住友倉庫グループは、住友倉庫、子会社39社及び関連会社9社で構成されており(2026年3月31日現在)、倉庫業、港湾運送業、国際輸送業及び陸上運送業等の物流事業並びに事務所及び土地等の賃貸等を行う不動産事業を営んでおります。
住友倉庫は総合物流事業者として物流事業及び不動産事業に携わっております。連結子会社の事業の住友倉庫グループにおける位置付け及び各事業セグメントとの関連は、次のとおりであります。
物流事業
(1) 倉庫業
国内における、寄託を受けた物品を倉庫に保管する業務並びに寄託貨物の入出庫及びこれに付随する流通加工等の業務であって、住友倉庫九州㈱、㈱若洲等が行っております。
(2) 港湾運送業
国内の港湾における、海上運送に接続する貨物の船積み及び陸揚げ並びにその荷捌き等の業務であって、泉洋港運㈱、ニッケル.エンド.ライオンス㈱等が行っております。
(3) 国際輸送業
陸海空の各種輸送手段を結合し、輸出入貨物の国際複合輸送を取り扱う業務並びに海外における保管、荷役及び運送等を取り扱う業務であって、Sumitomo Warehouse (U.S.A.), Inc.、Sumitomo Warehouse (Europe) GmbH、Sumitomo Warehouse (Singapore) Pte Ltd、Union Services (S'pore) Pte Ltd、Rojana Distribution Center Co., Ltd.、住友倉儲(中国)有限公司等が行っております。
(4) 陸上運送業
国内における、自動車を使用する貨物運送業務並びに自動車及び鉄道による運送を取り扱う業務であって、遠州トラック㈱、井住運送㈱等が行っております。
(5) その他事業
ソフトウエア開発等上記事業に関連する業務であって、アイスター㈱等が行っております。
不動産事業
事務所及び土地等を売買、賃貸及び管理する業務であって、住倉建物サービス㈱等が行っております。
住友倉庫及び関係会社を、それぞれが携わる主な事業により区分した系統図は次のとおりであります。
(注)1.矢印は役務の流れを示しております。
2.下線は在外の会社(21社)であります。
住友倉庫グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、住友倉庫グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
住友倉庫グループは、「信用を重んじ」「確実を旨とし」「浮利にはしらず」という「住友の事業精神」のもと、「物流という万人が必要とする社会インフラを、時代をこえて真摯に下支えするとともに、お客様と社会が求める新たなサービスの創造に努める」を企業理念としております。
この企業理念が表す精神は、1899年(明治32年)の住友倉庫の創業以来、倉庫業を核に、港湾運送業、国際輸送業、陸上運送業を含む総合的な物流事業及びオフィスビル賃貸業を中心とする不動産事業等へ業容を拡大した現在に至るまで、一世紀以上にわたり一貫して受け継がれております。住友倉庫グループは、今後もこの企業理念のもと、事業を通じて社会に貢献しつつ、持続的な成長を目指してまいります。
(2) 住友倉庫の事業環境及び中長期的な会社の経営戦略
住友倉庫グループを取り巻く環境は、国内においては設備投資や個人消費が総じて持ち直しましたが、企業による賃上げを上回る物価上昇の伸びが見られたこともあり、景気の回復は力強さを欠き緩やかなものとなっております。海外においては、米国では、金融引締めの影響が懸念されたものの、個人消費は拡大し、景気は回復基調を維持しております。一方、中国では、不動産不況や消費低迷の影響により、景気は低調のうちに推移しております。
また、環境・社会・ガバナンス(ESG)の重要性に対する意識の高まりやデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進といった近年の様々な変化は、今後より一層加速していくものと考えられます。
このような状況下、住友倉庫グループは、長期ビジョン“Moving Forward to 2030”のもと、グローバル化の進展に伴い増大する各種リスクにも適切に対処し、社会に不可欠な物流サービスを幅広いステークホルダーの皆様に対して安定的に提供してまいります。
「長期ビジョン“Moving Forward to 2030”」
① モノをつなぐ
物流の結節点である倉庫と港湾を主軸に更に信頼性の高い物流サービスを提供します。また、物流業以外の業種との連携を深め、デジタル技術等を積極的に導入・活用することにより、各種の変化に迅速に対応しながら、物流における新たな価値を創造します。
② 世界をつなぐ
日本、アジア、欧州、米州の四極を中心に国際物流ネットワークの更なる拡充を図り、お客様の強固で安定的なグローバル・サプライチェーン構築を支えます。
③ ヒトをつなぐ
貴重な経営資源である人材の育成を更に強化するとともに、少子高齢化等の社会の変化に対応し、柔軟で多様な働き方を導入し、ヒトを惹きつける会社であり続けます。
④ 時代をつなぐ
120年を超える伝統をもつ企業グループとして、先人から受け継いだ有形無形の資産を後の世代に継承しつつ、お客様と社会の発展に貢献していきます。
「第五次中期経営計画」
2023年3月に策定しました2023年度から2025年度までの3か年の第五次中期経営計画では、物流・不動産の両事業に経営資源を集中することとし、物流事業では、国内外の拠点の拡充を進め、海外における物流事業も拡大を図ってまいります。また、DXを推進し、業務の効率化・自動化に取り組むとともに、顧客にとって、より一層付加価値の高い物流サービスの提供を進めてまいります。
不動産事業では、これまで培ってきた賃貸事業のノウハウを活かし、積極的な事業投資のほか、事業領域の拡大を進め、収益力の向上を図ってまいります。
あわせて、気候変動という人類共通の課題に対しては、温室効果ガス排出量の削減目標を設定のうえ、その達成に向けた取組みを進めるとともに、住友倉庫グループの事業の発展を支える「人」への投資を充実させ、持続的な成長を目指してまいります。
なお、第五次中期経営計画では、業績目標として2025年度(計画最終年度)の連結営業収益2,300億円、連結営業利益180億円、また、設備投資額(3か年累計)として850億円をそれぞれ計画しております。財務指標については、財務基盤の健全性を維持したうえで、ROEは7%を目標としております。また、政策保有株式については、2028年3月末までに約100億円(2022年3月末簿価の約10%相当)の縮減を目標とし、本計画期間中は、そのうち約60億円(同6%相当)を目途に縮減します。
(3) 対処すべき課題
今後の日本経済は、雇用・所得環境が改善する中で緩やかな景気回復が続くと見込まれますが、物価上昇や海外景気の下振れが重荷となる可能性があります。世界経済は、各国における金融政策の動向が見通せず、また中国経済の回復鈍化への懸念に加え、中東情勢の緊迫化が危惧されるなど、景気の先行きは極めて不透明であります。
物流業界におきましては、輸出入貨物の荷動きは緩やかな回復が期待されますが、不安定な海外景気の動向次第では荷動きが低迷するおそれがあるほか、陸運業界における人手不足による輸送能力減少の影響が懸念されます。不動産賃貸業界におきましては、オフィス需要の拡大を背景に、空室率は概ね改善傾向を示すものと予想されます。
このような情勢の中、住友倉庫グループは第五次中期経営計画の2年目にあたる2024年度につきましても、国内外の経済環境の悪化に影響されにくい、強靭で着実に成長できる企業体質への変革を推進いたします。投下資本の収益性を考慮しつつ、各事業の利益創出力を高めることにより、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
住友倉庫グループは、社会に不可欠な物流サービスを安定的に提供し続けることで事業基盤を強化するとともに、不動産事業の収益規模を拡大することにより、経済・市況変動への耐性を高め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
住友倉庫グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において住友倉庫グループが判断したものであります。
1.経済環境に関連するリスク
(1) 事業環境の変化
住友倉庫グループは、倉庫業、港湾運送業、国際輸送業及び陸上運送業等を総合的に組み合わせた物流事業、首都圏及び関西地区等における保有資産の有効活用を中心とした不動産事業を展開しております。物流事業においては、国内外の景気変動や社会情勢の変化が荷動きの悪化、競争激化を通じて、また、不動産事業においてはオフィスビルの供給過剰等による市況の変化、需給バランスの変動により、住友倉庫グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替変動
住友倉庫グループは、連結財務諸表の作成に当たっては、海外連結子会社の財務諸表を円換算しております。また、住友倉庫及び一部の国内連結子会社においては、外貨建取引を行っており、外貨建債権・債務を有しております。住友倉庫グループでは、外貨建債権・債務のバランスを考慮した為替変動の影響を緩和する措置を講じておりますが、為替変動が住友倉庫グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 投資有価証券の時価下落
住友倉庫グループは、取引先との関係の維持・強化を目的とした投資有価証券を保有しております。投資有価証券については株式相場の下落や投資先の財政状態の悪化により、投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上します。これにより、住友倉庫グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 退職給付会計
住友倉庫グループは、割引率等の前提条件に基づき計算された退職給付債務と時価評価された年金資産により退職給付に係る負債を計上しております。割引率の低下や年金資産の時価下落により、住友倉庫グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2.事業活動に関連するリスク
(1) 公的規制の変化
住友倉庫グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可をはじめ、保管、荷役、運送、通商、独占禁止、租税、為替規制、環境、各種安全管理等の法規制の適用を受けております。これらの規制が変更された場合又は新たな規制が導入された場合、これを遵守するためのコストが発生する可能性があるほか、事業戦略の変更を余儀なくされたときは、住友倉庫グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) グローバルな事業展開におけるリスク
住友倉庫は、北米、欧州、中国、東南アジア及び中近東等において、関係会社を通じて事業を展開しております。海外での事業展開には、上記(1)の現地の法律や規制の変更リスクに加え、政治・経済情勢の悪化、テロ・紛争・その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しております。これらのリスクに対しては、現地情勢の調査研究の実施、グループ内外からの情報収集等により、その予防・回避に努めておりますが、リスクが顕在化した場合、住友倉庫グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 燃料油価格の変動
住友倉庫グループの物流事業における港湾運送業及び陸上運送業においては、燃料油の調達が不可欠となっております。燃料油価格は、原油の需給バランス、産油国の政情、投機資金の流入その他の要因により変動します。燃料油価格が変動した場合、住友倉庫グループは顧客の理解を得ながら運賃等に反映しておりますが、高騰した場合には費用の増加分を運賃等に全て転嫁することができず、住友倉庫グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 事業用資産の減損
住友倉庫グループは、事業用資産(土地、建物等)を保有しております。事業用資産は、物流事業資産については管理会計上の区分に基づき、不動産事業資産及び遊休資産については個別物件ごとにグルーピングを行っており、時価下落や収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合は、資産グループごとに帳簿価額を回収可能額まで減額し、減損損失を計上します。これにより、住友倉庫グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 情報の漏洩
住友倉庫は、企業の文書・磁気テープ・フィルム等情報記録媒体の保管等を行っており、最新鋭のセキュリティシステムの導入及び関係部署における情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO27001の認証取得など、情報記録媒体の管理・保護には万全を期す体制を整備しております。さらに、ISO27001については外部審査機関による継続審査を通じて体制の維持・改善を図っております。しかし、万一情報の外部漏洩等が発生した場合には、社会的信用の低下のほか、住友倉庫グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
3.自然環境等に関連するリスク
(1) 自然災害と事故
住友倉庫グループは、自然災害や不測の事故の発生に備えて、倉庫や賃貸ビルなどの保有施設及び受託貨物等に対し保険を付しております。しかし、予測不可能な自然災害や事故に起因する被害を全て保険により填補できるとは限らないため、これらの被害の発生により住友倉庫グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 感染症
住友倉庫グループは、急速かつ世界的な感染症の流行に備え、対策マニュアルや体制の整備などを行っております。しかし、国際的な人の往来が活発化するなかで、新たな感染症の発現に伴う人的被害の発生や社会インフラの機能不全などにより、住友倉庫グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 情報システム関係
住友倉庫は、基幹業務システム等を自然災害やセキュリティに対する安全対策の整ったデータセンターに設置する等、コンピュータの運用を含めた安全管理の徹底を図っております。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセスを監視・防止する管理体制及び大規模障害時においては早期に復旧し、業務を継続できる体制を構築しております。しかし、災害やサイバー攻撃等によりシステムが一定期間以上停止し、業務処理及び顧客への情報提供等が停滞した場合には、住友倉庫グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 地球環境保全等の取組み
住友倉庫グループは、気候変動対策をはじめとする地球環境保全が事業上の重要課題の一つであるという認識のもと、持続可能な社会の実現に貢献するため、温室効果ガス排出量の削減目標を設定のうえ、自社施設における太陽光発電システムの導入など、企業活動における環境負荷低減に向けた取組みを継続しております。また、拠点集約による物流の効率化やモーダルシフトをはじめとした、顧客のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の削減に資する保管・輸送サービスの提供に努めております。しかしながら、住友倉庫グループの地球環境保全に関する取組みが消極的と評価された場合は、住友倉庫グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
なお、これらは住友倉庫グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示したものであり、これらに限定されるものではありません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー