ID&Eホールディングスは、持株会社としてグループ会社の経営管理およびそれに付帯又は関連する業務を行っています。
ID&Eホールディングスグループは、ID&Eホールディングスを含む99社(ID&Eホールディングス、子会社88社、持分法適用関連会社8社および持分法適用共同支配企業2社)で構成されており、コンサルティング事業、都市空間事業、エネルギー事業を主な事業としています。
なお、(株)エル・コーエイは、グループ管理体制の見直しの結果、当連結会計年度より、セグメント区分を「コンサルティング事業」から「その他」に変更しています。
また、ASAP MOBILITY SDN. BHD.は、当連結会計年度より、NIPPON KOEI MOBILITY SDN. BHD.へ商号変更しています。
各事業の主な内容ならびに各事業におけるID&Eホールディングスおよび関係会社の位置付けなどは以下のとおりです。
なお、ID&Eホールディングスは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断されます。
ID&Eホールディングスグループにおける経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 経営の基本方針
ID&Eホールディングスグループは、「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」を経営理念としています。
「世界をすみよくする」ことをMission(私たちの使命)、「誠意をもってことにあたれば、必ず途(みち)は拓(ひら)ける」をValues(共通の価値観)とし、結束したグローバル企業集団へと進化することで「唯一無二の価値を提供する会社」をVision(なりたい姿)として掲げています。
② 目標とする経営指標
ID&Eホールディングスグループは、中長期の視点から以下のとおり目標とする経営指標を定めています。
2027年6月期(中期目標):
売上収益1,980億円、営業利益180億円、営業利益率9%、ROE12%
2030年6月期(長期目標):
売上収益2,500億円、営業利益250億円、営業利益率10%、ROE15%
③ 経営戦略
ID&Eホールディングスグループは、コンセプトを「共創。限界なき未来に挑む」とする長期経営戦略「NKG グローバル戦略2030」を2021年6月に発表しました。社内および社外の多様なパートナーとの「共創」を通じ、知の探究と技術の革新・統合により新たな価値を提供し、人々が豊かさを実感できる社会の実現に貢献する企業グループを目指します。
その実現に向けて、ID&Eホールディングスグループは、2023年7月3日に持株会社体制へ移行しました。持株会社体制への移行は、「自律と共創」の推進に加えて、ガバナンスの強化と意思決定の迅速化および多様性の確保が目的です。
また、市場環境の変化およびID&Eグループの持続的成長に向けた事業領域を再検討のうえで、2024年6月にマテリアリティ(最重要課題)を「分断・格差のない世界の構築」「すみよい地球環境の実現」「共創による新たな社会課題への挑戦」「多様なグループ人財の活躍」「誠意と技術を軸にしたグループ経営」の5つに改定しました。
「NKGグローバル戦略2030」を引き継いだ「ID&Eグローバル戦略2030」および新マテリアリティのもと、2024年7月から2027年6月までを展開期と位置付け、中期経営計画「Building Growth 2027」を策定しました。2027年6月期の数値目標を売上収益1,980億円、営業利益180億円、営業利益率9%、ROE12%としています。基本方針を「主力3事業の持続的成長と事業間の共創による事業領域の拡大」とし、3つの展開策(成長に向けた改革、マトリクス経営の展開、人財・技術の進化)に取り組みます。
コンサルティング事業においては、国内市場では国土強靭化に向けた公共事業予算が確保され、防衛関連事業は予算の増加に伴い、良好な市場環境が期待されます。海外市場では円借款を含めたODA事業は過去最大規模の予算となり、民間資本によるインフラ開発のニーズも高まる一方で、インフレ・円安によるコスト上昇の懸念があります。都市空間事業では、持続可能なまちづくりへの要請が高まり、また新興国においては都市基盤整備等による高効率な都市整備需要が旺盛です。エネルギー事業では、2050年カーボンニュートラル目標に向け、再生可能エネルギーの主力電源化、その変動を吸収する蓄電等が推進され、脱炭素のトレンドは長期に続く一方、様々な企業の新規参入による競争も見込まれます。
こうした市場環境のもと、前記のとおり、ID&Eホールディングスグループは中期経営計画「Building Growth 2027」(2024年7月から2027年6月まで)に基づく以下3つの展開策を実行しています。
2025年6月期は、コンサルティング事業においては、日本工営を中心に、国内市場では主に道路事業・防衛事業等でシェア拡大を、海外市場では稼働率の向上や生産構造の見直しにより収益性向上を図ります。また、国内外ともに民間事業の拡大やAI・自動設計の活用による生産性向上を目指します。
都市空間事業においては、日本工営都市空間株式会社(以下「日本工営都市空間」という。)が生産体制の強化とコスト構造の見直しによる経営基盤強化を、BDP社がグループ各社との協業等によるAPAC展開の強化と北米における事業拡大に取り組みます。
エネルギー事業においては、日本工営エナジーソリューションズ株式会社(以下「日本工営エナジーソリューションズ」という。)を中心に、蓄電池を中心としたエネルギーマネジメント事業の拡大と水力発電関連部門の集約による製造事業の付加価値向上を推進します。
これらの取り組みを推進することで、2025年6月期業績予想は、売上収益1,650億円(前期比103.8%)、営業利益は2024年6月期に資本参加先の株式上場に伴う評価益を約21億円計上した反動により減益で122億円(前期比86.4%)、親会社の所有者に帰属する当期利益73億円(前期比75.4%)としています。
ID&Eホールディングスは、リスク管理の推進全般を統轄する組織としてリスク統括会議を設置し、ID&Eホールディングスグループ内のリスクを把握・評価し、対策と予防を推進しています。リスク統括会議およびその傘下の安全衛生・環境会議、財務報告内部統制会議、情報セキュリティ会議において、全社横断的にリスク管理を行い、重要なリスク情報については取締役会に毎月報告しています。
ID&Eホールディングスグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてID&Eホールディングスグループが判断したものです。また、以下の記載は、ID&Eホールディングスグループの事業等のリスクを網羅することを意図したものではないことにご留意ください。
(1) 法的規制に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、「ID&Eグループ行動指針」のもと、法令遵守の徹底と社内教育に努めていますが、国内において独占禁止法、建設業法、下請法等の法的規制を受けているほか、海外において関係諸法令による規制を受けており、万一法令に抵触するような事態が発生した場合、ID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業運営に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、「グループ運営規程」に則った報告・承認制度の運用のほか、「グループ経営管理ガイドライン」に基づく各グループ会社の経営管理体制、リスク管理、コンプライアンス、情報管理、安全・衛生・健康管理の支援を通して、グループ各社の内部統制システムの強化を着実に実施していますが、各グループ会社においてコンプライアンス違反または各種リスクの顕在化といった事象が生じた場合、ID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 受注に関するリスク
コンサルティング事業におきましては、国内の官公庁・地方公共団体からの受注およびわが国ODA(政府開発援助)予算に基づく案件の受注の割合(依存度)が高く、国内事業では公共投資の動向に、海外事業ではODA予算の動向に影響を受ける傾向があります。
エネルギー事業におきましては、東京電力パワーグリッド(株)からの受注の割合(依存度)が高く、同社の電力設備投資等の動向に影響を受ける傾向があります。
(4) 請負契約等における収益認識に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、建設コンサルティング業務や電力関連機器・装置の受注製造・販売等、顧客と請負契約等を締結する業務を行っています。売上収益は、履行義務の完全な充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合は進捗度の測定に基づいて認識し、履行義務の進捗度を合理的に測定できない場合は履行義務の結果を合理的に測定できるようになるまで発生した原価の範囲で認識しています。また、進捗度の測定は、原則として見積総原価に対する実際発生原価を基礎とし、一部の大規模案件は稼働および経費の実績(出来高)を基礎としています。特に新たな業務領域の先行案件は、総原価の見積りの際に参照する類似案件等の情報が乏しく、外注費等の重要な仮定要素が含まれているため、事後的に変動する可能性があり、結果としてID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 業務実施に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」という経営理念のもと、品質マネジメントシステムISO9001を導入し、常に品質の確保と向上に努めていますが、ID&Eホールディングスグループが顧客に納品した成果品における品質上の問題を原因として重大な責任が生じた場合は、ID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 労務に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、36協定内容の周知・モニタリングやハラスメントに関する相談窓口の設置等の取組みを通して過重労働およびハラスメントの予防体制を構築・管理していますが、これらのリスクが顕在化した場合は、人財の損失が生じることにより、結果としてID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 安全衛生に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、リスク統括会議(原則月1回開催)傘下の安全衛生・環境会議による監視・指導のもと、安全衛生に関する各種規程や内規、マニュアルの整備・運用等を通じて全社的な安全衛生体制の構築に努めていますが、海外での実施業務においてテロや紛争等に遭遇し、従業員の生命・身体への事故が発生した場合、人財の損失等が生じることにより、結果としてID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報管理に関するリスク
ID&Eホールディングスグループでは、「グループ情報管理規程」および関連細則の周知・運用のほか、ネットワークセキュリティの確保、情報媒体の使用ルールの設定・運用等を通して、社内における情報管理体制整備および秘密情報の漏えい防止に努めていますが、顧客情報やID&Eホールディングス機密情報等の秘密情報が漏えいすることで、業務の停止や対策費用の増大、損害賠償、公的な処罰、社会的信用の低下等により、ID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 財務報告に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、リスク統括会議傘下の財務報告内部統制会議の監視・指導のもと、市場環境・為替市場の動向の注視やポートフォリオの見直しを継続して行っていますが、金融市場における予期せぬ経済情勢やマーケットの急激な変化等が生じた場合には、ID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 固定資産の減損に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、企業買収等によりのれん・無形資産を計上しています。連結会社において事業環境の変化に伴い、将来キャッシュ・フローの低下が見込まれた場合など、減損損失を認識する可能性があり、ID&Eホールディングスグループの経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 災害・事件・感染症に関するリスク
ID&Eホールディングスグループは、BCP(事業継続計画)および関連規程の整備・改定を通じて災害・事件に遭遇した場合においても事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続・早期復旧を可能とする体制を整備していますが、大規模震災等によって国内外のサービス需要の減少が生じた場合は、ID&Eホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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