アソインターナショナル(9340)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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アソインターナショナル(9340)の株価チャート アソインターナショナル(9340)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 アソインターナショナルグループは、アソインターナショナル及び連結子会社4社、非連結子会社1社の計6社により構成されており、アソインターナショナル設立以来『Professionalな最新技術を世界から日本へ、日本から世界へ』という企業理念のもと、矯正歯科治療が必要な方々に歯科技工所(注1)としてオーダーメイドの歯科技工物(注2)を中心とした製品を提供しております。

 なお、アソインターナショナルグループは歯科矯正事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 一般的な歯科技工所は、補綴物(注3)を主に製作・販売しておりますが、アソインターナショナルグループはアソインターナショナル設立以来現在まで、矯正用の歯科技工物(以下「矯正歯科技工物」という。)(注4)の製作を中心とした事業活動を行っており、全国の矯正治療を行う歯科医院、歯科大学及び附属病院(注5)等の歯科医療機関に対して矯正歯科技工物の供給を行っております。

 アソインターナショナルグループはこれまで蓄積した製造ノウハウを用いて、高品質かつ多種多様な矯正歯科技工物を製作し提供することが可能となっております。また、矯正歯科技工物の製作に加え、その他付随サービスとして、矯正歯科技工物の修理、アソインターナショナルグループの製品・商品を使用した矯正治療に関するセミナー開催受託及び矯正に関する材料販売を行っております。更に、矯正治療のDX化に伴う業界へのデジタル機器の普及を目的として、アソインターナショナルグループは口腔内スキャンナーや3Dプリンターを始め各種デジタル商材を仕入れ販売しております。

 

(1)事業の特徴

①柔軟な製造キャパシティ

 アソインターナショナルグループは、2025年6月末時点において、グループ外部の協力パートナーとして57か所(内47か所はアソインターナショナルグループから独立した歯科技工士(注6)によって設立された歯科技工所)の歯科技工所と取引があり、内製と外注による製作のバランスを取っております。

 

 

 

 

 

 内製品については、2025年6月末現在、アソインターナショナルにおいて歯科技工士46名を抱えていることから、特殊品など複雑かつ高付加価値がある技工物に特化して製作しております。また、アソインターナショナルグループの海外子会社であるASO INTERNATIONAL MANILA, INC.ではワイヤーなど一般的な技工物を中心に製作しております。

 協力パートナーによる外注製作については、主としてアソインターナショナルから独立した歯科技工士が立ち上げた47か所(2025年6月末現在)の外部の歯科技工所と継続的な取引関係を維持しており、主として一般的な技工物の製作を外注しております。協力パートナーを活用することにより、アソインターナショナルグループは外注量を受注状況に応じて柔軟に調整することができ、固定費の負担抑制と、柔軟な製造キャパシティの確保が可能になっております。加えて、協力パートナーはアソインターナショナルグループの案件獲得力を背景に安定した受注量を確保できるなど、相互にメリットを享受できる関係となっております。

 

②データ分析力

 アソインターナショナルグループは、直近10年で症例件数(歯型)のデジタル管理及び蓄積を加速させてまいりました。創業以来蓄積した「歯を並べて動かす」ノウハウをはじめとするアナログ技術と融合させ、効率的な製作を行なっております。ゆくゆくは、蓄積された症例データを取り込んだAIを開発し、デジタル歯科矯正製品の設計コンダクターを目指してまいります。

 また、アソインターナショナルグループでは、積極的にデジタル活用を図ることで、多品種(100種類以上)の矯正歯科技工物の提供が可能となり、歯科医師の様々なニーズにも柔軟に対応することが可能となっております。

 

③強固な顧客関係

 a.歯科技工所と歯科医療機関の関係

 歯科技工所は基本的に歯科医療機関毎に依頼を受ける形になり、いかに多くの歯科医療機関とパイプを有しているかが案件獲得のため非常に重要となります。一方で、歯科技工所は、歯科技工士の高齢化や若年層の歯科技工士離れなどの原因により業界全体の従事者数が減少傾向となり、受注した矯正歯科技工物の納期が長期化傾向の顕在化する中で、技術の優れた歯科技工士を一定数確保することが、顧客である歯科医療機関の満足度を高める上で必要となります。

 アソインターナショナルグループは本書提出日現在において、アソインターナショナルグループ及び協力パートナーにおいて100名を超える歯科技工士が矯正歯科技工物の製作に携わっており、そして海外製作拠点を加えて、歯科医療機関の多様なニーズに応えられる製作体制を構築することに努めております。

 

 

 b.歯科医師の口コミによる顧客紹介

 歯科医師は出身歯科大学のコミュニティや歯科医師会等のグループに所属するケースが多く、歯科医師同士のネットワーク内での顧客紹介が行われることがあり、歯科医師間でアソインターナショナルグループに対する認知が浸透していることも一因と考えております。

 

(注)各期において、1回以上取引があった歯科医療機関数

 

 c.歯科医師との長期的な取引関係

 アソインターナショナルグループは、全国の歯科大学や大学の歯学部、大学附属病院と取引実績を有しております。

 アソインターナショナルグループが提供した矯正歯科技工物は、大学での実習に利用されたり、当該大学の卒業生が歯科医師免許取得後に実施される大学附属病院での研修等にも利用されるなど、用途・ニーズに合ったものを継続的に提供することで、長期的な取引関係が構築されております。また、これらの歯科医師には、大学附属病院での研修後や、独立開業するときにも、利用実績のあるアソインターナショナルグループの矯正歯科技工物を引き続き利用いただける傾向にあり、このことが更なる長期的な取引関係を築くことに寄与し、安定的な取引歯科医療機関数の増加につながっております。

 

④海外展開

 アメリカ本土における事業展開

 アソインターナショナルグループは、2024年4月にアメリカのカリフォルニア州サンノゼ市に現地法人「ASO INTERNATIONAL USA, INC.」を設立したことを皮切りに、本格的にアメリカ本土市場に進出しております。本書提出日現在、カリフォルニア大学サンフランシスコ校歯学部、テキサス大学歯学部ヒューストン校及びボストン大学歯学大学院へ歯科矯正装置の公式サプライヤーとして登録されており、着実に海外事業展開を進めております。

 

 

(2)主な製品

 アソインターナショナルグループは、歯科医療機関より矯正歯科技工物の発注を受け、製作販売しております。歯科医療機関は、新規患者に対して、口腔内の印象採得やレントゲン撮影等を行い、歯科医師は診査診断用の平行模型という矯正歯科技工物の発注を歯科技工所へ行います。これらの患者の口腔内の情報を歯科医師が確認後、矯正治療の方針を決定いたします。この治療方針を決定後、歯科医療機関は、患者治療用の矯正歯科技工物の発注を歯科技工所へ行うのが主な流れとなっております。

 矯正歯科技工物は、用途、目的によって様々な種類があり、それぞれ異なる役割、機能を有しております。例えば、診査診断用の平行模型、患者治療用としては歯の移動スペースを確保するため歯間を広げる矯正歯科技工物、歯に大きな矯正力(注7)を伝達する矯正歯科技工物や矯正後の歯の後戻りを防止する矯正装置等があり、診査診断から治療のプロセスによって矯正歯科技工物を使い分けるのが一般的であります。

 また矯正歯科技工物は大きく二つに分類することが可能です。1つは可撤式矯正歯科技工物といい、患者自身で矯正歯科技工物の着脱が可能で、食事や歯磨きの際に取り外しすることが可能となっております。

 もう1つは固定式矯正歯科技工物といい、患者自身で矯正歯科技工物の着脱が不可能なものがあります。これは、常に患者の口腔内に装着されているため、歯科医師の治療計画通りに治療が進む可能性が高くなります。

 アソインターナショナルグループは、歯科医師の様々な治療方針に対応するため、100種類以上の矯正歯科技工物を製作可能です。また、矯正歯科技工物で使用される材料は歯科技工士法(注8)に則って調達し、歯科医療機関から発注の際に受領する歯科技工指示書(注9)に記載されている設計指示を基に、患者ごとに適合する矯正歯科技工物を手作業または3Dプリンターなどの機械により製作販売しております。

 以下は、アソインターナショナルグループで製作している主な矯正歯科技工物の3つのグループになります。

 

①矯正装置

 アソインターナショナルグループでは、矯正治療の初期及び後期で使用される矯正歯科技工物を製作しております。例えば、矯正治療の初期の段階では、顎を頬側に拡大させ、歯の移動するスペースの確保を目的とする拡大床という矯正装置が使用されます。アソインターナショナルグループにおいて、20種類以上の拡大床を製造することが可能であります。

 また、矯正治療の後期の段階では、矯正後の歯の後戻りの防止を目的として使用されるリテーナーという矯正装置が使用されます。アソインターナショナルグループにおいては、10種類以上のリテーナーを製作することが可能であります。

 アソインターナショナルグループの拡大床やリテーナーは、いずれも主に可撤式矯正歯科技工物のタイプを豊富に取り揃えております。

拡大床                   リテーナー

      

 

②マウスピース型矯正装置

 透明で薄いプラスチック(PET材)のマウスピースを口腔内に装着し、噛むことで歯に矯正力をかけ歯を移動させる装置でマウスピース型矯正装置と呼ばれており、可撤式矯正装置のタイプになります。これは主に歯を少しずつ動かしていく治療の段階において歯科医師の診断に基づき使用するものになります。代表的な治療例として、歯の移動するスペースが既に確保されている患者に対しては、治療の初期段階からマウスピース型矯正装置を用いて矯正治療を開始するケースもあれば、治療の初期段階で拡大床を使用し、歯間のスペースを確保してから、マウスピース型矯正装置を使用するケースがあります。また、マウスピース型矯正装置を使用する場合でも、後述するブラケット(注10)とワイヤー(注11)の矯正歯科技工物を患者の治療状況によって複合的に使用するケースもあります。

 アソインターナショナルグループのマウスピース型矯正装置は当初の製品名「AsoAligner®」として、歯科技工士が手作業で歯列を並び替え製作する仕様でありましたが、2018年4月以降は、製品名を「AsoAligner DIGITAL」として、3DCAD及び3Dプリンターを使用してデジタル対応を図ることで製造工程の一部を自動化し、歯列の並び替えの精度及び製造スピードを向上させております。「AsoAligner DIGITAL」の特徴としては、患者の歯型情報が石膏模型や、特定のデータのファイル形式に限定せず、どのような形態でも受注可能となっております。またこの製品を歯科医師が発注するにあたり製品セミナーを事前受講していただくところにあります。製品のメリットだけではなく、デメリットや非適応になる症例についても事前に製品セミナーで学習してもらうことで治療トラブルを回避し、治療結果がより良くなると考えております。

 より多くの歯科医療機関で使用してもらう目的で、本書提出日現在、北海道から九州までの6社と業務提携し、地域密着型の体制を構築し全国への販売網を強化しております。

 

AsoAligner DIGITAL

 

③イン・ダイレクト・ボンディング・システム(I.D.B.S)

 前述のマウスピース型矯正装置と同治療期間に使用される矯正歯科技工物として、ブラケットとワイヤーを使用した伝統的なタイプの矯正歯科技工物があります。マウスピース型矯正装置と同様に、歯科医師の診断により、代表的な治療例として、歯の移動するスペースが既に確保されている患者に対しては、ブラケットとワイヤーを使用して治療を開始するケースもあれば、拡大床を使用し、歯間のスペースを確保してからブラケットとワイヤーを使用するケース等もあります。また、ブラケットとワイヤーを使用する場合でも患者の治療状況によってはマウスピース型矯正装置を追加使用するケースもあります。

 ブラケットとワイヤーを利用した矯正歯科技工物は、歯科医師が患者の歯の表面に、手作業で直接ブラケットを接着(以下「ダイレクト・ボンディング」という。)し、ワイヤーを患者の歯列に合うように屈曲させブラケットに通し患者の口腔内に装着させる、いわゆる固定式矯正歯科技工物のタイプになります。このダイレクト・ボンディングは、矯正治療の高い技術と知識が必要であること、また歯科医師が患者の口腔内へブラケットを接着する時間及びワイヤーを屈曲させる時間が長時間になる傾向にあります。これは歯科医師及び患者にとって負担となる作業となっております。

 アソインターナショナルグループの製品であるイン・ダイレクト・ボンディング・システム(以下「I.D.B.S」という。)は、歯科医師が患者の歯の表面にブラケットを接着する際に使用するコア(注12)と患者の歯列用に既にアソインターナショナルグループで屈曲したワイヤーを1つのパッケージにして製造販売している矯正歯科技工物になります。このI.D.B.Sを利用することにより、ブラケットの接着時間及びワイヤーの屈曲時間の短縮を図ることができ、歯科医師及び患者の負担を減らすことが可能となります。

 主なI.D.B.S製品としては、ブラケットとワイヤーを使用した治療において代表的な治療である「ラビアル矯正治療」用のI.D.B.S製品と「リンガル矯正治療」用のI.D.B.S製品があり、いずれも工程が手作業である製品に対して、工程の多くがデジタル化されたI.D.B.S製品(製品名「HARMONYリンガルシステム」)を分けて記載します。

 

a.ラビアル矯正治療用I.D.B.S

 ラビアル矯正治療用I.D.B.Sは、口腔内の頬側の歯の表面にブラケットを接着可能なコアと、患者の歯列に合うワイヤーをセットにした製品であり、歯科技工士が手作業で製作しております。

 

b.リンガル矯正治療用I.D.B.S

 リンガル矯正治療用I.D.B.Sは、口腔内の舌側の歯の表面にブラケットを接着可能なコアと、患者の歯列に合うワイヤーをセットにした製品であり、歯科技工士が手作業で製作しております。

 ラビアル矯正治療と比較して、リンガル矯正治療は、ブラケットを歯科医師の視認性の悪い舌側に貼り付けるため、治療難易度は更に高くなる傾向にあります。リンガル矯正治療は、歯科医師が直接ブラケットを貼り、ワイヤーを患者の治療経過に合わせて屈曲することが困難であるため、I.D.B.Sを利用することが一般的であります。こちらは歯の裏側に装着するタイプであるため、正面からみて装置が見えないため目立ちにくいものになります。

 

 

リンガル矯正装置用I.D.B.S

 

c.HARMONYリンガルシステム

 前記b.リンガル矯正治療用I.D.B.Sは歯科技工士の手作業により製造を行っておりますが、HARMONYリンガルシステムは、3DCAD等を使用して歯列をスキャンし、ブラケットからワイヤーまで一貫して設計と製造が行われるシステムであり製造工程の多くをデジタル化・機械化しているところに特長があります。HARMONYリンガルシステムは複数の国と地域での販売実績があります。

HARMONYリンガルシステム

 

 アソインターナショナルグループは、上記矯正歯科技工物の提供以外に、歯科医療機関自ら矯正歯科技工物を製作するために使用するワイヤーやブラケットなどの部品、器具等の材料の仕入れ販売をアソインターナショナルの子会社であるフォレスタデント・ジャパン株式会社を通じて提供しております。フォレスタデント・ジャパン株式会社はドイツのFORESTADENT Bernhard Förster GmbH の独占販売代理店であり、同社の矯正関連材料を仕入れて販売しております。また、納品済みの矯正歯科技工物の修理を行っております。

[事業系統図]

 

(用語解説)

 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。

No.

用語

用語の定義

注1

歯科技工所

歯科医師又は歯科技工士が業として歯科技工を行う場所をいう。ただし、病院又は診療所内の場所であって、当該病院又は診療所において診療中の患者以外の者のための歯科技工が行われないものを除く。

注2

歯科技工物

特定人に対する歯科医療の用に供する補綴物(注3)、充てん物又は矯正装置を製作し、修理または加工した物をいう。

注3

補綴(ほてつ)物

虫歯などの治療の後に歯にかぶせる物をいう。補綴物には金属やプラスチック、CAD/CAM製クラウン等の種類がある。また保険適用のものもあれば、保険適用外の補綴物も存在する。

注4

矯正用の歯科技工物(矯正歯科技工物)

歯や顎の位置を移動させるために使用する技工物の総称。歯列矯正治療が終了した後や矯正治療中に例外的に不動とする歯に対応する保定の役割を持っているものも矯正用の技工物として定義されることから、形状は様々である。保険適用のものもあれば、保険適用外のものも存在する。

注5

歯科大学及び附属病院

歯科大学とは、歯学部が設置されている大学をいう。歯学部附属病院が設置されている国立大学と私立大学は日本国内に計29校あり(本書提出日現在)、アソインターナショナルでは内29校に販売実績がある。

注6

歯科技工士

厚生労働大臣の免許を受けて、歯科技工を業とする者をいう。

注7

矯正力

不正な位置にある歯や顎を適正な位置に移動させるために加える力をいう。

注8

歯科技工士法

歯科技工士資格を定めるとともに、歯科技工の業務が適正に運用されるように規律し、もって歯科医療の普及及び向上に寄与することを目的とする法律。

注9

歯科技工指示書

歯科技工物の発注時に、歯科医療機関が内容記載する発注書をいう。歯科技工物の設計指示の詳細が明記されている。

注10

ブラケット

基本的には金属製だが、セラミックやプラスチック製の目立たない製品もあり、最も一般的で自由度の高い矯正器具をいう。

注11

ワイヤー

矯正治療専用のワイヤーを指し、金属製が用いられる。歯にワイヤーの矯正力を伝えるために、ワイヤーと歯の間にはブラケットの介在が必要。

注12

コア

ブラケットを適正な位置へ接着するための治具。

 


有価証券報告書(2024年6月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 アソインターナショナルグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、アソインターナショナルグループが判断したものであります。

 

(1)企業理念・企業行動規範

『Professionalな最新技術を世界から日本へ、日本から世界へ』という企業理念のもと、以下の企業行動規範を定めております。

1.法律を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業、市民を目指す。

2.各国、各地域の文化・慣習を尊重し、経済・社会の発展に貢献する。

3.歯科矯正分野で、最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様の要望にお応えする魅力あふれる製

  品・サービスを提供する。

4.グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長を目指す。

5.公明正大な取引を通じて取引先との信頼関係を築き、相互の発展を図る。

6.公正かつ透明な企業経営により、利害関係者の理解と支持を得るよう努める。

7.個人等の情報、自社の秘密情報を適正に管理する。

8.地域の発展と快適で安全な生活に資する活動に協力するなど、地域社会との共生を目指す。

9.違法行為や反社会的行為に関わらないよう、基本的な法律知識、社会常識と正義感を持ち、良識ある行動に

  努める。反社会的勢力には毅然として対応し、関係を持たない。

 

(2)経営方針

 アソインターナショナルグループは、上記企業理念に基づき、全従業員が一丸となり「高品質」で「高付加価値」の『アソインターナショナルにしかできないこと』を追求してまいりました。

 全従業員の人格・品格形成に努め、世の中の役に立つ企業として持続成長し、世界規模で歯科矯正業界に貢献することがアソインターナショナルグループの経営方針です。

 

(3)経営環境及び中長期的な経営戦略

 株式会社グローバルインフォメーションによる「歯科矯正の世界市場:製品別、患者別、エンドユーザー別 - 予測(~2030年)」(2023年5月17日出版)によると、2023年〜2030年に年率14.6%で成長することを見込んでおり、2030年までに世界の歯科矯正の市場規模は302億ドルに到達すると予想しております。また、株式会社アールアンドディ「歯科機器・用品年鑑2024年版」によれば、2022年度日本国内における歯科矯正装置に使用する材料・消耗品、器械・器具の市場規模について、2021年度の108億円と比べ5.5%増の114億円に達しており、引き続き日本国内の市場について、拡大の余地があると考えております。

 また、厚生労働省による「患者調査」によると、以下のとおり、直近10年で日本における歯科診療患者数はほぼ横ばいで推移している中、機能回復を目的とする「歯の欠損補綴」患者の占める割合は過去10年で減少しており、一方「歯科矯正」患者の割合は増加しております。

 

 

 

 12歳を対象とした永久歯の1人当たりの虫歯の数は、文部科学省が実施した令和3年度学校保健統計調査によれば、1984年では4本以上あった数が、2021年では0.6本と減少したこととなりました。また令和4年度学校保健統計調査から、幼稚園から高校までの虫歯発生率は平成24年度の全年齢層平均50.47%から令和4年度の全年齢層平均32.12%までに低下しているという結果から、8020運動(注1)をはじめとした予防歯科の発展・普及による成果が大きいと考えております。このような歯科業界の大きな環境変化により、従来の虫歯治療等の一般診療を中心としていた歯科医療機関(GP(注2))が、歯科矯正分野等の自由診療への事業拡大を想定しております。

 更に、公益社団法人日本臨床矯正歯科医師会による「後悔しない矯正歯科へのかかり方(2020年11月13日)」によると、以下のとおり、40歳未満の男女の約半数が矯正歯科治療の経験や矯正歯科治療への関心があることがわかって

おります。

 

 アソインターナショナルグループは、歯科矯正を治療の専門としないGPが自由診療の歯科矯正の市場へと参入してきていることから、GPへ向けて「歯科矯正治療を円滑に行うための支援サービス」をアソインターナショナルグループアドバイザー矯正専門医と提携し展開しており、矯正歯科技工物の提供だけでなく、総合的なサービスの提供を行っております。

 当連結会計年度における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、パレスチナ・ガザ地区の軍事衝突がもたらした中東情勢の緊迫、米中経済摩擦等地政的、経済的リスクにより資源エネルギー価格やインフレ率が高止まり等楽観視できない状況が続いております。

 一方、我が国の経済は、諸外国からの力強いインバウンド需要や海外投資資金の日本証券市場への流入により、活況を呈していますが、慢性的な円安や原材料価格高騰がもたらしたインフレ圧力等の影響で、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、コロナ禍後の国内における審美的な意識は継続的に高まり、未病改善への取り組み拡大等を背景として矯正歯科業界の事業環境は順調に推移していることから歯科矯正治療のニーズが引き続き高いことにより、矯正歯科領域における矯正歯科技工物・矯正材料マーケットの増加傾向は続く見通しと考えております。

 アソインターナショナルグループがこれらの環境と需要を的確に把握し、持続的な成長を続けるためには、経営方針である「高品質」で「高付加価値」の『アソインターナショナルにしかできないこと』を追求してまいりますが、具体的な経営戦略は以下と捉えており、全社一丸となってアソインターナショナルグループの体制強化に努めてまいります。特に、製品の更なる品質向上と、今後も見込まれる需要増加に対応できるよう効率化を目的とした作業工程の機械化・デジタル化を積極的に導入、推進してまいります。さらに歯科矯正における世界市場のビジネス機会は大きいため、新しい海外拠点の設立や欧米企業との資本業務提携を検討しながら、海外の販売体制を構築し、ASO INTERNATIONAL MANILA, INC.を製造中心拠点として、海外への事業展開を拡充していく方針であります。

 

 

①人材の確保と育成

 アソインターナショナルグループが安定的な成長を確保していくためには「高い専門知識と技術を持つ歯科技工士」及び「市場のニーズを引き出す高度なコミュニケーション能力を持つ営業人材」を確保することが重要と考えております。また、人材を育成するうえで「部署・役職ごとに期待役割の要件定義」「属人的作業を生まないための作業工程標

準化」「明確な評価制度による自走型組織構造の構築」が必須だと捉えております。矯正歯科技工物は医療器具・医療機器と同様に歯科矯正治療の結果に直接的に関わる製品として、品質管理はもとより市場からの改善及び改良の要求には早急に対応する必要があるため、アソインターナショナルグループにおいて製造及び営業で情報の伝達を早める風通しの良い組織体制を構築しております。

 一方、一定の技術を習得した歯科技工士の独立開業支援をするなど、独立後にアソインターナショナルグループの外注先となる協力パートナーとして取引できるように図っております。

 

a.歯科技工士の確保

 「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)」(厚生労働省2023年12月21日公表)によれば、2022年度の歯科技工士業界において就業中の歯科技工士は32,942名のうち54.1%(計17,807名)が50歳以上と高齢化が進んでおります。また、歯科技工士の従事者数も年々減少傾向にあります(同衛生行政報告例によると2000年の37,244名(平成16年公表より)から2022年までで32,942名(令和4年公表より)まで減少、また39歳以下の歯科技工士人数は2020年の8,839名から2022年の8,135名まで減少)。その中で矯正装置を作れる歯科技工士はもっと限定的であり、このままでは日本の歯科技工業界が歯科技工士の絶対数の減少により衰退していく可能性があります。

 歯科技工業界において、プロフェッショナルな技術を持つ一流人材を育成することは、アソインターナショナルグループの使命だと考えております。そのためにアソインターナショナルグループでは機械化による作業工程の効率化と、短期間での基礎技術習得を目的とした歯科技工士育成プログラムにより、生産性の向上と高いレベルでの業務標準化を推進しております。今後はキャリア断絶を防止するための休暇制度や勤務時間の自由度を高めていき、ワークライフバランスを推進してまいります。

 また、歯科技工士の技術習得のみならず、歯科医師をはじめとした歯科医療従事者と対等な関係性を構築するための教養とコミュニケーション能力の向上を目指しております。

 

b.次世代リーダーの育成

 アソインターナショナルグループでは、人材育成を目的とした研修を実施しております。具体的には、社内研修の他、外部機関を活用したマネジメント研修、役職ごとに設定した期待役割と業務遂行上必要である製品知識、部署ごとに異なる専門知識・資格習得のための研修、国内外歯科学会・講演会での依頼講演、業界紙・商業誌への依頼原稿執筆を行っております。また、幹部候補人材には、国内外製品の材料・器材・技術の輸出入と販売を行うためにメーカーとの折衝から薬機法許認可申請業務を経て、販売までを自身で社内からメンバーを選抜し進行管理を担当する機会を設けており、ジョブローテーションの実施による能力開発と管理者適性を判断する機会となっております。

 

c.能力開発と育成を目的とした施策、制度

 高い専門知識と技術を持つ歯科技工士を確保するために、以下の取り組みを行うことで、能力開発並びに育成に努めております。

・アソインターナショナルグループ契約技工所としての開業支援

・国内希望転勤

・海外希望出向

・知識、技術の向上を目的とした、国内外歯科学会参加研修

・技術研修のための海外出張

・外国語学力向上のためのミーティング参加

 

②製品企画強化

 アソインターナショナルグループ製品の品質は、患者の治療結果に大きく影響を与えるものと考えており、既存製品の精度・品質をより向上させるために、デジタル化・機械化による最新デジタル技術の導入を今後も推進します。

 歯科診療のデジタル化に対する顧客ニーズが高まることを踏まえ、AI技術を用いて正常歯列を仮想構築し、矯正歯科技工物へ反映させる仕組みや、クラウド基盤を活用した歯科医療機関とアソインターナショナルグループ間でのデータ連携サービスの開発に取り組んでまいります。

 アソインターナショナルグループのマウスピース型矯正装置「AsoAligner DIGITAL」につきましては、100種類以上の多種多様な矯正歯科技工物を製作可能というアソインターナショナルグループの強みを活かし、他の矯正歯科技工物と複合的に治療に使用してもらえるアソインターナショナルグループ独自のパッケージや、製品の適応症例をより拡張するための開発に取り組んでまいります。

 

③セールスプロモーション

 アソインターナショナルグループの顧客となり得る歯科医師は歯科大学附属病院で研修を行い、歯科医療機関開業後には出身大学のコミュニティや歯科医師会等、何らかのグループに所属しております。従って、歯科医師同士のネットワーク内での顧客紹介がアソインターナショナルグループの新規顧客獲得の源泉であり重要な営業戦略として位置付けております。

 2020年のコロナ禍以降において、日本矯正歯科学会をはじめとしたアソインターナショナルグループをとりまく環境における主要歯科学会の開催がリモート化され、緊急事態宣言中には訪問営業の自粛等、以前とは営業活動の範囲が異なっている状況においても売上に大きな影響を受けていないことから、顧客である歯科医師の口コミによる顧客紹介がアソインターナショナルグループの強みでもあると自負しております。口コミから新規に顧客を獲得し続けるには、市場のニーズを的確に捉え、高品質・高付加価値の製品を安定して供給し続けることが重要だと考えております。

 また将来患者となり得る消費者層では、インターネット及びスマートフォンの普及により主体的に歯科矯正治療に係る情報を収集することが一般化しております。SNSや動画投稿サイト等といったメディアを通した消費者の購買行動に影響を及ぼすインフルエンサーが、歯科矯正治療についての体験談や治療に使用している製品について言及することなど、消費者層の購買行動において大きな役割を担うようになり、市場の需要の高まりの後押しとなっていると認識しております。今後は歯科矯正治療やその治療方法に対する消費者からの興味関心が高くなることを予測しており、アソインターナショナルグループを取り巻く市場の環境を常に分析し、歯科医師のみではなく消費者層の行動変容を起こすために経営リソースの比重を割いていくことが、今後のセールスプロモーションにおいて重要な課題と考えております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 アソインターナショナルグループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、取引歯科医療機関数及び取引歯科医療機関あたりの売上高を重視しております。また、その結果として売上高、並びに収益力を判断するための指標として、売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。当連結会計年度の数値については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 アソインターナショナルグループの優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりであります。なお、財務上の課題については、アソインターナショナルグループにおいて内部留保が十分確保されており、また借入等による機動的な資金調達も可能であることから、特段の課題事項はありません。

 

①優秀な人材の確保と育成

 今後の事業拡大や継続的な成長を目指すにあたって、優秀な人材の確保や育成は必要不可欠であると考えております。特に「(3)経営環境及び中長期的な経営戦略 ①人材の確保と育成」に記載のとおり、歯科技工士の確保と育成は今後のアソインターナショナルグループの安定的な成長にとって欠かせないものとなっております。そのため、アソインターナショナルグループでは機械化による作業工程の効率化と短期間での基礎技術習得を目的とした歯科技工士育成プログラムにより、生産性の向上と高いレベルでの業務標準化を推進しているほか、能力開発に向けた研修制度の充実にも努めております。今後はキャリア断絶を防止するための休暇制度や勤務時間の自由度を高めていき、ワークライフバランスを推進することで、歯科技工士の確保・育成に努めてまいります。

 

②内部統制の強化とコーポレート・ガバナンス

 アソインターナショナルグループは、株主をはじめ顧客、従業員、地域社会といった様々な利害関係者への社会的責任を果たすため、意思決定プロセスにおける透明性の確保や迅速化など経営の効率性を高めると同時に、業務執行における内部統制機能の充実を図ることがコーポレート・ガバナンスの基本となり、経営上重要な課題と考えております。そのため、取締役の監督責任の明確化、コンプライアンス体制の強化、迅速かつ正確な情報開示の充実に努め、コーポレート・ガバナンスを強化してまいります。

 

③グローバル展開および事業の多角化

 アソインターナショナルグループはこれまで製造や材料調達では海外拠点を積極的に活用してまいりました。ASO INTERNATIONAL HAWAII, INC.及びASO INTERNATIONAL MANILA, INC.の海外拠点において、本書提出日現在、合計約300名の従業員が業務にあたっております。一方、アソインターナショナルグループにおける海外売上高は当連結会計年度において4.6%となっております。以下のとおり、海外売上高比率は徐々に増加傾向にあるものの、依然として全体売上高に占める割合が低い水準に留まっておりますが、当連結会計年度においてアメリカ本土に新たな子会社を設立し、今後のアメリカ本土市場への本格的進出により、グローバル事業展開を加速させて、海外売上高比率の上昇を目指してまいります。

 ゆくゆくは、アメリカを始め世界各国から収集・蓄積した歯科矯正データを人工知能により分析し、患者ごとに症例に適した各種技工物の組み合わせプランを設計・提案し、ASO INTERNATIONAL MANILA, INC.において製造するような体制を整備することを目指しております。

 また、アソインターナショナルグループはこれまで主に多種多様な矯正歯科技工物製作として事業を営んでまいりましたが、今後国内歯科技工士の絶対数が減る中、矯正歯科技工物の製作だけでは国内におけるこれまで通りの売上増加率を維持するのが難しくなることを予想し、今後の会社の更なる発展のために、タイミングを見計らった事業展開の多角化を検討してまいります。

 

(用語解説)

 本項「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において使用しております用語の定義について以下に記します。

No.

用語

用語の定義

注1

8020運動

「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動のこと。愛知県で行われた疫学調査の結果などを踏まえて、平成元年(1989年)に厚生省(現厚生労働省)と日本歯科医師会が提唱して開始されている。

注2

GP

一般臨床歯科医師(General Practitioner)をいう。GPではない歯科医師とは、大学の教授や研究者、矯正専門医ほか自費専門に行う歯科医師をいう。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 アソインターナショナルグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断上重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しています。アソインターナショナルグループはこれらのリスクの可能性を十分認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針です。具体的には、当該リスクを把握し、管理する体制・枠組みとしてアソインターナショナル内にリスクマネジメント委員会を設置し、対応に努めております。詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 g.リスクマネジメント委員会、③企業統治に関するその他の事項 b.リスク管理体制の整備状況」をご参照ください。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてアソインターナショナルグループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業に関するリスク

① 販売業等の許可等に関するリスク(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:高)

 アソインターナショナルグループが提供する歯科矯正事業は、「歯科技工士法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器等法」という。)等の関連法規の規制の下にあります。

 アソインターナショナルにおいては歯科技工士法上、法令の要件を充たした社内設備を歯科技工所として届出を行い、歯科技工士の免許を取得しているアソインターナショナルの従業員が、顧客である歯科医療機関から、矯正歯科技工物の製作工程の一部を受託し、矯正歯科技工物の製作を行っております。アソインターナショナルグループでは、これらの法規制を遵守した営業を続けておりますが、万が一、歯科医療又は歯科技工の業務に関する犯罪又は不正の行為があった場合などの欠格事由に該当する等、当該法規制に違反し、歯科技工士であるアソインターナショナル従業員の大半について歯科技工士免許が取り消されたり、業務停止を命じられたりした場合、または歯科技工所の構造設備に不備があり、その結果として、アソインターナショナルグループが製作した矯正歯科技工物等が衛生上有害なものとなるおそれがあるなどの理由により歯科技工所の使用の禁止を命じられるなどした場合、アソインターナショナルグループの事業の継続にとって重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、アソインターナショナルグループの販売する歯科材料や歯科用機械器具類は、人の口腔内疾患の診断、治療若しくは予防等に使用されるため、開発・製造段階から流通(販売後)に至るまで、細部にわたって医薬品医療機器等法の規制を受けており、同法により医療機器としての規制がされています。また製造・製造販売・販売の各段階に応じて、医薬品医療機器等法に定める許可取得や登録等を行う必要があります。これらの許可要件としては、申請者の役員が禁固刑に処される等の欠格要件が無いことや、製造管理・品質管理等について法令上の基準に適合する体制が構築されていること等が課されています。また、販売にあたっては、医療機器の種別に応じて、販売業許可・届出が必要とされます。アソインターナショナルグループではこれらの許可等の継続は事業にとって最重要課題の一つとして認識し、対応しておりますが、当該法令に違反した場合や当該法令の違反にかかる処分に従わない等の理由により、これらの許可等を取り消される事態に至った場合、アソインターナショナルグループの事業の継続にとって重大な影響を及ぼす可能性があります。上記許可等の有効期間は、医療機器の販売業許可が6年、医療機器の製造販売業許可が5年、医療機器の製造業の登録が5年であり、法令で定める許可要件等を満たさなくなった場合には、許可の取消がなされる可能性がありますが、本書提出日現在において、その継続に支障を来す要因は発生しておりません。

なお、主な免許・許認可・登録・届出等は以下のとおりであります。

免許・許認可・登録・届出等の名称

対象者

所管

官庁等

許認可等の内容

(有効期限)

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

歯科技工士免許

株式会社アソインターナショナル

厚生労働省

有効期限なし

歯科技工士の欠格事由に該当した場合(歯科技工士法第4条及び第8条)

歯科技工所届出

株式会社アソインターナショナル

中央区保健所

有効期限なし

歯科技工士の欠格事由に該当した場合(歯科技工士法第4条及び第8条)、歯科技工所の使用禁止事項に該当した場合(歯科技工士法第25条)

医療機器製造業登録

株式会社アソインターナショナル

東京都知事

第13BZ200826号 (2025年1月21日)

医薬品医療機器等法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき(医薬品医療機器等法第75条)

高度管理医療機器等販売業許可

株式会社アソインターナショナル

中央区保健所

第5502155142号 (2027年7月29日)

第一種医療機器製造販売業許可

フォレスタデント・ジャパン株式会社

東京都知事

第13B1X10233号 (2026年11月24日)

医療機器製造業登録

フォレスタデント・ジャパン株式会社

東京都知事

第13BZ200371

(2029年7月12日)

高度管理医療機器等販売業許可

フォレスタデント・ジャパン株式会社

港区みなと保健所

3港み生機器第52号 (2027年7月12日)

 

② 法的規制に関するリスク(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:高)

 アソインターナショナルグループが取り扱う歯科矯正装置については、「歯科技工士法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」及び「下請法」等の様々な法的規制に関連しております。新たな法規制の制定や改廃により、アソインターナショナルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、アソインターナショナルグループでは法令遵守をはじめコンプライアンスを常に考慮した経営に努めておりますが、意図せざる理由により法令違反または訴訟提起が生じた場合、その結果によってアソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 国際的な事業活動に関するリスク(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:高)

 アソインターナショナルグループは、日本国内以外ではフィリピン共和国に製造子会社、米国ハワイ州に製造販売子会社及び米国カリフォルニア州に米国患者データ収集・製品受注子会社を有しております。特に、アソインターナショナルグループにとって重要な製造子会社があるフィリピン共和国において予期しない法律または規制の変更や、政情不安・テロ・暴動・戦争及び自然災害・パンデミック等が発生した場合、アソインターナショナルグループへの材料及び製品の供給が一時滞るおそれがあり、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④ 外国為替変動に関するリスク(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループの材料及び商品仕入れに関して、ドル建て及びユーロ建てでの取引を行っております。アソインターナショナルグループにおける、当連結会計年度の仕入取引全体に占めるドル建てでの取引比率は15.2%、ユーロ建てでの取引比率は37.7%となっております。これらの外貨建取引において、為替変動の影響を受ける可能性があります。

 また、決算時においては、アソインターナショナルの在外連結子会社の外貨建て資産、負債、収益ならびに費用は、為替換算ルールに基づき各々円貨換算されます。その円貨換算額は、為替換算レートに応じて増減するため、これらの結果、急激な為替変動により、為替損失等が発生した場合には、アソインターナショナルグループにおける財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 競合について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループは、歯科矯正市場における矯正歯科技工物の製作を事業領域としておりますが、同様の事業領域において、競合企業が存在しております。特に、マウスピース型矯正装置の市場に関して、競合の歯科技工所が当該市場へ新規参入してきており、アソインターナショナルグループの「AsoAligner DIGITAL」やその他の矯正装置の顧客が奪われる可能性があります。アソインターナショナルグループは、引き続き歯科医師・歯科医療機関等の顧客のニーズを掴み、矯正歯科技工物の製作を推進していく方針であります。また、適応症例及び非適応症例を歯科医師に理解して使用いただけるよう周知を行うことにより治療トラブルを極力回避し、歯科医師・歯科医療機関のニーズに応え競合他社との差別化が可能であると考えております。しかし、これらの競合企業に対して効果的な差別化を行うことができず、アソインターナショナルグループが想定している事業展開が図れない場合、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 営業活動について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループの顧客となり得る歯科医師は歯科大学附属病院で研修を行い、歯科医療機関開業後には出身大学のコミュニティや歯科医師会等、何らかのグループに所属しております。従って、歯科医師同士のネットワーク内での「口コミによる顧客紹介」がアソインターナショナルグループの新規顧客獲得の源泉であり重要な営業戦略として位置付けております。従って、歯科医師のみならず歯科大学附属病院との安定かつ継続的な取引関係を構築することが重要であると捉えて、積極的な営業活動を行っております。しかしながら、アソインターナショナルグループが企図する営業活動を推進できずに十分な顧客獲得が継続的にできなかった場合、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 製品開発の強化について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:高)

 アソインターナショナルグループが提供する矯正歯科技工物の品質は、患者の治療結果に大きく影響を与えるものであり、その精度・品質の更なる向上に取り組むこと、また今後も見込まれる需要増加に対応できるよう効率化を図るために、3Dプリンター等を利用したデジタル化・機械化による最新デジタル技術の導入をしておりますが、技術の日進月歩により製造技術レベル及びそれに伴う品質の更なる向上が重要であると考えております。

 アソインターナショナルグループとしては、歯科診療のデジタル化に対する顧客ニーズが高まることを踏まえ、AI技術を用いた正常歯列を仮想構築し矯正歯科技工物へ反映させる仕組みや、クラウド基盤を活用した歯科医療機関とアソインターナショナルグループ間でのデータ連携サービスの開発に取り組んでまいります。しかしながら、これらの取り組みが、想定どおりの効果を上げることができず、品質の更なる向上や作業の効率化に寄与しない場合には、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 外注先の確保について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:高)

 アソインターナショナルグループが行う歯科矯正事業では、必要に応じて、矯正歯科技工物の製作等について外部の歯科技工所等(協力パートナー)に外注委託しております。現状では、外注委託している協力パートナーとは良好かつ安定的な取引関係を保っておりますが、協力パートナーとの関係が維持できず、外部の歯科技工所が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合、製造能力の確保と拡大がなされず、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 特定の仕入先への依存度について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループは、ドイツ連邦共和国に本社を置くFORESTADENT Bernhard Förster GmbH (FORESTADENT社)と distribution contract(販売代理契約)において日本での独占販売権を締結しております。本契約に基づき、矯正装置製作の原材料等を同社から仕入れており、同社からの仕入割合は当連結会計年度において、36.9%であります。同社とは良好な取引関係が継続しており、同社からの原材料仕入品は汎用品であることから、同様の原材料等を取り扱う企業があり、代替先の確保は容易であるものと考えていますが、同社との契約が解除された場合、同社に不測の事態が生じた場合や、一時的に供給が滞り原材料仕入ができなくなった場合には、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)経営管理体制に関するリスク

① 人材の確保及び育成について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:高)

 アソインターナショナルグループでは、今後の事業拡大のためには、人材の確保・育成は重要な経営課題であると認識しております。特に歯科矯正事業の特性上、歯科技工士の確保・育成は最重要課題であります。アソインターナショナルグループでは、継続的に採用活動を行い優秀な人材確保に注力しておりますが、計画どおりに人材が確保できない場合には、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 特定人物への依存について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルの代表取締役社長である阿曽敏正は、アソインターナショナルグループの創業者であり、アソインターナショナルグループの経営方針や経営戦略の立案及び決定をはじめ、営業戦略や業務遂行等の経営全般において重要な役割を果たしております。アソインターナショナルグループは、ノウハウの共有、人材の獲得及び育成等により組織体制の強化を図り、同人に過度に依存しない経営体制の構築を進めてまいります。しかしながら、不測の事態により同人のアソインターナショナルにおける職務執行が困難となった場合は、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 情報セキュリティについて(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループは、歯科矯正事業の特性上、取引先の情報や患者情報(氏名、年齢、症例等)といった個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。具体的には、個人情報の保護に関する法律、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス及び医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドラインへの遵守が求められております。これら各種情報の取扱いには、細心の注意を払っており、情報への不正なアクセス、改ざん、漏洩、紛失等を防ぐために、情報管理体制の構築及び「個人情報保護規程」、「情報システム管理規程」を定め、適切な措置を講じております。

 また、アソインターナショナルグループの海外事業展開により、国外の患者個人情報の越境移転が発生することを想定しております。特にEUからはEU域内の個人情報を利用しているすべての企業に対して、特にEU域内から海外への個人情報移転の際に一定水準の情報保護体制づくりを要請しております。これに関して、アソインターナショナルグループはEU一般データ保護規則(GDPR)に基づきアソインターナショナル及び海外子会社と共に、EU域内からの患者情報の取扱いにつきまして、細心の注意を払っており、情報への不正なアクセス、改ざん、漏洩、紛失等を防ぐための情報保護・管理体制を構築しております。

 しかしながら、IT技術の目覚しい進化とその悪用によって不測の事態が起こりうる可能性があり、万一情報漏洩等が発生し、アソインターナショナルグループの社会的信用が低下した場合には、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④ 誤配送や矯正歯科技工物の取り違えについて(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループは、歯科医療機関から委託を受け、患者の矯正歯科技工物を製作し、歯科医療機関に配送・納品しておりますが、矯正歯科技工物は一般に要配慮個人情報となります。したがって、検収や配送に当たっては複数名によるチェック体制を構築する等誤配送や取り違えの防止策を講じておりますが、当連結会計年度においては、毎月約数万件程度の配送業務を行っており、十分に留意はしているものの、納品先の歯科医療機関を誤ったり、矯正歯科技工物を取り違えたりといったことが発生することがあります。極力誤配送や取り違え等を防止する取組みを行ってはいるものの、予期せぬ人的ミス等により、患者情報の漏洩が発生し、アソインターナショナルグループの社会的信用が低下するような場合には、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ コンピューター情報セキュリティに関するリスク(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループは、ネットワークへのセキュリティ対策を施しておりますが、コンピュータウイルス等の侵入やハッカー等による妨害の可能性が全く排除されている訳ではありません。もしこれらの被害にあった場合は、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 知的財産に関するリスク(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:低)

 アソインターナショナルグループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、またアソインターナショナルグループの知的財産権が第三者に侵害されないように、知的財産保護のための体制を整備しております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また第三者から知的財産権の侵害を受けたり可能性を排除することは不可能であるため、このような事態が生じた場合、その結果によってはアソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)その他のリスク

① 自然災害について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:高)

 アソインターナショナルグループが行う歯科矯正事業は、火災・地震・台風等大規模な自然災害の影響を受ける可能性があります。災害の状況によっては、在庫商品が被害に遭うことにより価値が減少する可能性や、商品の確保が困難になる可能性があります。このため万一に備えて各種保険への加入や倉庫等の設備の充実に努めておりますが、予測を超えた事態が生じた場合には、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 訴訟などの可能性について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループでは、コンプライアンス経営の重要性を認識しており、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。今後もコンプライアンス経営を推進してまいりますが、アソインターナショナルグループが製造販売した製品の品質に起因する訴訟等が発生する可能性があります。訴訟等の内容及び結果によっては、アソインターナショナルグループの今後の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 配当政策について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)

 アソインターナショナルグループは、株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業環境や財政状況、経営成績を考慮のうえ、内部留保と配当のバランスを考えた利益配分を行うことを基本的な方針としております。

 しかしながら、重要な事業投資を優先する場合やキャッシュ・フローの状況によっては、配当を実施しない、あるいは予定していた配当を減ずる可能性があります。

 

④ ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:高、発生する時期:数年以内、影響度:低)

 アソインターナショナルでは、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しています。本書提出日現在における新株予約権の目的となる株式の総数は135,700株であり、発行済株式総数4,884,300株の2.8%に相当します。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。

 

⑤ 大株主との関係について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:低)

アソインターナショナルの代表取締役社長である阿曽敏正は、アソインターナショナルの大株主であり、本書提出日現在において自身が発行済株式総数の8.2%を保有するとともに、同人の資産管理会社である株式会社ASOの所有株式数を含めると発行済株式総数の65.5%を所有しております。

同人は安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しておりますが、双方の意見が必ずしも一致するわけではないため、支配株主の利益追求によりアソインターナショナルの少数株主の利益が害される可能性があります。

 またアソインターナショナルといたしましては、同人及び同社は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、同人及び同社の株式の多くが減少した場合等には、アソインターナショナル株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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