中部日本放送の連結子会社である㈱ケイマックスは、2024年10月1日付で中部日本放送の非連結子会社であった㈱マルホランドを吸収合併いたしました。
この結果、当連結会計年度末における中部日本放送グループは、中部日本放送、連結子会社9社、非連結子会社1社、関連会社5社で構成されており、事業の種類別ではメディアコンテンツ関連、不動産関連およびその他で構成されております。
各事業の内容等は次のとおりです。
なお、次の3部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
事業の系統図は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、中部日本放送グループが判断したものであります。
中部日本放送グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。
テクノロジーの進展、メディア・デバイスの多様化、広告市場の変化、少子高齢化と人口の減少、新型コロナウイルス感染症の影響などで、中部日本放送グループを取り巻く経営環境は大きく変わってきております。これまで、主力である放送事業は、高成長・高収益をもたらしてきましたが、視聴者や聴取者はいまや、時間、空間、デバイスを問わず、コンテンツを取捨選択するようになりました。放送は絶対的に優位なメディアではなくなっていることは事実です。しかし、その一方で、大規模な災害や感染症拡大などの緊急時において、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値は改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきております。こうした環境変化を踏まえ、中部日本放送グループはこれからも、地域を代表するメディア、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。
中部日本放送グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っております。ウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染症拡大による不安定な経済情勢は、広告市況の悪化をもたらし、中部日本放送グループの業績にも影響を及ぼしました。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えております。
中部日本放送は2025年、日本の民放で最初となる「創立75周年」を迎えます。この間、地域の人々と喜びも悲しみも一緒に時間を共有してきました。創世期には、未曽有の災害だった伊勢湾台風をテレビの生中継を交えて伝え、ドラゴンズの優勝時には歓喜を分かち合い、愛知万博ではパビリオンを出展して地域の活性化に努めてきました。私たちは、その喜怒哀楽に寄り添うことで地域の人々と繋がりを持ち続けてきました。テクノロジーの進歩で社会のあり方は変化しても人間の本質である喜怒哀楽に変わりはありません。
スマホの登場で社会は劇的にかつスピーディに変わりました。様々な業界がデジタル化・DXの渦に巻き込まれています。放送もその例外ではありません。スマホが「いつでも」「どこでも」「なんにでも」アクセスできる一方で、放送は決められた時間に決められたコンテンツを決められたデバイスでしか見たり聞いたりできないメディアです。しかし、スマホに代表されるインターネットメディアは「フィルターバブル」「エコーチェンバー」「アテンションエコノミー」などの問題や「フェイク」などにより情報そのものの信頼性の問題が指摘されています。デジタル社会を生き抜くにあたり、私たちも「アテンションエコノミー」における競争に臨む場面が増えてきていますが、アテンションを集めるだけでなく、コンテンツの「質」と「信頼」が問われています。
私たち放送が持つ最大の財産は長い歴史で培った「信頼」です。70年以上にわたって視聴者・リスナーの喜怒哀楽を見つめ共有してきたことから得た「信頼」です。放送法は「放送は表現の自由の確保と民主主義の発達に資すること」と規定していて、この責任を全うするために我々は免許制度で守られてきました。しかし、免許制度に守られてきた放送業界は局間競争ばかりに目を奪われ、独りよがりの送り手論理に陥っている可能性があり、この点を自省しなければ視聴者・リスナー離れを食い止められません。また、「信頼」を失わずに維持していくためには、「フェア」=公正でなければなりません。ルールを守るコンプライアンスだけが「フェア」ではありません。なぜならルールは時代とともに変わるからです。多様性や人権などに対応し、コンプライアンスの先にある「フェア」な姿勢で時代にあった新しい価値を生み出していかなければなりません。我々には公共の電波を預かっている責任があるのです。
「中期経営計画2024-2026」~フェアな姿勢でデジタル化社会に「信頼」を~
「中期経営計画2021-2023」期間中には、2021年にコンテンツ制作力強化のためケイマックスがグループ傘下入りし、2022年に技術とデザインの融合で新たな価値の創造をめざすCBC Dテックを設立し、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」へと向かうグループ機能の再編を行いました。
そして、2024年度には、この最適化がさらに機能を発揮するよう新たに「中期経営計画2024-2026」を策定しました。本計画実行にあたり、大切にしたい3つのキーワードがあります。それは「地域」「コンテンツ」「人財」です。信頼を培い、最重要マーケットである「地域」から、グループ成長のため我々が生み出していくのが「コンテンツ」です。「コンテンツ」はエリアを超えグローバルにも展開できますし、放送や配信で発信されるものだけでなく、グループ各社が提供する商品・サービスもそのひとつと考えています。そして、最も大切なものは成長戦略の原動力であり財産でもある「人財」です。
中部日本放送は、2014年4月に認定放送持株会社体制を敷いてからちょうど10年が経ちました。グループの主力である放送ビジネスは配信プラットフォームの成長により、そのビジネスモデル自体が厳しい環境になっています。グループ成長のため、2030年にあるべき姿を定め、「収益構造改革」と「デジタル推進」を2つの改革の柱とし、戦略の転換により、収益ポートフォリオの最適化を図ることにしました。
デジタル時代における競争力向上のため、各社の自立と協調を促しつつ、グループ全体のトータルマネジメントを行い、すべてのリソースを有効に活用して、地域で最も信頼されるメディアコンテンツグループとして地域社会の経済や文化の発展に寄与し続けられるようCBCグループを発展させていきます。
〈メディアコンテンツ関連〉
メディア環境は、スマホの普及や動画配信サービスの拡大などで競争が激しくなり、テレビのPUT(総個人視聴率)は減少傾向にあります。しかし、多様化によりメディアへの接触時間は増え、動画需要が高まりをみせており、放送各社も配信事業を拡大させています。同時に広告需要も、インターネット広告費がけん引役となり国内の広告需要は年々高まっていますが、放送メディアの広告費は高まる需要を取り込みきれず微減あるいは横ばいとなっています。この状況下、中部日本放送は、「中期経営計画2024-2026」に、従来の放送ビジネスの拡大と新たな収益の柱を築く戦略を盛り込み、エリアでのシェア向上やデジタル領域での事業拡大をめざしていきます。計画では、「従来の放送ビジネス」の再価値化(リブランディング)で視聴率の向上と広告価格の適正化をめざす一方、「新たな柱」として、アニメ、ドラマ、映画など「知的財産(IP)事業」や放送枠以外の商品を開発する「ビジネスプロデュース(BP)事業」を成長させ、新たな収益ポートフォリオの構築を進めます。
IP事業の取り組みとして、2024年4月に放送を開始する日曜夜のアニメ放送枠を『アガルアニメ』(日曜23:30~24:00)と称してブランディングし、CBCテレビ発の全国へ向けて放送します。様々な作品の放送や系列局であるTBS、MBSのアニメ枠と連携するなどし、アニメファンだけでなく多くの視聴者の方との接点を増やしていきます。
BP事業は、既存のCM枠収入とは異なるスポンサー由来の新規ビジネスの総称です。CBC資産のIP等を活用したクリエイティブ、デジタル、リアルなどを組み合わせ、複合的にスポンサー向け商品の開発を行っていきます。
現在放送中の番組では、2023年10月に放送開始した『デララバ』(水曜 19:00~20:00放送)が、東海地方のグルメや人気スポット、そして文化を紹介し、幅広い層の方に支持をいただいています。今後も、「東海3県の皆が知っているつもりのド定番」を深掘りするコンセプトに磨きをかけていきます。平日の夕方のワイド番組『チャント!」(月~金曜 15:49~19:00放送)は、メインMCが交代し、「ジモトがもっと好きになる!」をコンセプトに、ニュースや調査報道、そして生活情報を分かりやすく伝えて「信頼」を継承していくほか、視聴率が好調な『ゴゴスマ』(月~金曜 13:55~15:49放送)や『花咲かタイムズ』(土曜 9:25~11:45放送)も新たな企画の開発などにより番組の底上げを図ります。CBCラジオも、2024年4月、朝の情報番組をリニューアルし、『CBCラジオ#プラス!』(月曜~金曜 6:30~9:00放送)がスタートしました。CBCの中堅、若手アナウンサーらがパーソナリティを務め、より幅広い世代の方にお楽しみいただける番組をめざします。
多様化するメディア環境への対応としては、インターネット配信プラットフォームへオリジナルコンテンツを供給する他、Locipoなどで有料のプレミアムコンテンツの配信も行っていきます。さらに、グループ各社において、VR、ARへの展開やAIを活用したコンテンツ制作について研究・開発に取り組み、デジタル推進を加速していきます。
一方で、放送機能の先進化に向けては、テクノロジーの進展に合わせた新たな設備投資も必要です。また、報道機関を持つ中部日本放送グループは、いつ、いかなるときも、その役割を果たし続けていく使命があるため、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。そして、人材面では、変化する社会に柔軟に対応できるよう、多種多様な人材の採用・育成を行うとともに、DX推進による効率化、競争力の維持・強化にも取り組んでいきます。
〈不動産関連〉
保有資産の「選択と集中」戦略に基づき、新たなポートフォリオの構築を行った不動産関連事業は、安定的な収益をもたらしました。引き続き、保有資産の収益率向上に努め、グループを支える収益基盤の強化に向け、さらなる高度利用の検討を進めていきます。
〈その他〉
その他の各社における事業に関しては、メディアグループの一員として放送事業を支える機能を強化するとともに、CBCのブランド力を活かしたさらなる連携、協業を推進し、グループ外売上の拡大を図ります。
メディアコンテンツグループとしての使命、SDGs達成への貢献
中部日本放送は、当地域でいち早く「SDGメディア・コンパクト」に加盟し、テレビやラジオなどを通じて啓蒙活動に注力してきました。CBCグループはSDGs宣言をし、地域に根差したメディアコンテンツグループとして、SDGs達成に貢献していきます。
~CBCグループSDGs宣言~
CBCグループは、国際社会の共通目標として掲げられたSDGsに賛同し、「地域で最も信頼されるメディアコンテンツグループ」を目指して、様々な価値の創造、正確で有益な情報発信を続けていきます。
「未来にワクワクを」をキーワードに、視聴者・リスナーをはじめ、地域の皆さまとともに様々な問題を考え、行動し、全ての人が笑顔で日々を暮らせる未来を目指します。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において中部日本放送グループが判断したものであります。
(1) 景況等の影響について
中部日本放送グループの売上の多くは、広告収入に依存しています。特に、大きなウエイトを占めているテレビスポット収入は、国内景気の全体の動きに加え、広告主である各企業の業績や広告出稿に対する動向などとの連動性が強くなっています。このため、景況や広告主の動向によって、中部日本放送グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
中部日本放送グループでは、放送事業の広告収入を柱としながらも、不動産関連セグメント他の事業により収益基盤を強化しており、リスクの最小化に努めております。
(2) 視聴率、聴取率による影響
視聴率および聴取率は、スポンサーにとって、CMが、視聴者および聴取者に、いかに到達しているかを示す指標となっています。このため、視聴率や聴取率の変動は、メディアコンテンツ関連部門の売上高に影響を与えることとなります。
テレビにおける視聴率のうち、ゴールデンタイム、プライムタイムと呼ばれる時間帯の多くは、キー局である㈱TBSテレビが制作、編成していますが、こうした番組の視聴率動向によっても、売上高が大きく変動する可能性があります。
中部日本放送グループの㈱CBCテレビでは、キー局制作の番組を番組宣伝などにより多くの視聴者に見ていただけるよう努める一方、自社による編成時間帯では、自社制作番組の強化などにより、高い視聴率を獲得できるよう取り組んでおります。
(3) 他メディアとの競合について
テレビメディアは受像機が広く普及しており、広告メディアとしての優位性を保っていますが、技術の飛躍的な進歩によるメディア、情報デバイスの多様化は、中部日本放送グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
中部日本放送グループでは、報道、制作、編成、営業の各部署が連携して、番組を主軸としたコミュニケーション力を最大化する「総合力」を生かして、70年余りの間に培ってきた制作力に基づくコンテンツを生み出し、最大のリーチメディアである地上波放送や通信を活用した多様なメディア戦略によって、その価値を最大化し、グループの業容拡大と収益性の最大化を目指してまいります。
(4) 大規模災害の発生、気候変動、感染症拡大などへの対応について
中部日本放送の本社がある名古屋市をはじめ、放送サービスエリア内の広い範囲が、東海地震に係る地震防災対策強化地域および東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されています。中部日本放送グループでは、本社建物や電波を送り出す瀬戸のデジタルタワーを始めとした放送関連施設について、最大限の地震対策を施しております。
また、中部日本放送グループのメディアコンテンツ関連部門は報道機関であることから、大地震をはじめとする大規模な災害や新型コロナウイルスに代表される感染症拡大など、緊急時や非常事態においても、放送を続けるばかりでなく、平時以上の情報を提供し続けるという使命を負っております。
さらに、地球規模で深刻さを増す気候変動は、日本でも異常気象が大規模な災害をもたらしており、災害による被害に加え、気候変動に対処する規制などが中部日本放送をはじめ様々な企業の活動に影響を及ぼす恐れがあります。
中部日本放送グループでは、財務基盤を常に強化し続けることで、広告収入が一定期間大幅に減少したり、全く無くなったりした場合でも放送事業を継続できるよう備えております。また、こうした有事の際の放送事業継続にあたっては、BCPに則り、対応マニュアル発動、テレワーク等勤務体制の変更、番組収録体制の工夫等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進してまいります。
(5) 有価証券等の保有について
中部日本放送グループが保有する有価証券は、政策保有目的の株式など中部日本放送の企業価値向上を目的として中長期的に保有しているものですが、これらについては大幅な株式市況の下落や投資先の実質価額の著しい下落があった場合には、多額の評価損が計上され、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制について
中部日本放送は、放送法が定める認定放送持株会社として放送法ならびに関係の法令に規制されております。また、中部日本放送グループの主たる事業である放送事業は、電波法や放送法等の法令に規制されております。中部日本放送は1951年8月に放送法に基づく放送免許を取得して以来、同法による免許の有効期間である5年ごとに更新を続け、その後、2013年4月にラジオ放送免許を㈱CBCラジオに、2014年4月にテレビ放送免許を㈱CBCテレビに、それぞれ承継し、中部日本放送は2014年4月に認定放送持株会社化して現在に至っております。
いずれの会社も、将来において、電波法、放送法等の法令による規制に重大な変更があった場合や、それらの法令に抵触する決定を受けた場合には、中部日本放送グループの事業活動や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
中部日本放送グループでは、内部管理体制の強化やコンプライアンス体制の整備に努めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー