗づくりを進めるとともに、ひよこ型のスイーツ「ぴよりん」の15周年記念企画の実施等、グループ事業と鉄道事業で連携した取組みを進めます。さらに、JRセントラルタワーズやJRゲートタワー等の駅ビル事業について、魅力ある施設とすることで収益力の強化に取り組むとともに、東京駅、名古屋駅等の駅商業施設を拡張・リニューアルし、岡崎駅東口の商業施設の開業等、東海旅客鉄道グループが保有する土地・建物の有効活用を進めます。加えて、「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」を開業し、「ヒルトン高山リゾート」、「コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅」をリブランド開業するとともに、「ホテル 寧 奈良」の計画等を進めます。このほか、東海道新幹線の業務用室を活用した法人向け荷物輸送サービス「東海道マッハ便」等、鉄道アセットを活用した取組みを進めます。 持続可能な社会の実現に向けた取組みについては、政府による「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に2050年のCO2排出量実質ゼロを目指すとともに、2030年度のCO2排出量についても、同政策を前提として、2013年度比で46%削減することを目指すなど、地球環境保全に資する諸施策を推進します。具体的には、東海旅客鉄道のCO2排出量の約5%を占める「燃料の使用に伴う直接排出」の削減に向けて、ハイブリッド方式のHC35形の設計及び模擬走行試験を通じた水素動力車両(燃料電池車、水素エンジン車)に関する開発を進めるとともに、蓄電池車及びカーボンニュートラル燃料について、調査研究に取り組みます。また、残りの約95%を占める「電気の使用に伴う間接排出」の削減に向けて、省エネルギー車両であるN700Sの投入を進めるとともに、省エネルギー運転に資する技術開発を進め、防音壁へのペロブスカイト太陽電池の適用を検討するなど、再生可能エネルギーの活用にも取り組みます。さらに、鉄道各社と連携しながらPRを強化するなど、鉄道の環境優位性への社会的な理解を広め、鉄道のご利用を促進することで、脱炭素社会への移行に貢献します。加えて、「エクスプレス予約」法人会員に対する、東海道・山陽・九州新幹線におけるCO2排出量実質ゼロ化サービス「GreenEX」の導入企業を拡大します。このほか、「東海道新幹線再生アルミ」の活用等、廃棄物の削減や資源の再利用等を通じて、地球環境への負荷を低減します。 以上のように、引き続き、安全の確保を最優先に輸送機関としての使命を果たしつつ、「業務改革」と「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力のさらなる強化を図っていきます。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 東海旅客鉄道グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。ただし、以下は東海旅客鉄道グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。係るリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において東海旅客鉄道グループが判断したものです。 (1) 事業に係る法律関連事項① 鉄道事業法(昭和61年法律第92号) 鉄道事業者は、本法の定めに従い、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、鉄道事業を休廃止しようとするときは、事前に国土交通大臣に届け出なければならないこととされています(第28条、第28条の2)。旅客の運賃及び料金の設定・変更については、原則としてその上限額について国土交通大臣の認可を受けなければならないこととされています(第16条)。 これらの法的規制が変更された場合には、規制を遵守するための費用の増加や事業活動の制限により、東海旅客鉄道グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 ② 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号) 東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社(以下「本州旅客会社」という。)をJR会社法の適用対象から除外するための措置等を講じたJR会社法改正法が2001年12月1日から施行され、本州旅客会社はJR会社法の適用対象から除外されました。 なお本法附則において、国土交通大臣は、国鉄改革の経緯を踏まえ、利用者の利便の確保等を図るため、本州旅客会社及び本州旅客会社の鉄道事業の全部又は一部を譲受・合併・分割・相続により施行日以後経営する者のうち国土交通大臣が指定する者(以下「新会社」という。)がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針(以下「指針」という。)を公表するものとされ(附則第2条)、当該指針は2001年12月1日より適用となりました(平成13年国土交通省告示第1622号)。その主な内容は以下のとおりです。・会社間(新会社の間又は新会社と北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社との間をいう。以下同じ。)における旅客の運賃及び料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用その他の鉄道事業に関する会社間における連携及び協力の確保に関する事項・国鉄改革実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた現に営業している路線の適切な維持及び駅その他の鉄道施設の整備に当たっての利用者の利便の確保に関する事項・新会社がその事業を営む地域において当該事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動に対する不当な妨害又はその利益の不当な侵害を回避することによる中小企業者への配慮に関する事項 国土交通大臣は、指針を踏まえた事業経営を確保するため必要があると認めるときは新会社に対して指導及び助言をすることができ(附則第3条)、さらに、新会社が正当な理由なく指針に沿った事業経営を行っていないと認めるときなどは必要な措置をとるべき旨を勧告及び命令することができるとされています(附則第4条)。 なお、東海旅客鉄道はこれまでも指針に定められた事項に沿った事業運営を行ってきており、この指針は今後の東海旅客鉄道の事業運営に大きな影響を及ぼすものではないと考えています。 (2) 運賃及び料金の設定又は変更 鉄道運送事業者が旅客の運賃及び新幹線特急料金(以下「運賃等」という。)の上限を定め、又は変更しようとする場合、国土交通大臣の認可を受けなければならないこととなっており(鉄道事業法第16条第1項)、認可に当たっては、鉄道事業者の申請を受けて、国土交通大臣が、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないもの(以下「総括原価」という。)であるかどうかを審査して認可することとなっています(鉄道事業法第16条第2項)。また、認可を受けた上限の範囲内での運賃等の設定・変更又は在来線特急料金等その他の料金の設定・変更は、事前の届出で実施できることとなっています(鉄道事業法第16条第3項及び第8項)。その場合でも、国土交通大臣は、届出された運賃又は料金が、以下に該当すると認めるときは、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命じることができるとされています(鉄道事業法第16条第9項)。 ・特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき ・他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき これらの手続きが変更される場合や、何らかの理由により手続きに基づいた運賃又は料金の変更を機動的に行えない場合には、東海旅客鉄道グループの収益に影響を与える可能性があります。 また、東海旅客鉄道の場合、鉄道事業法第16条第2項の定めにより、運賃等の改定が難しい状況ですが、引き続き、収入の確保と効率化を進め、能率的な経営に努めます。その上で、鉄道の競争環境の変化や物価上昇に伴う費用の増加等、東海旅客鉄道の経営環境が大きく変化する中、将来にわたって輸送機関としての使命を果たし、より良いサービスを提供し続けるため、引き続き、関係箇所に対して、柔軟・簡便な運賃等の設定が可能となるよう働きかけます。<国土交通省の考え方> 運賃等の改定に関し、国土交通省からは、次のような考え方が示されています。a 鉄道事業の運賃等の上限の改定に当たっては、鉄道事業者の申請を受けて、国土交通大臣が、総括原価を超えないものであるかどうかを審査して認可することとなっている(鉄道事業法第16条第2項)。なお、原価計算期間は3年間とする。b 総括原価を算定するに当たっては、他の事業を兼業している場合であっても鉄道事業部門のみを対象として、所要の株主配当を含めた適正な利潤を含む適正な原価を算定することとなっている。また、通勤・通学輸送の混雑等を改善するための輸送力の増強、旅客サービス向上等に関する設備投資計画の提出を求め、これについて審査を行い、必要な資本費用については原価算入を認めているところである。c 総括原価を算定する方法としては、当該事業に投下される資本に対して、機会費用の考え方による公正・妥当な報酬を与えることにより資本費用(支払利息、配当等)額を推定するレートベース方式を用いる方針であり、総括原価の具体的な算定は以下によることとしている。総括原価=営業費等(注1)+事業報酬・事業報酬=事業報酬対象資産(レートベース)×事業報酬率・事業報酬対象資産=鉄道事業固定資産+建設仮勘定+繰延資産+運転資本(注2)等・事業報酬率=自己資本比率(注3)×自己資本報酬率(注4)+他人資本比率(注3)×他人資本報酬率(注5) (注) 1 鉄道事業者間で比較可能な費用について、経営効率化を推進するため各事業者間の間接的な競争を促す方式(ヤードスティック方式)により、比較結果を毎事業年度終了後に公表するとともに、原価の算定はこれを基に行うこととしている。2 運転資本=営業費及び貯蔵品の一部3 自己資本比率は30%、他人資本比率は70%4 自己資本報酬率は、公社債応募者利回り及び全産業の自己資本利益率の過去5年平均(年数については、直近に急激な景気動向の変化があった場合等は、合理的と認められる範囲で適切に設定する。(注5)において同じ)を基に、以下の算定式により算定する。ただし、全産業の自己資本利益率が公社債応募者利回りを下回る場合には、公社債応募者利回りによる。なお、公社債利回り実績値は国債(10年もの)、地方債、政府保証債の平均の過去5年平均とし、βはTOPIXの変化率と鉄道会社の株価変化率の共分散をTOPIXの変化率の分散で除したものとする。 自己資本報酬率=公社債利回り実績値+β×(全産業(陸運業を除く)平均自己資本利益率 -公社債利回り実績値)5 他人資本報酬率は、法定債務を除き、債務実績利子率のJR旅客会社のうち北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社を除くグループ平均の過去5年平均とする。d なお、認可した上限の範囲内での運賃等の設定・変更又はその他の料金の設定・変更は、事前の届出で実施できることとなっているが、国土交通大臣は、届出された運賃又は料金が、以下に該当すると認めるときは、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命じることができるとされている(鉄道事業法第16条第9項)。・特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき・他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき (3) 競合等 東海旅客鉄道グループは、鉄道事業において、航空会社及び他の鉄道会社、自動車、バス等の対抗輸送機関と競合しているほか、鉄道以外の事業においても、既存及び新規の事業者と競合しています。特に、東海旅客鉄道グループの主力事業である東海道新幹線においては、航空会社との間で、空港の発着枠の拡大、さらには空港と都市中心部とのアクセス改善等、航空機による移動の利便性向上等に起因した競争に直面しています。また、近年はリモートワークやWeb会議が浸透しており、今後も鉄道のご利用に影響を与える可能性があります。 さらに、東海旅客鉄道グループの事業は、日本経済の情勢とりわけ主な営業エリアである首都圏、中京圏、近畿圏における景気動向等の影響を受けます。 したがって、既存及び新規の事業者との競合のほか、物価・金利・為替の動向や国際情勢の影響を受けて生じる国内経済の変化、少子高齢化等に伴う将来的な人口動態が、東海旅客鉄道グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 以上のような競合等に対しては、安全・安定輸送を確保しつつ、新幹線においては、一部時間帯において「のぞみ」を1時間に最大13本運転するダイヤの活用による需要にあわせた弾力的な列車設定、N700Sの投入及び「EXサービス」のさらなるご利用拡大等に取り組むとともに、在来線においては、新型特急車両385系量産先行車の走行試験やハイブリッド形式の新形式普通車両HC35形の設計を進めるなど、さらなる輸送サービスの充実に向けて取り組みます。(4) 長期債務 1987年の会社設立に際し、東海旅客鉄道は、日本国有鉄道改革法(昭和61年法律第87号)に基づき、国鉄の長期債務のうち3,191億円を承継しました。さらに、東海旅客鉄道は、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律(平成3年法律第45号)に基づき、東海道新幹線に係る鉄道施設(車両を除く。)を1991年10月1日、新幹線鉄道保有機構(以下「保有機構」という。)より5兆956億円で譲り受け、このうち4兆4,944億円については25.5年、6,011億円については60年の元利均等半年賦により鉄道整備基金に支払うことに関して、保有機構との間に契約を締結し、その譲渡価額を鉄道施設購入長期未払金として計上しました。なお、4兆4,944億円については、2017年1月に支払を完了しています。(注) 保有機構は1991年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は鉄道整備基金に承継されました。さらに鉄道整備基金は1997年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は運輸施設整備事業団に承継され、運輸施設整備事業団は2003年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は法律により国が承継する資産を除き、鉄道・運輸機構に承継されました。 また、2016年11月に、中央新幹線の建設の推進のため、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令(以下「鉄道・運輸機構法施行令」という。)に基づき、財政投融資を活用した長期借入の申請を鉄道・運輸機構に対して行い、2017年7月までに、長期、固定かつ低利の中央新幹線建設長期借入金について、総額3兆円の借入を行い、金利上昇リスク、資金調達リスク、償還リスクを低減しました。 これらを含めた連結長期債務残高は、当期末現在で4兆7,684億円、そのうち中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務残高は1兆7,684億円となっており、当期の支払利息は787億円となっています。 今後の金利動向により調達金利が変動する場合には、東海旅客鉄道グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 引き続き、調達手段の多様化や低利かつ安定的な資金の確保に努めます。 (5) 自然災害等 東海旅客鉄道グループの事業、特に東海道新幹線をはじめとする鉄道事業については、地震・豪雨・台風・火山の噴火等の自然災害、テロの発生、感染症の流行等により大きな影響が生じ、東海旅客鉄道グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 なお、鉄道インフラについて東海旅客鉄道は、安全の確保は最優先の課題であるとの認識の下、会社発足以来、自然災害等への対策に積極的に取り組んでいます。具体的には、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災等における他社線の被災状況等を踏まえて、東海道新幹線の橋脚及び高架橋柱について必要な箇所の耐震補強を完了し、盛土の耐震補強は協議案件と関係する一部の箇所を除き完了しました。そのほか、脱線防止ガードの全線への敷設をはじめとする脱線・逸脱防止対策等も積極的に進めています。在来線においても、構造物等の耐震補強や盛土補強、落石対策等を継続的に実施しています。また、豪雨に対しては、継続的にコンクリート被覆による盛土の強化等を行ってきており、近年激しさを増していることを踏まえて、さらに安全性を向上させるための取組みを進めています。さらに、感染症の流行時には、お客様及び社員への感染拡大防止を徹底しながら十分な輸送力の確保に努めるなど、鉄道事業への影響を最小限のものとするための取組みを行うこととしています。 (6) 安全対策 東海旅客鉄道グループの事業、特に東海道新幹線をはじめとする鉄道事業については、仮に列車の運行により事故が発生した場合、大きな損害が生じ、東海旅客鉄道グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 東海旅客鉄道は、安全の確保は最優先の課題であるとの認識の下、ソフト・ハード両面にわたり、会社発足当初から安全に関する取組みを積極的に進めています。 ソフト面の取組みとしては、規程・マニュアル類を常に整備するとともに教育訓練を徹底し、社員自らが能力を高める職場風土の構築に努めることにより、社員一人ひとりが知識・技能を身につけ、規律と使命感をしっかり持って業務を遂行するように取り組んでいます。また、東海旅客鉄道の総合研修センターにおいて、グループ一体として、安全に主眼を置いた社員教育の一層の充実に取り組んでいます。 一方、ハード面においては、保安・防災対策を一層進めているほか、車両・軌道・電気設備の維持・更新等を積極的に推進しています。新幹線においては、新ATC(自動列車制御装置)システムや新型車両を導入するなど、安全の確保のため、必要な設備投資を積極的に行っています。また、在来線においても、全線でATS-PT(パターン照査式自動列車停止装置)を導入するなど、より一層の安全性向上に努めています。 これらの結果、当期の鉄道運転事故件数(30件)は会社発足初年度である1987年度(60件)と比較して大幅に減少しました。 (7) コンピュータシステム・顧客個人情報保護 東海旅客鉄道グループは、現在、鉄道事業や鉄道以外の事業における様々な業務分野で、多くのコンピュータシステムを用いています。また、東海旅客鉄道グループと密接な取引関係にある他の旅行会社や鉄道情報システム㈱等においても、コンピュータシステムが重要な役割を果たしています。したがって、サイバー攻撃や自然災害、人為的ミス等によってこれらのコンピュータシステムの機能に重大な障害が発生した場合、東海旅客鉄道グループの業務運営に影響を与える可能性があります。また、コンピュータウイルスへの感染や人為的不正操作等によりコンピュータシステム上の顧客個人情報が外部に流出した場合等には、東海旅客鉄道グループが提供する様々なサービスへの影響を通じて、東海旅客鉄道グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 東海旅客鉄道グループでは、障害対策として、日常より最新の技術動向等を勘案しながら自社システムのセキュリティ機能の向上を図るとともに、関係する社員の教育・訓練等を充実させ、万一障害が発生した場合においても、その影響を最小限のものとするよう、速やかな初動体制及び復旧体制の構築等に努めています。 また、個人情報保護対策として、社内の管理体制を整えるとともに、社内規程やマニュアルを整備し、社員に周知徹底をしています。さらに、顧客個人情報へのアクセス権限を限定し、システムセキュリティを強化するなど、個人情報の厳正な管理・保護に努めています。 (8) 超電導リニアによる中央新幹線 東海旅客鉄道は、健全経営と安定配当を堅持しながら、自己負担により、超電導リニアによる中央新幹線計画を進めています。中央新幹線計画を進める目的、必要性等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりです。 東海旅客鉄道は中央新幹線計画について、2007年12月に第一局面としての名古屋市までの推進を、さらには、2010年4月に大阪市までの営業主体等の指名に同意する意思があることを表明するに当たり、それぞれの時点で合理的と考えられる前提条件を置いて検討を行い、路線建設を自己負担で推進しても、健全経営の確保が十分に可能であると判断し、必要な対応を進めることを決定しました。 また、2007年12月には、全幹法の適用により設備投資の自主性や経営の自由など民間企業としての原則が阻害されることがないことを確認するため、法律の適用に係る基本的な事項を国土交通省に照会し、翌年1月にその旨の回答を得ました。 その後、全幹法の手続きが進み、国土交通大臣の諮問に係る審議を行ってきた交通政策審議会の答申を受け、2011年5月、国土交通大臣は、東海旅客鉄道の同意を得た上で、東海旅客鉄道を東京都・大阪市間の営業主体等に指名しました。続いて、東海旅客鉄道の同意を得て整備計画を決定し、東海旅客鉄道に建設の指示を行いました。 これを受けて東海旅客鉄道は、第一局面として進める東京都・名古屋市間において、環境影響評価法の手続きを進め、2014年8月に、最終的な環境影響評価書(以下「評価書」という。)を国土交通大臣及び関係自治体の長に送付するとともに、公告しました。また、最終的な評価書の送付と同日に、国土交通大臣に対し、土木構造物を中心とした品川・名古屋間の工事実施計画(その1)の認可申請を行い、2014年10月に認可を受け、その後工事を開始しました。 品川・名古屋間の総工事費については、工事実施計画(その1)及び2018年3月に認可を受けた電気設備等を含む同(その2)の段階において、5.52兆円と見込んでいましたが、2021年4月に、難工事への対応、地震対策の充実、発生土活用先の確保等に伴い7.04兆円に増加する見通しとなり、2023年12月に、総工事費を7.04兆円とした、駅・車両基地の建築工事や設備工事、車両等の工事実施計画(その3)及び変更の認可を受けました。その後さらに工事を進める中で、2025年10月に、物価等高騰や難工事への対応等に伴い総工事費が11.0兆円に増加する見通しとなり、これを受け、一定の前提を置いて試算した結果、工事資金を確保し、健全経営と安定配当を堅持できることを確認しました。 品川・名古屋間の開業時期(工事の完了の予定時期)については、工事実施計画(その1)及び同(その2)において、2027年として認可を得ました。一方、南アルプストンネル静岡工区においては、トンネル掘削工事に着手できていない状況です。このため、2027年の開業は困難であり、新たな開業時期を見通すことができない状況を踏まえ、2023年12月に、工事の完了の予定時期を2027年以降とした工事実施計画(その3)及び変更の認可を受けました。その後、2024年3月に開催された国土交通省の「第2回リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議」で、静岡工区の工事計画を示し、静岡工区が品川・名古屋間の開業の遅れに直結しており、2027年の開業は実現できない旨を説明しました。引き続き、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手、さらには品川・名古屋間の早期開業に向けて取り組みます。 名古屋・大阪間については、品川・名古屋間と同様に、工事に着手する前段の環境影響評価法の手続きの中でルートの絞り込みや駅位置の選定を行い、工事費等を精査した上で、工事実施計画の認可申請を行います。これらは品川・名古屋間の開業が近づいた際に行う計画ですが、その時点で合理的と考えられる前提条件の下で健全経営と安定配当を堅持できることを確認した上で工事を進めます。 大阪までの全線開業については、2010年4月に大阪市までの営業主体等の指名に同意する意思があることを表明するに当たり実施した長期試算見通しにおいて、品川・名古屋間の開業後、大阪への工事に着手するまでに必要となる経営体力回復期間を設けることなどを前提として試算を行った結果、開業時期は2045年となりました。その後、政府からの提案を受け、鉄道・運輸機構から財政投融資を活用した総額3兆円の長期借入を行ったことを踏まえ、経営の自由及び投資の自主性を確保し、健全経営と安定配当を堅持しつつ、長期、固定かつ低利の貸付けによる経営リスクの低減を活かし、全線開業までの期間の最大8年前倒しを目指すこととしました。品川・名古屋間について、2027年の開業は実現できず、新たな開業時期を見通すことができない状況ですが、品川・名古屋間の開業後連続して、名古屋・大阪間の工事に速やかに着手することを目指す方針に変更はありません。 今後とも、健全経営と安定配当を堅持しつつ、中央新幹線の早期開業を目指して、計画を推進します。 中央新幹線の建設は東海旅客鉄道の自己負担で進め、工事費に充てる資金は、営業キャッシュ・フローを主体に、不足分については資金調達によって賄います。プロジェクトの推進に当たり、次のようなリスクが考えられ、東海旅客鉄道グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 ⅰ 建設資材の高騰等による工事費の増大 ⅱ 難工事その他による工事遅延・完成時期の遅れ ⅲ 金利上昇 ⅳ 経済停滞、人口減少による収入減 ⅴ 他輸送機関との競合による収入減 ⅵ 社会全体の物価上昇 ⅶ 訴訟の提起 このうち、ⅰからⅵの経費増、収入減を伴うリスクに対しては、仮に健全経営と安定配当を堅持できないと想定される場合には、工事のペースを調整し、十分に経営体力を回復することなどで、工事の完遂を目指します。また、インフレの影響を強く受ける場合には、将来にわたって輸送機関としての使命を果たし、より良いサービスを提供し続けるため、鉄道の運賃・料金への価格転嫁が必要になり、これは、中央新幹線の建設に必要なキャッシュ・フローの継続的な確保にも繋がると考えています。そのような観点から、インフレによるコスト増を柔軟・簡便に運賃等に反映できるような仕組みづくりに向けて関係箇所へ働きかけています。 ⅶの訴訟については、工事実施計画認可の取消し等を国に求める行政訴訟、工事差止め等を求める民事訴訟が提起されています。 <中央新幹線(東京都・名古屋市間)の路線>
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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