日本石油輸送グループは、日本石油輸送、子会社6社(うち連結子会社3社)、持分法適用関連会社1社およびその他の関係会社1社で構成され、石油輸送事業、高圧ガス輸送事業、化成品・コンテナ輸送事業および資産運用事業を展開しております。
日本石油輸送グループの事業の内容および日本石油輸送と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりです。
以下の区分は「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1)石油輸送事業
石油製品(ガソリン・灯油等)の鉄道タンク車輸送・貨物自動車輸送
(2)高圧ガス輸送事業
高圧ガス(液化天然ガス等)の鉄道コンテナのリース・貨物自動車輸送
(3)化成品・コンテナ輸送事業
石油化学製品等の鉄道コンテナ輸送・貨物自動車輸送ならびに国内および国際複合一貫輸送
各種コンテナ(ISOタンクコンテナ、冷蔵・冷凍コンテナ等)のリース・レンタル
(4)資産運用事業
不動産賃貸・太陽光発電
日本石油輸送および連結子会社は、非連結子会社㈱ニチユから、自動車燃料および機材等を購入しております。
連結子会社は、非連結子会社関東オートメンテナンス㈱に自動車整備を委託しております。
日本石油輸送は、持分法適用関連会社日本オイルターミナル㈱に石油製品輸送用の鉄道タンク車のリースを行っております。
事業の系統図は次のとおりです。
(注)1 矢印は各社が提供する役務等の主な流れを示しております。
(注)2 日本石油輸送の連結子会社でありました㈱ニュージェイズは、2025年4月1日付で㈱エネックスを存続会社として同社と合併し、消滅しております。
日本石油輸送グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本石油輸送グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
日本石油輸送グループは、ライフラインを支える物流企業グループとして、物流を通じた安全かつ高品質なサービスの提供を行うことにより、お客様、株主、地域社会等から信頼され、社会とともに発展を遂げていく企業グループであり続けることを経営の基本方針としております。
また、社是「奉仕こそ我が務め(Service is my Business)」のもと、「安全・フェア・信頼・チャレンジ・ハーモニー」の5つのキーワードからなる、「JOTグループ・ミッション」を経営理念に掲げ、企業が持続的成長を目指す上で欠かせない要素であるESG(環境・社会・ガバナンス)を含めた活動を推進してまいります。
(2) 目標とする経営指標
上記の経営方針に基づき、2024年度から2026年度までの中期経営計画を策定しており、計画最終年度の2026年度において、売上高37,500百万円以上、営業利益1,800百万円以上、経常利益2,000百万円以上の達成を目標としております。
(3) 経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が撤廃され、緩やかな回復傾向にありますが、物価高騰や中国をはじめ海外経済の下振れリスクの影響等もあり、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
日本石油輸送グループの事業環境につきましても、エネルギー価格や原材料価格の高騰に加え、物流業界の2024年問題による一層の乗務員不足が懸念されるなど、今後も厳しい状況が続くものと予想されます。
セグメントごとの経営環境は、以下のとおりであります。
① 石油輸送事業
石油輸送事業では、鉄道タンク車およびタンクローリーによるガソリン、軽油、灯油等の石油製品の輸送等を行っており、石油元売各社等を主な顧客としております。
日本石油輸送グループは、長距離で大量の輸送を行う鉄道タンク車輸送と、高い機動性を有し、様々な輸送ニーズに柔軟に応える自動車輸送の2つの輸送手段が利用可能であることを強みとしております。
国内石油製品の需要は長期的に減少することが見込まれ、原油価格の高騰や感染症の影響も残るなか、より厳しい事業環境にあるといえますが、日本石油輸送グループでは、上記の強みを活かし、輸送数量およびシェアの維持・拡大に努めてまいります。
② 高圧ガス輸送事業
高圧ガス輸送事業では、自動車による民生用および産業用のLNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)、水素等の高圧ガスの輸送を行っており、ガス会社等を主な顧客としております。
日本石油輸送グループは、現在の主力輸送品目であるLNGの輸送を1984年から継続しており、長年にわたり蓄積された経験・実績や、専用の教育施設を活用した自動車乗務員への徹底した安全教育、研修等による安全・安定輸送を強みとしております。
温室効果ガスの排出を減らす低・脱炭素社会の実現にあたり、今後国内の高圧ガス需要は更に高まることが予想
され、日本石油輸送グループでは、上記の強みを活かし新規需要をより多く取り込むことで、更なる輸送数量の拡大に努め
てまいります。
③ 化成品・コンテナ輸送事業
(化成品輸送事業)
化成品輸送事業では、各種化学品、食品等の液体・粉粒体を輸送するISOタンク、ホッパコンテナ等のリース事業と、最適な輸送手段の選定、日々の輸送手配、精算処理等の一連の輸送業務を一括して請け負うワンストップサービスを国内およびアジア地区で提供しており、化学品・食品メーカー等を主な顧客としております。
日本石油輸送グループは、オーダーメイドも含めた多種多様なコンテナのラインナップや、グループ内の自動車会社の機動力を活かした輸送により、顧客の幅広いニーズに臨機応変に対応し、顧客の業務効率化に貢献できることを強みとしております。
化学品業界においては、国内外ともに厳しい事業環境にあるものの、日本石油輸送グループは、強みである高付加価値の物流サービスの提供に加え、成長事業として取り組んでいる海外事業のさらなる需要開拓、規模拡大を進め、収益力の維持・向上に努めてまいります。
(コンテナ輸送事業)
コンテナ輸送事業では、輸送ニーズに合わせ、保冷性能や通風機能等を有する鉄道、自動車、船舶で輸送可能なボックスコンテナのレンタルおよびリースを行っており、国内通運会社等を主な顧客としております。
日本石油輸送グループは、上記のとおり、保冷性能や通風機能など、顧客の多様なニーズに応えられる付加価値を持ったコンテナについて、鉄道網を活用することで顧客が日本全国どこでも使用できる体制を確立していることを強みとしております。
日本国内の貨物輸送需要は、物流業界における2024年問題の影響で、依然として先行き不透明な状況にありますが、日本石油輸送グループでは鉄道輸送の担い手として、予想される輸送力不足の受け皿となるべく、新型コンテナの開発等カスタマイズコンテナの提供等による新たな需要の掘り起こしや、長期安定的なリース案件の獲得に重点的に取り組むとともに、建造から15年が経過したコンテナをリユースコンテナとして販売するなど、収益力の維持・向上に努めてまいります。
④ 資産運用事業
資産運用事業では、主に不動産賃貸事業および太陽光発電事業を営んでおります。今後とも、保有資産の適切かつ有効な活用・運用による長期安定的な収益の確保、さらなる収益向上策の実現に取り組んでまいります。
(4) 対処すべき課題
上記のとおり日本石油輸送グループは、グループの未来像として、強い収益基盤のもと成長の好循環を図り、「国内No.1のエネルギー輸送会社」を目指す2030年ビジョンを制定しておりますが、このビジョンの実現に向け新たな中期経営計画(2024年度~2026年度)を策定いたしました。
前中期経営計画におきましては、想定を上回る海外経済の低迷や経費の増加等の影響を受け、売上高および各利益は目標値を下回る結果となりましたが、今後の持続的成長に向けた事業基盤の強化は着実に図られております。
新中期経営計画では、石油、国内化成品、コンテナ輸送等の基盤事業において、引き続き収益の維持・向上を目指してまいります。また、LNG、海外化成品輸送等の成長事業における規模拡大や新規顧客の開拓に注力し、加えて将来の脱炭素社会に向けた新エネルギー輸送の研究、実践等も継続してまいります。
さらに、事業活動を支えるESG(環境・社会・ガバナンス)経営に努め、安全・安定輸送への不断の取り組みや、持続的成長に向けた人材戦略・労働生産性の向上、雇用環境の改善による乗務員の確保にも尽力いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のものがあります。
なお、これらのリスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合における日本石油輸送グループに与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本石油輸送グループが判断したものであります。また、ここに記載されたリスクは、日本石油輸送グループにおける全てのリスクではありません。
(1)自然災害の発生によるリスク
大規模な自然災害等による鉄道・道路関連施設および顧客または取引先の出荷・製造設備等への著しい損害が発生した場合、日本石油輸送グループの主要事業である各種輸送サービスの提供自体が困難となるため、業績に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクへの対応として、日本石油輸送グループではBCP(事業継続計画)を策定し、被災時は顧客等と連携し、同計画に沿って対応することに加え、各拠点への防災備蓄品の配備や災害時の通信手段の確保、バックアップオフィスの指定などの態勢を整えております。
また、日本石油輸送グループは鉄道輸送・自動車輸送の2つの輸送手段が利用可能である強みを活かし、相互に代替輸送を行うなど、臨機応変に対応できる体制を整えております。
(2)石油製品・化成品・高圧ガス等の需給バランスの変化による影響
石油製品・化成品・高圧ガス等は、日本石油輸送グループの主要な取扱品目であるため、国内・世界経済や政治情勢その他の事由により、供給に大幅な変動が生じた場合や技術革新・エネルギー需要構造の変化に伴い極端な需要の変動が生じた場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。特に、海外向けの化成品輸送は、国内輸送を中心とした他の事業と比べ世界経済や政治情勢の影響を受けやすく、業績に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクへの対応として、特定の事業セグメントに過度に依存することがないよう、セグメントの分散化および収益の安定化を図るよう取り組むとともに、石油製品・化成品・高圧ガス等以外の事業として、資産運用事業を含めた新規事業の拡大、開拓に継続的に取り組んでおります。
(3)市況変動に関わるリスク
① 燃料油価格の変動によるリスク
自動車輸送において、タンクローリー等で使用する軽油の購入単価が原油価格の変動によって上昇した場合、燃料油脂費等の売上原価の増加要因となります。
このリスクへの対応として、日本石油輸送グループでは燃費に優れた車両の導入や、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)の導入に向けた研究・検討を進めるなど、燃料油価格の変動の影響を最小限にするよう努めておりますが、燃料油調達コストの上昇分を運賃に適正に転嫁できない場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。
② 為替レートの変動によるリスク
為替レートの変動は、上記の燃料油価格の変動に影響を与えるとともに、海外向けの化成品輸送事業の業績に大きな影響を与える可能性があります。また、輸送用のISOタンクコンテナの調達先が海外メーカーであることから、過度な円安となった場合、調達価格が上昇いたします。
このリスクへの対応として、日本石油輸送グループでは為替予約等のヘッジ手段で為替変動リスクの低減に努めておりますが、為替レートが急激に変動した場合、経営成績および財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(4)過失による事故等の発生リスク
自動車輸送における事故や輸送容器の点検不備等、日本石油輸送グループの過失に起因する重大事故等を惹起した結果、輸送契約の解除や行政機関からの許認可の取消し等により、業績に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクへの対応として、日本石油輸送グループでは、全ての活動の中心に「安全」を据え、様々な取組みを実施しております。具体的には、安全に特化した教育施設の設置および保有車両への安全運転支援装置の新設等のハード面はもとより、荷卸し等の基本作業訓練の再徹底、重大事故実例のグループ内の水平展開など自動車乗務員への安全教育の実効性を高め、ソフト面からも安全体制の確立を目指しております。
また、保有する輸送容器につきましては、法定点検に加え定期的な自主点検の実施や、自社以外の点検拠点の拡充等、事業ごとに点検漏れや事故を未然に防ぐ様々な取り組みを行っております。
(5)乗務員不足のリスク
日本石油輸送グループの従業員は、自動車乗務員がその大半を占めておりますが、高齢化の問題のほか、近年では低賃金、長時間労働が敬遠される傾向にあります。また、2024年には物流業界における時間外労働の上限規制が適用され、さらなる乗務員不足が危惧されるなど、乗務員不足によって事業継続が困難となることで、業績に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクへの対応として、日本石油輸送グループでは賃金面やシステム化による労働負担軽減など、雇用環境の改善による乗務員の確保に努めております。
(6)感染症等の流行によるリスク
感染症等の流行により、日本石油輸送グループの多くの従業員が感染するなど、人的資源の喪失で事業継続が困難になり、業績に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクへの対応としてBCPを策定し、政府等の対処方針に則り、従業員の感染予防を徹底するとともに、フレックスタイム制度の導入やテレワークの活用など、感染防止と事業の継続を両立させる措置を講じており、リスクを最小化できる体制としております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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