TBSホールディングス(9401)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業などのリスク


TBSホールディングス(9401)の株価チャート TBSホールディングス(9401)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

TBSホールディングスグループ(TBSホールディングス及びTBSホールディングスの関係会社)は、株式会社TBSホールディングス(TBSホールディングス)及び子会社57社、関連会社36社により構成されており、テレビ・ラジオの放送及び関連事業、ライフスタイル事業、不動産賃貸業を主に、これらに附帯するサービス、保守等を行っております。

事業内容とTBSホールディングス及び関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。

なお、次の3部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。

区分

主要な関係会社

メディア・コンテンツ事業

 

・放送関連事業

放送、番組制作、映像技術、美術制作、VFX、音声技術、照明技術、カメラ取材、調査・研究等

TBSホールディングス、㈱TBSラジオ、㈱TBSテレビ、㈱BS-TBS、㈱TBSスパークル、

㈱TBSグロウディア、㈱TBSメディア総合研究所、㈱TBSアクト、

TOKYO BROADCASTING SYSTEM INTERNATIONAL,INC.、

Bellon Entertainment Inc.、

TOKYO BROADCASTING SYSTEM KOREA,INC.、㈱日音、㈱THE SEVEN、

㈱CS-TBS、TCエンタテインメント㈱、㈱マンガボックス、

㈱Seven Arcs、㈱WOWOW、㈱リトプラ、㈱U-NEXT

その他会社52社

 

 

 

 

 

・各種催物、ビデオソフト等の企画・制作、CS事業、コンピュータソフト企画・開発

映像・音声ソフト制作・販売・配信事業、各種催物、番組販売、ビデオソフト制作・販売、アニメ・マンガの企画・制作、音楽ソフト企画・制作等

 

(会社数 計72社)

ライフスタイル事業

 

雑貨小売、化粧品製造・販売、知育・教育事業等

 

㈱スタイリングライフ・ホールディングス、㈱CPコスメティクス、

㈱やる気スイッチグループホールディングス、

㈱やる気スイッチグループ、㈱やる気スイッチキャリア、

㈱YPスイッチ、㈱寺小屋グループ、㈱YGC、

台灣拓人教育事業股份有限公司、その他会社2社

 

(会社数 計11社)

不動産・その他事業

 

・不動産賃貸・保守及びサービス事業

スタジオ管理、冷暖房管理、駐車場管理、機材リース、保険代理、不動産賃貸等

TBSホールディングス、㈱TBSテレビ、㈱緑山スタジオ・シティ、㈱TBS企画、

㈱TBSサンワーク、㈱TBSヘクサ、赤坂熱供給㈱、

㈱Amazing Sports Lab Japan、その他会社1社

 

(会社数 計9社)

(注)非連結子会社4社につきましては、セグメント上「全社(共通)」であるため、上記表に記載されている3セグメントにおける会社数に含めておりません。

 

 

前記の企業集団等について図示すると次のとおりです。

 

 

(注) 無印 連結子会社
 ※ 関連会社で持分法適用会社


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

TBSホールディングスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてTBSホールディングスグループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

2020年春、TBSホールディングスグループは企業理念を定めました。

「TBSグループは、時代を超えて世界の人々に愛されるコンテンツとサービスを創り出し、

多様な価値観が尊重され、希望にあふれる社会の実現に貢献してまいります。」

この理念を実現していくうえで、TBSホールディングスグループの全員が常に心の中にとどめておくべき未来の志、お客様への大切な約束であるブランドプロミスも併せて制定しました。

「最高の“時”で、明日の世界をつくる。」

TBSホールディングスグループが、さまざまなフィールドで心揺さぶる“時間”をお届けし、社会を動かす起点となることを目指す。その未来への決意を表明したものです。

また、企業理念とブランドプロミスを凝縮し、お客様にTBSグループの提供価値をよりわかりやすくお伝えするために「ブランドメッセージ」を制定しました。

「ときめくときを。」

我々は、この企業理念、ブランドプロミス及びブランドメッセージをあらゆる経営活動の指針とし、新しいことにチャレンジしつつ、公正・迅速な報道と愛されるコンテンツの提供に努めるとともに、さらなる企業価値の向上を目指し、株主の皆様のご期待にお応えしてまいりたいと存じます。

 

(2) 目標とする経営指標

TBSホールディングスグループは、企業価値を生み出す源泉としての指標である「売上高」と、本業の中で効率よく利益を生み出す指標としての「営業利益」、資本効率の向上を図る指標として「ROIC」を重要な経営指標としております。

当連結会計年度の売上高は3,943億9百万円(前年比7.1%増)、営業利益151億7千5百万円(同27.0%減)でした。2024年度を初年度とする「TBSグループ 中期経営計画2026」は、2024年度の目標を連結売上高4,000億円、同営業利益165億円、ROICは2.8%としております。

 

ROIC: Return On Invested Capital

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題とTBSホールディングスグループの経営戦略など

TBSホールディングスグループの最大の課題は、変化が続き予測が難しい経営環境においても、社会に求められる企業として持続的に企業価値を向上していくことであると認識しております。こうした課題に対し、長期的な視点に立ち、将来の目指す姿として、2021年5月に「TBSグループVISION2030(以下、「VISION2030」といいます)」を策定しました。そして、2030年度までの10年間を3つのフェイズに分け、それぞれの期間の位置付けを明確にしたうえで、VISION2030達成に向けて計画を立案しています。

刻々と変わる世界情勢や人口動態、日本の放送広告市場など、TBSホールディングスグループを取り巻く外部環境に対し、TBSホールディングスグループが持つ強みを鑑み、我々が対処すべき経営課題を明確にし、VISION2030で示した姿を目指します。

 

TBSホールディングスグループを取り巻く環境と経営課題

 

 <「TBSグループ VISION2030」の概要>

TBSホールディングスグループにとって最大の武器は“コンテンツ創造”の力です。ライフスタイルの多様化、インターネットの台頭などメディア環境が激変していく中で、今まで以上に人々の“信頼”に応え、心や生活を豊かにする素晴らしいコンテンツを“創り”、さらに放送の枠を超えて“拡げる”(届ける)。「心揺さぶるもの」すべてをコンテンツと定義し、その価値を最大化するコンテンツグループを、TBSホールディングスグループは目指しております。

具体的には、コンテンツクリエイティブの革新と、創ったコンテンツを無限に拡げる拡張戦略「EDGE」を推し進めております。

EDGE: Expand Digital Global Experience

配信を強化してデジタルコンテンツを開拓し(Digital)、海外市場へのさらなる飛躍を追求し(Global)、ライブエンタテインメントやライフスタイルを“体験する”事業の拡大(Experience)へTBSホールディングスリソースを集中してまいります。

拡張戦略「EDGE」によって、放送広告市場の大幅な拡大が期待できない状況下においても、成長事業領域を確実に成長させることにより、グループポートフォリオの拡充を目指しております。

とはいえ、放送事業はこの成長の土台であり、放送事業の価値向上を目指すことに変わりはありません。これからの放送事業は、これまで培った価値である“信頼”をさらに深化させ、広告媒体の機能を超えて価値共創ハブとなり、パートナーと新たな価値を提案すること、また、データマーケティング推進によるメディアパワーの進化を目指しております。

そして、公共的・社会的使命をもつメディアを包含するグループならではのESG経営として、私たちが暮らす地球に(Environment)、社会や働く仲間に(Social)、責任企業として(Governance)「最高の“時”」を提供するため様々な施策を講じてまいります。私たちはコンテンツを通じて、全てのステークホルダーとともに、多様な価値観が尊重される、幸福で持続可能な社会を共創してまいります。

 

 <「TBSグループ 中期経営計画2026」の概要>

「TBSグループ 中期経営計画2026」(以下、「中計2026」といいます)は、VISION2030の第2フェイズにあたります。

第1フェイズ(2021年度~2023年度)では、VISION2030へ向けた成長への種まき期間とし、国内有料配信プラットフォームへの出資や知育・教育領域への進出、ライフスタイル事業の強化など、「EDGE」領域の中でも、特にDigital(デジタル)及びExperience(エクスペリエンス)領域を中心に約1,450億円規模の成長投資を行ってまいりました。

中計2026では、第1フェイズで拡大した事業ポートフォリオをGlobal(グローバル)領域でも拡大していくことを至上命題と位置付け、「TBSグローバルビジネス元年」にすべく、中長期のグローバル戦略を立案し、成長を加速させてまいります。さらに、第1フェイズにまいた種の成長促進、成長領域への継続的な種まき、コンテンツIPの獲得・増強などを推進し、2026年度において、売上4,500億円、営業利益240億円を目指す計画を策定しました。

 

VISION2030における中計2026の位置付け

 

 

中計2026の定量目標

 

 <「TBSグループ 中期経営計画2026」達成に向けた施策>

・コンテンツIP創出力の強化とレバレッジ

TBSホールディングスグループのコアコンピタンスは「コンテンツ制作力」であり、そこから生み出される「コンテンツIP」です。ドラマ、報道、バラエティ、アニメなど映像音声を中心とした「コアコンテンツ」に加え、第1フェイズの成長投資の過程で「新たなコンテンツ」も獲得しました。

中計2026においては、TBSホールディングスグループが有する8,000人の従業員全員が多様なアイディアを生み出せる環境を整備し、企画を見極める眼を養うとともにマーケティング力を強化することで優れたコンテンツIPを選定します。さらにテクノロジーやデザインの力で磨き上げ、より強力なコンテンツIPを生み出せる体制を構築します。

そして、質・量ともに充実した強いコンテンツIPにレバレッジをかけ、放送だけでなく、「EDGE」領域におけるTBSの成長を加速させることで、皆様の心の中に「時代を超えて残り続ける価値」、すなわち“Timeless Value”を追求・提供するグループを目指します。

また、私たちは、自らの手でコンテンツIPを開発するだけでなく、投資によるIPの獲得も行ってまいります。IPの強化によって、「EDGE」領域の事業成長はもちろん、テレビ視聴率の全時間帯1位、無料配信再生数1位を目標に掲げております。

 

Drive EDGE Forward Leveraging Creative Engine

 

 

 

 

 

・新規事業創出を通じた事業ポートフォリオの拡充

中計2026では、従来の主たる収益源である地上波広告事業を始めとした放送事業、無料配信事業を「安定収益領域」とし、第1フェイズで積極的に成長投資を行ってきた有料配信事業や知育・教育事業などを「成長注力領域」と設定しました。さらに、2024年度を「TBSグローバルビジネス元年」として位置付けているグローバルビジネス領域や新たに積極的に取り組むべき領域として設定した新規IP戦略などを「種まき領域」と設定しました。こうしてこの領域を明確化することによって、事業ポートフォリオの拡充と不断の見直しを行い、最適なコンテンツIPのアロケーションを実現させます。

 

 

 

 

・資本効率を意識したキャピタル・アロケーションと株主還元

コーポレートガバナンス・コードの遵守及び資本効率を意識した経営推進に向け、政策保有株式の売却を加速させ、その売却による資金や営業キャッシュ・フロー等をもとに1,600億円規模の成長投資を実行することで、中長期的な利益拡大及び資本効率の向上を目指します。さらに、配当と機動的な自己株式の取得により、安定的かつ継続的な株主還元を実施します。

 

中計2026におけるキャピタル・アロケーションと株主還元

 

<TBSグループマテリアリティ>

「TBSグループマテリアリティ」は2022年5月、TBSホールディングスグループの企業理念・ブランドプロミスを踏まえ、VISION2030で掲げた拡張戦略「EDGE」を実現し、ESG経営を推進するうえで取組が不可欠な重要課題として公表したものです。

中計2026においても、企業価値向上と社会的責任を果たすという双方の観点から、企業経営を推進してまいります。

 

マテリアリティ

 

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

TBSホールディングスグループの事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事項は、以下のとおりであります。必ずしも事業のリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、情報開示の観点から開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

なお、以下の記載はTBSホールディングス株式への投資に関するリスクをすべて網羅したものではありませんのでご留意ください。

 

<メディア・コンテンツ事業に関するリスク>

(1)地上波テレビ広告収入への依存と国内景気変動について

TBSホールディングスグループ売上高の大きな割合を占める地上波テレビ収入は、広告主である企業の業績やその購買者である消費者心理と強く連動しています。当連結会計年度は、資源価格の高騰などに起因するコストアップ・企業収益の圧迫や、各国中央銀行の利上げの影響などから特に当連結会計年度の上期にクライアントの広告宣伝費の抑制される傾向にありました。その結果、地上波テレビ広告への出稿もタイム収入はネットレギュラーのプラス改定や、大型スポーツ単発のセールスが堅調だったため、プラスになったものの、スポットは大幅にマイナスになり、地上波テレビ広告全体では前年度比でマイナスとなりました。

広告主である企業が、広告費を固定費(半期を契約期間とするタイムセールス)から変動費(タイム単発・スポットセールス)へシフトさせようとする潮流は依然として続いております。TBSホールディングスは、クライアントのニーズにあったセールスをすべく、半期を契約期間とする従来の手法にとらわれない、柔軟なタイムセールスに取り込んでおります。そのような取組もあり、当連結会計年度はネットタイムセールスのレギュラーベースはプラス改定となっております。今後も、クライアントのニーズにそったネットタイム・スポット枠の柔軟な運用など、売上高を最大化する取組を継続してまいります。

TBSホールディングスは、引き続き、従来のセールス手法の枠を超えて、新しい取組を積極的に展開し、売上高の拡大を目指してまいりますが、ロシアのウクライナ侵攻に代表される国際情勢の不安定化、資源価格の高騰、各国中央銀行の金融政策の動向により、今後の経済動向が悪化し、広告市場、なかでも地上波テレビ広告市場が大幅に縮小した場合には、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)メディア間の競争及びコンテンツの獲得について

テレビを中心とした映像・音声の伝送メディアは、従来型の放送、すなわち地上波、衛星(BS及びCS)、ケーブルテレビに加えてインターネット上の配信サービスの普及が進展するなど多様化し、メディア間の競争も本格化しております。こうした中で、TBSホールディングスグループは持続的な成長を促進するべく「VISION2030」・「中計2026」を策定し、競争力の強化に努めておりますが、更なる可処分時間の奪い合いが激しくなることが予想されます。

TBSホールディングスグループでは、無料見逃し配信サービスとして「TBS FREE」、民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」を利用した動画配信を提供しています。有料動画配信サービスについては、2023年4月に㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパンと経営統合した㈱U-NEXTとの協業を主軸に展開しております。2023年7月には㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパンの運営していたParaviとU-NEXTはUI/UXも統合され、現在有料会員数で400万を突破(2023年9月末時点)と順調に伸張し、国内勢プラットフォームとして圧倒的な首位を走っております。当連結会計年度は、海外プラットフォームにおいても存在感を示すため「Netflix」や「Disney+」へのコンテンツ提供を継続し、無料動画配信・有料動画配信共に大幅な増収となりました。今後もコンテンツ供給を促進し、2022年4月にスタートしたリアルタイム配信も合わせて収益の裾野を持続的に拡げてまいります。

また、スポーツコンテンツについては、放送権料が高騰する傾向にあり、優良なコンテンツの獲得をめぐるメディア間の獲得競争も激化しております。

配信プラットフォームの急速な多様化を受けて、コンテンツ需要が高まるとともに、コンテンツへの投資速度は上がっております。TBSホールディングスグループは一層強いコンテンツを生み出し、最適なウインドウコントロールを行うことで利益を最大化し、リスクを回避してまいりますが、今後、競争環境が厳しく、事業が計画通りに伸長しない場合など、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)映画、イベント事業について

TBSホールディングスグループは、映画及びアニメの企画制作や出資、そして東京都港区赤坂に「TBS赤坂ACTシアター」という劇場を所有し、演劇などの企画制作や出資を積極的に行っており、これらの制作及び出資は、収支のシミュレーションを十分に行ったうえで実施しております。しかし、感染症の大規模拡大による興業の中止・縮小や国際情勢の不安定化による経済環境の悪化など、予期せぬ社会状況の変化で事業収入が計画を下回る場合もあり、出資に見合う回収が出来ずに、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)著作権等の知的財産権について

TBSホールディングスグループの制作するテレビ番組等のコンテンツは、原作者、脚本家、音楽の作詞・作曲家、レコード製作者、実演家等、多くの著作権者等の方々の知的創作活動の成果として著作権や著作隣接権が密接に組み合わされた創造物であります。TBSホールディングスグループはコンテンツを地上波放送以外にも、BS・CS等の衛星放送はじめ、配信やパッケージなどにマルチユース展開しております。この際には、様々な著作権者等の権利に十分配慮しながら展開しておりますが、権利者からの使用許諾が得られなかった場合や、万一、著作権者等に対して不適切な対応を取った場合には、放送の差し止めや損害賠償請求などにより、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)設備投資について

TBSホールディングス放送事業・配信事業を支える基幹設備につきまして、従来の特定用途に限定される専用の機器から汎用装置へ転換を進めています。これはコストの低廉化が見込める一方で、基幹となる機器のライフサイクルの短期化及びソフトウェア開発を基軸とした機能確保を必要としています。このため、ハードディスク等の記憶媒体の破損による重要なデータの喪失、あるいは開発したソフトウェアの予期せぬ障害による業務の中断等の可能性があります。

また、規模が大きいソフトウェアの開発は精緻な仕様の確定が必要となり、開発コストの予期せぬ増大につながるリスクが想定されます。さらに、重要かつ不可欠なシステムの開発が大幅に遅延すること、場合によっては中止することで、事業継続にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)テクノロジー、システム、セキュリティについて

TBSホールディングスグループは、地上波及び衛星放送事業における基幹システムの更新・改修に加え、動画配信事業推進のために対応する最新技術の導入を行っています。また、コンテンツの価値の向上に寄与する高度なCG合成技術や第5世代移動通信システムなど、次世代技術分野の開発や新規投資も行っています。

一方、近年の技術革新のスピードや消費者ニーズの変化はとても速く、開発・投資した技術やシステムが当初の予想を超えて陳腐化することにより、計画値以上の再投資が必要になる場合や、投資額に見合った増収あるいは業務の効率化が見込めない場合には、固定資産の減損及び減価償却費の増加等、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大期を経て、在宅勤務などテレワークが一般的となり、これまでオンプレミスで社内限りのアクセスであったシステムにも外部から接続する必要性が生じ、各業務システムのインターネット接続やクラウド化が進んでいます。

当事業年度、SASE(Secure Access Service Edge)というネットワークセキュリティモデルの考え方に基づき、ゼロトラスト基盤を導入しました。情報の場所や働き方に囚われず、全ての通信を検査し、安全なリモートアクセスが可能となっています。

このような変化に適切に対応するため、TBSホールディングスグループは専門のセキュリティ対応チーム(TBS-CSIRT)を強化し、様々なセキュリティ対策を講じています。専門的な知見を持つ人材をキャリア採用し、セキュリティ担当者を増員する等、体制の強化も行っております。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)主催の分野横断演習にも参加し、有事の際の情報連携方法や体制など、様々な課題を発見し改善を実施しております。

しかしながら、近年はサイバー攻撃の手口が高度化・巧妙化していることから、各種システムのセキュリティリスクは年々高まっています。ランサムウェアや最先端の技術による想定を超えるような新たなセキュリティ上の脅威が発覚し、対策として多額の投資が必要になるケースや、個人情報の漏洩などで多額の補償金が発生するケースなど、万一の事態に備え、サイバーセキュリティ保険加入などの対応を取っているものの、規模によっては、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

<ライフスタイル事業に関するリスク>

(7)消費者のライフスタイルの変化とコスト構造について

TBSホールディングスグループは、化粧品、雑貨小物、衣料品、食料品など、生活に密着した商品を調達から販売まで一貫して行うことで、消費者に豊かな生活を届けるビジネスを展開しております。景気停滞や原材料価格の高騰などのマクロ経済環境の変化に加え、消費者需要の変化、購買行動のオンライン化や商業施設の集客力低下、異常気象及び季節性による需要の偏りといった要因により滞留在庫が発生する可能性があることなどから収益機会を逃しTBSホールディングスグループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらに加え、人材の確保、固定資産の減損、店舗閉鎖損失、為替リスク、法規制、情報漏洩、自然災害などのリスクを有しております。

 

(8)知育・教育を取り巻く環境の変化とレピュテーションリスクについて

TBSホールディングスグループは、全国に展開する様々な教育ブランドの教室や園を運営しております。

長期的な出生率の低下に伴う少子化は、生徒数確保の競争激化、また、小学校、中学校、高等学校、大学をはじめとする各種学校の学制、休暇時期、年度の変更は各講習・生徒募集時期のズレが発生、さらに、TBSホールディングスは、国籍、性別、年齢等において多様な人材確保に努めておりますが、労働人口の減少は人材の確保が困難となり、競合他社との競争が激化する可能性があります。

また、食中毒・誤飲・アレルギーなどの事故、従業員による不正・不祥事などが発生することで、企業の信頼性・イメージが低下し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)フランチャイズ契約について

TBSホールディングスグループは、ライフスタイル事業の一部で、フランチャイズシステムを採用し、FC加盟店オーナーとの間で締結するフランチャイズ契約に基づいて、TBSホールディングスグループが保有するブランド名にてチェーン展開を行っております。TBSホールディングスグループは、フランチャイズ加盟者への経営指導等を適切に行い、集客・生徒数増加、店舗・教室数等の増加を目指しておりますが、契約の相手先であるフランチャイズ加盟店における不祥事等によりブランドイメージが影響を受ける可能性があります。

また、フランチャイズシステムは、契約当事者の双方向の信頼関係により業績が向上するシステムであり、信頼関係が損なわれたり、加盟店の収益性悪化により事業継続が困難となることなどの理由で、多くの加盟店とのフランチャイズ契約が解消される事態に至った場合は、TBSホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

<不動産・その他事業に関するリスク>

(10)賃貸等不動産市況について

TBSホールディングスグループは港区赤坂を中心に不動産開発を行い、賃貸等不動産を保有しております。新型コロナウイルスの影響は緩和されましたが、一定の割合で定着したテレワークなどの勤務形態や、都心部でのオフィスビルディング新築物件の増加によって、オフィステナント需要の変化が続く見込みです。加えて、不動産開発関連工事においては、資材調達費や人件費の高騰が長期化、また既存不動産ビル運営における燃料費等の上昇により、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

<その他の事業リスク>

(11)人材の確保について

TBSホールディングスグループの企業価値向上の源泉はコンテンツ創造です。そして、生み出したコンテンツを無限に拡げていくために、「VISION2030」において掲げたコンテンツ拡張戦略「EDGE」の推進を加速させており、放送事業を土台としつつ、新ビジネス領域の拡大に注力しています。

その基礎となるのは「人」であり、2022年度に制定した人的資本経営の体系においても、大きな柱となる「人材育成方針」の戦略として「社会に貢献するオリジナルIP開発とクリエイティブ強化を担う人材ポートフォリオ形成」「EDGE戦略を支えるためのビジネス系人材ポートフォリオ形成」などを掲げ、優秀な人材の育成と獲得に邁進しています。

しかし、コンテンツ業界を取り巻く環境は急速に変化し続けており、支配的なプラットフォームはグローバルに刻々と移り変わる他、コンテンツの受け手の嗜好も多様化しています。こうした状況のもと、クリエイターは言うに及ばず、DXビジネス、ブランディングやマーケティングのスペシャリストなど、TBSホールディングスグループの今後の成長に必須である人材の獲得競争は激しさを増しています。また、その結果として、TBSホールディングスグループから優秀な人材、蓄積されたスキルやノウハウが流出してしまう懸念も高まっています。

TBSホールディングスグループとしましては、人的資本経営体系の大きな柱として、前述した「人材育成方針」とともに「社内環境整備方針」を定め、スキルアップ支援や多様な働き方の推進などを通じて、人材の定着率を高めることを目指してまいります。創造性を最大限に発揮できる組織をつくり、共に働く全ての仲間が幸せを感じる環境を整えることで、適切な人材の確保に努めてまいります。しかし、今後さらなる人材獲得競争の激化などに直面した場合、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)投資有価証券の時価評価について

当連結会計年度の純資産の部におけるその他有価証券評価差額金は、時価の変動などにより、前連結会計年度より約3,394億円増加いたしました。投資有価証券の時価評価額の増減はキャッシュ・フローに直接影響するものではありませんが、その増減に大きな変動があった場合には、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態を示す指標に影響を及ぼす可能性があります。

また、M&Aやスタートアップ企業への投資など、保有しているものの市場価格のない株式等は連結会計年度末に適切な評価を行っておりますが、投資企業の業績悪化や伸長が計画通りに進まない場合には、減損処理などによってTBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)個人情報等の取り扱いについて

TBSホールディングスグループは、番組の出演者、観覧者、雑貨販売業者、通信販売事業、インターネット上の会員サービスなどにおいて個人情報を保有し、その他各種データを含めて、社内のデータベースや外部のクラウドサービスを利用して保管しております。これらの個人情報をTBSホールディングスグループ一体として管理すべく、2022年4月の改正個人情報保護法の施行に合わせてTBSホールディングスに個人情報管理事務局を設置しました。2023年10月にスタートしたTBSグループIDのプライバシーポリシーや利用規約の策定にあたっても、支障がないようにサポートしております。このように、個人情報等の取り扱いにつきましては、十分な注意を払い、また、高度なセキュリティ対策を講じておりますが、昨今のサイバー攻撃は高度化・巧妙化しております。個人情報の漏洩や不正アクセス、不正利用、ランサムウェアによる情報漏洩・システム破壊などの事態が発生した場合は、TBSホールディングスグループに対する信頼性の低下や損害賠償の責任により、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)法的規制の影響について

TBSホールディングスは、放送法が定める認定放送持株会社として放送法並びに関係の法令に規制されております。また、TBSホールディングスグループの主たる事業であるテレビ放送事業は、放送法、電波法等の法令に規制されております。放送法は放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議会の設置などを定めています。また、電波法は、電波の公平かつ能率的な利用を確保し、公共の福祉を増進することを目的とし、無線局の免許制度を定め、放送局の免許の有効期間も定めています。TBSホールディングスグループの地上波テレビ放送については、1955年1月に免許を受けて以来、同法による免許の有効期間である5年毎に免許の更新を続け、その後、2009年4月1日に認定放送持株会社化したTBSホールディングスに代わって、子会社である㈱TBSテレビが同日免許を承継して現在に至っております。地上波ラジオ放送の免許については、1951年12月に免許を受けて以来同様に更新を続け、2001年10月に子会社である㈱TBSラジオ&コミュニケーションズ(現 ㈱TBSラジオ)がこれを承継して現在に至っております。また、㈱BS-TBS、㈱CS-TBSは衛星基幹放送の業務の認定を受けて現在に至っております。

従前、地上波テレビ局及び地上波ラジオ局は、放送対象地域ごとに異なる放送番組を放送しなければならず、経営状態の悪化など特別な条件を満たす場合でなければ放送番組の同一化は認められていませんでしたが、2024年4月1日に施行された改正放送法により、経営状態を問わず、総務大臣の認定を受けることにより、複数の放送対象地域において放送番組を同一化できる内容に改定されました。当該放送法改正は放送局の経営形態の合理化を意図するもので、複数の放送局間における資本関係の強化、経営統合など、系列局の再編に発展する可能性があります。

いずれの会社も、放送法、電波法等の法令による規制等に将来重大な変更があった場合や、それら法令に抵触する決定を受けた場合には、TBSホールディングスグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、放送法に定める外国人等が直接間接に占める議決権の割合がTBSホールディングスの議決権の5分の1以上を占めることとなるときは、放送法の規定に従い、外国人等が取得したTBSホールディングス株式について、株主名簿に記載または記録することを拒むことができるとされております。また、放送法及び放送法施行規則の規定により、一の者が有し、または有するものとみなされるTBSホールディングス株式の保有割合の合計が、TBSホールディングス総株主の議決権に占める割合の33%を超えることとなるときは、当該超過部分の議決権を有しないとされております。

その他、TBSホールディングスグループは、放送関連及び放送外の不動産賃貸事業、雑貨販売事業、通信販売事業、ビューティ&ウェルネス事業等を含む多様な企業群からなり、それぞれ、大規模小売店舗立地法、薬機法、特定商取引法、個人情報保護法などの関係法令や、表示、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準や税法など、事業ごとにさまざまな法規制を受けております。TBSホールディングスグループではコンプライアンス(法令等遵守)と倫理的行動に万全を期しておりますが、法制度の改廃などにより、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 感染症の大規模な流行などの影響について

TBSホールディングスグループでは当該感染症の影響については、事業遂行上の大きなリスクとして認識しております。流行の局面では感染防止策の徹底など、その影響を最小限にとどめるよう取組む方針ですが、予想以上に感染症の影響が長期化または更に拡大した場合、クライアントの広告宣伝費の抑制、劇場興行やイベントの中止・縮小、店舗の休業や営業時間の短縮、人流抑制による来店客の減少等により、TBSホールディングスグループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)気候変動・災害等の影響について

放送事業者は放送法により、災害が発生した場合またはそのおそれがある場合には、その発生の予防または被害軽減のための放送を行うことが義務付けられております。気候変動の影響が懸念される大規模な災害等が発生した場合には、緊急に報道特別番組を放送することにより、事前に予定されているCM放送の休止などにより収入が減少することがあります。それ以外にも、自然災害や大規模災害等が発生した場合には、景気動向と連動した広告収入の中長期的な減少、放送設備等の被災による放送運行への影響などにより十分な収入が得られず、TBSホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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