シーユーシー(CUC)(9158)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


シーユーシー(CUC)(9158)の株価チャート シーユーシー(CUC)(9158)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 シーユーシー(CUC)グループは、シーユーシー(CUC)と国内連結子会社17社、海外連結子会社25社から構成されています。

 

 シーユーシー(CUC)グループは「医療という希望を創る。」というミッションに基づき、医療機関セグメント、ホスピスセグメント、居宅訪問看護セグメント及びメディカルケアレジデンスセグメントを報告セグメントとして事業を展開しています。

 なお、当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」 をご参照ください。

 医療機関セグメントでは、国内においては病院、訪問診療クリニック、透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関に対して経営支援サービス(経営戦略策定・経営管理支援、マーケティング支援、IT・経理・総務等支援、人事・採用機能支援等に加えて、M&A・PMI支援、新規クリニック開設支援、病床転換支援等のプロジェクト受注)を提供しています。海外においては、東南アジアでは医療機関に対する経営支援等、米国では足病及び下肢静脈疾患クリニックの運営等を行っています。

 ホスピスセグメントでは、ホスピス型住宅の入居者に提供するサービスの質を最重要視した上で、既存のホスピス型住宅の入居者増加に加え、看取り機能が脆弱な地域を中心にホスピス型住宅の新規展開を加速し、より多くの医療依存度の高い(がん末期、神経難病等を患う)入居者向けに訪問看護及び訪問介護を提供しています。

 居宅訪問看護セグメントでは、利用者に提供するサービスの質を最重要視した上で、既存の訪問看護ステーションの利用者拡大に加え、新規エリアへの訪問看護ステーションの新規開設を行い、居宅の利用者向けに訪問看護を提供しています。

 メディカルケアレジデンスセグメントでは、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅及びリハビリ強化型デイサービスの運営や施設入居者への定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを展開しています。今後は、既存施設の稼働率改善、介護需要が高い地域への新規開設を行いながら、より医療依存度、要介護度の高い入居者(要介護度3-4程度の方)の受け入れを推進していきます。

 

 シーユーシー(CUC)グループは、急性期(注1)から回復期(注2)、慢性期(注3)、終末期(注4)の各ステージにおいて、患者、医療従事者、医療機関向けに様々なサービスを展開しています。具体的には、急性期から終末期に亘るステージでは、医療機関セグメントにおいて病院やクリニック等に対する経営支援サービスを提供しています。また、回復期から終末期に亘るステージでは、ホスピス事業、居宅訪問看護事業、メディカルケアレジデンス事業を運営しています。

(注)1.発症初期又は急性に発症した期間。

2.急性期を経過し、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを行う期間。

3.長期に亘り療養が必要な期間。

4.治療効果が期待できず余命が残り僅かと判断された期間。

 

 医療機関セグメント、ホスピスセグメント、居宅訪問看護セグメント及びメディカルケアレジデンスセグメントの主要なサービス内容等は以下のとおりです。

 

(1)医療機関セグメント

 我が国では、超高齢社会に適合するために医療機関の機能転換(例えば、急性期医療から回復期医療への転換)が求められる中で、高齢化に伴う医療費の増加、診療報酬改定、物価や人件費の高騰等を要因として、医療機関は厳しい経営環境に置かれていると考えています。また、日本の労働人口は今後も減少することが見込まれており、医療従事者確保の難易度は高い状況が続いています。日本国内には8,000を超える数の病院が存在し、内80.9%(注1)が民間によって運営されており、数多くの民間医療機関があるものの、2022年時点で日本における病院経営者の68.7%が60歳以上(注2)であり、2017年時点で後継者不在の病院が68.4%(注3)であることから、事業継続が危ぶまれる医療機関が数多く存在していると考えています。

 シーユーシー(CUC)グループがサービスを提供する海外の医療業界、特に米国においては、日本と同様に、高齢者人口の増加が進み、糖尿病等の患者数が増加しており、生活習慣病疾患に関連した医療ニーズの高まりが見込まれます。

(注)1.「令和5年医療施設調査・病院報告の概況」(厚生労働省、2024年)。

2.「令和4年医師、歯科医師、薬剤師統計の概況」(厚生労働省、2024年)。

3.「医業承継の現状と課題」(日本医師会総合政策研究機構、2019年)。

 

① 医療機関への経営支援

 シーユーシー(CUC)は、国内においては病院、訪問診療クリニック、透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関向けに運営支援(経営戦略策定・経営管理支援、マーケティング支援、IT・経理・総務等支援、人事・採用機能支援等をオールインワン月額報酬で受託)及び売上成長支援(M&A・PMI(Post Merger Integration:事業承継後の統合プロセス)、新規クリニック開設又は病床転換等への支援をワンタイム報酬で受託)を提供しています。

 シーユーシー(CUC)の医療機関への経営支援の特徴は、上記の広範なサービスを一体的に提供することにあり、多くの支援先医療機関にシーユーシー(CUC)の経営支援人材が常駐し、医療機関を効率的かつ安定的に運営できるように支援することにより、支援先医療機関と継続的に契約している点が特徴です。具体的な経営支援サービスの例は以下のとおりです。

 ・医療職の採用や人材確保(リテンション)のノウハウ提供

 ・教育研修体制の整備

 ・集患戦略、診療科の選択等による売上収益拡大戦略の策定

 ・部門別管理会計と予実分析

 ・人事制度、報酬体系の整備

 ・後継者不在の医療機関の事業承継におけるアドバイザー業務と事業承継後のPMI

 ・急性期病床から回復期病床や地域包括医療病床への転換

 ・老人保健施設から住宅型有料老人ホームへの転換

 ・新規のクリニック展開をする際の開設場所の選定、マーケティング、人材採用、教育、行政手続き支援等

 

 常駐型の経営支援の他にも、大規模病院向けの非常駐型コンサルティングサービス(診療報酬改定への対応戦略、医療機器保守費用の削減支援等)、診療報酬ファクタリングサービス及び医療材料の販売等を行っています。また、ベトナム及びインドネシアにおいても医療機関に対して経営支援等を行っています。

 

 

② 海外における医療機関の運営

 ミシガン州、オハイオ州、イリノイ州等の米国中西部を中心に足病及び下肢静脈疾患クリニックを運営しています。交通事故による外傷や関節炎、糖尿病性足潰瘍等の、膝より下の部位の疾患にかかる診察から手術等の幅広いサービスを患者に提供しています。加えて足病患者が頻繁に抱える下肢静脈瘤等の疾患に対応する等、周辺の診療領域においても診断、治療サービスを展開しています。米国で運営しているクリニックは、民間医療保険、公的医療保険、患者からの自己負担金により収入を得ています。

 また、生活習慣病患者が増加傾向にある一方、「かかりつけ医」の概念が普及していないベトナムにおいて、日本標準の医療サービスを提供するため、地域のベトナム人の方々を支えるプライマリ・ケアのクリニックを運営しています。ベトナムで運営しているクリニックは民間医療保険及び患者からの自己負担金により収入を得ています。

 

③ 給食サービス

 支援先医療機関が運営する病院、介護医療院、介護老人保健施設、住宅型有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅等並びにホスピスセグメントが運営する住宅型有料老人ホームに食事を提供しています。それらの施設における食事は患者や入居者の治療や健康管理の一環として重要な役割を担っているため、衛生管理体制を徹底した上で、各施設における患者や入居者の身体状態や症状に合わせた食事を提供しています。

 

④ 不動産賃貸

 支援先医療機関に対する不動産の賃貸及び保守管理を行っており、不動産賃料を売上収益として計上しています。

 

 

(2)ホスピスセグメント

 我が国では、急速な高齢化による将来的な医療費の増大が見込まれており、病院医療よりも医療費を大幅に抑えられる在宅医療の拡大が厚生労働省を中心に推進されています(注1)。また、2023年時点で約6割の方が病院で亡くなる(注2)一方で、2021年時点で約6割の方が自らの死期が迫っていると分かった時に人生の最期を自宅で迎えたいと思っている(注3)状況です。

 しかしながら、そのように自宅で最期を迎えたいと思っている方を受け入れる仕組み、受け皿が現在は十分ではないと考えています(注4)。

 シーユーシー(CUC)グループは、上述のような社会課題を解決するために、ホスピスセグメントにおいて、ホスピス事業を行っています。

(注)1.「第2回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(厚生労働省)。

   2.「令和5年人口動態統計」(厚生労働省)。

   3.「人生の最期の迎え方に関する全国調査(2021年)」(日本財団)。

   4.「第8次医療計画策定に向けた在宅医療について」(厚生労働省)。

 

[サービスの内容]

① ホスピス型住宅の運営

 ホスピス事業で使用する施設(ホスピス型住宅)は、対象を主にがん末期の方や神経難病等を患っている方に限定した、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅であり、ホスピス型住宅に併設された訪問看護事業所及び訪問介護事業所から24時間365日体制でサービスを提供しています。

 ホスピス型住宅は、病院と自宅の中間に位置づけられる施設であり、自宅にいるような暮らしをしながら、痛みや苦痛を和らげつつ充分なケアを受けることが可能となっています。また、入居者が最期まで自分らしく生きていると実感でき、その家族も含めて快適な生活を送ることができるように努めています。

 ホスピス事業の特徴の1つとして、入居者の希望があった場合には、訪問診療を担う医師の判断の下、看護師や介護士が可能な限り入居者が希望する食事をする機会や外出する機会を提供することが挙げられます。感染症予防策を十分に講じた上で可能な限り家族との面会を調整し、残された時間で心に残るひとときを過ごせるよう努めています。

 ホスピス型住宅の入居者とは、入居に際して賃貸借契約を締結し、家賃収入等を毎月の収入として得ています。

 

② 訪問看護、訪問介護、居宅介護支援、居宅介護及び重度訪問介護

 健康保険法、介護保険法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づき、訪問看護、訪問介護、居宅介護支援、居宅介護及び重度訪問介護等を提供しています。

 

(i)訪問看護

 医師の訪問看護指示書に基づき、医療的ケアを必要とする入居者に対して訪問看護を提供しています。ホスピス事業では、訪問看護の診療報酬及び訪問看護の介護報酬の収入を得ています。訪問看護の診療報酬・介護報酬は、国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金より支払われる診療報酬並びに入居者からの自己負担金で構成されています。ホスピス型住宅に訪問看護事業所を併設することで、24時間365日の訪問ができ、入居者が安心して生活できるような体制を整えています。

 

(ii)訪問介護

 介護士等が入居者(要介護者等)を訪問し、入浴・排泄・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供して、訪問看護の介護報酬の収入を得ています。ホスピス型住宅に訪問介護事業所を併設することで、訪問看護事業所と連携しながら訪問看護サービスと親和性の高い訪問介護サービスを提供しています。

 

(iii)居宅介護支援

 一部の施設においては、居宅介護支援事業所を併設し、在籍するケアマネジャーによるケアプランの作成支援を行っています。居宅介護支援サービスを利用した入居者には自己負担金はなく、売上収益は介護保険の収入のみを得ています。

 

(iv)居宅介護及び重度訪問介護

 障害者総合支援法に基づき、障害のある方が住み慣れた地域で生活するため、日常生活又は社会生活を営む支援として、居宅介護サービス及び重度訪問介護サービスの提供を行っています。重度訪問介護サービスとは、重度の肢体不自由者の方に、入浴・排泄・食事等の介護並びに調理・洗濯・掃除等の家事等の総合的な障害福祉サービスを提供するものです。これらのサービスは個々の方の障害程度や勘案すべき事項(社会活動や介護者、居住等の状況)を踏まえ、個別に支給決定された報酬を得ています。

 

[終末期の患者を取り巻く概況]

 多死社会を迎える日本で、がんによる死亡者数は年間約40万人にのぼります(注1)。特にがん末期の方は手厚い医療及び介護ケアが必要になります。

 また、全国の指定難病患者数は約109万人にのぼり(注2)、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症等338個の疾患が指定されています。難病の方もがん末期の方と同様に手厚い医療及び介護ケアが必要です。

 終末期の限られた時間を自宅で過ごしたい要望がある一方で、必要な医療及び介護ケアを自宅で提供することは、家族の負担があまりに大きく難しいため、ホスピス型住宅に対する社会的ニーズは強いと考えています。

(注)1.「令和5年人口動態統計」(厚生労働省)。

2.「令和5年度衛生行政報告例」(厚生労働省)。

 

(3)居宅訪問看護セグメント

 超高齢社会である我が国では、在宅医療に対する国民のニーズが高まっている(注1)ことから、症状の重い患者の自宅療養生活を支える体制が必要となり、24時間365日対応の在宅医療体制の拡充が必要であると考えています。

 これらのニーズを受け、全国の訪問看護ステーション数は、2013年の約7,200事業所から2023年の約16,400事業所へと近年急速に増加しています(注2)。一方、2020年時点で訪問看護事業所の57%が5人未満の看護職員で運営している小規模事業所であり(注3)、24時間365日対応の安定的な運営が可能な大規模事業所のニーズを満たしていないといえます。

 そのような中でシーユーシー(CUC)グループは、次世代の居宅訪問看護のスタンダードモデルとして24時間365日対応の安定的な運用が可能な従業員数を有する大規模事業所を効率的に運営すること、医療依存度の高い利用者に対して質の高いサービスを提供できる体制を構築すること、及び居宅訪問看護に携わる一人ひとりがその人らしく活躍できる仕組みをつくることを目指しています。

(注)1.「在宅医療の最近の動向」(厚生労働省)。

2.「令和5年介護サービス施設・事業所調査の概況」(厚生労働省)。各年9月に訪問看護費を請求した訪問看護ステーション及び病院・クリニックが運営する居宅訪問看護事業所数の合計(介護保険ベース)。

3.「第220回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3」(厚生労働省)。

 

[サービスの内容]

① 訪問看護

 居宅の利用者向けに訪問看護のサービスを提供しています。医師の訪問看護指示書に基づき、看護師やセラピスト(注1)が医療的ケアを必要とする利用者の自宅に訪問し、訪問看護を行っています。具体的には健康状態のアセスメントや日常生活の支援をはじめとし、心理的な支援、予防的看護、家族や介護者への支援、社会資源の活用支援、エンドオブライフケア(注2)等、多岐にわたるサービスを実施しています。

 居宅訪問看護事業では、訪問看護の診療報酬及び訪問看護の介護報酬の収入を得ています。訪問看護の診療報酬及び介護報酬は、国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金より支払われる報酬並びに利用者からの自己負担金で構成されています。

 質を重視した訪問看護を提供するため、人材育成や制度改正への対応、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)策定と運用支援、災害対策、感染症対策等を主とした本部での後方支援の体制を整えています。多職種が協働・連携することによる多角的な視点でのよりよいサービス提供に努めており、理学療法士や作業療法士だけでなく、言語聴覚士も過半数の訪問看護ステーションに在籍し、脳卒中の後遺症や先天的障害を抱える乳幼児等に対する多様なリハビリにも対応しています。また、精神疾患を抱える利用者にも対応できるよう、基本的に各訪問看護ステーションに精神科対応可能な看護師や作業療法士が在籍し、利用者への個別対応を可能にしています。

 現在、医療ニーズの高い利用者への対応強化のため、24時間365日対応の体制をとる訪問看護ステーションを順次増やし、夜間や土日祝日の訪問ニーズに可能な限り対応しています。これにより利用者家族の負担軽減にも貢献しています。

(注)1.セラピストは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の総称。

2.救命、延命治療における患者及び家族の意思決定の権利を守り、本人の自己決定を支援する考え方を基礎としたケア。

 

 

 

② 通所介護(デイサービス)

 要介護状態となった利用者が可能な限り居宅で自立した日常生活を送れるように、生活機能の維持又は向上を目指して日帰りで機能訓練を提供するサービスを提供しています。デイサービスを提供することにより利用者の社会的孤立感が解消されるのみならず、利用者家族の身体的、精神的負担を軽減する効果も期待されます。

 デイサービスには、理学療法士又は作業療法士を専属で配置しており、個別又は集団のリハビリプログラムにより、利用者一人ひとりに合ったトレーニングを行っています。介護保険制度の要支援・要介護に認定されている方が主なサービス利用者であり、デイサービスでは主に介護保険の収入を得ています。

 

③ 居宅介護支援

 介護を必要とする方が居宅で適切にサービスを利用できるように、介護支援専門員(ケアマネジャー)が心身の状況や生活環境、本人及びその家族の希望等を伺いながら、個々人に合った居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、サービスを提供する事業所等との連絡及び調整を行っています。

 居宅訪問看護事業で運営する居宅介護支援事業所は訪問看護ステーションに併設しているため、医療ニーズの高い利用者にも迅速に対応することができます。経験豊富なケアマネジャーが利用者からの様々な質問や相談に対して、医療・福祉提供機関等と連携を図りながら解決策を見出します。

 居宅介護支援サービス利用者の自己負担金額はなく、売上収益は介護保険の収入を得ています。

 

④ 在宅治験

 自宅等の病院外で治験を行う際の治験実施医療機関及び治験協力者(訪問診療クリニックや訪問看護ステーション等)の選定支援又は治験協力者としての業務を行っています。多くの案件では在宅治験を実施する医療機関に対して、居宅訪問看護事業の訪問看護サービスを提供しています。

 今後も患者負担を軽減しつつ新薬開発のスピードアップを支援することで社会に貢献していきます。在宅治験では、製薬会社から治験業務を受託している医療機関より業務受託収入を得ています。

 

[医療職の働き方]

 2022年時点で、約156万人の日本の看護師及び准看護師のうち、訪問看護師はわずか4.9%しかいません(注)。更に訪問看護師は病院で数年の経験を積んでから訪問看護に転職することが多いため、20代後半から30代前半の出産や育児の時期を迎える世代が多く、出産・育児で離職中の訪問看護師の中には復職に不安を感じている方が多く存在すると考えられます。24時間365日対応の体制を整えるためには、今まで以上に柔軟な働き方が求められます。

 シーユーシー(CUC)グループでは、日本に一刻も早く24時間365日対応の在宅医療体制を行き渡らせるため、訪問看護師やセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)等の医療スタッフが働きがいと働きやすさを感じながら安心して働き続け、成長し続けることを目標としています。

 そのために、採用から入社時研修、育成制度、仕事と家庭の両立支援、評価・表彰制度、従業員満足度調査、社内外のコミュニケーション等がミッションと一気通貫で接続されるように制度や施策を構築しています。

(注)「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(厚生労働省)。

 

(4)メディカルケアレジデンスセグメント

 急速に高齢化が進む我が国では、高齢者が中重度の要介護状態になっても住み慣れた地域で在宅生活を継続できる地域包括ケアシステムの構築が厚生労働省を中心に推進されています(注1)。一方で、2022年時点で特別養護老人ホームの待機者数は27.5万人にのぼり(注2)、医療依存度、要介護度が高い高齢者に対するサービス提供体制は依然として不足している状況です。加えて、2040年には介護職員が57万人不足すると見込まれており(注3)、医療・介護業界における人材不足は深刻化しています。

 そのような中でシーユーシー(CUC)グループは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを提供することで、医療と介護との連携を強化すること、医療依存度、要介護度の高い入居者(要介護度3-4程度の方)を受け入れる施設を大規模施設で効率的に運営すること、最新の介護機器と効率的なオペレーション設計の導入により、DXを活用した省人化と高品質なケアを両立することを目指しています。

(注)1.「地域包括ケアシステムの構築に向けて」(厚生労働省)。

2.「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」(厚生労働省)。

3.「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(厚生労働省)。

 

[サービスの内容]

① 住宅型有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅の運営

 メディカルケアレジデンス事業で使用する施設(メディカルケアレジデンス)は、対象を主に要介護度1以上の方に限定した、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅であり、24時間365日体制の巡回とオペレーターのコール受付による随時対応型訪問介護看護サービスを提供しています。

 シーユーシー(CUC)グループが運営するメディカルケアレジデンスは、医療依存度、要介護度の高い入居者(要介護度3-4程度の方)の受け入れを推進しており、ホスピス型住宅の入居者と軽度の要介護状態の介護施設利用者の中間の方々の受け皿となっています。

 メディカルケアレジデンスの入居者とは、入居に際して賃貸借契約を締結し、家賃収入等を毎月の収入として得ています。

 

② リハビリ強化型デイサービスの運営

 要介護状態となった利用者が可能な限り居宅で自立した日常生活を送れるように、生活機能の維持又は向上を目指して日帰りで機能訓練を提供するサービスを提供しています。

 介護保険制度の要支援・要介護に認定されている方が主なサービス利用者であり、デイサービスでは主に介護保険の収入を得ています。

 メディカルケアレジデンス事業の特徴の一つとして、シーユーシー(CUC)グループのメディカルケアレジデンスにリハビリ強化型デイサービスセンターを併設しており、要介護度の高い方も含めて施設内外の利用者を受け入れています。

 

③ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

 健康保険法、介護保険法に基づき、訪問介護と訪問看護が一体的又は密接に連携しながら、定期巡回型訪問及び定期的なアセスメントを提供しています。また、利用者からの随時連絡により、24時間体制で電話やICT機器等による応対や訪問などの随時対応を行っています。

 メディカルケアレジデンス事業では、訪問看護の診療報酬及び訪問看護の介護報酬の収入を得ています。介護報酬は月額定額の包括報酬を基本としており、要介護度ごとに定められた単位数に基づき介護報酬の収入を得ています。これにより、入居者の容態やご家族の要望に応じて訪問回数、訪問頻度及びサービス提供時間などについて柔軟性のあるサービス提供が可能となっています。また、訪問看護との一体的なサービス提供を行う場合は、訪問看護の診療報酬の収入を得ています。診療報酬及び介護報酬は、国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金より支払われる報酬並びに入居者からの自己負担金で構成されています。

 専用のコールセンター又は事業所内の待機拠点に常駐するオペレーターが24時間365日体制で、利用者又はその家族等からの随時連絡を受け付けており、入居者が安心して生活できるような体制を整えています。

 

④ 服薬支援システム「服やっくん」の販売・福祉用具のレンタル及び販売

 主に介護施設向けに自社開発の服薬支援システム「服やっくん」の販売やシーユーシー(CUC)及び他社が運営する施設の利用者向けに福祉用具のレンタル及び販売を行っています。「服やっくん」は投薬のスケジュールや適切な配薬・服薬を管理することで、服薬間違いや服薬忘れ等の人為的ミスによる誤薬トラブルの防止、介護士の服薬介助の効率化及び服薬情報管理が可能です。加えて介護保険制度の要支援・要介護に認定されている利用者を対象に、介護保険を利用することが可能な特定福祉用具のレンタル及び販売を行っています。

 

 

[事業系統図]

 

事業セグメントごとの事業内容及び主な関係会社は以下のとおりです。

区分

事業内容

主な関係会社

医療機関セグメント

医療機関への経営支援

海外における医療機関の運営

給食サービス

不動産賃貸

株式会社シーユーシー

透析研究開発株式会社

CUC SINGAPORE PTE.LTD.

CUC Podiatry Holdings, LLC

株式会社シーユーシー・フーズ

株式会社シーユーシー・プロパティーズ

ホスピスセグメント

ホスピス型住宅の運営

訪問看護

訪問介護

居宅介護支援

居宅介護及び重度訪問介護

株式会社シーユーシー・ホスピス

株式会社ネイチャー

株式会社A&N

株式会社ゆう

居宅訪問看護セグメント

訪問看護

通所介護(デイサービス)

居宅介護支援

在宅治験

ソフィアメディ株式会社

株式会社KEEP

メディカルケアレジデンスセグメント

住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅及びリハビリ強化型デイサービスの運営

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

服薬支援システムの販売・福祉用具のレンタル及び販売

株式会社ノアコンツェル

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてシーユーシー(CUC)グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

 シーユーシー(CUC)グループのミッション(使命)は「医療という希望を創る。」です。このミッションに基づき、シーユーシー(CUC)グループは、患者に向けては「患者視点の医療をひとりでも多くの方へ提供できる環境を創る。」、医療機関に向けては「地域に求められ、働きがいのある職場環境を創る。」、そして社会に向けては「医療課題の解決によって健全で持続可能な社会を創る。」ことを目指して様々なサービスを展開しています。

 社名のシーユーシー(CUC)は、「変わるまで、変える(Change Until Change)」の頭文字から生まれました。変化を恐れず医療課題に挑戦する私たちの存在意義を表現しており、新しい挑戦に向かい続けるという強い意志を込めています。

 

(2)経営戦略

 医療機関セグメントでは、訪問診療クリニック、病院、透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関向けに経営支援サービス(経営戦略策定・経営管理支援、マーケティング支援、IT・経理・総務等支援、人事・採用機能支援等に加えて、M&A・PMI支援、新規クリニック開設支援、病床転換支援等のプロジェクト受注)を拡大するとともに、支援先医療機関数の増大を目指しています。更に、高齢化先進国である日本の医療機関に対する経営支援サービスのノウハウを海外にも展開すべく、米国、ベトナム及びインドネシアでの事業の更なる拡大を目指しています。

 ホスピスセグメントでは、ホスピス型住宅の入居者に提供するサービスの質を最重要視した上で、既存のホスピス型住宅の入居者増加に加え、看取り機能が脆弱な地域を中心にホスピス型住宅の新規展開を加速し、より多くの医療依存度の高い(がん末期、神経難病等を患う)入居者向けに訪問看護及び訪問介護を提供していきます。

 居宅訪問看護セグメントでは、利用者に提供するサービスの質を最重要視した上で、既存の訪問看護ステーションの利用者拡大に加えて、新規エリアへの訪問看護ステーションの新規開設を行い、居宅の利用者向けに訪問看護を提供していきます。

 国内においては今後も医療機関セグメントの顧客である支援先医療機関と、ホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメントが連携することにより、各支援先医療機関の病院やクリニック等並びにホスピス型住宅や訪問看護ステーションが位置する地域の地域包括ケアシステムが効率的に運営されるプラットフォームが構築されるよう事業を行っていきます。海外においては既存の足病及び下肢静脈疾患クリニック等を更に拡大するとともに、新規のクリニック展開を進めていきます。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 シーユーシー(CUC)グループは、事業規模と収益性を測る指標として、売上収益、営業利益及びEBITDA(注)を重視しています。これらの指標の着実な拡大を維持しながらも、中長期的な企業価値向上のため、新規事業の展開を継続することを企図しています。

 医療機関セグメントではシーユーシー(CUC)が国内において経営支援を提供する病院及びクリニック等の数である支援先主要拠点数を、ホスピスセグメントではホスピス型住宅の定員数(訪問看護等サービスを提供する施設の定員数)及び稼働率(毎期の提供可能定員数に対するのべ入居者数の割合)を、居宅訪問看護セグメントでは利用者に提供したのべ総ケア時間(看護師及びセラピストが利用者にサービスを提供した時間の合計)を、それぞれ主要な経営指標として認識しています。

 また、財務の安定性を判断する指標として、EBITDA有利子負債倍率及び親会社所有者帰属持分比率等を用い、安定的かつ持続的に企業価値を拡大していくことを目指しています。

(注)EBITDAの計算式は次のとおりです。

   EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費±その他の収益・費用

 

(4)経営環境

 シーユーシー(CUC)グループが主にサービスを提供する日本では、全人口に占める65歳以上人口の割合が2021年には約29%のところ2040年には約35%となり(注1)、急速な高齢化による医療費の増大が見込まれ、医療費は2021年の約45兆円から2040年には約78兆円まで拡大すると予想されています(注2)。そのような環境下で、超高齢社会に備えた医療機関の機能転換(急性期医療から回復期医療への転換)が求められ、厚生労働省も病院医療よりも医療費を大幅に抑えられる在宅医療の拡大を推進しており、訪問診療利用者数は2011年の44.9万人から2019年には79.5万人に増加しています(注3)。一方で、日本の労働人口は2017年の約67.2百万人から2040年には10%以上減少して約58.5百万人となると推計されており(注4)、需要の高まる医療サービス提供のための医療従事者の確保が危ぶまれています。

 また、2022年時点で日本における病院の68.7%が60歳以上の経営者により運営されており(注5)、2017年時点で後継者不在の病院が68.4%(注6)であるため、M&A等により後継者不在の医療機関を、安定的に運営できる医療機関に承継する流れが進むことが予想されます。

 シーユーシー(CUC)グループは米国において足病及び下肢静脈疾患クリニックを運営しています。米国における足病科の市場規模は約70億米ドルであり(注7)、今後も高齢化や糖尿病患者の増加等により堅調なニーズの拡大が見込まれています(65歳以上の人口は2020年の56.1百万人から2030年の73.1百万人へと年平均2.7%で増加すると推計されており(注8)、糖尿病患者は2020年の43.3百万人から2030年の54.9百万人へと年平均2.4%で増加すると推計されています(注9))。

 また、ベトナム及びインドネシアでは、2021年時点で国民一人あたり医療費がそれぞれ173ドル、161ドル(注10)であり、双方とも2000年と比較すると8倍以上となっており、今後もより多くの人が良質な医療にアクセスできる環境を整備することが求められるものとシーユーシー(CUC)は考えています。

 我が国における訪問看護利用者数は2011年時点の38.5万人から2019年の83.5万人へと、年平均で約10.1%増加しており(注11)、また、我が国におけるがん・難病患者数は569万人とされています(注12)。一方で、居宅訪問看護業界においては24時間365日体制で安定的な運営が可能な大規模事業所のニーズが高まっている中で、従業員5人未満の小規模訪問看護ステーションが57%を占め(注13)、十分なサービス供給がされている状況ではないと考えています。

 

(注)1.「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)。

2.「国民医療費の概況」(厚生労働省)、「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(内閣府、財務省、厚生労働省)。

3.「在宅医療の現状について」(厚生労働省、2022年)。在宅患者訪問診療料を月1回以上算定されていた患者の数。

4.「令和3年版厚生労働白書 資料編」(厚生労働省)。

5.「令和4年医師、歯科医師、薬剤師統計の概況」(厚生労働省、2024年)。

6.「医業承継の現状と課題」(日本医師会総合政策研究機構、2019年)。

7.「Podiatrists in the US」(IBISWorld、2023年)

8.「2017 National Population Projections Tables」(US Census Bureau、2020年)

9.「Diabetes 2030: Insights from Yesterday, Today, and Future Trends 」(Rowley et al, Population Health Management. 2016年)

10.Global Health Expenditure Database (World Health Organization.)。

11.「在宅医療の現状について」(厚生労働省 2022年)。医療保険と介護保険の合計数。

12.がん患者数466万人「令和2年患者調査(確定数)の概況」(厚生労働省)と指定難病患者数103万人「令和2年度衛生行政報告例」(厚生労働省)の合計。

13.「第220回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3」(厚生労働省)。

 

(5)シーユーシー(CUC)グループの強み

 シーユーシー(CUC)グループは2014年の会社設立以来、高い成長性を維持しながら規模を拡大してきました。訪問診療クリニックの経営支援を起点として、病院や透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関の経営支援、ホスピス事業、居宅訪問看護事業、ベトナム・インドネシアにおける医療機関への経営支援、米国における足病及び下肢静脈疾患クリニックの運営等幅広い領域において事業を展開しています。

 

 シーユーシー(CUC)グループの強みは以下のとおりです。

 

① 安定成長を続ける国内医療機関事業及び事業ノウハウを活かした海外事業展開

 シーユーシー(CUC)は、経営人材が支援先医療機関に常駐することで、意思決定や戦略策定のサポートを現場の視点から行います。これにより顧客との継続的な関係を構築し高いリテンション率を維持しています。また、これまで培った医療機関の運営効率化ノウハウを生かし、支援先医療機関の安定的な事業運営に寄与しています。このようにして、規模拡大及び安定運営を実現した既存の支援先医療機関は、更なる規模の拡大のためにM&Aや新規クリニックの開設等を視野に入れ、シーユーシー(CUC)が追加の経営支援を行う機会(新規の支援先医療機関の獲得)を得ることが可能になるという好循環が生まれています。

 また、国内の医療機関支援により蓄積されたノウハウを、海外におけるクリニック経営等に活用することで更なる成長を目指しています。

 

② 巨大な市場を背景に成長するホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメント

 我が国における訪問看護利用者数は2011年時点の38.5万人から2019年の83.5万人に増加し、年平均で約10.1%成長しています(注1)。また、2020年度末の我が国におけるがん・難病患者数は569万人とされており(注2)、日本における急速な高齢化を背景に在宅医療市場は今後も継続的に拡大するとシーユーシー(CUC)は考えています。

 シーユーシー(CUC)のホスピス事業でサービスを提供する定員数及び居宅訪問看護事業の利用者数はいずれも大規模であり、高い成長が期待される市場において優位な地位を確立しています。

 ホスピス事業において、シーユーシー(CUC)が訪問看護サービスを提供するホスピス型住宅の定員数は2024年3月末時点で1,733名であり、2024年3月期における既存のホスピス型住宅の年間平均稼働率は80.7%です(注3)。ホスピス事業は、2024年3月末時点で看護師524名、介護士584名を擁し、訪問看護及び訪問介護サービスを提供しています。

 居宅訪問看護事業の訪問看護ステーション数は、2024年3月末で88拠点であり、今後も積極的な新規拠点展開を予定しています。なお、居宅訪問看護事業は2024年3月末時点で看護師672名、セラピスト479名を擁しており(注4)、2024年3月に訪問実績がある居宅訪問看護事業の利用者数は13,615名、のべ総ケア時間数は2024年3月期において年間1,065,220時間(注5)となっています。

 今後も集客効率化、採用力強化、拠点の相互補完等のシナジーを発揮し、高水準の安定稼働を確保するというドミナント戦略のもと、居宅訪問看護事業における訪問看護ステーションは半径2~5km圏内、ホスピス事業におけるホスピス型住宅は半径10~15km圏内に拠点を出店することにより、展開を加速していきます。

(注)1.「在宅医療の現状について」(厚生労働省 2022年)。医療保険と介護保険の合計数。

2.がん患者数466万人「令和2年患者調査(確定数)の概況」(厚生労働省)と指定難病患者数103万人「令和2年度衛生行政報告例」(厚生労働省)の合計。

3.2024年3月期における既存ホスピス(2024年3月末時点で開設以降12ヶ月超経過又はM&Aによる新規取得)ののべ提供可能定員数に対する、のべ入居者の割合。

4.在宅治験に従事する看護師は除く。セラピストは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の総称。

5.看護師及びセラピストが利用者にサービスを提供した時間の合計。

 

③ 包括的なソリューションを提供する独自のアプローチ

 シーユーシー(CUC)グループは医療機関セグメント、ホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメントに亘って医療・介護領域の様々な事業を展開しています。

 特に支援先医療機関が運営する病院や訪問診療クリニック、透析クリニック及び外来クリニック等とシーユーシー(CUC)グループが運営するホスピス型住宅や訪問看護ステーションとの間のネットワークを強化することにより、医療機関支援からホスピス、居宅訪問看護まで垂直統合されたプラットフォームを構築し、患者、医療従事者及び社会に対して大きな価値提供ができると考えています。

 具体的には医療機関セグメント、ホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメントにおいて高度急性期病院に対する接点を持つことにより、KOL(Key Opinion Leader:医療業界において多方面に大きな影響力を持つ人物の意)である医師や、それらの病院に入院する患者へのアクセスを持つことが可能になります。また、シーユーシー(CUC)グループから支援先医療機関に患者を紹介するケースや、逆にシーユーシー(CUC)グループが紹介されるケースがあります。

 シーユーシー(CUC)グループ内では、ホスピス事業と居宅訪問看護事業の間での異動及び人材交流もあり、従業員に多様なキャリア機会を提供することができています。

 支援先医療機関の運営する拠点が多く存在する地域では、シーユーシー(CUC)グループのホスピス型住宅や訪問看護ステーションを、これら支援先医療機関が運営する拠点の周辺に開設することにより、それらを密に連携させる取り組みも始めています。

 そして、医療機関事業により創出したキャッシュ・フローをホスピス事業の設備投資に充当することが可能です。

 

④ 独自の雇用モデルに基づく強力な採用力

 シーユーシー(CUC)グループが事業を展開する医療・介護業界において、事業の根幹となるのは優秀な人材の確保と育成であると考えています。医療機関事業に携わる従業員、ホスピス事業及び居宅訪問看護事業に携わる看護師、介護士、セラピスト等の専門職の採用力やリテンション力を高めるために、差別化されたプラットフォームを構築することに成功しています。

 具体的にはシーユーシー(CUC)グループの「医療という希望を創る。」というミッションを実現するために従業員が達成感ややりがいを実感することができるよう、平等かつ協力的な社風を醸成するように努めています。また、継続的かつ充実した教育制度や柔軟な労働体系を設けることにより、スキルを向上させつつ長期間勤務できるような制度を整備しています。

 医療機関事業において上述のような採用や企業風土醸成のノウハウを活用することにより、当連結会計年度における支援先医療機関に対する医師及びコメディカル(注1)採用支援業務の結果として、当連結会計年度に支援先医療機関の医師279名、コメディカル981名の採用に貢献しています。

 ホスピス事業では当連結会計年度において603名の看護師・介護士の採用(注2)を行いました。理念浸透の活動や入社前の職場見学等の取り組みを実施した結果、離職率は前連結会計年度比3.4ポイント低下の19.6%となりました。

 居宅訪問看護事業では当連結会計年度において322名の看護師・セラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の採用(注2)を行いました。離職率は前連結会計年度比1.3ポイント低下の13.5%となりました。

(注)1.医師を除く医療従事者(看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、管理栄養士等)。

2.非正規社員を含む。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記(2)に記載の経営戦略を実行していく上で、シーユーシー(CUC)グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。

 

① 人材の確保、育成及び管理

 シーユーシー(CUC)グループが事業の規模、範囲を安定的かつ持続的に拡大するためには、それに見合った人材を確保、育成する必要があります。医療機関事業の従業員、ホスピス事業及び居宅訪問看護事業の看護師、介護士、セラピスト等の専門職、管理部門の経営企画・経営管理・経理・人事・IT等の要員の確保と育成が必要です。

 採用力強化については、採用担当者の増強や、リファーラル制度の設置、インターン制度やイベント開催等、新規卒業者への各種施策を実施しています。リテンション率向上のために、シーユーシー(CUC)グループの経営理念と接続した研修・育成制度、評価・表彰制度等、各種制度により従業員満足度の向上に努めています。

 

② 従業員の専門性向上

 シーユーシー(CUC)の医療機関セグメントでは専門的な経営支援サービスを提供することにより支援先医療機関の規模拡大及び安定運営を実現しています。質の高いサービスを提供するためには、シーユーシー(CUC)従業員の専門性向上が必要不可欠です。優秀な人材を数多く確保するために、医療業界での経験の有無を問わずに能力の高い人材を採用した上で、専門性向上のための教育を継続的に行っています。

 ホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメントにおいては、顧客に提供するサービスの質を最重要視して事業運営をしているため、看護師、介護士、セラピスト等の専門性向上に特に力を入れて取り組んでいます。例えば入社時研修、役職別研修、管理者候補育成研修等、様々なプログラムを設けており、医療スキルを上げる研修のみならず、ホスピタリティや経営理念を学ぶ研修も行っています。

 

③ 拠点展開スピード

 主にホスピスセグメントでは、知名度の向上と顧客獲得を実現し、必要とされている地域にいち早くシーユーシー(CUC)グループのサービスを届けるために、拠点展開のスピードが求められています。

 展開拠点の選定と開発、事業所の確保もしくは建設、拠点スタッフの採用、顧客獲得等を同時に行い、早期の拠点展開を行うために、拠点展開の開発を行う人員強化や採用チーム等のバックオフィス機能強化等に努めています。

 

④ 内部管理体制の強化

 シーユーシー(CUC)グループが事業を継続し、ミッションを実現するためには、コンプライアンスを重視した経営を行う必要があると認識しています。そのためにも、事業の拡大に備えた管理部門の強化やリスク・コンプライアンス規程を始めとした各種規程の整備による内部統制の体制構築とその運用モニタリングを行っています。

 

⑤ 財務健全性の確保

 2024年1月に米国の足病及び下肢静脈疾患クリニックの買収を行い、今後もホスピス型住宅の建設にあたり資金調達が必要になるため、外部調達の金利水準が変動した場合や計画どおりの資金調達ができなかった場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績、財政状態又はキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 EBITDA有利子負債倍率及び親会社所有者帰属持分比率等といった財務の安定性を測る指標のモニタリング及び金利動向の定期的な把握を通じた金利変動リスクの定量化を行うことで、財務健全性の確保に努めています。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がシーユーシー(CUC)グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてシーユーシー(CUC)グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。

 

(1)事業環境について

① 医療ヘルスケア市場について

シーユーシー(CUC)グループは医療ヘルスケア市場で事業を展開しています。現在の事業の中核となっている高齢者医療マーケットは今後も高齢者の増加に伴い拡大が見込まれています。また、シーユーシー(CUC)グループは「医療という希望を創る。」というミッションの実現を目指し、医療を取り巻く「不・負」を解決する新たなサービスを創出していく所存です。

しかしながら、長期的に国内の高齢者人口は減少に転ずることが見込まれており、またシーユーシー(CUC)の想定を超える医療保険制度の見直し等が発生することもありえるため、そのような事象が発生した場合には、医療ヘルスケア市場が縮小し、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 他社との競合について

シーユーシー(CUC)グループは、医療機関、患者及び顧客(利用者及び入居者)のニーズに合った新しいサービスの拡充に常に取り組んでいます。競合については以下のとおりです。

 

(医療機関セグメント)

 国内における医療機関に対する経営支援サービスは病院やクリニックの売上成長及び収益改善に資する各種サービスを包括的に提供するものであり、戦略・施策の立案から実行までをワンストップで提供できるという点で現在のところ直接的な競合の存在を認識していませんが、医療機関に対する支援サービスを行う会社は複数存在します。

 資本力、顧客基盤、知名度、価格競争力、営業力などの点においてシーユーシー(CUC)グループよりも優れた企業が、新規参入、事業領域の拡大・強化、企業買収、提携などにより、シーユーシー(CUC)グループと同等又はより優れたサービスを、より低い価格で提供した場合、シーユーシー(CUC)グループの競争上の優位性が失われ、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、米国においては、足病及び下肢静脈疾患クリニックを運営する各地域で競合が存在します。既に展開している地域において競争が激化した場合のほか、シーユーシー(CUC)グループが新規地域への展開を検討する際に既に他社が優位性を有している場合には、シーユーシー(CUC)グループによる事業運営又は展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ホスピスセグメント、居宅訪問看護セグメント)

 ホスピス事業では、株式会社アンビスホールディングス、日本ホスピスホールディングス株式会社、株式会社サンウェルズ(すべて上場会社)といった競合が存在し、地域によっては、これらの会社と競合する場合があります。

 居宅訪問看護事業では、事業を展開している各地域で競合が存在します。基本的に小規模事業者が多く、現時点では経営の安定性やブランド力という点でシーユーシー(CUC)グループに相対的に優位性があると考えています。

 既に競合が存在する地域において競争が激化した場合のほか、シーユーシー(CUC)グループが優位な地域においても、上記の競合他社が当該地域に進出あるいは当該地域での事業を強化する場合や、競合他社が企業買収・提携などを活用して地域の垣根を超えた大規模な範囲でサービスを展開する場合等においては、シーユーシー(CUC)グループの優位性が失われ、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、シーユーシー(CUC)がこれまで事業を行っていなかった地域に新規に事業を展開するに際し、当該地域で先行して事業を展開する競合他社の顧客基盤が想定以上に強力であり、あるいは競合他社が先行者としての優位性を活用してサービス内容や事業展開を強化した場合には、シーユーシー(CUC)グループが当該地域において期待どおりに顧客を獲得できないなど、シーユーシー(CUC)グループの事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。

 以上のほか、各事業で他の有力企業との競争激化や、新規参入の増加、業界再編等により、シーユーシー(CUC)グループが事業を行う業界の事業環境が大きく変化し、シーユーシー(CUC)グループがこれに適時・適切に対応できなかった場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インフレと人件費高騰について

シーユーシー(CUC)グループは、主として労働集約型の事業を行っているため、賃金水準が急激に高騰した場合には人件費の負担増が発生します。特にホスピス事業では、事業拡大のために新規施設を開設することが重要ですが、インフレ等による建築資材の高騰や建設人材の不足等により調達コストが増加し、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業運営について

① 人材の採用、育成について

 シーユーシー(CUC)グループが安定的に事業拡大するためには、ミッション実現のために主体的に行動できる優秀な人材を採用し、育成する必要があります。

 医療機関セグメントの国内事業においては、支援先医療機関からの様々なニーズに対応可能な専門性の高いスタッフを確保・育成するため、採用時における適性の見極めを行うことに加えて、社内業務の標準化、マニュアル化を進めることにより育成体制を強化しています。加えて、支援先医療機関向けの有資格者採用支援のために、医療職種別(医者、看護師など)の採用チームを組成しています。

 ホスピス事業及び居宅訪問看護事業においては看護師、介護士及びセラピストの採用や育成が事業の根幹です。そのため、採用業務に経営資源を集中させ、積極的な採用活動を行っています。特にがん末期やALS等の難病のケアには高い専門性が求められることから、それらの専門性を持つ医療スタッフを採用することに加え、経験の浅い看護師、介護士及びセラピストであっても安心して継続して働けるように教育体制も充実させ、安定した人員の確保に努めています。

 しかしながら、日本の労働人口は今後も減少することが見込まれており、医療・介護業界での慢性的な人材不足等により、採用が予定どおり進まない場合や、適切な研修等を実施することにより育成することができない場合、既存社員の社外流出等が多く発生した場合には、顧客に対するサービスの提供が困難となったり、サービスの質の低下につながるおそれがあります。加えて、シーユーシー(CUC)グループが計画する新規施設の開設に支障が生じる可能性があります。また、そのような状況に対応するため人材の確保に想定以上の支出が必要となるなど、シーユーシー(CUC)グループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 各種規制、許認可、指定について

 シーユーシー(CUC)グループは、各事業所において法規制に基づいた許認可や指定を受け業務を遂行しています(表)。特にホスピス事業及び居宅訪問看護事業では、健康保険法、介護保険法、障害者総合支援法、老人福祉法、高齢者住まい法等に基づく看護及び介護サービスを提供しており、これらの法律及び関連諸法令の適用を受けます。

 シーユーシー(CUC)グループは、各種許認可や指定を受けるために様々な要件に従う必要があり、その要件を満たすように細心の注意を払い事業を行っているほか、シーユーシー(CUC)グループの内部監査部による内部監査において、これらの要件遵守について重点的に監査を実施しています。

 しかしながら、シーユーシー(CUC)の想定を超える法制度の改正が行われたこと等により、シーユーシー(CUC)グループがこれらの法律及び関連諸法令を遵守することができなかった場合又は診療報酬若しくは介護報酬等の不正請求や、人員基準違反、運営基準違反、虚偽報告といった事由が認められ、指定が取消又は停止となった場合には、当該事業の継続が困難となり、また、事業の一時停止を受けるなど、シーユーシー(CUC)グループの事業活動に重大な支障が生じるほか、これらの事案への対応に要する大きな支出や風評被害等にもつながるため、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、介護保険法に基づく各種指定について指定取消を受けた場合、指定取消から5年以内における新たな指定の取得及び介護サービス事業所としての更新が出来なくなります。

 また、法律の改廃や適用基準の変更等により、診療報酬・介護報酬が減少する、保険適用者が減少し利用控えが進むなどの事象が生じた場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、医療保険制度に基づく診療報酬は2年に1度、介護保険制度に基づく介護報酬は3年に1度の頻度で制度の改定が行われており、今後、診療報酬及び介護報酬の見直しにより、大幅な改定が行われた場合には、医療機関セグメントにおいては国内の支援先医療機関の新規出店の減速や、支援先医療機関の業績悪化に伴うシーユーシー(CUC)の業務受託報酬の支払遅延又は支払停止につながり、ホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメントにおいては直接的な売上収益の減少につながるため、シーユーシー(CUC)グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(表)シーユーシー(CUC)グループの各事業所が受けている主な指定

取得

指定権者、届出先又は登録先

許認可名称

許認可内容

有効期限

主な許認可取消事由

シーユーシー(CUC)グループの各事業所

厚生労働省

地方厚生局

指定訪問看護事業者

健康保険法の訪問看護事業

6年毎の更新

健康保険法 第95条(指定訪問看護事業者の指定の取消し)

都道府県、政令指定都市又は中核市

指定訪問看護事業者

介護保険法の訪問看護事業

6年毎の更新

介護保険法 第77条(指定の取消し等)

都道府県、政令指定都市又は中核市

指定訪問介護事業者

介護保険法の訪問介護事業

6年毎の更新

介護保険法 第77条(指定の取消し等)

都道府県、政令指定都市又は中核市

居宅介護・重度訪問介護事業

障害者総合支援法の居宅介護

6年毎の更新

障害者総合支援法 第50条(指定の取消し等)

都道府県、政令指定都市又は中核市

指定通所介護事業者

介護保険法の地域密着型通所介護

6年毎の更新

介護保険法 第77条(指定の取消し等)

都道府県、政令指定都市又は中核市

住宅型有料老人ホーム

老人福祉法の施設事業

なし

老人福祉法 第29条14項(届出等)※事業の制限又は停止に関する定めあり

都道府県、政令指定都市又は中核市

サービス付き高齢者向け住宅

高齢者住まい法の施設事業

5年毎の更新

高齢者住まい法 第26条(登録の取消し)

市区町村

介護予防・日常生活支援総合事業

介護保険法の総合事業

6年毎の更新

介護保険法 第115条の45の9(指定事業者の指定の取消し等)

市区町村

居宅介護支援事業

介護保険法の居宅介護支援

6年毎の更新

介護保険法 第84条(指定の取消し等)

市区町村

指定地域密着型通所介護事業者

介護保険法の地域密着型通所介護

6年毎の更新

介護保険法 第78条の10(指定の取消し等)

 

③ 情報管理について

 シーユーシー(CUC)グループでは事業活動を通じて顧客に関する経営情報等の機密情報を受け取り、また一部事業では多数の顧客あるいはその家族の個人情報(既往症、病歴、治療状況などの要配慮個人情報を含みます。)を取り扱っています。

 シーユーシー(CUC)グループの情報管理については、個人情報保護方針の策定や、社員教育の実施、担当者以外のサーバーへのアクセス制限等の社内体制の強化など、情報漏洩防止の厳重な対策を講じ、細心の注意を払っています。

 しかしながら、通信設備等の予期せぬトラブル等によりシステムが停止した場合や、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等が不測の事情により発生した場合、社員や業務委託先による情報漏洩が発生した場合、また、漏洩した情報が不正使用される等の機密情報の流出に伴う重大なトラブルが発生した場合、社会的信用の低下につながり、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ M&Aについて

 シーユーシー(CUC)グループでは、同業もしくは異業種の他社に対するM&A(子会社化や事業譲受等)や提携等を実施することにより、シーユーシー(CUC)グループの事業を補完もしくは強化すること、又は新規事業の展開が可能であると考えています。

 その実施にあたっては、対象企業や対象事業について各種デューディリジェンスを行う等、慎重な検討の上で意思決定をし、可能な限りリスクの低減に努めています。

 しかしながら、M&A等の実施後にシーユーシー(CUC)グループが事前に認識し得なかった問題が明らかになった場合や、取得した企業等や事業の経営が計画どおりに進まない場合、許認可を要する事業を事業譲渡等により譲り受け、譲受後に許認可を得られない場合、又は期待していたシナジー効果を生まずに戦略目的が達成できない場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定人物への依存について

 シーユーシー(CUC)の代表取締役である濵口慶太は、創業者であると同時に創業以来シーユーシー(CUC)グループの事業推進に深く関与しており、同氏はシーユーシー(CUC)グループの経営戦略構築やその実行に重要な役割を果たしています。シーユーシー(CUC)グループでは組織体制の強化を図り、特定の人物に過度に依存しない体制の整備を進めていますが、何らかの理由により同氏のシーユーシー(CUC)グループにおける経営執行継続が困難になった場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 親会社グループとの関係について

 本書提出日現在、シーユーシー(CUC)の親会社であるエムスリー株式会社は、シーユーシー(CUC)の議決権の63.45%を所有しています。親会社グループは、国内における医師会員33万人以上(2024年4月26日時点)が利用する医療従事者専門サイト「m3.com」、米国の「MDLinx」や英国の「Doctors.net.uk」等の医療従事者のプラットフォーム、医師の人材紹介事業等を中心に様々なサービスをグローバルに展開しており、シーユーシー(CUC)グループは親会社のサイトソリューションセグメントに区分されています。

 したがって、エムスリー株式会社は、株主総会の特別決議を要する事項(例えば、吸収合併、事業譲渡、定款変更等を含みますが、これらに限りません。)を単独で可決することはできないものの拒否権を有するとともに、株主総会の普通決議を必要とする事項(例えば、取締役の選解任、剰余金の処分や配当等を含みますが、これらに限りません。)に関する決定権及び拒否権を有することになり、シーユーシー(CUC)に重要な影響を及ぼしえます。親会社がシーユーシー(CUC)グループの事業や経営方針に関して有する利益は、シーユーシー(CUC)の他の株主の利益と異なる可能性があります。

 また、シーユーシー(CUC)は親会社と良好な関係を有していますが、何らかの理由により下記に掲げるシーユーシー(CUC)と親会社グループとの間の主な関係について、関係が悪化した場合又は悪化したと受け取られた場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 一方、シーユーシー(CUC)の独立性の維持のため、シーユーシー(CUC)取締役会における親会社の役職員を兼務する取締役は6名中で1名のみであり、また、独立社外取締役が3分の1を占める構成としています。

 なお、シーユーシー(CUC)と親会社グループとの間の主な関係等の詳細については、以下に記載のとおりです。

 

(ⅰ)親会社役職員によるシーユーシー(CUC)取締役の兼任

 本書提出日現在、親会社であるエムスリー株式会社の執行役員である大場啓史は、シーユーシー(CUC)の取締役及び監査等委員を兼任しています。当該監査等委員である取締役は、様々なコーポレート機能に関する知見によりシーユーシー(CUC)グループの経営力を高めるべく、シーユーシー(CUC)より就任を要請し、今後も継続して要請することを予定しています。

 親会社から役員を受け入れている状況を踏まえ、シーユーシー(CUC)取締役会に占める親会社の役職員との兼務がある取締役は6名中で1名とし、独立社外取締役が3分の1を占める構成としてします。シーユーシー(CUC)の業務執行に係る意思決定に親会社からの承認は求められません。しかしながら、そのようなガバナンスが適切に機能しない場合には、親会社の意向がシーユーシー(CUC)の経営判断に強く影響し、少数株主の利益が脅かされる可能性があります。

 他方、シーユーシー(CUC)取締役に親会社の役職員との兼任者がいなくなり、期待していた知見が提供されず同等程度以上の会社経営に関する知見を有した取締役を招聘できない場合には、シーユーシー(CUC)の事業、経営成績又は財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅱ)シーユーシー(CUC)株式の流動性について

 本書提出日現在、シーユーシー(CUC)の親会社であるエムスリー株式会社は、シーユーシー(CUC)の議決権の63.45%を所有しています。シーユーシー(CUC)は今後も流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により、新規上場時よりも流動性が低下する場合には、売買が停滞する可能性があり、シーユーシー(CUC)株式の需給関係に悪影響を及ぼす可能性があります。今後はシーユーシー(CUC)の親会社への一部売出しの要請やストックオプションや株式を活用したインセンティブプラン、事業規模、売上収益及び利益額の成長を通じた株主層の拡大等の組み合わせにより、必要に応じて流動性の向上を図っていく方針です。

 また、親会社がシーユーシー(CUC)株式を市場内外で売却する場合又はその懸念が市場において認識される場合、シーユーシー(CUC)株式の需給の悪化又はそのおそれにより、シーユーシー(CUC)株式の市場価格に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)事業内容について

① 医療機関セグメントについて

(ⅰ)支援先医療機関について

 支援先医療機関においては、医師又はコメディカル(医師を除く看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、管理栄養士等の医療従事者)等の不足、各種法令、許認可、指定等の不遵守、情報漏洩、不正、医療事故又は感染症の流行等の事象が発生しないよう事業を行っていると理解しています。

 しかしながら、何らかの理由により支援先医療機関において上記の事象が発生した場合や、想定外の大幅な診療報酬改定が行われた場合等には、当該支援先医療機関の事業運営や業績が悪化する可能性があります。

 これによりシーユーシー(CUC)グループが予定していた業務受託報酬を請求あるいは回収できなくなる可能性があるほか、支援先医療機関において不適切な事象等が発生したことで、それらの医療機関に対して経営支援を行っているシーユーシー(CUC)及びシーユーシー(CUC)の事業に対する評価や社会的信頼に悪影響を及ぼすなど、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅱ)支援先医療機関との業務委託契約について

 シーユーシー(CUC)は支援先医療機関に対する経営支援サービスの質の向上及びそのサービスメニューを拡大することで、支援先医療機関からの業務委託を継続していただけるよう日々取り組んでいます。

 しかしながら、支援先医療機関との関係が悪化した場合や、支援先医療機関の経営方針の転換が生じた場合等には、業務委託契約が解除にいたる可能性があります。また、支援先医療機関の事情や判断で、業務委託契約が更新されない可能性があります。

 医療機関セグメント(国内)の売上収益は主に支援先医療機関からの報酬によって構成されますが、支援先医療機関の経営状態は様々な要因により悪化する可能性があり、支援先医療機関の経営状態が悪化した場合、シーユーシー(CUC)の業務受託報酬を請求あるいは回収できなくなる可能性があります。そのような事象が重なるようなことがあればシーユーシー(CUC)グループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、弁護士等の専門家との連携により、支援先医療機関との業務委託契約については医療法の剰余金配当の禁止に抵触していないと認識しています。

 

(ⅲ)海外での医療行為提供について

 シーユーシー(CUC)グループは、海外においては、シーユーシー(CUC)グループが直接、医師や看護師を雇用し医療行為を提供しています。危機管理マニュアルの遵守を徹底し医療事故等が発生しないように最新の注意を払いながら医療行為の提供を行っていますが、現地の医療事情、法規制、慣習その他の理由により、万が一事故等が発生した場合には、国内を含むシーユーシー(CUC)グループの事業に対する社会的信用が低下し、シーユーシー(CUC)グループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅳ)ファクタリングについて

 シーユーシー(CUC)グループは医療機関が有する診療報酬債権を買取り、その債権の回収を行う診療報酬ファクタリングサービスを提供しています。当該債権に関しては、シーユーシー(CUC)グループ規程に基づき、診療報酬額のモニタリングを行い、リスク管理を実施しています。

 また、そのすべてが国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金に対するものであるため、債権の回収不能リスクは低いと考えていますが、何らかの事情によりその回収が遅延又は不能になるようなことが発生した場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② ホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメントについて

(ⅰ)診療報酬及び介護報酬について

 ホスピス事業及び居宅訪問看護事業においては、健康保険制度に基づく医療保険収入と介護保険制度に基づく介護保険収入が収入の大部分を占めます。健康保険制度は2年に1度、介護保険制度は3年に1度の頻度で改定が行われ、シーユーシー(CUC)グループでは、長期的な改定の方向を見据え収入源の分散や中重度対応等の取組をしています。

 しかしながら、想定外の大幅な減額改定が行われた場合には、シーユーシー(CUC)グループが収受する診療報酬・介護報酬が減少するほか、シーユーシー(CUC)グループのサービスの顧客数や利用頻度・利用額が減少するなどの事情が生じた場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(ⅱ)顧客の安全について

 ホスピス事業及び居宅訪問看護事業においては、訪問看護師、訪問介護士、訪問セラピスト等に対し顧客の安全を守るための教育研修を実施し、事故の発生防止や緊急事態に対応出来るように取り組んでいます。

 しかしながら、医療依存度、介護依存度の高い高齢者や障害者等にサービスを提供する場合、サービス提供中の転倒・転落等の不慮の事故など、顧客の生命、安全にかかわる事故が発生する可能性は一定程度あります。

 また、シーユーシー(CUC)グループでは、サービス提供者による顧客への身体的虐待、介護・看護の放棄・放任、心理的虐待等が発生しないよう役職員を対象とした教育研修やマニュアルの整備を行うとともに、そのようなことが起きない組織風土の醸成に取り組んではいますが、上記のような不適切な事象を完全に防止できる保証はありません。

 万が一これらの事象が発生し、訴訟等で過失責任が問われるような事態が生じた場合、シーユーシー(CUC)はかかる事態に備えて損害賠償責任保険を付保していますが、損害賠償義務が生じた場合にはシーユーシー(CUC)による金銭的な負担が生じるほか、シーユーシー(CUC)やシーユーシー(CUC)の運営する施設等に対する社会的信用が低下し、又は風評被害等によってシーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅲ)虐待等の防止について

 ホスピス事業及び居宅訪問看護事業においては、訪問看護師、訪問介護士、訪問セラピスト等がホスピス型住宅を含む顧客の居宅においてそのサービスを提供します。シーユーシー(CUC)グループでは、サービス提供者による顧客への身体的虐待、介護・世話の放棄・放任、心理的虐待等の高齢者虐待が発生しないよう役職員を対象とした教育研修やマニュアルの整備を行うとともに、そのようなことが起きない組織風土の醸成に取り組んでいます。

 しかしながら、万が一そのような事象が発生し、顧客やその家族よりそのような訴えがあった場合には、多額の損害賠償責任を負う可能性があるほか、シーユーシー(CUC)グループ及びそのサービスに対する社会的評価が失墜し、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅳ)顧客の逝去について

 ホスピス事業及び居宅訪問看護事業においては、行政や医療機関等との連携によって、安定的な顧客の確保に努めており、高齢者の増加とともに需要が増加している状況にあると認識しています。

 しかしながら、顧客には医療依存度の高い高齢者やがん末期及び難病患者等が多く含まれることから、シーユーシー(CUC)グループが想定する以上の顧客の逝去が続いた場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅴ)システム障害について

 ホスピス事業及び居宅訪問看護事業においては電子カルテを使用していますが、通信設備等の予期せぬトラブル等によりシステムが停止した場合や、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等が不測の事情により発生した場合、また漏洩した情報が不正使用される等の機密情報の流出が生じた場合には、重大なトラブルが発生する可能性があります。

 災害時対応として紙媒体で顧客情報を保管する等の対応をしていますが、想定外の規模のシステム障害やその復旧の長期化等の事象が発生する場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅵ)ホスピス事業における新規開設遅延について

 ホスピス事業では、その事業拡大のために新規施設を計画的に開設していくことが必要になります。しかしながら、他社との競合により好立地を確保できない場合、各種規制により新規施設が開設できない場合、その他例えば土地から埋蔵物が発見される場合や、工事期間中の台風や大雪といった不可抗力な事由等、予測困難な事由が発生する場合には、開設計画の実現性が不確実となります。

 以上の不確定要素をはじめ、建設人材や建材の不足等何らかの理由で大幅な開設時期遅延が生じた場合には、利益機会を逸失しシーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅶ)ホスピス事業における協働先との契約の早期終了について

 ホスピス事業では、有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅を運営する事業者との協働契約(相手方事業者は施設の運営のみを担当又は施設の運営と訪問介護を担当)を締結し、シーユーシー(CUC)グループが訪問看護又は、訪問看護及び訪問介護を提供している施設があります。

 相手先事業者の事業停止や倒産、協働契約の違反等何らかの事由で協働契約が早期に終了する場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅷ)地域との関係について

 ホスピス事業では、独自の市場調査に基づき新規開設場所を選定しています。しかしながら、結果的に事業の収益性が当初見込みに届かず撤退を検討する可能性があり、シーユーシー(CUC)グループ施設撤退後の入居者の転居先確保が困難な場合はシーユーシー(CUC)グループの社会的評判が低下する可能性があります。

 また、医療機関や行政機関との関係性維持の観点から即時撤退を行うことが困難な場合には、収益が確保できないまま事業を継続しなければならない可能性があり、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅸ)長期賃貸借契約について

 ホスピス事業が運営する一部の施設について、土地又は建物もしくはその両方をシーユーシー(CUC)グループ外の第三者より賃貸借契約に基づき賃借しています。

 事業の特性上、長期間の賃貸借契約を締結することが多く、この場合一定期間は撤退の制約が課されるとともに、もし契約期間内に撤退する場合には中途解約による違約金等の支払が発生するため、シーユーシー(CUC)グループは契約締結に際し、シーユーシー(CUC)グループの事業継続に大きな影響を及ぼす契約内容とならないよう細心の注意を払っています。

 しかしながら、事業の収益性が当初見込みに届かず中途解約し、撤退せざるを得ない状況が重なるような事象が発生する場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅹ)居宅訪問看護事業における移動中の交通事故について

 居宅訪問看護事業において、訪問看護サービスを提供する従業員は、自転車又は自動車を使用して利用者の居宅へ訪問しています。シーユーシー(CUC)グループは従業員の安全を守り、ひいては安定的に利用者へサービス提供をできる状態を確保するため、従業員に対し交通事故防止のための教育研修を実施しています。

しかしながら、シーユーシー(CUC)グループの従業員が悪質な交通事故等を起こした場合には、シーユーシー(CUC)グループが使用者として損賠賠償の負担を余儀なくされる可能性があるほか、シーユーシー(CUC)グループの社会的信用が低下するなど、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他

① 資産の減損について

 シーユーシー(CUC)グループではM&A(子会社化や事業譲受等)の結果として有形固定資産、のれん及び償却期間の定めのある無形資産等の資産を有しています。シーユーシー(CUC)グループは事業の収益性及び成長性を考慮して事業やセグメントを構成しており、減損リスクの高い事業については適切なモニタリングを実施しています。

 しかしながら、将来的に予測不能な原因等による収益性の悪化、あるいはシーユーシー(CUC)グループのモニタリング機能の不備等により、減損損失が発生した場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権について

 シーユーシー(CUC)グループではシーユーシー(CUC)グループの持つ知的財産権を侵害されないよう細心の注意を払っていますが、他社からの侵害を把握しきれない、もしくは適切な対応ができない場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、シーユーシー(CUC)グループが各種サービスを展開するにあたっては、他社の持つ特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っていますが、万が一、他社の知的財産権を侵害した場合には、多額の損害賠償責任を負い、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 非支配株主について

 シーユーシー(CUC)グループの海外子会社の一部には非支配株主が存在します。当該非支配株主とは事業拡大に向け良好な関係を保っており、当該子会社等の意思決定に影響を及ぼすことは現時点で想定していませんが、万が一、当該非支配株主との関係が悪化した場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 海外展開について

 シーユーシー(CUC)グループは、海外子会社を通じて現地での事業展開をしていますが、現地での関連法令・税制・政策の制定、改正又は廃止、政治的、経済的環境の変化、電力・輸送・通信等のインフラの停止・遅延、人件費の上昇、為替変動、地政学的な緊張の高まり又は伝染病の蔓延や自然災害発生等のカントリーリスクを内在しています。

 シーユーシー(CUC)は社員が現地に常駐することで、現地の政府当局や弁護士事務所などからの情報連携を強化し、早期に情報収集をすることでリスクの低減に努めていますが、かかるリスクが顕在化し、現地での事業活動に悪影響が生じる場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ コンプライアンスについて

 シーユーシー(CUC)グループでは、コンプライアンスの遵守を重要課題と位置づけ、健康保険法、介護保険法、障害者総合支援法、老人福祉法、高齢者住まい法、労働基準法、消防法等をはじめとする法令及び諸規程を遵守し、企業人、社会人として良識のある行動をするよう従業員の意識向上を図っています。しかしながら、万が一、コンプライアンス遵守に抵触する事象が発生した場合には、法令による処罰や提訴、社会的信用力の低下につながり、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 訴訟等について

 シーユーシー(CUC)グループは、法令遵守を重視したサービスを提供しており、現時点においてシーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に影響を及ぼす訴訟が提起されている事実はありませんが、顧客やその家族等からの信頼が失われる事象の発生等により、シーユーシー(CUC)グループが訴訟、係争、またこれらに起因する損害賠償請求の当事者となる可能性があります。これらの法的手続に関連して多額の費用を支出し、また、事業活動に支障をきたす恐れがあり、万が一、シーユーシー(CUC)グループに不利な司法判断等がなされた場合には、シーユーシー(CUC)グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、医療機関セグメント(国内)においては、シーユーシー(CUC)グループが直接医療を提供しないものの、支援先医療機関で同様の事象が生じた場合には、支援先医療機関からの訴訟、係争、またこれらに起因する損害賠償請求の当事者となる可能性があります。また支援先医療機関に対して経営支援を行っているシーユーシー(CUC)及びシーユーシー(CUC)の事業に対する評価や社会的信頼に悪影響を及ぼし、結果としてシーユーシー(CUC)グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 大規模な災害等について

 シーユーシー(CUC)グループは、不測の事態に備え事業継続計画(BCP)の策定等を行っており、非常用物品の備蓄、各種研修、訓練等を行っていますが、大規模な地震、台風、津波、洪水、大雨等の災害又は感染症の拡大等により、事業所建物や看護師、介護士、セラピストを含むシーユーシー(CUC)グループの従業員及び顧客が損害を被った場合、あるいは、シーユーシー(CUC)の事業所の運営やサービス提供に制約が生じた場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 新株予約権の行使について

 シーユーシー(CUC)グループでは、役職員等に対するインセンティブを目的として、シーユーシー(CUC)の新株予約権を付与しています。また、今後も新株予約権を発行、付与する可能性があります。2024年3月31日現在、発行済株式総数29,990,400株に対して、新株予約権の行使により今後増加する可能性のある株式数は727,500株です。現在付与している新株予約権及び今後付与される新株予約権が行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

⑨ 有利子負債について

 シーユーシー(CUC)グループは、運転資金については自己資金で対応し、設備投資やM&A資金は株式上場時の調達資金に加え、借入などにより外部調達することを基本方針としています。そのため、外部調達の金利水準が変動した場合や計画どおりの資金調達ができなかった場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績、財政状態又はキャッシュ・フローの状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 配当政策について

 シーユーシー(CUC)グループは、中長期的かつ持続的な企業価値の向上を目指しており、そのためには、将来の成長を見据えたホスピス施設への先行投資や設備投資、新規事業や海外への先行投資等を積極的に行うことが重要であると認識しており、現時点では事業の拡大と効率化のために投資し、企業価値の増大を優先すべきだと考えています。

 しかしながら、今後は財政状態及び経営成績を勘案しながら、配当を実施していく方針です。ただし、シーユーシー(CUC)グループの業績が計画どおりに進展しない等、シーユーシー(CUC)グループの業績が悪化した場合には、継続的に配当を行えない可能性があります。

 

⑪ 資金使途について

 株式上場時における調達資金の使途については、主にホスピスの建設資金に充当する予定です。しかしながら、変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点での計画外の使途にも充当される可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があります。この場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 新たな感染症について

 今後、新型コロナウイルス感染症又はこれと同様に生命に重要な影響を与える新たな感染症が発生した場合には、シーユーシー(CUC)グループの提供するサービスへの需要の減少を招く事態となり得るとともに、感染状況によっては、行政からのサービス休止・縮小要請、従業員や顧客への感染による事業所の一時的な閉鎖等により、シーユーシー(CUC)グループの事業又は業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、新たな感染症による医療機関セグメントの支援先医療機関の売上高減少等により、予定していた業務受託報酬を請求あるいは回収できない場合には、シーユーシー(CUC)グループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー