中部日本放送(9402)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】中部日本放送グループは、中部日本放送、連結子会社9社、非連結子会社1社、関連会社5社で構成されており、事業の種類別ではメディアコンテンツ関連、不動産関連およびその他で構成されております。各事業の内容等は次のとおりです。なお、次の3部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業部門主要な事業の内容事業の構成会社メディアコンテンツ関連放送法による放送事業(テレビおよびラジオの放送)放送番組の制作・販売動画コンテンツ等の制作・販売音楽、スポーツ等のイベント住宅展示場関連事業広告代理業中部日本放送㈱CBCテレビ㈱CBCラジオ㈱CBCクリエイション㈱CBCコミュニケーションズ㈱ケイマックス㈱CBC Dテック㈱massenext㈱エヌティーピー㈱デンナーシステムズ不動産関連不動産賃貸・管理、太陽光発電事業中部日本放送㈱千代田会館㈱CBCビップスその他ゴルフ場の経営、保険代理業㈱南山カントリークラブ㈱CBCビップス春日井開発㈱㈱中日新聞保険サービス㈱インターシンク 事業の系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、中部日本放送グループが判断したものであります。 (1)経営方針および経営環境中部日本放送グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「地域で最も信頼されるメディアコンテンツグループとして地域社会の経済や文化の発展に寄与し続ける」ことを経営の基本理念としております。テクノロジーの進展、メディア・デバイスの多様化、広告市場の変化、少子高齢化と人口の減少、新型コロナウイルス感染症の影響などで、中部日本放送グループを取り巻く経営環境は大きく変わってきております。これまで、主力である放送事業は、高成長・高収益をもたらしてきましたが、視聴者や聴取者はいまや、時間、空間、デバイスを問わず、コンテンツを取捨選択するようになりました。放送は絶対的に優位なメディアではなくなっていることは事実です。しかし、その一方で、大規模な災害や感染症拡大などの緊急時において、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値は改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきております。こうした環境変化を踏まえ、中部日本放送グループはこれからも、地域を代表するメディア、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。中部日本放送グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っております。ウクライナや中東などの世界情勢や、アメリカの政策動向による不安定な経済情勢は、広告市況の停滞につながり、中部日本放送グループの業績にも影響を及ぼします。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えております。 (2)対処すべき課題中部日本放送は、1950年12月の創立から2025年12月に75周年を迎え、9月1日には民間放送第一声となるラジオ放送開始から75年、そしてテレビ放送開始からは70年という節目を迎えています。1951年に日本初の民間放送として第一歩を記して以来、私たちは一貫して自らの足で取材を行い、地域の皆さまの喜怒哀楽に寄り添いながら、正確で誠実な情報・コンテンツを一日も休むことなく届けてまいりました。私たちの歩みは、常に時代を切り拓く挑戦の連続でもありました。1959年の伊勢湾台風においては、未曾有の災害を前に不眠不休で命を守る防災報道を行い、民間放送の公共性を体現しました。1974年には在京キー局に先駆けて夕方のローカルワイドニュース番組『CBCニュースワイド』を立ち上げ、日本のニュース放送のあり方に一石を投じました。そのチャレンジ精神は、名古屋発の情報番組『ゴゴスマ』の全国展開の成功にもつながっています。現在、社会のデジタル化は加速度的に進み、生成AIの普及が利便性をもたらす一方で、フェイクニュースの拡散や「アテンション・エコノミー」に起因する情報の質の低下が顕在化しています。既存のメディアは時に「オールドメディア」と称され、その存在意義が厳しく問われています。加えて、近年わが国を襲う記録的な猛暑や、甚大な被害が想定される南海トラフ地震など、私たちは予測困難な自然災害の脅威にも直面しています。生活の安全が脅かされ、情報の真偽が不透明な時代だからこそ、伊勢湾台風以来私たちが積み重ねてきた「信頼性」という価値が、社会からかつてないほど求められています。75周年という節目は、地域の皆さまへの深い感謝を体現する契機にほかなりません。これまで以上に視聴者・聴取者の皆さまに寄り添い、地元の企業や自治体、研究機関などとの連携を強め、グループ各社の総力を結集して、地域社会の発展に貢献し続けるという役割を果たしてまいります。そして、放送のパイオニアとして、長年培ってきた「信頼」を礎として、デジタル社会における新たな情報発信の可能性を追求してまいります。 「中期経営計画2024-2026」~フェアな姿勢でデジタル化社会に「信頼」を~中部日本放送は「地域で最も信頼されるメディアコンテンツグループとして地域社会の経済や文化の発展に寄与し続ける」という普遍的な経営方針を掲げ、現在、3か年の「中期経営計画2024-2026」の最終年度を迎えております。本計画においては、「放送ビジネスの再価値化」、「新たな収益の柱」の構築、そしてテクノロジーを力に変える「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の3点を軸に、事業構造の変革を進めています。激変するデジタル社会において計画を進める源泉は、独創と共創を発揮する「人財」にあります。人財こそが企業価値を創出する最大の財産であるとの認識のもと、積極的なコンテンツ制作や新たな価値を生み出し続ける企業文化の醸成に注力しています。その一環として、従業員の心身の健康促進を経営的視点から戦略的に実践し、3月には中部日本放送および㈱CBCテレビは「健康経営優良法人」の認定を受けました。そして、地域に根差し、その期待に応え続けるために私たちが最も大切にしているのは「フェア(公正)であること」です。ルールを守るだけがフェアではありません。時代とともに移り変わる社会の規範の先にある多様性や人権など決して変わることのない価値観を大切にして、「フェアな姿勢でデジタル化社会に『信頼』を」確立してまいります。 〈メディアコンテンツ関連事業〉「中期経営計画2024-2026」で力を入れる「放送ビジネスの再価値化」は最重要の強みである「信頼性」をバックボーンとしたコンテンツ力と営業力を活かし、これまで着実に進捗しています。イラン周辺を中心とした中東情勢の緊迫化や米国政策の変動性といった国際情勢の不透明感は国内経済に予断を許さない影響を与えていますが、地上波放送が持つ公共性や安全性は広告市場であらためて評価をされており、広告価値の適正化、すなわち「CMのカロリーアップ」は着実に実を結んでいます。同時に、持続的な成長に向けた「新たな収益の柱」の構築においては、アニメコンテンツを核とした「知的財産(IP)事業」および、放送枠を超えた価値を提供する「ビジネスプロデュース(BP)事業」の両輪を成長させ、収益ポートフォリオの強化を加速させています。IP事業においては、放送エリアを越え、グローバル市場を見据えたビジネス展開を推進しています。その象徴として、日曜日夜の『アガルアニメ』枠(日曜23:30~24:00)で放送した『ガチアクタ』は、北米をはじめとする海外配信プラットフォームにおいて高い評価を獲得しました。さらに1月から同枠で放送した『火喰鳥』で、㈱CBCテレビが製作委員会の共同幹事を務めています。引き続き、良質な作品を国内外のプラットフォームへ発信し続けてまいります。また、スポンサー企業の多種多様な課題に対し、イベント、配信、コンテンツなどグループが有する総合リソースを最適に組み合わせ、解決を提示する「BP事業」も順調に成長をしています。久屋大通公園を会場に、2年連続で実施した大規模イベント『5チャン春祭り』(3月)は、地域社会との深い繋がりを具現化したくさんの皆さまに足を運んでいただき、多くの企業からの協賛を得ました。そして私たちの事業の進化を支えるのが、デジタル領域の取り組みです。生成AIをはじめとする最新テクノロジーを積極的に活用して業務の効率化を追求するとともに、『5チャン春祭り』ではGPSデータを活用した来場者属性の把握や人流分析を実施しました。今後もこうしたデータマーケティングの実践により、スポンサーへの提案力を高め競争優位性を高めてまいります。CBCグループの創業事業でもある㈱CBCラジオは開局75周年を迎える中、様々なチャレンジを行っています。今シーズンから47年ぶりに神宮球場からのプロ野球中継を復活し、中日ドラゴンズの全試合を完全中継しています。また、新たなメディア、ポッドキャストでも積極的にコンテンツを配信し、『大久保佳代子・森本晋太郎のどうぞご自由に』は、大手音声アプリ「Spotify」において2025年開始の新番組として、最も高い再生数を獲得したことで業界内でも話題となりました。 『アジア・アジアパラ競技大会』への取り組み中期経営計画の最終年度を象徴する大型事業は、地元愛知・名古屋を中心に開催される『アジア・アジアパラ競技大会』への取り組みです。アジア競技大会は中部日本放送が放送を開始した1951年に初めて開催され、1954年の『第2回アジア競技大会(フィリピン・マニラ開催)』の際には、中部日本放送は日本の民放で初めてラジオ海外中継を行いました。32年ぶりに国内での開催となるアジア最大のスポーツの祭典の興奮や感動を、地域に根差すメディアグループとして、放送を通じて地域の皆さまと分かち合います。また、各番組を通じたアスリートの魅力発信や機運醸成に努め、一人でも多くの方が会場へ足を運べるよう総力を挙げて盛り上げます。加えて、国際映像制作の受託やライブサイト運営への参画などを通じ、地域と一体となって大会の成功を支え、大会後も次代を切り拓く新たな活力へとつなげていきます。 〈不動産関連〉保有資産の「選択と集中」戦略に基づき、新たなポートフォリオの構築を行った不動産関連事業は、安定的な収益をもたらしています。引き続き、保有資産の収益率向上のため、高度利用を見据えた再開発を積極的に検討し、グループを支える収益基盤の強化を図ります。 〈その他〉その他の各社における事業に関しては、メディアグループの一員として放送事業を支える機能を強化するとともに、CBCのブランド力を活かしたさらなる連携、協業を推進し、グループ外売上の拡大を図ります。 メディアコンテンツグループとしての使命、SDGs達成への貢献中部日本放送は、当地域でいち早く「SDGメディア・コンパクト」に加盟し、テレビやラジオなどを通じて啓蒙活動に注力してきました。CBCグループはSDGs宣言をし、地域に根差したメディアコンテンツグループとして、SDGs達成に貢献していきます。 メディアとしての責任中部日本放送は1950年の創立にあたり、その趣意として「自由なる報道、健全娯楽、文化的教養の高揚」を掲げました。以来、わが国初の民間放送としての誇りを胸に、自ら取材現場に立ち、地域の皆さまの知る権利に応え、常に弱者に寄り添うジャーナリズムの精神を貫いてまいりました。私たちの使命は、正確な地域情報を発信し続けることで民主主義の発展に寄与し、大規模な自然災害や予期せぬ社会的危機の際、地域の皆さまの生命と財産を守るための「情報の命綱」として機能し続けることです。こうした社会的責任をいかなる困難な状況下においても完遂するためには、強固な財務基盤の維持が必要です。「社会の公器」としての役割を全うし、地域社会とともに持続的な成長を遂げていくためには、この健全な経営基盤こそが不可欠となります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において中部日本放送グループが判断したものであります。 (1) 景況等の影響について 中部日本放送グループの売上の多くは、広告収入に依存しています。特に、大きなウエイトを占めているテレビスポット収入は、国内景気の全体の動きに加え、広告主である各企業の業績や広告出稿に対する動向などとの連動性が強くなっています。このため、景況や広告主の動向によって、中部日本放送グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。 中部日本放送グループでは、放送事業の広告収入を柱としながらも、不動産関連セグメント他の事業により収益基盤を強化しており、リスクの最小化に努めております。 (2) 視聴率、聴取率による影響 視聴率および聴取率は、スポンサーにとって、CMが、視聴者および聴取者に、いかに到達しているかを示す指標となっています。このため、視聴率や聴取率の変動は、メディアコンテンツ関連部門の売上高に影響を与えることとなります。テレビにおける視聴率のうち、ゴールデンタイム、プライムタイムと呼ばれる時間帯の多くは、キー局である㈱TBSテレビが制作、編成していますが、こうした番組の視聴率動向によっても、売上高が大きく変動する可能性があります。中部日本放送グループの㈱CBCテレビでは、キー局制作の番組を番組宣伝などにより多くの視聴者に見ていただけるよう努める一方、自社による編成時間帯では、自社制作番組の強化などにより、高い視聴率を獲得できるよう取り組んでおります。 (3) 他メディアとの競合についてテレビメディアは受像機が広く普及しており、広告メディアとしての優位性を保っていますが、技術の飛躍的な進歩によるメディア、情報デバイスの多様化は、中部日本放送グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。中部日本放送グループでは、報道、制作、編成、営業の各部署が連携して、番組を主軸としたコミュニケーション力を最大化する「総合力」を生かして、70年余りの間に培ってきた制作力に基づくコンテンツを生み出し、最大のリーチメディアである地上波放送や通信を活用した多様なメディア戦略によって、その価値を最大化し、グループの業容拡大と収益性の最大化を目指してまいります。 (4) 大規模災害の発生、気候変動、感染症拡大などへの対応について 中部日本放送の本社がある名古屋市をはじめ、放送サービスエリア内の広い範囲が、東海地震に係る地震防災対策強化地域および東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されています。中部日本放送グループでは、本社建物や電波を送り出す瀬戸のデジタルタワーを始めとした放送関連施設について、最大限の地震対策を施しております。また、中部日本放送グループのメディアコンテンツ関連部門は報道機関であることから、大地震をはじめとする大規模な災害や感染症拡大など、緊急時や非常事態においても、放送を続けるばかりでなく、平時以上の情報を提供し続けるという使命を負っております。さらに、地球規模で深刻さを増す気候変動は、日本でも異常気象が大規模な災害をもたらしており、災害による被害に加え、気候変動に対処する規制などが中部日本放送をはじめ様々な企業の活動に影響を及ぼす恐れがあります。中部日本放送グループでは、財務基盤を常に強化し続けることで、広告収入が一定期間大幅に減少したり、全く無くなったりした場合でも放送事業を継続できるよう備えております。また、こうした有事の際の放送事業継続にあたっては、BCPに則り、対応マニュアル発動、テレワーク等勤務体制の変更、番組収録体制の工夫等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進してまいります。 (5) 有価証券等の保有について 中部日本放送グループが保有する有価証券は、政策保有目的の株式など中部日本放送の企業価値向上を目的として中長期的に保有しているものですが、これらについては大幅な株式市況の下落や投資先の実質価額の著しい下落があった場合には、多額の評価損が計上され、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 法的規制について 中部日本放送は、放送法が定める認定放送持株会社として放送法ならびに関係の法令に規制されております。また、中部日本放送グループの主たる事業である放送事業は、電波法や放送法等の法令に規制されております。中部日本放送は1951年8月に放送法に基づく放送免許を取得して以来、同法による免許の有効期間である5年ごとに更新を続け、その後、2013年4月にラジオ放送免許を㈱CBCラジオに、2014年4月にテレビ放送免許を㈱CBCテレビに、それぞれ承継し、中部日本放送は2014年4月に認定放送持株会社化して現在に至っております。 いずれの会社も、将来において、電波法、放送法等の法令による規制に重大な変更があった場合や、それらの法令に抵触する決定を受けた場合には、中部日本放送グループの事業活動や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 中部日本放送グループでは、内部管理体制の強化やコンプライアンス体制の整備に努めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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