ビーウィズグループ(ビーウィズ及びビーウィズの関係会社)は、ビーウィズ、連結子会社(㈱アイブリット、㈱ドゥアイネット)、関連会社(シャドーコンサルティング㈱)の計4社で構成されており、自社開発のクラウドPBX(注1) Omnia LINK(オムニアリンク)等のデジタル技術を活用したコンタクトセンター(注2)・BPO(注3)サービスの提供、およびAI・DX(注4)ソリューションの開発・販売を行なっております。
ビーウィズグループは事業理念である「洞察を通じた社会への貢献」の実践を通じ、コンタクトセンター・BPO事業を通じて、業務の企画・設計などの上流工程から、教育・運営までをワンストップでご提供することで、顧客企業の競争力強化の一助を担ってまいりました。
また、2016年に子会社化した㈱アイブリットの開発力を活かしたクラウドPBX Omnia LINKのご提供をはじめとする自社開発のシステムソリューションの販売も行っております。PBXは、コンタクトセンターに限らず、企業など複数の電話回線を持つ場所には、必須のシステムです。主な役割は、受発信機能(企業にかかってきた電話を適切に振り分けて着信させる機能や、適切な通知番号での発信を可能にする等)や、内線通話、転送、保留など電話に関わる制御を行なう装置です。
(注1)Private Branch eXchange:構内交換機。従来は構内に置いていたPBXをクラウド化し、インターネット上で通話・通信を行うことで、従来の電話システム環境を改善することができるシステム。
(注2)顧客対応チャネルを「電話」に絞らず、「メール」「チャット」「WEB」など複数の組み合わせで顧客対応するセンターを「コンタクトセンター」と定義しております。ビーウィズは顧客対応チャネルを複数ご提供しており、「電話」に限っていないため、事業内容を「コールセンター」ではなく、「コンタクトセンター」と記載しております。
(注3)Business Process Outsourcingの略で、企業活動における業務プロセスの一部について、業務の企画・設計から実施までを一括して専門業者に外部委託することを指します。BPOには、広義での捉え方と狭義での捉え方があります。広義での捉え方は、「ITアウトソーシング」との対比で、ビジネスプロセスにおけるアウトソーシングを広義の「BPO」と捉えます。この場合、コンタクトセンターも「BPO」の一部と見ることができます。狭義での捉え方は、広義で捉えた「BPO」のうち、顧客対応を伴わないもの(多くは企業のバックオフィス部門や、受発注や請求などの事務業務)を狭義の「BPO」として捉えます。ビーウィズの事業である、「コンタクトセンター・BPO」における「BPO」は狭義の「BPO」の意味合いとして使用しております。
(注4)デジタルトランスフォーメーションの略。進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念。
ビーウィズグループのコンタクトセンター・BPOサービスでは、顧客へのサービス提供の際、顧客ごとのニーズを捉え、オーダーメイドで見積もりを提示し、必要なリソースやシステム、環境を用意して顧客に役務の提供を行なっております。外部資源・情報を戦略的に活用し、コア業務へリソースを集中させることで顧客企業が競争力を高める手段を提供しています。ビーウィズのようなアウトソーシング事業者は顧客企業の業務を専門的に請け負うことにより、顧客企業には適正対価での品質・生産性の向上を提供し、また自社にとっては業務の受託規模を増加していくことにより事業を継続的に成長させていくことが可能となります。また、アウトソーシングの提供形態には場所・運営・システムまですべてを提供する「フルアウトソーシング」と、場所・システムは顧客が用意し、ビーウィズが運営を行う「インソーシング」があります。ビーウィズグループにおける2025年5月期売上高の約3分の2がフルアウトソーシングとなっており、インソーシングよりも場所・運営・システムを含めたフルアウトソーシングの提供に注力しております。
以下の図のように、アウトソーシングサービスの領域は様々です。アウトソーシング業界においては、大きく「IT領域」(注5)と「ビジネスプロセス領域」が存在します。ビーウィズグループのサービス範囲は、その大半が、「ビジネスプロセス領域」のうち、着色している「コンタクトセンター」「調達」「購買」「人事・採用」「経理」「業界特化型サービス(注:製品や商品を販売するにあたって、その業界に特化して生じる事務業務のこと)」を対象領域としております。その中でも「コンタクトセンター」はビーウィズグループの売上高の約70%を占めております。コンタクトセンター領域においては、オリジナル顧客対応メソッド「ミライ転換力」の確立や、80種類以上のスーパーバイザー(注:オペレーターを指導する立場にあるリーダー的立場のスタッフ)向け教育コンテンツを有しており、コンタクトセンターサービス提供会社としての専門性を保有し、強みを有する領域となっております。
(注5)2022年に子会社化した㈱ドゥアイネットは、「IT領域」における「システムソフトウエア設計/開発/運用」のアウトソーシングを担っております。また、2022年11月にリリースした㈱Works Human Intelligenceとの協業は、提供する統合人事システム「COMPANY」の導入支援を行うもので、システム利用における詳細設計や、設定支援、マニュアル作成等のIT導入に係るアウトソーシングを行うものです。売上高比率は大きくはありませんが、ビジネスプロセス領域とIT領域の垣根を超えた、事業領域の拡張を行っております。
コンタクトセンター・BPOの主な機能は、オペレーターを介して顧客企業のエンドユーザーや従業員に向けた高品質なサービスを提供することにあります。質の高い対応を行なうことによって、最終的にエンドユーザーや従業員の満足度を高めることが、顧客企業の満足度を高めることになり、契約期間やビーウィズの売上高の拡大につながります。
そのためにビーウィズとして注力するべき事項は、オペレーターやスーパーバイザーなどのオペレーションに関わる人材の教育や、テクノロジーによるスタッフの支援を通じた運営品質や生産性の向上を実現する仕組みを構築し、継続的にQCD(注:Quality<品質>、Cost<費用>、Delivery<納期>)の改善を行うことです。
また、運営を通じてエンドユーザーや従業員の声を受け取り、適切に顧客企業にフィードバックすることで、商品開発やサービス改善のヒントを提供し、受託している業務自体の高付加価値化を目指すことも顧客企業と長く取引を続ける中で大変重要なポイントです。
ビーウィズグループのコンタクトセンター・BPO事業のビジネスモデル概念図を以下に記載します。
ビーウィズは顧客企業(業務発注企業)を委託者としたコンタクトセンター・BPOサービスに関する業務委託契約を締結し、受託した業務の遂行のための場所やシステム、オペレーターやスーパーバイザーなどの体制を用意し、顧客企業のエンドユーザーへの対応にあたります。主な収益は顧客企業から受け取る、スタッフの稼働時間・システム・場所等の提供費用となっております。一部商品販売や販売勧奨を目的としたアウトバウンド業務(注:電話を発信する業務のこと)では、販売実績に応じたインセンティブ請求が発生することがあります。
コンタクトセンターで使用するシステムは、複数存在します。例えば、PBXや通話録音システムなどの電話応対の基幹となるシステムや音声認識システム(音声のテキスト化)や音声合成システム(テキストの音声化)、顧客管理システム、FAQシステム等が挙げられます。これらの各システム・機能はOmnia LINKの機能として内包されており、コンタクトセンター・BPOにおけるシステム利用料としてOmnia LINK利用料を請求しております。ただし、前述のようにコンタクトセンター・BPOはオーダーメイドの特性を有することから、Omnia LINKの活用範囲を企業ごとにカスタマイズし都度提案を行なっております。また、顧客の要件がOmnia LINKの機能だけでは満たせない場合は、要件が満たされる外部のシステムを仕入れ、提供することもあります。
また、ビーウィズとの業務委託契約がなく、自社でコンタクトセンターを運営している企業に対して、コンタクトセンターシステムとしてOmnia LINKのみを販売することもあります(ビーウィズでは「Omnia LINK外販」と呼称)。
ビーウィズの事業の特徴は、自社開発のPBX Omnia LINKを保有している点にあります。
PBXは、コンタクトセンター運営には必要不可欠なシステムですが、日本のPBX市場においては、長年米国のメーカーの寡占状態にありました。ビーウィズグループでは自社のコンタクトセンターシステムのコスト削減・高機能化を目的に2016年に株式会社アイブリット社を買収し、自社開発PBXとしてOmnia LINKを開発いたしました。
ビーウィズグループの調べにおいては、コンタクトセンター・BPOサービスの提供会社が自社開発のPBXを保有している例は極めて少なく、競合企業の多くがPBXの開発会社から仕入れを行った上で、サービス提供をしています。そのため、自社開発のPBXを有するコンタクトセンター・BPOサービス提供会社として、ビーウィズグループは、業界でも稀有なポジションを獲得していると考えております。
PBXには、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つのタイプが存在しており、Omnia LINKはクラウド型PBXとなっております。以下はオンプレミス型PBXとクラウド型PBXの違いを記載した図です。PBX利用企業にとっては、オンプレミス型PBXの場合、利用する場所自体にPBXを物理的に設置する必要があり、新規設置や増設には初期費用や準備期間が必要な上、利用場所も限られますが、クラウド型PBXの場合は、PBXはデータセンター上に存在するため、複数の場所において利用規模の変動を含め柔軟に利用することが可能であり、在宅勤務環境を含めて、利用拠点に制限を設けずにPBXを活用することが可能となります。
ビーウィズグループでは、自社の受託業務の中でOmnia LINKを活用しております。社内で利用するコンタクトセンターシステムの内、75.4%(2025年5月実績)がOmnia LINKを利用しており、Omnia LINKの活用を通してコンタクトセンターから開発部門にダイレクトに改善要望を上げています。この改善要望を満たすことで、Omnia LINKは機能強化を重ねてきました。そのような取り組みから、Omnia LINKの機能は、基本的な電話の受発信の機能やCRM機能(Customer Relationship Management:顧客管理システム)だけでなく、コンタクトセンターにおける通話音声のリアルタイムテキスト化や、AIによる自然言語処理(人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術)を用いたFAQレコメンデーション(それまでの会話内容から予測される想定問答の提示)まで広がっております。コンタクトセンターシステムの競合製品は、一つの機能を単体で販売しており、複数システムをそれぞれ調達の上で組み合わせて使用するものが大半ですが、Omnia LINKは基本機能から高付加価値機能までをオールインワンでご提供しており、機能の幅広さがOmnia LINKの強みであるとビーウィズグループでは認識しております。
Omnia LINKの主な機能は以下の通りです。
Omnia LINKは以下3点の要因からビーウィズグループの競争力の源泉となっております。
① システム内製化によるコスト削減
上述のようにPBXはコンタクトセンター運営に必要不可欠なシステムであることから、過去、ビーウィズグループがコンタクトセンターサービスをご提供するにあたっては、米国メーカーを中心に複数企業の製品に対するシステム投資コストおよび保守コストが重複して発生しておりました。PBXの調達そのものを内製化したことにより、拠点新設や増強時のコストについて、その規模にもよりますが10百万円~100百万円程度のコスト削減が可能になり、Omnia LINKの社内利用を本格的に開始した2016年頃と比較しても、ビーウィズグループの利益水準は大きく改善しております。
② 柔軟な拠点戦略
ビーウィズグループのコンタクトセンター新拠点は、標準PBXとしてOmnia LINKを利用しております。従来のPBXの場合、筐体やライセンスの納品まで時間を要すため、拠点新設の意思決定から実行までのリードタイムが長期化しておりました。Omnia LINKは自社開発かつクラウド型のため最短数日での導入が可能です。これにより拠点新設や増強のリードタイムが大幅に改善しました。その結果、顧客の要望に沿った業務実施場所の柔軟性の獲得とともに、サテライトオフィスや在宅を活用した運営も可能となりました。顧客提案時における機会損失を防止し、タイムリーな提案を行うことで受注を拡大し、コンタクトセンターサービスの成長につなげております。機会を逃さずに高収益案件を獲得することができるため、1席あたりの月次売上高(注:アウトソーシング業務の月次売上高/月次稼働席数。オペレーションブースの収益面での効率性を現す指標)もOmnia LINKの利用拡大とともに増加傾向にあります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の状況下においては、自社のクラウドPBXを保有していたことから、感染拡大の早い局面(2020年6月頃)の時点で在宅コンタクトセンターサービスである「Bewith Digital Work Place(ビーウィズデジタルワークプレイス)」を開始いたしました。2025年5月時点で約2,000名のオペレーターが在宅でのオペレーションを行なっており、オペレーターの安全性の確保、BCP対策、柔軟な増席対応につながっております。テレワークの活用度合いは、コンタクトセンター・BPOサービスの競合企業と比較しても高い状況と自負しております。
③ Omnia LINK外販を通じた売上・利益の増大
自社でOmnia LINKを利用するだけでなく、Omnia LINKそのものをクラウドサービスとして外部企業へ販売する戦略を採用したことで、より安定した全社収益確保の一助となり、ビーウィズグループの業績に貢献しております。また、Omnia LINKはコンタクトセンターの基幹システムであるため、導入時にはオペレーションフローの見直しを含めた業務への影響が生じることから、他システムへの切り替えが行いづらく、契約が長期化する傾向にあります。そのため、より安定した収益を生み出しやすい事業モデルへと、ビーウィズグループの事業構造の転換が進んでおります。
(1)経営方針
ビーウィズグループは、「中期経営計画2025」において、目指すべきありたい姿を「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」として位置づけております。前「中期経営計画2022」においては、Omnia LINKを開発し、自社で利用しながら、外販する「勝てるビジネスモデル」を確立しました。このコンタクトセンター・BPO事業とOmnia LINK外販の2つの事業を両面で成長しながら、持続的に成長していくことを目指しています。
また、「中期経営計画2025」では、経営ビジョンを達成するために以下の方針を定めております。
i. Omnia LINKの強力な成長
事業ポートフォリオの改善に向けて、高収益事業であるOmnia LINK外販事業の強力な成長を目指し、全社の収益性の改善を目指します。
ii. 特徴あるコンタクトセンター・BPOの継続的成長
日本の労働力人口は減少する中で、AIを賢く利用し、人の応対はより高度になるものとビーウィズグループは想定しております。その中で、Omnia LINKやビーウィズグループのノウハウを活かした高度なオペレーションの実現によって、顧客企業への提供価値を高めるとともに、付加価値の向上を目指します。
iii. 事業基盤を支える経営基盤の構築
ビジネスを支える、コーポレート基盤の強化を行ないます。主には人材戦略やサステナビリティ、コーポレートガバナンスの強化等を実行します。
ビーウィズの成長戦略は、「根元」事業であるコンタクトセンター・BPOサービスと、「新芽」事業であるOmnia LINKを始めとするシステムソリューションの販売を両面で成長させることにあります。その成長の在り方として、コンタクトセンター・BPOサービスは事業規模及び売上高の成長、システムソリューション販売は利益額・利益率の成長のドライバとして位置づけております。
コンタクトセンター・BPOにおいては、重点戦略グループ(金融業界・情報通信業界)を設定し、重点戦略グループにおける顧客の新規獲得や、取引開始済の顧客の深耕等を通じて、事業規模及び売上高の成長を牽引する方針です。
システムソリューション販売においては、Omnia LINKの外販拡大によるユーザー数の拡大、音声認識などのオプション販売の拡大によるユーザー当たりの売上高の拡大、また、コンタクトセンターに限らないオフィス向け製品となる「Omnia LINK ANYPUT」の販売によるターゲットユーザーの拡大の他、新たなソリューション開発を行ないます。新たなソリューション開発としては、金融機関を中心とした、店舗統廃合後のサービスのコンタクトセンターの集約化に必須となる、「商談、申込、電子契約」をワンストップで対応可能とした「UnisonConnnect(ユニゾンコネクト)」の販売を開始しております。このシステムはコンタクトセンター市場全体の拡大に資する取り組みと考えており、システムだけの販売のみならず、コンタクトセンター・BPO事業のセットでの販売も強化していきます。
なお、上記のビーウィズの今後の成長戦略を図示すると、以下のようなイメージとなります。
(3)目標とする経営指標
ビーウィズは堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。ビーウィズが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は売上高成長率、営業利益成長率です。
「コールセンターサービス/コンタクトセンターソリューション市場の調査(2022年)」(㈱矢野総合研究所・2022年11月15日発表)によると、2021年度のテレマーケティング市場規模は、1.1兆円と推計されております。同市場は、同研究所によると今後についても堅調に推移することが見込まれております。
その背景として、企業が昨今の労働力不足、人材不足を背景とした働き方改革やDX推進による自社内人的リソースの再構築を加速化させており、ノンコア業務をアウトソースする機運が高まっている点があげられ、また、改正労働契約法や改正労働者派遣法の2018年4月の適用開始に合わせて、自社雇用のパートや派遣スタッフからBPOに切り替えをする企業も増加していることで市場拡大が後押しされているとビーウィズは考えております。
また、近年はAIやRPAなどのデジタル技術と人材によるオペレーションを組み合わせたサービスニーズが増加しており、当該市場へのプラス効果として働いております。合わせて、「顧客体験価値(注:商品やサービスの「価格」や「機能性」といった物理的な価値だけではなく、それらを通して得られる「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値も含めた概念)」を追求する企業が増加しており、顧客接点として重要な役割を持つコンタクトセンターにおいては、「窓口のマルチチャネル化による問い合わせ方法の多様化」や「ワンストップ化による問題解決力の向上」など、1つのセンターで対応しなければならない範囲の拡大と、問題解決力向上に向けた業務への深い理解が求められ、運営難易度が高まる傾向にあると考えております。そのため、専門業者の知見への期待から、アウトソーシングニーズの増加につながっております。
また、コンタクトセンターを自社運営している企業群は、上記の「テレマーケティング市場規模」と別に1.5兆円超が存在すると見込んでおり、潜在市場として認識しております。(注1)
(注1)ビーウィズ推定値。ビーウィズ席数と「コールセンターサービス/コンタクトセンターソリューション市場の調査(2022年)」(㈱矢野総合研究所・2022年11月15日発表)におけるビーウィズシェアにより、日本のコンタクトセンターアウトソーシング事業者席数を算出。コールセンターの運用形態(コールセンター白書2022 ㈱リックテレコム)より、自社運営コンタクトセンター席数を算出し、ビーウィズの1席あたり売上高を乗じて算出。
さらには、金融機関のような全国に店舗を持つ企業においては、店舗の統廃合が進んでおり対面での接客をコンタクトセンターに集約する動きも見られます。この対面からコンタクトセンターへの集約の動きはこれまでになかった新たな市場であり、コンタクトセンター市場においては新市場開拓とも言えることから、今後も市場の成長が期待されるものと認識しております。
外部へ販売するシステムとしてのOmnia LINKの市場であるクラウド型CRMシステム市場規模は2021年に901億円(デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望 2023年度版 クラウド型CRM市場編」 2023年12月11日)となっており、同市場の2020年から2024年までの4年間のCAGRは約17%となっております。
また、当連結会計年度末においてOmnia LINKはコンタクトセンター向けの専門システムとなっておりますが、今後の展開としてオフィス内でのビジネスコラボレーションツールとしての機能を2025年5月期に展開する予定です。その場合、対象顧客ターゲットはオフィスへと広がることとなり、新たな市場の獲得に取り組んでまいります。
上記経営環境において、ビーウィズが対処すべき課題は下記のとおりです。
① 中期経営計画の策定と実行
ビーウィズグループは、2023年度を初年度とする新たな3カ年の中期経営計画においても、経営ビジョンである「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」の実現に向けて、以下3点を取り組みの柱として設定し、さらなる企業価値の最大化を目指してまいります。
(ア)Omnia LINKの強力な成長
ビーウィズグループの最大の特徴、強みであり、成長ポテンシャルも大きいOmnia LINK外販事業について、その販売ライセンス数を加速度的に拡大してまいります。また、成長に向けて、内部体制の強化や取り組みの高度化を進めるとともに、顧客単価の上昇、サービスラインナップの拡充、対象市場の拡大に取り組みます。
(イ)特徴あるコンタクトセンター・BPO事業の継続的成長
引き続きビーウィズグループの足元を支えるコンタクトセンター・BPO事業においては、Omnia LINKのさらなる内部活用を進めるとともに、ターゲット顧客に応じた営業戦略の策定と実行、人材・体制強化、現場主導での改善サイクルの実現など、さらに根元を強化するための施策に取り組みます。
また、今後の競争環境に勝ち抜くため、継続的に魅力的なサービスを開発・提供し続けるべく、次の成功例となりうるプロダクトのスケール拡大や新たなサービス・プロダクト開発を継続します。
(ウ)事業成長を支える経営基盤の構築
さらなる事業成長を目指すビーウィズグループにおいて、成長スピードに合わせた経営基盤を構築・維持し続けるため、人的資本経営に資する人材戦略、気候変動に対応したGXの推進、成長に資する財務戦略の策定と実行、内部統制・ITガバナンス・コンプライアンス強化等の施策に取り組みます。
特に、人的資本への取り組みについては、前述の(ア)(イ)の実現のためにも必須の要素となります。ビーウィズの理念や事業戦略と結びついた人事戦略の遂行により、ビーウィズらしさを体現し、事業変革にあわせた人材ポートフォリオの改善を実現するとともに、さらなる将来を踏まえた人づくりを進めてまいります。
② 流動性の確保及び企業価値の拡大
当連結会計年度末におけるビーウィズ株式の流通株式比率はプライム市場の上場維持基準を充たしておりますが、流通株式時価総額については将来に渡って安定的に基準を充足し続けるといえる水準には至っておりません。ビーウィズ株式の流通株式数は投資家による売買を通じて変動することとなりますが、上場維持基準を充足し続けるために、当面の間は、㈱パソナグループとの連結関係を維持できる範囲において実施可能な資本政策を検討し、大株主(親会社等)と連携のうえで流動性確保に努めるとともに、ビーウィズグループの経営方針・経営戦略に沿い、事業規模・売上高並びに利益額・利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで流通株式時価総額の拡大に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてビーウィズグループが判断したものであります。
(1)リスクマネジメント体制
ビーウィズは、ビーウィズグループの事業活動における諸種のリスク管理を所管するリスクマネジメント委員会を設置し、常勤取締役及び取締役会で任命された執行役員が、リスク管理基本規程に従い以下のリスク管理体制の構築と運用にあたっております。
ビーウィズグループの事業活動に関する事業リスク及びオペレーションリスクについては、取締役及び執行役員の職務分掌に基づき、それぞれの担当管掌ごとに管理することとしております。リスクマネジメント委員会は全社横断的視点で、経営上の重要なリスクの管理に対する全社方針の決定、個々のリスクの抽出、評価、見直し、対応策の検討、管理状況の定期的な確認を行います。また、リスクマネジメント委員会の円滑かつタイムリーな運用を推進するために、経営企画部がリスクマネジメント委員会事務局を担い、各部門のリスク管理部門長とも連携してリスクの低減にあたっております。
(2)リスクマネジメントの運用プロセス
ビーウィズは、リスクマネジメント委員会を定期的(年7回)及び必要に応じて臨時に開催しております。委員会では、企業活動に関して抽出されたリスクとその対応方針を策定するとともに、リスクマネジメントシステムが有効に機能しているかどうかの検証・評価を行っております。各担当執行役員管掌下のリスクに対しても、それがビーウィズ全体に及ぼすシナリオや他のリスクとの関連性について横断的視点をもって過不足なく点検し、リスクの低減を図っております。
具体的には、ビーウィズグループを取巻くビジネス上の環境や、ビーウィズグループ固有のオペレーションフローなど内外様々な要因から個別のリスクを抽出・検討し、その重要度等から取組むべき優先順位をつけ、特に重要と認識するリスクを全社リスク管理重点項目とし、経営計画の中に組入れております。重点項目は、年度計画の進捗確認のため、リスク対策の実行やモニタリング状況を四半期ごとにリスクマネジメント委員会にて報告しております。委員会では、必要に応じて適宜、リスク対策についての確認や修正が行われます。
リスク管理の状況については取締役会に対して、第2四半期の終了時点で中間報告を、連結会計年度終了後に年間の総括報告を行っております。また、リスクマネジメント委員会には監査等委員も出席し、リスクの管理状況について確認を行い、必要に応じて意見を得ております。
(3)リスクの抽出・評価プロセス
ビーウィズグループが認識する各個別のリスクは、ビーウィズグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性がありますが、反面、事業成長の機会にもなり得るため、単に脅威だけではなく好機をも含め、バランスをもった視点でとらえ抽出いたします。当連結会計年度内において抽出したリスクは144項目であり、類型ごとに整理し、リスクマップとして一覧化しております。一覧化した個々のリスクの大きさを表すために、そのリスクが発生する可能性と、発生した場合に事業に与える影響度の二軸で個々のリスク値を算出しております。また、単にリスク値の大きさだけでは判断せずに、リスクアセスメント表を用いて各リスクの特性を総合的かつ多角的に評価・プロットし、ビーウィズのリスク対策の優先度とリスク管理重点項目を決定しております。
リスクマップ(項目抜粋)
(4)主要なリスク項目
① 顧客企業の事業環境変化によるリスク
ビーウィズグループが提供するコンタクトセンター・BPO等の主力サービスは、アウトソーシングというビジネスの性質上、顧客企業の属する業界での競争激化や法規制の強化などの理由による経営方針の転換、また顧客企業の業績悪化等によるコストの低減などの事情で、ビーウィズグループの受託業務量が大幅に変動する可能性があり、その場合は少なからずビーウィズグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ビーウィズグループの取引先とは継続的な長期契約が多く、短期間での大きな変動は比較的発生しにくいものの、当該リスクは常に発生する可能性があると認識しております。
顧客ポートフォリオの多様化や個々の顧客企業からの受託領域の拡大、また時流や企業のニーズにあった最新のサービスやソリューションの開発を迅速に進め、提供していくことで取引を拡大し、リスクの低減を図ってまいります。
② 特定の顧客企業への依存度によるリスク
ビーウィズグループの当連結会計年度における売上高に対して、東京電力エナジーパートナー株式会社様との取引の構成比は16.4%、株式会社パソナ様は15.4%となっております。また売上高上位5社では、総売上高の約42.0%を占めており、当該顧客企業との取引動向がビーウィズグループの経営成績に影響を与える可能性があります。これに対して、営業戦略を加速し、新規取引先の拡大や、既存の顧客企業に対するDXソリューション提案やクロスセルによる取引領域の拡大、またOmnia LINKをはじめとした社会の変化に適応する新たなソリューションの提供を通じ、収益の拡大を進めることで、特定顧客企業への依存度を低下させ、リスクの低減を図ってまいります。
③ 大型スポット業務受託に関するリスク
ビーウィズグループが受託する業務は、その多くが中長期の継続的な契約でありますが、社会情勢によるニーズの突発的な発生や、顧客企業からの要請により期間が限定されたスポット業務も例年発生しており、そのうち規模が大きいものを受託した場合、ビーウィズグループの業績に影響を与える可能性があります。
大型スポット業務を受託した場合、一時的に売上高が拡大する他、ビーウィズグループの人員や保有するスペースの稼働率が向上することにより収益性が上がり、売上高、利益に著しいプラス要因が発生することがあります。さらに当該スポット業務が終了すると、一時的に拡大した収益が剥離することで前述の稼働率が通常レベルに回帰し、翌年度の収益性が低下する可能性をもたらします。スポット業務は毎年発生しておりますが、ビーウィズグループにおいてはビジネス拡大の機会でもあります。大型スポット業務の発生は、顧客企業からの突発的な要請や社会情勢の変化、国家レベルでの制度変更などが要因であることも多いため、予測することは非常に困難です。
ビーウィズグループでは当該リスクを認識し、スポット業務の売上高比率が高まりすぎないように基準を定めて受注案件の判断を行うとともに、中長期での契約継続が期待できる業務の新規受託の推進や、既存業務の採算性確保によって、大型スポット受託の多寡による経営成績の変動を抑制するべく努めております。
④ 契約に関するリスク
ビーウィズグループが提供するコンタクトセンター・BPOサービスは、顧客企業のビジネスプロセスの一部または全部を請負い、改善を図っていくという業務の性質上、また、顧客企業の属する業種業態内で競合する企業群との競争状態や、業界業種で関連する法規も異なることなどの理由から、その内容は一様ではなく、業務ごとに最適な業務プロセスをオーダーメイドで提供しております。その際、実際の業務構築段階において、顧客企業との事前の設計あるいは予測による見込みから業務の難易度や工数が乖離することがあります。また、運営中の受託業務においても、事業環境変化に伴う顧客企業の急な要請による業務要件の変更等が発生する可能性があります。これらの変更要因により、ビーウィズグループが顧客企業に請求する項目、単価、数量等にも変更が生じ、その結果として、請求内容の誤謬が発生する可能性があり、その内容によってはビーウィズグループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、これらの要件変更等によりKPIの変更・追加や業務の目的自体が洗替えされることもあります。顧客企業の目的達成のために、ビーウィズグループが当初用意した経営資源の範囲を越えて、より難易度の高い業務となった場合、生産性が低下し採算性が悪化するほか、努力しても顧客企業の満足するKPI基準に到達できずに業務の遂行に支障をきたした結果、受託業務の打ち切りやケースによっては損害賠償請求を受ける可能性があります。これらはビーウィズグループの信用の失墜や経営成績に影響を及ぼすことに繋がります。このようなリスクへの対策として、業務内容の変更が発生した場合には、顧客企業と密接な協議を行うとともに、仕様変更による条件変更に対しての条件交渉を行い、リスクの低減を図っております。
⑤ 人材の確保及び人件費高騰によるリスク
ビーウィズグループが提供する各サービスにおいて、高度な専門知識や経験を有する人材の確保は経営の重要課題と考えております。一方で、新規サービスの開発やDXに精通している人材は求人市場でも引く手あまたであり、国内企業だけでなく世界的にも人材がひっ迫しています。ビーウィズグループが必要とする知識や経験を有し、顧客企業の要望や社会の変化に応え続けることの出来る人材が、必要な時期に必要なだけ確保できる保証はなく、人員計画に基づく採用が行えなかった場合、ビーウィズグループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、ビーウィズグループが受託する業務を行うためには、その業務に従事する多数のオペレーターの確保が必要となります。しかしながら、労働人口の減少、少子高齢化といった日本の構造的な問題や、景気などの社会情勢によって十分な労働力を継続的に確保できない可能性があり、その結果として採用に係る費用の増加、人件費の上昇が想定されます。近時、インフレ傾向による物価上昇、人手不足による賃金改定の流れ、働き方改革関連法の施行などにより人件費上昇の圧力がかかり続けており、こうした状況が長く続いた場合、ビーウィズグループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを認識し、必要な人材を確保するために、様々な採用手法を駆使するとともに、働きやすい環境としての在宅勤務の推進(制度の完備、セキュリティの確保、顧客企業の承諾等)にも取り組んでおります。一人ひとりの従業員が長く働きたいと思えるように、社内資格制度や表彰制度を設けるなど定着率の改善施策にも取り組んでおります。
⑥ システム障害の発生によるリスク
ビーウィズグループは、受託しているコンタクトセンター業務において、自社開発を行っているクラウド型PBX「Omnia LINK」を多数利用しているとともに、顧客企業へのライセンス販売も行っております。当該サービスが各種の障害、故障、ならびに重大な欠陥、または外部事業者により提供される通信インフラにおけるネットワーク障害の発生等によって正常に稼働しない状態が継続した場合、コンタクトセンター業務の遂行に重大な支障をきたすだけでなく、それらを起因として顧客企業に発生した逸失利益等に係る損害賠償請求を受けるなど、ビーウィズグループの経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。
このためビーウィズグループでは、各種の契約締結において損害賠償上限を定めるなど、損害の拡大の防止を行うとともに、システム開発時の品質保証レビューや稼働前後のシステム点検等によって、機密性・障害許容性・回復性・安定性といった品質特性の向上に努めリスクの低減を図っております。また、システム障害が発生した際の障害報告フローを明確化し、迅速に対応することで早期の復旧ができるように努めております。
⑦ セキュリティと情報漏洩リスク
ビーウィズグループはその事業の特性として、顧客企業の営業上及び技術上の機密に該当する情報のほか、顧客企業が保有するエンドユーザー等の個人情報を含む情報資産をお預かりし、業務を行っております。万が一、これらの情報の漏洩事故を発生させた場合、顧客企業との間における取引関係の終了、また、顧客企業やエンドユーザーから損害賠償請求等を受けることによって、ビーウィズグループの社会的信用、経営成績、財務状態に影響が発生する可能性があります。年々、サイバーリスクは高度化、巧妙化しており、これらセキュリティリスクへの対応は重要な経営課題となっております。
このような状況を踏まえて、ビーウィズグループでは「セキュリティポリシー」及び「プライバシーポリシー」を制定し、その遵守に努めております。また、2004年に情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を、2009年にはプライバシーマーク認証を取得し、情報管理体制の構築・維持に努めるとともに、人的・物理的・技術的といった様々な観点から機密情報管理対策を講じております。また、万が一の情報流出における損害賠償請求へ対応するため、一定額までのサイバーセキュリティ保険を付保しております。
⑧ 内部管理体制におけるリスク
ビーウィズグループの急激な事業成長等の変化により、内部管理体制の構築の遅滞や不備が生じた場合や、構築した内部統制システムに重大な欠陥が認められた場合、またこれを逸脱するような事態に至った場合、ビーウィズグループの適正な業務運営に支障をきたし、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。その結果、ビーウィズグループの社会的評価が毀損する恐れがあり、欠陥の重大性や原因等の程度に応じては様々な法的責任が課せられ、金融市場における資金調達力が制限されることによって、ビーウィズグループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対してビーウィズグループでは、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制に関する要件に則り、「財務報告に係る内部統制評価の基本規程」を制定し、基本方針の設定・展開、内部統制の整備・運用及び評価における全社的な管理体制、手順、ならびに手続きに関する人員及びその編成等を定め、内部統制やコーポレート・ガバナンスの体制を構築するとともに、当該体制が有効に機能するよう取り組んでおります。
⑨ 法規制等に係るリスク
ビーウィズグループは、自己の事業活動および顧客企業からの業務を受託する過程において、個人情報保護法や消費者保護関連法のほか、各種労働関係法令、税法、特定商取引法等の様々な法令の適用を受けております。ビーウィズグループが、これらの適用法令等に違反した場合、ビーウィズグループの事業運営、経営成績および社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一定の事業を行う上で取得する許認可等については、行政当局の監督を受けておりますが、ビーウィズグループがこれら許認可等の維持要件に違反し、当局から業務停止命令、罰金、その他の処分を受けた場合には、対象事業を行うことができなくなる可能性があります。さらには将来、ビーウィズグループに適用される法令等の新設または改正、司法や行政の解釈に変更がある場合において、複雑化する法規制への対応の遅れにより事業機会を逸する可能性や、ビーウィズグループの事業運営や業績、社会的信用に悪影響を与える可能性があります。
このためビーウィズグループでは、事業上遵守が必要となる法令の改定について、法務部門が中心となり常に情報収集を行い、法規制への対応の遅れが出ないよう取り組んでおります。また、法令の新設や改正等に伴い規程類の改定を行う際には、必要に応じて専門家のレビューを受け、解釈に齟齬が出ないように留意しております。
⑩ 係争・訴訟等に関するリスク
ビーウィズグループの受託業務等において、業務に必要な内外の経営資源を確保出来ないこと等により、顧客企業との受託契約に基づくビーウィズグループとしての責務を果たせずに、顧客企業に生じる損害の一部又は全部につき請求を受ける可能性があります。この場合、法令や契約に対する違反の有無に関わらず、これらが訴訟問題となり、ビーウィズグループの責に帰すものと認められた場合には、ビーウィズグループの経営成績、社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、何らかの理由でビーウィズグループ従業員、または元従業員から労務問題等を理由に訴訟の提起や、それによる損害賠償金の支払いを求められる可能性があります。さらには、これらが係争となり、ビーウィズグループに大きな責がある等の司法判断がなされた場合には、ビーウィズグループの経営成績、社会的信用に影響を与える可能性があります。
このリスクを認識し、ビーウィズグループでは各種の契約締結時においては、法務部門により入念に内容を精査しており、必要に応じて専門家に確認をとるなど、リスクの低減に努めております。
⑪ 労務管理に関するリスク
ビーウィズグループでは、受託業務の遂行のため、パートタイム・アルバイトを含む多様な雇用形態の有期雇用従業員を多く雇用しており、これらの従業員もしくは元従業員との間で雇用に関する紛争が発生する可能性があります。また、仮に法令への抵触、ハラスメントなどによってビーウィズグループの責が認められる場合、監督官庁からの指導や処分を受けるほか、訴訟を提起される可能性もあり得ます。このような場合において、ビーウィズグループの社会的信用や事業運営に影響を与える可能性があります。
ビーウィズグループでは、労働関係法令の遵守にとどまらず、各種のハラスメント行為の撲滅や、従業員同士が互いを尊重し働きやすい職場環境を整えることが、ダイバーシティの推進においても極めて重要であると認識しております。コンプライアンス遵守のための体制整備に努めるとともに、ハラスメント防止規程を制定し、定期的に役職員、従業員に対して発信し、教育の機会を多く持つことで労務管理におけるトラブルやハラスメント発生の防止に努めております。その他、従業員に対してトラブル等専門の本社相談窓口、社外通報窓口等を設置することで、就業上のトラブルが発生してしまった場合でも、気兼ねなく相談できる体制の確立と即座に対応が可能な体制を整えております。
⑫ 大規模自然災害等に関するリスク
ビーウィズグループでは、全国に事業拠点を分散配置するとともに在宅勤務体制の整備を行うことで、大規模な自然災害等が発生した場合においても、被災していない地域の経営資源をもって被災地域の一部業務運営を補うことを可能としております。顧客企業の事業の継続性を支援する事業者として、有事においても可能な限り事業継続できる環境を整備することは経営の重要課題であると認識しております。
しかしながら、大規模な地震をはじめとする津波、風水害、火災などの自然災害、電気・通信網の遮断などの社会インフラの混乱、また未知のウイルス等感染症の大規模流行等の発生によって、ビーウィズグループの事業運営、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ビーウィズグループでは予期せぬ事態の発生に備え、事業継続計画を制定しております。災害等の発生要因別に有事における手順書を備え、定期的な見直しや訓練を行う等、体制整備とリスクの低減に努めております。
⑬ 株式会社パソナグループとの関係について
(ア)資本関係
ビーウィズの親会社である㈱パソナグループは、当連結会計年度末現在においてビーウィズの発行済株式総数の過半数を超える55.7%を保有しており、ビーウィズの役員の選任、他社との合併等の組織再編、定款変更等のビーウィズの株主総会決議の結果に重大な影響力を及ぼす可能性を有します。ビーウィズには親会社による事前の承認事項等は存在しておらず、また、議長を含めて独立社外取締役のみで構成される任意の指名報酬委員会を設けるなど、独立性の担保を図っておりますが、それでもなお、ビーウィズの株主総会の承認を必要とする事項に関しては、㈱パソナグループが影響を及ぼす可能性があります。
(イ)㈱パソナグループにおけるビーウィズグループの位置づけ
持株会社である㈱パソナグループを中心とする企業グループは、連結子会社の㈱パソナを中核事業会社とし、人材関連事業や、地方創生事業等を行っております。
ビーウィズは親会社グループの中では「コンタクトセンターサービス」を専門的に提供している唯一の事業会社であり、あわせて「アウトソーシングサービス(自社の経営資源にて運営)を中心としたBPOサービス」を提供しておりますが、「派遣法に基づく人材派遣業務(人材の供給)」を主軸とした事業の変遷としてBPOサービスを提供している親会社グループ各社とは事業特性が異なり、創業より「カスタマーサービス及びBPOサービスの専門家集団としての業務設計等のノウハウによるBPOサービス(業務運営)」を主軸として事業を展開しております。
事業展開の変遷は異なりますが、「コンタクトセンターサービスが含まれず、かつ業務設計等のノウハウが必要ではない定型的なBPOサービス」に関しては、親会社グループ会社(㈱パソナ)でも一部提供しているケースがあり、その点について事業競合が生じている又は生じる可能性を有しております。この事業競合が生じている又は生じる可能性を有している部分のビーウィズの連結売上高に占める割合は、低位と呼べる水準です。ビーウィズは親会社グループ内において「コンタクトサービスを専門的に提供する唯一の事業会社」として明確な棲み分けがなされており、自社開発のクラウド型PBX「Omnia LINK」を強みとした、国内でも特徴のあるコンタクトセンターサービスを展開するとともに、これまで培ってきた「業務の運営」を主軸としたBPOサービスの経験・ノウハウ等により、親会社グループ内外に関わらず、独立性と競争優位性を持って事業を展開しており、親会社グループ内での事業競合によってビーウィズグループの経営の独立性を損なうような状況にはありません。
今後もビーウィズグループは経営の独立性を維持しながら、事業競合するサービスを含めて、親会社グループ各社と時には競い合い、時には連携することでビーウィズグループの事業拡大を目指すと共に、親会社グループ全体の事業拡大にも寄与し、人材サービス業界におけるプレゼンスを高め、ビーウィズグループ及び親会社グループの双方の企業価値向上を目指してまいります。
(ウ)パソナグループ各社との人的関係
当連結会計年度末現在、ビーウィズの取締役である若本博隆氏は㈱パソナグループの取締役副社長執行役員を兼務しております。同氏については、同氏の経験豊富な経営知見をビーウィズの経営に活用すること等を目的にビーウィズが招聘したものであり、ビーウィズの独立性は確保されております。なお、当連結会計年度末現在、ビーウィズグループにおいて、同氏のほかに、㈱パソナグループおよび、ビーウィズグループを除く同社のグループ会社からの人材の受け入れはありません。
(エ)パソナグループ各社との取引関係
ビーウィズグループと㈱パソナグループを中心とするパソナグループ各社は、独立第三者間取引で適用される取引条件又は社会通念上合理的な見積りによる公正妥当な取引条件により、営業取引等を行っております。また、ビーウィズグループの連結売上高にはパソナグループ各社からの紹介案件によるものが一部含まれますが、ビーウィズグループの新規案件獲得の商流は、90%程度が既存取引先からの紹介や、ビーウィズグループが開催する各種ビジネスセミナー、展示会、インターネット広告、自社WEBサイト経由でのお問合せ等からによるものであり、パソナグループ各社への依存度は小さい状況にあります。また、パソナグループ各社との取引のうち最も大きいのは株式会社パソナとの取引になりますが、当連結会計年度における売上構成比として15.4%となっておりますが、その大多数はマスタークライアントが存在する受託案件となっており、同社を通じて様々な業界業種のBPO案件を受託しております。なお、パソナグループ各社からの紹介案件かどうかに関わらず、個別案件における取引開始の可否判断や取引の条件交渉は、ビーウィズグループが独立した立場で実施しております。
当連結会計年度におけるビーウィズグループとビーウィズ以外のパソナグループ各社との主な取引は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (関連当事者情報)」に記載しております。
なお、パソナグループ各社との取引を行う場合は、一般株主との間に利益相反関係が生じるリスクが存在することを認識し、取引条件の適切性を確保するために、ビーウィズグループが定める関連当事者等管理規程に基づき、取引開始前に、取引の相手方が関連当事者等に該当しないかを関連当事者等管理部門が確認しております。さらに、取引の合理性(事実上の必要性)及び取引条件の妥当性等について経営会議にて審議・検討し、監査等委員会での見解を踏まえた上で、取締役会で決議するものとしております。取引の開始後においても定期的なモニタリングを実施の上、次年度以降の更新、及び当該年度内における取引内容又は条件等が変更となる、もしくは超過等が見込まれる場合、あらためて取締役会にて決議するものとしております。
(オ)親会社が存在していることを踏まえたガバナンス強化の取組み
ビーウィズグループの独立性を継続的に確保していくための取り組みとして、常勤監査等委員と監査部による関連当事者等取引申請書類の査閲や独立性監査等の実施等を通じて、内部監査部門及び監査等委員会におけるモニタリングを強化しております。モニタリングでは、関連当事者等取引や不当な事業調整の有無をはじめとした独立性を毀損するような実態が生じていないかどうかを、定期的及び必要に応じて随時に確認を行うことで、ガバナンスの確保を行うとともに株式市場・投資家によるモニタリングも可能となるように親会社グループとの各関係内容等を丁寧に開示してまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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