NIPPON EXPRESSホールディングス(9147)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


NIPPON EXPRESSホールディングス(9147)の株価チャート NIPPON EXPRESSホールディングス(9147)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

NIPPON EXPRESSホールディングスは、国内・海外各地域で貨物自動車運送業、鉄道利用運送業、航空利用運送業、海上運送業、港湾運送業、倉庫業等を行っている「ロジスティクス事業」を主軸とし、更に専門事業である「警備輸送事業」、「重量品建設事業」、及び各事業に関連する販売業・不動産業等の「物流サポート事業」を展開しているグループ会社の経営管理及びそれに附帯または関連する業務を行っております。

NIPPON EXPRESSホールディングスグループの事業に係る位置づけ及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。

 

○ ロジスティクス事業(日本通運㈱、及びNXアメリカ㈱以下275社)

日本

 日本各地で、日本通運㈱、子会社並びに関連会社が、鉄道利用運送事業、貨物自動車運送事業、倉庫業、利用航空運送事業、海上運送業、港湾運送事業及び付随する事業を行っております。また、㈱NXワンビシアーカイブズ並びにその子会社が、情報資産管理業を行っております。

米州

 米州の各都市で、NXアメリカ㈱等の子会社並びに関連会社が、利用航空運送事業、海上運送業、倉庫業等を行っております。

欧州

 欧州の各都市で、NX UK㈱、NXオランダ㈱、NXフランス㈱、NXイタリア㈱、カーゴパートナーホールディングス㈲、シーモン・ヘーゲレホールディングス㈲等の子会社並びに関連会社が、利用航空運送事業、海上運送業、倉庫業等を行っております。

東アジア

 東アジアの各都市で、NX国際物流(中国)有限公司、NX香港㈱、APCアジア・パシフィック・カーゴ㈱、NX韓国㈱、NX台湾国際物流㈱等の子会社並びに関連会社が、利用航空運送事業、海上運送業、倉庫業等を行っております。

南アジア・
  オセアニア

 南アジア・オセアニアの各都市で、NXシンガポール㈱、NXオーストラリア㈱、NXマレーシア㈱、NXタイ㈱、NXロジスティクスインドネシア㈱等の子会社並びに関連会社が、利用航空運送事業、海上運送業、倉庫業、重量品建設事業等を行っております。

 

○ 警備輸送事業(NXキャッシュ・ロジスティクス㈱)

 

 NXキャッシュ・ロジスティクス㈱が警備業及び付随する事業を行っております。

 

○ 重量品建設事業(NXエンジニアリング㈱、他2社)

 

 NXエンジニアリング㈱並びに関連会社等が重量物の運搬、架設、設置及び付随する事業を行っております。

 

○ 物流サポート事業(NX商事㈱以下42社)

 

 NX商事㈱等の国内外の子会社並びに関連会社が物流機器・包装資材・梱包資材・車両・石油・LPガスをはじめとする各種商品の販売、車両の整備、保険代理店業務、不動産業、ロジスティクスファイナンス事業等を行っております。

 

 また、㈱NX総合研究所が調査・研究業等を、NXキャピタル㈱がグループファイナンス事業等を、NXキャリアロード㈱が労働者派遣業を行っております。

 

 

なお、NIPPON EXPRESSホールディングスは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断されます。

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 

2025年12月31日現在

 

 



有価証券報告書(2023年12月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIPPON EXPRESSホールディングスグループ(以下「NXグループ」という。)が判断したものです。

 

(1)長期ビジョン

 


 

NXグループは、企業理念を拠り所として、創業以来ものを運ぶことを通して、人、企業、地域を結び、社会の発展を支えてきました。この変わらぬ使命を果たすため、社会の変化をとらえ、自らを進化させ続けます。また、安全に徹し、環境に配慮し、世界を舞台に全ての力を結集して、物流から新たな価値を創造することに挑戦していきます。そして、いつの時代にも、社会から求められ、信頼されることを誇りに行動します。

この企業理念に込められた想いを実践していくために、創立100周年の節目となる2037年のありたい姿として「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」に成長することを長期ビジョンに掲げております。長期ビジョンの実現には、ロジスティクスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるとともに、NXグループ自らが持続的な成長を果たす企業であり続けなければなりません。そのためには、多様な社員が、お客様や社会を支える仕事に誇りを持って活躍し、幸せを感じる企業であり続けられるよう邁進してまいります。

「安全・コンプライアンス・品質」に対するこだわりを基本とした現場力、企業メッセージ「We Find the Way」に表現されるお客様第一の姿勢は、大切にする価値観としてこれからも徹底的にこだわっていきます。加えて、NXグループがグローバル市場での成長を加速していくために、グループ・グローバルで全体最適やありたい姿・長期ビジョンに対するバックキャストで物事を捉えられるよう社員一人ひとりの意識と行動を変容させ、自律的で挑戦的な価値観を醸成させる企業風土への変革を進めてまいります。そのような変革を通して、NXグループが「イノベーションによる新たな価値創造」、つまり、ロジスティクスを通じてお客様や社会へ新たな価値を提供していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

そして、その先にある「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」という姿を、グループ全体で共有し、その実現に向け進んでまいります。

 

 


 

長期ビジョンの実現に向けたステップを、上図に示しております。

グローバル市場での存在感を示すにあたり、2019年当時20%程度にとどまっていた海外売上比率を、創立100周年を迎える2037年度には50%に伸長させることをイメージして、2019年4月1日より長期ビジョン達成に向けた第一歩目となる経営計画「NXグループ経営計画2023~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~(至2023年12月31日)」をスタートし、売上の拡大とともに収益性の向上についても目標指標を定め、諸施策の取組みを進めてまいりました。

2024年1月1日より、新たな経営計画として「NXグループ経営計画2028」がスタートしています。新経営計画の副題を“Dynamic Growth 2.0  Accelerating Sustainable Growth ~持続的な成長の加速~”とし、前経営計画に続くセカンドステージとして、これからも変革に挑戦し続けていくという意思を込めています。目指す姿や方向に変わりはなく、引き続き長期ビジョンの実現に向けたバックキャストの考え方に基づき、経営計画に掲げる諸施策の実施に邁進してまいります。

 

(2)NXグループ経営計画2023~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~

A.経営計画の取組み

NXグループは、長期ビジョンの実現に向けたバックキャスト思考のもと、2019年4月1日より、5年間の経営計画「NXグループ経営計画2023~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~」を策定し、グループ価値の向上を目指して取り組んでまいりました。

 

■重点戦略

「事業の成長戦略」

・「コア事業の成長戦略」として、NIPPON EXPRESSホールディングスの強みである、お客様の生産・販売サプライチェーンを支える事業をコア事業として位置付け、顧客(産業)軸、事業軸、エリア軸の3つの軸によるアプローチを強力に推進し、日本を含む世界全体で収益性の向上に取り組んでまいりました。

≪主なKPI≫

・重点産業の売上高(電機・電子産業、自動車産業、アパレル産業、医薬品産業、半導体産業)

・海上フォワーディング数量(TEU)、航空フォワーディング数量(トン)

・非日系顧客の売上高

 

・「日本事業の強靭化戦略」として、経営の核となる日本事業の経営体質をより強靭なものにするため、日本の各事業における収益性の向上に徹底的にこだわり、「低収益事業の抜本的改革」「営業・事務生産性の向上」に取り組んでまいりました。

≪主なKPI≫

・間接部門人員の再配置数(営業等の戦力の創出)

・事務プロセスの改革に伴う超勤時間削減による効果額、及び人材派遣費削減額

・料金改定効果額

 

「長期ビジョン実現のための取組み」

・「非連続な成長戦略」として、M&A戦略を明確化し、グローバル経営基盤の強化・拡充に向け取り組んでまいりました。

 

・「取組みを支える機能強化」として、IT戦略、DX戦略、人材戦略、広報戦略、外部企業との共創によるイノベーションを通じて、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。

 

・「持続的成長と企業価値向上のためのESG経営」として、「E:環境」は「物流企業としてCO2排出量削減にこだわる」をテーマに、「S:社会」は「社員が幸せを感じる企業に変革する」をテーマに、「G:ガバナンス」は「持続的な企業価値向上を支える仕組みを構築する」をテーマに各種施策に取り組んでまいりました。

≪主なKPI≫

・自社排出CO2の削減量

・女性社員の勤続率、年次有給休暇取得率、男性育児休業取得率

 

B.経営計画における経営数値目標及び実績について

①経営数値目標

経営計画の最終年度である2023年度の実績及び最終目標に対する進捗状況は、以下のとおりです。

 

(単位:億円、%)

項目

2020年

3月期実績

2021年

3月期実績

2021年

12月期実績

2022年

12月期実績

2023年

12月期実績

2023年度最終目標

最終目標数値

進捗率

売上高

20,803

20,791

23,371

26,197

22,432

24,000

93.5

営業利益

592

781

970

1,287

691

1,100

62.8

売上高営業利益率

2.8

3.8

4.2

4.9

3.1

4.6

親会社株主に帰属

する当期純利益

174

561

661

1,098

459

720

63.8

海外売上高

4,125

4,537

6,861

8,416

6,424

7,200

89.2

ROE

3.2

10.0

8.9

15.9

5.9

10.0

 

※「海外売上高」は連結調整前数値となります。

※2021年12月期実績(ROEを除く)は、2021年1月~12月のプロフォーマベースの数値となります。

※2023年12月期実績は、IFRS基準の数値を日本基準に置きなおしたプロフォーマ日本基準数値により評価しております。

※2023年度最終目標数値は、2022年2月14日に公表した修正後の数値となります。

※日本基準に基づく金額を記載しています。

 

 

セグメント別実績

(単位:億円、%)

セグメント

項目

2020年

3月期実績

2021年

3月期実績

2021年

12月期実績

2022年

12月期実績

2023年

12月期実績

2023年度最終目標

最終目標数値

進捗率

日本

売上高

12,135

12,128

13,382

14,572

12,674

13,730

92.3

営業利益

428

519

546

658

370

658

56.2

米州

売上高

910

781

1,097

1,620

1,512

1,210

125.0

営業利益

27

4

65

133

92

72

127.8

欧州

売上高

1,193

1,171

1,653

2,156

1,926

1,860

103.5

営業利益

17

34

76

124

98

87

112.6

東アジア

売上高

1,120

1,436

2,247

2,420

1,576

2,310

68.2

営業利益

29

84

83

124

37

89

41.6

南アジア・

オセアニア

売上高

901

1,147

1,863

2,218

1,408

1,820

77.3

営業利益

31

98

166

200

83

142

58.5

警備輸送

売上高

725

692

688

684

681

690

98.7

営業利益

△10

△9

△1

9

25

11

227.3

重量品建設

売上高

523

458

453

445

511

530

96.4

営業利益

61

52

59

63

65

61

106.6

物流

サポート

売上高

4,712

4,478

3,934

4,148

4,190

3,820

109.7

営業利益

123

136

129

163

141

120

117.5

 

※連結調整前数値、億円未満切り捨てとなります。

※2021年12月期実績は、2021年1月~12月のプロフォーマベースの数値となります。

※2023年12月期実績は、IFRS基準の数値を日本基準に置きなおしたプロフォーマ日本基準数値により評価しております。

※2023年度最終目標数値は、2022年2月14日に公表した修正後の数値となります。

※日本基準に基づく金額を記載しています。

 

②経営計画各種戦略の実施状況及び経営成績についての評価

経営計画達成に向けた2023年度の重点戦略の取組み、及びKPIの進捗状況、それらについての分析と評価については、「3 経営者による財務状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績」をご覧下さい。

 

③資本政策

≪目標数値≫

・ROE                10.0%

・配当性向               30%以上

・総還元性向            50%以上(2019年度~2023年度累計)

・自己資本比率         35%程度

 

≪実績の推移≫


 

C.対処すべき課題

今後の経済動向につきましては、世界的にインフレがピークアウトし、欧米を中心とした金融引き締め局面は転換点を迎えつつも、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢など地政学リスクの高まりにより、不透明な状況が続くことが予測されます。

物流業界におきましては、地政学リスク及び経済安全保障リスクの高まりを踏まえ、安全調達の観点から既存のサプライチェーンを見直す顧客企業への対応に加え、気候変動への対応や、慢性的な人材不足、デジタル化への対応、先端技術の導入による新たな物流サービスの開発など、業界全体として社会の持続的な成長を支える新たな価値創造産業への転換が求められております。

NXグループは、このような経営環境のもと、今後5年間の経営指針となる「NXグループ経営計画2028 Dynamic Growth 2.0 “Accelerating Sustainable Growth ~持続的な成長の加速~”」を策定いたしました。前経営計画に続くセカンドステージとして、創立100周年となる2037年にありたい姿として定めた「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」という長期ビジョンの実現に向けて、これからも変革に挑戦し続けてまいります。

長期ビジョンの実現に向けて、目指すべき方向に大きな変わりはありませんが、NXグループ経営計画2028では対処すべき最重要課題として「グローバル市場での事業成長の加速」、「日本事業の再構築」、「サステナビリティ経営の推進」の3つを掲げております。

 


 

「グローバル市場での事業成長の加速」

長期ビジョンの実現のために、これまで以上にお客様志向のもと、グローバル市場におけるコアロジスティクス事業の成長を加速させてまいります。グループ全体最適によるアカウントマネジメントを推進していくことにより、お客様のグローバル・サプライチェーンにEnd to Endソリューションを提供し、事業領域の拡大を目指します。重点産業や非日系顧客への取組みを加速させるとともに、航空及び海運フォワーディングの販売拡大や倉庫を中心とした幅広いロジスティクスソリューションの提供強化にも注力してまいります。

M&Aや提携、戦略投資によるダイナミックな事業成長の実現にも引き続き取り組んでまいります。特に、過去最大のM&Aとなるcargo-partner社へのPMI早期実行により、中東欧地域でのロジスティクス基盤の補完によるグローバルネットワークの拡大など、グローバル市場における競争力の強化に取り組んでまいります。また、エリア戦略として、中長期的な視点で、更なる経済成長が見込まれるインドでの事業拡大にも挑戦してまいります。

 

 

「日本事業の再構築」

マザーマーケットである日本では、明確な事業ポートフォリオと役割分担のもと、各事業の強靭化による収益力の向上に取り組むとともに、低収益事業については、事業の整理や入替も視野に入れ、収益力の高い組織への変革に取り組んでまいります。

東名阪の大都市圏では、グローバル市場での事業成長の起点として、カスタマーイン・マーケットイン視点のもと、経営資源の再配置を進めてまいります。その他の地域では、将来性を踏まえ、収益性と資本効率の向上に取り組んでまいります。これらを踏まえ、日本事業の中核となる日本通運では、マーケットの特性に応じて、各エリアの役割を明確にし、経営の自由度を高めていくことを目的として、社内カンパニー制導入の検討を進めております。

また、専門ロジスティクス事業については、NXグループの事業ポートフォリオにおける存在意義を明確にし、専門性の向上と品質の強化に努めるとともに、物流サポート事業においては、ロジスティクス・トータル・ソリューションの展開によるグループ全体の競争力強化に取り組んでまいります。

 

「サステナビリティ経営の推進」

サステナビリティ経営を推進していくにあたり、企業価値の向上と社会課題の解決のために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を、「サステナブル・ソリューションの開発・強化」「グローバル・サプライチェーンの強靭化」「気候変動への対応強化」「イノベーションを生む人財力の向上」「人権の尊重と責任ある企業活動の実現」の5つに再特定しております。

サステナビリティは、物事を考えるうえでの、全てのベースとなる観点となります。事業を通じて、社会課題の解決に貢献することは、これまでもNXグループが果たしてきた役割であり、今後もこれまで以上に積極的に取り組んでいくことで、顧客・社会・株主・社員から選ばれる企業グループへ変革してまいります。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

 NIPPON EXPRESSホールディングスグループ(以下「NXグループ」という。)の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNXグループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関わるリスク

①市場環境の変化について

 NXグループは、B to Bの企業間物流を中心に事業を展開しておりますが、生産分業や多国間取引の拡大など顧客の事業活動のグローバル化はより一層進展しております。そのような中において、米中間の貿易摩擦やテクノロジーを巡る覇権争いは近年激化しており、貿易や製造業の成長の下押しの要因となりうる不確実な状況が続いており、また、アジアや東欧、中近東を中心とした紛争等による地政学リスクも高まっております。これらを背景に世界マクロ経済が後退すると、顧客企業の輸送需要の動向に影響を与えることになり、NXグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクとなります。特に、米国、中国経済の鈍化は日本を含む多くの国々の製造業にも影響することもあり、NXグループのロジスティクス事業セグメントにおいて大きな影響を及ぼす可能性があります。

 引き続き、製造業の顧客に対する生産調達物流に関わる貢献領域の拡大に取組むとともに、各国における消費財関連の販売物流領域の一層の強化、拡大や、新興エリア等への事業進出の加速などを通じて、リスク低減に努めてまいります。

 また、NXグループの事業の中心は「ロジスティクス(日本)」であり、今後も事業の核となるのは強みである日本事業と日系企業との取引になると考えております。一方で、少子高齢化を背景とした需要低下の予測や、eコマースを代表としたロジスティクス物流の変化など、日本国内市場における事業環境は変化するとともにB to Bの貨物輸送需要は減少することが想定されます。

 日本国内市場の輸送需要の減少は、NXグループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクとなりますが、中長期的な課題として位置付けており、当面は緩やかな減少になると考えております。引き続き、NXグループの事業の中心である日本でしっかりと収益を確保するとともに、医薬品関連産業や半導体関連産業へのロジスティクスや、グリーンロジスティクスなど、今後、日本国内で需要が拡大すると見込まれるロジスティクスのニーズを取り込んでまいります。また、成長領域である海外のロジスティクス物流市場へ更なる投資を進めることで、事業の成長につなげてまいります。

 

②デジタル化等のテクノロジーの進化について

 IT等デジタル技術の急速な発展を背景に、あらゆる業界において新たなビジネスモデルやサービスの創造が進んでおります。特にコロナ禍を契機として、顧客ニーズやビジネスモデルの変化は加速しており、アフターコロナを見据えたビジネスの見直しは、業界を問わず急務となっております。物流業界を取り巻く環境においても、ITにより顧客と輸送業者等を結びつけるデジタルフォワーダーなど異業種からの参入を代表に、様々な変化が起こっております。このような変化は、IT等デジタル技術の活用による事業の省力化や効率化につながると考えられますが、中長期的にはNXグループが長年培ってきた強みを打ち消す、もしくは物流ニーズの低減につながるリスクとなりえると考えられます。

 また、国際紛争、大都市ロックダウン、自然災害などの想定外の事態により、国境を越えて構築され、複雑化しているサプライチェーンが寸断されるリスクが生じております。この対策として、サプライチェーンやリスクマネジメントに関連するデータを、AIを用いて分析し、新たなインサイトを導出することで、代替輸送手段の提案などサプライチェーンの強靭化につながるソリューションを検討しております。

 2023年までの経営計画期間内においては、これらの事業環境の変化に関する分析や異業種との共働・協創などを通じて、現在、そして今後起こりうる変化への対応や備えに努めるとともに、デジタル化を取り込み、時代の変化に対応するサービスの創出を通じて事業の成長につなげてまいります。

 

 

③法規制について

 NXグループが展開する物流を中心とした事業は、多岐にわたっており、それぞれの事業分野において法的規制を受けております。NXグループは、コンプライアンス経営を最重要課題として認識し、取組みを行っておりますが、法的規制により営業活動等の一部が制限された場合、売上収益の減少、あるいは、新たな費用の増加等により、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④自然災害について

 世界各地で昨今発生する自然災害はその頻度を増し、また、規模を拡大しており、NXグループ及び顧客の事業活動にとって大きなリスクとなっております。NXグループは、鉄道、自動車、船舶、航空機等、多岐にわたる輸送手段を有しておりますが、自然災害により輸送障害が発生した際、代替手段による輸送を実施したとしても、顧客企業の生産や販売活動への影響を低減しきれない場合、また、自然災害によるNXグループ施設への被害が発生した場合、NXグループの経営成績及び財政状態への悪影響を回避できない可能性があります。

 加えて、NXグループの輸送する商品には、特に「ロジスティクス(日本)」において、農作物の一次産品、飲料水、アパレル等、輸送需要が季節により変動し、天候に大きく影響を受けるものを含んでおります。大規模自然災害はもちろんですが、冷夏、暖冬、少雨等の異常気象が発生した場合、顧客の生産や需要が減少し、売上収益の減少等、NXグループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。一方で、NXグループの強みである需給調整のための在庫保管業務の需要を取り込むとともに、輸送需要の異なる幅広い顧客基盤の構築に取り組み、リスクの軽減に努めてまいります。

 

⑤感染症について

 NXグループは、日本を含む世界各国で事業を運営しており、各国においてサービスを提供しております。一方で、グローバル経済の浸透により人の往来が活発になる中で、今後も、感染症の急速かつ世界的な拡大や新たな感染症の発現などのリスクが依然として高まっております。NXグループの事業活動が行われる国において感染症が発生した場合、お客様の事業活動の停止や、輸送インフラの停止などが想定され、従業員や協力会社に大量の病欠者が出た場合は、事業継続に影響を及ぼす可能性もあります。

 NXグループは、引き続き感染症拡大の防止と安全確保を最優先に、NXグループ危機管理要領の整備などリスクマネジメント体制の構築や顧客に対する代替輸送提案等を通じて、リスク拡大への対処を進めてまいります。

 

(2)経営戦略の推進・事業拡大に関わるリスク

①M&A及び事業投資について

 NXグループは、グローバルロジスティクス企業としての成長に向けた経営資源の最適化を図るため、グループ内における経営管理を徹底し、選択と集中を進めると共に、事業領域の拡大、もしくは必要な機能の取得及び拡充に向けて、M&Aをその選択肢の一つとしております。M&Aの実施にあたっては、対象企業の財務内容や契約内容等について綿密な事前審査を行い、リスクを把握したうえで決定しておりますが、デューデリジェンスでは確認しえなかった買収先のリスクが残る可能性があります。また、例えば新型コロナウイルス感染症拡大などのように、買収後に予想しえなかった事業環境の変化がおこる可能性もあります。これらの要因等により当初想定した事業展開が進まず、事業計画どおりの成果が得られない場合には、対象企業の業績悪化やのれんの減損損失等、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②人財の確保・育成について

 高度な物流ソリューションを提供し、急速に変化する経営環境へ柔軟に対応していくためには優秀な人財の確保が重要となります。

 そのため、多様な人財が活躍し、社員の成長を支援する仕組みや社員が能力を存分に発揮できる環境の整備が重要であるとの認識に立ち、各種研修制度の拡充、社員の挑戦を促す人事施策を推進しております。同時に、高い専門性や事業経験を有するプロフェッショナル人財の確保についても、グローバルレベルで取組みを進めております。

 

 しかし、優秀な人財の確保が世界各国、各業界において共通の課題となっていることから、必要となる人財を確保することが困難となった場合には、NXグループの企業価値が十分に高められず、事業運営や経営計画の遂行に支障をきたし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、実運送を主体としている日本国内のグループ会社においては、2024年問題や今後加速する労働力人口の減少に対応すべく、労働環境・諸制度の改革や、省力化、省人化を実現する最先端技術の導入、データの利活用など物流の高度化を推進しております。

 ところが、こうした取組みの効果が発揮できず、事業の継続に必要となる人財を確保することが困難となった場合は、事業の継続に支障をきたし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③財務に関わるリスクについて

 NXグループの主要な資金需要は、利用運送費、燃油費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備の新設、改修等に係る投資であり、これらの資金需要に対し、一部を金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。

 金利の変動リスクに晒されている借入金については、一部、金利スワップ取引等のヘッジ手段を利用してリスクを低減しておりますが、大幅な金利の変動等があった場合、また、格付け機関によるNXグループの信用格付けの引き下げ等の事態が生じた場合、資金調達コストが増加し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、NXグループは、日本国内、海外各国に数多くの物流拠点を有しております。設備投資あるいは長期にわたる賃貸借契約にあたっては、投資効果の算定、キャッシュ・フローの回収見込み等、長期的な観点から十分に検討したうえで実施しておりますが、今後の経済動向、顧客企業の動向等により、当初計画よりも早期に処分、返還等を行い、一時的な損失が発生する、または減損損失が発生する等、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)事業運営に関わるリスク

 ①安全品質に関するリスクについて

 NXグループにおいて、事業の根幹を支える「安全・コンプライアンス・品質」の徹底は経営の重要課題であり、従業員の価値観となります。しかし、これらの徹底が不十分である場合、またはNXグループもしくは協力会社において重大な貨物事故や交通事故等が発生した場合、NXグループの品質への信頼の失墜、ブランドの棄損とともに訴訟や事業停止などにつながるリスクになります。このようなリスクが顕在化した場合、NXグループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 ②カントリーリスクについて

 NXグループは、世界各地で事業展開しており、各国の政治・経済・社会・法規制の変化や暴動、テロ及び戦争の発生による経済活動の制約、国際輸送への制約などにより、NXグループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③情報システム及び情報セキュリティについて

 昨今の情報通信技術の目覚ましい発展により、情報システムの戦略的な活用は事業運営に不可欠であり、システムの可用性や情報の適切な取扱いは、NXグループにおいても経営の重要課題であり、また、企業として果たすべき社会的責任でもあります。NXグループにおいては、ITシステム部門の統合によるIT戦略の立案と実施をグループ一体で推進するとともに、「システムリスク管理規程」「NXグループIT基本方針」「NXグループサイバーセキュリティ基本方針」を整備し、適切な利用環境の構築、及びeラーニング等を利用した従業員への教育や外部からの攻撃や非常事態を想定した定期的な訓練に努めております。

 しかしながら、想定を超えた水準の情報システムや通信における障害、近年、規模や頻度が拡大し巧妙化を続けるサイバー攻撃などによる機密情報の破壊・窃盗などは、NXグループの事業活動に深刻な影響を及ぼすだけでなく、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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