メンタルヘルステクノロジーズ(9218)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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メンタルヘルステクノロジーズ(9218)の株価チャート メンタルヘルステクノロジーズ(9218)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】メンタルヘルステクノロジーズグループは、メンタルヘルステクノロジーズ(株式会社メンタルヘルステクノロジーズ)及び子会社である株式会社Avenir(以下、「Avenir」という)、株式会社タスクフォース(以下、「タスクフォース」という)、株式会社ヘルスケアDX(以下「ヘルスケアDX」という)、株式会社明照会労働衛生コンサルタント事務所(以下「明照会労働衛生コンサルタント」という)、株式会社みらい産業医事務所(以下、「みらい産業医」という)により構成されており、メンタルヘルスソリューション事業、メディカルワークシフト事業、及びその他事業(メディカルキャリア支援事業及びデジタルマーケティング事業)を主たる業務としております。メンタルヘルステクノロジーズグループの事業内容及びメンタルヘルステクノロジーズと関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりです。なお、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業区分である次の3事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であり、当連結会計年度のセグメント別売上高の構成比率は以下のとおりであります。※当連結会計年度よりメンタルヘルステクノロジーズグループ内の経営管理区分の見直しに伴い、従来「メディカルキャリア支援事業」、「デジタルマーケティング事業」としていた報告セグメントを「その他事業」に統合しております。メンタルヘルスソリューション事業 47.4%メディカルワークシフト事業    50.8%そ  の  他  事  業     1.7% (1) メンタルヘルスソリューション事業メンタルヘルスソリューション事業では、産業医及び保健師等による役務提供サービスと労働者の心身の健康管理に関する各種クラウド型サービス「ELPIS」をパッケージ化し、「産業医クラウド」の名称で提供しております。当事業の売上高は当連結会計年度においてグループ全体の売上高の47.4%を占めており、メンタルヘルステクノロジーズグループにおける主要な事業であります。メンタルヘルスソリューション事業において、メンタルヘルスケアサービス「ELPIS」の開発はメンタルヘルステクノロジーズが行っており、顧客へのサービス提供は子会社であるAvenir、明照会労働衛生コンサルタント、及びみらい産業医が行っております。 昨今、精神疾患患者が増加し、ストレスチェック制度の義務化や、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(以下、「働き方改革関連法」という)の施行など、労働者の健康管理に対する社会的責任の重要性が増しており、企業はこれまで以上に従業員の心身の健康管理への配慮が必要となっております。また、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、在宅勤務を採用する企業が増加し、労働者の働き方に大きな変化が生じております。産業医が行う業務(以下、「産業医業務」という)はこれまで、危険有害業務に従事する労働者の労働環境整備や、生活習慣病の予防等、主に身体の健康管理への助言や指導が中心でした。しかしながら、最近ではそうした業務に加え、職場におけるメンタルヘルスに起因する疾病予防についても重要視されるようになり、新たに新型コロナウイルス感染症をきっかけとして感染防止対策が加わり、産業医が対処すべき業務の範囲も大きく変化しております。労働安全衛生法では、50名以上の労働者を使用する事業場においては、産業医の選任が義務づけられており、法令違反に対しては刑事罰も含めて罰則が設けられております。したがって、産業医と契約している企業は少なくありません。しかしこれまでメンタルヘルスに起因する疾病予防対策は、大手企業や一部の優良企業のみの導入にとどまる傾向にありました。労働者の心身の健康管理には、産業保健業務に従事する専門職の雇用やEAPサービス(心身に不調を来す従業員のケアを目的とした従業員支援プログラム)を導入するなど多額の費用が必要となること、企業の組織内に健康経営を推進する上で必要な専門知識を有する社員が必要であること等がその理由であります。そこでメンタルヘルステクノロジーズは、企業が直面する費用や人員不足といった課題に対応すべく、「産業医クラウド」を開発しました。「産業医クラウド」とは、従来産業医が行っていた産業医業務を整理し、産業医のみが実施できる業務と保健師等の産業医以外の専門家やスタッフ、及びクラウドサービスに置き換え可能な業務に切り分け、企業における産業医業務に係る事務負担とコストを引き下げつつ従業員の健康管理の質を高めるというサービスです。このサービスの中では、産業医にしかできない部分についてはAvenir、明照会労働衛生コンサルタント、及びみらい産業医と嘱託産業医サービス業務委託契約を結んだ産業医が役務提供を行い、それ以外の代替可能な部分は保健師・看護師、及びメンタルヘルステクノロジーズグループのスタッフが役務を提供しております。また、クラウドサービス「ELPIS」によって代替・充実できる業務もあり、これまで対応が難しかった従業員のメンタルヘルスケアを従来よりも低コストで実施できるようにしました。各サービスの主な内容は下記のとおりです。 ① 役務提供サービス役務提供サービスでは、従来産業医が行っていた業務を整理し、産業医のみが実施できる業務と保健師等の産業医以外の専門家により実施できる業務に切り分けました。それに加え、メンタルヘルステクノロジーズグループのスタッフによる事務手続代行サービス等を提供することにより、企業の産業医業務に係る事務負担の軽減を可能にしました。役務提供を行う産業医は、産業医の認定資格を保有している医師の中からメンタルヘルステクノロジーズグループ独自の基準で選定しております。また、事業会社へ紹介したのちも、適切な期間で再評価を行い、契約変更を行うなどの対応をとっております。さらに、産業医に対して定期的に情報共有を行い、レベルアップができるようサポートしております。 ② メンタルヘルスケアサービス「ELPIS」メンタルヘルスケアサービス「ELPIS」は、メンタルヘルステクノロジーズが開発したクラウドサービスです。Avenirが役務提供サービスと共に「産業医クラウド」の名称で顧客へ提供しております。主なサービス内容は以下のとおりです。a.カウンセリングサービスメールやオンラインを利用した、顧客企業従業員からの相談受付等のサービスを行っております。 b.マネジメントサービス顧客企業の人事担当者及び従業員向けに、ヘルスリテラシー向上を目的とした動画コンテンツの配信、WEBセミナー、eラーニングツールの提供等を行っております。 c.リスククラウドサービス労働安全衛生法に基づく労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査ツールや、定期健康診断のデータ管理サービス等を提供しております。 「産業医クラウド」においては、Avenir、明照会労働衛生コンサルタント、及びみらい産業医と嘱託産業医サービス業務委託契約を締結した顧客企業がAvenir、明照会労働衛生コンサルタント、及びみらい産業医へ月額顧問料等を支払う契約となっております。その中から、役務提供サービスに関してAvenir、明照会労働衛生コンサルタント、及びみらい産業医が医師・保健師(メンタルヘルステクノロジーズ社員ではない場合)等へ稼働状況に応じた業務委託料を支払います。「ELPIS」に関しては、顧客企業の規模(利用数)に応じた月額課金制となっております。 産業医クラウド以外のメンタルヘルスソリューション事業として、ヘルスケアDXでは、不動産や什器備品のサブリースに加え、人材不足が著しい医療機関の運営をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)という形で支援しております。支援内容は、人事、総務、経理、マーケティング等、診察以外の業務となっております。 (2) メディカルワークシフト事業メディカルワークシフト事業では、主に医療機関を対象とした人材サービスを行っております。当事業の売上高は当連結会計年度においてグループ全体の売上高の50.8%を占めており、メンタルヘルスソリューション事業と並んでメンタルヘルステクノロジーズグループにおける主要な事業であります。 医療現場は医師の長時間労働により支えられており、医療ニーズの変化や医療の高度化、少子化による労働力の減少により、医師に対する負荷は今後も更に増加すると予想されております。長時間労働による医師の健康問題は深刻化しており、それを解決するために、2024年4月医師の時間外労働上限規制が導入されました。しかしそれによって医療現場での人材不足が顕在化しつつあり、医療職が専門性の高い業務に集中できる環境の整備が求められております。医師、看護師、事務職の業務負担軽減のためのタスクシフトの受け皿として、医療の質の向上と効率化を企図した看護補助者への期待は高まっておりますが、医療機関では直接雇用を行っているものの人材供給が追いついていない状況です。こうした需給ギャップを埋めるため、外部人材サービスのニーズの拡大が見込まれます。タスクフォースは、こうしたニーズを背景に、大規模急性期病院向け看護補助者の人材サービスに強みを持っておりますが、これは医療機関の現場業務に対する理解を背景とした現場の生産性向上に資する改善提案や長期間安定的に定着している派遣スタッフの多さによるものです。 (3) その他事業その他事業のうち、メディカルキャリア支援事業は、子会社であるAvenirが職業安定法に基づいて行う有料職業紹介事業であり、主に医師を医療機関に紹介する採用支援サービスを行っております。当事業においては、常勤医師の場合は医師が医療機関へ入職した時点で医療機関からの紹介料が発生する契約となっており、非常勤医師の場合は入職時にその年の想定稼働時間に応じて紹介料を頂く場合と、実際に勤務した時点で紹介料が発生する場合の2パターンがあります。デジタルマーケティング事業は、メンタルヘルステクノロジーズが行っており、医学会向けサービス、Webマーケティング支援サービスを提供しております。 主なサービスの内容は下記のとおりです。① 医学会向けサービス・株式会社杏林舍と提携した医学会専門電子書籍「KaLib」及び日本医師会の「日医Lib」のシステム保守運用・医学会向けのアプリケーションの提供、サイト構築 ② インハウス及び一般企業向けWebマーケティング支援サービス・Webサイト制作受託業務・Webサイト保守代行サービス・デジタルマーケティング支援業務・Webサイトや運用型広告などのデジタルメディアを活用した、見込み顧客の獲得に関するサポート及びコンサルティングサービス 医学会向け及び一般企業向けの保守運用サービスに関しては、導入費用と月額利用料がメンタルヘルステクノロジーズの収益となっており、その他については作業内容に応じて個別に料金を決定しております。 [連結事業系統図]

有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】メンタルヘルステクノロジーズグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてメンタルヘルステクノロジーズグループが判断したものであります。 (1) 経営方針メンタルヘルステクノロジーズグループは「ウェルビーイングのスタンダードを創る」というビジョンを掲げております。メンタルヘルステクノロジーズグループが定義している「ウェルビーイング」とは、以下のとおりです。「毎日、楽しくて仕方がない」という気持ちで目が覚める。信頼できる職場で一日を過ごし、満ち足りた気持ちで家に帰る。やる気に満ち溢れ、自らだけではなくチームを奮い立たせ、そして、信じるビジョンを達成する。 多くの労働者は、限界まで働き、心や身体の健康を失って、初めて、「その重要性に気付く」ということが少なくないのではないかと考えます。メンタルヘルステクノロジーズグループはメンタルヘルスの問題の解決を通じて、働く人々が健康問題で不幸に陥らない「心身の健康問題を考えることが身近になる世界」を実現したいと考えております。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、このビジョンのもと、企業にとって最適なメンタルヘルスケア体制をクラウドサービスを活用しながら構築運用し、多くの職場における従業員のメンタルヘルス問題に取り組み、解決の方策を探し続けていきたいと考えております。 (2) 経営戦略及び市場戦略等① メンタルヘルスソリューション事業の成長戦略メンタルヘルステクノロジーズグループでは、中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業の成長のため、以下の戦略をとっております。ⅰ.売上高に占めるエンタープライズの比率向上メンタルヘルステクノロジーズグループでは、従業員1,000名以上かつ「産業医クラウド」の売上高月額20万円以上(見込を含む)の企業(グループ)を「エンタープライズ」と定義しております。エンタープライズは一件当たり売上金額が大きく、月次経常収益(MRR)の増加に大きく貢献するため、売上全体におけるエンタープライズの比率向上を目指しております。2025年12月末現在で、1,000人以上の従業員の顧客企業数はメンタルヘルステクノロジーズの総契約件数中9.8%の223グループであります。 ⅱ.エンタープライズの一顧客グループ当たり単価の向上エンタープライズは、従業員に比例して取引金額が大きいこと、ニーズが多種多様であること、グループ全体の労働安全衛生の対応等から、単価向上が見込みやすい顧客グループです。エンタープライズは、産業医業務の「形式運用」から職場のメンタルヘルスケア対応にかかる「課題解決型運用」への道を模索している先が多く、メンタルヘルステクノロジーズスタッフによるカウンセリングを実施することで、ニーズに則した産業医及び保健師による役務提供、企業の内実に合致した「ELPIS」サービスの追加が期待できるため、長期契約による売上単価の向上を見込んでおります。実際に、多少の増減はあるものの、エンタープライズ一顧客グループ当たりの単価は向上傾向にあり、平均単価向上を加速させていくことが、当事業の継続的な成長に重要と考えております。 ⅲ.「ELPIS」導入促進によるメンタルヘルスソリューション事業のセグメント利益の向上従来は産業医が役務提供を行っていた業務の一部を「ELPIS」で代替することにより、クラウドサービス比率を向上させることが重要であると考えております。当該マーケットは、単純に産業医による役務を提供するだけであれば価格競争に陥ってしまいます。新規契約時には産業医の役務提供からスタートしつつも、メンタルヘルスケアや健康管理に関するサービスである「ELPIS」を顧客に採用・継続利用してもらうことによって、セグメント利益を向上することが可能と考えております。 ⅳ.「産業医クラウド」契約に関するチャーンレート(解約率)の改善メンタルヘルステクノロジーズグループとしては、月次のチャーンレートに改善の余地があると考え、多種多様なサービスを顧客企業に提供すること、及びカスタマーサクセス機能の強化を実施することが、メンタルヘルステクノロジーズの継続的な成長に重要と考えております。 ② メンタルヘルステクノロジーズグループ内事業によるシナジー戦略メンタルヘルステクノロジーズグループが営む事業のうちメンタルヘルスソリューション事業とその他事業は、メンタルヘルステクノロジーズグループが提供するメンタルヘルス関連サービスにおいて密接に関連しております。その他事業のデジタルマーケティング事業において創業以来実施している医学会向けサービスによって蓄積された医師のデータベースとWebマーケティングのノウハウを活用することで、メンタルヘルステクノロジーズグループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業、並びにメディカルキャリア支援事業における成約確率の高い見込み顧客の開拓に結びつけるための戦略をとっております。また、その他事業のメディカルキャリア支援事業においては、売上向上を目指して地方の医療機関と接触を深めておりますが、それによって地方における産業医候補の医師情報を獲得し、地方の企業におけるメンタルヘルスソリューション事業の見込み顧客開拓につなげることを目指しております。上記戦略を実行することにより、見込み顧客開拓をグループ全体で実施することで、シナジーを発揮し、マーケティングコストの低減を図っていきます。 ③ メディカルワークシフト事業の成長戦略メンタルヘルステクノロジーズグループの2つ目の中核事業であるメディカルワークシフト事業においては、以下の成長戦略をとっております。ⅰ.医療機関の経営改善提案力強化タスクフォースは、医療機関の現場業務への理解を背景とした業務改善提案力と長期間安定的に定着する派遣スタッフを雇用していることにより、大規模急性期病院に高いシェアを持っております。この点をさらに強化するため、メンタルヘルステクノロジーズグループの医療機関経営に造詣の深いスタッフを利用することによる経営提案力の向上を図って参ります。また、今後は医療機関へDX化を含む業務改善の提案を推進することを通じて、医療機関向けのBPaaS(Business Process as a Service)を目指してまいります。 ⅱ.大規模急性期病院におけるシェア拡大タスクフォースは、上記の業務改善提案力・長期安定的派遣スタッフ保有等の優位性により、特に愛知県の大規模急性期病院における看護補助者派遣で高いシェアを持っております。これを関東・関西地域に拡大するため、メンタルヘルステクノロジーズグループのネットワークを活用し、大規模医療機関の新規開拓を推進してまいります。 ⅲ.派遣スタッフの量・質の強化メディカルワークシフト事業の成長は、優良な派遣スタッフを募集・教育することに大きく依拠しております。メンタルヘルステクノロジーズグループの持つマーケティングチームを活用した派遣人材募集の推進、スタッフの定着のための教育訓練等を強化してまいります。 (3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等メンタルヘルステクノロジーズグループは、メンタルヘルステクノロジーズグループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業に関し、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、月次経常収益(MRR)を重要な経営指標と位置付けております。また、MRRを構成する指標として、①エンタープライズ企業の契約社数及び全体の件数に占める比率、②企業規模別契約単価、③「産業医クラウド」契約に関するチャーンレート(解約率)、④売上継続率(NRR)も、同様に重要な経営指標であると捉えております。 (4) 経営環境厚生労働省より3年ごとに公表されている「患者調査(傷病分類編)」によると、精神疾患により医療機関を受診している患者数は、近年大幅に増加しており、2002年では258万人であったものが、2017年は419万人、2023年では605万人になっています。特に、気分(感情)障害(躁うつ病を含む)、神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害は、2002年137万人であったものが2017年は248万人、2023年には372万人と、大幅な増加がみられます。さらに、「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)」及び「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によれば、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業・退職した労働者の割合は全体では0.5%から0.8%へ増加、労働者1,000人以上の事業所においては0.8%から1.2%へと増加しております。2020年以降の新型コロナウイルス感染症蔓延によってテレワークが普及したことから、メンタルヘルス不調は増加傾向にあると推察されます。こうした状況変化に伴い、行政によるメンタルヘルス関連の規制が強化されてきています。産業医については、労働安全衛生法により、企業規模に応じた産業医の選任義務と選任人数等が定められておりますが、それに加え、2015年には労働安全衛生法が改正されてストレスチェック制度が義務化されました。また、2019年には働き方改革関連法が施行され、有給休暇取得の義務化や大企業における時間外労働時間の罰則付き上限規制が法制化されました。5年間猶予されていた医師、建設、運輸業については、2024年4月より時間外労働時間の上限規制の適用が予定されております。また、厚生労働省が2020年3月に改定した「テレワークガイドライン」でも、事業主・企業の労務担当者用の「テレワークを行う労働者の安全衛生を確保するためのチェックリスト」の中に、メンタルヘルス対策のチェック項目が入っております。企業は法令上の必要性から産業医を選任するといった「形式運用」から職場のメンタルヘルスケア対応にかかる「課題解決型運用」に移行している最中であり、従業員のメンタルヘルスケア対応を強化し、健康問題を解決していこうという流れが起き始めています。経済産業省が進めている健康経営優良法人の取得企業(注1)は毎年増加しており、企業による従業員への健康配慮の気運が高まっております。しかし、多くの企業で選任している産業医では、新型コロナウイルス感染症による環境変化等の最新の動向を踏まえたメンタルヘルスケアへの対応ができていない可能性があります。メンタルヘルステクノロジーズは、企業が従業員のメンタルヘルスケアを実現していくためには、高い専門性を持つ産業医、そして、厚生労働省が推奨する通称「4つのケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケア)」による体制整備を実現し、各種ハラスメント対策を含め、適正な運用を実現し続けることが重要と考えています。そのため、こうした企業からメンタルヘルステクノロジーズへの問い合わせの多くは、既存産業医の交代、保健師の登用、メンタルヘルス対応、健康管理室(注2)の立ち上げ等となっております。総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査 (企業等に関する集計 産業横断的集計) (2023年6月27日)」によれば、産業医選任義務の対象となる従業員50人以上の企業数は、日本国内に約10万社ありますが、上記の「形式運用」から「課題解決型運用」への変化により、メンタルヘルスソリューション事業の事業拡大の余地は大きいものと考えております。 医療現場は医師の長時間労働によって支えられており、医療機関におけるメンタルヘルスケアはさらに重要性が増加しております。2024年4月より、医師の働き方改革が実施されたものの、医療ニーズの変化や医療の高度化、少子化による労働力の減少により、医師に対する負荷は今後も更に増加すると予想されております。これを解消するため、医師・医療職の業務のうち有資格者以外で担当可能な業務を切り出し医療職以外の職員に分担させる、看護補助者へのタスクシフトに注目が集まっております。しかし、現状は医療機関の直接採用が中心ですが、なかなか募集しても集まらず、人数も減少している実態があります。(注3)このような状況から、外部の看護補助者人材サービスへのニーズ拡大が見込めるものと考えております。 (注1)健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つ。経済産業省では、健康経営に係る各種顕彰制度として、2014年度から「健康経営銘柄」の選定を行っており、2016年度には「健康経営優良法人認定制度」を創設している。(注2)健康管理室 : 社員の健康管理業務全般を担う機能(注3)公益社団法人 日本看護協会HP「看護補助者の確保・定着に向けて」より (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題メンタルヘルステクノロジーズグループでは、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として、下記の4点があると考えております。 ① 収益基盤の強化メンタルヘルステクノロジーズグループは、これまでも各事業において、収益基盤を構築してまいりましたが、今後の中長期的な成長を実現するために、さらなる収益基盤の強化が重要な課題であると認識しております。この課題に対応するために、まずメンタルヘルスに関する認知活動の強化が重要であると考え、メディアやセミナーを通じたメンタルヘルスに関する広報活動を強化するため、2024年1月にデジタルマーケティング事業部をビジネス・インキュベーション部へ改組し、グループ内のマーケティング支援活動及び新規事業開発を行うことといたしました。加えて、メンタルヘルステクノロジーズの事業と親和性の高い企業との業務提携や企業の買収などを通じ、業容拡大を目指しております。また、メンタルヘルスソリューション事業においては、多くの職場でのメンタルヘルスケア、健康経営に貢献できるようなサービスコンテンツの開発や、産業医の登録数の増加と産業医業務の質的向上、カスタマーサクセスチームによるカスタマーサポート体制の一層の強化が必要であると考えております。メディカルキャリア支援事業においては、求職医師の登録数の増加、求人医療機関数の増加等を実現するための方策の検討、「株式会社ヘルスケアDX」のクリニック運営支援を通じた医療機関ネットワークの構築などを進めてまいります。2024年3月に開始したメディカルワークシフト事業においては、対医療機関の戦略的営業力向上と医療機関向け人材確保に向けた採用マーケティング力強化を通じて、売上高の成長・営業利益率の向上を図ってまいります。 ② サービスの健全性の維持及び向上メンタルヘルステクノロジーズグループの事業において、インターネットを通じたビジネスとなっているものに関しては、システムを安定的に稼働させることが重要な課題であると認識しております。今後においても、セキュリティの向上等に適時に対応し、技術革新等の事業環境の変化にも柔軟に対応できるシステム開発体制を構築することで、システムの安定稼動や高度なセキュリティが担保されたサービス運営に努めてまいります。 ③ 組織力、内部管理体制の強化ⅰ.優秀な人材の確保及び育成メンタルヘルステクノロジーズグループでは、産業保健、メンタルヘルス、医療関連の専門的知識を有した優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。事業規模に応じた効率的な運営を意識し、高度な知識・経験のある人材の確保に積極的に取り組んでまいります。また、人材育成のために各種研修等の教育・研修制度も充実させてまいります。 ⅱ.内部管理体制の強化メンタルヘルステクノロジーズグループが継続的に成長し続けるためには、内部管理体制の強化が必要不可欠な課題であると認識しております。今後においても、内部統制システムの運用を徹底し、事業運営上のリスクの把握と管理を適切に行える体制構築に努めてまいります。 ⅲ.情報管理体制の強化メンタルヘルステクノロジーズグループでは、個人情報等の機密情報につきまして、ネットワークの管理、「個人情報保護規程」の制定及び遵守、全従業員を対象とした社内研修の徹底、内部監査によるチェック等により、情報管理体制を構築しております。今後においても、コンプライアンスを重視し、情報管理体制の強化に努めてまいります。 ④ 財務上の課題メンタルヘルステクノロジーズグループの中核事業であるメンタルヘルスソリューション事業においては、現状を未だ投資フェーズと捉えており、事業の親和性の高い企業の買収や、サービス開発・広告宣伝等に注力しております。そのため、事業拡大のための成長資金の調達も視野に入れ、資金調達の多様化を含む財務体質の強化を図ってまいります。

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がメンタルヘルステクノロジーズグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてメンタルヘルステクノロジーズグループが判断したものであります。 (1) 事業環境に関するリスク① インターネット関連市場の動向について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルステクノロジーズグループは、メンタルヘルスソリューション事業及びメディカルワークシフト事業の2大事業を中心に、見込み顧客の獲得やサービスの提供等に関し、インターネットを利用した事業展開を行っております。メンタルヘルステクノロジーズグループ事業の継続的な発展のためには、さらなるインターネット環境の整備、インターネットの利用拡大が不可欠と考えております。特に、メンタルヘルスソリューション事業におけるオンラインでの相談体制の構築や、メディカルワークシフト事業における医療人材と医療機関のマッチングシステムの最適化など、インターネットを通じた利便性の向上は極めて重要です。しかしながら、例えば、個人情報に関するより厳しい規制が生じるなど、インターネットの利用等に関する新たな法的規制の導入やその他予期せぬ要因等により、今後、インターネット利用の順調な発展が阻害された場合には、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 検索エンジンへの対応について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルステクノロジーズグループが展開する事業では、主に特定の検索エンジン(「Google」、「Yahoo! JAPAN」等)から見込み顧客を集客しております。そのため、メンタルヘルステクノロジーズグループでは、SEO(検索エンジンの最適化)等の必要な施策を講じて集客力を強化しております。しかしながら、検索エンジンにおける表示結果(順位)は、その運営者のロジックや判断によるものであり、メンタルヘルステクノロジーズグループが関与する余地はありません。そのため、検索エンジン運営者の方針やロジック変更等により、これまでのSEOが有効に機能しなくなった場合、集客効果が低下し、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ システムの安全性について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループが行う事業において、インターネットや各種業務系システムを利用しております。それらの安定稼働が業務の遂行上、必要不可欠であります。そのため、ネットワーク、システムの監視、日常的な保守管理等により、システム障害を未然に防ぎ、万一発生してしまった場合でも迅速に適切な対応を行える体制を構築しております。しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウエアの不具合、巧妙化・複雑化したサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入、自然災害や大規模な事故、その他予期せぬ要因等により、メンタルヘルステクノロジーズグループのシステム障害や情報漏洩が発生した場合、相当な費用負担や社会的信用の低下により、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 技術革新について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)インターネット関連市場では、技術革新が活発に行われており、その速度は早く、新しいサービスが次々と生まれております。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、インターネットを活用したサービスの展開を行っており、常に業界の動向を注視し、適時に事業戦略を見直し、必要に応じて迅速に技術革新に対応するため、既存サービスに新たな技術を展開できる開発体制を構築してまいります。しかしながら、技術革新の内容によっては、対応するための相当な開発費用が発生する可能性があり、また、適切な対応ができない場合はメンタルヘルステクノロジーズサービスの競争力が相対的に低下する可能性があります。そのような場合、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 大規模な自然災害・感染症等について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルステクノロジーズでは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、大地震、台風等の自然災害や事故、火災等、また新型コロナウイルス感染症等の感染症の流行が、想定を大きく上回る規模で発生し、事業・サービスの停止、設備の損壊や電力供給の制限等、不測の事態が発生した場合には、メンタルヘルステクノロジーズグループによる事業・サービスの提供に支障が生じる可能性があり、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、新型コロナウイルス感染症の影響は、メンタルヘルステクノロジーズグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があり、引き続き注視し必要な開示を行ってまいります。 ⑥ 競合について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)当連結会計年度末現在において、メンタルヘルステクノロジーズグループが展開する3つの事業において、競争環境は厳しい状況にあると認識しております。メンタルヘルステクノロジーズグループは、今後とも顧客ニーズへの対応を図り、サービスの充実、向上を進めていく方針ではありますが、これらの取り組みが予測どおりの成果を上げられない場合や、より魅力的・画期的なサービスやより競争力のある条件でサービスを提供する競合他社の出現や、高い資本力や知名度を有する企業等の参入などにより、競争が激化した場合、ユーザーの流出や集客コストの増加等が想定されます。そのような場合には、メンタルヘルステクノロジーズグループが優位性を確保し、企業価値の維持向上が図れるか否かは不確実であるため、競合の状況により、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 業界の成長性について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルスソリューション事業は、顧客企業及び産業医との準委任契約に基づき、産業医業務の受託・提供を行うものであります。職場におけるメンタルヘルス問題の複雑化や働き方改革の進展を背景に、産業医・保健師等が果たす役割の重要性はますます高まっております。一方、メディカルワークシフト事業は、医療機関等の経営を支えるパートナーとして、看護補助スタッフの派遣や医療事務業務の受託等を行っております。現在、医療制度改革や深刻な人手不足を背景に、医療機関における医療事務関連のアウトソーシング及び業務のIT化の流れが急速に進行しております。メンタルヘルステクノロジーズグループは、各分野の専門人材と連携し、これら2つの事業を成長の両輪として拡大していく所存でありますが、景気動向や社会の変化により、企業の健康管理投資が抑制された場合、市場の成長が鈍化する可能性があります。また、メディカルワークシフト事業の主たる顧客である医療機関の経営状況は、2年に1度実施される診療報酬の改定や、医療制度改革の内容により直接的な影響を受けることがあり、これらは受託機会や受託内容に変化を及ぼす要因となります。これらの法規制、制度改正などの事業環境の変化が顕在化し、市場の成長が鈍化したり、メンタルヘルステクノロジーズグループの売上が予想どおりに拡大しない場合には、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業体制に関するリスク① 事業拡大に伴うシステム及びサービス開発について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループは、サービスの安定稼働やユーザー満足度向上を図るため、システムやサービスの保守、開発、コンテンツ及び機能の拡充を継続的に行っていくことが必要であると認識しており、新サービスの導入、セキュリティ向上に備えて継続的な開発を計画しております。効果を十分に検証しつつ、計画的に開発を進めるべく、体制を一層、強化してまいります。しかしながら、システムやサービス開発計画の前倒しや事業拡大により予定外の開発費用が生じる可能性、また、適切な対応ができない場合はサービスの稼働やユーザー満足度が低下する可能性があります。また、それらのシステムやサービス開発が想定どおりに進捗しない、期待する成果が得られない、さらには法的もしくは事業上の新たなリスク要因が発生する可能性があります。そのような場合には、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定事業への依存について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループにおいて、メンタルヘルスソリューション事業及びメディカルワークシフト事業はメンタルヘルステクノロジーズグループの2大事業であり、今後の成長に大きく寄与するものと考えております。メンタルヘルステクノロジーズグループの人的、資本的経営資源をこれら2つの事業に集中投下しており、当該各事業の推進に支障がないような体制を継続的に維持していく所存であります。しかしながら、各事業における競争激化や事業環境の変化等により、いずれかの事業が縮小し、その対応が適切でない場合、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 子会社・株式会社Avenirのメディカルキャリア支援事業及び子会社株式会社タスクフォースのメディカルワークシフト事業における免許について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループが行う各事業は、関連諸法令に基づき行政当局より許認可等を受けて運営しております。メンタルヘルステクノロジーズ子会社である株式会社Avenirにおいて行うメディカルキャリア支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っており、主に医師を医療機関に紹介する事業を行っております。また、メディカルワークシフト事業においては、スタッフ派遣が主な形態となっておりますが、顧客(医療機関)の需要にきめ細かく対応するため、一部の業務において業務請負を行っております。株式会社タスクフォースは、「労働者派遣法」に基づく労働者派遣事業許可を受けて運営しておりますが、派遣可能な業務・期間等は同法及び関連諸法令の規制を受けております。「職業安定法」及び「労働者派遣法」においては、事業主としての欠格事由に該当したり、法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、又は期間を定めて事業の全部もしくは一部の停止を命じられることがあります。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、メンタルヘルステクノロジーズグループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消し又は事業停止を命じられるようなことがあれば、当該事業を行えなくなることがあり、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、今後の「労働者派遣法」をはじめとする関係諸法令の改正又は解釈の明文化等が行われた場合についても、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 継続的な投資について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループは、継続的な成長のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのリード(見込み顧客)を獲得し、また既存の顧客を維持していくことが必要であると考え、積極的に広告宣伝費等にコストを投下してきており、今後も継続して広告宣伝等を行っていく方針であります。費用対効果を検証しつつ、有効な広告宣伝の方法を継続的に模索しながら対応してまいります。しかしながら、広告宣伝等が十分な成果が得られない場合やコストの上昇等が生じた場合、投資が計画どおりの収益に結びつかない場合等には、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 社内体制に関するリスク① 内部管理体制の強化について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制の一層の充実を図ることが必要であると認識しております。業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムを構築、整備、運用するため、コーポレート本部の人員増強・教育、外部の専門家の活用等により内部管理体制を一層、強化してまいります。しかしながら、事業の急速な拡大等により、それに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じたり、また内部統制システムに重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、将来にわたっても常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はありません。その場合には、適切な事業運営が困難となり、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定の人物への依存について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズ創業より代表取締役社長を務めております刀禰真之介は、メンタルヘルステクノロジーズグループの2大中核事業の1つであるメンタルヘルスソリューション事業において、当事業に深い関連を持つメンタルヘルス業界に豊富な知識と事業経験、並びに多数の人的関係を有しており、メンタルヘルステクノロジーズグループの経営において極めて重要な役割を果たしております。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、役員、幹部社員の情報共有や権限の委譲を徐々に進め、経営組織の強化を図り、過度の依存を避けた体制の構築を図ってまいりますが、何らかの理由で同氏がメンタルヘルステクノロジーズグループの経営に参画できなくなった場合には、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人材の採用や育成について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルスソリューション事業においては、受託業務の拡大に伴い、企業の健康管理を担う良質な産業医及び産業保健師等の専門職の確保が重要となります。また、メディカルワークシフト事業においては、取引先医療機関からの様々なニーズに対応可能な専門性の高い看護補助スタッフ及び医療事務スタッフを、受託する業務量の増減に応じて確保・育成していく必要があります。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、これら専門人材の採用と育成に積極的に取り組んでいるほか、コミュニケーションや処遇改善等の施策に総合的に取り組むことで、定着率の向上や事業の展開に資する人材の安定確保に努めております。しかしながら、労働需給の逼迫や採用競争の激化等により、上記の施策にもかかわらず、人材確保が計画どおりに遂行できなかった場合、サービス提供体制の維持が困難となり、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ④ 社会保障制度の改正について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルステクノロジーズグループは、メディカルワークシフト事業を担う株式会社タスクフォースにおいて約1,400名(2025年12月時点)の社員及びスタッフを雇用しているほか、メンタルヘルスソリューション事業においても多数の専門人材を雇用しており、常勤社員及び一部非常勤社員については健康保険や厚生年金、雇用保険等の公的保険を適用しております。昨今の少子高齢化等の人口動態を背景に、公的保険の保険料率の上昇や適用範囲の拡大が継続的に行われております。今後、さらなる制度改正により事業主負担が増加した場合、特に雇用人数の多いメディカルワークシフト事業を中心に、メンタルヘルステクノロジーズグループのコスト増に直結する可能性があります。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、これらのコスト増への対応として、業務の一層の効率化に努めるとともに、適正な価格での受注を推進しております。しかしながら、上記の施策が想定どおりに進行せず、コスト増の影響を充分に吸収できない場合には、収益の圧迫要因となり、メンタルヘルステクノロジーズグループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (4) 法的な問題に関するリスク① 新たな法令制定・改正について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループは、「会社法」「労働基準法」等、株式会社が一般的に幅広く遵守しなくてはならない法的規制のほか、事業を展開する上での固有の法的規制を受けております。メンタルヘルステクノロジーズの行う事業は「職業安定法」「労働安全衛生法」「不当景品類及び不当表示防止法」「個人情報の保護に関する法律」「下請代金支払遅延等防止法」等、多数の法令や、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告知)」等、各法令の監督官庁が定める省令・指針・ガイドライン等により規制を受けています。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、各事業部やコーポレート本部において、法令変更有無及び変更内容、法令違反などを確認しております。各種法令に関する情報、関係各省庁のホームページを確認し、最新の情報を随時アップデートすることで、法令変更がある場合の法令違反を未然に防止し、また、変化に対して迅速な対応をとれるように努めております。このような法令の制定や改正、監督官庁による行政処分、新たな規制の策定又は改定等により、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、メンタルヘルステクノロジーズの業績及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。その場合、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 個人情報の管理について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループは、事業を行う上で、顧客企業、医師、医療機関等の住所、氏名、電話番号等の個人を特定できる情報を取得しており、メンタルヘルステクノロジーズグループには「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、同法及び関連法令等を遵守し、それらの個人情報や取引データの取り扱いに細心の注意を払い、流出防止の体制を維持することを事業運営上の重要事項と認識しております。そのため、メンタルヘルステクノロジーズグループでは、ネットワークの管理、個人情報保護方針及び個人情報保護規程の制定及び遵守、社内研修の徹底、内部監査によるチェック等により、個人情報保護に積極的に取り組んでおります。また、メンタルヘルステクノロジーズグループは、個人情報の保護及び管理の観点からPマークを取得しております。しかしながら、外部からの不正アクセスや、メンタルヘルステクノロジーズグループの関係者や業務提携先等の故意又は過失による漏洩、改ざん、不正使用等の不測の事態により、個人情報が外部に流出した場合には、法令抵触への適切な対応を行うための費用の発生や、メンタルヘルステクノロジーズグループに対する損害賠償の請求、メンタルヘルステクノロジーズグループの社会的信用の低下等により、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 知的財産権について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルステクノロジーズグループは、メンタルヘルステクノロジーズグループが行う事業に関する知的財産権の獲得に努めることに加え、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払うことを基本方針としておりますが、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業分野において、現在、申請すべき知的財産権及び侵害が危惧されるような知的財産権の認識はありません。しかしながら、既にメンタルヘルステクノロジーズグループの認識していない知的財産権が成立している可能性、又は今後新たに第三者により著作権等が成立する可能性があります。このような場合においては、メンタルヘルステクノロジーズグループが第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償や差止の請求、又はメンタルヘルステクノロジーズグループに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、メンタルヘルステクノロジーズグループの知的財産権が第三者からの侵害を把握しきれない、もしくは適切な対応がなされない場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ④ 訴訟に関するリスクについて(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)当連結会計年度末現在において、メンタルヘルステクノロジーズグループが当事者として関与している事業上の問題に関する重要な訴訟はありません。しかしながら、メンタルヘルステクノロジーズグループの今後の事業展開において、違法行為、トラブル、第三者への権利侵害があった場合等には、メンタルヘルステクノロジーズグループに対して、損害賠償請求等の訴訟その他の法的手続きが行われる可能性があります。その訴訟等の内容や、損害賠償の金額によっては、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このような訴訟等が発生しないように、コンプライアンス重視、リスク回避の対策、社員教育を徹底していく方針であります。 (5) その他に関するリスク① 風評被害について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルステクノロジーズグループが行う事業にかかるトラブル、クレーム等、ソーシャルメディアの普及に伴い、インターネット上の書き込みや、悪意のある口コミ投稿、並びにそれらを起因とするマスコミ報道などによる風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、メンタルヘルステクノロジーズグループのブランドイメージ及び社会的信用に影響が生じ、メンタルヘルステクノロジーズグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。このような風評被害等が発生しないように、コンプライアンス重視、クレーム対応、社員教育を徹底していく方針であります。 ② 配当政策について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルステクノロジーズは、株主に対する利益還元を経営の重要課題と認識しております。安定的な収益基盤の確立と通期業績の見通しに基づき、2025年12月期において1株当たり10円の初配当を実施する方針を決定いたしました。今後は、株主優待制度と配当による直接還元を組み合わせることで、個人株主層のさらなる拡大と機関投資家への還元を推進していく方針であります。 しかしながら、メンタルヘルステクノロジーズグループは依然として成長過程にあり、事業拡大のための投資資金需要も大きい状況にあります。今後の配当の実施及びその配当額については、各連結会計年度の経営成績、財務状況、投資計画などを総合的に勘案して決定してまいりますが、将来の業績推移や急激な事業環境の変化によって、想定どおりの配当を実施することができない可能性があります。 ③ 新株予約権行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:大、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)メンタルヘルステクノロジーズグループは、取締役、従業員等に対し、インセンティブを目的とした新株予約権(以下「ストック・オプション」という)を付与しております。これらのストック・オプションに加え、今後、付与されるストック・オプションの行使が行われた場合には、メンタルヘルステクノロジーズ株式が新たに発行又は交付されることにより、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があるとともに、かかる株式が大量に市場で売却されることとなった場合には、適切な株価形成に影響を与える可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在(2026年2月末)における、これらのストック・オプションによる潜在株式数は1,087,200株であり、潜在株式数を含めた発行済株式総数11,534,500株の9.4%に相当しております。 ④ 資金調達について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループは、M&A等の実施にあたり、自己資本だけでなく金融機関からの借入金を有効活用しております。2025年12月期末時点において、長期借入金残高は2,618百万円(1年以内返済予定の長期借入金508百万円を含む)となっております。メンタルヘルステクノロジーズグループでは、今後も事業運営及び成長に必要な資金について、負債による調達を含めた柔軟な対応を検討しておりますが、金融市場の不安定化やメンタルヘルステクノロジーズグループの業績・財務体質等の変化を要因として、計画どおりの資金調達が実行できない可能性があります。また、市場金利が大幅に上昇した場合には、支払利息の増加によりメンタルヘルステクノロジーズグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ M&Aについて(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:大)メンタルヘルステクノロジーズグループは、持続的な成長を実現するための重要な経営戦略として、今後も機動的にM&Aや事業譲受を検討・実施していく方針を掲げております。これまでのタスクフォースの株式取得や、明照会労働衛生コンサルタント事務所、みらい産業医事務所の株式取得においても、対象となる事業の状況及び財務、税務、法務等について詳細なデューデリジェンスを実施してまいりました。意思決定のために必要かつ十分と考えられる情報収集及び検討を重ねることで、可能な限りのリスク回避に努めております。しかしながら、今後の案件も含め、M&Aの実行後において、メンタルヘルステクノロジーズグループが事前に認識し得なかった問題が明らかになった場合や、市場環境の変化等の事由により事業展開が計画どおりに進まない場合、対象企業の株式価値や譲受資産の減損処理を行う必要が生じる可能性があります。これらが顕在化した場合には、メンタルヘルステクノロジーズグループの業績及び財務状況に重大な影響を与える可能性があります。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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