GRCS(9250)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 GRCSグループの事業は、GRCSと子会社1社で構成されています。GRCSグループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、GRCソリューション事業の単一セグメントでありますが、サービス内容により、ソリューション部門及びプロダクト部門に区分しております。 GRCSグループは、GRC及びセキュリティの視点に着目し、日本企業の成長や外部環境の変化に伴い増加する脅威や企業課題を解決する事業を展開しております。テクノロジーを活用して情報管理が属人的かつ複雑な業務の効率化を図り、迅速な経営判断や企業成長の最大効率化を支援しております。事業の特徴としては、GRC及びセキュリティの各領域に精通したコンサルタントやエンジニアといった専門人材によるソリューションを提供することで、専門性の高いノウハウを活かした課題解決策を提案し、サービスの品質向上に努めております。また、自社開発プロダクトと他社プロダクトの活用により、膨大な情報を集約することで、全社横断的な把握・管理や効率的な対応を可能にしております。事業部門サービス名内容ソリューション部門GRCソリューション自社開発プロダクトを含めたGRC関連ツールの設計や構築等の導入支援を行い、全社的リスク、外部委託先、プライバシー保護、セキュリティインシデント等に係る情報管理の効率化を図り、全社横断的な情報の把握・管理を可能にしております。セキュリティソリューション多様化するサイバー攻撃、情報漏洩やセキュリティ事故等のリスクから企業を守るため、ITセキュリティの設計、規程・ポリシーの構築、分析・管理・監査・診断等の各種コンサルティングを行っております。また、セキュリティプロダクトの設計・構築等の導入支援やISMS認証(※1)等の規格認証の取得支援を併せて行っております。フィナンシャルテクノロジー金融業界のフロント領域のサービスとして、金融テクノロジーに関するシステム分析、コンサルティング、デザイン、開発、実装等をフルレンジで提供しております。また、バイリンガルのスタッフによる、24時間365日のシステムサポートサービスを行っております。プロダクト部門GRCプロダクトGRCに関わる「運用」課題の解決、個人情報の管理やセキュリティ事故の防止等、GRC及びセキュリティに特化した自社開発プロダクト又は他社プロダクトを提供しております。 [主要なプロダクト] [取引事例] これら事例のようにプロダクトに関しては、導入支援として一時点で計上される売上高とサブスクリプション契約等により継続的に計上される売上高があります。導入支援は課題解決策の一部であり、専門人材のノウハウを必要とすることからソリューション部門の売上高として認識しております。また、サブスクリプション契約等は、プロダクトの利用料やライセンス料であることからプロダクト部門の売上高として認識しております。 用語解説(※1)「ISMS認証」は財団法人日本情報処理開発協会が定めた評価制度で、指定の審査機関が企業の情報セキュリティマネジメントシステムを審査し、国際標準と同等の「ISMS認証基準」に準拠していれば、認証を与えるというもの(※2)「ISO31000」は2009年にリスクマネジメントの国際規格として第1版が発行。そして、2018年にその第2版、すなわち改訂版が発行されている(※3)「ERM」はEnterprise Risk Managementの略称。組織全体を対象にリスクを認識・評価、残余リスクの最小化を図り、重要リスクに優先的に対応、継続的にリスク管理体制を強化していく仕組み(※4)「CSIRT」はComputer Security Incident Response Teamの略称。コンピュータやネットワーク(特にインターネット)上で何らかの問題(主にセキュリティ上の問題)が起きていないか監視すると共に、万が一問題が発生した場合に、その原因解析や影響範囲の調査を行う組織の総称 GRCSグループの事業系統図は以下のとおりであります。[事業系統図]
有価証券報告書(2025年11月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 GRCSグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてGRCSグループが判断したものであります。(1)経営方針 GRCSグループの経営方針は以下のとおりであります。(2)経営環境及び経営戦略等 GRCSグループは、「世の中を、テクノロジーでシンプルに。」をビジョンに掲げ、企業の成長とともに複雑化していく外部環境リスクへの守備体制の構築が不十分である日本企業に対して、テクノロジーを活用した情報管理の効率化等によりリスクの低減と企業成長の最大効率化を支援しております。 近年、様々な社会情勢の変化により企業を取り巻く外部環境が多様化し、規制強化等が行われてきました。ビジネスのグローバル化に伴う海外の法規制の適用拡大、巧妙で執拗なサイバー攻撃の頻発、生成AIの急速な普及、個人情報の規制強化、従来型のガバナンス体制の見直し等が挙げられます。 外部環境の変化により、企業は重要なシステムの停止、多額のリカバリー費用、信用失墜や取引減少等の経営に直結するリスクに晒されております。変化が起きる度に企業は対応を迫られるものの、欧米と比較して日本国内においては、ガバナンスの強化やセキュリティ対策の整備等、GRC及びセキュリティ領域への対応が遅れております。潜在的なリスクへの対応の遅れが不祥事の発生等に繋がり、昨今では情報がSNSの普及等により個人でも簡単に発信・拡散できるようになり、過去と比較して同様の不祥事であっても事業活動に与える影響が大きくなっていると考えております。GRCSグループはこの課題に対して専門性の高いサービス提供を行いながら、その必要性を啓蒙し、GRC及びセキュリティに対する意識向上を図ってまいります。 GRCSグループのビジネスモデルはGRC及びセキュリティ領域の様々な課題に対して、分析、解決、維持をワン・ストップで支援し、継続的なPDCAサイクルによりプロジェクトを積み増すフローとなっております。課題解決後に改善状態を維持することが重要であるため、モニタリング(運用支援)取引は継続性が高く売上高のストック部分となっております。 GRC及びセキュリティの領域における課題の可視化から解決までのプロセスは、企業活動の中で定期的に、かつ繰り返し行われることが望ましいことから、顧客との取引関係は長期間に及んでおり、そうした長期の取引関係の中で企業を守る伴走者となれるよう努めております。このプロセスを繰り返し行うことで、顧客の新たなニーズを捉え、解決策を提案しており、既存顧客の受注取引は増加しプロジェクトが継続する傾向にあります。その結果、成長性と安定性を実現する収益構造となっており、直近の売上構成は下記のとおりであります。 (単位:千円) 2023年11月期2024年11月期2025年11月期売上高構成比売上高構成比売上高構成比既存顧客2,529,95590.9%2,932,79389.2%3,140,34394.2%新規顧客253,9539.1%356,03210.8%193,3365.8%合計2,783,909100.0%3,288,826100.0%3,333,680100.0%(注)既存顧客は過年度より取引関係を有している企業とし、新規顧客との取引は翌期以降の既存顧客に含めております。 経営戦略としては、ソリューションとプロダクトの連携を強化・促進することで、顧客1社あたりの収益を拡大させてまいりました。顧客収益を下記のとおり年間取引金額別のフェーズに区分することで管理しております。 戦略①:年間売上高の拡大 フェーズB(取引金額3,000万円超5,000万円以下)以上に該当する顧客の増加に注力いたしました。当連結会計年度の実績は、フェーズB以上に該当する顧客は21社、その売上高合計は2,393,372千円であり、顧客数については前年度と同数となりました。戦略②:顧客層の開拓 将来的にフェーズB以上へ繋がるフェーズA以下の顧客層の開拓に注力いたしましたが、専門人材の不足等が影響しフェーズA以下の顧客数は前期比で2社増加に留まりました。 以上の実績から経営戦略のアップデートが必要と判断し、2026年11月期より経営戦略を転換いたします。これまでソリューションとプロダクトの連携を強化・促進することで、顧客1社あたりの収益を拡大させていく方針でしたが、2030年に向けて、自社プロダクトへのAIの実装による標準化サービスの開発に注力し、取引社数の拡大に重点を置く戦略に変更いたします。 2023年に向けた戦略戦略①:専門的知見の蓄積 GRCSはこれまで、高い専門性を持つ人材によるソリューション提供と、GRCセキュリティ領域に特化したプロダクトの提供により、15年以上にわたり国内有数のGRC専業企業としての実績がございます。特にレギュレーションが厳しく高水準のリスク管理体制が求められる大企業向けにサービスを提供してきたことで、専門性の高い知見を蓄積してまいりました。今後もサービス提供を通じ、GRCセキュリティ領域における企業課題の解決につながるデータやノウハウがさらに蓄積されてまいります。 戦略②:AI実装による標準化 企業が守るべき資産やリスク管理をすべき範囲は年々広がり複雑さを増していることから、本質的なリスク対策を進めるために運用の高度化や情報の一元管理、可視化に対する需要はますます高まっています。GRCSが蓄積してきた知見とAI技術を掛け合わせることで、当該領域の複雑な課題を解決するための標準モデルを確立し、サービス導入のハードルを下げてまいります。これにより、従来大企業向けに提供してきた年間取引額3,000万円規模のモデルを、年間取引額1,000万円程度にパッケージ化し、より広いターゲットに向け展開してまいります。 戦略③:取引社数拡大 これまで1社あたりの年間取引の拡大を重要戦略として位置づけてまいりましたが、今後は取引社数の拡大へ転換いたします。その手法としては、既存顧客である大手企業を起点とし、そのグループ会社等の関係各社へGRCSサービスを展開いたします。さらに当該取引先とのアライアンスを強化し、取引先の顧客基盤へ共同でGRCSサービスを展開してまいります。GRCセキュリティ領域の課題をアライアンス先と共に解決していくことで、GRCSの販路拡大と同時にアライアンス先の顧客付加価値向上を両立してまいります。 戦略④:ストック収益積み上げ 需要が急増するGRCセキュリティ領域の課題に対し、新たなソリューションやプロダクトを提供してまいります。ビジネスを取り巻く環境の急激な変化に対応するソリューション及びプロダクト開発に継続して取り組みつつ、当該領域でのプロダクトを提供するパートナー企業を開拓することで提供可能なラインナップを拡充してまいります。 GRCセキュリティ領域の様々な課題に対して、分析、解決、維持をワン・ストップで支援し継続的なPDCAサイクルによりプロジェクトを積み増すビジネスモデルは今後も維持し、専門人材による支援としてのソリューション提供だけでなく、AIを活用したプロダクトでの支援サービスも拡充することで、継続的な取引としての売上高のストック部分を積み増してまいります。 GRCSグループの事業環境としては、今後も企業を取り巻く外部環境の変化が続き、顧客が対応を迫られるリスクも日々刻々と変化していくことが想定されます。そのため、GRC及びセキュリティの領域に特化した専門企業としての知見を活かし、顧客の需要が見込まれる新たなソリューションやプロダクトの提供を継続して行ってまいります。当該領域において先進的な海外企業が有する知識を吸収・活用し、また、日本国内において顧客が抱える課題に合致するよう自社でサービスを開発するなど、顧客に対して提供するノウハウの拡充に取り組んでまいります。 当面は、ガバナンス体制の強化やリスク管理等に潜在的な需要があり、対策への投資可能額が多額であると想定される上場企業及びその関連会社をメインターゲットとし、取引拡大に努めてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「(2)経営環境及び経営戦略等」に記載いたしました取引社数に加え、売上高、売上総利益及び売上高総利益率を重要な指標と考えております。また、2025年11月期においては、組織を変革しソリューション事業、プラットフォーム事業、フィナンシャルテクノロジー事業の3事業体制へと移行いたしましたが、2026年11月期からは、GRCSがコア領域とするGRCセキュリティ事業と、成長を担うフィナンシャルテクノロジー事業の2事業体制といたします。共通の戦略として既存顧客から継続的に収益を上げるリカーリングモデルの強化に取組むことで、安定した収益基盤を整えてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① セキュリティソリューション事業の人材確保と提供体制の拡充 旺盛な需要に対し、専門人材の不足が機会損失に直結している状況を打破するため、採用活動の加速と教育体系の再整備を強化します。自社リソースに加え、外部パートナーとの連携深化により提供体制を拡充するとともに、生成AIやランサムウェア対策等の新サービス展開を通じて、リカーリングモデルの強化と収益の安定化を図ります。 ② AI実装によるプロダクト競争力の強化とモデル転換 2030年に向けた成長戦略として、既存の専門人材によるソリューションビジネスは収益基盤として安定的に継続しつつ、自社プロダクトによる高収益なビジネスモデルへ成長の軸を転換します。具体的には、外部パートナーとの戦略的提携を通じて高度なAI技術を取り入れ、GRCSが蓄積した専門知見をAI実装プロダクトとして標準化させることで、製品競争力の圧倒的向上と市場シェアの拡大を図ります。 ③ フィナンシャルテクノロジー事業の収益基盤確立 開発が完了した株式トータルソリューションの販売を本格化させるとともに、安定収益が見込めるオペレーションサービスの拡充に注力します。また、アジア圏を中心とした海外市場への展開を本格化させ、海外顧客案件の獲得と現地パートナーとの連携を推進することで、同事業を新たな収益の柱として早期に確立させます。 ④ 人材の確保・育成とエンゲージメントの向上 事業領域の拡大に不可欠な「質の高い人材」の確保を最重要課題と捉えています。積極的な採用に加え、社内の教育基盤や人事評価制度を再整備し、研修や現場を通じたスキルアップを支援します。優秀な人材が定着し、自律的に挑戦し続ける仕組み作りを進めることで、組織の実行力を高めてまいります。 ⑤ プロジェクトマネジメント能力及び品質管理体制の強化 多様化するリスクに対し高品質なサービスを安定提供するため、組織全体でのプロジェクトマネジメント能力の強化を推進します。計画から導入に至る全フェーズにおいてマネジメント技法の標準化を加速させるとともに、プロジェクトレビューの厳格化による「予防的ガバナンス」を徹底いたします。これにより、不採算案件の発生を未然に防ぎ、常に一定水準以上の品質を維持・管理できる体制を構築することで、顧客からの更なる信頼獲得と収益性の向上に努めてまいります。 ⑥ 内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化 今後の更なる事業拡大に向けて、会社規模に応じた適切な内部管理体制の整備を進めるとともに、運用面の徹底を推進し、実効性のある、効率的かつ信頼性の高い組織基盤を構築・運用してまいります。また、社外のステークホルダーとも緊密な関係を維持し、会社運営の透明性を高めるなど、コーポレート・ガバナンスの強化にも取り組んでまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 GRCSグループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因と、その他重要と考えられる事項は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本提出日現在においてGRCSグループが判断したものであります。 GRCSグループは、これらリスクの発生を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の的確な対応に努めて参ります。 (1)事業内容について① 事業を取り巻く環境 GRC及びセキュリティ業界において、変化していく様々な課題や企業トレンドに合わせ、新サービス及び新規事業に取組むことで事業拡大に努めております。しかしながら、今後、新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ等、GRCSグループの予期せぬ要因や市場の変化に対して、対応が困難又は不十分となった場合には、事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② GRC及びセキュリティという企業の「守り」に特化していることによる影響 GRCSグループが提供するGRC及びセキュリティに関するサービスは、企業にとって収益を生み出す領域ではなく、損失を被るリスクを低減する領域、いわゆる「守り」の領域に該当いたします。そのため、経済環境が悪化した際等はコスト削減の対象となり易く需要が低減することが考えられます。そうした場合には、GRCSグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新への対応に関するリスク ビジネスのグローバル化に伴う海外の法規制の適用拡大、巧妙で執拗なサイバー攻撃の頻発などに対応するため常に技術革新が行われております。GRC及びセキュリティ業界においては、最新技術を取入れた新しいサービスの考案や品質の向上が必要不可欠となっております。GRCSグループにおいて、それらの最新技術への対応が遅れ、他社に大きく先行された場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 製品のバグや欠陥の発生によるリスク GRCSの自社製品のプラットフォームは、海外製品を利用しております。予め十分な検証やテストを実施した後、サービス提供を行っておりますが、サービス提供開始後に重大なバグや欠陥が発生する可能性もあり、そのバグや欠陥が原因で顧客のサービスに著しい損害を与えた場合、契約解除に伴う売上の減少等によりGRCSグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ システムトラブル GRCSグループのサービスは、プログラム、システム及びサーバー・通信ネットワークに依存しております。安定したサービスを提供するため、社内システムに関してサービスのシステム監視体制やバックアップ等の対応策をとっておりますが、地震や火災等の災害、コンピュータ・ウィルス、電力供給の停止、通信障害等によるシステムトラブルが生じた場合、GRCSグループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ パートナー企業(外注先)の確保 GRCSグループは、専門分野毎にパートナー企業(外注先)を選定し、相互協力してサービスを提供しております。そのため、協力関係にある当該企業に不測の事態が生じた場合、信頼関係を損なう事態が生じた場合、外注先として不適切な事態が生じた場合及び外注コストが高騰した場合等においては、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、GRCSグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ ハッカーやクラッカーによるGRCSシステムへの不正侵入により、GRCSグループの信用が失墜するリスク セキュリティ製品及びサービスを提供している会社として、GRCSグループはネットワークに不正に侵入、攻撃、データ搾取、改竄、破壊等を行う者によって引き起こされるトラブルに対して他の会社よりも特に信用面において重大な影響を受けることが考えられます。GRCSグループが利用するクラウドサービスは安全に動作するように考慮、設計、構築されたクラウドテクノロジープラットフォーム上で稼働しているものを選択するように努め、利用する情報機器へのEDRツールのインストールや多要素認証によるアクセスへのセキュリティ強化を図っておりますが、例えば、GRCSグループのシステムに侵入してウイルスを拡散、ソースコード等の技術情報や、顧客や社員の個人情報等を搾取・流出させたり、GRCSホームページの情報改竄等があった場合、これらの行為によってGRCSグループの信用が失墜する可能性があります。また、そのような事態が生じた場合、技術上のトラブルの解決に要するコストの支出及びGRCSグループの企業秘密の漏洩、損壊等の損失を被る可能性があります。また信用回復するまでの間、事業が停滞する等、GRCSグループの事業活動及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 情報セキュリティにおけるリスクについて GRCSグループのサービスでは顧客の重要な情報を入手します。これらの顧客情報の漏洩は事業展開において大きなリスクであります。社内教育の実践、各種データのアクセス権限による制約、書面情報の施錠管理、オフィスの入退室管理等、対策を講じて実践しておりますが、顧客情報の漏洩が発生した場合、GRCSグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 競合について GRC及びセキュリティ業界は将来の成長が期待される市場であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。新規参入する他社との競合状況が激化した場合には、価格の下落又は価格競争以外の要因でも受注を失うおそれがあり、GRCSグループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 法的規制について GRCSが行う事業の一部において、以下の許認可を取得しております。 本書提出日現在において、当該許認可が取消となる事由は発生しておりませんが、何らかの事由が発生し当該許認可の取消等があった場合、又は、法令等の改正によりGRCSの製品又はサービスに関する制限が強くなった場合は、その対応に費用がかかる可能性があり、GRCSグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。許認可等の名称許認可等の番号有効期間所管官庁等規制法令取消条項等労働者派遣事業許可派13-3112402021年8月1日~2026年7月31日厚生労働省労働者派遣法第6条第14条 (2)事業体制について① 内部統制について GRCSグループは、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能するような体制を構築、整備、運用しております。 しかしながら、事業規模に応じた内部管理体制の構築に遅れが生じた場合には、GRCSグループの財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 ② 専門人材の確保・維持について GRCSグループの持続的な成長のために継続的に優秀な専門人材を確保することが必須であると認識しております。GRCSグループの競争力向上にあたって高い専門性を有するコンサルタント、エンジニアが要求されることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材の採用・育成に積極的に努めていく方針であります。しかしながら、優秀なコンサルタント、エンジニアの採用や育成が計画どおりに進まなかった場合、あるいは優秀な人材が社外に流出した場合はサービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、GRCSグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 代表取締役への依存について GRCS創業者である佐々木慈和は、GRCSの大株主かつ代表取締役であり、GRCSグループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中核として重要な役割を果たし、新たな事業モデルの創出においても中心的な役割を担っております。GRCSグループは権限委譲を行うことにより同人に依存しない経営体制の整備に努めておりますが、何らかの理由により同人がGRCSの業務を継続することが困難になった場合、GRCSグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 小規模であることについて GRCSグループは、従業員213名(2025年11月30日現在)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。今後の急速な事業拡大に応じて従業員の育成や採用を行うとともに業務執行体制の充実を図って行く方針でありますが、これら施策が適時適切に進行しなかった場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合、GRCSグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ コンプライアンス体制について GRCSグループでは、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を作成し、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、これらの取り組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後のGRCSグループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、GRCSグループの企業価値及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)その他① 大株主について GRCSの代表取締役社長である佐々木慈和は、GRCSの大株主であり、自身の資産管理会社である合同会社Trojansの所有株式数を含めると本書提出日現在で発行済株式(自己株式を除く。)の総数の32.89%を所有しております。 同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。GRCSといたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、GRCS株式の価値及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について GRCSは取締役及び従業員に対し、インセンティブを目的とした新株予約権を付与しております。また、第三者割当による新株予約権の発行による資金調達を実施しております。これらの新株予約権が行使された場合、GRCS株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は319,970株であり、発行済株式総数1,380,130株の23.18%に相当しております。 ③ 配当政策について GRCSは、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けております。企業の成長と経営基盤の強化を図るため、内部留保を確保しつつ、株主に対する継続的な配当を基本方針としております。しかしながら、GRCSは成長過程にあり、株主への長期的な利益還元のためには、財務体質の強化と事業拡大のための投資等が当面の優先事項と捉え、これまで配当を実施しておりません。 内部留保資金につきましては、今後の事業展開並びに経営基盤の強化に役立て、将来における株主の利益確保のために備えてまいります。 今後につきましては、各連結会計年度の経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく予定ですが、現時点において配当実施の可能性及びその時期については未定であります。 ④ 継続企業の前提に関する重要事象等 GRCSグループは、当連結会計年度において、フィナンシャルテクノロジー事業の事業用資産に係るサーバー等のハードウェアについて、今後、事業の用に供する予定が無くなったことから、個々の資産を遊休資産とし、245,318千円を減損損失として特別損失に計上いたしました。また、フィナンシャルテクノロジー事業が提供するホスティングサービスに利用する予定であったソフトウエアのライセンス費用等について、当該サービスの大型プロジェクトが中断したことに伴い、将来的な使用見込みがなくなり、加えて、当該ライセンスに係る契約が原則として中途解約不能であることから、契約の残存期間に支出が見込まれる費用として事業構造改善引当金繰入額を108,416千円計上しており、親会社株主に帰属する当期純損失は527,903千円となりました。 その結果、当連結会計年度末における純資産は△95,937千円の債務超過となり、継続企業の前提に関する疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。 このような状況の中、2026年1月19日開催の取締役会において、株式会社フィックスターズとの資本業務提携契約の締結及び株式会社Fixstars Investmentを割当予定先とする第三者割当による96,715千円の新株式発行を行うことを決議し、同日付で資本業務提携契約及び総数引受契約を締結いたしました。2026年2月2日に払込手続きが完了しており、当連結会計年度末には債務超過は解消される見込みとなります。2026年11月期の連結業績においては、自社プロダクトへのAI機能実装に投資し、高収益なビジネスモデルへと転換を図り、既存顧客から継続的に収益を上げるリカーリングモデルの強化に取り組むことで安定した収益基盤を整え、営業利益黒字化達成を見込んでいるとともに、当面の資金繰りに懸念はありません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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